JPH08325933A - 撥水加工布帛およびその製造方法 - Google Patents

撥水加工布帛およびその製造方法

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JPH08325933A
JPH08325933A JP17009195A JP17009195A JPH08325933A JP H08325933 A JPH08325933 A JP H08325933A JP 17009195 A JP17009195 A JP 17009195A JP 17009195 A JP17009195 A JP 17009195A JP H08325933 A JPH08325933 A JP H08325933A
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Susumu Takagi
進 高木
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雅弘 水間
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 飽和鎖式炭化水素を主体に使用した撥水加工
において、長期間着用しても撥水性能の低下やクラック
模様の再現性低下が極めて少なく、洗濯耐久性に優れた
撥水性能等をもつ撥水加工布帛を得る技術を提供する。 【構成】 融点が30℃ないし150℃の飽和鎖式炭化
水素100重量部を必須の成分として、これにガラス転
移温度が30℃以下のアクリル系樹脂および/またはシ
リコン系樹脂を10〜600重量部を添加してなる樹脂
組成物を布帛に塗布または含浸させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スポーツウエアあるい
はカジュアルウエアを始めとする衣料分野向けの撥水加
工布帛およびその製造方法に関し、更に詳しくは、合成
繊維や天然繊維等からなる布帛に撥水加工用樹脂として
飽和鎖式炭化水素(A)を主体に使用した撥水加工の改
良に関するものであり、繰り返し洗濯による撥水性能の
低下や古着感を与えるクラック模様の再現性低下が極め
て少なく、洗濯耐久性に優れた撥水性能等を有する撥水
加工布帛およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維布帛に対する撥水加工方法と
しては、フッ素系撥水剤、シリコーン系撥水剤、パラフ
ィン系撥水剤などの水分散水溶液または有機溶剤溶液を
繊維布帛に塗布または含浸した後、加熱処理する等の方
法が行われている。上記撥水剤の中で特に飽和鎖式炭化
水素であるパラフィン系撥水剤で加工された布帛は、皺
状の独特のクラック模様をもっている。この独特のクラ
ック模様は、撥水加工布帛の一部分を手で掴んだ場合に
その部分にうっすらと発生するしわ模様であり、このよ
うなしわ模様は、いわゆる古着感を布帛に与えることか
ら、ファッション衣料用として広く利用されている。
【0003】しかしながら、従来のパラフィン系撥水剤
は水分散体の性状のものであり、これを用いた撥水加工
方法では、初期の撥水性能がフッ素系撥水剤やシリコー
ン系撥水剤を用いた場合に比較して若干劣るばかりでな
く、繰り返し洗濯によって撥水性能の低下や独特のクラ
ック模様の再現性低下が著しいという欠点があり改善が
望まれていた。ここでいうクラック模様の再現性低下と
は、クラック模様の発現状態つまり皺の状態が、繰り返
し行われる洗濯により弱くなり初期品に比較して著しく
異なる状態になることをいう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、飽和
鎖式炭化水素(A)を主体に使用した撥水加工におい
て、長期間着用しても撥水性能の低下やクラック模様の
