JP2019085674A - 発泡壁紙、発泡壁紙の製造方法 - Google Patents

発泡壁紙、発泡壁紙の製造方法 Download PDF

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祐一 南部
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Abstract

【課題】不陸隠蔽性を得るために十分なボリューム感を有するとともに、表面強度と耐圧性の向上と軽量化が可能な、発泡壁紙、発泡壁紙の製造方法を提供する。【解決手段】発泡壁紙1が、坪量が50g/m2以上100g/m2以下の範囲内であり、且つ厚さが80μm以上150μm以下の範囲内である基材2と、基材2に積層し、坪量が80g/m2以上200g/m2以下の範囲内であり、且つ発泡倍率が3倍以上である発泡樹脂層4を備え、基材2の坪量と発泡樹脂層4の坪量との合計が270g/m2以下であり、基材2の厚さと発泡樹脂層4の厚さとの合計が500μm以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、建築物の壁面装飾等に用いる、発泡壁紙と、発泡壁紙の製造方法に関する。
近年、壁紙施工職人の人手不足や高齢化が問題となり、施工の容易な壁装材が要求されている。このため、例えば、壁紙用裏打紙と樹脂層を備える壁装材においては、一般的に、製品重量が軽く取り扱いが容易な、50[m]巻きの製品が好まれる傾向がある。
壁紙の施工においては、下地となる壁面の凹みや隙間、段差等を隠蔽する不陸隠蔽性を得るために、隠蔽性を向上させるためのボリューム感が壁装材に要求される。
そのため、例えば、特許文献1に開示されている技術では、壁紙用裏打紙の上に形成する樹脂層を、坪量を50[g/m]以上280[g/m]以下の範囲内とし、3倍以上の発泡倍率として形成している。これにより、壁紙用裏打紙と樹脂層からなる壁装材において、樹脂層を厚くするとともに、樹脂の発泡倍率を上げることで、ボリューム感を向上させている。
特開2017−66555号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている技術のように、樹脂層を厚くすると製品重量やコストが増加するという問題がある。また、特許文献1に開示されている技術のように、樹脂層の発泡倍率を上げると、発泡面が荒れやすくなるという問題や、耐圧性や表面強度が低下するという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、不陸隠蔽性を得るために十分なボリューム感を有するとともに、表面強度と耐圧性の向上と軽量化が可能な、発泡壁紙と、発泡壁紙の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、基材と、基材に積層した発泡樹脂層を備える発泡壁紙である。基材は、坪量が50g/m以上100g/m以下の範囲内であり、且つ厚さが80μm以上150μm以下の範囲内であり、発泡樹脂層は、坪量が80g/m以上200g/m以下の範囲内であり、且つ発泡倍率が3倍以上である。また、基材の坪量と発泡樹脂層の坪量との合計が270g/m以下であり、基材の厚さと発泡樹脂層の厚さとの合計が500μm以上である。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様は、基材と、基材に積層した発泡樹脂層を備える発泡壁紙の製造方法である。そして、基材の坪量を50g/m以上100g/m以下の範囲内とし、基材の厚さを80μm以上150μm以下の範囲内とし、発泡樹脂層の坪量を80g/m以上200g/m以下の範囲内とし、発泡樹脂層の発泡倍率を3倍以上とする。これに加え、基材の坪量と発泡樹脂層の坪量との合計を270g/m以下とし、基材の厚さと発泡樹脂層の厚さとの合計を500μm以上として、基材及び発泡樹脂層を形成する。
本発明の一態様によれば、不陸隠蔽性を得るために十分なボリューム感を有するとともに、表面強度と耐圧性の向上と軽量化が可能な、発泡壁紙と、発泡壁紙の製造方法を提供することが可能となる。
本発明の第一実施形態における発泡壁紙の構成を表す断面図である。
図面を参照して、本発明の第一実施形態を以下において説明する。以下の説明で参照する図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係や、各層の厚さの比率等は、現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚さや寸法は、以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
