JP2820150B2 - 深色化繊維構造物 - Google Patents

深色化繊維構造物

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は深色化繊維構造物、良好な深色性ならびに特
に耐磨耗性、耐洗濯性等の耐久性の良好な深色化繊維構
造物及びその製造方法に関する。 (従来の技術) 合成繊維或いは天然繊維において、鮮明で色の深みを
有する繊維の検討が従来から行なわれており、“カラス
の濡れ羽色”を目的とした改良の提案がなされている。 繊維工学Vol.22(No.5)p−360〜368(May、1969)
及び特公昭46−26887号公報には早くも、繊維表面を適
当な疎さで凹凸化(疎面化)する事により光学的な改質
ができる事を示しており、又特開昭52−99400号公報に
は特定の凹凸形状を有する深色化繊維が提案されてい
る。しかし、この方法では繊維表面自体をエッチングす
る為に、処理速度が遅い、染料の分解、染色堅牢度の低
下、エッチング状態のコントロールが困難等の問題があ
り、又繊維表面の屈折率については素材繊維と同一か或
いは密度アップの為に屈折率の増大があり深色効果の発
現性も小さい等、実用上の問題は多い。一応、従来から
フッ素系処理剤、シリコーン系処理剤、ポリウレタン系
処理剤等低屈折率表面を形成する各種処理剤で処理する
濃染化加工が行なわれている。この方法は簡便であり、
特別な装置も不用な事より工業的には有利であるが繊維
表面への加工剤の均一付着の困難さ、風合の変化や色調
の変化、染料の堅牢度の低下等が避けられず、又深色性
能においても処理剤の低屈折率による反射防止の効果し
かないので十分でない等の問題がある。 また、特開昭57−171781号公報には、低屈折率の疎水
性含ケイ素重合体の乳化又は分散液は深色効果は十分認
められるが、被膜形成性が不十分でヌメリ感が現れるの
を除くためアクリル酸エステル系重合体の乳化又は分散
液を併用し、深色効果とヌメリ感のない風合いが得られ
る方法が提案されている。この方法では、特殊な装置を
使用することがない点で有利であり、深色効果と、ヌメ
リ感を除くことが可能であるが、深色性能においても処
理剤の低屈折率による反射防止の効果に限られたもので
あり、また耐久性等においても十分でない等の難点があ
る。 特公昭60−37225号公報は、繊維表面の凹孔を屈折率
の小さい樹脂で埋め平滑表面を有する耐久性の良好な深
色化繊維の提案であるが、この方法では繊維特に天然繊
維表面に特定の凹孔を形成させる事が困難であり、仮に
凹孔が形成できたとしても、凹孔を樹脂で埋め表面を平
滑にする事では深色性の発現も小さい。又繊維全体を樹
脂被膜する場合も上述した同じ欠陥を有する。 特開昭61−97490号公報或いは特開昭60−224878号公
報等ではポリエステル繊維にシリコーン系樹脂を付着さ
せた後プラズマ処理を行ない深色性を付与する方法を提
案している。この方法では繊維表面を覆っているシリコ
ーン系加工剤のエッチング速度が遅く、かつ明確な凹凸
を形成する事ができないなどエッチング状態が良好でな
く、工業的有利に良好な深色性或いは耐久性を有する深
色化繊維を得ることはできない。又別の問題としてはポ
リエステル繊維表面のプラズマエッチングである為に、
エッチング孔が単純で均一な凹凸した生成せずにかなり
の数の凹凸が存在してなければ深色化の効果は乏しい。
これは凹凸の形状特にその傾きが小さく、又凹凸の頂点
及び底部が比較的なだらかな為と推測される。 特開昭60−17190号公報は、繊維表面にプラズマエッ
チングに対して耐性の差を有する樹脂被膜を形成させプ
ラズマ処理を行ない樹脂表面に微細な凹凸を多数形成す
る事を提案しており、好ましい樹脂被膜としては、無機
微粒子と、それと相溶性及び均一被覆性にすぐれた樹
脂、或いは屈折率が1.5以下のカチオン性ポリウレタン
および/またはビニル重合体変性カチオン性ポリウレタ
ンよりなるものである。この提案の樹脂表面の凹凸は大
きさが小さくかつ数が多い為にやはり前述と同様の問題
がある。 特開昭60−59171号公報には、シリコーン系樹脂に無
機微粒子を混合した処理剤で繊維を被膜処理後、プラズ
マ処理し深色化繊維を得る方法を提案しているが、ここ
でもエッチング速度が遅い点、表面に付着した微粒子の
付着ムラによるエッチングムラ及び微粒子の脱落による
性能の変化等の問題がある。 従来の化学エッチング、プラズエッチング処理等で形
成される凹凸は、摩擦、洗浄及び着用時に消滅し、深色
性の変化や低下等、耐久性が十分でない。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的とするところは、特別に新しい装置、工
程を必要とする事な工業的有利かつ安価に製造すること
ができ、更にすぐれた耐久性を有しかつ従来にない水準
の深色性を有する繊維構造物を提供するにある。 (問題点を解決する為の手段) 本発明は、繊維構造物の少なくとも表面の繊維上に、 A)シリコーン樹脂並びに B)部分フッ素化アクリル樹脂及びポリエーテルエステ
ル系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂 からなる混和性を有し、且つ非相溶性を有する2種以上
の樹脂からなる混合樹脂の皮膜を有し、その付着率が0.
