JP2816615B2 - 定着液およびそれを用いた処理方法 - Google Patents

定着液およびそれを用いた処理方法

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JP2816615B2 JP3277740A JP27774091A JP2816615B2 JP 2816615 B2 JP2816615 B2 JP 2816615B2 JP 3277740 A JP3277740 A JP 3277740A JP 27774091 A JP27774091 A JP 27774091A JP 2816615 B2 JP2816615 B2 JP 2816615B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料の処理方法に関し、特に黒白ハロゲン化銀感光材料の
迅速処理方法に適した定着処理に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷製版業界において、納期短
縮、作業効率向上のために、処理時間の短縮に対する要
請が高まっている。処理速度を早める目的で処理時間を
短縮すると特に定着工程では定着不良が発生し好ましく
ない。定着液スピード向上のために定着液の温度を上げ
ると、従来の酸性硬膜型定着液では、亜硫酸ガス、酢酸
ガスの発生量の増加により作業環境を著しく悪化させ
る。ガスの発生は定着液自身から発生するものだけでな
く、感材処理中に感材が持ち込んでくる現像液により発
生するアンモニアガスもある。このアンモニアガスは、
亜硫酸ガスと空気中で反応し硫安の白色結晶を自現機の
内壁に生じさせる。これらのことから臭気のみならず、
ガスによる周辺機器の腐食の問題をさけるため定着液の
温度はできるだけ低く設定されてきた。
【0003】また、定着スピード向上のために、定着槽
への補充液量を増加させることは、補充タンクのスペー
スの増加だけでなく、廃液量増加による公害問題をひき
おこすことになる。さらに定着槽における攪拌量の向
上、液循環量増加の方法もあるが、この場合は液の流出
口付近は定着性が向上するが、中央部では効果が薄れ
る。中央部での定着性をよくするためには循環量をかな
り多くする必要があり、両端では過剰となりエネルギー
的に無駄を生ずる。一方定着液組成の面から、定着速度
を早くするため、定着剤(通常はチオ硫酸塩)の濃度を
上げることは一般的であるが、(a)チオ硫酸塩濃度を
2モル/リットル以上にすると逆に定着が抑制される
(b)迅速処理のため水洗時間も短かくなるため、定着
剤濃度が高くなると水洗性が悪化し、残留ハイポ量が多
くなり画像保存性が悪くなる。(c)定着液、水洗水の
公害負荷が増加する。(d)定着液の濃縮化が困難とな
りコスト高となるなどの制約があり実用的には限界があ
る。感光材料についてはハロゲン化銀量を減らすことが
考えられるが、一般的に最大濃度の低下をもたらす。特
に印刷感光材料分野においては、減力作業があり、銀量
は2.0g/m2以上が好ましく、銀量の低減には限界が
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題に対
して本発明の目的は迅速処理においても良好な定着性を
有する迅速処理用定着液を提供することである。さらに
本発明は、有害なガスの発生が無く、作業環境の改善さ
れた迅速処理方法を提供することである。
【0005】本発明の上記目的は、定着剤のチオ硫酸塩
として使用液での濃度でチオ硫酸アンモニウムを0.1
モル/リットル以下チオ硫酸ナトリウムを0.5〜2.
0モル/リットル含有する定着液で、該定着液が濃縮液
(濃縮液:水の比率が1:0.5以上)で供給され、該
濃縮液のpH値が5.0以上、亜硫酸塩濃度が0.05
〜0.8モル/リットル、重亜硫酸塩濃度が0.15〜
0.3モル/リットル、水溶性アルミニウム塩が0.0
1モル/リットル以下であることを特徴とするハロゲン
化銀白黒感光材料用定着液により達成された。従来、迅
速処理用定着液には定着剤としてチオ硫酸アンモニウム
が用いられてきた。チオ硫酸アンモニウムはチオ硫酸ナ
トリウムに比べ定着スピードが速く、特に感材処理によ
り定着液が疲労した所でも充分な定着速度を有してお
り、好んで用いられて来た。しかしチオ硫酸アンモニウ
ムは、感材処理時にアンモニアガスの発生がありまた、
感材に付着した定着液が水洗槽へ持込まれることによる
水洗排水の含窒素化合物増加等の環境上の好ましくない
問題を有している。このことから定着液のアンモニアフ
リー化が望まれていた。そこで本発明者は鋭意研究した
結果、上記の方法によりチオ硫酸ナトリウムを使用して
も定着スピードがチオ硫酸アンモニウムより優れた定着
液を開発することができた。
【0006】チオ硫酸ナトリウムの濃度には好ましい範
囲が存在し、0.5〜2.0モル/リットルが好まし
く、0.7〜1.5モル/リットルがより好ましい。チ
オ硫酸ナトリウムの濃度は0.5モル/リットルより小
さい時も、2.0モル/リットルより大きい時も定着ス
ピードは遅くなる。チオ硫酸ナトリウムはチオ硫酸アン
モニウムよりも溶解度が低い。従って濃縮液が作りにく
く、また濃縮液が経時により硫化しやすい等の問題もあ
ったが、本発明者らは、濃縮液のpHを5.0以上と高く
設定しかつ亜硫酸塩濃度が、0.05〜0.8モル/リ
ットル、水溶性アルミニウム塩濃度を0.01モル/リ
ットル以下と低く抑えることにより、濃縮液の保存経時
での安定性が向上できることを見い出した。
【0007】pH値を従来の酸性硬膜定着液より高くする
ことにより亜硫酸ガス、酢酸ガスなどの酸性ガスの発生
をほとんど無くすことができ、同時にチオ硫酸塩の分解
