JP2823847B2 - 葺き工法及びそれに用いる軒先用支持具 - Google Patents

葺き工法及びそれに用いる軒先用支持具

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属屋根板を用い
る屋根の葺き技術に関し、特に下地にアスファルトルー
フィングを仮固定した上に金属屋根板を葺く場合の葺き
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば一文字葺などのように所定サイズ
の金属屋根板を接ぎ合わせながら葺くのに用いる金属屋
根板は、その上下の各長辺及び左右各短辺に接ぎ用折り
部を有しており、これらの接ぎ用折り部を介して互いに
接ぎ合わせるようになっている。このような金属屋根板
で屋根を葺くについては、屋根下地である野地の上にア
スファルトルーフィングを敷き、この上に金属屋根板を
葺くことが行なわれている。アスファルトルーフィング
を屋根下地と金属屋根板の間に介在させるのは、断熱や
防水の機能の他に、金属屋根板に結露が生じるなどして
腐食しやすくなるのを防止するためで、アスファルトル
ーフィングで効果的に結露を防止することにより、金属
屋根板の耐腐食性を大幅に高めることができる。
【0003】このようにアスファルトルーフィングを用
いる工法については、アスファルトルーフィングをホッ
チキスなどの簡易手段で野地に止めて仮固定し、この上
に葺く金属屋根板を釘止めなどで野地に固定する際に、
金属屋根板と併せてアスファルトルーフィングも野地に
固定するのが従来の一般的方法である。その具体的な作
業は、一般的に以下のようにして進められる。
【0004】例えば金属屋根板の縦幅の2倍程度の幅を
持つ帯状のアスファルトルーフィングを先ず下地にホッ
チキスなどで簡易に止めることで仮固定し、次いでこの
仮固定状態のアスファルトルーフィングの上に金属屋根
板を葺き、これをアスファルトルーフィングと共に下地
に釘などで固定する。上記のようにアスファルトルーフ
ィングの幅が金属屋根板の幅の2倍程度であるので、ア
スファルトルーフィング一枚につき、金属屋根板は2段
分を葺く。これが終えたら、次のアスファルトルーフィ
ングを同様に仮固定し、その上に金属屋根板を同様に葺
く。以降、このような作業を軒側から棟側まで繰り返し
て行なうことで屋根全体を葺く。
【0005】このようにアスファルトルーフィングをホ
ッチキスなどの簡易手段で止めて仮固定するのは、全体
の作業性を高めるためである。すなわちアスファルトル
ーフィングは金属屋根板と共に最終固定されることにな
るのであるから、これについては簡易な手段で止める仮
固定とすることで、手間を省き、全体の作業効率を高め
るようにしているものである。
【0006】しかし、上記ホッチキスのような簡易な仮
固定手段は、野地が例えばスレート系やコンクリート系
の硬い材料である場合には用いることができない。この
ことは、例えばスレート平瓦などで葺いてある屋根をス
レート平瓦などを残したまま金属屋根板で改修するリフ
ォームに対する要求の増加が見込まれる最近の事情を考
慮すると、特に問題である。すなわちスレート平瓦など
は硬くてホッチキスを受け付けないし、また厚み分の段
差もあるなどして、従来の簡易仮固定手段を適用するこ
とができず、スレート平瓦などの屋根の金属屋根板によ
る改修作業に大きな課題を残している。
【0007】このような課題に応えるために、本願発明
者は新たな葺き工法を開発した(特願平8−12831
号(特開平9−203167号))。この葺き工法は、ア
スファルトルーフィングの仮固定を特殊な支持具で行な
うようにしている。その支持具は、係止部と、この係止
部に対しアスファルトルーフィングの厚み程度の段差を
持つようにされた支持部とを有している。そしてこの支
持具を、既に葺き終えた金属屋根板の側辺部によるその
係止部の挟持で金属屋根板に係止させ、この状態でその
支持部にアスファルトルーフィングの側辺部を差し込ん
で支持せることでアスファルトルーフィングの仮固定を
行なうようにしている。このようにした結果、下地がス
レート系やコンクリート系の硬い材料である場合でも簡
単にアスファルトルーフィングの仮固定を行なうことが
可能となる。
【0008】以上のように新たな葺き工法によると、下
地がスレート系やコンクリート系の硬い材料である場合
でもアスファルトルーフィングの仮固定を簡易に行なう
ことができる。しかしその後、以下のことが分かった。
すなわち屋根の勾配や下地の性質などにもよるが、必ず
しも全てのアスファルトルーフィングに仮固定処理を施
す必要がなく、場合によっては、軒側の端部に仮固定す
る最初のアスファルトルーフィングについてのみ仮固定
