JP2752905B2 - ワンサイドボルト使用柱・梁接合構造 - Google Patents

ワンサイドボルト使用柱・梁接合構造

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JP2752905B2
JP2752905B2 JP6156742A JP15674294A JP2752905B2 JP 2752905 B2 JP2752905 B2 JP 2752905B2 JP 6156742 A JP6156742 A JP 6156742A JP 15674294 A JP15674294 A JP 15674294A JP 2752905 B2 JP2752905 B2 JP 2752905B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、角形鋼管柱と鉄骨製
の梁とを無溶接で接合するワンサイドボルト使用柱・梁
接合構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、角形鋼管柱と梁とをピン接合する
場合、図8に示すようにガセットプレート63を用いる
のが一般的である。ガセットプレート63は角形鋼管柱
61に溶接し、ガセットプレート63と梁62とはボル
ト取合いされる。また、梁を剛接合する場合は、図9に
示すように梁72は柱71に溶接したダイヤフラム74
を介して接合するのが一般的である。ダイヤフラム74
にはブラケット75を溶接し、ブラケット75は梁72
と溶接またはボルトで接合するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】溶接作業は高度な技術
を要し、品質管理が容易でない。また、年々、技能労働
者は減少高齢化の傾向にあり、溶接の自動化あるいは無
溶接化が要求されている。そこで、品質の安定した接合
部を容易に得るための構成として、柱と梁とを特殊な接
合装置を用いてボルト接合するものが種々提案されてい
る。しかし、角形鋼管柱は閉鎖断面形であり、通常の高
力ボルトを使用するためにはボルト締め機構に工夫を要
する。例えば、角形鋼管柱内に予めナットを仕込んでお
いたり、ねじを切っておかなければならない等、施工上
で不利な点がある。
【0004】この発明の目的は、品質の安定した無溶接
の接合構造とでき、かつ柱が閉鎖断面の角形鋼管柱であ
るにかかわらずに梁を容易に接合することができ、さら
柱の梁接合部の耐力を向上させることのできる柱・梁
接合構造を提供することである。この発明のさらに他の
目的は、ワンサイドボルトによる締め付けを堅固に行え
る柱・梁接合構造を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明のワンサイドボ
ルト使用柱・梁接合構造は、角形鋼管柱の外面に梁接合
金物をワンサイドボルトで接合し、前記角形鋼管柱から
延びる鉄骨製の梁を前記梁接合金物にワンサイドボルト
または高力ボルトで接合したものである。ワンサイドボ
ルトは、ブラインドボルト等とも呼ばれている。
【0006】前記梁をH形鋼と、梁の上下フランジを
一対のスプリットティーで柱に接合しても良い。これら
スプリットティーは前記梁接合金物となるものであり、
その一片を柱の外面に、他の一片を梁の上下フランジに
各々接するように配置する。これらスプリットティーの
前記一片を前記柱にワンサイドボルトで接合し、他の一
片を梁の対応するフランジにワンサイドボルトまたは高
力ボルトで接合する。この一対のスプリットティーを用
いる柱・梁接合構造において、柱が梁成の間で上下に分
割され、かつ分割部で互いに突き合わせ溶接されたもの
する。柱内の前記梁成の上下には堰板を各々設け、上
下の堰板間の柱内空間に開口する確認孔およびモルタル
注入口を上下に設けておいて、前記堰板間の柱内空間に
モルタルを充填する。
【0007】前記ワンサイドボルトとしては、例えば次
の構成のものが用いられる。このワンサイドボルトは、
ねじ部の中間に破断溝を有しかつ先端にピン径よりも若
干大径のピン頭部を有するピンと、このピンの外周にピ
ン頭部側から順に並んで被さったバルブスリーブ、グリ