による硫化も防止することができた。濃縮液におけるpH
値には好ましい範囲があり、pH=5.0以上が好まし
く、さらに5.5〜8.0がより好ましい。また、亜硫
酸塩の濃度としては0.05〜0.8モル/リットルが
好ましく、さらに0.1〜0.5モル/リットルがより
好ましい。水溶性アルミニウム塩としては、例えば塩化
アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明バンなどがあ
り、この中では硫酸アルミニウムが好ましく、使用量と
しては濃縮液中で0.01モル/リットル以下が好まし
くさらに0.005モル/リットル以下がより好まし
い。濃縮液の濃縮率としては、濃縮液:水の比率で1:
0.5以上が好ましく、1:0.5〜3.0がより好ま
しくさらに1:0.5〜2.0が最も好ましい。
【0008】定着液には所望により、保恒剤(例えば、
亜硫酸塩、重亜硫酸塩)、pH緩衝剤(例えば、酢酸、硼
酸)、pH調整剤(例えば、アンモニア、硫酸)、キレー
ト剤、界面活性剤、湿潤剤、定着促進剤を含むことがで
きる。界面活性剤としては、例えば硫酸化物、スルフォ
ン化物などのアニオン界面活性剤、ポリエチレン系界面
活性剤、特開昭57−6840号公報記載の両性界面活
性剤などが挙げられる。また、公知の消泡剤を添加して
もよい。湿膨率としては、例えばアルカノールアミン、
アルキレングリコールなどが挙げられる。定着促進剤と
しては、例えば特公昭45−35754号、同58−1
22535号、同58−122536号各公報記載のチ
オ尿素誘導体、分子内に3重結合を持つアルコール、米
国特許第4126459号記載のチオエーテル化合物な
どが挙げられる。また、pH緩衝剤としては、例えば酢
酸、リンゴ酸、こはく酸、酒石酸、クエン酸などの有機
酸、ほう酸、リン酸塩、亜硫酸塩などの無機緩衝剤が使
用できる。臭気、機器材料のサビ発生の抑制の点から無
機緩衝剤を用いるのが好ましい。
【0009】本発明においては上記の定着液を用いるこ
とに加えて、次の手段を用いることによって更に迅速な
定着処理を行うことができる。限られた定着液温度、お
よび時間の中で定着性能を向上させるためには感光材料
の乳剤面(以下単に乳剤面と呼ぶ)に対する相対的な定
着液の攪拌量をあげてやるのが有効である。相対的な定
着液の攪拌量を上げるため、単に液の循環量を多くする
だけでは、感材の搬送の方向に対し局部的にその攪拌効
果の強弱が発生する。乳剤面全体にその効果を発揮させ
るためには、感材自体をより早く定着液中を通過させる
ことが必要である。すなわち液循環速度、循環量とライ
ンスピードに最適値が存在する。この最適値としては定
着液循環速度が50〜200m/分、循環量が定着槽の
タンク容量の70〜200%、ラインスピードが15m
/秒以上の範囲である。さらに乳剤表面の攪拌量を上げ
るには、表面液膜を物理的に除去することが効果的で、
大サイズ感材で特に顕著である。表面液膜を物理的に除
去するには、ローラー対向型処理が最適であり、しかも
ローラー対の数が3〜10対が特に有効である。3対以
下では液膜除去効果が全くなく、10対以上では液膜除
去効果が飽和し、処理槽が大きくなり、駆動負荷が大き
くなるだけである。
【0010】本発明の定着液の温度としては35℃〜5
0℃と高く設定することができる。より好ましくは40
℃〜45℃であり、このように高温にしても有害なガス
の発生はほとんどない。また感材の膨潤厚み(25℃6
5%RHにおいて、水で膨潤させた時の膜厚から乾燥時
の膜厚を引いた値)は8.0μ以下と低く設定すること
により乾燥性を損なわずに定着スピードを速くすること
ができる。感材の膨潤厚としては2.0μ〜8.0μが
好ましくさらに2.5〜7.0μがより好ましい。定着
液は処理疲労によりその定着性が劣化するが、定着液の
疲労要因としてはハロゲン化銀の溶解による定着剤の消
費の他に、感材が現像液を持込むことによる定着能力の
低下がある。
【0011】自現機において、現像工程と定着工程との
間にリンス工程を設けて、現像液の持込み量を減らし、
定着液の疲労を防ぐ方法はすでに知られているが、その
リンス液としては水が使用されて来た。感材処理時に一
定量の水を流しているが、この水には現像液が含まれて
おり、廃液として回収することが望ましい。しかし、水
を流しているため回収すべき廃液量は極めて多量になっ
てしまうという欠点があった。そこで本発明者は鋭意検
討の結果本発明の定着液の廃液がリンス液として適して
いることを見い出した。すなわち、従来のチオ硫酸アン
モニウム型の定着液では、リンス部での多量のアンモニ
アガスの発生で使用不可であるが、本発明のチオ硫酸ナ
トリウム型の定着液ではアンモニアガスの発生は皆無で
あり、また定着液による現像停止効果により感材に発生
するクロスオーバー部でのカブリ、ムラを防止すること
ができた。
【0012】本発明の定着液は定着性能が優れており、
補充量を少なく抑えることができる。感材1m2当りの定
着液の補充量としては300ml/m2以下が好ましくさら
に200ml/m2以下でより顕著に本発明の効果があらわ
れる。この時使用する感材の塗布銀量としては2.0〜
5.0g/m2が好ましく2.5〜4.0g/m2がより好
ましい。本発明で感光材料を現像処理する際の現像液に
は、通常用いられる添加剤(例えば、現像主薬、アルカ
リ剤、pH緩衝剤、保恒剤、キレート剤)を含有すること
ができる。本発明の現像処理には、公知の方法のいずれ
を用いることもできるし、現像処理液には公知のものを
用いることができる。本発明に使用する現像液に用いる
現像主薬には特別な制限はないが、ジヒドロキシベンゼ
ン類を含むことが好ましく、更に現像能力の点でジヒド
ロキシベンゼン類と1−フェニル−3−ピラゾリドン類
