JP2816976B2 - 多孔質塩化ビニル系樹脂壁紙 - Google Patents

多孔質塩化ビニル系樹脂壁紙

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、有毒ガス、悪臭、湿気等に対する吸着作
用、及び芳香性等を有することにより、居住空間の生活
環境を向上する機能ある多孔質塩化ビニル系樹脂壁紙に
関する。
(従来の技術) 塩化ビニル系樹脂の壁紙(以下、ビニル壁紙という)
は、意匠表現が優れており、且つコストも安価なことか
ら建築物の内装材として広く普及している。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来の塩化ビニル系樹脂壁紙が用いら
れた居住環境は必ずしも快適なものとは言えない。これ
は、塩化ビニル系樹脂壁紙は通気性に乏しく、居住空間
において発生する種々の悪臭や有毒ガス、湿気等を室内
に封じ込める傾向にあるためである。このため、室内は
高湿となり、空気が汚染され、不快感を感じることにな
りやすい。
これに対して、我が国の建築材として伝統的に使用さ
れてきた木材や紙、或いは土壁等の天然資材は、我が国
の気候風土に非常に適したものであり、室内の空気を常
に清浄に保つという機能を有する。これは、これらの資
材が通気性、湿度調整作用、悪臭や有害ガスを吸着する
作用、及び人間にとって快適な芳香を放つ作用を天然に
備えているためである。
本発明は、安価で意匠性に富むという塩化ビニル系樹
脂壁紙の特性を生かしつつ、天然資材の有する通気性、
吸着性、芳香性等の特質を採り入れ、居住環境をより良
いものとする壁紙を提供することを目的とする。
また、従来から塩化ビニル系樹脂壁紙に消臭剤や芳香
剤あるいは害虫忌避剤等の薬剤を添加し、機能性を付与
しようとする試みが行われているが、単に塩化ビニル系
樹脂の配合組成中に添加しても、薬剤が樹脂層内部に埋
没してしまうために、薬剤の効果が充分に発揮されな
い。従って、実用的な性能を付与させるためには、多量
の薬剤を添加する必要があり、物性あるいはコスト的な
面で弊害が生じていた。従って、本発明は、含有させた
薬剤を効果を充分に発揮しうる塩化ビニル系樹脂壁紙を
提供することをも目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するために、本発明の多孔質塩化ビ
ニル系樹脂壁紙は、塩化ビニル系樹脂、連続気泡形成
剤、吸湿性及び吸着性の無機質粉末、熱分解型の発泡
剤、可塑剤及び安定剤を必須成分とする配合物を、基材
上に塗布し、加熱発泡して得られる多孔質塩化ビニル系
樹脂壁紙であって、上記連続気泡形成剤が、ポリエチレ
ンもしくはポリプロピレン等のホモポリマー、エチレン
−プロピレン共重合体等のオレフィン系重合体、または
次式:CnH2n+2(n=16〜40の整数を表す)の組成を有す
る飽和炭化水素化合物を成分とする混合物から選ばれる
ものを使用したことを特徴とする。
上記の配合物は、好ましくはペースト状であり、これ
を加熱発泡することにより、連続気泡が形成され、多孔
質の壁紙が得られるものである。
連続気泡形成剤とは、溶融した塩化ビニル系樹脂層中
で、発泡剤が加熱分解するこおによりガス化して気泡を
形成する際に、形成された気泡の壁を破ることからな
る、いわゆる連続気泡化作用を有するものを意味し、本
発明においては、オレフィン系重合体及び炭化水素を使
用することができる。オレフィン系の重合体の例として
は、ポリエチレンもしくはポリプロピレン等のホモポリ
マー、並びにエチレン−プロピレン共重合体等が挙げら
れる。炭化水素としては、CnH2n+2(n=16〜40の整数
を表す)の組成を有する飽和炭化水素の混合物であるワ
セリン類、パラフィン類が挙げられる。
連続気泡形成剤の添加量は、塩化ビニル系樹脂配合物
の主成分である塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、
