JP2807581B2 - アナログ・デジタル変換回路 - Google Patents

アナログ・デジタル変換回路

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JP2807581B2 JP3137219A JP13721991A JP2807581B2 JP 2807581 B2 JP2807581 B2 JP 2807581B2 JP 3137219 A JP3137219 A JP 3137219A JP 13721991 A JP13721991 A JP 13721991A JP 2807581 B2 JP2807581 B2 JP 2807581B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばモータ制御回路
等に用いるのに適したアナログ・デジタル変換回路に関
する。
【0002】
【従来の技術】例えば、モータ制御回路等では、マイク
ロプロセッサを用い、ソフトウエアによる制御を行うよ
うにしたものがある。従来のモータ制御回路によれば、
アナログ・デジタルコンバータICを用いているため、
コスト高になるというような難点があることから、本出
願人は、アナログ・デジタルコンバータICを必要とし
ないアナログ・デジタル変換回路に関して先に特許出願
した。図12はその一例を示す。
【0003】図12において、例えば速度指令電圧であ
るアナログ信号29はコンパレータ21で三角波30と
比較され、コンパレータ21の出力31は、カウンタ2
3を有するマイクロプロセッサ25に入力されるように
なっている。マイクロプロセッサ25は、カウンタ23
のカウント値を利用して速度指令電圧に対応したデジタ
ル信号を得ると共に、エンコーダ28からのモータ27
の回転速度信号と上記デジタル信号の偏差がゼロとなる
ようにインバータ26を制御するようになっている。
【0004】上記アナログ・デジタル変換回路の動作を
図13を参照しながら説明する。コンパレータ21は
(a)に示すようにアナログ信号29と三角波30を比
較し、(b)に示すようなパルス幅変調(PWM)信号
31を出力する。マイクロプロセッサ25は、カウンタ
23が計数動作するための(c)に示す一定周波数の内
部クロックパルスを発生する。
【0005】マイクロプロセッサ25はまた、(d)の
ようにPWM信号31の立上り及び立下りのエッジでカ
ウンタ23をクリアすると共に、(e)のようにそのと
きのカウンタ23のピーク値をカウンタバッファに取り
込んでおく。また、(b)のA点、B点及び(f)で示
すように、PWM信号31のエッジの直後にその時のP
WM信号31のレベルが「L」か「H」かを判断する。
A点のように「L」の場合はその直前にカウンタバッフ
ァに取り込んだ計測値は「H」の区間の計測値と判断
し、B点のように「H」の場合はその直前にカウンタバ
ッファに取り込んだ計測値は「L」の区間の計測値と判
断する。(g)は「H」区間の計測値Th(n)を、
(h)は「L」区間の計測値Tl(n)を示す。
【0006】 こうして得られた「H」の区間と「L」
の区間の計測値を合計することによって(i)のように
周期Tall(n)=Th(n)+Tl(n)を得るこ
とができる。マイクロプロセッサ25は Dout(n)={Th(n)}/{Tall(n)}×(定数) (1) すなわち、PWM信号31の(「H」のの区間)/(周
期)を演算し、これを定数倍してデジタル出力データと
する。
【0007】このようにして求められたデジタル信号を
速度指令値としてソフトウエアによる速度制御に供す
る。すなわち、マイクロプロセッサ25は、デジタル変
換された上記速度指令値とエンコーダ28からのモータ
27の回転速度との偏差を演算し、偏差がゼロとなるよ
うにインバータ26を制御する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図12に示すようなア
ナログ・デジタル変換回路によれば、A/Dコンバータ
ICを用いることなくA/D変換回路を構成することが
できるし、何らかの原因で三角波の周波数が変動したと
してもデジタル出力データは変動しないという利点があ
る。しかしながら、上記アナログ・デジタル変換回路で
は、デジタル出力データが温度により変化する欠点があ
る。以下、その理由を説明する。
【0009】 いま、図12のアナログ信号29を一定
電圧としたとき、PWM信号31のデューティ、すなわ
ち、PWM信号31の(正の区間)/(周期)が一定で
あるならば(1)式の出力データは一定であるはずであ
る。しかし、温度変化によってPWM信号31のデュー
