JPS6128082A - 機能性壁紙の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、空気浄化、脱臭、制菌、防カビ作用など多種
の機能を有する機能性壁紙の製造方法に関する。

（従来の技術） 従来、壁紙としては塩化ビニル樹脂製のものが多く知ら
れている。この壁紙としては帯電防止、結露防止などの
処理を施した難燃性の壁紙が知られているが、空気浄化
作用を具備した壁紙については知られていない。これは
活性炭など従来の脱臭剤では壁紙に含有させると活性を
失ってしまうからであると考えられる。

（発明が解決しようとする問題点） したがって、従来の壁紙は、審美感を満足させる目的以
外は、帯電防止、結露防止など、どちらかといえば附随
的な機能を発揮する程度に止まるもので、目的をさらに
一歩進めて生活、労働環境の美化だけでなく浄化（空気
浄化、脱臭、殺菌作用）を考えたとき、必ずしも満足で
きるものはなかった。

（問題点を解決するための手段） 本発明者らはこうした従来の壁紙の欠点を克服するため
種々研究を重ねた結果塩化ビニル樹脂製などの壁紙に、
鉄（ＩＩ）化合物にＬ−アスコルビン酸を結合させた組
成物を被覆又は混入させることにより、空気浄化機能を
具備する壁紙が得られることを見出し、この知見に基づ
き本発明を完成するに至った。

すなわち本発明は壁紙材に、鉄（ＩＩ）化合物とＬ−ア
スコルビン酸を結合させてなる組成物（以下鉄（ＩＩ　
）組成物という）を被覆又は混入させることを特徴とす
る機能性壁紙の製造方法を提供するものである。

本発明において用いられる壁紙材には特に制限はなく従
来の一般に用いられているものを用いることができる。

表面化粧層には難燃性塩化ビニル樹脂が最も好適である
が、これに限らずウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂で
もよい。また、ベース基布としては難燃紙、合成紙、無
機質紙、織布のいずれでもよい。要するに鉄（ＩＩ）組
成物を適用できる壁紙材ならばどのようなものでもよい
。

この中で特に好ましい塩化ビニル樹脂の壁紙材の配合の
代表例を示す。

配合（Ａ）　　　　　　　　　　重量部塩化ビニル樹脂
　　　　　　　　１００可塑剤（含難燃可塑剤）６０ 発泡剤（Ａ　Ｄ　ＣＡ）　　　　　　　　　５安定剤　
　　　　　　　　　　３．５ 充填剤　　　　　　　　　　　　　１０難燃剤　　　　
　　　　　　　　　３ 顔料　　　　　　　　　　　　　　３０配合（Ｂ）　　
　　　　　　　　重量部塩化ビニル樹脂　　　　　　　
　１００可塑剤（含難燃可塑剤）５５ 発泡剤（ＯＢＳＨ）　　　　　　　　　２安定剤　　　
　　　　　　　　　　２ 充填剤　　　　　　　　　　　　　５０難燃剤　　　　
　　　　　　　　　３ 顔料　　　　　　　　　　　　　　２０合計　　　　　
　　　　　２３２ 本発明方法に用いられる鉄（ＴＩ　）組成物は鉄（１１
）化合物に少量のし一アスコルビン酸を結合させてなる
活性物質である。以下この活性物質について詳述する。

鉄（ＩＩ　）組成物中の鉄（ＩＴ）とＬ−アスコルビン
酸との比率は、１：０．０２〜０．３（重量比）の範囲
が好ましく、より好ましくは１：０．０２〜０．１３の
範囲である。この範囲の上限を越えてＬ−アスコルビン
酸を用いても組成物が着色して活性が低下し、かつ経済
的でなくなる。また下限未満では、鉄（ＩＴ）の安定性
が不足してくる。

