JP2826269B2 - ワンサイドボルト使用柱・梁接合構造 - Google Patents

ワンサイドボルト使用柱・梁接合構造

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JP2826269B2
JP2826269B2 JP6156743A JP15674394A JP2826269B2 JP 2826269 B2 JP2826269 B2 JP 2826269B2 JP 6156743 A JP6156743 A JP 6156743A JP 15674394 A JP15674394 A JP 15674394A JP 2826269 B2 JP2826269 B2 JP 2826269B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、角形鋼管柱等の鋼管
柱とH形鋼等の鉄骨梁とを現場溶接無しで接合するワン
サイドボルト使用柱・梁接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、角形鋼管柱にH形鋼等の鉄骨梁を
接合する場合、図または図に示す接合構造が一般に
採られている。すなわち、柱101を梁102のフラン
ジ高さで切断し、この切断部に補剛用のダイヤフラム1
03を溶接する。このダイヤフラム103に梁102の
一部をブラケット104として溶接しておく。現場で
は、ブラケット104と梁102とを、溶接により、ま
たは図のように添え板105と共にボルトによって接
合する。この他に、図に示すように、ダイヤフラム1
06を柱101の内部に溶接し、梁102の端部を柱1
01に直接に溶接するものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにダ
イヤフラム103やブラケット104を設ける構造であ
ると、部材点数や溶接箇所が多くて溶接や切断加工等に
手間がかかる。しかも、ブラケット104が突出するた
め、工場から現場への運搬の効率が悪い。また、図
例のように梁102を柱101に直接に溶接するもので
は、現場溶接が必要となる。溶接は高度な技術を要し、
品質管理が容易でないうえ、溶接技術者も不足する傾向
にあるため、現場溶接を無くすことが望まれている。こ
のため、柱と梁とを特殊な接合装置を用いてボルト接合
するものが種々提案されているが、角形鋼管柱は閉鎖断
面形であり、通常の高力ボルトを使用するためにはボル
ト締め機構に工夫を要する。例えば、角形鋼管柱内に予
めナットを仕込んでおいたり、ねじを切っておかなけれ
ばならない等、施工上で不利な点がある。
【0004】この発明の目的は、簡単な構成で柱の梁接
合部の耐力,剛性が確保でき、現場溶接も必要とせず、
かつ閉鎖断面の鋼管柱に対して外側からの作業で容易に
接合することができ柱・梁接合構造を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明のワンサイドボ
ルト使用柱・梁接合構造は、鋼管柱を構成する上下の鋼
管の間に、この鋼管よりも厚肉の接合用筒体を固着し、
この接合用筒体の外面に、鉄骨梁の端部の仕口金物を重
ね、これら接合用筒体の管壁および仕口金物を、両部材
に渡って貫通したワンサイドボルトで締結したものであ
る。この明細書で言う「ワンサイドボルト」とは、一端
側からの操作で他端に頭部が拡径状態に塑性変形で形成
されて締め付けが行える軸状締め付け金具の総称であ
り、ブラインドボルト等とも呼ばれている。鉄骨梁はH
形鋼等からなる。接合用筒体は、接合用鋼管の内面およ
び外面に補強板を重ね、内側の補強板には一部にねじ孔
を加工し、このねじ孔と整合する位置で、接合用鋼管の
壁面と外側補強板とにねじ挿通孔を設け、このねじ挿通
孔の外側から内側補強板のねじ孔にビスをねじ込んで内
外の補強板を接合用鋼管に仮止めしたものであり、前記
接合用鋼管は、上下の鋼管と同じ断面の角筒状のもので
あり、この接合用鋼管は上下端を上下の鋼管に溶接で接
合し、前記ワンサイドボルトは、前記仕口金物、外側補
強板、接合用鋼管、および内側補強板に整合して設けた
ボルト孔に挿通して締結する。
【0006】前記各ワンサイドボルトとしては、例えば