ティが変化し、(1)式の出力データが変化する。PW
M信号31のデューティが変化する主な原因として次の
3つがある。 三角波の振幅が温度によって変化する。 三角波の直流分が温度により変化する。 コンパレータのオフセット電圧が温度により変化す
る。
【0010】上記については、三角波発生回路を構成
するアナログ素子の温度特性を考慮して設計することに
より容易にかつ低コストで対策をとることができる。し
かしながら、上記については、回路素子の選択だけ
では相当なコストアップになる。
【0011】本発明は、このような問題点を解消するた
めになされたもので、アナログ・デジタル変換に用いる
三角波の直流分が温度により変化しても、また、コンパ
レータのオフセット電圧が温度により変化しても、デジ
タル出力データが変化することのないようにした低コス
トのアナログ・デジタル変換回路を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】 本発明は、アナログ信
号を一定周波数で一定振幅の三角波と比較してパルス幅
変調信号に変換する第1のコンパレータと、上記パルス
幅変調信号の「H」又は「L」の区間を計測して上記パ
ルス幅変調信号のデューティに対応するカウント値であ
るデジタル信号に変換するための第1のカウンタとを有
してなるアナログ・デジタル変換回路であって、上記三
角波の発生回路は、この三角波発生回路を構成する回路
素子の温度特性を考慮して一定振幅の三角波を発生させ
るようにしてあり、0Vの電圧と上記三角波とを比較し
て矩形波に変換する第2のコンパレータと、上記矩形波
の「H」又は「L」の区間を計測して上記矩形波のデュ
ーティに対応するカウント値であるデジタル信号に変換
するための第2のカウンタと、上記第1のコンパレータ
により得られる上記パルス幅変調信号のデューティに対
応するデータから上記第2のコンパレータにより得られ
る矩形波のデューティに対応するデータを引く処理手段
とを有することを特徴とする。
【0013】
【作用】三角波の直流分が温度により変化し、また、コ
ンパレータのオフセット電圧が温度により変化すると、
パルス幅変調信号のデューティ及び矩形波のデューティ
が変化する。パルス幅変調信号のデューティに対応する
データから矩形波のデューティに対応するデータを引く
ことにより、パルス幅変調信号のデューティに対応する
データに含まれる三角波の直流分の温度による変化分及
びコンパレータのオフセット電圧の温度による変化分が
キャンセルされる。
【0014】
【実施例】以下、図1ないし図11を参照しながら本発
明にかかるアナログ・デジタル変換回路の実施例につい
て説明する。なお、図示の実施例では、図12に示した
従来例と同様に、アナログ・デジタル変換回路をモータ
の速度制御回路に適用した例になっている。
【0015】図1において、例えば速度指令電圧である
アナログ信号9は第1のコンパレータ1で三角波10と
比較されてパルス幅変調(PWM)信号11に変換さ
れ、このPWM信号11は、第1のカウンタ3と第2の
カウンタ4を有するマイクロプロセッサ5の上記第1の
カウンタ3に入力される。一方、一定電圧(ここではグ
ランド電圧)と三角波10が第2のコンパレータ2で比
較され、矩形波12が形成される。矩形波12はマイク
ロプロセッサ5の上記第2のカウンタ4に入力される。
【0016】 上記カウンタ3は、PWM信号11のデ
ューティに対応するカウント値を得る。カウンタ4は、
矩形波12のデューティに対応するカウント値を得る。
マイクロプロセッサ5は、PWM信号11のデューティ
に対応するデータから、矩形波12のデューティに対応
するデータを引いたデジタルデータDout2(n)を
出力すると共に、エンコーダ8からのモータ7の回転速
度信号と上記アナログ信号9の偏差がゼロとなるように
インバータを制御するようになっている。
【0017】次に、図2を併せて参照しながら上記実施
例の動作を詳細に説明する。指令信号であるアナログ信
号9は、第1のコンパレータ1によって三角波10と比
較される。図2(a)(b)に示すように、アナログ信
号9はそのレベルに応じて三角波10を横切るレベル位
置が異なるため、コンパレータ1の出力は、アナログ信
号9のレベルに応じたPWM信号11となる。この例で
はアナログ信号9の電圧が三角波の電圧より大きいとき
コンパレータ1のPWM信号11が「H」となるように
接続されている。
【0018】一方、第2のコンパレータ2は一定電圧で
あるグランド電圧と三角波10を比較し、図2(c)に
示す矩形波12を出力する。グランド電圧すなわち0V
と三角波10を比較するため、矩形波12のデューティ