0.5〜25重量部、好ましくは2〜15重量部である。
本発明の多孔質塩化ビニル系樹脂壁紙の製造のための
配合物の主成分である塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル
モノマーを主成分とした重合体であり、塩化ビニル樹
脂、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体等である。これらの塩化ビニル系樹脂
は、乳化重合法や、マイクロサスペンション法で得られ
た、いわゆるペースト用樹脂を使用するのが好ましい。
本発明の多孔質塩化ビニル系樹脂壁紙の製造のための
配合物において使用される吸湿性及び吸着性の無機質粉
末としては、吸水性、及び室内環境中に発生する有害化
学物質または悪臭の原因となる化学物質に対する吸着性
を有するものを使用する。このため、多孔性材料または
層状構造を有する材料の粉末、比表面積が高い粉末等を
使用するのが好ましい。粉末の粒径は、好ましくは1〜
100μmである。そのような材料としては、例えば大谷
石、シラス等の凝灰岩質鉱物、ケイソウ土等の化学性鉱
物、Si−Oの層格子が層状あるいは鎖状に連続した構造
を持つ粘土鉱物がある。粘土鉱物はカオリナイト、ハロ
サイトのような二層構造を持つもの、パイロフィライ
ト、白雲母、絹雲母、イライト、モンモリロナイトのよ
うな三層構造を持つもの、アタパルジャイトのような複
鎖構造を持つものがあり、更にこれらの粘土鉱物の誘導
体も使用でる。またアルミナ、シリカゲル、ゼオライト
類も本発明の実施に使用できる無機粉末である。粘土鉱
物やゼオライト類は天然に産するものであるが、勿論、
合成により工業的に生産されるものも同等に使用できる
ものである。特に、アルミナやシリカゲルは天然産のも
のより工業的に合成された合成鉱物の品位が高く本発明
への使用に好適である。他の例としては、アルミナ、シ
リカ或いは粘土鉱物類を主成分とし、これを焼成したセ
ラミック類の微粉末等も挙げられる。無機質粉末の添加
量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して5〜150重量
部、好ましくは10〜150重量部である。
本発明において使用される加熱分解型の発泡剤の代表
的な例としては、アゾジカルボンアミド、4,4′−オキ
シビスベンゼンスルフォニルヒドラジット、ジニトロソ
ペンタメチレンなどが挙げられる。これらの発泡剤の添
加量は、要求される風合いや意匠表現によって自在に選
択することができるが、通常の添加量は、塩化ビニル系
樹脂100重量部に対して1.5ないし15重量部の範囲で添加
される。
発泡のための加熱温度は、発泡剤、塩化ビニル系樹脂
等の種類により異なるが、通常、180〜240℃である。
本発明において使用される可塑剤は、塩化ビニル系樹
脂に使用される通常の可塑剤を用いることができる。通
常、一次可塑剤であるフタル酸エステル系可塑剤が使用
されるが、これ以外にリン酸エステル系や、塩素化パラ
フィン等の難燃可塑剤や、ミネラルスプリットやアルキ
ルベンゼン類等のいわゆる二次可塑剤等を併用すること
も可能である。これら可塑剤の添加量は、本発明による
塩化ビニル系樹脂ペーストを加工する上で安定した作業
が得られる範囲で任意に調整することができるが、通常
の添加量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、一次
可塑剤と二次可塑剤の合計が40〜120重量部となる範囲
である。
本発明に使用される安定剤は、塩化ビニル系樹脂を加
熱する際に熱劣化を抑える作用を有するという点で不可
欠な添加剤であるが、これ以外に、その成分である亜鉛
等の重金属が加熱分解型の発泡剤の分解温度を低くする
作用をも有し、本発明の連続気泡を形成する上で補助的
な作用を有する添加剤である。
本発明に使用できる安定剤としては、塩化ビニル系樹