次の構成のものが用いられる。このワンサイドボルト
は、ねじ部の中間に破断溝を有しかつ先端にピン径より
も若干大径のピン頭部を有するピンと、このピンの外周
にピン頭部側から順に並んで被さったバルブスリーブ、
グリップスリーブ、シェア座金、受け座金と、この受け
座金のピンテール側で前記ねじ部に螺合したナットとを
有するものとする。バルブスリーブは、前記グリップス
リーブよりも軟質の材料で形成されて軸方向力の負荷で
外側へ鍔状に塑性変形可能なものである。前記受け座金
は、前記グリップスリーブの進入可能な内径に形成され
かつピン頭部側の側面に前記シェア座金の外周部が嵌合
する環状凹部を有する。前記シェア座金は内周部が前記
グリップスリーブの端面に係合して所定軸力で剪断する
ものとする。
【0007】
【作用】この構成によると、ワンサイドボルトを用いる
ので、閉鎖断面の鋼管柱に対して外側からボルト接合が
行え、現場での接合作業が容易となる。また、柱の梁接
合部に厚肉の接合用筒体を用いるため、ダイヤフラム等
を設けることなく、必要な耐力や剛性が確保でき、加工
もボルト孔を明けた接合用筒体に上下の鋼管を溶接する
だけで良く、加工が簡単になる。特に、ワンサイドボル
トを使用するため、接合用筒体に裏ナット溶接を施した
り、ねじ孔加工を施すことが不要となり、より加工が簡
単になる。ワンサイドボルトには高力ボルトと同程度の
締め付け力が得られるものがあり、その種類の選択によ
り、堅固な剛接合とすることも可能である。このよう
に、厚肉の接合用筒体とワンサイドボルトとの組み合わ
せにより、非常に簡素で堅固な接合構造とできる。
た、接合用筒体が接合用鋼管の内外面に補強板を重ねた
ものからなるため、特殊な材料を必要とせず、安価に堅
固な接合用筒体が製造できる。しかも、内外の補強板は
ビスで仮止めされるため、接合用筒体の組立も簡単であ
る。
【0008】ワンサイドボルトとして前記のバルブスリ
ーブを有するものを用いた場合は、次のように締め付け
る。ボルト挿通孔に挿通したワンサイドボルトのナット
を締め付け方向に回すことにより、受け座金、シェア座
金およびグリップスリーブを介してバルブスリーブがピ
ン頭部に押し付けられ、これによりバルブスリーブが外
側へ鍔状に塑性変形する。この鍔状の塑性変形部分が角
形鋼管柱の裏面等に係合し、さらにナットの締め付けを
進めることより、シェア座金がグリップスリーブで押さ
れて剪断する。この状態で、鋼管柱の管壁、補強金物、
および梁の仕口金物は、ナットとバルブスリーブの鍔状
変形部分との間で締め付けられる。ピンの外側に突出す
る部分は破断溝で分断される。このワンサイドボルトに
よると、シェア座金の剪断のため、ナットとバルブスリ
ーブの鍔状変形部分との間の締め付け力が、そのまま鋼
管柱や仕口金物等を挟む締め付け力となり、強固な締め
付け力が得られる。また、このワンサイドボルトの場合
は、ナットを回転させることで締め付け力を導入するも
のであるため、回転電動工具等の簡単な工具で締め付け
が行え、しかも仮締め後に再度締め付け力を加えること
もできる。
【0009】
【実施例】この発明の実施例の説明の基礎となる提案例
を図1および図2に基づいて説明する。柱20は角形鋼
管柱からなり、その梁接合部に、上下の鋼管20A,2
0Bよりも管厚の厚い例えば冷間成形等の厚肉角形鋼管
からなる接合用筒体21を用いる。接合用筒体21は、
上下端を鋼管柱20の上下の鋼管20A,20Bに突き
合わせ溶接26で接合する。梁22はH形鋼からなる鉄
骨梁であり、その端部の仕口金物となるスプリットティ
ー23で接合用筒体21に接合する。一対のスプリット
ティー23は、梁22の上フランジ22aの上面および
下フランジ22bの下面に各々脚片23bを重ねてボル
ト27で接合する。ボルト27にはワンサイドボルトを
用いても良い。 スプリットティー23はその頭片23
aを接合用筒体21の外面に重ね、これらスプリットテ
ィー23および接合用筒体21に設けられたボルト孔2
4,25間わたってワンサイドボルト1を差し込んで締
め付ける。なお、梁22はこの例では柱20の3方に接
合してあるが、1方だけであっても、あるいは2方また
は4方に接合しても良い。
【0010】この構成の接合構造によると、ワンサイド
ボルト1を用いるので、閉鎖断面の鋼管柱20に対して