処理を施すだけで足り、その他のアスファルトルーフィ
ングについては最初のアスファルトルーフィングを利用
することで、金属屋根板と共に行なう最終固定までの仮
固定をなすことができる。つまり新たな葺き工法のよう
に特殊な支持具を用いるにしても、この支持具は最初の
アスファルトルーフィングについてのみ用いれば足りる
場合があるということである。
【0009】一方、上記の葺き工法で用いる支持具は、
順次葺かれる金属屋根板を利用して係止するようになっ
ており、このため未だ金属屋根板が葺かれていない軒側
の端部に仮固定する最初のアスファルトルーフィングに
ついてはその仮固定に用いることができない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
事情を背景になされたもので、軒側の端部に敷く最初の
アスファルトルーフィングの仮固定を簡単に行なうこと
を可能とする技術の提供にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記のような目的のため
に本発明では、下地の上に所定サイズのアスファルトル
ーフィングを仮固定状態とし、このアスファルトルーフ
ィングの上に所定サイズの金属屋根板をアスファルトル
ーフィングと共に下地に固定することを、軒側から棟側
に向けて、複数枚のアスファルトルーフィングと複数枚
の金属屋根板について繰り返すことで屋根を葺く葺き工
法について、下地に固定するための固定部と、固定部を
下地に固定した状態でアスファルトルーフィングの厚み
程度の隙間を固定部に対し持つようにした支持部とを有
する軒先用支持具をその固定部で下地に固定し、この下
地に固定状態の軒先用支持具の支持部にアスファルトル
ーフィングの側辺部を差し込んで支持せることで最初の
アスファルトルーフィングの仮固定を行なうようにして
いる。
【0012】このように軒先用支持具でアスファルトル
ーフィングの仮固定のための支持を行なわせるようにし
たことにより、下地がスレート系やコンクリート系の硬
い材料である場合でも、軒側の端部に敷く最初のアスフ
ァルトルーフィングの仮固定を簡単に行なうことができ
る。そしてその他のアスファルトルーフィングについて
は、軒先用支持具で仮固定した最初のアスファルトルー
フィングを利用することで仮固定することができる。ま
た必要に応じて上記特願平8−12831号(特開平9
−203167号)における新たな葺き工法のようにし
て支持具によりその他のアスファルトルーフィングを仮
固定することもできる。
【0013】したがって本発明による葺き工法を用いた
屋根全体の葺き作業は以下のようにして進めることにな
る。先ず、軒先用支持具をその固定部で軒側端部の下地
に固定する。それから、この軒先用支持具の支持部に軒
側端部のアスファルトルーフィング(1段目のアスファ
ルトルーフィング)の側辺部を差し込んで支持せること
で当該アスファルトルーフィングの仮固定のための支持
を行なう。次いで、このようにして支持した軒側端部の
アスファルトルーフィングの上に金属屋根板を葺く。金
属屋根板の縦幅はアスファルトルーフィングの幅の例え
ば半分程度であるので、アスファルトルーフィング1段
につき、金属屋根板を2段分葺く。これが終えたら2段
目以降のアスファルトルーフィングを敷くことと、その
上に金属屋根板を葺くことを繰り返すことになるが、そ
れには二つの方法が可能である。一つの方法では、例え
ばその一部が1段目のアスファルトルーフィングに被さ
るようにして2段目のアスファルトルーフィングを敷く
ことで、この2段目のアスファルトルーフィングを1段
目のアスファルトルーフィングに支持させて仮固定し、
それからこの2段目のアスファルトルーフィングについ
て同様に金属屋根板を葺く。以降同様のことを繰り返す
ことで屋根全体を葺く。他の一つの方法では、既に葺き
終えている金属屋根板に上記特願平8−12831号
(特開平9−203167号)における支持具を係止さ
せ、この支持具の支持部に支持させることで2段目のア
スファルトルーフィングの仮固定を行ない、この2段目
のアスファルトルーフィングについて同様に金属屋根板
を葺く。以降同様のことを繰り返すことで屋根全体を葺
く。
【0014】上記のような葺き工法で用いる軒先用支持
具については、固定部と支持部とに加えて、下地の軒側
辺を覆う鼻隠し部を設けることもできる。このようにす
ることで、軒先用支持具を軒先唐草としても機能させる
ことができる。また軒先用支持具の鼻隠し部で下地の軒
側辺を覆った上に金属屋根板の軒側辺部分を被せるよう
にすることで、金属屋根板の腐食を効果的に防止するこ
とができ、したがって表面に出ている金属屋根板の耐久
性を大幅に高めることができる。また同時に、軒先に求