5〜10重量%で、混合樹脂の混合比率がA/B=6/4〜4/6で
あり、且つ該混合樹脂が相分離を形成している着色され
た深色化繊維構造物である。 本発明に於いて繊維とは、特に限定されるものでもな
く綿、羊毛、絹等の天然繊維、ポリエステル、ナイロ
ン、アクリル、レーヨン、アセテート等の化合繊のすべ
てを含むが、繊維自体の発色性が悪く、かつ繊維表面が
平滑で屈折率が大きく表面反射の大きい繊維、例えばポ
リエステル繊維の改良には非常に有効である。着色と
は、全面一の着色或いはパターン化された部分着色、例
えばプリント等をいう。 本発明においては、繊維構造物の少なくとも表面の繊
維上に非相溶性を有する2種以上の混合樹脂の皮膜を有
する事が必要である。混合樹脂は、本発明の目的に反し
ない限り、2種を越えてもよい。ここでは、判りやすい
ように2種の樹脂A及び樹脂Bを考える。樹脂A及びB
は互いに非相溶であるが、良好な混和性を有することが
好ましく、等に好ましくは樹脂A,Bよりなる皮膜の透明
性、均一性、強度、耐久性が良好で、かつ一方の樹脂A
の屈折率が繊維或いは地方の樹脂Bの屈折率より小さい
事である。 (A)と(B)が混和性は有するが非相溶であると
は、(A)と(B)とを混合した時に、良好な混合物は
形成するが均一な相を形成せず、(A)相と(B)相に
相分離を生じる相を言う。混和性が良好でなければ、ゲ
ル化や増粘或いは沈澱が生じ、(A)と(B)との良好
な混合樹脂は形成できず、良好な皮膜は形成できない。
ましてや良好な深色化繊維構造物を工業的有利に製造す
る事は困難である。又、非相溶性であるとは、(A),
(B)2種の樹脂を十分に混合させても一体化せず、相
分離している事で、これは電子顕微鏡、光学顕微鏡で観
察できる。即ち、本発明において、(A)と(B)とを
混合した場合、極端に混合比が異なる時、混合比の大き
いものが連続した相(海成分)となり、混合比の小さい
ものが非連続の相(島成分)となる。非相溶性がなけれ
ば(相溶性であれば)(A)と(B)は分子レベルで均
一となり、お互に特徴をなくすばかりか、耐熱性、物
性、化学的安定性に欠けたものとなり、深色効果も余り
期待できない。 本発明において、一方の樹脂はシリコーン系樹脂であ
ることが必要である。 シリコーン系図示は皮膜形成性、透明性が良好で、か
つ屈折率が小さい。シリコーン系樹脂(A) の基本骨格構造を有するものであればよく、特に限定し
ないが、使用する際の便利さ及び繊維に対する皮膜形成
性等より水分散性の良好なものが好ましい。 水分散性、皮膜形成性、皮膜強度の改良の為に(A)
の側差或いは末端にアミノ基、水酸基、エポキシ基、ア
ルコキシル基等を含有する修飾基を導入してもよい。こ
れらの修飾基による変性度は大きくなれば繊維への付着
性、皮膜形成性、皮膜強度等の向上がありより好まし
く、例えばエポキシ基変性のジメチルシリコーン樹脂の
場合、エポキシ当量(エポキシ基1個当りのシリコーン
樹脂の分子量)は高々100,000好ましくは50,000以下、
更に好ましくは10,000以下である。(A)の分子量、側
差の構造や分子量は水中分散性、付着性、皮膜強度、耐
久性等に影響する。(A)の分子量は特に限定しない
が、水中分散性、繊維への付着性、エッチング特性等よ
り通常5000以上、好ましくは1万以上、更に好ましくは
3万以上である。分子量が5000以下では、繊維への付着
特性、皮膜の耐久性の低下や他の樹脂との非相溶性が幾
分低下し、皮膜の均一性や深色効果が低下することがあ
る。 (A)の側差の形態は屈折率やプラズマエッチング性
に影響し、側鎖の分子量が大となれば、屈折率も大とな
り好ましくない。従って(A)の側鎖としてはC1〜C12
程度の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはC1
C6程度であるが、耐熱性、皮膜形成性の向上の為にベン
ゼン環や不飽和結合、アミノ基、エポキシ基、水酸基、
アルコシル基等を含有してもよい。より好ましくは、触