脂に一般的に使用されているZn,Ba,Ca,Na,K等の金属石
鹸が使用できるが、特Zn−Na系、Zn−Ba系、Zn−K系、
Zn−Ca系、Zn−Na−K系、Zn−Ba−Na系等の複合安定剤
が好ましい。
また、本発明に使用される塩化ビニル系樹脂配合物に
は、一般的に使用されている充填剤、界面活性剤、防カ
ビ剤、吸水性樹脂、顔料等を必要に応じて添加すること
ができる。
本発明に使用される塩化ビニル系樹脂配合物を塗布方
法は、通常塩化ビニル系樹脂配合物を塗布及び加熱加工
する方法であればいかなる方法でも良いが、壁面に凹凸
を施す場合には、本発明の効果を充分に発揮するために
多孔質の構造が保持されるような凹凸模様の形成工程を
とることが望ましい。
特にエンボスロールを用いて凹凸模様を形成する方法
では、発泡構造が部分的に残存し、多孔質構造が保持さ
れるような形状(凹凸シボ形状)のエンボスロールを選
択して使用しなくてはならない。
ロータリースクリーンプリントによる方法は、多孔質
構造が実質的に保持されたまま意匠付けが行なえる加工
方法であり、本発明を実施する加工方法として非常に適
した方法である。
その他、塩化ビニル系樹脂配合物を基材に塗布した
後、加熱ゲル化せしめ、ゲル化した配合物の表面に発泡
抑制剤を含むインクで模様付けを施し、その後、加熱発
泡させる方法もある。
エンボスロールを用いて意匠付けを行う方法でも或い
はロータリースクリーンプリントで意匠づけを行う方法
でも、多孔質構造の機能を発揮させるためには、多孔質
構造が保持された塩化ビニル系樹脂の占める面積比は少
なくとも10%、好ましくは30%以上となるように考慮す
る必要がある。
本発明に使用される基材とは、紙、あるいは織布、或
いは不織布など通常の塩化ビニル系樹脂壁紙に使用でき
るものであれば何でも使用できる。
消臭剤、芳香剤あるいは害虫忌避剤等の薬剤を、本発
明の塩化ビニル系樹脂層の連続気泡内の無機質粉末に担
持し、該薬剤の機能を持続的に発揮させることも可能で
ある。
該薬剤を担持する方法としては、機能性の薬剤を、本
発明の塩化ビニル系樹脂壁紙を製造するための配合物を
製造する際に該薬剤を他の成分と共に配合物に添加し、
この配合物を基材に塗布し、加熱発泡する方法、または
液状または溶解もしくは分散により液状とした薬剤を予
め無機質粉末に含浸させ、その後、該無機質粉末を他の
成分と配合し、基材に塗布し、加熱発泡する方法等があ
る。また、機能性薬剤が、加熱発泡時の揮発や分解劣化
することによるロスを減少させるために、該薬剤を含ま
ない配合物を基材に塗布して加熱発泡を行うことにより
塩化ビニル系樹脂壁紙を基材に形成した後、該壁紙の表
面に液状または溶解もしくは分散により液状化した機能
性薬剤を塗布し、該薬剤を連続気泡内の無機質粉末に含
浸させる方法もあり、この方法は、機能性薬剤が揮発性
が高い場合や、熱劣化しやすい場合に特に有効である。
しかしながら、薬剤の持続性の点からは、薬剤の溶液を
予め無機質粉末に含浸させておく方法が特に有効であ
る。
本発明で使用する機能性の薬剤は、例えば消臭剤、芳
香剤、害虫忌避剤等である。
消臭剤としては、例ば下記のものを使用しうる:有機
カルボン酸、有機過酸化物もしくは硫酸第一鉄を成分と
するような酸化還元反応を利用した化学吸着剤、シトラ
ール、シンナミックアルデヒド、バニリン、ヘリオトロ
ピン、クマリンもしくはカンファー等を成分とするマス
キング剤、アミラーゼ、プロテアーゼもしくはリパーゼ
等を成分とする酵素系消臭剤、フラボノイド、アミノ
酸、タンニン、フェノール類等を主成分とする植物体の
抽出成分。
芳香剤としては、例えば下記のものを使用しうる:麝
香、ジャスミン、レモン油もしくは桧等の抽出成分等の
動植物性の天然香料、メントール、β−フェニルエチル
アルコール、フェニルアセトアルデヒド、ムスクキシレ
ン、ムスクケトン等の合成香料。