また鉄（ＩＩ　）組成物にはミョウバンを添加するのが
好ましい。ミョウバンの添加量はこの組成物の用途、使
用形態によって異なるが鉄（ｎ）化合物とＬ−アスコル
ビン酸との合計量に対し１００重量％の範囲まで用いら
れるが５％〜２０重量％の範囲が好ましい。ミョウバン
としては特に制限はないがカリミョウバン、アンモニア
ミョウバン、ナトリウムミョウバンなどが好適で特に焼
ミョウバンが好適である。

鉄（ＩＩ　）組成物の調製は上記各成分を所定割合で水
溶液中で一旦溶解混合して調製される。その使用時の形
態は特に制限はない。例えばそのまま水溶液として、ま
たこれを噴霧乾燥などにより処理して粉状、粒状として
もよい。水溶液とする場合は鉄（ＴＩ）化合物の溶解度
の範囲で任意の濃度で適用できる。鉄（’ＩＩ）組成物
に用いられる鉄（ＴＩ　）化合物の例としては、硫酸第
一鉄、塩化第一鉄、硝酸第一鉄、臭化第一鉄、ヨウ化第
−鉄などの鉄（ＩＩ）無機塩の外、没食子酸第一鉄、リ
ンゴ酸第−鉄、フマル酸第−鉄などの鉄（ｎ）有機塩が
あげられる。鉄（ＩＩ）化合物は上記例示のものに限定
されるものでなく、水中に溶解し２価鉄イオンを形成す
るものであれば任意のものを用いることができる。

次にこの鉄（ＩＩ）組成物は壁紙に塗布、又は混入する
ことにより適用される。

塗布法はどのような方法でもよいが、好ましい方法は２
種類ありグラビア印刷機を利用する方法と、ドクターナ
イフにより塗布加工する方法である。この全工程を次に
それぞれ示す。

（ａ）グラビア印刷機を利用する方法 グラビア印刷後１２０−１３０℃で３０〜６０秒間乾燥
する。この工程を第１図に示した。図中１はアンワイン
グー、２は壁紙材、３・は水性インキ、４はゴムロール
、５はメツシュロール、６は乾燥炉、７はりワイングー
であり、１６はこうして得られた壁紙である。

（ｂ）　　ドクターナイフによる谷汚し法谷汚しの後１
３０〜１４０℃でｌ＝１．５分乾燥する。この工程を第
２図に示した。図中８はアンワイングー、９は壁紙材、
１０はインキツボ、１１はドクターナイフ、１２はゴム
ロール、１３は乾燥炉、１４はクーラー、１５はリワイ
ンターである。１７はこうして製造された壁紙である。

このような塗布の際には鉄（ＩＩ　）組成物を含有する
水性インキを使用する。

鉄（ＩＩ　）組成物と水溶液として用いる場合、鉄（Ｉ
Ｉ　）組成物水溶液中の固型分濃度は溶解度の関係で最
高３０重量％までであるが、水性インキ中の鉄（ＩＴ）
組成物水溶液が多いと水性インキがゲル化する危険があ
り３０重量％以下好ましくは２５重量％以下であり、加
工安定性の上から１５〜２０重量％となるのが好ましい
。水性インキ中の基本的な組成は従来公知のグラビア水
性インキの配合を採用することができる。

鉄（ＴＩ　）組成物の水性インキ配合の１例を次に成分
　　　　　　　　　　　重量部 ＶＰＡ　　Ｇ　　メジューム　　　　　　９０／／　　
　／／　　カラー　　　　　　　　　１０合計　　　　
　　　　　　　１２０ （注）　ＶＰＡ　Ｇメジューム：樹脂分（塩化ビニル−
アクリル系共重合物） ２２％ ＶＰＡＧカラー：樹脂分（同上）１８〜２４％ 顔料分３〜１５％ 水性インキの塗布量は上記（＆）のグラビア印刷による
方法では通常１０〜４０ｇ／ゴ、好ましくは２０〜３０
ｇ／ｄの範囲である。また上記（ｂ）のドクターナイフ
による谷汚し法では２０〜７０ｇ／ｒｎ′、好ましくは
３０〜５０ｇ／ｌｎ’の範囲である。