媒、熱、光等によりシリコーン系樹脂が架橋して化学的
安定化、機械的強度向上のできるものが、使用時の耐摩
耗性の点で好ましい。例えば側鎖に水酸基を有するポリ
ジオルガノシロキサンジオール、水素を有するアルキル
ヒドロジエンシリコーンでは、加熱により容易に架橋
し、又反応性シリコーンに硬化剤を添加しても架橋化は
達成できる。又、アミノ変性シリコーンやエポキシ変性
シリコーン等及び分子末端にビニル基或いは不飽和結合
等を含有するものも反応性が大きく好ましい。 他方の樹脂としてはシリコーン系樹脂と混和性を有
し、非相溶性を示すものであることが必須であり、透明
性、皮膜形成性(均一性、強度)、耐久性にすぐれたも
のが好ましい。このような条件を有する樹脂としては、
例えばアクリル系樹脂や部分フッ素化アクリル樹脂、ポ
リエチレングリコール変性アクリル系樹脂、エポキシ変
性アクリル系樹脂等の変性アクリル系樹脂、メラミン樹
脂、フッ素樹脂、アミド樹脂、ポリエステル樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル・エステル系
樹脂等があるが、その中でも水分散性や分散安定性の良
好なものやエマルジョン粒子の小さいものがより好まし
い。 本発明で使用する混合樹脂の組み合せは、一方の樹脂
としてシリコーン系樹脂、他方の樹脂として部分フッ素
化アクリル樹脂、ポリエーテルエステル系樹脂を用いた
ものであることを特徴とする。 (A)と(B)との混合樹脂からなる皮膜は、繊維重
量当り0.2〜15重量%の付着量である。好ましくは0.5〜
10重量%、更に好ましくは1〜7重量%である。15重量
%を越えると、混合樹脂の皮膜が均一に付着せず風合の
変化や透湿性、通気性等の低下や、樹脂層の厚さによる
色のくすみ等の問題が生じる。又0.2%未満では皮膜強
度、深色効果が十分でない。 混合樹脂における(A)と(B)との混合比率は、混
和性が良好で非相溶性を示すことが必須である。このよ
うな性質を示す領域は好ましくは90/10〜10/90(重量
比)、更に好ましくは80/20〜20/80、特に好ましくは、
70/30〜30/70である。深色性に関しては、(A)と
(B)とを混合する異により(A)或いは(B)単独で
の場合よりはるかに深色化する。第1図にその一例を示
す。(A)が90重量%より多く、(B)が10重量%より
少ない場合は、シリコーン系加工剤としての前述した問
題点の改良或いは耐久性の付与が十分でなく、又(A)
が10重量%より少なく、(B)が90重量%より大きくな
れば深色化効果の発現が十分でない。 即ち、混合樹脂の混合比率及び付着量の特定が深色効
果を最も効果的に発現させる為には重要である。この理
由は明らかでないが、次のように考えられる。混合樹脂
(A)と(B)は、その非相溶性の為に、繊維上でもお
互いに相分離構造を形成する。相分離の大きさ、即ち
(A),(B)成分の領域の形状及び大きさは樹脂
(A)及び(B)の物性及びその混合比率に影響をう
け、一概に言えないが、混合比率の大きいものが海成分
となり連続相として存在しやすく、小さいものが島成分
となり非連続相として存在しやすい。 即ち、(A)/(B)=9/1〜8/2程度であれば(B)
成分が島成分として存在しやすく、逆に(B)/(A)
=9/1〜8/2程度であれば(A)成分が島成分として存在
しやすい。又(A)/(B)=7/3〜3/7ではより小量の
成分が島成分となりやすいが、部分的にはお互いに海/
島が明確にならず入り組んだ形状をとる場合もある。多
くの場合、深色効果が顕著なのは7/3〜3/7と同成分が比
較的等量に近いところである。 繊維上へ付着した混合樹脂皮膜は平滑な表面を有して
いるが、皮膜内部では複雑な相分離形状を呈しており、
かつ各相の光学的性質が大きく変化する為に、光の入射
光が微妙に変化し、深色効果が発現したものと思われ
る。 即ち、相分離した光学的物性の異なる各相が表面の凹
凸に相当するような深色効果を引き出したものと思われ