ップスリーブ、シェア座金、および受け座金と、この受
け座金のピンテール側で前記ねじ部に螺合したナットと
を有するものとする。バルブスリーブは、前記グリップ
スリーブよりも軟質の材料で形成されて軸方向力の負荷
で外側へ鍔状に塑性変形可能なものである。前記受け座
金は、前記グリップスリーブの進入可能な内径に形成さ
れ、ピン頭部側の側面に前記シェア座金の外周部が嵌合
する環状溝を有している。前記シェア座金は、内周部が
前記グリップスリーブの端面に係合して所定軸力で剪断
する鍔部を有するものとする。
【0008】
【作用】この構成によると、ワンサイドボルトを用いる
ので、閉鎖断面の角形鋼管柱に対して外側からボルト接
合が行え、接合部の品質が安定した無溶接の接合構造と
なる。また、角形鋼管柱が閉鎖断面柱にかかわらず、柱
にはワンサイドボルト挿通用の孔明加工を施しておくだ
けで良く、構成が簡単で施工も容易である。の上下フ
ランジを一対のスプリットティーで柱に接合した場合
は、剛接合構造とできる。一対のスプリットティーを用
いた場合、柱に溶接継目があっても、その継目を外した
箇所にスプリットティーを配置することで、スプリット
ティーを柱に密着させることができ、確実な接合ができ
る。また、柱の梁との対応部分にモルタルを充填した場
合は、柱の梁接合部の耐力が向上し、ダイヤフラム等の
補強を無くすことができる。モルタルは、堰板間の柱内
空間に下方のモルタル注入口から注入し、確認孔からそ
の流出を確認する。これにより簡単にモルタルの確実な
充填が行え、その充填管理が行える。
【0009】ワンサイドボルトとして前記のバルブスリ
ーブを有するものを用いた場合は、次のように締め付け
る。ボルト挿通孔に挿通したワンサイドボルトのナット
を締め付け方向に回すことにより、シェア座金およびグ
リップスリーブを介してバルブスリーブがピン頭部に押
し付けられ、これによりバルブスリーブが外側へ鍔状に
塑性変形する。この鍔状の塑性変形部分が角形鋼管柱の
内面等に係合し、さらにナットの締め付けを進めること
より、シェア座金がグリップスリーブで押されて剪断す
る。この状態で、角形鋼管柱の管壁および梁接合金物
は、ナットとバルブスリーブの鍔状変形部分との間で締
め付けられる。ピンの外側に突出する部分は破断溝で分
断される。このワンサイドボルトによると、シェア座金
の剪断のため、ナットとバルブスリーブの鍔状変形部分
との間の締め付け力が、そのまま角形鋼管柱と梁接合金
物とを挟む締め付け力となり、強固な締め付け力が得ら
れる。また、このワンサイドボルトの場合は、ナットを
回転させることで締め付け力を導入するものであるた
め、回転電動工具等の簡単な工具で締め付けが行え、し
かも仮締め後に再度締め付け力を加えることもできる。
【0010】
【実施例】この発明の実施例の説明の基礎となる提案例
を図1および図3に基づいて説明する。この柱・梁接合
構造はピン接合構造の例であり、角形鋼管柱21と梁2
2を、梁接合金物23を介してワンサイドボルト1によ
り無溶接で接合するものである。梁22はH形鋼からな
り、そのフランジ22b,22cが上下に位置するよう
に架設する。梁接合金物23はスプリットティーからな
り、脚片となる一片23bが梁22のウェブ22aに沿
うように縦向きに配置する。梁接合金物23の底片とな
る一片23aと角形鋼管柱21の管壁には、互いに整合
するボルト挿通孔24,25を設けておいて、ワンサイ
ドボルト1を用いて接合する。梁接合金物23の脚片と
なる一片23bと梁22のウェブ22aも、互いに整合
するボルト挿通孔26,27を設けておいてワンサイド
ボルト1で接合する。梁22と梁接合金物23との接合
は、ワンサイドボルト1に代えて通常の高力ボルトを用
いても良い。前記各ワンサイドボルト1には、後に説明
する図3の構成のもの、または図4の構成のものなどが
使用される。
【0011】この柱・梁接合構造によると、角形鋼管柱
21と梁22との接合部にワンサイドボルト1を使用し
たため、品質の安定した無溶接の接合構造となる。ま
た、角形鋼管柱21が閉鎖断面の柱であるにもかかわら
ず、柱21にはワンサイドボルト1の挿通孔25の孔明
け加工をしておくだけで良く、構造が簡単で施工も容易