再現性低下が極めて少なく、洗濯耐久性に優れた撥水性
能等を得ることができる撥水加工布帛およびその製造方
法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、飽和鎖式
炭化水素(A)を用いた撥水加工布帛およびその製造方
法について鋭意検討を重ねた結果、融点30℃ないし1
50℃の飽和鎖式炭化水素(A)100重量部を必須の
成分として、これにガラス転移温度が30℃以下のアク
リル系樹脂(B)および/またはシリコン系樹脂(C)
を10〜600重量部を添加してなる樹脂組成物(D)
を有機溶剤溶液または飽和鎖式炭化水素(A)が分散体
状態となりそれ以外の樹脂成分が溶解した有機溶剤分散
体の形で布帛に塗布または含浸した後、これを該飽和鎖
式炭化水素(A)の融点以上の温度で且つアクリル系樹
脂(B)および/またはシリコン系樹脂(C)が皮膜形
成するに十分な温度と時間で加熱処理することを特徴と
する撥水加工布帛の製造方法によって初期の目的を達成
できることを見出し本発明に至ったものである。
【0006】本発明における飽和鎖式炭化水素(A)
は、一般式 C2n+2で表すことができ、nは該
炭化水素の融点が30℃ないし150℃に相当する値で
ある。この要件を満足するものであれば任意のものが使
用でき、例えば、固形パラフィン、低分子ポリエチレン
および低分子ポリプロピレン単独あるいは、低分子ポリ
エチレンや低分子ポリプロピレンを主体とした共重合体
などを挙げることができる。これらの化合物は単独で使
用しても2種以上を併用してもよい。
【0007】飽和鎖式炭化水素(A)の形態としては、
常温にて塊状や粉末状であっても使用することができ
る。たとえば、粒径が約100μ以下であればそれまま
の状態で使用できるが、それ以上の場合は、下記方法に
てペースト状にして使用することができる。ペースト状
にするには、一旦融点以上の温度にて完全に溶解した
後、飽和鎖式炭化水素(A)の貧溶媒で且つ、飽和鎖式
炭化水素(A)の融点以上の沸点を有する溶剤を添加
し、徐々に攪拌しながら冷却することによって微粒子状
に飽和鎖式炭化水素(A)が析出し、溶剤を含んだペー
スト状のものが得られる。添加する溶剤量は、飽和鎖式
炭化水素(A)に対し50〜200重量%が好ましい。
【0008】本発明におけるアクリル系樹脂(B)およ
びシリコン系樹脂(C)は、それぞれの樹脂のガラス転
移温度が30℃以下であって、樹脂皮膜が柔軟で繊維布
帛の風合いを損なわないものであれば適宜市販のアクリ
ル系樹脂およびシリコン系樹脂を使用することができ
る。アクリル系樹脂(B)およびシリコン系樹脂(C)
には、樹脂皮膜単独の強度や繊維布帛との剥離強度の向
上等を目的として、樹脂タイプに合った架橋剤を添加す
ることができる。これらの樹脂の溶媒としては、芳香族
系、ケトン系、エステル系、アルコール系の溶剤や塩素
含有溶剤等が使用できる。アクリル系樹脂(B)および
/またはシリコン系樹脂(C)の添加量は、飽和鎖式炭
化水素(A)100重量部に対して、10〜600重量
部、より好ましくは20〜300重量部である。これら
の樹脂は単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
また、併用する場合それぞれ樹脂の割合に関しても特に
制限はない。
【0009】本発明における飽和鎖式炭化水素(A)と
アクリル系樹脂(B)および/またはシリコン系樹脂
(C)からなる樹脂組成物(D)には、必要に応じてフ
ッ素系撥水剤(E)を添加することができる。本発明に
おけるフッ素系撥水剤(E)の代表的なものとしては、
フルオロカーボン基を側鎖に有する含フッ素共重合体が
あげられるが、該撥水剤(E)に含まれるフッ素原子は
5重量%以上、より好ましくは10重量%以上である。
フッ素原子含有量の測定法としては、一定量の試料を燃
焼フラスコ装置を用いて燃焼させた後、吸収液をイオン