められる強度要求にも応えることができる。
【0015】また上記のような葺き工法で用いる軒先用
支持具については、支持部の先端部に上反り部を形成す
ると、より好ましい。この上反り部は、支持部にアスフ
ァルトルーフィングの側辺部を差し込みやすくするため
のガイドとして機能する。また上反り部は、軒先用支持
具の上に重ねる金属屋根板の安定性を高めることにも機
能する。このことについて具体的に説明すると以下の通
りである。軒先部分の金属屋根板についてはその先端部
を四角に折り曲げて「鼻隠し」とし、この「鼻隠し」で
下地の軒側辺を覆うようにするのが一般である。その場
合、「鼻隠し」を下地の軒側辺に嵌まりやすくするため
に、「鼻隠し」の大きさを下地の軒側辺の厚みより若干
大きくする。そのため仕上げた状態で軒先部分の金属屋
根板が下地に対し若干の遊びを持つ状態になるのを避け
られない。この結果、風によるあおりを受けやすい軒先
部分の金属屋根板が強風などの場合にガタツキやすくな
るという問題を残す。しかし本発明による軒先用支持具
を用いる場合には、その上反り部がいわばスプリングと
して機能することにより、軒先用支持具の上に重なる金
属屋根板に突っ張りを与えることになる。この結果、上
記のような遊びがあっても、金属屋根板と下地との関係
が強固になり、したがって強風などでガタツクことを効
果的に防止することができる。
【0016】また上記のような葺き工法で用いる軒先用
支持具については、金属屋根板の側辺部を係止させるた
めの係止受け部をさらに設けることもできる。このよう
にすることで、軒側の端部に固定する最初の金属屋根板
の下側側辺部を軒先用支持具に係止させることができ
る。つまり最初の金属屋根板について軒先に対する処理
を行なわなくても済み、それだけ作業性を向上させるこ
とができる。
【0017】さらに上記のような葺き工法で用いる軒先
用支持具については、特にその鼻隠し部の部分を二重に
するように金属板を折り曲げて形成することもできる。
このようにすることで、相対的に腐食を受け易い軒先に
おける耐腐食性を高めることができるとともに、軒先に
求められる強度要求にも応えることができる。
【0018】
【実施の形態】本発明の第1の実施形態による軒先用支
持具1は、軒先唐草を兼用するタイプであり、図1に示
すように、全体的には金属板を二つ折りにすることで二
重重ねとした構造を持ち、その長さサイズは一般的な金
属屋根板の長さサイズと同程度となる。また個々の要素
として、鼻隠し部2、係止受け部3、支持部4、固定部
5、及び重なり部6を有する。またその支持部4は、後
述のようにしてそこにアスファルトルーフィングの側辺
部を差し込む際のガイドとして機能する上反り部4sを
先端部に有している。
【0019】鼻隠し部2は、図2及び図3に見られるよ
うに軒先に固定した状態で軒先の端部を覆うためのもの
で、軒先を包み込むように覆うことができるように、箱
状に曲折させて形成する。そしてその角部には、もし水
分が侵入した場合にこれを排水するための排水孔7を適
当な間隔で設ける。
【0020】係止受け部3は、後述のようにして金属屋
根板の縦接ぎ用の折り部を甲はぜ接ぎ的に係止させるた
めのもので、金属屋根板に一般的に設けられるはぜ接ぎ
用の折り部に対応するように曲折させて形成する。
【0021】支持部4は、図3に見られるようにしてア
スファルトルーフィングLaの仮固定を行なう部分で、
下地に固定した状態の固定部5に対しアスファルトルー
フィングの厚み程度の隙間gを持つように、係止受け部
3に対し曲折させて形成し、係止受け部3を形成するた
めの曲折部3sを図3に見られるようにしてアスファル
トルーフィングLaの先端の支持端として機能させるよ
うにする。
【0022】固定部5は、野地板G(図2)などの下地
に釘止めなどで固定するための部分で、全体的に平坦に
形成し、必要に応じて釘孔などを設ける。
【0023】重なり部6は、隣り合う軒先用支持具同士
の接合に機能させる部分で、二重重ねの裏側部分につい
て所定の重なり代を与えて横に突出させて形成する。こ
の重なり部6は、短辺の一方についてだけ設ければ足り
る。
【0024】次に上記のような軒先用支持具1を用いた
一文字葺屋根の葺き工法の例を説する。先ず図1及び図
2に示すように、軒先に軒先用支持具1を軒先に取り付
ける。軒先用支持具1の取り付けが終わったら、これを
利用して一段目のアスファルトルーフィングLaを仮固
定する。それには図3に拡大して示すように、アスファ
ルトルーフィングLaの側辺部を支持部4と固定部5の
間に差し込んで支持させる。このようにして一段目のア
スファルトルーフィングLaを仮固定したら、必要に応
じて支持部4に釘打ちなどすることで、軒先用支持具1