の組合せまたはジヒドロキシベンゼン類とp−アミノフ
ェノール類の組合せが好ましい。
【0013】本発明に用いるジヒドロキシベンゼン現像
主薬としてはハイドロキノン、クロロハイドロキノン、
イソプロピルハイドロキノン、メチルハイドロキノンな
どがあるが、特にハイドロキノン類が好ましい。本発明
に用いる1−フェニル−3−ピラゾリドン又はその誘導
体の現像主薬としては1−フェニル−3−ピラゾリド
ン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリド
ン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル
−3−ピラゾリドンなどがある。本発明に用いるp−ア
ミノフェノール系現像主薬としてはN−メチル−p−ア
ミノフェノール、p−アミノフェノール、N−(β−ヒ
ドロキシエチル)−p−アミノフェノール、N−(4−
ヒドロキシフェニル)グリシン等があるが、なかでもN
−メチル−p−アミノフェノールが好ましい。ジヒドロ
キシベンゼン系現像主薬は通常0.05モル/リットル
〜0.8モル/リットルの量で用いられるのが好まし
い。またジヒドロキシベンゼン類と1−フェニル−3−
ピラゾリドン類もしくはp−アミノフェノール類の組合
せを用いる場合には前者を0.05モル/リットル〜
0.5モル/リットル、後者を0.06モル/リットル
以下の量で用いるのが好ましい。
【0014】本発明に用いる保恒剤としては亜硫酸ナト
リウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸アン
モニウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウ
ム、ホルムアルデヒド重亜硫酸ナトリウムなどがある。
亜硫酸塩は0.20モル/リットル以上、特に0.3モ
ル/リットル以上用いられるが、余りに多量添加すると
現像液中で沈澱して液汚染を引き起こすので、上限は
1.2モル/リットルとするのが望ましい。pHの設定の
ために用いるアルカリ剤には通常の水溶性無機アルカリ
金属塩(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム)を用いることができる。
上記の以外に用いられる添加剤としては、臭化ナトリウ
ム、臭化カリウムの如き現像抑制剤;エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ジメチルホルムアミドの如き有機溶剤;ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、
イミダゾール又はその誘導体等の現像促進剤;1−フェ
ニル−5−メルカプトテトラゾール等のメルカプト系化
合物、5−ニトロインダゾール等のインダゾール系化合
物、ベンゾトリアゾール系化合物をカブリ防止剤又は黒
ポツ(black pepper) 防止剤として含みさらに必要に応
じて色調剤、界面活性剤、消泡剤、硬水軟化剤、硬膜剤
等を含んでもよい。また、現像ムラ防止剤として特開昭
62−212651号記載の化合物、溶解助剤として特
開昭61−267759号記載の化合物を用いることが
できる。
【0015】本発明に用いられる現像液には、緩衝剤と
して特開昭62−186259に記載のホウ酸、特開昭
60−93433に記載の糖類(例えばサッカロー
ス)、オキシム類(例えばアセトオキシム)、フェノー
ル類(例えば5−スルホサリチル酸)、第3リン酸塩
(例えばナトリウム塩、カリウム塩)などが用いられ、
好ましくはホウ酸が用いられる。処理液の輸送コスト、
包装材料コスト、省スペース等の目的で、処理液を濃縮
化し、使用時に希釈して用いるようにすることは好まし
いことである。現像液の濃縮化のためには、現像液に含
まれる塩成分をカリウム塩化することが有効である。現
像、定着処理が済んだ感光材料は、次いで水洗または安
定化処理される。水洗または安定化処理は、ハロゲン化
銀感光材料1m2当り、3リットル以下の補充量(0も含
む、すなわちため水水洗)で行うこともできる。すなわ
ち、節水処理が可能となるのみならず、自現機設置の配
管を不要とすることができる。水洗を少量の水で行う場
合は、特開昭63−18350号、同62−28725
2号などに記載のスクイズローラー、クロスオーバーロ
ーラーの洗浄槽を設けることがより好ましい。また、少
量水洗時に問題となる公害負荷低減のために種々の酸化
剤添加やフィルター濾過を組み合わせてもよい。更に、
本発明の方法で水洗または安定化浴に防黴手段を施した
水を処理に応じて補充することによって生ずる水洗又は
安定化浴からのオーバーフロー液の一部又は全部は特開
昭60−235133号に記載されているようにその前
の処理工程である定着能を有する処理液に利用すること
もできる。また、少量水洗時に発生し易い水泡ムラ防止
および/またはスクイズローラーに付着する処理剤成分
が処理されたフィルムに転写することを防止するために
水溶性界面活性剤や消泡剤を添加してもよい。また、感
光材料から溶出した染料による汚染防止に、特開昭63
−163456号記載の色素吸着剤を水洗槽に設置して
もよい。
【0016】また、前記水洗処理に続いて安定化処理す
る場合もあり、その例として特開平2−201357
号、同2−132435号、同1−102553号、特
開昭46−44446号に記載の化合物を含有した浴を
感光材料の最終浴として使用してもよい。この安定浴に
も必要に応じてアンモニウム化合物、Bi、Alなどの
金属化合物、蛍光増白剤、各種キレート剤、膜pH調節
剤、硬膜剤、殺菌剤、防かび剤、アルカノールアミンや
界面活性剤を加えることもできる。水洗工程もしくは安