クロマト分析する方法などがある。添加量は、樹脂組成
物(D)100重量部に対して0.1〜20重量部、よ
り好ましくは0.5〜10重量部であり、0.5重量部
より少ないと撥水耐久性能に対する寄与が十分でなく、
また10重量部以上になると風合硬化や樹脂皮膜強度が
低下する。もし、樹脂組成物(D)だけで十分な耐久撥
水性能が得られる場合には、フッ素系撥水剤(E)を添
加する必要はない。
【0010】上記樹脂を混合して得られる樹脂組成物
(D)には、さらに必要に応じて酸化チタンや着色顔料
等を添加してもよい。また、塗布する際には、アクリル
系樹脂(B)および/またはシリコン系樹脂(C)やフ
ッ素系撥水剤(E)の溶剤に使用される一種類以上の溶
剤を用いて均一な有機溶剤溶液とするか、または飽和鎖
式炭化水素(A)のみが分散体状態となった有機溶剤分
散体とすることができる。樹脂組成物(D)溶液の粘
度、樹脂固形分は、それぞれ25℃で50〜40000
センチポイズ(cps)、より好ましくは200〜20
000cps、3〜50重量%の範囲で使用される。
【0011】本発明における布帛としては、織物、編
物、不織布等があり、その構成繊維素材としては、綿、
麻、羊毛、絹等の天然繊維、ナイロン、ポリエステル、
ポリウレタン、アクリル等の合成繊維等の繊維が使用で
き、それらの混紡・交繊品であってもよい。尚、塗布加
工の前に該布帛を、前処理として通常の水系等の撥水加
工を施しておくと、アクリル系樹脂(B)および/また
はシリコン系樹脂(C)が布帛中に深く浸透するのが抑
えられて風合いの柔軟化に効果がある。この場合でも飽
和鎖式炭化水素(A)は布帛中に浸透するため、クラッ
ク模様の発生現象に関しては撥水加工を施してない場合
と同等である。
【0012】本発明における塗布方法としては、塗布液
が飽和鎖式炭化水素(A)の分散体状態の場合はロール
コート、リバースロールコート、ナイフコート、ダイコ
ート、グラビアロールコート、浸漬塗布等の公知の塗布
方法によって塗布することができる。また、塗布液が溶
液状態の場合は、シャワーコート、スプレーコート、ス
クリーンコート等の塗布方法を使用することも可能であ
る。また加熱処理条件は、飽和鎖式炭化水素(A)の融
点以上の温度で且つアクリル系樹脂(B)および/また
はシリコン系樹脂(C)が皮膜形成するに十分な温度と
加熱時間が必要である。これらの条件は使用する樹脂成
分に応じ適宜決定しうる。一般的には100℃以上1分
以上の温度と時間が用いられる。該塗布方法により塗布
する樹脂組成物(D)の樹脂量は1〜35g/m、好
ましくは3〜20g/mの範囲で塗布することによ
り、初期の性能を得ることができる。
【0013】本発明により片面のみ塗布加工された撥水
加工布帛を衣料として使用するにあたっては塗布加工さ
れた面を表面として使用する場合と塗布加工されていな
い面を表面として使用する場合が考えられる。基本的に
は前者で使用されるか、飽和鎖式炭化水素(A)が布帛
中に浸透しているため、後者で使用することも可能であ
る。しかしこの場合、撥水耐久性は前者に比較して劣
る。
【0014】
【発明の効果】従来のパラフィン系撥水剤を用いた撥水
加工方法では、初期の撥水性能がフッ素系撥水剤やシリ
コーン系撥水剤に比較して若干劣る場合があるばかりで
なく、繰り返し洗濯による撥水性能の耐久性が不十分で
あり、また独特のクラック模様の再現性低下が著しかっ
たが、本発明により、長期間着用しても撥水性能の低下
や古着感を与えるクラック模様の再現性低下が極めて少
なく、洗濯耐久撥水性に優れた撥水加工布帛を得ること
ができる。
【0015】以下、本発明を実施例により説明する。な
お、例中「部」、「%」はそれぞれ「重量部」、「重量
%」を示す。
【0016】
【実施例】
1)評価方法 実施例によって本発明をさらに具体的に示すが、実施例
