JP2702882B2 - 角形鋼管柱相互の剛接合構造 - Google Patents

角形鋼管柱相互の剛接合構造

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JP2702882B2
JP2702882B2 JP7273694A JP7273694A JP2702882B2 JP 2702882 B2 JP2702882 B2 JP 2702882B2 JP 7273694 A JP7273694 A JP 7273694A JP 7273694 A JP7273694 A JP 7273694A JP 2702882 B2 JP2702882 B2 JP 2702882B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は角形鋼管柱相互の剛接
合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、角形鋼管柱の上下相互を剛接合する場合には、図6
のように上下の鋼管柱30,31の端部同士を現場で溶
接32により接合していた。しかし、このように現場で
上下の鋼管柱30,31相互を溶接するのでは、作業環
境が悪く天候に左右されるばかりか、接合の仕上がりも
溶接作業者の技能に依存する度合いが高くて品質が不安
定となり、溶接後の品質検査に労力をかけるなど多大の
問題点がある。
【0003】そこで、図7に示すように、上下の角形鋼
管柱30,31の相互の剛接合を、接合部の内外面に沿
わせた当て板41,41を介してワンサイドボルト40
で行う機械式継手を提案した(特開平2−74738号
公報)。前記ワンサイドボルト40は、ピン42に外嵌
したスリーブ43の両端の大径部分43aと塑性変形部
分43b間で当て板41,41等を挟み付けるものであ
る。しかし、このワンサイドボルト40では、工具44
でスリーブ43に加える軸力が、塑性変形部分43bの
形成後(図7(B))にも、スリーブ43の全体に加わ
るため、当て板41,41間に作用する実際の締め付け
軸力は、スリーブ中間部43cに作用する圧縮荷重を、
工具44による導入荷重から差し引いた値となる。その
ため締付け力が弱く、強度面で十分でなかった。しか
も、このワンサイドボルト40は、工具44で単に軸方
向に引いて締め付けを行うものであるため、工具44と
して大出力の油圧式工具を使用しなくてはならず、工具
44が大重量のものとなる。しかも油圧ホースが繋がっ
たものとなり、これらのため現場での施工性が悪い。ま
た、工具44による把持のための長いピンテール42b
が必要で、ワンサイドボルト40の使用材料の歩留りが
悪く、コスト高になる。
【0004】この発明の目的は、上下の角形鋼管柱相互
を簡単かつ強固に剛接合できる角形鋼管柱相互の剛接合
構造を提供することである。この発明の他の目的は、ワ
ンサイドボルトの締め付け作業等の現場での施工性の向
上と、コスト低下が図れる角形鋼管柱相互の剛接合構造
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の角形鋼管柱相
互の剛接合構造は、上下の角形鋼管柱にわたり接合部の
表面および裏面の各々に設けられ、または表裏いずれか
一方の面に設けられた当て板と、この当て板を前記角形
鋼管柱に固定するワンサイドボルトとからなるものであ
る。請求項1の発明では、前記ワンサイドボルトは、中
間に凹凸周面部および破断溝を有しかつ前記凹凸周面部
側の先端にピン径よりも若干大径のピン頭部を有するピ
ンと、このピンの外周にピン頭部側から順次並んで被さ
った第1スリーブ、第2スリーブ、グリップアジャス
タ、およびカラーとを有するものとする。第2スリーブ
は、第1スリーブ内に先端が進入して第1スリーブを押
し広げる先細りの外径面に形成する。グリップアジャス
タは所定軸方向荷重で破断するものとする。前記カラー
は、外径の絞りにより内径面が前記ピンの凹凸周面部に
食い込み状態に塑性変形するものとする。
【0006】請求項2の発明では、前記ワンサイドボル
トは、ねじ部の中間に破断溝を有しかつ先端にピン径よ
りも若干大径のピン頭部を有するピンと、このピンの外