さらに、以下に示す第一実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質や、それらの形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。また、以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とは交換して読まれ、紙面を180度回転すれば「左」が「右」になり、「右」が「左」になることは勿論である。
(発泡壁紙)
図1を参照して、発泡壁紙1の構成について説明する。
発泡壁紙1は、図1中に表すように、基材2と、発泡樹脂層4と、絵柄印刷層6と、表面保護層8を、この順で備える。
(基材)
基材2は、壁紙用裏打紙(繊維質シート)である。
基材2形成する紙材としては、例えば、普通紙(壁紙用一般紙)、難燃紙、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機添加剤を含む無機質紙、上質紙、薄用紙、繊維混抄紙等を用いることが可能である。
壁紙用一般紙は、パルプ主体のシートを既知のサイズ剤でサイズ処理したものである。難燃紙は、パルプ主体のシートを、スルファミン酸グアニジン、リン酸グアジニン等の難燃剤で処理したものである。混抄紙(繊維混抄紙)は、パルプと合成繊維とを混合して抄紙したものである。
第一実施形態では、一例として、基材2の材料を普通紙とし、坪量を50[g/m]以上100[g/m]以下の範囲内とし、厚さを80[μm]以上150[μm]以下の範囲内とした場合について説明する。これにより、壁装材として要求される剛性と、ボリューム感を確保することが可能となる。
(発泡樹脂層)
発泡樹脂層4は、基材2に積層されている。具体的には、発泡樹脂層4は、図1中において、基材2の上側の面に積層されている。
発泡樹脂層4の坪量は、80[g/m]以上200[g/m]以下の範囲内に設定する。
また、発泡樹脂層4の坪量は、基材2の坪量と発泡樹脂層4の坪量との合計が270[g/m]以下となるように設定する。
また、発泡樹脂層4は、基材2に発泡剤含有樹脂層(図示せず)を塗工した後、発泡剤含有樹脂層に含まれる発泡剤を加熱発泡させることで形成される。なお、上述した発泡剤を加熱発泡させる際には、基材2と発泡剤含有樹脂層とを少なくとも備えた積層体を、エンボスヒーター内に通過させてもよい。
発泡樹脂層の発泡倍率は、3倍以上とする。
発泡剤含有樹脂層は、基材2の表面に発泡剤を含有した樹脂(ペースト、樹脂組成物)を塗工することで形成される。
第一実施形態では、樹脂に対して、発泡剤、可塑剤、安定剤、減粘剤、その他の有機系添加剤、及び充填剤として無機粉体(無機フィラー)を用途に応じて適宜混合し、基材2の表面にシート状もしくは絵柄模様状に塗工することで、発泡剤含有樹脂層を設ける。
また、第一実施形態では、発泡樹脂層4が含有する樹脂が、少なくとも塩化ビニル系樹脂を含む場合について説明する。これに加え、塩化ビニル系樹脂の重合度が、1000以上である場合について説明する。
これに加え、第一実施形態では、発泡樹脂層4に、安定剤としてCa−Zn系金属石鹸が添加されている場合について説明する。
Ca−Zn系金属石鹸の添加量は、例えば、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、1質量部以上6質量部以下の範囲内に設定する。
なお、発泡樹脂層4に添加する安定剤としては、Ca−Zn系の他に、例えば、Ba−Zn系やK−Zn系の安定剤を用いることが可能である。
さらに、第一実施形態では、発泡樹脂層4に添加する無機粉体の添加量を、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して、30質量部以上150質量部以下の範囲内とした場合について説明する。
発泡樹脂層4に含有する無機粉体としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪砂、タルク、シリカ類、ケイ酸マグネシウム、ホウ酸亜鉛、二酸化チタン等を用いることが可能である。
樹脂の塗工方法としては、例えば、ナイフコート法、ノズルコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、グラビアコート法、ロータリースクリーンコート法、リバースロールコート法等の塗工方法を用いることが可能である。
発泡樹脂層4に含有する樹脂としては、塩化ビニル樹脂を用いる。すなわち、発泡樹脂層4は、塩化ビニル系樹脂を含有する。
発泡剤の添加量は、発泡倍率を確保するため、発泡樹脂層4(発泡剤含有樹脂層)の厚さと発泡倍率(発泡前後での体積の膨張率)にもよるが、例えば、樹脂100質量部に対して4質量部以上6質量部以下の範囲内に設定する。
また、発泡剤含有樹脂層に含有する発泡剤としては、ADCA発泡剤を用いる。