はほぼ50%である。
【0019】マイクロプロセッサ5のカウンタ3及びカ
ウンタ4は内部クロックを利用して、それぞれPWM信
号11及び矩形波12の「H」区間及び「L」区間をカ
ウントする。それぞれの区間のカウント値を図2(d)
(e)(f)(g)に示すようにTh1(n)、Tl
1(n)、Th2(n)、Tl2(n)とする。(n)
は、n回目のサンプリング値であることを意味してい
る。マイクロプロセッサ5は上記カウント値から、デジ
タル出力データDout2(n)を次式で計算する。 K:定数 (2)
【0020】(2)式の第1項はPWM信号11のデュ
ーティに対応するデータ、第2項は矩形波12のデュー
ティに対応するデータ、第3項は定数である。即ち、
(2)式はPWM信号11のデューティに対応するデー
タから矩形波12のデューティに対応するデータを引い
ている。分母のTh2(n)+Tl2(n)は周期を表
す。PWM信号11のTh1(n)+Tl1(n)で計算
しても周期を表すが、PWM信号11は変化するデータ
でありノイズ分が大きいことから、ここではノイズ分が
少ない矩形波12の周期を用いている。また、(2)式
の第2項の−{K×Th2(n)}/{Th2(n)+T
2(n)}と第3項のK/2の和は、矩形波12のデ
ューティが約50%であることからTh2(n)≒Tl2
(n)を用いてほぼ0となる。従って、(2)式は第1
項の寄与が大きく、前記(1)式とほぼ同じになる。す
なわち、第2項+第3項が補正項となっている。
【0021】次に、上記補正の効果について説明する。
まず、図12に示した従来例の温度特性の原因について
考察する。コンパレータのモデルを図3に、三角波のモ
デルを図4に示す。図3(a)に示す実際のコンパレー
タ1は、図3(b)に示すように、理想コンパレータ1
aにオフセット電圧Vofを加えたものと考えることが
できる。オフセット電圧Vofは温度特性をもつ。理想
コンパレータ1aは、アナログ信号であるVrefと、
Vtri+Vofとを比較する。Vtriは三角波10
を意味する。
【0022】図4(a)は理想的な三角波、図4(b)
は実際の三角波を示す。実際の三角波Vtriは、理想
的な三角波の交流分Vacに直流分Vdcを加えたもの
と考えることができる。直流分Vdcは温度特性をも
つ。交流分Vacの振幅も温度特性をもつが、前述のよ
うに、三角波発生回路のアナログ素子の温度係数に注意
した設計により、VofやVdcの温度特性に比べて無
視できる程度に極めて小さくすることができる。
【0023】図3、図4から明らかなように、コンパレ
ータ1のプラス入力VrefはVtri+Vof=Va
c+Vdc+Vofと比較される。ここでVdcとVo
fの温度特性が問題であり、前述の問題点がこれに
該当する。
【0024】図5、図6は、図3、図4のモデルを図1
の実施例にあてはめたものである。図6では図5に対し
Vof1を等価的に三角波の直流分に置き換えている。
第1のカウンタ3から得られるTh1(n)及びTl
1(n)はアナログ信号Vrefと三角波Vac+Vd
c+Vof1を比較して得られたPWM信号を計測した
値と考えることができる。また、Th2(n),Tl
2(n)については、オフセット電圧 Vof2−Vof1= (Vof2−Vof125℃+(Vof2−Vof1)Δt℃ (3) をもつコンパレータにて、0Vと三角波Vac+Vdc
+Vof1を比較して得られた矩形波信号を計測した値
と考えることができる。(3)式の右辺の第1項は25
℃におけるVof2−Vof1の値、第2項は25℃から
温度が変化した場合のVof2−Vof1の変化量を示し
ている。
【0025】 ここで、(3)式をゼロとみなすために
次の二つの条件を設定する。 条件:(Vof2−Vof125℃をボリューム又はソ
フトウエアで調整する。 条件:図1に示す実施例の二つのコンパレータ1,2
を1パッケージに組み込んだコンパレータICとしてV
of1,Vof2の温度特性がほぼ等しいものを使用す
る。 上記二つの条件を満足するようにコンパレータ1,2及
びその周辺の回路を設計すれば、温度特性も含めてVo
2−Vof1≒0を実現できる。なお、条件は図6の
(Vof2−Vof125すなわち(3)式の第1項を
ゼロとすることを意味する。条件は図6の(Vof2
−Vof1)Δt℃すなわち(3)式の第2項をゼロと
することを意味する従って、条件の両辺が満足す
るとき、(3)式の右辺はゼロとなる。
【0026】上記の条件を満足した場合、図1の実
施例は図7のモデルと同等になる。図7のモデルでは、
温度特性をもたない理想コンパレータ1a,2aに同じ
三角波Vac+Vdc+Vof1を入力することにな