定化工程に用いられる水としては水道水のほか脱イオン
処理した水やハロゲン、紫外線殺菌灯や各種酸化剤(オ
ゾン、過酸化水素、塩素酸塩など)等によって殺菌され
た水を使用することが好ましい。本発明の現像処理で
は、現像時間が25秒以下、好ましくは6秒〜15秒、
その現像温度は25℃〜50℃が好ましく、30℃〜4
0℃がより好ましい。水洗または安定浴温度及び時間は
0〜50℃がより好ましい。本発明の方法によれば、現
像、定着及び水洗(又は安定化)された写真材料は水洗
水をしぼり切る、すなわちスクイズローラーを経て乾燥
される。乾燥は約40℃〜約100℃で行なわれ、乾燥
時間は周囲の状態によって適宜変えられる。
【0017】本発明の感光材料に用いるハロゲン化銀乳
剤には、ハロゲン化銀として、臭化銀、沃臭化銀、塩化
銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀等の通常のハロゲン化銀乳剤
に使用される任意のものを用いることができ、好ましく
は、ネガ型ハロゲン化銀乳剤として60モル%以上の塩
化銀を含む塩臭化銀またはポジ型ハロゲン化銀として6
0モル%以上の臭化銀を含む塩臭化銀、臭化銀、沃臭化
銀である。ハロゲン化銀粒子は、酸性法、中性法及びア
ンモニア法のいずれで得られたものでもよい。ハロゲン
化銀粒子は、粒子内において均一なハロゲン化銀組成分
布を有するものでも、粒子の内部と表面層とでハロゲン
化銀組成が異なるコア/シェル粒子であってもよく、潜
像が主として表面に形成されるような粒子であっても、
また主として粒子内部に形成されるような粒子でもよ
い。本発明に係るハロゲン化銀粒子の形状は任意のもの
を用いることができる。好ましい1つの例は、{10
0}面を結晶表面として有する立方体である。又、米国
特許4,183,756号、同4,225,666号、
特開昭55−26589号、特公昭55−42737号
等や、ザ・ジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サ
イエンス(J.Photgr.Sci.)、21〜39(1973)等
の文献に記載された方法により、8面体、14面体、1
2面体等の形状を有する粒子をつくり、これを用いるこ
ともできる。更に、双晶面を有する粒子を用いてもよ
い。本発明に係るハロゲン化銀粒子は、単一の形状から
なる粒子を用いてもよいし、種々の形状の粒子が混合さ
れたものでもよい。本発明において、単分散乳剤が好ま
しい。単分散乳剤中の単分散のハロゲン化銀粒子として
は、平均粒径γを中心に±10%の粒径範囲内に含まれ
るハロゲン化銀重量が、全ハロゲン化銀粒子重量の60
%以上であるものが好ましい。
【0018】本発明の乳剤に用いられるハロゲン化銀粒
子は、粒子を形成する経過及び/又は成長させる過程
で、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジ
ウム塩又は錯塩、ロジウム塩又は錯塩、鉄塩又は錯塩を
用いて金属イオンを添加し、粒子内部に及び/又は粒子
表面に包含させる事ができる。本発明で用いる写真乳剤
は、硫黄増感、金・硫黄増感の他、還元性物質を用いる
還元増感法:貴金属化合物を用いる貴金属増感法などを
併用することもできる。感光性乳剤としては、前記乳剤
を単独で用いてもよく、二種以上の乳剤を混合してもよ
い。本発明の実施に際しては、上記のような化学増感の
終了後に、例えば、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラザインデン、5−メルカプト−1
−フェニルテトラゾール、2−メルカプトベンゾチアゾ
ール等を始め、種々の安定剤も使用できる。更に必要で
あればチオエーテル等のハロゲン化銀溶剤、又はメルカ
プト基含有化合物や増感色素のような晶癖コントロール
剤を用いてもよい。本発明において、特に印刷用感光材
料の場合テトラゾリウム化合物、ヒドラジン化合物、あ
るいはポリアルキレンオキサイド化合物等のいわゆる硬
調化剤、を添加した感光材料に対して好ましい効果を示
す。
【0019】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
おいて写真乳剤は、増感色素によって比較的長波長の青
色光、緑色光、赤色光または赤外光に分光増感されても
良い。用いられる色素には、シアニン色素、メロシアニ
ン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホ
ロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル
色素、及びヘミオキソノール色素等が包含されう。これ
らの増感色素は単独で用いてもよく、又これらを組合せ
て用いてもよい。増感色素の組合せは特に、強色増感の
目的でしばしば用いられる。本発明に係るハロゲン化銀
写真感光材料には、親水性コロイド層にフィルター染料
として、あるいはイラジエーション防止、ハレーション
防止その他種々の目的で水溶性染料を含有してよい。こ
のような染料には、オキソノール染料、ヘミオキソノー
ル染料、スチリル染料、メロシアニン染料、シアニン染
料及びアゾ染料等が包含される。中でもオキソノール染
料;ヘミオキソノール染料及びメロシアニン染料が有用
である。用い得る染料の具体例は西独特許616,00
7号、英国特許584,609号、同1,117,42
9号、特公昭26−7777号、同39−22069
号、同54−38129号、特開昭48−85130
号、同49−99620号、同49−114420号、
同49−129537号、PBレポート74175号、
フォトグラフィック・アブストラクト(Photo.Abstr.)