また、発泡表面の荒れを防止するために、発泡樹脂層4へ二種類の発泡剤(例えば、ADCA発泡剤とOBSH発泡剤)を含有させてもよい。この場合、二種類の発泡剤は、例えば、3:1〜1:1の割合で混合して用いることが可能である。
(絵柄印刷層)
絵柄印刷層6は、発泡樹脂層4に積層されている。具体的には、絵柄印刷層6は、図1中において、発泡樹脂層4の上側の面に積層されている。
絵柄印刷層6の厚さは、絵柄模様の種類より異なるが、一般的には、0.1[μm]以上10[μm]以下の範囲内程度とすることが好ましい。
また、絵柄印刷層6は、発泡壁紙1へ、所望の絵柄による意匠性を付与するものであり、絵柄の種類等は、特に限定的されるものではない。
絵柄としては、例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等、発泡壁紙1を用いる箇所に適した絵柄を選択することが可能である。
絵柄印刷層6を形成する印刷インキについては、壁紙として一般的に求められるような耐光性、発色性、使用される成分の安全性の用件(顔料や添加剤として、重金属や硫黄化合物を含まない等)を満たしていれば特に限定されるものではない。
したがって、絵柄印刷層6を形成する印刷インキとしては、非発泡性インキ、水性エマルジョン系樹脂を主成分とした発泡性インキ、塩化ビニルペースト樹脂を主成分とした発泡性インキ等を用いることが可能である。また、絵柄印刷層6を形成する印刷インキとしては、例えば、着色剤、結着材樹脂、溶剤を含む印刷インキを用いることが可能である。これらのインキは、公知、または、市販のものを使用してもよい。
絵柄の印刷方法としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷等、既知の印刷方法を用いることが可能である。
特に、全面を同一に着色する場合には、上述した印刷方法の他に、コーティングの手法や装置を用いてもよい。
また、インキには、着色料として、絵柄模様を構成する公知の顔料を含有してもよい。
また、絵柄印刷層6を形成する印刷インキに、顔料を組み合わせて配合することで、絵柄の表現を豊かにすることが可能となる。また、絵柄印刷層6を形成する印刷インキに、紫外線吸収剤や光安定剤等を添加することで、耐候性を良好にすることも可能となる。
着色剤として用いる顔料としては、例えば、無機顔料や有機顔料を用いることが可能である。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエローを用いることが可能である。また、無機顔料としては、例えば、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等を用いることが可能である。
有機顔料としては、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジンを用いることが可能である。また、有機顔料としては、例えば、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等を用いることが可能である。
着色剤の含有量は、樹脂100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下の範囲内程度が好ましく、15質量部以上30質量部以下の範囲内程度がより好ましい。
また、発泡樹脂層4が絵柄印刷層6に対するベタ層の役割を果たす場合、または、発泡樹脂層4を絵柄模様状に塗工する場合には、発泡樹脂層4が着色剤を含有していてもよい。
結着材樹脂は、絵柄印刷層6を形成する下層の樹脂の種類に応じて設定することが可能である。結着材樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂を用いることが可能である。また、結着材樹脂としては、例えば、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等を用いることが可能である。
溶剤(または分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤を用いることが可能である。また、溶剤(分散媒)としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤を用いることが可能である。さらに、溶剤(分散媒)としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤を用いることが可能である。また、溶剤(分散媒)としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤を用いることが可能である。また、溶剤(分散媒)としては、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤を用いることが可能である。また、溶剤(分散媒)としては、例えば、ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤や、水等を用いることが可能である。
