JP2647467B2 - 機能性壁紙 - Google Patents

機能性壁紙

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JP2647467B2
JP2647467B2 JP63293144A JP29314488A JP2647467B2 JP 2647467 B2 JP2647467 B2 JP 2647467B2 JP 63293144 A JP63293144 A JP 63293144A JP 29314488 A JP29314488 A JP 29314488A JP 2647467 B2 JP2647467 B2 JP 2647467B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、消臭と汚れ防止機能等を合せ持つ機能性壁
紙に関する。
B.従来の技術 従来、壁紙又は化粧板としてはポリ塩化ビニル樹脂製
の物が知られている。しかしこれらポリ塩化ビニル樹脂
製の壁紙(化粧板を含む)以下塩ビ壁紙と称す)は、た
ばこの煙、手垢、落書き、各種食品中の色素等で汚染さ
れやすい。又ポリ塩化ビニル樹脂用の可塑剤が、塩ビ壁
紙の表面にブリードする。このブリードした可塑剤に埃
が付着し、塩ビ壁紙はさらに汚れ易くなる。又生活環境
で発生し不快臭となるアンモニア、硫化水素等を除去で
きい。
特開昭58−23973号等に示されている様に、アクリル
樹脂フィルムを、塩ビ壁紙にラミネートした耐汚染性壁
紙が知られている。しかしこれらの壁紙では、ラミネー
トしていない塩ビ壁紙に比べ耐汚染性は優れてはいるも
のの、完全とは言い難く、特にラミネート後長期間経過
した場合にその傾向が大きくなる問題がある。更にアク
リル樹脂フィルムは、耐薬品性に劣り、特にエステル
類、ケトン類、芳香族化合物等に侵され易い為、汚れの
拭き取りに注意を払う必要があり、満足できるものでは
ない。
実開昭59−172797号に示されている様に、エチレン−
酢酸ビニル共重合体鹸化物(以下EVOHと称す)のフィル
ムを、塩ビ壁紙にラミネートした耐汚染性壁紙が知られ
ている。この壁紙は、耐薬品性と可塑剤遮断性に優れて
おり、ラミネートしていない塩ビ壁紙に比べ耐汚染性が
優れている。さらにEVOHのフィルムは、電気抵抗が比較
的小さく、静電気を帯びにくいので、壁紙の表面に埃が
付きにくいと言う利点もある。しかし上記実開昭には、
消臭機能につての記載がない。
特開昭60−224542号、特開昭60−239233号、特開昭60
−242053号及び特開昭62−15265号にも、EVOHがポリ塩
化ビニル樹脂用の可塑剤の遮断性に優れており、EVOHを
ポリ塩化ビニル樹脂用の可塑剤の遮断に用いる事によ
り、耐汚染性が改善できる事が記載されている。しかし
上記特開昭にも、やはり消臭機能についての記述は全く
無い。
一方特開昭61−28082号には、壁紙剤に鉄(II)化合
物とL−アスコルビン酸を結合させてなる組成物を、塗
布又は混入させた消臭壁紙について記載されているが、
耐汚染性については全く記載されていないし、耐汚染性
を有する層が壁紙表面に存在しないので、消臭と汚れ防
止機能を合せ持つ壁紙にはなり得ない。しかもポリ塩化
ビニル樹脂は、アンモニア、硫化水素等の臭気物質を透
過しにくく、臭気物質と消臭剤の接触を阻害する。よっ
て同特開昭の実施例2にある様に、針ロールにより穴あ
けを行い接触面積を増加させる必要があり、壁紙の強度
低下は避けられない。
特開昭62−6984号及び特開昭63−235518号には、ポリ
ビニルアルコールに鉄(III)−フタロシアニン誘導体
を担持させた消臭性繊維についての記載があるが、壁紙
に関する記載は一切ない。
以上述べてきたように、消臭と汚れ防止機能を合せ持
つ壁紙が強く求められていたが、従来の技術では得る事
ができなかった。
C.発明が解決しようとする課題 本発明は、消臭機能、ポリ塩化ビニル樹脂用の可塑剤
の遮断機性、汚れ防止機能等を合せ持つ塩ビ壁紙を得ん