り、二つのコンパレータ1,2のオフセット電圧の温度
特性の差はキャンセルされる。なお、図1、図2におけ
るTh1(n),Tl1(n),Th2(n),Tl
2(n)と図5ないし図7のそれらは全く同じものであ
り、ただ、PWM信号及び矩形波を発生させるモデルの
みが異なっている。
【0027】図7に示すモデルにおいてVdc+Vof
1が温度により変化したときの波形を図8、図9に示
す。図8はVdc+Vof1=0の場合、図9はVdc
+Vof1>0の場合を示す。この二つの場合を区別す
るために、図9ではTh1(n),Tl1(n),Th2
(n),Tl2(n)に「′」を付けた。Vrefの変
化に対して三角波の周波数が十分に高く、三角波の1周
期内でVrefがほとんど変化しないとすると、 Th1(n)+Tl1(n)=Th2(n)+Tl2(n)=A ̄C が成り立つ。図9でも同様である。
【0028】図8において三角波の振幅をAmとする
と、 が成り立つ。ここで、Vrefが刻々と変化していると
いう意味で(t)を付けた。(2)式より となり、同様に図9においても となる。従って、(2)式は となる。ここで「′」はVdc+Vof1の異なる図か
ら求めたことを区別するために付けた。
【0029】(4)式と(5)式はVref(t)とD
out2(n)、Vref(t)とDout2′(n)が
一次式の関係であり、アナログ信号をデジタル信号に線
形に変換することを意味している。(4)式と(5)式
から、温度変化によってVdc+Vof1が変化しても
(2)式の値は不変であることが証明される。また図9
においてA ̄CとA′ ̄C′が異なっていても、(4)
式と(5)式の結果は同じである。すなわち、三角波の
周波数が変化しても(2)式の値は不変である。
【0030】以上、図1に示す実施例において、図2の
ようにして求めた値Th1(n),Tl1(n),Th2
(n),Tl2(n)を用いて(2)式より計算した出
力データは、 三角波の振幅が温度により変化しない(Vacが温度
により変化しない)。 (コンパレータ2のオフセット電圧)−(コンパレー
タ1のオフセット電圧)がゼロ(即ち(3)式=0、あ
るいは前記条件)。という条件のもとで、 a.三角波の直流分Vdcの変化に対して不変である。 b.コンパレータ1のオフセット電圧of1の変化に対
して不変である。 c.三角波の周波数変化に対して不変である。ことが明
らかになった。
【0031】従って、温度変化により、三角波の直流分
が変化しても、第1のコンパレータ1のオフセット電圧
が変化しても、三角波の周波数が変化しても、(2)式
で求められるデジタルデータは変化せず、温度特性が改
善される。なお、上記条件より、Vof2の温度特性
がVof1の温度特性とほぼ等しいとき、第2のコンパ
レータのオフセット電圧が温度により変化しても、
(2)式のデジタルデータは温度により変化しないとい
うことができる。
【0032】なお、前に述べた(Vof2−Vof125
℃を調整するという条件は、モデルを簡単にして説明
しやすくするために用いたもので、上記の結論には影響
を及ぼさない。以下にこれを説明するとともに、併せて
外付けのボリュームによる調整方法ではなく、ソフトウ
エアによる(Vof2−Vof125℃の調整方法につい
ても説明する。
【0033】図6においてコンパレータのオフセット電
圧差の温度による変化分、すなわち(Vof2−Vo
1)Δt℃がゼロに調整されたモデルを図10に示
す。図11はこの時のコンパレータ1,2の動作を示
す。コンパレータ2では0Vと三角波Vac+Vdc+
Vof1+(Vof2−Vof125℃が比較される。図
12(b)ではこの三角波を破線で示している。このと
き三角波の周波数がVrefの変化より速いとすると、
Th1(n)+Tl1(n)=Th2(n)+Tl2(n)
=L ̄Nが成り立つ。
【0034】なお、図8、図9ではそれぞれ一つの図の
中にVrefと三角波を比較したコンパレータ1の出
力、0Vと三角波を比較したコンパレータ2の出力を合
わせて示しており、図8、図9は別の時間である。これ
に対して図11では、(a)でVrefと三角波を比較
したコンパレータ1の出力、(b)で0Vと三角波を比
較したコンパレータ2の出力を示しており、同じ瞬間で
ある。すなわち、(a)のL ̄Nと(b)のL ̄Nは全
く同じものである。従って、(b)では「′」を付けて
いない。
【0035】 さて、図11(a)より また、図11(b)より が成り立つ。上の2式を(2)式に代入すると、 が得られる。これを変形した と図7のモデルから得られた(5)式を比較すると、左
辺の(K/2Am)(Vof2−Vof125℃のみが異