周にピン頭部側から順に並んで被さったバルブスリー
ブ、グリップスリーブ、およびシェア座金と、このシェ
ア座金のピンテール側で前記ねじ部に螺合したナットと
を有するものとする。バルブスリーブは、前記グリップ
スリーブよりも軟質の材料で形成されて軸方向力の負荷
で外側へ鍔状に塑性変形可能なものである。前記シェア
座金は、前記バルブスリーブの進入可能な内径に形成さ
れ、かつ内径面に前記バルブスリーブの端面に係合して
所定軸力で剪断する鍔部を有するものとする。
【0007】
【作用】請求項1の構成の場合、角形鋼管柱の接合部お
よび当て板に形成されるボルト挿通孔にワンサイドボル
トを挿通し、締結工具でワンサイドボルトを締付ける。
締結工具には、カラーに被さって縮径させる絞りガイド
と、前記ピンのピンテールを把持して引くチャックとを
有するものを使用し、ピンテールを引く。これにより、
第1スリーブが第2スリーブで押し広げられ、さらにグ
リップアジャスタが剪断する。この後、カラーが絞りガ
イドで絞られて前記ピンの凹凸周面部に食い込み状態に
固定される。これにより、広がり状態の第1スリーブと
カラーとの間で、角形鋼管柱と当て板とが挟持される。
ピンの角形鋼管柱から表側に突出する部分は破断溝で分
断される。このワンサイドボルトでは、グリップアジャ
スタが剪断することにより、第1スリーブとカラーの間
の締め付け力が、そのまま角形鋼管柱と当て板とを挟む
締め付け力となるため、強固な締め付け力が得られる。
【0008】請求項2の構成の場合、ボルト挿通孔に挿
通したワンサイドボルトのナットを締め付け方向に回す
ことにより、シェア座金およびグリップスリーブを介し
てバルブスリーブがピン頭部に押し付けられ、これによ
りバルブスリーブが外側へ鍔状に塑性変形する。この鍔
状の塑性変形部分が当て板または鋼管柱の表面に係合
し、さらにナットの締め付けを進めることより、シェア
座金の鍔部がグリップスリーブで押されて剪断する。こ
の状態で、当て板および鋼管柱の管壁は、シェア座金を
介してナットとバルブスリーブの鍔状変形部分との間で
締め付けられる。ピンの角形鋼管柱から表側に突出する
部分は破断溝で分断される。このワンサイドボルトの場
合も、シェア座金の鍔部の剪断のため、ナットとバルブ
スリーブの鍔状変形部分との間の締め付け力が、そのま
ま角形鋼管柱と当て板とを挟む締め付け力となり、強固
な締め付け力が得られる。また、このワンサイドボルト
の場合は、ナットを回転させることで締め付け力を導入
するものであるため、回転電動工具等の簡単な工具で締
め付けが行え、しかも仮締め後に再度締め付け力を加え
ることもできる。
【0009】
【実施例】この発明の第1の実施例を図1に基づいて説
明する。この実施例の角形鋼管柱相互の剛接合構造は、
上下の角形鋼管柱1A,1Bにわたりこれら接合部の表
面および裏面の各々に当て板2,3を配置し、これら当
て板2,3をワンサイドボルト4で前記角形鋼管柱1
A,1Bに締付固定したものである。
【0010】上記表面および裏面の各当て板2,3に
は、上下に並ぶ複数のボルト挿通孔5を形成し、かつ下
端に仮止用ボルト挿通孔5′を形成する。その上側複数
列のボルト挿通孔5は、上側角形鋼管柱1Aの接合部に
形成した複数のボルト挿通孔6に各々整合し、当て板
2,3の下側複数列のボルト挿通孔5および仮止用ボル
ト挿通孔5′は、下側角形鋼管柱1Bの接合部に形成し
た複数のボルト挿通孔7および仮止用ボルト挿通孔7′
に各々整合する。裏側の当て板3の最上列のボルト挿通
孔5の幾つかには仮止用ボルト8を裏側から挿通させ、
そのボルト8を上側角形鋼管柱1Aの対応するボルト挿
通孔6および表側の当て板2の対応するボルト挿通孔5
にわたって挿通させる。これにナット9を螺着すること
により、当て板2,3を上側角形鋼管柱1Aの接合部に
仮止めする。一方、裏側当て板3の裏面には、その仮止
用ボルト挿通孔5′の形成箇所にナット10を溶接によ
って固定する。
【0011】上記のように表裏の当て板2,3を仮止め
した上側角形鋼管柱1Aの下端と下側角形鋼管柱1Bの
上端とを、図1(A),(B)のようにして突き合わせ