この場合、塗布量が７０　ｇ／ｎｆを越えるとインキの
接着性や表面色相の安定性が問題であり、また少なすぎ
ると十分な目的の機能が発揮されない。

次に本発明においては鉄（ＩＩ　）組成物を粉体として
使用してもよい、この場合１例えば塩化ビニ１し樹脂の
ペーストジノに、中に配合して塗料組成物を作り、これ
を適宜濃度に希釈し、あるいは希釈しないで、壁紙材に
塗布することができる。このような塗料組成物の１例を
示す。

成分　　　　　　　　　　　　重量部 塩化ビニルペースト樹脂　　　　　　１００可塑剤　　
　　　　　　　　　　　　５０安定剤　　　　　　　　
　　　　　　　２鉄（Ｈ）組成物粉体　　　　　　　　
　２０（硫酸第一鉄：Ｌ−アスコルビン酸 ＝ｌ：０．０３（モル比）粒径数十ミクロンのもの） この塗料組成物の分散には強い剪断力をかけること（ペ
イントロールに通すことなど）が必要であるが、これよ
り調製された塗料は通常の塩ビペーストゾルと同様にし
て使用できる。

本発明において、グラビア印刷又は谷汚し法による塗布
以外の工程、例えばプリント、エンボスの工程は従来の
壁紙製造と同様にして行うことができる。

さらに本発明において壁紙材の種類によっては、鉄（Ｉ
Ｉ）組成物の粉体を直接壁紙材中に練り込んでもよい。

（作用） 本発明により得られる壁紙が空気浄化機能を営む機構は
必ずしも定かではないが壁紙中に含有させた有効成分の
鉄（ＩＴ）化合物とＬ−アスコルビン酸との反応生成物
が次のように作用しているためと考えられる。すなわち
Ｌ−アスコルビン酸の存在下における２価鉄イオンの作
用により、次式に示すように２価鉄イオンと接触する分
子状酸素より酸化力の強いスーパーオキシド’　（０２
−）に変換され、 Ｆｅ　（ＩＩ　）　＋０２：Ｆｅ　（ＩＩ　）・Ｄ２：
Ｆｅ　（ＩＩＩ）・０２−Ｆｅ　（ＩＩ）Ｊ２＋Ｆｅ　
（ＩＩ）　才Ｆｅ　（ＩＩ）・０２・Ｆｅ（ＩＩ）；Ｆ
”　（■）Ｊ２−Ｆｅ（ｍ） このようなスーパーイオンオキシドが脱臭作用、殺菌作
用を含む室内雰囲気の浄化作用に寄与しているものと考
えられる。

（発明の効果） 本発明によればＬ−アスコルビン酸−２価鉄イオン結合
物質を付着もしくは含有させて特異な性能（空気浄化、
脱臭、制菌、防カビ）を付与した内装材を得ることがで
きる。

本発明方法により製造される壁紙の大きな特徴は室内の
単なる美化に止まらず周囲の雰囲気を清浄化し同時に生
化学的に非常に好ましい活性酸素を発生させる事にある
０本発明において脱臭効果は１つの要素ではあるがこれ
が全てではなく活性酸素に基づく各効果の目安である。

また、本発明によれば、壁紙に穴開加工を施すことによ
り、脱臭機能などの空気浄化機能を維持できるというす
ぐれた効果を奏する。

さらに本発明によれば、鉄（ｒｌ）組成物自体が難燃性
付与効果を有しており壁紙の難燃性をさらに高めること
ができる。

さらにまた本発明方法によれば、エンボス加工、発泡加
工等の加熱に耐える活性を維持した機能性壁紙が得られ
る。

本発明方法により得られる壁紙は通常の壁紙と同様にし
て用いられるが、特に、一般の住居の居間、トイレ、病
院の病室、ナースステーション等に好ましく用いられる
。

（実施例） 次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。

実施例１ ［インキの調製コ 下記の組成で水性インキを製造し、これをエンボス加工
した塩化ビニル樹脂製壁紙（塩ビゾル塗布厚１６０〜２
００ＪＬ）上に第２図のドクターナイフによる谷汚し法
により塗布した。

