JP2827252B2 - オーバーロックミシン - Google Patents

オーバーロックミシン

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JP2827252B2
JP2827252B2 JP1044944A JP4494489A JP2827252B2 JP 2827252 B2 JP2827252 B2 JP 2827252B2 JP 1044944 A JP1044944 A JP 1044944A JP 4494489 A JP4494489 A JP 4494489A JP 2827252 B2 JP2827252 B2 JP 2827252B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明はオーバーロックミシンに係り、詳しくはル
ーパーへの糸掛けを容易にするための構成に関するもの
である。
[従来技術] 通常アンダールーパーはミシンベッドの下側を横方向
に延びているとともに、その周辺や直上には針板等の部
品があるためアンダールーパーへの糸掛けは面倒なもの
であった。そこで、その糸掛けを容易にするために、従
来、実開昭59−188078号公報には、先端に糸案内を備え
たアームをルーパー腕に起伏自在に設け、アームをミシ
ンベッドの下方へ倒した状態で糸案内に糸を掛け、アー
ムの起立状態で糸案内上の糸をルーパーの基端側に受け
渡すように構成したルーパー装置が提案されている。
また、実開昭61−77964号公報には、先端にルーパー
が形成された回動レバーをつまみによりルーバー腕に離
脱可能に連結し、糸掛けに際しては、つまみの操作によ
りルーパー腕から回動レバーを離脱したのち、それを側
方に回動してルーパーをミシン機枠の開口部に露出させ
るように構成したオーバーロックミシンが提案されてい
る。
[発明が解決しようとする課題] ところが、前者の従来装置によると、糸掛け位置がミ
シンベッドの相当下方に設定されるため、作業者はミシ
ンベッド内をのぞき込みながらその底面近くで糸掛けを
行うという不便があるばかりでなく、アームを起立位置
に戻し忘れたり、不注意等により倒伏位置に移動させた
りした状態でミシンを起動した場合、糸の弛みにより縫
目を美しく形成できないという問題点もあった。
また、後者の従来構成においては、糸掛けに際し、回
動レバーを側方へ回動しかつ戻す操作に加え、それの前
後につまみを緩めたり締めたりする操作が必要となるた
め、ワンタッチで糸掛けを行い得るには至っていなかっ
た。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされた
ものであり、その目的はルーパーへの糸掛けをほぼワン
タッチで操作性よく行うことができるオーバーロックミ
シンを提供することにある。
[課題を解決するための手段] この目的を達成するために本発明のオーバーロックミ
シンは、ルーパーの基端付近においてルーパーと一体的
に揺動可能に設けられルーパーの糸挿通孔に糸を案内す
るための糸案内部と、ルーパーと一体的に揺動可能でそ
のルーパーに対して回動可能に設けられた回動レバー
と、糸挿通孔に対応する第1の位置と糸案内部に対応す
る第2の位置との間を移動するように回動レバーの先端
に設けられ第1の位置において糸が掛止されるとともに
第2の位置において糸案内部に糸を受け渡す受け渡し部
材とを備えている。
[作用] 上記の構成を有する本発明は、糸掛けに際し、まず糸
を第1の位置に配置した糸受け渡し部材に掛止したの
ち、ルーパーの糸挿通孔に挿通すれば、このときの糸受
け渡し部材は糸挿通孔に対応しているため、双方への糸
通しを連続して迅速に行うことがせきる。次いで、糸受
け渡し部材を第2の位置へ移動して糸を糸案内部に掛け
れば、その糸案内部により糸がルーパーの基端から糸挿
通孔に向かって延びる。従って、ルーパーへの糸掛けを
ほぼワンタッチの操作により簡単に行うことができる。
[実施例] 以下、本発明を具体化した一実施例を図面を参照して
説明する。
第1図に示すように、ミシン機枠1のアーム部2には
押え棒3を介して布押え4が装着されるとともに、針棒
5を介して二本のミシン針6が上下動可能に設けられて
いる。ミシン針6の目孔6aには、針糸(図示略)が糸調
子器(図示略)等を介して供給される。
ミシン機枠1の下部にはアンダールーパー11とオーバ
ールーパー16とが内装されている。各ルーパー11,16先
端の糸挿通孔11a,16aにはルーパー糸が糸調子器および
ルーパー天秤(図示略)を介して供給される。そして、
上下の各ルーパー11,16とミシン針6との協働により針
糸およびルーパー糸を使用して図示しない加工布に環縫
縫目が形成されるようになっている。
なお、ベッド部10の前面を除くミシン機枠1の下部前
面はカバー13により開閉可能に覆われている。14は切断
装置(図示略)により切断された加工布の切れ端を案内
するための案内板であり、カバー13と一体に開閉され
る。
次に、前記アンダールーパー11(以下ルーパーと略
す)及びその関連構成について詳述する。
ミシン機枠1内にはミシン主軸(図示略)に連結され
たルーパー軸17によりルーパー腕18が揺動可能に設けら
れ、第3,5図に示されるように、ルーパー腕18の先端に
はねじ20および長孔21により前記ルーパー11が上下位置
調節可能に、且つベッド面の下方に位置するように固定