とともにアスファルトルーフィングLaを下地に固定す
る。それからこのアスファルトルーフィングLaの分だ
け金属屋根板Pを葺く。金属屋根板Pは、従来より一文
字葺などに広く用いられているものと同様に上下の各辺
に縦接ぎ用の折り部Pa、Pbを有し、左右の各辺に横
接ぎ用の折り部(図には現れない)を有するものを用
い、従来と同様の方式で葺く。つまり各金属屋根板P
を、それぞれの縦接ぎ用の折り部Pa、Pbや横接ぎ用
の折り部を介して接続すると共に、各金属屋根板Pをア
スファルトルーフィングと共に下地に釘止めなどで固定
する。ただ軒先については、軒先用支持具1との関係
で、軒側端の金属屋根板Pの縦接ぎ用の折り部Paを軒
先用支持具1の係止受け部3に係止させるようにする。
【0025】一段目のアスファルトルーフィングLaに
ついて金属屋根板を葺き終えたら、葺き終えて既に釘な
どで固定されている金属屋根板Pに支持具10を屋根の
横方向の全体にわたって1m程度の間隔で係止させる。
支持具10は、図5に示すように、係止部11と、この
係止部に対しアスファルトルーフィングの厚み程度の段
差gを持たせた支持部12とからなる構造とし、その支
持部12の先端に差込みガイド用の上反り部13を設
け、金属板の折り曲げ加工で形成する。これを葺き終え
た金属屋根板Pに係止させるには、その係止部11を金
属屋根板Pとその下側のアスファルトルーフィングLa
との間に、係止部11と支持部12との間の段差部分が
金属屋根板Pの側縁に引っ掛かる状態にまで差し込む。
【0026】このようにして必要数の支持具10を金属
屋根板Pに係止し終えたら。二段目のアスファルトルー
フィングLbをこれらの支持具10を利用して仮固定す
る。それには図4に拡大して示すように、アスファルト
ルーフィングLbの側辺部を支持部4に差し込んで係止
させる。このようにして二段目のアスファルトルーフィ
ングLbを仮固定したら、このアスファルトルーフィン
グLbの分だけ金属屋根板を葺き、以降は同様のことを
棟側まで繰り返して屋根全体を葺き上げる。なお図2中
で符号Tを付してあるのは垂木で、符号Rを付してある
のは雨樋である。
【0027】以上の葺き工法例は、二段目以降のアスフ
ァルトルーフィングの仮固定に支持具10を用いる場合
であるが、屋根の勾配などの条件によっては二段目以降
のアスファルトルーフィングの仮固定を支持具10によ
らずに行なうことも可能である。その場合には、下段の
アスファルトルーフィングを利用して上段のアスファル
トルーフィングの仮固定を行なう。
【0028】図5に示すのは、上記の工法を改修に適用
する場合の形態である。この場合に上記と異なるのはア
スファルトルーフィングの下地が既存のスレート平瓦S
である点をのみであるので、図2におけると同一の記号
を付して他については説明を省略する。
【0029】図7に示すのは、第2の実施形態による軒
先用支持具である。この軒先用支持具20は、基本的に
は上記第1の実施形態の軒先用支持具1と同様で、二重
重ねとした構造を全体的に持ち、個々の要素として、鼻
隠し部21、係止受け部22、上反り部23sを先端部
に有する支持部23、及び固定部24を備える。ただ、
その係止受け部22は、鼻隠し部21の前面から前方に
突出させるように形成する。
【0030】この軒先用支持具20を用いた一文字葺屋
根の葺き工法の例は、図8のようになる。これは基本的
には図2の場合と同様で、図2における軒先用支持具1
が軒先用支持具20に代わっている点で相違するだけで
ある。
【0031】図9に示すのは、第3の実施形態による軒
先用支持具である。この軒先用支持具30は、鼻隠し部
31、上反り部32sを先端部に有する支持部32、及
び固定部33を備えてなり、第1の実施形態や第2の実
施形態の軒先用支持具に対し、それらにおける係止受け
部3や係止受け部22を備えていない点で異なる。本実
施形態による軒先用支持具30を用いる場合には、図1
0に示すように、軒先部分の金属屋根板Pの鼻隠し部N
を下地の軒側辺を覆う鼻隠し部31に重ねるようにす
る。このようにすることで、金属屋根板Pの耐久性、特
にその鼻隠し部Nの耐久性を大幅に高めることができ
る。また本実施形態による軒先用支持具30は、上述し
たように、その支持部32の先端に設けてある上反り部
32sが軒先部分の金属屋根板Pを安定化させるのに機
能する。すなわち上反り部32sがいわばスプリングと
して機能することにより、軒先用支持具30の上に重な
る金属屋根板Pに突っ張りを与えることになる。この結
果、金属屋根板Pと下地との間に遊びがあっても、金属
屋根板Pと下地との関係が強固になり、したがって強風
などでガタツクことを効果的に防止することができる。