膜性４ｚ）　　　　　　　　　（重量部）ＶＰＡ　　Ｇ
　　ｌジュ−ム　　９０ ／／ｌ／　　　カラー　　　１０ 合計　　　　　　　　　１２０ 塗布条件は次のとおりである。

塗布量：約３０ｇ／ｒｎ′ 処理速度：１５ｍ／分 乾燥温度：１２０℃で１分 また鉄（ＩＩ）組成物水溶液は硫酸第−鉄七水塩（分子
量２７８．０３）２７．５ｇを水に溶解し１００ｍ１と
したのち、Ｌ−アスコルビン酸０．５ｇを加え溶解して
原液を調製し、この原液１００ｍＭに焼ミョウバン１０
ｇを加え、３０分間かきまぜたのち遠心分離後ろ過して
調製した。

このようにして処理した壁紙について空気浄化機能を試
験した結果を下記試験（ｉ）〜（ｉｉｉ）に示す。

芯ＪＬＸ」つ− ２５Ｘ３０ｃｍのポリエチレン製袋中に、下記濃度のホ
ルマリン、人工汁液、アンモニアナトノ薬品をそれぞれ
約０．４５ｇＬみ込ませたろ紙（直径９ｃｍのろ紙１／
４）を入れ袋の底に、１０ｃｒｎ’の処理壁紙試料を入
れて袋中の臭気の強さを試験した。この結果を第１表に
試験Ｎｏ、１として示した。なお壁紙試料をさらに１８
０℃で２０秒間（エンボス加工条件）又は２３０℃で１
分（発泡加工条件）加熱した場合についても同様に試験
し、それぞれ試験Ｎｏ、２　、３として第１表に併記し
た。

薬品濃度 （１）ホルマリン　５％水溶液 （２）人工汗液　　ＪＩＳ　　Ｋ　　６７７２により調
製 （３）アンモニア　１．２５％水溶液 （４）クレゾール　１％水溶液 （５）硫化水素　　硫化水素ガスを５分間通した水溶液 第１表 （注）評価基準 １　臭気なし ２　若干臭気あり ３　かなり臭気あり ４　もとの臭気が変わらず データの数値は１０名の検査員の平均値である。

試１巨り旺Σ 次に、この壁紙を通常の大気中に一定期装置し）た後の
空気浄化作用を試験した。試験は２３０℃で１分間加熱
した壁紙について行った。この試験結果を第２表に示し
た。

第２表 ５Ｅ１．？、１ｉ ｎ＝４ ２．５ １．８ ３．０ ２．０ ２．５ １．９ （注）評価基準は第１表と同じである。

上記の官能試験の結果より本発明の壁紙は日常生活で発
生する悪臭物質（ホルマリンは除く）に対して脱臭効果
を示し、加熱（２３０℃×１分程度）によってもその効
果は失われず、また経時変化による影響も顕著ではなく
相当期間の安定した効果を示すことが推定される。

なお、上記試験での雰囲気濃度は通常日常生活において
経験する事がない程高濃度でありこの条件下でも効力維
持されている事は長期間の使用に酎える事を意味する。

ス隻工四す 次に第３図に示すように組立てた試験装置を用いて脱臭
試験を行った０図中Ａはテトラバック、Ｂは流量計、Ｃ
はカラム、Ｐはポンプである。図中Ｃに約５■厘角に細
断した壁紙試料を５ｇ入れ、Ａに濃度５０００ＰＰｍの
ＮＨ３ガスを取り全体を接続しガスを１時間循環させた
後の濃度を測定した。次に新しいガス（ＮＨ３濃度５０
００ｐｐｍ）をＡに取り（ＮＨ３ガスを変えるが壁紙試
料はそのままで）同様の実験を４回くり返した。その実
験４回の結果を第３表に示す。