である。なお、前記スプリットティー形式の梁接合金物
23は、図2(A)のように各片23a,23bに別部
材のプレートを用いて互いに溶接した組立スプリットテ
ィーとしても良く、また図2(B)のアングル材23′
を用いても良い。
【0012】図3は前記実施例に使用するワンサイドボ
ルト1の一例を示す。このワンサイドボルト1は、ピン
2と、このピン2の外周にピン頭部2a側から順に並ん
で被さったバルブスリーブ3、グリップスリーブ4、シ
ェア座金5、受け座金15、およびナット6を有するも
のとする。ピン2は、丸軸部2eに続くねじ部2bの中
間に破断溝2dを有し、かつ先端にピン径よりも若干大
径のピン頭部2aを有する。また、ねじ部2bに続いて
短いピンテール2cが設けられる。ピンテール2cは、
外径面を滑り止め用の凹凸面に形成してあり、例えば軸
方向に並ぶ歯の列を円周方向に多数形成した凹凸面とし
てある。バルブスリーブ3は、グリップスリーブ4より
も軟質の材料で形成されて軸方向力の負荷で外側へ鍔状
に塑性変形可能なものとする。例えば、グリップスリー
ブ3は硬質の鋼合金とし、バルブスリーブ4は軟質の鋼
合金とする。受け座金15は、グリップスリーブ4の進
入可能な内径に形成し、かつピン頭部側の側面にシェア
座金5の外周部が嵌合する環状凹部15aを設ける。シ
ェア座金5は、内周部がグリップスリーブ4の端面に係
合して所定軸力で剪断する鍔部5aを有するものとす
る。また、この例ではピン2の丸軸部2eの先端側部分
2e1 を基端側部分2e2よりも段差部2fを介して僅
かに大径とし、グリップスリーブ4の内径を前記先端側
部分2e1 よりも小径としてある。なお、丸軸部2eは
全長に渡って同径としても良い。
【0013】このワンサイドボルト1の締結作業は、回
転式の電動締付工具(図示せず)を用いて行うことがで
きる。すなわち、締付工具でピンテール2cを把持した
状態で、同工具のボックス状のナット係合部でナット6
を締め付ける。これにより、ピン頭部2aとシェア座金
5の間に圧縮力が作用してグリップスリーブ4およびバ
ルブスリーブ3が挟み付けられ、まず先端のバルブスリ
ーブ3が外側へ鍔状に塑性変形し始める。すなわちバル
ビングを生じる。ピン2の丸軸部2eが段付きである場
合は、その段差部2fにグリップスリーブ4が係合する
まで前記のバルビングが生じる。さらにナット6の締め
付けを行うと、シェア座金5が剪断し、グリップスリー
ブ4が受け座金15内に進入する。これによりバルブス
リーブ3の鍔状変形部分3aが角形鋼管柱21の管壁内
面に係合すると、ナット6と鍔状塑性変形部分3aとの
間で、角形鋼管柱21の管壁と梁接合金物23に締付軸
力が導入される。ナット6をさらに締め付け回転させる
と、所定の軸力が導入された状態で、ピンテール2cが
破断溝2dで破断する(図3(B))。
【0014】このワンサイドボルト1を使用した場合、
強固に接合することができる。すなわち、シェア座金5
の剪断のため、ナット6とバルブスリーブ3の鍔状変形
部分3aとの間の締め付け力が、そのまま角形鋼管柱2
1と梁接合金物23とを挟む締め付け力となり、強固な
締め付け力が得られる。また、このワンサイドボルト1
の場合は、次の各利点が得られる。まず、ボルト頭部と
なるバルブスリーブ3の鍔状変形部分3aが大きく広が
るので、角形鋼管柱11との接触圧が小さくなり、また
ボルト孔径にも比較的許容幅が得られる。例えば、ボル
ト孔の縁が接触圧で変形してボルト頭が嵌まり込むよう
な問題が生じ難い。それに伴い、鍔状変形部分3aから
なるボルト頭部の耐荷力が向上し、ワンサイドボルト1
の締め付け力が向上して効率が良くなる。しかも、ナッ
ト6を回して締め付ける形式であるため、二度締めや、
締め直しが行える。また、締め付けに電動器具が用いら
れて現場での取扱いが容易である。図4と共に後述する
引っ張り動作で締め付けるワンサイドボルト1′では、
建築物の剛接合に必要な十分な軸力を得るためには、例
えば、約20キログラムの油圧式締付工具が必要になる
が、前記の回転式の電動器具では、10キログラム余り
の軽いもので済む。しかも重い油圧配管が不要で、電気
コードだけで済み、これらのため作業性が飛躍的に向上