害虫忌避剤としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジ
オール、インダロン、フタル酸ジメチル、ジエチルアミ
ド、ジメチルトルアミド、ジエチルトルアミド等を使用
できるが、これらに限定されるものではない。
(作用) 本発明の塩化ビニル系樹脂壁紙は、塩化ビニル系樹
脂、連続気泡形成剤、無機質粉末等を含む配合物を加熱
発泡してなり、壁紙中には連続気泡が形成され、その内
部に吸着性の高い無機質粉末が充填されているため、室
内の湿気を除去し、空気中に存在する有害な化学物質ま
たは悪臭の原因となる化学物質を吸着する。また、連続
気泡内の無機質粉末には、消臭剤や芳香剤、或いは害虫
忌避剤等の薬剤を担持させることができるので、その場
合には薬剤の持続的な効果が得られる。
(実施例) 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1〜4: 下記の第1表に示す配合組成の塩化ビニル系樹脂ペー
ストを80g/m2の難燃性裏打紙にコーティング(目付250g
/m2)し、200℃で1分20秒間の加熱を行い、本発明によ
る塩化ビニル系樹脂壁紙用発泡シートを得た。
比較例1〜2: 下記の第1表に示す配合組成の塩化ビニル系樹脂ペー
ストを80g/m2の難燃性裏打紙にコーティング(目付250g
/m2)し、200℃で1分20秒間の加熱を行い、比較のため
の従来の塩化ビニル系樹脂壁紙用発泡シートを得た。
試験例1:ガス吸着性能試験 実施例1〜4及び比較例1〜2の得られた壁紙の多孔
質形成とガス吸着性能を次の方法で測定した。
180×250mmの試験片を半分に折り曲げ、基材面同志が
密着するように両面テープで貼り合わせ、ポリフッ化ビ
ニール製の臭袋に入れる。この臭袋に空気3を入れ、
有害ガスとして硫化水素(初期濃度30ppm)をこの臭袋
に添加し、5分、10分、20分、及び30分後の濃度をガス
クロマトグラフィで測定した。さらに、試験片及び空気
3を入れた上記と同様の臭袋に、アンモニア水(アン
モニアガスとしての初期濃度20ppm)を添加し、5分、1
0分、20分、及び30分後の濃度をガスクロマトグラフィ
で測定した。なお、試験片を入れない臭袋をそれぞれ対
照用として用いた。結果を第2表及び第3表に示す。
第2表及び第3表の結果より明らかなように、実施例
1ないし4の壁紙は比較例1及び2の壁紙に比べて良好
な吸着性能を有する。
試験例2:多孔質の確認試験 実施例1〜4及び比較例1〜2で得られた壁紙の透湿
度をJIS−Z−0208により測定し、この値から多孔質の
形成の程度を評価した。測定において、吸湿剤は塩化カ
ルシウムを使用した。測定条件は温度40℃、湿度90%と
した。結果を第4表に示す。
第4表の結果より明らかなように、実施例1ないし4
の壁紙は、比較例1及び2の壁紙に比べて透湿度が高
く、多孔質となっていることが明らかである。
実施例5 実施例2で得られた塩化ビニル系樹脂壁紙に、消臭剤
としてフレッシュシライマツFS−500−M(白井松製薬
製,植物抽出成分20%、プロピレングリコール20%、水
60%)を120メッシュのグラビアプリントロールを用い
て塗布した。
比較例3 比較例2で得られた塩化ビニル系樹脂壁紙に、実施例
5と同じ消臭剤を同じ方法で塗布した。
実施例5及び比較例3で得られた塩化ビニル系樹脂壁
紙の消臭性能を試験例1のガス吸着性能試験と同じ方法
により測定した。得られた結果を第5表に示す。
第5表及び第6表の結果より明らかなように、実施例
5の壁紙が比較例3の壁紙に比べて良好な吸着性能を有
し、従って良好な消臭性能を有することが明らかであ
る。
実施例6 ケイソウ土50重量部に対し、ジメチルトルアミド10重
量部に加えヘンシュルミキサーで混合し、ジメチルトル
アミドを吸着させたケイソウ土を調整し、第7表に示す
配合組成の塩化ビニル系樹脂ペーストを作製した。基材
としての壁紙用難燃性裏打紙(秤量80g/m2)の上に、こ