る。図1(B)において11はステーであり、これを両
当て板2,3の例えば3列目のボルト挿通孔5,5間に
係脱可能に掛け渡すことにより、両当て板2,3の下側
が開き状態となり、上下の角形鋼管柱1A,1Bの接合
作業が容易に行える。ついで、表の当て板2側におい
て、その仮止用ボルト挿通孔5′から下側角形鋼管柱1
Bの対応する仮止用ボルト挿通孔7′および裏側当て板
3の仮止用ボルト挿通孔5′にわたり図示しない仮止用
ボルトを挿通し、そのボルトを当て板3の裏面のナット
10に螺合させることによって、上下の角形鋼管柱1
A,1Bにわたって表裏の当て板2,3を仮止めする。
この仮止め状態で、表の当て板2側において、その残る
ボルト挿通孔5から上下の角形鋼管柱1A,1Bの対応
するボルト挿通孔6および裏の当て板3の対応するボル
ト挿通孔5にわたって図1(C)のようにワンサイドボ
ルト4を挿通させる。
【0012】このワンサイドボルト4は、ピン12と、
このピン12の外周にピン頭部12a側から順次並んで
被さった第1スリーブ13、第2スリーブ15、グリッ
プアジャスタ17、座金18、およびカラー19を有す
るものとする。ピン12は、中間にねじ溝状の凹凸周面
部12cおよび破断溝12bを有しかつ凹凸周面部12
c側の先端にピン径よりも若干大径のピン頭部12aを
有する。また、ピン21の他端には後述する締結工具1
6のチャック16bで把持される凹凸周面のピンテール
12dとしてある。この凹凸周面は、多数並んだ環状溝
等からなる。第2スリーブ15は、一端部の外径面が、
第1スリーブ13内に進入して第1スリーブ13を押し
広げる先細りのテーパ面に形成される。グリップアジャ
スタ17は、互いに内外に嵌合可能な径の大径筒部17
aと小径筒部17bとを段部17cで連続させたもので
あり、所定軸方向荷重で段部17cが剪断するものとす
る。カラー19は、短筒状に形成されて、ピンテール1
2d側に先開きのテーパ筒部14bを有し、外径の絞り
により内径面がピン12の凹凸周面部12cに食い込み
状態に塑性変形するものとする。
【0013】上記ワンサイドボルト4の締結作業は、図
1(C)のように締結工具16を用いて行う。締結工具
16は、ワンサイドボルト4のカラー19の端面に係合
する筒状の絞りガイド部16aと、ピンテール12dを
把持するチャック16bとを有し、チャック16bを絞
りガイド16aに対して軸方向に引く油圧アクチュエー
タ(図示せず)を内蔵している。絞りガイド16aをカ
ラー19に当てた状態で、チャック16bでピンテール
12dを引くことにより、カラー19とピン頭部12a
の間に、座金18,グリップアジャスタ17,第2スリ
ーブ15,および第1スリーブ13を挟み付ける圧縮力
が作用する。この圧縮力で、まず第2スリーブ15のテ
ーパ面部が第1スリーブ13内に進入して第1スリーブ
13を押し広げる。第1スリーブ13の変形が完了する
と、グリップアジャスタ17が図1(E)に示すよう
に、段部17cで剪断してその小径筒部17bが大径筒
部17a内に進入する。これにより、第1スリーブ13
が当て板3に係合すると、工具16の絞りガイド部16
aによるカラー19の絞りが始まり、非締付け体である
当て板3や角形鋼管柱1A,1Bの管壁への軸力の導入
が開始される。さらにチャック16bを引くことによ
り、カラー19の絞りが完了してカラー19の内径面が
ピン12の凹凸周面部12cに食い込み状態に固定さ
れ、軸力が所定力だけ導入されてピンテール12dが破
断溝12cから破断する(図1(D))。このようにし
て、拡径状態の第1スリーブ13とカラー19との間
で、角形鋼管柱1A,1Bと当て板2,3が挟持され
る。このようにワンサイドボルト4を使用して上記のよ
うに締結すると、上下の角形鋼管柱1A,1Bを強固に
剛接合することができる。すなわち、このワンサイドボ
ルト4は、グリップアジャスタ17が剪断することによ
り、第1スリーブ13とカラー19の間の締め付け力
が、そのまま角形鋼管柱1A,1Bと当て板2,3とを
挟む締め付け力となるため、強固な締め付け力が得られ
る。
【0014】仮止用ボルト8は、そのまま残しておいて
も良いが、前記各ワンサイドボルト4の締め付け後に、