また、上述した溶剤(または分散媒)は、単独、または、混合物の状態で用いることが可能である。
なお、発泡樹脂層4(発泡剤含有樹脂層)の上に絵柄印刷層6を形成しない場合は、絵柄印刷層6の代替として、アンダーコート層(プライマー層)を形成しても良い。アンダーコート層は、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等を含み、乾燥後の坪量を、1[g/m]以上3[g/m]以下の範囲内に設定することが望ましい。
(表面保護層)
表面保護層8は、絵柄印刷層6に積層されており、コート層(コーティング層)とも呼称される層である。具体的には、表面保護層8は、図1中において、絵柄印刷層6の上側の面に積層されている。
また、表面保護層8は、艶調整及び絵柄印刷層6のうち少なくとも一方の保護を意図して形成される。
また、表面保護層8は、例えば、塩ビ系撥水コート剤を用いて形成されている。
なお、表面保護層8は、例えば、アクリル系の材料を用いて形成してもよい。
表面保護層8の厚さは、特に限定するものではないが、0.1[μm]以上15[μm]以下の範囲内程度が好ましい。
また、表面保護層8の種類は、特に限定するものではなく、艶調整を目的とする表面保護層8であれば、例えば、シリカ等の既知フィラーを含む表面保護層8とすることが可能である。
表面保護層8を乾燥させた後の坪量は、10[g/m]以上40[g/m]以下の範囲内とし、可能であれば、15[g/m]以上30[g/m]以下の範囲内とすることが好ましい。
表面保護層8の形成方法としては、例えば、グラビア印刷等の公知の方法を用いることが可能である。なお、絵柄印刷層6と表面保護層8との密着性が十分に得られない場合には、絵柄印刷層6の表面を易接着処理(プライマー処理)した後に表面保護層8を設けることも可能である。
また、表面保護層8に含有される樹脂には、艶消剤(艶調整剤)としてフィラーを添加する。艶消剤としては、例えば、シリカ粒子、アルミナ(α−アルミナ等)、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリナイト、アルミノシリケート等の無機物の粒子、または、ポリカーボネート、ナイロン、ウレタン樹脂等の有機物の粒子を用いることが可能である。
このように、第一実施形態に係る表面保護層8は、アクリル系樹脂とフィラーとを含有する。すなわち、表面保護層8は、フィラーを含有する。
また、表面保護層8の絵柄印刷層6と対向する面と反対の面(図1中における、表面保護層8の上側の面)には、エンボス加工(エンボス版を用いた凹凸賦型)によって、凹凸形状10が形成されている。
表面保護層8に形成された凹凸形状10は、図1中に示すように、絵柄印刷層6及び発泡樹脂層4にも同様に形成される。すなわち、発泡樹脂層4の基材2と対向する面と反対の面には、エンボスによる凹凸形状10が形成されている。これに加え、絵柄印刷層6の発泡樹脂層4と対向する面と反対の面には、エンボスによる凹凸形状10が形成されている。なお、図1中では、説明のために、表面保護層8に形成されている凹凸形状10に対してのみ、矢印によって符号を付している。
凹凸形状10としては、例えば、布目、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャー、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等を用いることが可能であり、適宜選択が可能である。
エンボス加工では、例えば、深度が15[μm]以上の凹部を有するエンボスロールと、硬度が50度以上90度未満の範囲内であるゴム製のバックロールとの間に、発泡壁紙1を通過させて、凹凸形状10を形成する。
硬度の計測方法としては、例えば、JIS K−6301 A型を用いることが可能である。
表面保護層8に凹凸形状10を形成する方法としては、エンボス加工の他に、例えば、発泡抑制インキにより部分的に発泡させる方法、熱風や赤外線により部分的に加熱発泡させるケミカルエンボス方法等を用いることが可能である。しかしながら、エンボスロールを用いた圧接によるメカニカルエンボスが、発泡樹脂層4等に対してシャープな凹凸を得ることが可能となるため好ましい。
(発泡壁紙1の製造方法)
以下、図1を参照して、第一実施形態の発泡壁紙1の製造方法を説明する。
発泡壁紙1の製造方法は、基材2と、発泡樹脂層4と、絵柄印刷層6と、表面保護層8を備える発泡壁紙1の製造方法である。