する。また、油圧ユニットの準備も不要となり、高い階
での締め付けも容易に行える。また、このワンサイドボ
ルト1は、締め付け後に廃棄するピンテール2cが短く
て済み、材料の無駄が少ない。さらに、ボルトを構成す
る部品数も少なく、コストダウンになる。なお、図3の
ワンサイドボルト1において、シェア座金5および受け
座金15に代えて、これらシェア座金5および受け座金
15を互いに一体化させた形状の図7の鍔付きシェア座
金5′を用いても良い。すなわち、この鍔付きシェア座
金5′は、グリップスリーブ4の進入可能な内径に形成
され、かつ内径面に前記グリップスリーブ4の端面に係
合して所定軸力で剪断する鍔部5a′を有するものとす
る。この構成のワンサイドボルト1の場合も、図3の例
と同様に締め付けを行うことができる。
【0015】図4は図3の柱・梁接合構造に用いるワン
サイドボルト1の他の例を示す。このワンサイドボルト
1′は、ピン7と、このピン7の外周にピン頭部7a側
から順次並んで被さった第1スリーブ8、第2スリーブ
9、グリップアジャスタ10、座金11、およびカラー
12を有するものとする。ピン7は、中間にねじ溝状の
凹凸周面部7cおよび破断溝7bを有しかつ凹凸周面部
7c側の先端にピン径よりも若干大径のピン頭部7aを
有する。また、ピン7の他端は、後述する締結工具13
のチャック13bで把持される凹凸周面のピンテール7
dとしてある。この凹凸周面は、多数並んだ環状溝等か
らなる。第2スリーブ9は、一端部の外径面が、第1ス
リーブ8内に進入して第1スリーブ8を押し広げる先細
りのテーパ面に形成される。グリップアジャスタ10
は、互いに内外に嵌合可能な径の大径筒部10aと小径
筒部10bとを段部10cで連続させたものであり、所
定軸方向荷重で段部10cが剪断するものとする。カラ
ー12は、短筒状に形成されて、ピンテール7d側に先
開きのテーパ筒部12bを有し、外径の絞りにより内径
面がピン7の凹凸周面部7cに食い込み状態に塑性変形
するものとする。
【0016】上記ワンサイドボルト1′の締結作業は、
図4(A)のように締結工具13を用いて行う。締結工
具13は、ワンサイドボルト1′のカラー12の端面に
係合する筒状の絞りガイド部13aと、ピンテール7d
を把持するチャック13bとを有し、チャック13bを
絞りガイド13aに対して軸方向に引く油圧アクチュエ
ータ(図示せず)を内蔵している。絞りガイド13aを
カラー12に当てた状態で、チャック13bでピンテー
ル7dを引くことにより、カラー12とピン頭部7aの
間に、座金11,グリップアジャスタ10,第2スリー
ブ9,および第1スリーブ8を挟み付ける圧縮力が作用
する。この圧縮力で、まず第2スリーブ9のテーパ面部
が第1スリーブ8内に進入して第1スリーブ8を押し広
げる。第1スリーブ8の変形が完了すると、グリップア
ジャスタ10が段部10cで剪断してその小径筒部10
bが大径筒部10a内に進入する。これにより、第1ス
リーブ8が角形鋼管柱21に係合すると、工具13の絞
りガイド部13aによるカラー12の絞りが始まり、非
締付け体である角形鋼管柱21の管壁や梁接合金物23
への軸力の導入が開始される。さらにチャック13bを
引くことにより、カラー12の絞りが完了してカラー1
2の内径面がピン7の凹凸周面部7cに食い込み状態に
固定され、軸力が所定力だけ導入されてピンテール7d
が破断溝7cから破断する(図1(B))。このように
して、拡径状態の第1スリーブ8とカラー12との間
で、角形鋼管柱21と梁接合金物23が挟持される。こ
のようにワンサイドボルト1′を使用して上記のように
締結しても、強固に接合することができる。すなわち、
このワンサイドボルト1′は、グリップアジャスタ10
が剪断することにより、第1スリーブ8とカラー12の
間の締め付け力が、そのまま角形鋼管柱21と梁接合金
物23とを挟む締め付け力となるため、強固な締め付け
力が得られる。
【0017】図5および図6は、この発明の一実施例
示す。この柱・梁接合構造は、H形鋼からなる梁32
を、その上下のフランジ32a,32bに接合されたス
プリットティー33を介して角形鋼管柱31に接合する
ものである。角形鋼管柱31は、各階パネルゾーンの中