されている。ルーパー11の前面にはその長手方向に沿っ
て糸案内溝23が凹設され、その溝23の先端に前記糸挿通
孔11aが貫設されている。
ルーパー11の基端付近において糸通しベース19がねじ
22によって固定され、その糸通しベース19の左端には突
出片24が一体形成され、そこには横V字状の糸案内孔25
が透設されている。突出片24の上端部はルーパー11の基
端部前面に接合され、この接合部分に位置する糸案内孔
25の上端部がルーパー糸LTを糸挿通孔11aに導き出すた
めの導出部26となっている。また、糸案内孔25の下端は
前記天秤側からのルーパー糸LTを導き入れるための導入
部27となっている。
そして、糸通しベース19の下端には略コ字形に形成さ
れた回動レバー30が段ネジ31に回動可能に支持されてい
る。
回動レバー30の自由端部には、第4,6図に示すよう
に、L字状の掛止片32が折曲形成され、その上下両側縁
には、ルーパー糸LTを掛止するための掛止凹部34と、そ
の掛止凹部34にルーパーLT糸を案内するための傾斜縁33
aとを有する折曲片33が形成されている。各折曲片33間
には、掛止凹部34内のルーパー糸LTを保持及び開放する
ための回動片36がピン35により支持されている。回動片
36と掛止片32との間には回動片36を開放方向に付勢する
ばね37が係着されている。また、回動レバー30の中央部
にはそれを移動操作するための操作部38が装着されてい
る。
そして、前記掛止片32と回動片36とにより糸受け渡し
部材39が構成され、この糸受け渡し部材39は操作部38の
操作により回動レバー30と共に糸通しベース19上におい
て、第3,4図に示すようにルーパー11の糸挿通孔11aに対
応する第1の位置と、第5,6図に示すように前記糸案内
孔25に対応する第2の位置との間で移動される。そし
て、第1の位置においては、糸受け渡し部材39の回動片
36が糸通しベース19との係合によりばね37の作用に抗し
て閉鎖され、ルーパー糸LTがその回動片36により掛止凹
部34内に保持されるとともに、第2の位置においては、
回動片36と糸通しベース19との係合が解離されて、回動
片36がばね37の作用により開放されて、ルーパー糸LTが
回動片36上を経て糸案内孔25に受け渡されるようになっ
ている。
尚、糸受け渡し部材39が前記第1の位置に配置された
ときには、回動レバー30の一部が糸通しベース19のスト
ッパ28に当接して、回動レバー30のそれより右方への回
動が規制される。また、糸受け渡し部材39は糸通しベー
ス19の小孔40と回動レバー30の凸部41との嵌合により前
記第2の位置に位置決め保持される。尚、回動レバー30
の第2の位置より左方への回動を規制するために回動レ
バー31はねじ22に係合するように、形成されている。更
に、前記操作部38の前面には操作方向を指示する矢印42
が設けられ、回動レバー30の前面には、糸受け渡し部材
39の第1,第2の位置における糸通しベース19の指標43a,
43bに合致する表示44が設けられている。また、糸通し
ベース19には、ミシン運転時における回動レバー30の適
正位置を示しす矢印44が設けられている。第1図に示す
47は手動操作プーリである。
以上の構成において、次に作用を説明する。
さて、第1図はルーパー11が左方の揺動端位置に配置
されたミシンの停止状態を示すものである。この状態で
ルーパー11への糸掛けを行う場合には、まずカバー13を
開放するとともに、プーリ47の操作によりルーパー腕18
を右方へ回動して第2図に示すように、ルーパー11の糸
挿通孔11aをベッド部10外に露出させる。続いて、操作
部38をつまんで回動レバー30を下方に操作して表示44が
指標43aに合致する位置まで回動させれば、第3,4図に示
すように、糸受け渡し部材39がベッド部10外の糸掛け容
易な前記第1の位置に配置される。
次に、天秤から導かれたルーパー糸LTを糸受け渡し部
材39の左下方から傾斜縁33aを介して掛止凹部34に掛止
したのち、その先端をルーパー11の糸挿通孔11aに挿通
する。この場合、糸受け渡し部材39が外部に露出してい
るとともに、ベッド面と比較してそれほど低くないとこ
ろに位置するため、それへの糸掛けを作業者の視界内で
容易に行うことができる。しかも、糸受け渡し部材39は
その左側がV字状に開放されているので、孔に糸通しす
る場合とは異なり、ルーパー糸LTの先端に近い途中部分
を掛止凹部34に簡単に掛止することができる。また、こ
の位置における糸受け渡し部材39はルーパー11の糸挿通
孔11aのほぼ真下に対応しているため、掛止凹部34から
出たルーパー糸LTを糸挿通孔11aに容易に導くことがで
きる。
この糸掛け状態において、続いて、操作部38を上方へ
操作し、表示44が指標43bに合う位置まで回動レバー30
を回動すれば、第5,6図に示すように、小孔40と凸部41
との嵌合により糸受け渡し部材39が前記第2の位置に配
置される。すると、回動片36が糸通しベース19から解離
されるため、ばね37の作用によりその先端が糸通しベー
ス19の後面側に突出する位置まで開放回動され、ルーパ
ー糸LTが掛止凹部34から開放される。
そして、この状態でミシンが起動されると、縫目形成
に伴う張力によりルーパー糸LTが糸受け渡し部材39から
離れて糸案内孔25の導入部27と導出部26との間に受け渡
