JP2798347B2 - ウェーハのノッチ部研磨装置 - Google Patents

ウェーハのノッチ部研磨装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウェーハの位置合せあ
るいは方位合せに用いられるノッチ部を研磨するための
ノッチ部研磨装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シリコン単結晶ウェーハあるいは化合物
半導体ウェーハなど(以下ウェーハと言う)に半導体集
積回路のパターンを形成する場合、ホトリソグラフィ技
術が用いられているが、このホトリソグラフィ技術の適
用にあたっては、ウェーハの高度な位置合せや方位合せ
が必要となる。そのため、ウェーハ外周部の一部を直線
状に切り欠き、該部を位置合せや方位合せのための基準
とすることが行われている。この直線状に切り欠かれた
部分はオリエンテーションフラットと呼ばれている。
【0003】このオリエンテーションフラットをウェー
ハに形成する場合、ウェーハ外周部を直線状に切り欠く
ため、ウェーハの切欠き量が必然的に多くなり、その
分、1枚のウェーハで形成し得る半導体チップの数が少
なくなってしまい、高価なウェーハを効率的に利用する
ことができないという問題があった。また高速回転によ
る遠心力でウェーハを乾燥させるスピンドライヤーのよ
うな装置では、オリエンテーションフラット付きの大口
径ウェーハは、バランスを取りにくいという作業上の問
題があった。
【0004】そこで、最近では、ウェーハ外周部の一部
を円弧状またはV字状に切り欠いた、いわゆるノッチ部
を設け、このノッチ部でもってウェーハの位置合せ、方
位合せを行うものが実用化されている。
【0005】このノッチ部は、例えば、紡錘形状をした
砥石31(図3)を使用して形成される。すなわち、図
4の平面図に示すように、前記砥石31をウェーハWの
外周部に食い込ませ、砥石31によってウェーハWの外
周部の一部を研削することによって、ノッチ部32は形
成される。図5は、図4のA−A線に沿う縦断面図であ
り、同図に示すように、ノッチ部32の内面は、ウェー
ハの厚さ方向中央部が径方向の外側に膨出した形状とな
っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、リソグラフ
ィ工程において、微細な粒塵は、半導体デバイス製造時
における微細加工の阻害要因となるので、高度のクリー
ンルームが必要とされ、かつ、ウェーハからの微細な粒
塵の発生を極力防止することが望まれている。
【0007】そのためには、ノッチ部32の内面を研磨
しておき、位置合せや方位合せの際に硬質のピンと接触
した時にも、粒塵が発生しないようにしておく必要があ
る。しかし、ノッチ部32の形成領域は、オリエンテー
ションフラットの場合と比べて狭く、また、ノッチ部3
2の切欠きは円弧状またはV字状となっており、その内
面には膨出部が存在するなど形状が複雑である。したが
って、ノッチ部32の研磨を行うのは容易ではない。
【0008】本発明は、かかる点に鑑みなされたもの
で、ウェーハのノッチ部内面を効果的に研磨可能な研磨
装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のノッチ部
研磨装置は、ウェーハの外周部の一部を切り欠いて形成
したノッチ部を研磨するためのノッチ部研磨装置であっ
て、ウェーハを保持可能なテーブルと、前記テーブルに
保持されるウェーハ面に平行な軸を中心に回転可能で、
かつ外周部形状がほぼノッチ部形状に近い回転バフと、
この回転バフを回転させる第1のモータと、前記回転バ
フを、バフ保持リンクを介して、前記テーブルに保持さ
れるウェーハに対して接離させるシリンダ装置と、前記
テーブルを、ウェーハのノッチ部の切欠き内面に対して
垂直方向に前記バフの押圧力が作用するように、前記テ
ーブルに保持されるウェーハ面に平行で、かつ、その延
長線が該ウェーハのノッチ部にほぼ接する軸を中心とし
旋回させる第2のモータとを備えたものである。
【0010】請求項2記載のノッチ部研磨装置は、請求
項1記載のノッチ部研磨装置のテーブルにおいて、同テ
ーブルに保持されたウェーハ面を正逆方向に回転脈動さ
せるためのモータを有するものである。
【0011】
【作用】上記した手段によれば、シリンダ装置によって
回転バフを、テーブルに保持されたウェーハのノッチ部
に押し付け、第1のモータによって回転バフを回転させ
るとともに、第2のモータによって、テーブルを、テー
ブルに保持されるウェーハ面に平行で、かつ、その延長
線が該ウェーハのノッチ部にほぼ接する軸を中心としウ
ェーハのノッチ部の切欠き内面に対して垂直方向に押圧
力が作用するようにして旋回させる。これによって、回
転する回転バフがノッチ部内面を倣うことになり、ノッ
チ部内面の研磨が行われることになる。この場合、予め
バフ保持リンクについて支点を中心としてバランスをと
っておき、シリンダ装置における圧力を一定にすれば、
その姿勢角度にかかわらず回転バフのノッチ部への押圧
力を常に均一とすることができる。したがって、良好な
研磨面が得られることになる。
【0012】また、請求項2記載の発明によれば、ノッ
チ部において、ウェーハ面を正逆方向に回転脈動させる
ことが可能なので、ノッチ部内面全体が良好に研磨され
ることになる。
【0013】
【実施例】以下、本発明に係るノッチ部研磨装置の実施
例について説明する。
【0014】図1には実施例のノッチ部研磨装置が示さ