なる。この項は温度により変化しない項である。
【0036】従って、(2)式により得られた値Dou
2(n)から常に(K/2Am)(Vof2−Vo
125℃を引いてオフセット電圧補償した値を新たに
Dout2(n)と考えれば、図7に関する説明は、
(Vof2−Vof125℃がゼロでない図10のモデル
にあてはまる。このようにして、外付けのボリュームの
調整によらず、ソフトウエアでオフセット調整を行うこ
とができる。
【0037】オフセット補正も含めると(2)式は となる。
【0038】 なお、(K/2Am)(Vof2−Vo
125℃の求め方について説明しておく。アナログ入
力Vref=0Vとして(2)式よりDout2を求め
る。このときのデジタルデータDout2は(6)式よ
り、 の値となっている。Kは、予め定めた定数であるから、
上式より(K/2Am)(Vof2−Vof125℃に対
応するデジタルデータが求められる。つまり、アナログ
入力がゼロのときに、デジタルデータの値がK/2より
どれだけずれているかを求めればよい。
【0039】 以上説明した実施例によれば、アナログ
信号9を三角波10と比較してパルス幅変調信号11に
変換するコンパレータ1と、パルス幅変調信号11の
「H」又は「L」の区間を計測してデジタル信号に変換
するカウンタ3とを有するアナログ・デジタル変換回路
において、パルス幅変調信号11のデューティに対応す
るデータから、0Vの電圧と三角波10を比較して得ら
れる矩形波12のデューティに対応するデータを引くこ
とによりアナログ信号からデジタルデータに変換するよ
うにしたため、三角波10の直流分が温度により変化
し、また、コンパレータ1,2のオフセット電圧が温度
により変化してパルス幅変調信号11のデューティ及び
矩形波12のデューティが変化しても、パルス幅変調信
号11のデューティに対応するデータに含まれる三角波
10の直流分の温度による変化分及びコンパレータ1,
2のオフセット電圧の温度による変化分がキャンセルさ
れ、温度変化による誤差のない精度の高いアナログ・デ
ジタル変換回路を得ることができる。
【0040】次に、本発明の各種変形例について説明す
る。本発明の核心は(2)式である。すなわち(デジタ
ル出力データ)=K×{(コンパレータ1の出力のデュ
ーティ)−(コンパレータ2の出力のデューティ)+1
/2} (8)である。Kは定数であり、割算
のとき桁落ちを防ぐために予めKを掛けておく。もっと
も、演算の工夫でKを掛ける作業を除くことも可能であ
る。また、1/2はバイアス量であり、デジタル出力を
負の値にさせない目的である。従って、負の値になって
も差し支えない場合は1/2の項はなくてもよい。
【0041】(7)式でオフセット補正について検討し
たが、使用するコンパレータのオフセット電圧が小さく
て無視できる程度であるときはオフセット補正をしなく
てもよい。
【0042】(2)式ではデューティを求めるための周
期としてコンパレータ2の出力の周期を用いたが、コン
パレータ1の出力の周期を用いてもよい。また、コンパ
レータ2の入力は0Vとしたが、温度変化のない一定電
圧であれば0V以外でも可能である。(2)式では
「H」区間のデューティにより計算しているが、「L」
区間のデューティにより計算してもよい。
【0043】図1の実施例では、アナログ・デジタル変
換回路をモータの速度制御回路に適用していたが、本発
明は、アナログ入力をデジタルデータに変換してそのデ
ータにより何かの処理を行う他のシステムを除外するも
のではない。
【0044】図示の実施例ではマイクロプロセッサ内蔵
のカウンタを使用するようになっていたが、ゲートアレ
イ等でカウンタ回路を作成し、そこで得られた「H」区
間の計測値、「L」区間の計測値をマイクロコンピュー
タに取り込んで(2)式の処理を行うことも可能であ
る。
【0045】コンパレータ1、コンパレータ2に入力す
る三角波は必ずしも全く同一でなくてもよい。コンパレ
ータ1に入力する三角波とコンパレータ2に入力する三
角波の直流分が異なっていてもよい。この直流分の差を
Δdcとおき、図6においてVof2−Vof1をVof
2−Vof1+Δdcと考えれば、今までの説明はそのま
ま通用する。
【0046】
【発明の効果】 本発明によれば、アナログ信号を一定
周波数で一定振幅の三角波と比較してパルス幅変調信号
に変換する第1のコンパレータと、上記パルス幅変調信
号の「H」又は「L」の区間を計測して上記パルス幅変
調信号のデューティに対応するカウント値であるデジタ
ル信号に変換するための第1のカウンタとを有してなる
アナログ・デジタル変換回路であって、0Vの電圧と上