る。 混合樹脂皮膜の相分離の大きさや形態は位相差顕微鏡
観察、蛍光X線分析等によって確認できる。尚、繊維上
での相分離状態の観察が困難な場合は、混合樹脂をフィ
ルム上て塗付し、上述した方法で観察することができ
る。 フィルム上での観察の結果、混合樹脂皮膜の相分離状
態は、例えばシリコーン系樹脂(A)/ポリエーテル・
エステル系樹脂(B)=9/1の混合樹脂の場合、島成分
を形成する樹脂の相分離の大きさは小さいものでも0.05
μ以上あり、大部分は0.1μ以上である。又、A/B=8/2
程度では島成分の大きさは、0.1μ以下のものもある
が、大部分は0.5〜1μ程度である。更にA/B=7/3では
やはり0.1μ程度のものもあるが、大部分は0.5μ以上で
あり、かつ一部では島成分が比較的長く連続したものも
存在するようになる。混合比率がA/B=6/4〜4/6では、
互いの成分が島成分にもなり、又、海成分にもなるとい
う極めて複雑な形態を示すが、深色効果が最も顕著なの
は、この領域であり本発明は混合比率をこのような範囲
のものに限定したことを特徴とする。 次に製造法の一例を示し、本発明を更に詳細に説明す
る。前述した天然繊維、合成繊維及びそれらの混紡、交
編織等の繊維或いは繊維構造物に、混和性は良好である
が互いに非相溶である2種以上の音号樹脂の水分散液を
繊維重量に対し0.5〜10%付着させる。 天然繊維或いは合成繊維よりなる着色布に混合樹脂を
付与するには、浸漬吸着法即ち樹脂分散液に含浸後搾液
し、しかる後に乾燥又は乾燥後、乾熱処理、湿熱処理或
いは高温湿熱処理のいずれかを行なう方法、或いはコー
ティング法即ち樹脂液をグラビアコーター等でコーティ
ング付与した後で前述の熱処理を行なう方法等、従来公
知の方法で行なう事が出来るが、浸漬吸着法が好まし
い。浸漬吸着法において繊維上へ混合樹脂の均一な皮膜
を形成させる為には、混合樹脂の分散液中の樹脂濃度を
例えば通常10%以下、好ましくは7%以下にする。又、
分散液中の樹脂の混合状態の安定性、分散安定性の向上
の為には、界面活性剤例えば通常用いられるカチオン系
界面活性剤、ノニオン系界面活性剤或いはアニオン系界
面活性剤を混合樹脂重量に対して50%以下、より好まし
くは20%以下程度添加してもよい。 繊維上への樹脂の付着量のコントロールは分散液中の
樹脂濃度、繊維への分散液の含量或いは、樹脂付着回数
等で行なう事が出来る。繊維上への混合樹脂の付着量は
0.5〜10重量%、好ましくは1〜7重量%である。付着
量が0.5%以下では、目的とする深色化効果が得られに
くく、好ましくない。一方10%を越えると処理布の風合
が粗硬になるばかりか、他の加工処理を行なうのに妨げ
となる傾向が出る。 混合樹脂皮膜形成後、加工布の摩擦堅牢度、昇華堅牢
度、耐熱堅牢度等の改良の為に水洗、湯洗或いは簡単な
ソーピング処理を行なう事も好ましい。 本発明における評価は次の方法により行なった。 (染色性の評価) 深色性(色の深み)はCIE1976(Lab)法によりカラー
アナライザーで反射率を測定しY値を求め下記の式より
L値を得た。L値は小さい程深色化のレベルが高いこと
を表わしている。 L=25(100Y/Y01/3−16 (染色堅牢度評価) 染色堅牢度はJISの規格(洗濯堅牢度JIS L−0844A2
Z法、ドライクリーニングJIS L−0860)に準じた。 (非相溶性の評価) 繊維上、フィルム上、或いはガラス板上に形成させた
混合樹脂の皮膜を、光学顕微鏡、位相差顕微鏡、蛍光X
線分析或いは電子顕微鏡によって観察する。 (実施例) 以下実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。 実施例1 60d/48fのポリエステルフィラメントに250T/MのS撚
をかけた経糸と、75d/72fのポリエステルフィラメント
に3000T/MのS、Z撚をかけた緯糸からなるジョーゼッ
ト織物を常法でワッシャーしぼ立て後、180℃の乾熱中