されてルーパー11の糸案内孔23に沿って糸挿通孔11aい
至り、これをもってルーパー11へ糸掛けが終了する。
以上のように糸通しすれば、ルーパー糸LTを糸受け渡
し部材39に掛止して回動レバー30を左方へ回動するだけ
のほぼワンタッチの操作によりルーパー11への糸掛けを
操作性よく行うことができる。また、糸掛け後には、ル
ーパー糸LTが横V字形の糸案内孔25の両端に位置する導
入部27と導出部26との間に掛けられてスライダ30から外
れているため、不注意等により糸受け渡し部材39を第2
の位置から第1の位置への移動した場合でも、ルーパー
糸LTが糸案内孔25から外れて緩むおそれがなく、糸緩み
のない美しい環縫縫目を形成することができる。
尚、前記実施例においては糸受け渡し部材39にばね37
を設けたが、回動片36は縫目形成時の糸張力により自動
的に開放されるため、このばね37を省略しても前記と同
様な作用を得ることができる。また、上述した説明では
ミシンの運転時に糸受け渡し部材39が第2の位置に配置
されているが、前記した理由により糸掛け後にはルーペ
ー糸LTが糸案内孔25から外れないため、糸受け渡し部材
39を第1の位置に配置してミシンを運転しても何ら支障
をきたすことはない。
また、前記実施例においては、回動レバー30は糸通し
ベース19に回動可能に設けられているが、ルーパー腕1
8,ルーパー軸17等のルーパー11と一体的に駆動する部材
に設けられても何ら支障をきたすことはない。
[発明の効果] 以上詳述したことから明らかなように、本発明によれ
ば、糸通しベース上に、糸受け渡し部材を糸挿通孔に対
応する第1の位置と糸案内部に対応する第2の位置との
間で移動可能に支持し、糸が第1の位置において糸受け
渡し部材に掛止されるとともに、第2の位置において糸
受け渡し部材から糸案内部に受け渡されるように構成し
たので、ルーパーへの糸掛けをほぼワンタッチで操作性
よく行うことができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図から第6図までは本発明を具体化した実施例を示
すもので、第1図はオーバーロックミシンの正面図、第
2図は糸掛け開始状態を示す糸掛け機構の正面図、第3
図は、糸受け渡し部材が第1の位置に配置された状態を
示す糸掛け機構の正面図、第4図は第3図の糸受け渡し
部材の状態を示す側面図、第5図は糸受け渡し部材が第
2の位置に配置された状態を示す糸掛け機構の正面図、
第6図は第5図の糸受け渡し部材の状態を示す上面図で
ある。 図中、1はミシン機枠、6はミシン針、11はアンダール
ーパー、11aはその糸挿通孔18はルーパー腕、25は糸案
内孔、30は回動レバー、39は糸受け渡し部材、LTはルー
パー糸である。
フロントページの続き (56)参考文献 特許2624512(JP,B2) 特公 昭60−43995(JP,B2) 特公 昭61−18473(JP,B2) 特公 昭60−47000(JP,B2) 特公 昭59−27597(JP,B2) 実公 平6−25271(JP,Y2) 実公 昭60−38478(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D05B 57/06 D05B 1/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下動可能なミシン針(6)と、揺動可能
    なルーパー腕(18)の上端に横方向に延びるように形成
    されるとともに先端に糸挿通孔(11a)を有するルーパ
    ー(11)とを備え、前記ミシン針(6)とルーパー(1
    1)との協働により環縫縫目を形成するようにしたオー
    バーロックミシンにおいて、 前記ルーパー(11)の基端付近においてルーパー(11)
    と一体的に揺動可能に設けられ、前記糸挿通孔(11a)
    に糸(LT)を案内するための糸案内部(25)と、 前記ルーパー(11)と一体的に揺動可能で、そのルーパ
    ー(11)に対して回動可能に設けられた回動レバー(3
    0)と、 前記糸挿通孔(11a)に対応する第1の位置と前記糸案
    内部(25)に対応する第2の位置との間を移動するよう
    に前記回動レバー(30)の先端部に設けられ、第1の位
    置において糸(LT)が掛止されるとともに、第2の位置
    において糸案内部(25)に糸(LT)を受け渡す糸受け渡
    し部材(39)と を設けたことを特徴とするオーバーロックミシン。
JP1044944A 1988-05-31 1989-02-23 オーバーロックミシン Expired - Fee Related JP2827252B2 (ja)

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AU35871/89A AU615551B2 (en) 1988-05-31 1989-05-31 Overlock sewing machine with a threading mechanism for easily threading a looper
CN89103714A CN1014733B (zh) 1988-05-31 1989-05-31 带穿线机构的锁缝机
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