外側からボルト接合が行え、現場での接合作業が容易と
なる。また、柱20の梁接合部に厚肉の接合用筒体21
を用いるため、ダイヤフラム等を設けることなく、必要
な耐力や剛性が確保でき、加工も予めボルト孔25を明
けた接合用筒体21に上下の鋼管20A,20Bを溶接
するだけで良く、加工が簡単になる。特に、ワンサイド
ボルト1を使用するため、接合用筒体21の裏面に高力
ボルトのナットを溶接したり、あるいは接合用筒体21
自体にネジ孔加工を施すことが不要となり、より加工が
簡単になる。しかも、前記ボルト孔25は短い接合用筒
体21に明けるので、長尺の柱材に孔加工する場合と異
なり、素材の取扱が容易で、比較的簡単に精度良く孔明
けを行うことができる。また、従来のダイヤフラム10
3(図)を設ける構造では、4方から取り付く梁10
2の寸法や高さ位置が異なれば、ダイヤフラム103の
枚数を増やさなければならないが、この発明の構造では
ワンサイドボルト1の挿通孔の位置を変えるだけで、4
方から任意寸法,任意位置に梁22を接合できる。ま
た、柱20はブラケット等の突出しない線材となり、運
搬に便利である。さらに、この発明では、接合用筒体2
1を使用するので、例えば鋼管柱20に補強板やアング
ル材を重ねて補強する場合に比べて構成が簡単で、また
その補強用アングル材の溶接等によってボルト孔の加工
箇所が制限されることもなく、かつ接合用筒体21の平
坦度等の外面精度が得易くて、直角度も良く、精度良く
梁22の接合が行える。
【0011】図2は前記提案例に使用するワンサイドボ
ルト1の一例を示す。このワンサイドボルト1は、ピン
2と、このピン2の外周にピン頭部2a側から順に並ん
で被さったバルブスリーブ3、グリップスリーブ4、シ
ェア座金5、受け座金15、およびナット6を有するも
のとする。ピン2は、丸軸部2eに続くねじ部2bの中
間に破断溝2dを有し、かつ先端にピン径よりも若干大
径のピン頭部2aを有する。また、ねじ部2bに続いて
短いピンテール2cが設けられる。ピンテール2cは、
外径面を滑り止め用の凹凸面に形成してあり、例えば軸
方向に並ぶ歯の列を円周方向に多数形成した凹凸面とし
てある。バルブスリーブ3は、グリップスリーブ4より
も軟質の材料で形成されて軸方向力の負荷で外側へ鍔状
に塑性変形可能なものとする。例えば、グリップスリー
ブ4は硬質の鋼合金とし、バルブスリーブ3は軟質の鋼
合金とする。受け座金15は、グリップリーブ4の進入
可能な内径に形成し、かつピン頭部側の側面にシェア座
金5の外周部が嵌合する環状凹部15aを設ける。前記
シェア座金5は内周部がバルブスリーブ4の端面に係合
して所定軸力で剪断するものとする。また、この例では
ピン2の丸軸部2eの先端側部分2e1 を基端側部分2
2よりも段差部2fを介して僅かに大径とし、グリッ
プスリーブ4の内径を前記先端側部分2e1 よりも小径
としてある。なお、丸軸部2eは全長に渡って同径とし
ても良い。
【0012】このワンサイドボルト1の締結作業は、回
転式の電動締付工具(図示せず)を用いて行うことがで
きる。すなわち、締付工具でピンテール2cを把持した
状態で、同工具のボックス状のナット係合部でナット6
を締め付ける。これにより、ピン頭部2aとシェア座金
5の間に圧縮力が作用してシェア座金5,グリップスリ
ーブ4,およびバルブスリーブ3が挟み付けられ、まず
先端のバルブスリーブ3が外側へ鍔状に塑性変形し始め
る。すなわちバルビングを生じる。ピン2の丸軸部2e
が段付きである場合は、その段差部2fにグリップスリ
ーブ4が係合するまで前記のバルビングが生じる。さら
にナット6の締め付けを行うと、シェア座金5が剪断
し、シェア座金5の剪断した内径部分5aと共にグリッ
プスリーブ4が受け座金15内に進入する。これにより
バルブスリーブ3の鍔状変形部分3aが接合用筒体21
の管壁内面に係合すると、ナット6と鍔状塑性変形部分
3aとの間で、接合用筒体21の管壁とスプリットティ
ー23等に締付軸力が導入される。ナット6をさらに締
め付け回転させると、所定の軸力が導入された状態で、
ピンテール2cが破断溝2dで破断する(図2
(B))。
【0013】このワンサイドボルト1を使用した場合、