とするものである。
D.問題を解決するための手段 本発明者は、上記問題点の認識の元に鋭意研究を重ね
た結果、ポリ塩化ビニル樹脂用の可塑剤の遮断性と耐汚
染性を有する樹脂に消臭剤を含有させた層を積層、特に
最外層に積層する事により、消臭と汚れ防止機能等を合
せ有する壁紙が得られる事を見出だし、本発明を完成す
るに至った。
E.発明のより詳細な説明 以下、本発明を更に詳しく説明する。本発明におい
て、可塑剤を含有するポリ塩化ビニル樹脂層を含む壁紙
とは、難燃紙、不織布、ガラス繊維、アスベスト紙等か
らなる支持体の上に、ポリ塩化ビニル樹脂に、可塑剤、
必要に応じ、顔料、充填剤、安定剤等を配合した物をカ
レンダー法、コーティング法等にて積層した物である。
更にその上に印刷加工が施されている場合もある。発泡
剤を配合させる事により、最終製品で1.5〜15倍にポリ
塩化ビニル樹脂を発泡させた物も多い。本発明におい
て、壁紙に含まれる化粧板とは、プリント化粧板、化粧
石膏ボード、塩ビ化粧板、塩ビ鋼板、塩ビ不燃板等を総
称した物である。プリント化粧板とは、薄葉紙等に印刷
を施し、これを合板、パーティクルボード等からなる支
持体に積層した物であり、いずれかの層に可塑剤等を含
有するポリ塩化ビニル樹脂を使用している物である。ま
た立体感を強調する為に、エンボス加工が施されている
事がある。また化粧石膏ボード、塩ビ化粧板、塩ビ鋼
板、塩ビ不燃板等とは、可塑剤等を含有するポリ塩化ビ
ニル樹脂性のシートに印刷を施し、これを石膏ボード、
合板、パーティクルボード、鋼板、コンクリート板等か
らなる支持体に積層した物である。プリント化粧板の場
合と同様、立体感を強調する為に、エンボス加工が施さ
れている事がある。
本発明において、ポリ塩化ビニル樹脂用の可塑剤は、
20℃で液状であり、全重量に対し20〜75重量%含まれて
いる。20℃で液状である可塑剤としてはフタール酸ジブ
チル、フタール酸ジ−2−エチルヘキシル、フタール酸
ジイソオクチル、フタール酸ジイソデシル、フタール酸
ジデシル、フタール酸ジノニル、フタール酸ブチルラウ
リル、フタール酸ジラウリル、フタール酸ブチルベンジ
ル等のフタール酸エステル系可塑剤、燐酸トリクレジ
ル、燐酸トリブチル、燐酸トリ−2−エチルヘキシル等
の燐酸エステル系可塑剤、塩素化パラフィン等の含塩素
系可塑剤等がある。
本発明において、ポリ塩化ビニル樹脂用の可塑剤の遮
断性と耐汚染性を有する樹脂はEVOHである。ポリエチレ
ンテレフタレートは融点が高く、エンボス加工性が劣る
し、ヤング率が高く施工時作業がやりにくいし、PVAは
耐水性に若干問題がある。一方EVOHはエンボス加工性、
耐水性、耐油性に優れている。EVOHとしては、エチレン
含有率が20〜60モル%、好ましくは25〜60モル%、酢酸
ビニル成分の鹸化度が90モル%以上、好ましくは95モル
%以上の物が使用される。エチレン含有率が20モル%未
満では耐水性に劣り、60モル%を超えると耐油性が劣っ
てきて、油性の汚染物質が浸透し易く、耐汚染性に劣り
好ましくない。酢酸ビニル成分の鹸化度が90モル%未満
でも耐油性が劣ってきて、油性の汚染物質が浸透し易
く、やはり耐汚染性に劣り好ましくない。このEVOHにエ
チレン、酢酸ビニル以外のコモノマー成分を本発明の目
的を阻害しない範囲で使用する事ができる。又このEVOH
は、ポリ塩化ビニル樹脂用の可塑剤の遮断性が優れてい
るにも拘らず、生活環境で発生し不快臭となるアンモニ
アや硫化水素等の様に、極性の大きなガスは浸透させ易
いという選択透過性がある。よってアンモニアや硫化水
素等がEVOHに含有されている消臭剤と効率良く反応し、
特開昭61−28082号に示されているような、針ロールに
よる穴あけを行い接触面積を増加させる必要も特に無
い。
又耐汚染性と可塑剤の遮断性を有する樹脂として、上
記EVOH95〜50重量%と、カルボン酸変性ポリエチレン樹
脂5〜50重量%からなる組成物を使用する事もできる。
この組成物を使用する事により、該組成物層の少なくと