ナット9を外して鋼管柱1A,1Bの内部に落とし込
み、仮止用ボルト8に代えてそのボルト挿通孔5に前記
と同様にワンサイドボルト4を挿通し、締め付けること
が好ましい。これにより、上下の角形鋼管柱1A,1B
を一層堅固に剛接合することができる。当て板2,3の
下側の仮止用ボルト挿通孔5′に挿通した仮止用ボルト
(図示せず)は取り外しておく。なお、当て板2,3の
下側においても、仮止用ボルト挿通孔5′を設けずに、
上側と同様に一部のボルト挿通孔5を仮止用ボルトの挿
通に利用することも可能であるが、裏面の当て板3に溶
接されたナット10が残るため、ワンサイドボルト4に
よる固定が難しい。そのため仮止用ボルト挿通孔5′を
設けることが望ましい。当て板2,3の上側の仮止用ボ
ルト8は、下側の仮止用ボルト挿通孔5′と同様に専用
の仮止用ボルト挿通孔を設けて挿通しても良い。
【0015】図2は、この発明の第2の実施例を示した
ものである。この実施例の角形鋼管柱相互の剛接合構造
は、図1(C)に示したワンサイドボルト4に代えて図
2(A)に示すワンサイドボルト20を使用したもので
あり、その他の構成は先の実施例と同様である。このワ
ンサイドボルト20は、ピン22と、このピン22の外
周にピン頭部22a側から順に並んで被さったバルブス
リーブ21a、グリップスリーブ21b、シェア座金2
3、およびナット24を有するものとする。ピン22
は、丸軸部22eに続くねじ部22bの中間に破断溝2
2dを有し、かつ先端にピン径よりも若干大径のピン頭
部22aを有する。また、ねじ部22bに続いて短いピ
ンテール22cが設けられる。ピンテール22cは、外
径面を滑り止め用の凹凸面に形成してあり、例えば軸方
向に並ぶ歯の列を円周方向に多数形成した凹凸面として
ある。バルブスリーブ21aは、グリップスリーブ21
bよりも軟質の材料で形成されて軸方向力の負荷で外側
へ鍔状に塑性変形可能なものとする。例えば、グリップ
スリーブ21bは硬質の鋼合金とし、バルブスリーブ2
1aは軟質の鋼合金とする。シェア座金23は、バルブ
スリーブ21bの進入可能な内径に形成し、かつ内径面
にバルブスリーブ21bの端面に係合して所定軸力で剪
断する鍔部23aを有するものとする。また、この例で
はピン22の丸軸部22eの先端側部分22e1 を基端
側部分22e2 よりも段差部22fを介して僅かに大径
とし、グリップスリーブ21bの内径を前記先端側部分
22e1 よりも小径としてある。なお、丸軸部22eは
全長に渡って同径としても良い。
【0016】このワンサイドボルト20の締結作業は、
回転式の電動締付工具(図示せず)を用いて行うことが
できる。すなわち、締付工具でピンテール22cを把持
した状態で、同工具のボックス状のナット係合部でナッ
ト24を締め付ける。これにより、ピン頭部22aとシ
ェア座金23の間に圧縮力が作用してシェア座金23,
グリップスリーブ21b,およびバルブスリーブ21a
が挟み付けられ、まず先端のバルブスリーブ21aが外
側へ鍔状に塑性変形し始める。すなわちバルビングを生
じる。ピン22の丸軸部22eが段付きである場合は、
その段差部22fにグリップスリーブ21bが係合する
まで前記のバルビングが生じる。さらにナット24の締
め付けを行うと、シェア座金23の鍔部23aが剪断
し、グリップスリーブ21bがシェア座金23a内に進
入する。これによりバルブスリーブ21aの鍔状変形部
分21a1 が当て板3の表面に係合すると、シェア座金
23を介してナット24と鍔状塑性変形部分21a1
の間で、当て板2,3と角形鋼管柱1A,1Bの管壁に
締付軸力が導入される。ナット24をさらに締め付け回
転させると、所定の軸力が導入された状態で、ピンテー
ル22cが破断溝22dで破断する(図2(B))。
【0017】このワンサイドボルト20を使用した場合
も、上下の角形鋼管柱1A,1Bを強固に剛接合するこ
とができる。すなわち、シェア座金23の鍔部23aの
剪断のため、ナット24とバルブスリーブ21aの鍔状
変形部分21a1 との間の締め付け力が、そのまま角形
鋼管柱1A,1Bと当て板2,3とを挟む締め付け力と
なり、強固な締め付け力が得られる。また、このワンサ