128(’21)等に記載されているものである。特に
明室返し感光材料においてはこれらの染料を用いるのが
好適である。本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
おいて、親水性コロイド層に染料や紫外線吸収剤等が包
含される場合に、それらはカチオン性ポリマー等によっ
て媒染されてもよい。
【0020】上記の写真乳剤には、ハロゲン化銀写真感
光材料の製造工程、保存中或いは処理中の感度低下やカ
ブリの発生を防ぐために種々の化合物を添加することが
できる。又、ポリマーラテックスをハロゲン化銀乳剤
層、バッキング層に含有させ、寸法安定性を向上させる
技術も、用いることができる。これらの技術は、例えば
特公昭39−4272号、同39−17702号、同4
3−13482号、等に記載されている。本発明に用い
る感光材料のバインダーとしてはゼラチンを用いるが、
ゼラチン誘導体、セルロース誘導体、ゼラチンと他の高
分子のグラフトポリマー、それ以外の蛋白質、糖誘導
体、セルロース誘導体、単一或いは共重合体の如き合成
親水性高分子物質等の親水性コロイドも併用して用いる
ことができる。
【0021】本発明の感光材料には、更に目的に応じて
種々の添加剤を用いることができる。これらの添加剤
は、より詳しくは、リサーチディスクロージャー第17
6巻Item 17643(1978年12月)及び同18
7巻Item 18716(1979年11月)に記載され
ており、その該当個所を後掲の表にまとめて示した。 添加剤種類 R17643 RD18716 1.化学増感剤 23頁 648頁右欄 2.感度上昇剤 同 上 3.分光増感剤 23〜24頁 648頁右欄〜 強色増感剤 649頁右欄 4.増 白 剤 24頁 5.かぶり防止剤 24〜25頁 649頁右欄 及び安定剤 6.光吸収剤、フィルター 25〜26頁 649右欄〜 染料、紫外線吸収剤 650左欄 7.ステイン防止剤 25頁右欄 650頁左〜右欄 8.色素画像安定剤 25頁 9.硬 膜 剤 26頁 651頁左欄 10.バインダー 26頁 同 上 11.可塑剤、潤滑剤 27頁 650右欄 12.塗布助剤・表面活性剤 26〜27頁 同 上 13.スタチック防止剤 27頁 同 上
【0022】本発明の感光材料に用いられる支持体に
は、α−オレフィンポリマー(例えばポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン/ブテン共重合体)等をラミネ
ートした紙、合成紙等の可撓性反射支持体、酢酸セルロ
ース、硝酸セルロース、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト、
ポリアミド等の半合成又は合成高分子からなるフィルム
や、これらのフィルムに反射層を設けた可撓性支持体、
金属などが含まれる。中でもポリエチレンテレフタレー
トが特に好ましい。本発明に用いることができる下引き
層としては特開昭49−3972号記載のポリヒドロキ
シベンゼン類を含む有機溶剤系での下引き加工層、特開
昭49−11118号、同52−104913号、等に
記載の水系ラテックス下引き加工層が挙げられる。
【0023】又、該下引き層は通常、表面を化学的ない
し物理的に処理することができる。該処理としては薬品
処理、機械的処理、コロナ放電処理、などの表面活性化
処理が挙げられる。本発明は、印刷用、X−レイ用、一
般ネガ用、一般リバーサル用、一般ポジ用、直接ポジ用
等の各種感光材料に適用することができる。
【0024】本発明に用いられる処理液は特開昭61−
73147号に記載された酸素透過性の低い包材で保管
することが好ましい。補充量を低減する場合には処理槽
の空気との接触面積を小さくすることによって液の蒸
発、空気酸化を防止することが好ましい。ローラー搬送
型の自動現像機については米国特許第3025779号
明細書、同第3545971号明細書などに記載されて
おり、本明細書においては単にローラー搬送型プロセッ
サーとして言及する。ローラー搬送型プロセッサーは現
像、定着、水洗及び乾燥の四工程からなっており、本発
明の方法も、他の工程(例えば、停止工程)を除外しな
いが、この四工程を踏襲するのが最も好ましい。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1 乳剤Aの調製 40℃に保ったゼラチン水溶液中に、硝酸銀水溶液およ
び銀1モルあたり3×10-8モルのK3 IrCl6 およ
び、3×10-7モルの(NH4 3 RhCl6 を含む塩
化ナトリウム、臭化ナトリウムの水溶液を同時に30分
間加え、その間の電位を200mVに保つことにより平均
粒径0.15μmの単分散塩臭化銀乳剤を調製した。こ
の乳剤に銀1モルあたり、0.1モル%沃化カリ水溶液
を添加しコンバージョンを行った後、フロキュレーショ
ン法により脱塩を行い、ゼラチンに分散させて乳剤Aを
調製した。(AgCl69.9Br300.1 、分散係数10
%)。この乳剤に、ハイポとN,Nジメチルセレノ尿素
を添加し、60℃に保って、化学熟成を施した後、安定
剤として4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,
7−テトラザインデンの1%の溶液を銀1モルあたり3
0ml加えた。これらの乳剤1Kgに、赤外増感色素として
下記構造式の化合物を用いて、その0.05%溶液を
60ml加えて赤外域の増感を行った。この乳剤に強色増
感および安定化のために4,4′−ビス−〔4,6−ジ
(ナフトキシ−ピリミジン−2−イルアミノ〕−スチル
ベン−2,2′−ジスルホン酸ジナトリウム塩の0.5
%メタノール溶液50mlと2,5−ジメチル−3−アリ
ル−ベンゾチアゾールヨード塩の0.5%メタノール溶
液90ml更に臭化カリウムの1%水溶液を15ml加え
た。
【0026】さらにハイドロキノン100mg/m2、ポリ
マーラテックスとしてポリエチルアクリレートをゼラチ
ンバインダー比25%、硬膜剤として2−ビス(ビニル
スルホニルアセトアミド)エタンを添加し、PET支持
体上に銀3.5g/m2になるように塗布した。ゼラチン
は1.3g/m2であった。この上にゼラチン0.6g/
m2、マット剤として粒径3〜4μのポリメチルメタクリ
レート60mg/m2、粒径10〜20mμのコロイダルシ
リカ40mg/m2、シリコーンオイル100mg/m2、下記
構造式の染料20mg/m2、の染料10mg/m2を添加
し、塗布助剤としてドデシルベンゼンスルフォン酸ナト