も片面の表面光沢度を、40%以下の艶消しとする事がで
きる。艶消し層にする事により、塩ビ壁紙に高級感を与
えるだけでなく、EVOHに配合させにくい消臭剤を、カル
ボン酸変性ポリエチレン樹脂に配合させる事ができ、消
臭剤の選択範囲を拡げる事が可能となる。EVOHとカルボ
ン酸変性ポリエチレン樹脂の配合割合は、EVOH95〜50重
量%、カルボン酸変性ポリエチレン樹脂5〜50重量%、
好ましくは、EVOH92〜55重量%、カルボン酸変性ポリエ
チレン樹脂8〜45重量%である。カルボン酸変性ポリエ
チレン樹脂含量が5重量%未満では光沢度を満足せず、
50重量%を超えると可塑剤遮断性が劣り、製膜性が悪く
なりフィルムに孔が開く等の欠点が出る。更にEVOHとカ
ルボン酸変性ポリエチレン樹脂の、温度190℃、荷重216
0gの条件下で、ASTMD 1238に準じて測定したメルトイン
デックス(以下MIと記す)を各々MIA、MIBとする時、 3≦MIA/MIB≦80 の範囲の時に良好な艶消し層が得られる。
ここでカルボン酸変性ポリエチレン樹脂とは、ポリエ
チレン樹脂にα、β−不飽和カルボン酸又は該カルボン
酸無水物をグラフト重合したものである。又α、β−不
飽和カルボン酸又は該カルボン酸無水物含量(グラフト
量)は0.0005〜0.5モル%、好ましくは0.001〜0.4モル
%である。0.0005モル%未満ではEVOHとのブレンドに際
して分散性が悪くなり、フィルムの艶消し効果に乏し
く、0.5モル%を超えるとブレンド操作中の増粘が大き
く、製膜性が悪くなる。α、β−不飽和カルボン酸又は
該カルボン酸無水物とは、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸等が挙げられるが、無水マレン酸が好適である。ポ
リエチレン樹脂とは、高密度ポリエチレン、低密度ポリ
エチレン、直鎖状低密度ポリエチレンが挙げられるが、
高密度ポリエチレンが好適である。
次に本発明においては、上記したEVOH、EVOHのブレン
ド物等の、耐汚染性とポリ塩化ビニルの可塑剤の遮断性
を有する樹脂に消臭剤を含有させる事が重量である。消
臭剤、特に後述する特定の消臭剤を含有させる事によ
り、可塑剤の遮断性、耐汚染性を損なうこと無く、しか
も消臭効果も付与せしめる事ができ、塩ビ壁紙として極
めて実用性に富む、優れた物となる。
本発明において、消臭剤を含有する樹脂層の厚みに特
に制限は無いが、10〜30μが好適であり、この樹脂層の
厚みは、10μ未満ではエンボス加工時に、消臭剤を含有
する樹脂層にピンホールが発生しやすく、ポリ塩化ビニ
ル樹脂用の可塑剤の遮断性が悪化する。30μを超えると
積層した壁紙が硬くなり、施工時作業がやりにくくなる
ので好ましくない。この樹脂層としては、Tダイ法又は
インフレーション法等の溶融押出し法によって得られた
フィルム等が使用される。
本発明において、消臭剤としては、フィルムの成形温
度で安定な消臭剤であればよく特に制限は無い。例とし
て鉄(II)化合物−有機酸組成物、樹木液、珪酸液、活
性炭、鉄(III)−フタロシアニン誘導体等が挙げられ
が、活性炭ではフィルムが黒色となり、鉄(III)−フ
タロシアニン誘導体ではフィルムが暗緑色となり、用途
が限定されるので、鉄(II)化合物−有機酸組成物、樹
木液、珪酸塩が好適である。
鉄(II)化合物は、水に溶解して2価の鉄イオンを形
成する物であれば任意の物が使用できる。例としては、
硫酸第一鉄、硝酸第一鉄、塩化第一鉄、臭化第一鉄、ヨ
ウ化第一鉄等の鉄(II)無機塩、没食子酸第一鉄、リン
ゴ酸第一鉄、フマル酸第一鉄等の鉄(II)有機塩が挙げ
られが、硫酸第一鉄、塩化第一鉄が好適である。
又有機酸としては、水に可溶な物であればよく特に制
限は無いが、例としてアスコルビン酸、イソアスコルビ
ン酸、及びその金属塩等のアスコルビン酸類、クエン
酸、イソクエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸等のカルボ