イドボルト20の場合は、図1のワンサイドボルト4を
使用した場合に比べて次の各利点が得られる。まず、ボ
ルト頭部となるパルブスリーブ21aの鍔状変形部分2
1a1 が、図1のワンサイドボルト4の第1スリーブ1
3に比べて大きく広がるので、当て板3等との接触圧が
小さくなり、またボルト孔径にも比較的許容幅が得られ
る。例えば、ボルト孔の縁が接触圧で変形してボルト頭
が嵌まり込むような問題が生じ難い。それに伴い、鍔状
変形部分21a1 からなるボルト頭部の耐荷力が向上
し、ボルト20の締め付け力が向上して効率が良くな
る。しかも、ナット24を回して締め付ける形式である
ため、二度締めや、締め直しが行える。また、締め付け
に電動器具が用いられて現場での取扱いが容易である。
図1の引っ張り動作で締め付けるワンサイドボルト4で
は、建築物の剛接合に必要な十分な軸力を得るために
は、例えば、十数キログラムの油圧式締付工具が必要に
なるが、前記の回転式の電動器具では、数キログラム程
度の軽いもので済む。しかも重い油圧配管が不要で、電
気コードだけで済み、これらのため作業性が飛躍的に向
上する。また、油圧ユニットの準備も不要となり、高い
階での締め付けも容易に行える。また、このワンサイド
ボルト20は、締め付け後に廃棄するピンテール22c
が短くて済み、材料の無駄が少ない。さらに、ボルトを
構成する部品数も少なく、コストダウンになる。
【0018】なお、上記各実施例では、角形鋼管柱1
A,1Bの表裏に当て板2,3を配置して接合した場合
を示したが、表側だけに当て板を配置し、上記と同様に
して上下の角形鋼管柱1A,1B相互を剛接合するよう
にしてもよい。図3は、そのような剛接合を、第1の実
施例におけるワンサイドボルト4を用いて行った実施例
を示したものである。この実施例では、アングル材から
なる当て板2Aを、角形鋼管柱1A,1Bの表側の各角
部に配置して剛接合を行っている。図4は、平板状の各
当て板2Bを角形鋼管柱1A,1Bの表側の各辺部に配
置して前記ワンサイドボルト4で剛接合した実施例を示
したものである。図5は、図3のように設けたアングル
材の当て板2Aと共に、梁26のエンドプレート27を
前記のワンサイドボルト4で鋼管柱1A,1Bに接合し
た例である。鋼管柱1A,1Bの代わりに、1本の通し
柱を用いても良い。これら図3ないし図5の例におい
て、ワンサイドボルト4の代わりに、図2のワンサイド
ボルト20を使用しても良い。
【0019】
【発明の効果】この発明の角形鋼管柱相互の剛接合構造
は、上下の角形鋼管柱にわたり接合部の表面および裏面
の各々に設けられ、または表裏いずれか一方の面に設け
られた当て板と、この当て板を前記角形鋼管柱に固定す
るワンサイドボルトとを備えた接合構造において、前記
ワンサイドボルトを次の構成としたものであるため、簡
単に強固な剛接合が行える。すなわち、請求項1の接合
構造では、ワンサイドボルトは、ピンの外周に第1スリ
ーブ、第2スリーブ、グリップアジャスタ、およびカラ
ーを被せたものとし、第2スリーブの先端が第1スリー
ブ内に進入して第1スリーブを押し広げると共に、グリ
ップアジャスタが剪断することにより、第1スリーブと
カラーの間の締め付け力が、そのまま角形鋼管柱と当て
板とを挟む締め付け力となるようにしたため、強固な締
め付け力が得られる。
【0020】請求項2の接合構造では、ワンサイドボル
トは、ピンの外周にバルブスリーブ,グリップスリー
ブ,およびシェア座金を被せ、かつナットを螺合させた
ものとし、バルブスリーブが外側へ鍔状に塑性変形して
ボルト頭となり、かつシェア座金の鍔部が剪断してナッ
トとボルト頭との間の締め付け力が、そのまま角形鋼管
柱と当て板とを挟む締め付け力となるようにしたため、
強固な締め付け力が得られる。しかも、このナットの回
転で締め付けを行う構成であるため、ピンの引っ張りで
締め付けを行うワンサイドボルトの場合と異なり、二度
締めや再締め付けが行えるうえ、軽量の電動工具で締め
付けが行え、現場での施工性が向上する。しかも、ナッ
ト回転形式であるため、締め付け後に廃棄されるピンテ
ールが短くて済んで無駄がなく、またバルブスリーブを