リウム塩、下記構造式のフッ素系界面活性剤を添加し
た保護層および支持体裏面にゼラチン0.7g/m2、ポ
リエチルアクリレートラテックス225mg/m2、下記構
造式の染料を70mg/m2、及びマット剤として平均粒
径5μのポリメチルメタクリレート40mg/m2、および
塗布助剤としてドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
ム塩及びを2mg/m2を添加したバック層を同時に塗布
し、感光材料を作製した。
【0027】
【化1】
【0028】このようにして作製した感光材料に、露光
を与えずに下記の現像液、定着液および自現機を用いて
処理した。自現機の定着液槽、水洗水槽は同型で対向ロ
ーラー数は7対である。処理感材のサイズは20×24
インチを用いた。定着ヌケの評価に先立ち、定着液を疲
労液状態とするために、前述の感材を300枚処理し
た。自現機の定着液槽の容量は18.5リットルで、感
材処理中に定着液の補充は行なわず、処理疲労液を調整
した。また、処理中に自現機内でのSO2 ガス、NH3
ガスの濃度を市販のガス検知管(SO2 :ガステック
(株)製検知管、NH3 光明理化学工業(株)製ガス検
知管)を用いて測定した。
【0029】 (現像液) g/リットル(使用液) 水酸化カリウム 24 亜硫酸カリウム 70 ジエチレントリアミン五酢酸 2.4 ホウ酸 10 ヒドロキノン 35 ジエチレングリコール 11.2 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル −3−ピラゾリドン 2.5 5−メチルベンゾトリアゾール 0.06 pH 10.65
【0030】 (定着液:濃縮液の処方) チオ硫酸ナトリウム 使用液にて表1記載の濃度に なるよう濃縮液を調製した。 チオ硫酸アンモニウム 〃 酢酸ナトリウム 0.18モル/リットル 亜硫酸ナトリウム 0.16モル/リットル メタ重亜硫酸ナトリウム 0.15モル/リットル エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・二水塩 0.1 g/リットル 水酸化ナトリウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムで表1記
載のpH値になるよう調製した。濃縮率は上記濃縮液:水
の比率で表わし、表1に記載した。従って使用液は上記
比率で水を加えたものを使用した。液の経時安定性は、
濃縮液をポリエチレン製のビンに入れ密栓したものを5
0℃で2週間経時させた後、硫黄の沈殿の有無(硫化)
を目視で観察した。硫化の評価は ○ … 硫化は認められず、液は無色透明 △ … 沈殿は無いが液が黄色に着色 × … 硫化した。硫黄による黄色沈殿が発生 とした。
【0031】定着ヌケの評価は20×24インチサイズ
の試料において ○ … 定着良好 △ … 一部分でも定着不良の発生しているもの × … 全面定着不良 とした。 (自現機の処理条件) 定着時間 20秒 ラインスピード(mm/秒) 28 定着液循環速度(m/分) 48 定着液循環量(%) 54 ローラー対数 7 現像液温度は38℃、定着液温度は37℃に設定した。
定着処理結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1より明らかな様に、本発明の定着液は
SO2 ガス、NH3 ガスの発生がいずれも極めて少なく
液の経時安定性、定着ヌケとも良好であることがわか
る。チオ硫酸ナトリウムはチオ硫酸アンモニウムに比べ
本発明の濃度、pH範囲内では定着ヌケがすぐれており、
かつ液の経時安定性が良好であることがわかる。pH値は
5.0より低いとSO2 ガスの発生が増加し、チオ硫酸
アンモニウムの濃度が高いとNH3 ガスの発生が起りpH
値を上げるとNH3 ガスが顕著に増加して好ましくない
ことがわかる。
【0034】実施例2 実施例1で作成した感光材料を用い、実施例1と同様に
処理疲労液を作成した。現像液は実施例1と同じものを
使用したが、定着液は下記組成のものを調製して用い
た。自現機はライン・スピード、定着液循環速度、循環
量は可変となる様設計したものを用いた。定着液槽、水
洗水槽は同型である。処理感材のサイズは20×24イ
ンチを用いた。
【0035】 (定着液:濃縮液処方) チオ硫酸ナトリウム 2.0モル/リットル メタ重亜硫酸ナトリウム 0.2モル/リットル 亜硫酸ナトリウム 表2記載の添加量 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・二水塩 0.1 g/リットル 硫酸アルミニウム 表2記載の添加量 水酸化ナトリウムでpHを6.0に調整 濃縮率は1:1である。使用液調製時には上記濃縮液と
水とを1:1の比率で希釈した。
【0036】 (自現機の処理条件) (1) (2) (3) (4) 定着時間 10″ 10″ 10″ 10″ ラインスピード(mm/秒) 15 25 25 25 定着液循環速度(m/分) 50 50 150 150 定着液循環量(%) 70 70 70 160 ローラー対数 5 5 5 5 現像は38℃15秒、定着は37℃、Dry to Dryのトー
タル処理時間は50秒で処理した。残留銀量は試料中央
部における銀量測定値を記載した。結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】表2より明らかな様に本発明の水準は液の
経時性、定着ヌケとも優れていることがわかる。亜硫酸
ナトリウムの濃度は低すぎると液の経時安定性を損ね、
多すぎると定着ヌケが悪化する。また、アルミニウムの
量を増やすと液中でAlの析出が起き、かつ液の経時性
が悪化しさらに定着ヌケを悪くする。自現機の条件は
〔請求項2〕の範囲内にあるとき残留銀量が少なく定着
ヌケがさらに好ましいことがわかる。
【0039】実施例3 乳剤の調製 水1リットル中にゼラチン30g、臭化カリ6gを加え
60℃に保った容器中に攪拌しながら硝酸銀水溶液(硝
酸銀として5g)と沃化カリ0.15gを含む臭化カリ
水溶液を1分間かけてダブルジェット法で添加した。さ
らに硝酸銀水溶液(硝酸銀として145g)と沃化カリ
2.1gを含む臭化カリ水溶液をダブルジェット法で添
加した。この時の添加流速は、添加終了時の流速が、添
加開始時の5倍となるように流量加速をおこなった。添
加終了後、沈降法により35℃にて可溶性塩類を除去し
たのち40℃に昇温してゼラチン75gを追添し、pHを
6.7に調整した。得られた乳剤は投影面積直径が0.
