JP2811504B2 - ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびその処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびその処理方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびそ
の処理方法に関し、更に詳しくは均一な水混和性有機溶
媒溶液から色素画像形成カプラーを析出させることによ
って得られる微粒子分散物を含有したハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料およびその処理方法に関する。
[発明の背景] 近年、当業界においては、感光材料の迅速処理化が望
まれている。
感光材料は、通常は各現像所に設けられた自動現像機
で連続処理することが行われているが、ユーザーに対す
るサービス向上の一環として、現像受付日のその日の内
に現像処理してユーザーに返却することが要求され、近
時においては更に、受付から数時間で返却することさえ
も要求されるようになり、益々迅速処理の必要性が高ま
っている。更に、処理時間の短縮は生産効率の向上とな
り、コスト低減が可能となることからも、迅速処理の開
発が急がれている。
これに対して、高濃度の塩化銀からなるハロゲン化銀
粒子を含有する感光材料を使用する技術(例えば、特開
昭58−95345号、同58−95736号、同60−19140号に記
載)は、特に優れた迅速化性能を与えるものであり、近
年、カラーペーパー等の直接鑑賞用感光材料において実
用化されている。
このように、感光材料の現像処理時間の短縮による処
理の迅速化がはかられてきたが、さらなる迅速化の要望
に答えるためには現像処理時間の短縮のみでは不十分で
あり、特に、処理後の乾燥時間の短縮が望まれている。
また、市場において自動現像機で感光材料を処理する場
合、自動現像機が高温高湿下におかれるとしばしば仕上
り感光材料の乾燥不良が発生するという問題があり、こ
の面からも感光材料の乾燥性の向上が強く望まれてい
る。
感光材料の処理後の乾燥性を向上させるには、感光材
料に塗布されるゼラチンの量を減ずることが有効である
が、大巾に塗布ゼラチン量を減少させて乾燥性の向上を
図ろうとすると、画像の保存中に親油性微粒子を構成す
る成分の一部が写真構成層の表面に移動する発汗現象
(以下発汗という。)を起こして画質の大幅な劣化を招
きやすくなるという問題を生じる。この発汗を防止する
技術としては、例えば、特開昭64−156748号等に記載さ
れているように、写真構成層中に含有される疎水性化合
物の量を減少させてゼラチンに対する重量比を低下せし
めることが知られているが、この場合、感度の低下やpH
等の処理条件の変動による写真性能の変動が大きくなる
という欠点がある。
一方、特開平2−120848号、欧州特許374,837号、国
際特許WO90/08345号に、色素画像形成カプラー等の疎水
性化合物を水混和性有機溶媒に均一に溶解し、得られた
有機溶媒溶液を水相に注入することにより疎水性化合物
の微粒子分散物を得る方法が開示されている。しかし、
このような方法で得られたカプラーの分散物を含有する
感光材料を迅速処理すると、前述したpH等の処理条件の
変動による写真性能の変動が大きくなるという問題が明
らかとなった。
また、一般に発色現像液には、現像促進、発色促進を
目的としてベンジルアルコールが含有されることが多
い。しかしながら、ベンジルアルコールは公害上の問題
があり、又、溶解性が悪いという点で調液性に劣り、更
に、現像液の汚染を促進するという点で好ましくない。
ところが、前記カプラーの分散物を含有する感光材料を
ベンジルアルコールを含有しない発色現像液で処理した
場合も前述したpH等の処理条件の変動による写真性能の
変動が大きくなるという問題が明らかになった。
[発明の目的] 本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発
明の第1の目的は、処理後の乾燥性の優れたハロゲン化
銀カラー写真感光材料を提供することにある。
本発明の第2の目的は、発汗による画質の劣化が防止
されたハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供すること
にある。
本発明の第3の目的は、感度が高く、処理条件の変動
による写真性能の変動が小さいハロゲン化銀カラー写真
感光材料およびその処理方法を提供することにある。
本発明の第4の目的は、迅速処理適性に優れたハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料を提供することにある。
本発明の第5の目的は、ベンジルアルコールの含有量
の少ない、もしくは含有しない発色現像液で処理しても
処理条件の変動による写真性能の変動が小さいハロゲン
化銀カラー写真感光材料およびその処理方法を提供する
ことにある。
[発明の構成] 本発明の上記目的を達成するハロゲン化銀カラー写真
感光材料は、支持体上にそれぞれ少なくとも1層の青感
性ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層、赤
感性ハロゲン化銀乳剤層を有する多層ハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層の少な
くとも一層が、色素画像形成カプラーを均一な水混和性
有機溶媒溶液から微小な粒子として析出させることによ
って得られる分散物を含有し、かつ支持体上に塗布され
たゼラチン量の総和が7.0g/m2未満であることを特徴と
する。
本発明の上記目的を達成するハロゲン化銀カラー写真
感光材料の処理方法は、前記ハロゲン化銀カラー写真感
光材料をベンジルアルコールの含有量が発色現像液1
当り2ml以下である発色現像液によって処理することを
特徴とする。
次に、本発明をより詳細に説明する。
本発明に用いられる、色素画像形成カプラーを均一な
水混和性有機溶媒溶液から微小な粒子として析出させる
ことによって得られる分散物は、色素画像形成カプラー
を水と任意の割合で混合する有機溶媒に、必要に応じて