における布帛の性能の評価は、下記の方法で行った。
【0017】撥水性評価:JIS L−1092(ス
プレー法)に準じて、撥水加工布帛の混合樹脂組成物塗
布加工面を評価した。 <評価基準> 点数 布帛表面状態 100: 表面に付着湿潤のないもの 90: 表面にわずかに付着湿潤を示すもの 80: 表面に部分的に湿潤を示すもの 70: 表面に湿潤を示すもの 50: 表面全体に湿潤を示すもの 0: 表裏両面が完全に湿潤を示すもの
【0018】洗濯条件 家庭洗濯(JIS L−0217、103法)5回、1
0回、20回後の試料について評価を行った。
【0019】クラック模様の再現性評価 加工直後の布帛を基準にして、布帛の一部分を手で掴む
ハンドリングテストによりクラック模様の強弱を評価し
た。 <評価基準> ○印: 変化無し(加工直後と同等) △印: クラック模様の発生程度が加工直後に比較して
約半分 ×印: クラック模様がほとんど発生しない
【0020】2)布帛の製造 布帛−1 経糸70デニール48フィラメント、緯糸115デニー
ル72フィラメントで、経糸密度115本/inch、
緯糸密度74本/inchのナイロン6タフタを通常の
方法で精錬、染色(ネビー)、乾燥し、170℃にて1
分間熱セットを行って布帛を得た(仕上がり密度:経糸
密度121本/inch、緯糸密度78本/inc
h)。
【0021】布帛−2 布帛−1をフッ素系撥水剤エマルジョンのアサヒガード
AG−710(旭硝子株式会社製)5%水溶液に浸漬後
ゴムロールにて絞液し(絞り率34%)乾燥後160℃
で1分間の熱処理を行い撥水加工布帛を得た。
【0022】布帛−3 経糸70デニール48ティラメント(ナイロン6)、緯
糸30番手(コットン)で、経糸密度154本/inc
h、緯糸密度58本/inchのナイロン/コットンタ
ッサーを精錬、綿晒、染色(グリーン)、乾燥し、17
0℃にて1分間熱セットを行った後、フッ素系撥水剤エ
マルジョンのアサヒガードAG−310(旭硝子株式会
社製)5%水溶液に浸漬後ゴムロールにて絞液し(絞り
率38%)乾燥後160℃で1分間の熱処理を行い撥水
加工布帛を得た(仕上がり密度:経糸密度160本/i
nch、緯糸密度58本/inch)。
【0023】3)処方剤 処方−1 固形パラフィン(融点68℃)100部を100℃に加
熱溶解した後、トルエン100部を添加して、固形パラ
フィンが微粒子状に析出するように、徐々に攪拌しなが
ら冷却してペースト状の分散体を得た。
【0024】処方−2 下記処方によって混合樹脂組成物の分散体を得た。 飽和鎖式炭化水素(A)の分散体 処方−1の固形パラフィン分散体 200部 (トルエン溶媒:固形分50%) アクリル系樹脂(B)溶液 パラクロン AS−3000E(固形分30%) 200部 (根上工業株式会社製) 架橋剤成分 コロネート HL 5部 (日本ポリウレタン工業株式会社製) フッ素系撥水剤(E)溶液 アサヒガード AG−5050(固形分20%) 10部 (旭硝子株式会社製) アサヒガード AG−520N(固形分15%) 20部 (旭硝子株式会社製) 上記、配合樹脂組成物にトルエンを適量添加して、樹脂
分散体粘度を約5500cps(25℃)に調整した。
【0025】処方−3 下記処方によって混合樹脂組成物の分散体を得た。 飽和鎖式炭化水素(A)の分散体 処方−1の固形パラフィン分散体 200部 (トルエン溶媒:固形分50%) アクリル系樹脂(B)溶液 パラクロン AS−3000E(固形分30%) 75部 (根上工業株式会社製) シリコン系樹脂(C)溶液 パラクロン PE−30((固形分30%) 125部 (根上工業株式会社製) 架橋剤成分 コロネート HL 4部 (日本ポリウレタン工業株式会社製) フッ素系撥水剤(E)溶液 アサヒガード AG−5050(固形分20%) 16部 (旭硝子株式会社製) 上記、配合樹脂組成物にトルエンを適量添加して、樹脂