ン酸類が挙げられが、L−アスコルビン酸が好適であ
る。
本発明において、鉄(II)化合物−有機酸組成物は、
両者が結合している事が必要である。これは、両成分を
一旦混合、溶解した水溶液を噴霧乾燥、凍結乾燥等によ
り乾燥、粉末化して調製できる。鉄(II)化合物と有機
酸の成分比率は、重量比で1:0.01〜1.0の範囲が好まし
く、より好ましくは1:0.02〜0.80の範囲である。有機酸
成分がアスコルビン酸類の場合は、鉄(II)化合物と有
機酸の成分比率は、重量比で、1:0.02〜0.30の範囲が好
ましく、より好ましくは1:0.02〜013、特に好ましくは
1:0.05〜0.13の範囲である。本発明において、2種以上
の鉄(II)化合物あるいは2種以上の有機酸を併用して
用いても差し支えない。
又鉄(II)化合物−有機酸組成物には、消臭機能の安
定化剤として、ミョウバンを鉄(II)化合物と有機酸の
合計量に2〜20重量%添加する事が好ましい。ミョウバ
ンとしては、特に制限は無いが、カリウムミョウバン、
アンモニアミョウバン、ナトリウムミョウバンが好適で
ある。
本発明において、消臭剤を上記樹脂に含有させる方法
としては、二軸スクリュー押出し機、ブラベンダープラ
ストグラフ等を用いて予め樹脂にブレンドする方法、あ
るいは直接各種成形機に供給して、成形機で混練しなが
ら成形する方法があるが、一旦押出し機で高濃度のマス
ターペレットを作製し、1/10程度に希釈した物を溶融押
出し成形を行う方法が好ましい。更に消臭剤の含有量
は、消臭剤を含有する層の樹脂量に対し、1〜40重量
%、好ましくは3〜20重量%である。消臭剤が1重量%
未満では消臭機能が十分でなく、40重量%を超えるとフ
ィルムの強度が弱くなり、実用に耐えなくなる。これ等
の樹脂には消臭剤の他に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
滑剤、各種樹脂等を配合する時は、本発明の目的を阻害
しない限り自由である。
本発明において、消臭機能と可塑剤の遮断性と汚れ防
止機能を有する層が、最外層にあることが最良である。
可塑の剤遮断性と汚れ防止機能を有する層が最外層に有
り、消臭剤を含有する層が最外層に無い場合には、汚れ
防止機能塩ビ壁紙としては合格であるが、最外層が壁紙
への臭気の侵入を妨害し、消臭剤を含有する層が消臭剤
としての機能を十分発揮できない。逆に消臭剤を含有す
る層が最外層に有り、可塑の剤遮断性と汚れ防止機能を
有する層が最外層に無い場合は、消臭機能塩ビ壁紙とし
ては合格であるが、最外層に汚れ防止機能が無いので、
使用中の壁紙の汚れが問題となる。
本発明において、可塑剤の遮断性と汚れ防止機能を有
する樹脂に消臭剤を練込んだ層と、塩ビ壁紙とのラミネ
ート方法に特に限定はない。実開昭59−172797号に示さ
れる様に、塩ビ壁紙にウレタン系接着剤を積層し、その
上に消臭剤を練込んだフィルムを貼合わせても良い。特
開昭60−224542号や特開昭60−239233号や特開昭60−24
2053号に示される様に、消臭剤を練込んだEVOHフィルム
に、ウレタン系接着剤のみを積層するか、又はポリエス
テルや、酢酸ビニルと塩化ビニルの共重合体の変性物
と、ウレタン系接着剤とを混合した物を積層するか、又
はウレタン系接着剤を先ず積層し、次にポリエステル
や、酢酸ビニルと塩化ビニルの共重合体の編成物を積層
し、それに塩ビ壁紙を貼合わせても良い。
この様にして得られた本発明の機能性壁紙は長期間の
使用においても、ラミネート強度に変化が無く、更に汚
れ防止機能と消臭機能を維持し、機能性壁紙として非常
に有用である。
以下実施例により、本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はこれによってなんら限定を受けるものでは
ない。
F.実施例 実施例1 硫酸第一鉄の7水和物140gとL−アスコルビン酸0.9g
を水360gに溶解させ、更にミョウバンを0.2g溶解させ