央部、すなわち梁32の梁成の中央で切断された鋼管3
1aからなり、上下の鋼管31a,31aは分割部34
で突き合わせ溶接する。また、角形鋼管柱31内には上
下のスプリットティー33の配置範囲よりも若干上側お
よび下側の位置に、各々堰板35,36を溶接し、これ
ら堰板35,36で仕切られた角形鋼管柱1内の空間に
モルタル37を充填する。角形鋼管柱1には、前記モル
タル充填空間の下端および上端にモルタル注入口38お
よび確認孔39を設けると共に、ボルト挿通孔40を各
スプリットティー33のボルト挿通孔(図示せず)と整
合させて明けておく。各スプリットティー33は、梁3
2の上フランジ32aの上面および下フランジ32bの
下面に脚片33bが各々高力ボルト41で接合され、底
片33aが角形鋼管柱1の外面に、前記ボルト挿通孔4
0に挿通されたワンサイドボルト1で接合される。梁3
2とスプリットティー33との接合も、高力ボルト41
に代えてワンサイドボルト1を使用しても良い。これら
ワンサイドボルト1には図3に示したもの、または図4
に示したワンサイドボルト1′等が使用される。なお、
この実施例では梁32は角形鋼管柱31の3方に設けて
あるが、1方または2方のみに設けても、4方に設けて
も良い。また、角形鋼管柱31のボルト挿通孔40は、
この例では各スプリットティー33毎に上下2個ずつ設
けてあるが、ボルト挿通孔40は複数個であれば良く、
例えば図6に鎖線で示すように梁32の上側および下側
にワンサイドボルト1を1本ずつ追加しても良い。
【0018】施工に際しては、角形鋼管柱31を構成す
る上下の角形鋼管31a,31aにボルト挿通孔40、
モルタル注入口38、および確認孔39を設けると共
に、堰板35,36を取付けておき、その後に上下の角
形鋼管31a,31aを分割部34で溶接する(図5
(A))。梁32には予めスプリットティー33をボル
ト接合しておき、そのスプリットティー33を角形鋼管
柱31に突き合わせてボルト挿通孔40にワンサイドボ
ルト1を差し込み、角形鋼管柱31と梁32とを接合す
る(図5(B))。この後、予め明けておいた下方のモ
ルタル注入口38から無収縮グラウト等のモルタル37
を角形鋼管柱31内に注入する。注入されたモルタル3
7は、堰板35,36間の柱内空間に充填され、確認孔
39より流出したら注入を終了する。
【0019】この構成によると、ワンサイドボルト1を
用いているので、閉鎖断面の角形鋼管柱31に対して外
側からボルト接合が行え、接合部の品質が安定する。ま
た、スプリットティー33を用いているので、角形鋼管
柱31の分割部34に溶接継目が突出していても、スプ
リットティー33が角形鋼管柱31に密着して確実な接
合ができる。また、角形鋼管柱1の梁接合部にモルタル
37を充填するため、梁接合部の耐力が向上し、ダイヤ
フラム等の梁接合部の補強部材を無くすことができる。
モルタル37は、前記のように下方の注入孔38から注
入し、上方の確認孔39からその流出を確認すること
で、簡単にモルタル37の隙間のない確実な充填が行
え、その充填管理ができる。
【0020】
【発明の効果】この発明のワンサイドボルト使用柱・梁
接合構造は、ワンサイドボルトを用いるので、閉鎖断面
の角形鋼管柱に対して外側からボルト接合が行え、品質
の安定した無溶接の接合構造とできる。また、柱が閉鎖
断面の角形鋼管柱であるにかかわらずに、複雑な加工を
施すことなく、梁を容易に接合することができ
、柱を分割したので柱となる角形鋼管が短いもので済
み、運搬が容易である。しかも、上下のスプリットティ
ーで梁と接合するので、柱の溶接継ぎ目があってもスプ
リットティーが密着して確実な接合ができる。さらに、
柱の梁接合部にモルタルを充填したので、柱の梁接合部
の耐力が向上する。ワンサイドボルトとして請求項2
構成のものを使用する場合は、強固な締め付け力が得ら
れ、しかもナットの回転で締め付けを行う構成のため、
二度締めや再締め付けが行えるうえ、軽量の電動工具で
締め付けが行え、現場作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)はこの発明の実施例の説明の基礎となる