の塩化ビニル系樹脂ペーストを80メッシュのナイロンス
クリーンで塗布した。このシートを210℃のオープンで6
0秒間加熱し、本発明による塩化ビニル系樹脂壁紙を得
た。
比較例4 ケイソウ土50重量部に対し、ジメチルトルアミド10重
量部を加えヘンシェルミキサーで混合し、ジメチルトル
アミドを吸着させたケイソウ土を調整し、第8表に示す
配合組成の塩化ビニル系樹脂ペーストを作製した。基材
として、壁紙用難燃性裏打紙(秤量80g/m2)の上に、こ
の塩化ビニル系樹脂ペーストを80メッシュのナイロンス
クリーンで塗布した。このシートを210℃のオープンで6
0秒間加熱して、比較のための従来の塩化ビニル系樹脂
壁紙を製造した。
実施例6及び比較例4で得られた発泡シートの害虫忌
避効果は、これらのシートから嗅覚で感知されるジエチ
ルトルアミドの臭いの強さから評価した。得られた結果
を第9表に示す。
比較例2:臭気感知試験 比較を行う2点の試験片を半分に折り曲げ、基材面ど
うしが密着するように両面粘着テープで貼り合わせ、ポ
リフッ化ビニル製の臭袋にいれる。
この臭袋に空気3をいれた後密閉し、官能試験用の
資料を作成する。作成した2つの臭袋について5名のパ
ネラーが臭いの強さを比較した。
第9表の結果より明らかなように、実施例6の壁紙が
比較例4の壁紙に比べて、害虫忌避剤の発散性に優れ、
従って良好な害虫忌避効果を有することが明らかであ
る。
(発明の効果) 本発明の塩化ビニル系樹脂壁紙は、連続気泡が形成さ
れているため、室内の湿気、悪臭及び有害物質等を良好
に除去することができる。従って、安価で意匠性の高い
塩化ビニル系樹脂性壁紙により、天然の木材等と同等に
快適な居住空間を提供することができる。また、消臭
剤、芳香剤または害虫忌避剤等の薬剤を連続気泡内の無
機質粉末に担持させることにより、薬剤の効果が持続的
且つ良好に発揮され、少量の薬剤で多大な効果が得られ
るため、経済的にも優れている。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系樹脂、連続気泡形成剤、吸湿
    性及び吸着性の無機質粉末、熱分解型の発泡剤、可塑剤
    及び安定剤を必須成分とする配合物を、基材上に塗布
    し、加熱発泡して得られる多孔質塩化ビニル系樹脂壁紙
    であって、連続気泡形成剤が、ポリエチレンもしくはポ
    リプロピレン等のホモポリマー、エチレン−プロピレン
    共重合体等のオレフィン系重合体、または次式:CnH2n+2
    (n=16〜40の整数を表す)の組成を有する飽和炭化水
    素化合物を成分とする混合物から選ばれることを特徴と
    する多孔質塩化ビニル系樹脂壁紙。
  2. 【請求項2】無機質粉末が、大谷石もしくはシラス等の
    凝灰岩質鉱物の粉末、ケイソウ土等の化学性鉱物の微粉
    末、結晶構造が2層構造、3層構造、複鎖構造を持つ粘
    土鉱物、結晶構造が細孔を持つゼオライト類、アルミ
    ナ、シリカゲルから選ばれる1種または2種以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の多孔質塩化ビニル系樹
    脂壁紙。
  3. 【請求項3】無機質粉末が、液状または溶解もしくは分
    散により液状とした消臭剤、芳香剤または害虫忌避剤等
    の薬剤を予め含浸処理した無機質粉末であることを特徴
    とする請求項1記載の多孔質塩化ビニル系樹脂壁紙。
  4. 【請求項4】請求項1記載の配合物を基材上に塗布し、
    加熱発泡した後、得られた多孔質塩化ビニル系樹脂壁紙
    の表面に、液状または溶解もしくは分散により液状とし
    た消臭剤、芳香剤または害虫忌避剤等の薬剤を塗布した
    ことを特徴とする多孔質塩化ビニル系樹脂壁紙。
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