第３表 （注）試験条件 悪臭ガス　　　ＮＨ３カラム径　　　２４閣■φガス濃
度　　　ｓ、ｏｏｏｐｐ薦　　　　　ベッド高　　　６
８重量ガス流速　　Ｉ　Ｍ／ｗｉｎ　　　　　Ｓａｍｐ
ｌｅ　　　　　壁紙通気時間　　　ＢＯｓｉｎ　　　　
　　Ｓａｍｐｌｅ量　　　５ｇ実施例２ 下記の組成で鉄（ｎ）組成物粉体を塩ビペーストゾル中
に混入して塗料を調製した。

（成分）　　　　　　　　　　　（重量部）塩ビペース
ト樹脂　　　　　　　　１００可塑剤　　　　　　　　
　　　　　　５゜安定剤　　　　　　　　　　　　　　
２鉄（ＩＩ）組成物の粉体　　　　　　　２゜（粒径数
十用のオーダー。

硫酸第一鉄：Ｌ−アスコルビン酸 ＝１＋０．０３（モル比）） 顔料　　　　　　　　　　　　　　　２゜この塗料を用
いて次のようにして壁紙を製造した。ｍ＃厚は２００ｐ
Ｌである。

この鉄（Ｈ）組成物の粉体を塩ビペーストゾル中に混合
して作成された壁紙は塩ビ表面に穴開は加工を行うこと
が不可欠の条件となる。次いでこの壁紙試料の浄化機能
を実施例１と同様に試験した。その結果を第４表に示し
た。このものはグラビア塗布法、谷汚し法により得た壁
紙より即効性が劣るが、極めて長期間に及ぶ効果が期待
される。

第４表 （注）評価基準は第１表と同じである。

実施例３ ボリプはピレン中に実施例２で用いたと同様の鉄（ＩＩ
　）組成物の粉体な０．６〜６重量％添加し、フィルム
に成形した。このシートの脱臭性を＋４＋ル触噛−→Ｉ
ｆＡｌ：：：Ｘ１−１′；Ｉ↓零１ダ１イ廿騒醜　各−
一ろ高濃度のＮＨ３ガスに対してもすぐれた活性を有す
ることがわかった。鉄（ＩＩ）組成物１重量％練込みの
場合の脱臭吸着試験結果を第５表に示した。

第５表 ［− 残ξ ・試験条件 臭カス　　　ＮＨ３ベッド高　　３９■ス濃度　　２，
１００ｐｐ■　　　気　　温　　　２８℃ス流速　　Ｉ
　ＩＬ／ｗｉｎ　　　　　Ｓａｍｐｌｅ　　ｐｐシート
　（１，０ｇ鉄（［）組成物練髪ρ気時間　　　８（ｌ
ａｉｎ　　　　　Ｓａｍｐｌｅ量　　　５ｇ

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明方法の実施態様を示し第１図
グラビア印刷機を利用する方法、第２図はドクターナイ
フによる谷汚し法である。第３図は脱臭試験装置の説明
図である。 特許出願人　工業技術院長　川１）裕部同　　　ミナト
産業株式会社 同　　　日本ビニル工業株式会社 図面グ）Ｌ祐し・７・ｊ′杏１：−ミ更な１．）第１図 第２図 手続補正書（ハ） 昭和５９年８月２２日

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）壁紙材に、鉄（II）化合物とＬ−アスコルビン酸
   を結合させてなる組成物を塗布又は混入させることを特
   徴とする機能性壁紙の製造方法。
2. （２）壁紙材に、鉄（II）化合物とＬ−アスコルビン酸
   を結合させてなる組成物を塗布又は混入し、針ロールに
   より穴開けを行うことを特徴とする機能性壁紙の製造方
   法。