98μm、平均厚み0.138μmの平板状粒子であっ
た。この乳剤に、金、イオウ増感を併用して化学増感を
ほどこした。
【0040】写真材料の調製 表面保護層として、ゼラチンの他に平均分子量8000
のポリアクリルアミド、ポリスチレンスルホン酸ソー
ダ、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒子サイズ
3.0μm)、ポリエチレンオキサイド、および硬膜剤
などを含有したゼラチン水溶液を用いた。上記乳剤に増
感色素としてアンヒドロ−5,5′−ジクロロ−9−エ
チル−3,3′−ジ(3−スルフォプロピル)オキサカ
ルボシアニンハイドロオキサイドナトリウム塩を500
mg/1モルAgの割合で、沃化カリを200mg/1モルAg
の割合で添加した。さらに安定剤として4−ヒドロキシ
−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンと
2,6ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ
−1,3,5−トリアジンおよびニトロン、乾燥カブリ
防止剤としてトリメチロールプロパン、塗布助剤、硬膜
剤を添加して塗布液とし、ポリエチレンテレフタレート
支持体の両側に各々表面保護層と同時に塗布乾燥するこ
とにより、写真材料を作成した。この写真材料の塗布銀
量は3.5g/m2である。乳剤面の膜厚は4.0μで膨
潤厚は表3の値になるよう硬膜剤の量を調整した。現像
液および定着液は下記処方のものを用いた。
【0041】 (現像液) 1,2−ジヒドロキシベンゼン−3,5−ジスルホン酸ソーダ 0.5g ジエチレントリアミン−五酢酸 2.0g 炭酸ナトリウム 5.0g ホウ酸 10.0g 亜硫酸カリウム 85.0g 臭化ナトリウム 6.0g ジエチレングリコール 40.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.2g ハイドロキノン 30.0g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3− ピラゾリドン 1.6g 2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−2−チオキソ−4− (1H)−キナゾリノン 0.09g 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 0.3g 水酸化カリウムを加え、水を加えて1リットルとし pHを10.7に合わせる。 1リットル
【0042】 (定着液:濃縮液処方) A B C D チオ硫酸ナトリウム 2.0モル 〃 〃 − チオ硫酸アンモニウム − − 0.5モル 2.0モル 亜硫酸ナトリウム 0.2モル 〃 〃 〃 メタ重亜硫酸ナトリウム 0.3モル 〃 〃 〃 エチレンジアミン四酢酸 二ナトリウム・二水塩 0.1g 〃 〃 〃 下記化合物 − 0.2モル − − 水を加えて1リットル 水酸化ナトリウムを加えてpH=6.0に合わせる。 上記定着液は濃縮液であり、使用液としては濃縮液:水
=1:1の比率で希釈して用いた。
【0043】
【化2】
【0044】自現機の処理条件としては下記の様に設定
した。 (自現機の処理条件) 定着時間 16″ ラインスピード(mm/秒) 20 定着液循環速度(m/min ) 110 定着液循環量(%) 125 ローラー対 6 現像液の温度は38℃、現像時間15″、定着液の温度
は表3に記載した。定着ヌケの評価に先立ち、前述の定
着液A、B、C、Dを定着液温度38℃において、20
×24インチサイズの感材を表3記載の定着液補充量で
500枚処理(定着槽の容量は11リットル)した。こ
のようにして調製した疲労液を、定着の温度を変えるこ
とにより定着ヌケを評価した。処理中に発生するガス濃
度の測定は実施例1と同様に行なった。結果を表3に示
す。
【0045】
【表3】
【0046】表3より明らかな様に本発明の水準はNH
3 ガスの発生が少なく定着ヌケ、液の保存経時での安定
性(硫化)ともに優れていることがわかる。SO2 ガス
はいずれの水準もほとんど0であった。本発明の定着液
は定着温度を上げてもNH3 ガスの発生は無く、定着ス
ピードの向上が得られる。また、補充量を少なくした所
では、本発明の定着液の定着ヌケはさらに顕著な効果が
みられる。
【0047】実施例4 硝酸銀水溶液と臭化カリウム、沃化カリウム水溶液を、
アンモニアの存在下でpAg を7.9に保ちつつダブルジ
ェット法により混合し、平均粒子サイズ0.2ミクロン
の単分散立方体の沃臭化銀乳剤(沃化銀2.0モル%、
臭化銀98.0モル%)を作った。この沃化銀乳剤に化
学熟成として、チオ硫酸ナトリウム3×10-5モル/モ
ルAg添加し硫酸増感を施した。この乳剤に、増感色素
「5,5′−ジクロロ−3,3′−ジ(3−スルホプロ
ピル)−9−エチル−オキサカルボシアニンナトリウム
塩」を、銀1モルあたり6×10-4モル添加して分光増
感した。さらに安定剤として4−ヒドロキシ−6−メチ
ル−1,3,3a,7−テトラザインデンを塗布助剤と
して下記化合物を添加し、C17H33CON(CH3)-CH2CH2SO3N
a、ビニルスルホン系硬化剤としてCH2=CHSO2CH2CONH(CH
2) n NHCOCH2SO2CH=CH2(n=2,3)を添加し、増粘
剤としてポリスチレンスルホン酸ソーダを、ラテックス
ポリマーとしてポリエチルアクリレートの分散物を0.