水、塩基、界面活性剤等を併用して均一に溶解し、これ
に過剰の水と混合する等の溶媒組成変化、酸を添加して
pHを下げる等のpH変化、もしくは温度変化等を施して色
素画像形成カプラーの溶解度を低下せしめることによっ
て得られるものであり、例えば、米国特許第2,870,012
号に開示されたカルボン酸(又はエステル)含有カプラ
ーをアセトン等の水溶性溶媒にとかし、これを活性剤水
溶液と混合する方法、米国特許第2,991,177号そして英
国特許第1,099,414号に記載されている様に疎水性カプ
ラーをジメチルホルムアミドやテトラハイドロチオフェ
ン−1,1−ジオキサイドにとかし、ゼラチン水溶液と混
合し分散する方法、米国特許第4,388,403号に記載され
た様に写真用疎水性化合物を水混和性有機溶剤に溶か
し、水と混合し、分散する際にノニオン性基、イオン性
基両者を含有する親水性ポリマーの存在下で行う方法、
特開平2−120848号に記載された様に加水分解性の疎水
性化合物を同様の方法で分散する方法、英国特許第1,19
3,349号RD16468に開示された様に写真用疎水性化合物
(カルボン酸、スルホン酸を含まない)をメタノールと
アルカリにとかし、ゼラチン水溶液と混合し、中和する
事により均一な分散液を得る方法、欧州特許第374,837
号に記載された様にn−プロパノールアルカリ水溶液に
て写真用疎水性化合物を溶解し、アニオン活性剤とポリ
ビニルピロリドン等の混合溶液と混合し、中和する方法
等を適用して得ることができる。又、国際特許WO90/083
45にもこれらのアルカリ、n−プロパノールを用いて写
真用カプラーを分散するプロセスが開示されている。
以上の様な方法を用いて得られた色素画像形成カプラ
ーの微小なコロイド粒子分散物を含有する事が本発明の
感光材料の基本的特徴であり、これらの方法の変形や改
良された方法等が得られた分散物も本発明の感光材料に
用いることができ、以上の具体例に限定されるものでは
ない。
本発明に係る分散物に含有される微小粒子の大きさ
は、5〜300nmの範囲であることが好ましい。
これらの分散法には界面活性剤が添加されるのが好ま
しく、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等
任意のものが用いる事が出来るが、特にアニオン性界面
活性剤が好ましい。
アニオン性界面活性剤として、SO3M基またはOSO3M基
(ここでMはナトリウム、カリウム等のカチオンを示
す。)を有するものが好ましい。具体例を以下に示す。
又、これらの界面活性剤を併用する事も、他の親水性
高分子化合物とこれらの界面活性剤を併用して用いる事
等も公知であり、前述の公開特許公報やその他公知文献
に記載されているものが有利に使用出来る。
また、これらの分散法に好ましく用いられる親水性ポ
リマーとしては、ゼラチンや各種誘導体ゼラチン、ポリ
ビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリアクリルアミド、メチルセルロース
等があげられる。
又、前記水混和性有機溶剤としては写真用試薬を分解
することなく、溶解する事が出来、かつ水と混和しうる
ものであればよく、代表的なものとしては、アルコール
類(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン
等)、環状エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン)
等の他、前述の公開特許公報に記載された化合物を有利
に用いる事が出来る。
特に、苛性ソーダ、苛性カリ等と併用し塩基性溶液を
調製する際にはアルコール類、特にメタノール、エタノ
ール、n−プロパノール等が好ましい。
また、これらの水混和性有機溶媒は、得られた分散物
から除かれることが分散物の安定性の点で好ましく、透
析、限外濾過等の方法で除くことが好ましい。
前記分散法によって分散され、本発明の感光材料に含
有される色素形成カプラーとしては、イエローカプラ
ー、マゼンタカプラー、シアンカプラーが挙げられる。
以下、本発明に好ましく用いられるカプラーについて説
明する。
本発明に好ましく用いられるイエローカプラーは、ア
シルアセトアニリド系カプラーであり、特にカラーペー
パー等の直接鑑賞用の感光材料に用いられる場合、色素
画像の堅牢性や色再現性の点でピバロイルアセトアニリ
ド系カプラーが好ましく、更に特開昭63−123047号に記
載されたイエローカプラーや特願平1−278188号に記載
された一般式(Y−1)で示されるイエローカプラー、
例えば同明細書47〜57頁に開示されている例示化合物Y
−1〜Y−55等、アセトアニリド部のオルト位に酸素原
子を介して置換する置換基(例えばアルコキシ基)を有
するイエローカプラーは、色再現性の点で特に好ましく
用いられるものである。
以下に本発明に用いられるイエローカプラーの具体例
を示すが、本発明はこれらに限定されない。
本発明において、シアンカプラーとしては、ナフトー
ル系カプラー、フェノール系カプラーを好ましく用いる
ことができる。
特に、カラーペーパー等の直接鑑賞用の感光材料に用
いられる場合、色素画像の堅牢性や色再現性の点で、例
えば米国特許2,895,826号、特開昭50−112038号、同53
−109630号、同55−163537号、同63−96656号に開示さ
れている2,5−ジアシルアミノフェノール系シアンカプ
ラーや、米国特許3,772,002号、同4,443,536号等に記載
の5位に炭素原子数2以上のアルキル基を有するフェノ
ール系シアンカプラーが有利に用いられる。
前者の例としては、例えば特開昭63−96656号に記載
されている例示化合物C−1〜C−25等を挙げることが
でき、後者の例としては、例えば特願平1−278188号に
記載された例示化合物C−I−1〜C−I−18等を挙げ
ることができる。
以下に本発明に用いられるシアンカプラーの具体例を
示すが、本発明はこれらに限定されない。
本発明において、マゼンタカプラーとしては、5−ピ
ラゾロン系カプラー、ピラゾロベンツイミダゾール系カ
プラー、ピラゾロアゾール系カプラー等の公知のマゼン
タカプラーを用いることができる。