用いたものであるため、部品点数も少なく、コスト低下
につながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はこの発明の角形鋼管柱相互の剛接合構
造の第1の実施例の施工手順の前段階を示す斜視図、
(B)は同施工手順の縦断面図、(C)は同剛接合構造
のワンサイドボルトによる締結前の状態を示す縦断面
図、(D)は同剛接合構造の締結後の状態を示す縦断面
図、(E)はグリップアジャスタの破断前後の状態を示
す断面図である。
【図2】(A)は第2の実施例の剛接合構造のワンサイ
ドボルトによる締結前の状態を示す縦断面図、(B)は
同剛接合構造の締結後の状態を示す縦断面図である。
【図3】(A)は第3の実施例の剛接合構造の正面図、
(B)は同水平断面図である。
【図4】(A)は第4の実施例の剛接合構造の正面図、
(B)は同水平断面図である。
【図5】(A)は第5の実施例の剛接合構造の正面図、
(B)は同側面図、(C)は同水平断面図である。
【図6】従来例の要部を示す縦断面図である。
【図7】従来のワンサイドボルトの締め付け前後の断面
図である。
【符号の説明】
1A,1B…角形鋼管柱、2,3…当て板、4…ワンサ
イドボルト、12…ピン、12a…ピン頭部、12b…
破断溝、12c…凹凸周面部、13…第1スリーブ、1
5…第2スリーブ、17…グリップアジャスタ、19…
カラー、20…ワンサイドボルト、21a…バルブスリ
ーブ、21b…グリップスリーブ、22…ピン、22a
…ピン頭部、22b…ねじ部、22d…破断溝、23…
シェア座金、23a…鍔部、24…ナット

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下の角形鋼管柱にわたり接合部の表面
    および裏面の各々に設けられ、または表裏いずれか一方
    の面に設けられた当て板と、この当て板を前記角形鋼管
    柱に固定するワンサイドボルトとを備え、前記ワンサイ
    ドボルトは、中間に凹凸周面部および破断溝を有しかつ
    前記凹凸周面部側の先端にピン径よりも若干大径のピン
    頭部を有するピンと、このピンの外周にピン頭部側から
    順次並んで被さった第1スリーブ、第2スリーブ、グリ
    ップアジャスタ、およびカラーとを有し、前記第2スリ
    ーブは第1スリーブ内に先端が進入して第1スリーブを
    押し広げる先細りの外径面に形成し、前記グリップアジ
    ャスタは所定軸方向荷重で破断するものとし、前記カラ
    ーは外径の絞りにより内径面が前記ピンの凹凸周面部に
    食い込み状態に塑性変形するものとし、このワンサイド
    ボルトの前記拡がり状態の第1スリーブと前記カラーと
    の間で角形鋼管柱と前記当て板とを挟持するものとした
    角形鋼管柱相互の剛接合構造。
  2. 【請求項2】 上下の角形鋼管柱にわたり接合部の表面
    および裏面の各々に設けられ、または表裏いずれか一方
    の面に設けられた当て板と、この当て板を前記角形鋼管
    柱に固定するワンサイドボルトとを備え、前記ワンサイ
    ドボルトは、ねじ部の中間に破断溝を有しかつ先端にピ
    ン径よりも若干大径のピン頭部を有するピンと、このピ
    ンの外周にピン頭部側から順に並んで被さったバルブス
    リーブ、グリップスリーブ、およびシェア座金と、この
    シェア座金のピンテール側で前記ねじ部に螺合したナッ
    トとを有し、前記バルブスリーブは前記グリップスリー
    ブよりも軟質の材料で形成されて軸方向力の負荷で外側
    へ鍔状に塑性変形可能なものとし、前記シェア座金は、
    前記バルブスリーブの進入可能な内径に形成されかつ内
    径面に前記バルブスリーブの端面に係合して所定軸力で
    剪断する鍔部を有するものとし、このワンサイドボルト
    は、前記バルブスリーブの鍔状塑性変形部分とシェア座
    金との間で角形鋼管柱と前記当て板とを挟持するものと
    した角形鋼管柱相互の剛接合構造。
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