具体的には、基材2の坪量を50[g/m]以上100[g/m]以下の範囲内とし、基材2の厚さを80[μm]以上150[μm]以下の範囲内とし、発泡樹脂層4の坪量を80[g/m]以上200[g/m]以下の範囲内とする。これに加え、発泡樹脂層4の発泡倍率を3倍以上とし、基材2の坪量と発泡樹脂層4の坪量との合計を270[g/m]以下とし、基材2の厚さと発泡樹脂層4の厚さとの合計を500[μm]以上として、基材2及び発泡樹脂層4を形成する。
なお、上述した第一実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第一実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(第一実施形態の効果)
第一実施形態の発泡壁紙1であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)基材2は、坪量が50[g/m]以上100[g/m]以下の範囲内であり、且つ厚さが80[μm]以上150[μm]以下の範囲内である。発泡樹脂層4は、坪量が80[g/m]以上200[g/m]以下の範囲内であり、且つ発泡倍率が3倍以上である。これに加え、基材2の坪量と発泡樹脂層4の坪量との合計が270[g/m]以下であり、基材2の厚さと発泡樹脂層4の厚さとの合計が500[μm]以上である。
その結果、壁装材として要求される剛性とボリューム感を確保することが可能となり、不陸隠蔽性を得るために十分なボリューム感を有するとともに、表面強度と耐圧性の向上と軽量化が可能な、発泡壁紙1を提供することが可能となる。
(2)発泡樹脂層4の基材2と対向する面と反対の面に、エンボス加工による凹凸形状10が形成されている。
その結果、エンボス加工による表面の凹凸形状10をシャープに再現することが可能となり、絵柄印刷層6によって発泡壁紙1へ付与する意匠性を向上させることが可能となる。
(3)発泡樹脂層4が、塩化ビニル系樹脂を含有する。
その結果、壁装材として要求される剛性とボリューム感を確保することが可能となり、不陸隠蔽性を得るために十分なボリューム感を有するとともに、表面強度と耐圧性の向上と軽量化が可能な、塩化ビニル系の発泡壁紙1を提供することが可能となる。
(4)発泡樹脂層4が含有する塩化ビニル系樹脂の重合度が、1000以上である。
その結果、発泡樹脂層4の表面強度を向上させることが可能となる。
(5)発泡樹脂層4に添加する無機粉体の添加量が、塩化ビニル系樹脂100質量部に対して30質量部以上150質量部以下の範囲内である。
その結果、発泡樹脂層4の表面状態を良好に保持することが可能となるとともに、発泡樹脂層4の表面強度を向上させることが可能となる。
(6)発泡樹脂層4に、安定剤としてCa−Zn系金属石鹸が添加されている。
その結果、発泡樹脂層4に対し、熱安定性の付与、発泡厚さの増加、発泡表面の荒れ防止が可能となる。
また、第一実施形態の発泡壁紙1の製造方法であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(7)基材2の坪量を50[g/m]以上100[g/m]以下の範囲内とし、基材2の厚さを80[μm]以上150[μm]以下の範囲内とし、発泡樹脂層4の坪量を80[g/m]以上200[g/m]以下の範囲内とする。これに加え、発泡樹脂層4の発泡倍率を3倍以上とし、基材2の坪量と発泡樹脂層4の坪量との合計を270[g/m]以下とし、基材2の厚さと発泡樹脂層4の厚さとの合計を500[μm]以上として、基材2及び発泡樹脂層4を形成する。
その結果、壁装材として要求される剛性とボリューム感を確保することが可能となり、不陸隠蔽性を得るために十分なボリューム感を有するとともに、表面強度と耐圧性の向上と軽量化が可能な、発泡壁紙1を提供することが可能となる。
(変形例)
(1)第一実施形態では、発泡樹脂層4の構成を、塩化ビニル系樹脂を含有する構成としたが、これに限定するものではなく、発泡樹脂層4の構成を、オレフィン樹脂等、非塩化ビニル系樹脂を含有する構成としてもよい。
第一実施形態を参照しつつ、以下、実施例の発泡壁紙と、比較例の発泡壁紙について説明する。
(実施例1)
実施例1の発泡壁紙は、以下の構成とした。
・基材
坪量が65[g/m]であり、厚さが110[μm]の壁紙用裏打紙(日本製紙(株):「NI65AT」)を用いて形成した。
・発泡樹脂層
以下のペーストを、坪量が130[g/m]となるように基材へ塗布した後、発泡倍率を3倍に設定して加熱発泡を行い、冷却・乾燥させて形成した。
100質量部の塩化ビニル系樹脂(東ソー(株)製:「PSM−271R」)に、70質量部の無機粉体と、4質量部のCa−Zn系金属石鹸と、5質量部のADCA発泡剤を添加したペースト。
(実施例2)
実施例2の発泡壁紙は、基材の構成を除き、実施例1の発泡壁紙と同様に製造した。
具体的に、実施例2の発泡壁紙は、ペーストを基材へ塗布した後に、水性インキによるグラビア印刷を用いて絵柄印刷層を形成し、加熱発泡と同時にエンボスロールにて加圧して凹凸形状を形成した後、冷却・乾燥させて発泡樹脂層を形成した。