特に、カラーペーパー等の直接鑑賞用の感光材料に用
いられる場合、色再現性の点でピラゾロアゾール系マゼ
ンタカプラーが有利に用いられる。
以下、本発明に好ましく用いられるマゼンタカプラー
の具体例を挙げるが、これに限定されるものではない。
本発明の感光材料の支持体上に塗布されたゼラチン量
の総和は7.0g/m2未満である必要があり、好ましくは6.0
g/m2未満である。下限については特に制限はないが、一
般的に物性もしくは写真性能の面から3g/m2以上である
ことが好ましい。
また、本発明におけるゼラチンの量は、パギー法に記
載された水分の測定法で、11.0%の水分を含有したゼラ
チンの重量に換算して求められる。
本発明における支持体上に塗布されたゼラチン量の総
和とは、支持体の感光性ハロゲン化銀乳剤層が塗設され
ている側に塗布されたゼラチン量の総和を示すものであ
り、支持体の両面に感光性ハロゲン化銀乳剤層が塗設さ
れている場合は、両面に塗布されたゼラチン量の総和を
示す。
本発明に用いられるゼラチンは石灰処理ゼラチンであ
っても、酸処理ゼラチンであってもよく、又、牛骨、牛
皮、豚皮等のいずれを原料としたゼラチンでもよいが、
好ましくは牛骨を原料として製造された石灰処理ゼラチ
ンである。また、酸処理ゼラチンや豚皮を原料とした石
灰処理ゼラチンを表面保護層や非感光性中間層に用いる
ことも有利である。
本発明に用いられるゼラチンのゼリー強度(パギー法
による)は、好ましくは250g以上である。
本発明に用いられるゼラチンのカルシウム含量(パギ
ー法による)は、好ましくは1000ppm以下であり、特に
好ましくは500ppm以下である。カルシウム含有が1000pp
mを越えるゼラチンを用いると本発明に用いられるカプ
ラーの分散物の安定性の劣化を生じ、好ましくない。ゼ
ラチン中のカルシウム含量を低減させるには、一般にイ
オン交換樹脂カラムによる処理が好ましく用いられる。
又、本発明のゼラチンは、写真的活性を低減させる目的
で過酸化水素等による酸化処理を行うこともできる。
本発明に用いられるゼラチンは、分子量約10万のα成
分の比率が大きいゼラチンが好ましい。
本発明の感光材料の感光性ハロゲン化銀乳剤層におけ
るカプラー等の疎水性化合物の重量のゼラチン重量に対
する比は0.8以下であることが好ましい。
本発明の感光材料に用いられるバインダー(又は保護
コロイド)としては、前記ゼラチンを用いるのが有利で
あるが、それ以外にゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高
分子のグラフトポリマー、蛋白質、糖誘導体、セルロー
ス誘導体、単一あるいは共重合体の如き合成親水性高分
子物質等の親水性コロイドも用いることができる。
本発明の感光材料にゼラチン以外の親水性コロイドを
用いた場合、支持体上に塗布されたゼラチンを含む全親
水性コロイドの総和が7.0g/m2未満であることが好まし
い。
本発明の感光材料の膨潤率(処理液中における親水性
コロイド層の膜厚/乾燥状態における親水性コロイド層
の膜厚)は好ましくは1.5〜4.0でより、さらに好ましく
は2.0〜3.0である。
本発明に用いられるハロゲン化銀としては、塩化銀、
臭化銀、沃化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃化銀等の任
意のハロゲン化銀が包含される。
本発明に好ましく用いられるハロゲン化銀粒子は、90
モル%以上の塩化銀含有率を有しており、臭化銀含有率
は10モル%以下、沃化銀含有率は、0.5モル%以下であ
ることが好ましい。更に好ましくは、臭化銀含有率が0.
1〜2モル%の塩臭化銀である。
該ハロゲン化銀粒子は、単独で用いてもよいし、組成
の異なる他のハロゲン化銀粒子と混合して用いてもよ
い。また、塩化銀含有率が90モル%以下のハロゲン化銀
粒子と混合して用いてもよい。
又、90モル%以上の塩化銀含有率を有するハロゲン化
銀粒子が含有されるハロゲン化銀乳剤層においては、該
乳剤層に含有される全ハロゲン化銀粒子に占める塩化銀
含有率90モル%以上のハロゲン化銀粒子の割合は60重量
%以上、好ましくは80重量%以上である。
ハロゲン化銀粒子の組成は、粒子内部から外部に至る
まで均一なものであってもよいし、粒子内部と外部の組
成が異なってもよい。また粒子内部と外部の組成が異な
る場合、連続的に組成が変化してもよいし、不連続であ
ってもよい。
ハロゲン化銀粒子の粒子径は特に制限はないが、迅速
処理性及び感度性、他の写真性能等考慮すると、好まし
くは0.2〜1.6μm、更に好ましくは0.25〜1.2μmの範
囲である。なお、上記粒子径は、当該技術分野において
一般に用いられる各種の方法によって測定することがで
きる。代表的な方法としては、ラブランドの「粒子径分
析法」(A.S.T.M.シンポジウム・オン・ライト・マイク
ロスコピー、1955年、94〜122頁)又は「写真プロセス
の理論」(ミース及びジェームズ共著、第3版、マクミ
ラン社発光(1966年)の第2章)に記載されている。
この粒子径は、粒子の投影面積か直径近似値を使って
これを測定することができる。粒子が実質的に均一形状
である場合は、粒径分布は直径か投影面積としてかなり
正確にこれを表すことができる。
ハロゲン化銀粒子の粒子径の分布は、多分散であって
もよいし、単分散であってもよい。好ましくはハロゲン
化銀粒子の粒径分布において、その変動係数が0.22以
下、更に好ましくは0.15以下の単分散ハロゲン化銀粒子
である。ここで変動係数、粒径分布の広さを示す係数で
あり、次式によって定義される。
ここでriは粒子個々の粒径、niはその数を表す。ここ
で言う粒径とは、球状のハロゲン化銀粒子の場合はその
直径、又、立方体や球状以外の形状の粒子の場合は、そ
の投影像を同面積の円像に換算した時の直径を表す。
本発明において、乳剤に用いられるハロゲン化銀粒子
は酸性法、中性法、アンモニア法のいずれで得られたも
のでもよい。該粒子は一時に成長させてもよいし、種粒
子をつくった後、成長させてもよい。
種粒子を作る方法と成長させる方法は同じであって
も、異なってもよい。
又、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化塩を反応させる形