強固な接合が行える。すなわち、シェア座金5の剪断の
ため、ナット6とバルブスリーブ3の鍔状変形部分3a
との間の締め付け力が、そのまま接合用筒体21とスプ
リットティー23とを挟む締め付け力となり、強固な締
め付け力が得られる。また、このワンサイドボルト1の
場合は、次の各利点が得られる。まず、ボルト頭部とな
るバルブスリーブ3の鍔状変形部分3aが大きく広がる
ので、角形鋼管柱21との接触圧が小さくなり、またボ
ルト孔径にも比較的許容幅が得られる。例えば、ボルト
孔の縁が接触圧で変形してボルト頭が嵌まり込むような
問題が生じ難い。それに伴い、鍔状変形部分3aからな
るボルト頭部の耐荷力が向上し、ワンサイドボルト1の
締め付け力が向上して効率が良くなる。しかも、ナット
6を回して締め付ける形式であるため、二度締めや、締
め直しが行える。また、締め付けに電動器具が用いられ
て現場での取扱いが容易である。図3と共に後述する引
っ張り動作で締め付けるワンサイドボルト1′では、建
築物の剛接合に必要な十分な軸力を得るためには、例え
ば、20キログラム程度の油圧式締付工具が必要になる
が、前記の回転式の電動器具では、10キログラム程度
の軽いもので済む。しかも重い油圧配管が不要で、電気
コードだけで済み、これらのため作業性が飛躍的に向上
する。また、油圧ユニットの準備も不要となり、高い階
での締め付けも容易に行える。また、このワンサイドボ
ルト1は、締め付け後に廃棄するピンテール2cが短く
て済み、材料の無駄が少ない。さらに、ボルトを構成す
る部品数も少なく、コストダウンになる。なお、図2の
ワンサイドボルト1において、シェア座金5および受け
座金15に代えて、これらシェア座金5と受け座金15
とを互いに一体化させた形状の図5のシェア座金5′を
用いても良い。すなわち、この鍔付きシェア座金5′
は、グリップスリーブ4の進入可能な内径に形成されか
つ内径面に前記グリップスリーブ4の端面に係合して所
定軸力で剪断する鍔部5a′を有するものとする。この
構成のワンサイドボルト1の場合も、図2の例と同様に
締め付けを行うことができる。
【0014】図3は図1の柱・梁接合構造に用いるワン
サイドボルトの他の例を示す。このワンサイドボルト
1′は、ピン7と、このピン7の外周にピン頭部7a側
から順次並んで被さった第1スリーブ8、第2スリーブ
9、グリップアジャスタ10、座金11、およびカラー
12を有するものとする。ピン7は、中間にねじ溝状の
凹凸周面部7cおよび破断溝7bを有しかつ凹凸周面部
7c側の先端にピン径よりも若干大径のピン頭部7aを
有する。また、ピン7の他端は、後述する締結工具13
のチャック13bで把持される凹凸周面のピンテール7
dとしてある。この凹凸周面は、多数並んだ環状溝等か
らなる。第2スリーブ9は、一端部の外径面が、第1ス
リーブ8内に進入して第1スリーブ8を押し広げる先細
りのテーパ面に形成される。グリップアジャスタ10
は、互いに内外に嵌合可能な径の大径筒部10aと小径
筒部10bとを段部10cで連続させたものであり、所
定軸方向荷重で段部10cが剪断するものとする。カラ
ー12は、短筒状に形成されて、ピンテール7d側に先
開きのテーパ筒部12bを有し、外径の絞りにより内径
面がピン7の凹凸周面部7cに食い込み状態に塑性変形
するものとする。
【0015】上記ワンサイドボルト1′の締結作業は、
図3(A)のように締結工具13を用いて行う。締結工
具13は、ワンサイドボルト1′のカラー12の端面に
係合する筒状の絞りガイド部13aと、ピンテール7d
を把持するチャック13bとを有し、チャック13bを
絞りガイド13aに対して軸方向に引く油圧アクチュエ
ータ(図示せず)を内蔵している。絞りガイド13aを
カラー12に当てた状態で、チャック13bでピンテー
ル7dを引くことにより、カラー12とピン頭部7aの
間に、座金11,グリップアジャスタ10,第2スリー
ブ9,および第1スリーブ8を挟み付ける圧縮力が作用
する。この圧縮力で、まず第2スリーブ9のテーパ面部
が第1スリーブ8内に進入して第1スリーブ8を押し広
げる。第1スリーブ8の変形が完了すると、グリップア
ジャスタ10が段部10cで剪断してその小径筒部10
bが大径筒部10a内に進入する。これにより、第1ス