30g/m2および下記化合物を0.40g/m2になる
ように添加した。さらにカブリ防止剤としてハイドロキ
ノンを1g、1−フェニルメルカプトテトラゾールを
0.1gそれぞれ銀1モル当り添加したのち、ヒドラジ
ン化合物として下記化合物を6.0×10-4モル/モ
ルAg、化合物を0.5g/モルAg加えた。
【0048】
【化3】
【0049】保護層としては、ゼラチン、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ソーダ、シリコーンオイル、フッ素系界
面活性剤、コロイダルシリカ、ポリエチルアクリレート
の分散物、ポリメチルメタクリレート(粒径2.5μ)
のマット剤およびポリスチレンスルホン酸ソーダの増粘
剤からなるゼラチン水溶液をゼラチン塗布量が0.7g
/m2になるよう、また、乳剤は塗布銀量として3.6g
/m2になるよう乳剤層と保護層を同時塗布した。これら
の試料は露光を与えずに、下記処方の現像液および実施
例3で使用した定着液−B、Dと同じ定着液を用いて処
理した。
【0050】 (現像液処方) ハイドロキノン 50.0g Nメチル−p−アミノフェノール1′/2硫酸塩 0.3g 水酸化ナトリウム 18.0g 5−スルホサリチル酸 45.0g 亜硫酸カリウム 110.0g エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 1.0g 臭化カリウム 10.0g 5−メチルベンゾトリアゾール 0.4g 2−メルカプトベンゾイミダゾール−5−スルホン酸 0.3g 3−(5−メルカプトテトラゾール)−ベンゼンスルホン酸 ナトリウム 0.2g N−n−ブチルジエタノールアミン 15.0g トルエンスルホン酸ナトリウム 8.0g 水を加えて 1リットル 1リットル pH=11.6に合わせる(水酸化カリウムを加えて)
【0051】自動現像機は富士写真フイルム(株)社製
FG−360Aを改造して使用した。FG−360Aは
現像〜定着間にリンス槽およびリンスローラー(2枚)
を有する構造になっており、改造した所は駆動系のギヤ
比変更による線速増加である。リンス槽のリンス液とし
ては、水(ため水の状態で)および定着液の廃液を用い
て実験を行なった。現像は38℃10秒、定着は37℃
10秒、リンスは25℃ Dry to Dry のトータル時間は
45秒で処理した。感材は露光を与えずに四ッ切りサイ
ズで処理し、Fog、タレムラ等を処理ムラとして評価
した。処理ムラの評価は ○ … 処理ムラ発生なく良好 △ … 試料の周辺部等に若干のFogムラが認められ
るもの × … 広い範囲にわたり強くFogムラが認められる
もの とした。結果を表4に示す。
【0052】
【表4】
【0053】表4より明らかな様に、本発明の定着液は
現像〜定着間のリンス液として使用してもNH3 ガスの
発生および処理ムラの発生がなく良好であることがわか
る。リンス槽に水を供給すると廃液として回収しなけれ
ばならず、廃液量が極めて増大するが、定着廃液を利用
することができればトータルの廃液量の増加はわずかで
あり、廃液の回収経費の節減のみならず環境保全にも有
利である。
【0054】
【発明の効果】本発明の定着液は、保存時、あるいは現
像から定着のプロセスにおいて、アンモニアが発生しな
い安定な定着液である。また処理ムラがなく、廃液量が
わずかですむ経済的に優れた定着液である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定着剤のチオ硫酸塩として使用液での濃
    度でチオ硫酸アンモニウムを0.1モル/リットル以下
    チオ硫酸ナトリウムを0.5〜2.0モル/リットル含
    有する定着液で、該定着液が濃縮液(濃縮液:水の比率
    が1:0.5以上)で供給され、該濃縮液のpH値が
    5.0以上、亜硫酸塩濃度が0.05〜0.8モル/リ
    ットル、重亜硫酸塩濃度が0.15〜0.3モル/リッ
    トル、水溶性アルミニウム塩が0.01モル/リットル
    以下であることを特徴とするハロゲン化銀白黒感光材料
    用定着液。
  2. 【請求項2】 請求項(1)記載の定着液を用い、自動
    現像機により定着時間が19秒以下、定着液の循環速度
    が50〜200m/分、1分間あたりの循環量が定着槽
    のタンク容量の70〜200%であり、かつラインスピ
    ードが15mm/秒以上であることを特徴とする処理法
    方。
  3. 【請求項3】 請求項(2)において定着液の温度が3
    8℃〜50℃で、感材の乳剤面側の膨潤厚みが2.0〜
    8.0μであるような感材を処理することを特徴とする
    処理方法。
  4. 【請求項4】 請求項(2)において、現像工程と定着
    工程との間にリンス槽を有する自動現像機を用い、リン
    ス槽に供給するリンス液として定着液の廃液を使用する
    ことを特徴とする処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項(2)において感材1m当たり
    の定着液の補充量が300ml/m以下でありかつ感
    材の塗布銀量が、2.0〜5.0g/mであることを
    特徴とする処理方法。
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