式としては、順混合法、逆混合法、同時混合法それらの
組合せなど、いずれでもよいが、同時混合法で得られた
ものが好ましい。更に同時混合法の一形式として特開昭
54−48521号等に記載されているpAgコントロールド−ダ
ブルジェット法を用いることもできる。
更に必要であればチオエーテル等のハロゲン化銀溶剤
を用いてもよい。又、メルカプト基含有化合物、含窒素
ヘテロ環化合物又は増感色素のような化合物をハロゲン
化銀粒子の形成時、又は粒子形成終了の後に添加して用
いてもよい。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の形状は任意の
ものを用いることができる。好ましい1つの例は、{10
0}面を結晶表面として有する立方体である。又、米国
特許4,183,756号、同4,225,666号、特開昭55−26589
号、特公昭55−42737号等の明細書や、ザ・ジャーナル
・オブ・フォトグラフィック・サイエンス(J.Photgr.S
ci),21,39(1973)等の文献に記載された方法によ
り、8面体、14面体、12面体等の形状を有する粒子を作
り、これを用いることもできる。更に、双晶面を有する
粒子を用いてもよい。
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、単一の形状
からなる粒子を用いてもよいし。種々の形状の粒子が混
合されたものでもよい。
本発明において、乳剤に用いられるハロゲン化銀粒子
は、粒子を形成する過程及び/又は成長させる過程で、
カドミウム塩、亜鉛塩、、鉛塩、タリウム塩、イリジウ
ム塩又はその錯塩、ロジウム塩又はその錯塩、鉄塩又は
その錯塩を用いて金属イオンを添加し、粒子内部に及び
/又は粒子表面に包含させることができ、又、適当な還
元的雰囲気におくことにより、粒子内部及び/又は粒子
表面に還元増感核を付与できる。
ハロゲン化銀粒子を含有する乳剤は、ハロゲン化銀粒
子の成長の終了後に不要な可溶性塩類を除去してもよい
し、あるいは含有させたままでもよい。該塩類を除去す
る場合には、リサーチ・ディスクロージャー17643号記
載の方法に基づいて行なうことができる。
本発明において、乳剤に用いられるハロゲン化銀粒子
は、潜像が主として表面に形成される粒子であってもよ
く、好ましくは潜像が主として表面に形成される粒子で
ある。
本発明において、乳剤は、常法により化学増感され
る。即ち、銀イオンと反応できる硫黄を含む化合物や、
活性ゼラチンを用いる硫黄増感法、セレン化合物を用い
るセレン増感法、還元性物質を用いる還元増感法、金そ
の他の貴金属化合物を用いる貴金属増感法などを単独又
は組み合わせて用いることができる。
又、乳剤は増感色素を用いて所望の波長域に光学的に
増感できる。増感色素としては、シアニン色素、メロシ
アニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色
素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、ス
チリル色素、及びヘミオキサノール色素等を用いること
ができる。
本発明の感光材料に含有されるハロゲン化銀の量は金
属銀の重量に換算して0.7g/m2以下であることがコスト
及び迅速処理性の面から好ましく、本発明の効果もより
有効に得られる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に含有されるゼラ
チンは硬膜剤によって硬膜される。
用いることのできる硬膜系としては特に制限はなく写
真業界において公知の硬膜剤:例えば、アルデヒド系硬
膜剤、活性ビニル系硬膜剤、活性ハロゲン系硬膜剤、エ
ポキシ系硬膜剤、エチレンイミン系硬膜剤、メタンスル
ホン酸エステル系硬膜剤、カルボジイミド系硬膜剤、イ
ソオキサゾール系硬膜剤、カルバモイルピリジニウム塩
等のカルボキシル活性化硬膜剤及び高分子硬膜剤等を挙
げることができる。
本発明に好ましく用いられる硬膜剤は、ビニルスルホ
ン系硬膜剤、及び/又は、下記一般式〔G−I〕又は
〔G−II〕で表されるクロロトリアジン系硬膜剤、もし
くは、特開平2−82237号、同1−129245号等に記載さ
れたカルボキシル活性化硬膜剤である。
本発明に好ましく用いられるビニルスルホン系硬膜剤
は、例えば独国特許1,100,942号に記載されている如き
芳香族系化合物、特公昭44−29622号、同47−25373号に
記載されている如きヘテロ原子で結合されたアルキル化
合物、特公昭47−8736号に記載されている如きスルホン
アミド、エステル系化合物、特開昭49−24435号に記載
されている如き1,3,5−トリス〔β−(ビニルスルホニ
ル)プロピオニル〕−ヘキサヒドロ−s−トリアジン或
いは特開昭51−44164号に記載されている如きアルキル
系化合物を含む。
その代表的化合物を次に示すがこれらに限定されるも
のではない。
本発明に好ましく用いられるビニルスルホン系硬膜剤
は上記例示化合物に加えて、分子構造中に少なくとも3
ヶのビニルスルホン基を有する化合物、例えば例示化合
物[H−5]〜[H−22]にビニルスルホン基を反応す
る基ならびに水溶性基を有する化合物、例えばジエタノ
ールアミン、チオグリコール酸、サルコシンナトリウム
塩、タウリンナトリウム塩を反応させて得られる反応生
成物を含む。
式中、RG1及びRG2は各々、塩素原子、ヒドロキシル
基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、−OM
基(ここで、Mは1価の金属原子である)、−NRG3RG4
基(ここで、RG3及びRG4は各々、水素原子、アルキル基
又はアリール基である)又は−NHCORG5(ここでRG5は水
素原子、アルキル基又はアリール基である)を表す。た
だし、RG1及びRG2が同時に塩素原子となることはない。
式中、RG6及びRG7は各々、塩素原子、ヒドロキシル
基、アルキル基、アルコキシ基又は−OM′基(ここで、
M′は1価の金属原子である)を表す。Q′及びQ″は
各々、−O−、−S−又は−NH−を示す置換基を表し、
Lはアルキレン基又はアリーレン基を表す。p及びqは
各々、0又は1を表す。