【0032】図11に示すのは、第4の実施形態による
軒先用支持具である。この軒先用支持具40は、基本的
には上記第3の実施形態の軒先用支持具30と同様で、
鼻隠し部41、上反り部42sを先端部に有する支持部
42、及び固定部43を備えてなり、鼻隠し部41が箱
型でない点で軒先用支持具30と異なる。本実施形態に
よる軒先用支持具40の使用状態は第3の実施形態の軒
先用支持具30と同様である。
【0033】図12に示すのは、第5の実施形態による
軒先用支持具である。この軒先用支持具50は、上反り
部52sを先端部に有する支持部52と固定部53のみ
を備えてなる。本実施形態による軒先用支持具50は、
その先端辺を下地の軒先に合わせた状態で下地に固定し
て用いる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
アスファルトルーフィングを下地の上に敷いて金属屋根
板の耐腐食性を高める葺き工法を下地がスレート系やコ
ンクリート系などの硬い材料である場合でも作業性よく
行なうことができる。また本発明によると、軒先部分の
金属屋根板の安定性を高めることができる。したがって
本発明によると、耐久性に優れ、また強風などにも強い
金属屋根板葺きの屋根を作業性よく葺くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態による軒先用支持具の部分斜視
図。
【図2】一実施形態による葺き工法で葺く過程にある屋
根の簡略化した断面図。
【図3】図2における軒先近辺の部分拡大断面図。
【図4】図2における金属屋根板の支持部周辺の部分拡
大断面図。
【図5】支持具の斜視図。
【図6】他の実施形態による葺き工法で葺く過程にある
屋根の図2相当の断面図。
【図7】第2の実施形態による軒先用支持具の部分斜視
図。
【図8】図7の軒先用支持具を用いて葺く過程にある屋
根の図2相当の断面図。
【図9】第3の実施形態による軒先用支持具の部分斜視
図。
【図10】図9の軒先用支持具を用いて葺く過程にある
屋根の図3相当の断面図。
【図11】第4の実施形態による軒先用支持具の部分斜
視図。
【図12】第5の実施形態による軒先用支持具の部分斜
視図。
【符号の説明】
1,20,30,40,50 軒先用支持具 2,21 鼻隠し部 3,22 係止受け部 4,23,32,42,52 支持部 4s,23s,32s,42s,52s 上反り部 5,24,33,43,53 固定部 G 野地板(下地) La,Lb アスファルトルーフィング P 金属屋根板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04D 13/15 E04D 15/00 E04D 15/02 E04D 15/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地の上に所定サイズのアスファルトル
    ーフィングを仮固定状態とし、このアスファルトルーフ
    ィングの上に所定サイズの金属屋根板をアスファルトル
    ーフィングと共に下地に固定することを、軒側から棟側
    に向けて、複数枚のアスファルトルーフィングと複数枚
    の金属屋根板について繰り返すことで屋根を葺く葺き工
    法において、 下地に固定するための固定部と、固定部を下地に固定し
    た状態でアスファルトルーフィングの厚み程度の隙間を
    固定部に対し持つようにした支持部とを有する軒先用支
    持具をその固定部で下地に固定し、この下地に固定状態
    の軒先用支持具の支持部にアスファルトルーフィングの
    側辺部を差し込んで支持せることで最初のアスファルト
    ルーフィングの仮固定を行なうようにしたことを特徴と
    する葺き工法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の葺き工法に用いる軒先
    用支持具であって、下地に固定するための固定部と、固
    定部を下地に固定した状態でアスファルトルーフィング
    の厚み程度の隙間を固定部に対し持つようにした支持部
    とを有してなる軒先用支持具。
  3. 【請求項3】 下地の軒側辺を覆うための鼻隠し部を有
    している請求項2に記載の軒先用支持具。
  4. 【請求項4】 支持部の先端部に上反り部が形成されて
    いる請求項2または請求項3に記載の軒先用支持具。
  5. 【請求項5】 金属屋根板の側辺部を係止させるための
    係止受け部を有している請求項2〜請求項4の何れか1
    項に記載の軒先用支持具。
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