(実施例3)
実施例3の発泡壁紙は、坪量が200[g/m]となるようにペーストを基材へ塗布した構成を除き、実施例2の発泡壁紙と同様に製造した。
(実施例4)
実施例4の発泡壁紙は、坪量が90[g/m]となるようにペーストを基材へ塗布した構成を除き、実施例2の発泡壁紙と同様に製造した。
(比較例1)
比較例1の発泡壁紙は、坪量が250[g/m]となるようにペーストを基材へ塗布した構成を除き、実施例2の発泡壁紙と同様に製造した。
(比較例2)
比較例2の発泡壁紙は、坪量が50[g/m]となるようにペーストを基材へ塗布した構成を除き、実施例2の発泡壁紙と同様に製造した。
(性能評価)
実施例の発泡壁紙と、比較例の発泡壁紙に対し、それぞれ、ボリューム感、発泡面の面荒れ状態(発泡面状態)、表面強度、耐圧性、総重量に対する性能試験を行った。
ボリューム感は、ダイヤルシクネスゲージを用いて厚さの測定を行い、厚さが500[μm]以上であるか否かで評価した(500[μm]以上を「○」、500[μm]未満を「×」)。
発泡面状態は、発泡表面の面荒れ状態を目視で観察し、面荒れの有無を評価した(面荒れ無しを「○」、面荒れ有りを「×」)。
表面強度は、壁紙工業会が制定した規格「表面強化壁紙性能規定」に準拠した試験により、引っ掻き時における表面の破損状態を目視で判定し、基材が1[cm]以上露出するか否かで評価した(露出しない場合を「○」、露出した場合を「×」)。
耐圧性は、発泡壁紙を10[cm]×10[cm]の面積にカットしてアクリル板と表面を合わせ、ブロッキングテスターを用いて500[g/cm]で荷重を24時間に亘って負荷する。その後、荷重を除いた時点から24時間が経過した後の厚さを測定し、厚さの回復率が90[%]以上であるか否かで評価した(回復率が90[%]以上を「○」、回復率が90[%]未満を「×」)。
総重量は、同じ面積にカットした発泡壁紙に対して重量を計測し、重量が300[g/m]以下であるか否かで評価した(重量が300[g/m]以下を「○」、重量が300[g/m]を超えている場合を「×」)。
Figure 2019085674
(評価結果)
表1中に表されるように、実施例の発泡壁紙は、比較例の発泡壁紙と比較して、ボリューム感、発泡面の面荒れ状態、表面強度、耐圧性、総重量の全てが高い性能であることが確認された。
1…発泡壁紙、2…基材、4…発泡樹脂層、6…絵柄印刷層、8…表面保護層、10…凹凸形状

Claims (7)

  1. 基材と、前記基材に積層した発泡樹脂層と、を備え、
    前記基材は、坪量が50g/m以上100g/m以下の範囲内であり、且つ厚さが80μm以上150μm以下の範囲内であり、
    前記発泡樹脂層は、坪量が80g/m以上200g/m以下の範囲内であり、且つ発泡倍率が3倍以上であり、
    前記基材の坪量と前記発泡樹脂層の坪量との合計が270g/m以下であり、
    前記基材の厚さと前記発泡樹脂層の厚さとの合計が500μm以上であることを特徴とする発泡壁紙。
  2. 前記発泡樹脂層の前記基材と対向する面と反対の面には、エンボス加工による凹凸形状が形成されていることを特徴とする請求項1に記載した発泡壁紙。
  3. 前記発泡樹脂層は、塩化ビニル系樹脂を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載した発泡壁紙。
  4. 前記塩化ビニル系樹脂の重合度は、1000以上であることを特徴とする請求項3に記載した発泡壁紙。
  5. 前記発泡樹脂層には、無機粉体が添加され、
    前記無機粉体の添加量は、前記塩化ビニル系樹脂100質量部に対して30質量部以上150質量部以下の範囲内であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載した発泡壁紙。
  6. 前記発泡樹脂層には、安定剤としてCa−Zn系金属石鹸が添加されていることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載した発泡壁紙。
  7. 基材と、前記基材に積層した発泡樹脂層と、を備える発泡壁紙の製造方法であって、
    前記基材の坪量を50g/m以上100g/m以下の範囲内とし、
    前記基材の厚さを80μm以上150μm以下の範囲内とし、
    前記発泡樹脂層の坪量を80g/m以上200g/m以下の範囲内とし、
    前記発泡樹脂層の発泡倍率を3倍以上とし、
    前記基材の坪量と前記発泡樹脂層の坪量との合計を270g/m以下とし、
    前記基材の厚さと前記発泡樹脂層の厚さとの合計を500μm以上として前記基材及び前記発泡樹脂層を形成することを特徴とする発泡壁紙の製造方法。
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