分散体粘度を約5500cps(25℃)に調整した。
【0026】処方−4 下記処方によって混合樹脂組成物の分散体を得た。 飽和鎖式炭化水素(A) 低分子ポリエチレンワックス(融点102℃) 100部 (微粒子状ワックス:粒径30μm以下) アクリル系樹脂(B)溶液 パラクロン AS−3000E(固形分30%) 50部 (根上工業株式会社製) シリコン系樹脂(C)溶液 パラクロン PE−30((固形分30%) 300部 (根上工業株式会社製) 架橋剤成分 コロネート HL 5部 (日本ポリウレタン工業株式会社製) 上記、配合樹脂組成物にトルエンを適量添加して、樹脂
分散体粘度を約4000cps(25℃)に調整した。
【0027】実施例1 布帛−1に処方−3の樹脂分散体をナイフコーターを用
いて塗布速度25m/分、塗布量26g/m(We
t)の条件にて均一に塗布後、温度130℃で1分間乾
燥を行い、次いで温度150℃で3分間の条件で加熱処
理をして撥水加工布帛を得た。撥水加工布帛の物性は表
1に示した様に、撥水性は良好であり、また繰り返し洗
濯における撥水性能の低下やクラック模様の再現性低下
が極めて少ない撥水加工布帛であった。
【0028】実施例2 布帛−2に処方−2の樹脂分散体をナイフコーターを用
いて塗布速度25m/分、塗布量23g/m(We
t)の条件にて均一に塗布後、温度130℃で1分間乾
燥を行い、次いで温度150℃で3分間の条件で加熱処
理をして撥水加工布帛を得た。撥水加工布帛の物性は表
1に示した様に、撥水性は良好であり、また繰り返し洗
濯における撥水性能の低下やクラック模様の再現性低下
が極めて少ない撥水加工布帛であった。
【0029】実施例3 布帛−2に処方−3の樹脂分散体をナイフコーターを用
いて塗布速度25m/分、塗布量25g/m(We
t)の条件にて均一に塗布し、温度130℃で1分間乾
燥を行い、次いで温度150℃で3分間の条件で加熱処
理をして撥水加工布帛を得た。撥水加工布帛の物性は表
1に示した様に、撥水性は良好であり、また繰り返し洗
濯における撥水性能の低下やクラック模様の再現性低下
が極めて少ない撥水加工布帛であった。
【0030】実施例4 布帛−2に処方−4の樹脂分散体をナイフコーターを用
いて塗布速度25m/分、塗布量21g/m(We
t)の条件にて均一に塗布し、温度130℃で1分間乾
燥を行い、次いで温度150℃で3分間の条件で加熱処
理をして撥水加工布帛を得た。撥水加工布帛の物性は表
1に示した様に、撥水性は良好であり、また繰り返し洗
濯における撥水性能の低下やクラック模様の再現性低下
が極めて少ない撥水加工布帛であった。
【0031】実施例5 布帛−3に処方−3の樹脂分散体をナイフコーターを用
いて塗布速度25m/分、塗布量30g/m(We
t)の条件にて均一に塗布し、温度130℃で1分間乾
燥を行い、次いで温度150℃で3分間の条件で加熱処
理をして撥水加工布帛を得た。撥水加工布帛の物性は表
1に示した様に、撥水性は良好であり、また繰り返し洗
濯における撥水性能の低下やクラック模様の再現性低下
が極めて少ない撥水加工布帛であった。
【0032】比較例1 布帛−1に対して、下記処方の飽和鎖式炭化水素(A)
がエマルジョンタイプになった処理液をナイフコーター
を用いて塗布速度25m/分、塗布量25g/m(W
et)の条件にて塗布し、温度130℃で1分間で乾燥
を行い、次いで温度150℃で3分間条件で加熱処理を
して撥水加工布帛を得た。以上の撥水加工布帛の物性は
表1に示した様に、初期の撥水性は概ね良好で、クラッ
ク模様も発生したが、繰り返し洗濯によりクラック模様
の状態は極端に弱くなると同時に撥水性能も低下した。 パラヂウム HY(パラフィン,ポリエチレンのエマルジョン) 100部 パラゾール GH(アクリル共重合物のエマルジョン) 20部 パラゾール V−8(アクリル系増粘剤) 2部 (上記3点共,大原パラヂウム化学株式会社製) 上記、樹脂組成物にアンモニア水溶液(10%)を適量