リーブ8が接合用筒体21に係合すると、工具13の絞
りガイド部13aによるカラー12の絞りが始まり、非
締付け体である接合用筒体21の管壁やスプリットティ
ー23への軸力の導入が開始される。さらにチャック1
3bを引くことにより、カラー12の絞りが完了してカ
ラー12の内径面がピン7の凹凸周面部7cに食い込み
状態に固定され、軸力が所定力だけ導入されてピンテー
ル7dが破断溝7cから破断する(図3(B))。この
ようにして、拡径状態の第1スリーブ8とカラー12と
の間で、接合用筒体21およびスプリットティー23が
挟持される。
【0016】このようにワンサイドボルト1′を使用し
て上記のように締結しても、強固に接合することができ
る。すなわち、このワンサイドボルト1′は、グリップ
アジャスタ10が剪断することにより、第1スリーブ8
とカラー12の間の締め付け力が、そのまま接合用筒体
21とスプリットティー23とを挟む締め付け力となる
ため、強固な締め付け力が得られる。なお、後述の各実
施例におけるワンサイドボルトにも、図2、図3のワン
サイドボルト1,1′が用いられ、上記と同様な効果が
得られる。
【0017】図この発明の実施例を示す。この例で
は、接合用鋼管57の内面および外面に補強板53,5
4を重ねて厚肉の接合用筒体52とし、梁22に設けた
エンドプレート55を前記補強板54の上から接合用鋼
管57に重ね、これらエンドプレート55,外側補強板
54,接合用鋼管57、および内側補強板53に整合し
て設けたボルト孔24,25にワンサイドボルト1を挿
通して締め付ける。接合用鋼管57は、上下の角形鋼管
20A,20Bと同じ断面の角筒状のものであり、上下
端の近傍にダイヤフラム58,58が溶接されている。
接合用鋼管52の内側および外側の各側面には補強板5
3,54が重ねられている。内側の補強本体53には一
部にねじ孔56が加工してあり、またねじ孔56と整合
する位置で、接合用鋼管57の壁面と外側補強板54と
にねじ挿通孔60を設けておく。このねじ挿通孔60の
外側から内側補強板53のねじ孔にビス59をねじ込
み、内外の補強板53,54を接合用鋼管57に仮止め
する。接合用鋼管57は、上下端を柱20の上下の角形
鋼管20A,20Bに溶接で接合する。この構成の場合
も、角形鋼管柱20と梁22との接合をワンサイドボル
ト1で行うので、閉鎖断面柱でありながらH形鋼柱のよ
うな開断面柱と同等の施工性を確保することができる。
また、ボルト締めのための裏ナット溶接やねじ切り等の
作業が不要であり、ワンサイドボルト1の挿通用のボル
ト孔24,25の加工で済む。また、接合用筒体52が
接合用鋼管57の内外面に補強板53,54を重ねると
共にダイヤフラム58を溶接したものからなるため、特
殊な材料を必要とせず、安価に堅固な接合用筒体52が
製造できる。しかも、内外の補強板53,54はビス5
9で仮止めされるため、接合用筒体52の組立も簡単で
ある。なお、ダイヤフラム58は必ずしも設けなくても
良い。
【0018】
【発明の効果】この発明のワンサイドボルト使用柱・梁
接合構造は、鋼管柱を構成する上下の鋼管の間に、この
鋼管よりも厚肉の接合用筒体を固着し、この接合用筒体
の外面に、鉄骨梁の端部の仕口金物を重ね、これら接合
用筒体の管壁および仕口金物を、両部材に渡って貫通し
たワンサイドボルトで締結したものであるため、簡単な
構成で柱の梁接合部の耐力,剛性が確保でき、現場溶接
も必要とせず、かつ閉鎖断面の鋼管柱に対して外側から
の作業で容易に接合することができる。また、接合用筒
体が接合用鋼管の内外面に補強板を重ねたものからなる
ため、特殊な材料を必要とせず、安価に堅固な接合用筒
体が製造できる。しかも、内外の補強板はビスで仮止め
されるため、接合用筒体の組立も簡単である。ワンサイ
ドボルトとして請求項2の構成のものを使用する場合
は、強固な締め付け力が得られ、しかもナットの回転で
締め付けを行う構成のため、二度締めや再締め付けが行
えるうえ、軽量の電動工具で締め付けが行え、現場作業
性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はこの発明の実施例の説明の基礎となる
提案例にかかる柱・梁接合構造の部分破断正面図、
(B)はその水平断面図である。