た。この溶液を送液量40ml/分、噴霧空気量15/分、
乾燥空気量6m2/分、入口温度120℃、出口温度75℃の条
件で噴霧乾燥し、粉体の鉄(II)−アスコルビン酸組成
物を得た。
次にエチレン含量が32モル%、酢酸ビニル成分の鹸化
度が99.5モル%、MIが1.3g/10分のEVOH100重量部と、上
記鉄(II)−アスコルビン酸組成物5重量部を、二軸ス
クリューの押出し機を用い、220℃でブレンドペレット
化し、一軸スクリューの押出し機を用い、220℃で厚さ1
5μフィルムを得た。このフィルムにグラビヤコーター
を用い、固形分濃度20重量%のウレタン系接着剤アドコ
ートAD−335Aと硬化剤Cat−10(東洋モートン(株)
製。混合比17:1)を塗布量2g/m2(固形分基準)となる
様にコートし、70℃で4分乾燥した上に、再度グラビヤ
コーターを用い、固形分濃度20重量%の酢酸ビニルと塩
化ビニルの共重合体の変性物であるMPR−TM(日進化学
工業(株)製)を塗布量2g/m2(固形分基準)となる様
にコートし、110℃で1分乾燥した。
一方紙100重量部に対し、スルファミン酸グアニジン
系難燃剤を24重量部含浸させた裏打ち用難燃紙に、ポリ
塩化ビニル樹脂100重量部、充填剤50重量部、可塑剤
(フタール酸ジ−2−エチルヘキシル)55重量部、顔料
20重量部、難燃剤3重量部、安定剤2重量部、及び発泡
剤2重量部の配合物を積層した後、塩ビを発泡させて、
塩ビ壁紙を得た。
EVOHフィルムに塗布した接着剤面と、紙に積層したポ
リ塩化ビニル樹脂面を合わせ、130℃の熱エンボスロー
ルで圧着し、同時にエンボス加工を行い、目的とする消
臭と汚れ防止機能等を合せ持つ壁紙を得た。
室温で2日放置後、T型剥離で上記壁紙の接着力を測
定したが、該ポリ塩化ビニル層が破壊し十分な接着力を
有することを認めた。又室温で50日放置後、T型剥離で
上記壁紙の接着力を測定したが、やはり該ポリ塩化ビニ
ル層が破壊し、可塑剤による接着力の低下は認められな
かった。
ポリ塩化ビニル樹脂用の可塑剤の遮断性を調べる為
に、該壁紙のEVOH面に6cm×6cmの厚さ70μの無可塑ポリ
塩化ビニルフィルムを密着させ、該無可塑ポリ塩化ビニ
ルフィルムに3kgの荷重を加え、70℃の条件下に7日間
放置し、該無可塑ポリ塩化ビニルフィルムの重量変化を
調べたが、重量増加は全く認められず、又EVOH表面のベ
タツキも見られず、表1に示す様に可塑剤の移行滲出の
防止は完全であった。
なお上記試験での雰囲気温度は、通常日常生活におい
て経験する事がない程高温であり、一般に室温の50倍程
度の透過速度があると言われている。この条件下でも効
力が維持されている事は長期間の使用に耐えることを意
味する。
汚れ防止機能を調べる為に、該壁紙のEVOH面に2cm×2
cmの大きさに油性の赤色インキ(三菱鉛筆(株)製三菱
マーカー)、口紅((株)資生堂製ベネフィークエルリ
ップスティック)、醤油(キッコーマン(株)製キッコ
ーマン濃口)を塗布し、24時間後にベンジンを付けたガ
ーゼで拭き取ったが跡は全く残らなかった。又中性洗剤
で湿らせたガーゼで拭き取っても口紅と醤油の場合には
跡は全く残らず、しかも水により表面が損われる事もな
く十分な耐水性を有している事が確認でき、表2に示す
様に汚れ防止機能は完全であった。
消臭機能を調べる為に、2のポリエチレン製容器内
に、1%アンモニア水溶液で濡らした2cm×2cmの大きさ
の紙と、10cm×10cmの大きさの該壁紙を入れ、10分後
に容器内の臭気の強さを調べたが、臭気は若干感じられ
るのみにまで消臭されており、表3に示す様に消臭機能
は非常に優れていた。
なお上記試験での雰囲気濃度(アンモニア濃度)は、
通常日常生活において経験する事がない程高濃度であ
り、この条件下でも効力が維持されている事は長時間の
使用に耐えることを意味する。
比較例1 実施例1において、メタクリル酸メチル86モル%、メ
タクリル酸ブチル14モル%のアクリル系共重合体に、鉄
(II)−アスコルビン酸組成物をブレンドした厚さ25μ