前記一般式〔G−I〕で示されるクロロトリアジン系
硬膜剤(シアヌルクロライド系硬膜剤)については米国
特許3,645,743号、特公昭47−6151号、同47−33380号、
同51−9607号、特開昭48−19220号、同51−78788号、同
52−60612号、同52−128130号、同52−130326号、同56
−1043号に記載があり、その中から使用することができ
る。
前記一般式〔G−II〕で示されるビスクロロトリアジ
ン系硬膜剤については、カナダ特許895,808号、特公昭5
8−33542号、特開昭57−40244号に記載があり、使用に
供することができる。
次に一般式〔G−I〕または〔G−II〕で示される化
合物の代表的な具体例を挙げるが本発明はこれらに限定
されるものではない。
本発明において、前記硬膜剤は、本発明に用いられる
ハロゲン化銀写真感光材料の写真乳剤層、その他の親水
性コロイド層の膜強度を高めるために用いられ、塗設さ
れる全層に拡散していくので、本発明に係る乳剤層或は
補助層の中から少なくとも1層、或いは複数層選んで添
加すればよい。該添加は水又はアルコール(例べばメチ
ルアルコール、エチルアルコール等)に溶かし、ゼラチ
ン1g当り好ましくは1〜100mg添加される。添加方法は
バッチ方式或はインライン方式のいずれでもよい。添加
時期は特に制限されないが、塗布直前に添加されるのが
好ましい。
本発明の感光材料は、迅速処理に対する要望が強く、
また、仕上がりプリントの保存性に対する要求が厳しい
カラー印画紙やカラーコピー用感光材料等の直接鑑賞用
感光材料である場合に、本発明の効果が特に有効に発揮
される。
本発明の感光材料には、更に色濁り防止剤、画像安定
剤、紫外線吸収剤、可塑剤、ラテックス、界面活性剤、
マット剤、滑剤、帯電防止剤等の添加剤を任意に用いる
ことができる。
本発明の感光材料の写真構成層を塗布する支持体とし
ては反射支持体が好ましく、例えば、バライタ紙または
α−オレフィンポリマー等をラミネートした紙、および
紙支持体とα−オレフィン層が容易に剥離できる紙支持
体、合成紙等の可撓性反射支持体、酢酸セルロース、硝
酸セルロース、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリカーボネイト、ポリアミド
等の半合成または合成高分子からなるフィルムに白色顔
料を含有、あるいは塗布した反射支持体や金属、陶器な
どの剛体等に塗布できる。または、120〜160μmの薄手
型反射支持体を用いる事もできる。
白色顔料としては、無機および/または有機の白色顔
料を用いることができ、好ましくは無機の白色顔料であ
り、例えば、硫酸バリウム等のアルカリ土金属の硫酸
塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土金属の炭酸塩、微粉
硅酸、合成硅酸塩のシリカ類、硅酸カルシウム、、アル
ミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タル
ク、クレイ等が挙げられる。白色顔料は好ましくは硫酸
バリウム、酸化チタンである。
本発明のハロゲン化銀感光材料は、必要に応じて支持
体表面にコロナ放電、紫外線照射、火焔処理等を施した
後、直接または下塗層(支持体表面の接着性、帯電防止
性、寸度安定性、耐摩擦性、硬さ、ハレーション防止
性、摩擦特性及び/またはその他の特性を向上するため
の1または2以上の下塗層)を介して塗布されてもよ
い。
本発明に係るハロゲン化銀乳剤を用いて写真感光材料
の塗布に際して、塗布性を向上させる為に増粘剤を用い
ても良い。
本発明の感光材料は、当業界公知の発色現像処理を行
うことにより画像を形成することができる。
本発明において発色現像液に使用される発色現像主薬
は、種々のカラー写真プロセスにおいて広範囲に使用さ
れているアミノフェノール系及びp−フェニレンジアミ
ン系誘導体が含まれる。
本発明の感光材料の処理に適用される発色現像液に
は、前記の第1級芳香族アミン系発色現像主薬に加え
て、既知の現像液成分化合物を添加することができる。
本発明の発色現像液中のベンジルアルコールの含有量
は、現像液1当り好ましくは2ml以下、最も好ましく
は0である。
発色現像液のpH値は、通常は9以上、好ましくは約10
〜13である。
発色現像温度は通常15℃以上であり、一般的には、20
℃〜50℃の範囲である。
迅速処理のためには30℃以上で行うことが好ましい。
又、現像処理時間は、一般的には10秒〜4分である
が、迅速処理を目的とした場合は10秒〜1分の範囲で行
われるのが好ましく、更に迅速化が要求される場合には
10〜30秒の範囲で行われるのが好ましい。このような迅
速処理を行った場合の方が本発明の効果がより有効に発
揮される。
又、本発明の感光材料を発色現像補充液を連続的に補
充しながらランニング処理していく場合、発色現像液の
補充量は感光材料1m2当り20〜150mlであることが好まし
く、より好ましくは20〜120ml、更に好ましくは20〜100
mlである。本発明の感光材料は、発色現像後、漂白定着
処理(又は、漂白、定着処理)が施される。
漂白定着処理後は、通常、水洗処理或は安定化処理、
或は両者の併用処理が行われる。
[実施例] 以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定
されない。
実施例1 紙支持体の片面にポリエチレンを、別の面の第1層側
に酸化チタンを含有するポリエチレンをラミネートした
支持体上に表1−1から表1−2で示す構成の各層を塗
設し、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料101を作製
した。
なお、カプラーの分散液は以下のようにして作製し
た。
イエローカプラー分散液A(オイルプロテクト分散) イエローカプラー(Y−1)26.7g、ステイン防止剤
(HQ−1)0.67g及び高沸点有機溶媒(DNP)13.3gに酢
酸エチル60mlを加え溶解し、この溶液を10%アルキルナ
フタレンスルホン酸ナトリウム10mlを含有する10%ゼラ
チン水溶液200mlにホムジナイザーを用いて乳化分散さ
せてイエローカプラー分散液を作製した。