【図2】(A),(B)は各々同柱・梁接合構造におけ
るワンサイドボルトによる接合部分の締め付け前および
締め付け後の状態を示す断面図である。
【図3】(A),(B)は各々同柱・梁接合構造におけ
る他のワンサイドボルトによる接合部分の締め付け前お
よび締め付け後の状態を示す断面図である。
【図4】(A)はこの発明の実施例にかかる柱・梁接合
構造の破断正面図、(B)はその分解斜視図である。
【図5】図1の柱・梁接合構造における他のワンサイド
ボルトによる接合部分の締め付け前の状態を示す断面図
である。
【図6】従来例の分解斜視図である。
【図7】他の従来例の正面図である。
【図8】さらに他の従来例の正面図および水平断面図で
る。
【符号の説明】
1,1′…ワンサイドボルト、20…角形鋼管柱、20
A,20B…鋼管、21…接合用筒体、22…鉄骨梁、
23…スプリットティー(仕口金物)、52…接合用筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 功一 大阪府大阪市西区阿波座1丁目5番16号 大和ハウス工業株式会社内 (72)発明者 田中 広一 大阪府大阪市西区阿波座1丁目5番16号 大和ハウス工業株式会社内 (72)発明者 宇佐見 建造 大阪府大阪市西区阿波座1丁目5番16号 大和ハウス工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−209608(JP,A) 特開 平3−166433(JP,A) 特開 平5−179702(JP,A) 特開 昭55−82812(JP,A) 実開 平5−22705(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04B 1/24 E04B 1/58 F16B 29/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼管柱を構成する上下の鋼管の間に、こ
    の鋼管よりも厚肉の接合用筒体を固着し、この接合用筒
    体の外面に、鉄骨梁の端部の仕口金物を重ね、これら接
    合用筒体の管壁および仕口金物を、両部材に渡って貫通
    したワンサイドボルトで締結したワンサイドボルト使用
    柱・梁接合構造であって、前記接合用筒体は、接合用鋼
    管の内面および外面に補強板を重ね、内側の補強板には
    一部にねじ孔を加工し、このねじ孔と整合する位置で、
    接合用鋼管の壁面と外側補強板とにねじ挿通孔を設け、
    このねじ挿通孔の外側から内側補強板のねじ孔にビスを
    ねじ込んで内外の補強板を接合用鋼管に仮止めしたもの
    であり、前記接合用鋼管は、上下の鋼管と同じ断面の角
    筒状のものであり、この接合用鋼管は上下端を上下の鋼
    管に溶接で接合し、前記ワンサイドボルトは、前記仕口
    金物、外側補強板、接合用鋼管、および内側補強板に整
    合して設けたボルト孔に挿通して締結したワンサイドボ
    ルト使用柱・梁接合構造。
  2. 【請求項2】 ワンサイドボルトが、ねじ部の中間に破
    断溝を有しかつ先端にピン径よりも若干大径のピン頭部
    を有するピンと、このピンの外周にピン頭部側から順に
    並んで被さったバルブスリーブ、グリップスリーブ、シ
    ェア座金、および受け座金と、この受け座金のピンテー
    ル側で前記ねじ部に螺合したナットとを有し、前記バル
    ブスリーブは前記グリップスリーブよりも軟質の材料で
    形成されて軸方向力の負荷で外側へ鍔状に塑性変形可能
    なものとし、前記受け座金は、前記グリップスリーブの
    進入可能な内径に形成されかつピン頭部側の側面に前記
    シェア座金の外周部が嵌合する環状凹部を有し、前記シ
    ェア座金は内周部がグリップスリーブの端面に係合して
    所定軸力で剪断するものとし、このワンサイドボルト
    は、前記バルブスリーブの鍔状塑性変形部分とナットと
    の間で締め付けるものとした請求項1記載のワンサイド
    ボルト使用柱・梁接合構造。
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