添加して、樹脂分散体粘度を約5000cps(25
℃)に調整した。
【0033】比較例2 布帛−2に対して、比較例1と同じ処理液を塗布しよう
としたが、布帛が撥水性を示すために水溶液タイプの処
理液が粒状になり均一に塗布することができなかった。
このため、この後の評価は行わなかった。
【0034】比較例3 処方−3から処方−1の固形パラフィン分散体を除外し
た混合樹脂組成物にトルエンを適量添加して、樹脂溶液
粘度を約5500cps(25℃)に調整した。布帛−
1にこの樹脂溶液をナイフコーターを用いて塗布速度2
5m/分、塗布量25g/m(Wet)の条件にて均
一に塗布し、温度130℃で1分間乾燥を行い、次いで
温度150℃で3分間の条件で加熱処理をして撥水加工
布帛を得た。以上の撥水加工布帛の物性は表1に示した
様に、初期の撥水性は実施例1とほぼ同等であるが、ク
ラック模様は全く発生しなかった。また繰り返し洗濯に
よる撥水性能は本発明の撥水布帛に比べ劣るものであっ
た。
【0035】実施例1〜5、比較例1,3で得られた撥
水加工布帛の繰り返し洗濯による撥水性能評価とクラッ
ク模様の再現性評価結果を表1に示した。
【0036】
【表1】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が30℃ないし150℃の飽和鎖式
    炭化水素(A)100重量部を必須の成分として、これ
    にガラス転移温度が30℃以下のアクリル系樹脂(B)
    および/またはシリコン系樹脂(C)を10〜600重
    量部を添加してなる樹脂組成物(D)を布帛に塗布また
    は含浸させてなる撥水加工布帛。
  2. 【請求項2】 さらにフッ素原子を5重量%以上含有す
    るフッ素系撥水剤(E)を樹脂組成物(D)100重量
    部に対して0.1〜20重量部添加せしめる請求項1記
    載の撥水加工布帛。
  3. 【請求項3】 融点30℃ないし150℃の飽和鎖式炭
    化水素(A)100重量部を必須の成分として、これに
    ガラス転移温度が30℃以下のアクリル系樹脂(B)お
    よび/またはシリコン系樹脂(C)を10〜600重量
    部を添加してなる樹脂組成物(D)を有機溶剤溶液また
    はアクリル系樹脂(B)および/またはシリコン系樹脂
    (C)が溶解し飽和鎖式炭化水素(A)が分散体状態と
    なった有機溶剤分散体の形で布帛に塗布または含浸した
    後、これを該飽和鎖式炭化水素(A)の融点以上の温度
    で且つアクリル系樹脂(B)および/またはシリコン系
    樹脂(C)が皮膜形成するに十分な温度と時間で加熱処
    理することを特徴とする撥水加工布帛の製造方法。
  4. 【請求項4】 さらにフッ素原子を5重量%以上含有す
    るフッ素系撥水剤(E)を樹脂組成物(D)100重量
    部に対して0.1〜20重量部添加して用いる請求項3
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 布帛が、前処理として撥水加工を施され
    ていることを特徴とする請求項3または4記載の方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004523673A (ja) * 2001-02-02 2004-08-05 シェラー テクスティール アクチエンゲゼルシャフト 布地表面
JP2015165056A (ja) * 2014-03-03 2015-09-17 帝人フロンティア株式会社 撥水性布帛およびその製造方法
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