のフィルムと、塩ビ壁紙とを熱ラミネートして得たシー
トを用い、最後に針ロールによる穴あけ作業を加えた以
外は実施例1に準じて行い、可塑剤の遮断性、汚れ防止
機能、消臭機能を同様に試験した。結果を各々表1、表
2、表3に示すが、消臭機能以外の項目は満足できる状
態ではなかった。
比較例2 実施例1において、EVOHに、鉄(II)−アスコルビン
酸組成物をブレンドペレット化しなかった以外は実施例
1に準じて行い、可塑剤の遮断性、汚れ防止機能、消臭
機能を同様に試験した。結果を各々表1、表2、表3に
示すが、消臭機能のみ満足できなかった。
実施例2 実施例1において、先ず粉体の鉄(II)−アスコルビ
ン酸組成物の代わりに、珪酸塩(大日精化工業(株)製
ダイムシュー3000)を用い、マレイン酸の変性率が0.09
モル%、MIが1g/10分の高密度ポリエチレン樹脂に20重
量%ブレンドペレット化し、当該高密度ポリエチレン樹
脂25重量%と、エチレン含量が44モル%、酢酸ビニル成
分の鹸化度が99.5モル%、MIが4.5g/10分のEVOH75重量
部からなる組成物で、片面の表面光沢度が20%の艶消し
フィルムを用いた以外は実施例1に準じて行い、可塑剤
の遮断性、汚れ防止機能、消臭機能を同様に試験した。
結果を各々表1、表2、表3に示すが、全ての項目で優
れた結果が得られた。
実施例3 実施例2において、珪酸塩の代わりに、樹木液
((株)ココノエ製スーパークリーンWX−2041)を用
い、ブレンドペレット化及びフィルム化を190℃で実施
しを用いた以外は実施例2に準じて行い、可塑剤の遮断
性、汚れ防止機能、消臭機能を同様に試験した。結果を
各々表1、表2、表3に示すが、全ての項目で優れた結
果が得られた。
比較例3 実施例3において、エチレン含量が32モル%、酢酸ビ
ニル成分の鹸化度が99.6モル%、MIが12g/10分のEVOH45
重量%と、マレイン酸の変性率が0.01モル%、MIが0.1g
/10分の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂55重量%からな
る組成物を用いた以外は実施例3に準じて行い、フィル
ムを得ようとしたが、孔あきフィルムしか得られなかっ
たので、試験を中断した。
実施例4 実施例1において、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部、
可塑剤60重量部、及び安定剤3重量部の配合物を積層し
た塩ビ壁紙を用いた以外は実施例1に準じて行い、可塑
剤の遮断性、汚れ防止機能、消臭機能を同様試験した。
結果を各々表1、表2、表3に示すが、全ての項目で優
れた結果が得られた。
G.発明の効果 本発明の機能性壁紙は、ポリ塩化ビニル樹脂の可塑剤
の遮断性及び消臭と汚れ防止機能を合せ持っており、し
かもそれ等の能力が長期間劣化しない。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可塑剤を含有するポリ塩化ビニル樹脂層の
    少なくとも一面に、消臭剤を含有し、かつ耐汚染性と前
    記可塑剤の遮断性を有するエチレン含有率が20〜60モル
    %、酢酸ビニル成分の鹸化度が90モル%以上のエチレン
    −酢酸ビニル共重合体鹸化物樹脂層を有する機能性壁
    紙。
  2. 【請求項2】耐汚染性と可塑剤の遮断性を有する樹脂
    が、エチレン含有率が20〜60モル%、酢酸ビニル成分の
    鹸化度が90モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体
    鹸化物を95〜50重量%と、カルボン酸変性ポリエチレン
    樹脂5〜50重量%からなる組成物であり、かつ消臭剤を
    含有する前記組成物層の少なくとも片面の表面光沢度が
    40%以下である、請求項1記載の機能性壁紙。
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