記三角波とを比較して矩形波に変換する第2のコンパレ
ータと、上記矩形波の「H」又は「L」の区間を計測し
て上記矩形波のデューティに対応するカウント値である
デジタル信号に変換するための第2のカウンタと、上記
第1のコンパレータにより得られる上記パルス幅変調信
号のデューティに対応するデータから上記第2のコンパ
レータにより得られる矩形波のデューティに対応するデ
ータを引く処理手段とを設けることによりアナログ信号
からデジタルデータに変換するようにしたため、三角波
の直流分が温度により変化し、また、コンパレータのオ
フセット電圧が温度により変化してパルス幅変調信号の
デューティ及び矩形波のデューティが変化しても、パル
ス幅変調信号のデューティに対応するデータに含まれる
三角波の直流分の温度による変化分及びコンパレータの
オフセット電圧の温度による変化分がキャンセルされ、
温度変化による誤差のない精度の高いアナログ・デジタ
ル変換回路を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるアナログ・デジタル変換回路の
実施例を示すブロック図である。
【図2】同上実施例の動作を示すタイミングチャートで
ある。
【図3】上記実施例中のコンパレータのモデルを示すブ
ロック図である。
【図4】上記実施例に用いられる三角波のモデルを示す
波形図である。
【図5】上記実施例の温度特性を考慮したモデルを示す
ブロック図である。
【図6】上記実施例の温度特性を考慮した別のモデルを
示すブロック図である。
【図7】上記実施例中の二つのコンパレータのオフセッ
ト電圧差をゼロに調整したモデルを示すブロック図であ
る。
【図8】図7のモデルにおいて三角波の直流分とコンパ
レータのオフセットが温度変化した場合のタイミングチ
ャートである。
【図9】同じく三角波の直流分とコンパレータのオフセ
ット電圧が温度変化した別の場合のタイミングチャート
である。
【図10】上記実施例中の二つのコンパレータのオフセ
ット電圧差の温度による変化分をゼロに仮定したモデル
を示すブロック図である。
【図11】図10のモデルの動作を示すタイミングチャ
ートである。
【図12】本発明の完成前に考えられていたアナログ・
デジタル変換回路の例を示すブロック図である。
【図13】同上アナログ・デジタル変換回路の動作を示
すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 コンパレータ 3 カウンタ 9 アナログ信号 10 三角波 11 パルス幅変調信号 12 矩形波
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−233937(JP,A) 特開 昭55−60336(JP,A) 特開 昭55−60336(JP,A) 特開 昭58−95423(JP,A) 特開 昭59−208935(JP,A) 特開 昭59−117821(JP,A) 特開 昭61−35627(JP,A) 特公 昭50−29909(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H03M 1/56 G01R 19/25

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナログ信号を一定周波数で一定振幅の
    三角波と比較してパルス幅変調信号に変換する第1のコ
    ンパレータと、上記パルス幅変調信号の「H」又は
    「L」の区間を計測して上記パルス幅変調信号のデュー
    ティに対応するカウント値であるデジタル信号に変換す
    るための第1のカウンタとを有してなるアナログ・デジ
    タル変換回路であって、上記三角波の発生回路は、この三角波発生回路を構成す
    る回路素子の温度特性を考慮して一定振幅の三角波を発
    生させるようにしてあり、 0Vの 電圧と上記三角波とを比較して矩形波に変換する
    第2のコンパレータと、上記矩形波の「H」又は「L」
    の区間を計測して上記矩形波のデューティに対応するカ
    ウント値であるデジタル信号に変換するための第2のカ
    ウンタと、上記第1のコンパレータにより得られる上記
    パルス幅変調信号のデューティに対応するデータから上
    記第2のコンパレータにより得られる矩形波のデューテ
    ィに対応するデータを引く処理手段とを有し、上記アナ
    ログ信号からデジタルデータに変換することを特徴とす
    るアナログ・デジタル変換回路。
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