マゼンタカプラー分散液B(オイルプロテクト分散) マゼンタカプラー(M−1)15.0g、ステイン防止剤
(HQ−1)0.3g、及び高沸点有機溶媒(DOP)18.0gに酢
酸エチル40mlを加え溶解し、この溶液を10%アルキルナ
フタレンスルホン酸ナトリウム10mlを含有する10%ゼラ
チン水溶液200mlにホモジナイザーを用いて乳化分散さ
せてマゼンタカプラー分散液を作製した。
シアンカプラー分散液C(オイルプロテクト分散) シアンカプラー(C−1)12.6g、及び高沸点有機溶
媒(DOP)14.4gに酢酸エチル40mlを加えて溶解し、この
溶液を10%アルキルナフタレンスルホン酸ナトリム10ml
を含有する10%ゼラチン水溶液200mlにホモジナイザー
を用いて乳化分散させてシアンカプラー分散液を作製し
た。
なお、第6層、第4層、第2層に添加される紫外線吸
収剤や混色防止剤も上記カプラーと同様な方法で分散し
て添加した。
又、ゼラチンの硬膜剤として前記例示化合物G−1を
0.08g/m2添加した。
Y−1 前記例示化合物YC−10 M−1 〃 MC−10 C−1 〃 CC−3 DOP (ジオクチルフタレート) DNP (ジノニルフタレート) DIDP(ジイソデシルフタレート) 次に前記カプラー分散液A,B,Cに用いられた高融点有
機溶媒を除いて分散する以外は分散液A,B,Cと同様にし
て分散液D,E,Fを作製した。
さらに、以下に示すようにカプラーをいったん有機溶
媒を用いて均一な溶液に溶解し、それを水相に注入させ
る方法により以下に示す分散液G,H,Iを調整した。
イエローカプラー分散液G イエローカプラー(Y−1)20g、及びステイン防止
剤(HQ−1)0.50gに、n−プロパノール80gとAerosol
A102の33%水溶液(Cyanamid社製)30gを加え、65℃に
加熱してカプラーを溶解した。次に、これを攪拌してい
る水600gの入った分散容器に20ml/分の割合で注入し、
分散物を得た。この時分散容器は室温に保った。分散物
からの溶媒の除去は半透膜を用いて連続的に行った。
マゼンタカプラー分散液H マゼンタカプラー(M−1)13g及びステイン防止剤
(HQ−1)0.26gをn−プロパノール27mlに加え、それ
に1Nの水酸化ナトリウム水溶液18mlを加えて60℃でカプ
ラーを溶解後、室温にもどす(a液)。次に、6.5gのポ
リビニルピロリドン(平均分子量40000)をドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウムの0.01モル/水溶液450m
lに溶解する(b液)。a液とb液を攪拌しながら混合
し、15%の酢酸を用いてpHを6まで下げ分散物を得る。
透析膜チューブを用いて分散物から、有機溶媒、塩類等
を除去した。
シアンカプラー分散液I シアンカプラー(C−1)20g、20%水酸化ナトリウ
ム水溶液5g、及びn−プロパノール40gを混合し、60℃
に加熱してカプラーを溶解し、室温にもどす(c液)。
次にAerosol A102の33%水溶液15gと蒸留水500gを混合
した液を準備する(d液)。d液に、c液及び15%のプ
ロピオン酸水溶液をpH6.0±2の範囲を保つように攪拌
しながら注入し、分散物を得る。分散物から透析膜を用
いて有機溶媒、塩類等を除去した。
次に試料101の第1層、第3層、第5層に用いられた
カプラー分散液A,B,C及び各層のゼラチン量を表2に示
すように変化させる以外は試料101と同様にして試料102
〜110を作製した。
得られた試料を感光計KS−7(コニカ株式会社製)を
使用してウェッジ露光し、以下の発色現像処理行程に従
って処理した後、以下の評価を行った。
[処理工程] 発色現像 3分30秒 温度33℃ 漂白定着 1分30秒 温度33℃ 水 洗 3分 温度33℃ 乾 燥 1分 温度60℃ 発色現像液処方 N−エチル−N−β−メタンスルホン アミドエチル−3−メチル−4−アミノアニリン硫酸
塩 4.9g ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.0g 炭酸カリウム 25.0g 臭化ナトリウム 0.6g 無水亜硫酸ナトリウム 2.0g ベンジルアルコール 13ml ポリエチレングリコール(平均重合度400) 3.0ml 水を加えて1とし、水酸化ナトリウムでpH10.1に調
整する。
漂白定着液処方 エチレンジアミン四酢酸鉄(III) ナトリウム塩 6.0g チオ硫酸アンモニウム 100g 重亜硫酸ナトリウム 10g メタ重亜硫酸ナトリウム 3g 水を加えて1とし、アンモニア水でpH7.0に調整す
る。
<感度> 濃度0.8を得るのに必要な露光量の逆数で表し、基準
試料(No.101)の感度を100とした時の相対感度で示
す。
<発汗> 得られた試料を85℃、60%RH条件下に10日間保存し、
試料表面への油剤の発汗による光沢劣化を目視で評価し
た。
○ 「発汗」が見られない。
△ 若干「発汗」が見られるが、商品として可。
× 「発汗」が見られ、画質が大きく損ねる。
<乾燥性> 前記乾燥工程終了時における試料中の水分の残存率で
表す。
乾燥工程に入る直前の試料の重量=W1 乾燥工程終了直後の試料の重量=W2 乾燥工程の時間を3分間にのばし十分に乾燥した時の
試料の重量=W0 とすると、前記水分の残存率Wは、 で表される。
<pH変動耐性> 前記発色現像液と同じ組成でpH10.6に調整した発色現
像液を調整した。この発色現像液を用いて前記の発色現
像処理工程にしたがって処理し、センシトメトリー測定
を行った。
pH=10.1の発色現像液で処理したときの階調γ(10.
1)とPH10.6の発色現像液で処理した場合の階調γ(10.
6)との変動巾をΔγで表す Δγ=|γ(10.1)−γ(10.6)| 結果を表2に示す。
表2から明らかなように、全層のゼラチン量の総和が
7.0g/m2以上である試料101〜103はいずれも乾燥後の水
分残存率が大きく乾燥性に劣る。さらに、高沸点有機溶
媒を用いないで分散した分散液D,E,Fを用いている試料1
02は感度の低下およびpH変動耐性の劣化が見られ、本発
明に係る分散液G,H,Iを用いている試料103もpH変動耐性
の劣化がみられる。一方、全層のゼラチン量の総和が7.