提案例にかかる柱・梁接合構造を示す正面図、(B)は
その水平断面図である。
【図2】(A),(B)は各々他の提案例にかかる角形
鋼管柱と梁接合金物との関係を示す水平断面図である。
【図3】(A),(B)は、各々同柱・梁接合構造にお
けるワンサイドボルトによる接合部の締め付け前および
締め付け後の状態を示す断面図である。
【図4】(A),(B)は、各々同柱・梁接合構造にお
ける他のワンサイドボルトによる接合部の締め付け前お
よび締め付け後の状態を示す断面図である。
【図5】(A)〜(C)はこの発明の一実施例における
柱・梁接合構造の接合手順を示す説明図である。
【図6】(A)は同柱・梁接合構造の水平断面図、
(B)はその背面図である。
【図7】図1の同柱・梁接合構造における他のワンサイ
ドボルトによる接合部の締め付け前の状態を示す断面図
である。
【図8】従来例の側面図である。
【図9】他の従来例の側面図である。
【符号の説明】
1,1′…ワンサイドボルト、21…角形鋼管柱、22
…梁、22a…ウェブ、22b,22c…フランジ、2
3…梁接合金物、23a,23b…一片、31…角形鋼
管柱、32…梁、32a,32b…フランジ、33…角
形鋼管柱、33a,3b…一片、34…分割部、35,
36…堰板、37…モルタル、38…モルタル注入孔、
39…確認孔、40…ボルト挿通孔
フロントページの続き (72)発明者 宇佐見 建造 大阪府大阪市西区阿波座1丁目5番16号 大和ハウス工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−209608(JP,A) 特開 平5−295795(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04B 1/24 E04B 1/58 F16B 29/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角形鋼管柱の外面に梁接合金物をワンサ
    イドボルトで接合し、前記角形鋼管柱から延びる鉄骨製
    の梁を前記梁接合金物にワンサイドボルトまたは高力ボ
    ルトで接合したワンサイドボルト使用柱・梁接合構造
    あり、前記梁がH形鋼であって、上下にフランジが位置
    する姿勢とし、各々前記梁接合金物となる一対のスプリ
    ットティーを、一片が柱の外面に、他の一片が梁の上下
    のフランジに各々接するように配置し、これらスプリッ
    トティーの前記一片を前記柱にワンサイドボルトで接合
    し、他の一片を梁の対応するフランジにワンサイドボル
    トまたは高力ボルトで接合し、前記柱が梁成の間で上下
    に分割され、かつ分割部で互いに突き合わせ溶接された
    ものとし、柱内の梁成の上下に堰板を各々設け、上下の
    堰板間の柱内空間に開口する確認孔およびモルタル注入
    口を前記柱に設け、前記堰板間の柱内空間にモルタルを
    充填したワンサイドボルト使用柱・梁接合構造
  2. 【請求項2】 ワンサイドボルトが、ねじ部の中間に破
    断溝を有しかつ先端にピン径よりも若干大径のピン頭部
    を有するピンと、このピンの外周にピン頭部側から順に
    並んで被さったバルブスリーブ、グリップスリーブ、シ
    ェア座金、および受け座金と、この受け座金のピンテー
    ル側で前記ねじ部に螺合したナットとを有し、前記バル
    ブスリーブは前記グリップスリーブよりも軟質の材料で
    形成されて軸方向力の負荷で外側へ鍔状に塑性変形可能
    なものとし、前記受け座金は前記グリップスリーブの進
    入可能な内径に形成されかつピン頭部側の側面に前記シ
    ェア座金の外周部が嵌合する環状凹部を有し、前記シェ
    ア座金は内周部が前記グップスリーブの端面に係合して
    所定軸力で剪断する鍔部を有するものとし、このワンサ
    イドボルトは、前記バルブスリーブの鍔状塑性変形部分
    とナットとの間で締め付けるものとした請求項1記載の
    ワンサイドボルト使用柱・梁接合構造。
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