でセットし、90℃20%のカセイソーダ水溶液中に浸漬し
て、15%の減量処理を行なった。 この織物をカヤロンポリエステルブラックGSF(日本
化薬(株)製)15%owfで染色した後還元洗浄して黒色
のジョーゼット織物を得た。 次いで、シリコーン系樹脂/ポリエーテルエステル樹
脂の混合比率を変えた水分散液を調製し、上記黒色のジ
ョーゼット織物への付着量を変化させた。混合樹脂の付
着(皮膜形成)は、まず、混合樹脂の水分散液へ織物を
浸漬し、マングルでしぼり、次いでピンテンター型の熱
風乾燥機で乾燥及びキュアリング処理することにより行
った。 各試料のL−値及び他の結果を第1表及び第1図に示
す。実施例2 経、緯40番綿糸よりなる平織を、レマゾールブラック
B10%、サクシノール0.1%を含有するパッド浴に浸漬
し、絞り率80%に搾液後乾燥し、次いで硅酸ソーダ溶液
に浸漬、搾液後キュアリング処理し、更に湯洗、水洗し
て黒染め綿布を得た。 また、経、緯140番双糸よりなる絹平織をカヤノール
ミリングブラックTLB5%含有した染液に浸漬し、98℃に
て染色した。染色後、60℃で湯洗、水洗して黒染め絹布
を得た。 また、経、緯52番梳毛糸よりなるツイル織布をミツイ
ナイロンブラックSGL7%含有する染液に浸漬し、98℃に
て染色した。染色後60℃で湯洗、水洗し黒染めウール布
を得た。 これらの黒染布及び実施例1の黒染布を、第2表に示
す2種の混合樹脂(混合比率5:5)の水分散液を調製
し、布の重量に対して3%付着させた。 各試料のL−値の測定結果を第2表に示す。処理した
布の耐マサツ堅牢度、耐洗濯堅牢度等は良好であった。 (発明の効果) 本発明の深色化繊維構造物は驚くべきことに深色性が
従来提案されているものよりはるかに良好で、かつ混合
樹脂の皮膜表面が比較的平滑である為に耐マモウ性、耐
洗濯性等の耐久性にもすぐれている。 又、深色効果や濃色効果が顕著である為に、染料使用
量も従来より低減できる等、品質、コスト的にもすぐれ
ている。特にウール、綿、絹或いはそれらと合繊等の混
紡、交編、交織物においては、従来の樹脂加工による深
色化処理では、その後の化学処理等での繊維の変質や変
色或いは耐久性に問題があったが、本発明では全くその
心配がないなど多様な素材構成、商品構成に対応でき
る。 本発明の深色化繊維構造物は、ブラックフォーマル、
学生服等、黒さが生命である用途には勿論、カラーフォ
ーマル、プリント等多様な商品展開が可能である。
【図面の簡単な説明】 第1図は実施例1での混合樹脂皮膜の混合比率及び付着
量を変化させた時の深色化処理布のL−値を示し、Aが
シリコーン系樹脂、Bがポリエーテルエステル系樹脂、
aは付着量0.5%owf、bは1%owf、cは3%owf、dは
10%owfである。 第2図は実施例1におけるシリコーン系樹脂/ポリエー
テルエステル系樹脂=5/5の混合樹脂皮膜の付着量を変
化させた時の処理布のL−値を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−35083(JP,A) 特開 昭57−171781(JP,A) 特開 昭61−186582(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.繊維構造物の少なくとも表面の繊維上に、 A)シリコーン樹脂並びに B)部分フッ素化アクリル繊維及びポリエーテルエステ
    ル系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種の樹脂 からなる混和性を有し、且つ非相溶性を有する2種以上
    の樹脂からなる混合樹脂の皮膜を有し、その付着率が0.
    5〜10重量%で、混合樹脂の混合比率がA/B=6/4〜4/6で
    あり、且つ該混合樹脂が相分離を形成している着色され
    た深色化繊維構造物。
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