0g/m2未満である試料104〜110はいずれも水分残存率が
低く乾燥性には優れるが、オイルプロテクト分散を行っ
た分散液A,B,Cを用いた試料104,107はいずれも発汗がみ
られ、画像の劣化が生ずる。高沸点有機溶媒を除いた分
散液D,E,Fを用いた試料105,108は発汗は改良されるが感
度の低下およびpH変動耐性の劣化を招く。これに対して
本発明に係る分散液G,H,Iを用いている本発明の試料10
6,109,110はいずれも乾燥性に優れ、発汗の発生がな
く、感度の低下がなく、pH変動耐性に優れた試料である
ことがわかる。
実施例2 紙支持体の片面にポリエチレンを、もう一方の面に酸
化チタンを含有するポリエチレンをラミネートした支持
体上に、以下に示す構成の各層を酸化チタンを含有する
ポリエチレン層の側に塗設し、多層ハロゲン化銀カラー
写真感光材料試料201を作製した。なお、カプラーの分
散液は以下のようにして作製した。
イエローカプラー分散液a(オイルプロテクト分散) イエローカプラー(EY−1)26.7g、ステイン防止剤
(HQ−1)0.67g及び高沸点有機溶媒(DNP)13.3gに酢
酸エチル60mlを加え溶解し、この溶液を20%界面活性剤
(SU−1)7mlを含有する10%ゼラチン水溶液220mlに超
音波ホモジナイザーを用いて乳化分散させてイエローカ
プラー分散液を作製した。
マゼンタカプラー分散液b(オイルプロテクト分散) マゼンタカプラー(EM−1)15.0g、及び高沸点有機
溶媒(DNP)18.0gに酢酸エチル40mlを加え溶解し、この
溶液を20%界面活性剤(SU−1)7mlを含有する10ゼラ
チン水溶液200mlにホモジナイザーを用いて乳化分散さ
せてマゼンタカプラー分散液を作製した。
シアンカプラー分散液c(オイルプロテクト分散) シアンカプラー(EC−1)8.4g、シアンカプラー(EC
−2)2.8g、ステイン防止剤(HQ−1)0.35g及び高沸
点有機溶媒(DOP)16.8gに酢酸エチル40mlを加えて溶解
し、この溶液を20%界面活性剤(SU−1)7mlを含有す
る10%ゼラチン水溶液200mlにホモジナイザーを用いて
乳化分散させてシアンカプラー分散液を作製した。
なお、第2層、第4層、第6層に添加される紫外線吸
収剤、混色防止剤等も上記カプラーと同様な方法で分散
して添加した。
又、硬膜剤として第2層及び第4層に(HH−1)を、
第7層に(HH−2)を添加した。塗布助剤としては、界
面活性剤(SU−2),(SU−3)を添加し、表面張力を
調整した。
EY−1 前記例示化合物YC−3 EM−1 〃 MC−14 EC−1 〃 CC−3 EC−2 〃 CC−8 DOP ジオクチルフタレート DNP ジノニルフタレート DIDP ジイソデシルフタレート PVP ポリビニルピロリドン (青感性ハロゲン化銀乳剤の調整方法) 40℃に保温した2%ゼラチン水溶液1000ml中に下記
(A液)及び(B液)をpAg=6.5g、pH=3.0に制御しつ
つ30分かけて同時添加し、更に下記(C液)及び(D
液)をpAg=7.3、pH=5.5に制御しつつ180分かけて同時
添加した。この時、pAgの制御は特開昭59−45437号記載
の方法により行い、pHの制御は硫酸又は水酸化ナトリウ
ムの水溶液を用いて行った。
(A液) 塩化ナトリウム 3.42g 臭化カリウム 0.03g 水を加えて 200ml (B液) 硝酸銀 10g 水を加えて 200ml (C液) 塩化ナトリウム 102.7g 臭化カリウム 1.0g 水を加えて 600ml (D液) 硝酸銀 300g 水を加えて 600ml 添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶
液と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行っ
た後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.85μm、変
動係数(σ/)=0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単
分散立方体乳剤EMP−1を得た。
上記乳剤EMP−1に対し、青感性増感色素を用いて化
学熟成を行い、青感性ハロゲン化銀乳剤(Em−B)を得
た。
(緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製方法) (A液)と(B液)との添加時間及び(C液)と(D
液)の添加時間を変更する以外はEMP−1と同様にし
て、平均粒径0.43μm、変動係数(σ/)=0.08、塩
化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−2を得
た。
EMP−2に対し、緑感性増感色素を用いて化学熟成を
行い、緑感性ハロゲン化銀乳剤(Em−G)を得た。
(赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製方法) (A液)と(B液)の添加時間及び(C液)と(D
液)の添加時間を変更する以外はEMP−1と同様にし
て、平均粒径0.50μm、変動係数(σ/)=0.08、塩
化銀含有率99.5モル%の単分散立方体乳剤EMP−3を得
た。
EMP−3に対し、赤感性増感色素を用いて化学熟成を
行い、赤感性ハロゲン化銀乳剤(Em−R)を得た。
なお、各乳剤には安定剤としてSTAB−1を添加した。
次に、前記カプラー分散液a,b,cに用いられた高沸点
有機溶媒を除いて分散する以外は分散液a,b,cと同様に
して、分散液d,e,fを作製した。
さらに、以下に示すようにカプラーをいったん有機溶
媒を用いて均一な溶液に溶解し、それを水相に注入させ
る方法により、以下に示す分散液g,h,iを調製した。
イエローカプラー分散液g イエローカプラー(EY−1)60g、ステイン防止剤(H
Q−1)1.5g、20%水酸化ナトリウム水溶液15g、及びn
−プロパノール150gを混合し、55℃に加熱してカプラー
を溶解後、室温にもどす(I液)。
次に、Aerosol A102(33%)45gと蒸留水900gを混合
した液を準備する(II液)。
さらに、プロピオン酸15g及び蒸留水85gを混合した液
を準備する(III液)。
I液、II液、III液を流速I液10.9g/分、II液60.6g/
分、III液約2.1g/分の割合で同時に混合し分散物を得
た。なお、III液の流速を調製して混合液のpHを5.9〜6.
1の範囲に調節した。分散液から限外濾過により、有機
溶媒塩類等を除去し、カプラー濃度が10〜15重量%にな
るまで濃縮した。
マゼンタカプラー分散液h マゼンタカプラー(EM−1)20g、20%水酸化ナトリ
ウム水溶液5g、及びn−プロパノール40gを混合し、カ
プラーを溶解した(IV液)。
次に、Aerosol A102の33%水溶液15gと蒸留水500gの
混合液を準備する(V液)。
V液にIV液及び15%のプロピオン酸水溶液をpH6.0±
2の範囲を保つように攪拌しながら注入し、分散物を得
る。分散物から透析によって有機溶媒、塩類等を除去し
た。
シアンカプラー分散液i シアンカプラー(EC−1)22.5g、シアンカプラー(E
C−2)7.5g、ステイン防止剤(HQ−1)0.94gに60mlの
n−プロパノールを加え、72℃に加熱、撹拌してカプラ
ーを溶解する。これに1モル/の水酸化ナトリウム水
溶液60mlを加え、室温までさます(VI液)。
次に、15gのポリビニルピロリドン(平均分子量4000
0)を0.01モル/のドデシル硫酸ナトリウム水溶液150
mlに溶解する(VII液)。
VI液にVII液を攪拌しながら混合し、15%の酢酸を用
いてpHを6まで下げ分散物を得る。透析膜チューブを用
いて分散物から有機溶媒、塩類等を除去した。
次に、試料201の第1層、第3層、第5層に用いられ
たカプラー分散液a,b,c及び各層のゼラチン量を表4に
示すように変化させる以外は試料201と同様にして試料2
01〜210を作製した。
得られた試料を感光計KS−7(コニカ株式会社製)を
使用してウェッジ露光し、以下の発色現像処理工程に従
って処理した後、実施例1と同じ項目について評価を行
った。結果を表4に示す。処理工程 温 度 時 間 発色現像 35.0±0.3℃ 45秒 漂白定着 35.0±0.5℃ 45秒 安定化 30〜34℃ 90秒 乾 燥 60℃ 60秒 発色現像液 純水 800ml トリエタノールアミン 10g N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 5g 臭化カリウム 0.02g 塩化カリウム 2g 亜硫酸カリウム 0.3g 1−ヒドロキシエチリデン1,1−ジホスホン酸 1.0g エチレンジアミン四酢酸 1.0g カテコール−3,5−ジスルホン酸二ナトリウム塩 1.0g N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチル−
3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 4.5g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン
酸誘導体) 1.0g 炭酸カリウム 27g 水を加えて全量を1とし、pH=10.10に調整する。
漂白定着液 エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 60g エチレンジアミン四酢酸 3g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml 水を加えて全量を1とし、炭酸カリウム又は氷酢酸
でpH=5.7に調整する。
安定化液 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−
オン 1.0g エチレングリコール 1.0g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.0g エチレンジアミン四酢酸 1.0g 水酸化アンモニウム(20%水溶液) 3.0g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン
酸誘導体) 1.5g 水を加えて全量を1とし、硫酸又は水酸化カリウム
でpH=7.0に調整する。
表4から明らかなように、本実施例においても本発明
の効果が得られた。又、試料209に用いた分散液hのマ
ゼンタカプラーをMC−1,MC−9,MC−10に、分散液gのイ
エローカプラーをYC−5,YC−7,YC−8に、分散液iのシ
アンカプラーをCC−7,CC−14,CC−15にそれぞれ代えた
試料についても本発明の効果が得られた。
実施例3 実施例2の試料201〜210を用い、、発色現像処理工程
を下記に示す処理に変更する以外は実施例2と同様な評
価を行った。結果を表5に示す。
処理工程(各々1槽) 処理時間 (1)発色現像 38℃ 20秒 (2)漂白定着 35℃ 20秒 (3)安 定 35℃ 20秒 (1)乾 燥 70℃ 30秒 [発色現像液] ジエチレングリコール 15g 臭化カリウム 0.01g 塩化カリウム 2.3g 亜硫酸カリウム(50%水溶液) 0.5ml 発色現像主薬(3−メチル−4−アミノ−N−エチル
−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−アニリン
硫酸塩 6.0g ジエチルヒドロキシルアミン(85%) 5.0g トリエタノールアミン 10.0g 炭酸カリウム 30g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩 2.0g 蛍光増白剤(日本曹達社製ケイコールPK−Conc)2.0g 水を加えて1に仕上げ、水酸化カリウム又は硫酸で
pH10.1に調整した。
[漂白定着液] エチレンジアミン四酢酸第2鉄アンモニウム塩 65.0g エチレンジアミン四酢酸 3.0g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100.0ml 5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール
0.5g 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml アンモニア水又は氷酢酸でpH6.50に調整すると共に水
を加えて全量を1とする。
[安定液] 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−
オン 0.02g 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.01g チノパールSFP(チバガイギー社製) 0.3g ニトリロトリ酢酸・三ナトリウム塩 1.5g 水で1とし、アンモニア水及び50%硫酸でpH7.5と
する。
表5から明らかなように、本実施例においても本発明
の効果が得られた。また、音発明に係る分散物を含有す
るが、ゼラチン量が多い比較試料203はこのような迅速
処理をほどこすと感度の低下やpH変動耐性の劣化が大き
くなるが、本発明の試料206,209および210においては、
この点が有効に改良されていることがわかる。
[発明の効果] 本発明により、乾燥性、迅速処理適性に優れ、発汗が
防止され、感度が高く、処理条件の変動による写真性能
の変動が小さいハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供
することができた。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上にそれぞれ少なくとも1層の青感
    性ハロゲン化銀乳剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層、赤
    感性ハロゲン化銀乳剤層を有する多層ハロゲン化銀カラ
    ー写真感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層の少な
    くとも一層が、色素画像形成カプラーを均一な水混和性
    有機溶媒溶液から微小な粒子として析出させることによ
    って得られる分散物を含有し、かつ支持体上に塗布され
    たゼラチン量の総和が7.0g/m2未満であることを特徴と
    するハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  2. 【請求項2】前記請求項1記載のハロゲン化銀カラー写
    真感光材料をベンジルアルコールの含有量が発色現像液
    1当り2ml以下である発色現像液によって処理するこ
    とを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感光材料の処理
    方法。
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