れ、同図において符号1はノッチ部研磨装置を指し示し
ている。このノッチ部研磨装置1は、ウェーハWを保持
するテーブル2と、このテーブル2を正逆方向に回転脈
動させることが可能なパルスモータ3を有している。こ
のうちテーブル2には図示しない真空吸着装置が連結さ
れ、ウェーハWをテーブル2上に真空吸着によって保持
できるようになっている。テーブル2はクランク4に保
持され、クランク軸4aの一方は軸受け5に保持され、
他方はパルスモータ(第2のモータ)6に連結されてい
る。ここで、クランク軸4aはウェーハWの主面に平行
で、かつ、その延長線がウェーハWのノッチ部32にほ
ぼ接するように構成されている。
【0015】また、このノッチ部研磨装置1は回転バフ
7を有し、この回転バフ7は、弾性材料、例えば発泡ポ
リウレタン等の合成樹脂によって形成されている。この
回転バフ7は、該回転バフ7を回転させる電動モータ
(第1のモータ)8に連結されるとともに、リンク機構
9によって保持されている。なお、回転バフ7は、テー
ブル2に保持されるウェーハ面に平行な軸7aを中心に
回転可能となっている。
【0016】リンク機構9は、リンク91、92を含ん
で構成されている。このリンク機構9は、固定リンク9
1の基板91aの中間部にブラケット91b,91bが
立設され、このブラケット91b,91bに、軸92a
を中心にシーソ動作可能にリンク92が取り付けられた
構造となっている。このリンク92の一端には回転バフ
7および電動モータ8が取り付けられている。一方、リ
ンク92の他端と前記リンク91の上端との間にはエア
シリンダ装置10が設置されている。つまり、エアシリ
ンダ装置10は、シリンダ基端がリンク91に固着さ
れ、ロッド先端がリンク92と回り対偶をなすようにし
て設置されている。このエアシリンダ装置10は図示し
ないエア給排装置およびエア圧力調節装置に連結されて
いる。
【0017】次に、このノッチ部研磨装置1によりなさ
れるノッチ部32の研磨の手順について説明する。
【0018】まず、ウェーハWをテーブル2に真空吸着
等によってセットする。このウェーハWのセットによっ
て、クランク軸4aの延長線上に、ウェーハWのノッチ
部32近傍が位置するようにする。そのためには、研磨
対象物であるウェーハWの径を考慮して、クランク軸4
aとテーブル2との位置関係を予め設定しておくか、ク
ランク軸4aに対してテーブル2が相対移動できるよう
にしておくことが望まれる。なお、ウェーハWのセット
の時には、エアシリンダ装置10によりウェーハWから
回転バフ7を離しておく。
【0019】次に、エアシリンダ装置10を作動させ、
回転バフ7をウェーハWのノッチ部32内面に対して押
圧する。すると、回転バフ7の周面部が幾分弾性変形
し、回転バフ7はウェーハWのノッチ部32に広く接触
する。その後、電動モータ8によって回転バフ7を回転
させるとともに、パルスモータ6によりテーブル2を図
2に示すように、前記押圧力がノッチ部32内面に対し
て垂直方向に作用するようにゆっくり旋回させる。これ
により、回転する回転バフ7がノッチ部32内面を倣う
ことになり、ノッチ部32内面の研磨が行われることに
なる。このとき、例えばアルカリ液中にコロイダルシリ
カを分散させた研磨剤をノッチ部32に供給するように
する。この旋回研磨の動作は、ノッチ部32内面に沿っ
て往復動作する形で所定の回数行われる。
【0020】また、必要に応じてテーブル2を回転バフ
7の押圧方向に対し、ノッチ部32内において直角をな
す正逆方向に回転脈動させるようにし、ノッチ部32内
面全体を研磨するようにする。
【0021】以上説明したノッチ部研磨装置1によれば
次のような効果がえられる。
【0022】すなわち、回転バフ7がノッチ部32内面
を倣うように動くので、ノッチ部32内面の研磨が効果
的に行われることになる。この場合、テーブル2を、ク
ランク軸4aを中心としウェーハWのノッチ部32の切
欠き内面に対して垂直方向に回転バフ7の押圧力が作用
するように旋回させることができるので、予めバフ保持
リンク92について支点92aを中心としてバランスを
とっておくことにより、シリンダ装置のエア圧力を一定
にして、回転バフ7のノッチ部32への押圧力を常に均
一に保つことができ、ノッチ部全面にわたって良好な研
磨面が得られることになる。
【0023】また、テーブル2は、パルスモータ3によ
って、同テーブルに保持されたウェーハWのノッチ部3
2を、回転バフ7の押圧方向に対し、直角をなす正逆方
向に回転脈動させることになるので、ノッチ部32内面
全体が回転バフ7に圧接されることになり、効率的に研
磨が行われることになる。
【0024】以上、本発明者がなした実施例について説
明したが、本発明は、かかる実施例に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能
である。
【0025】例えば、前記実施例では、エアシリンダ装
置10を用いているが、その代わりに、油圧シリンダ装
置を用いるようにしても良い。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、回転する回転バフがノ
ッチ部内面を倣うことになり、ノッチ部内面の研磨が行
われることになる。この場合、バフ保持リンクは支点を
中心としてバランスをとっておくことにより、シリンダ
装置におけるエア圧力を一定にすれば、その姿勢角度に
かかわらず回転バフのノッチ部への押圧力を常に均一と
することができる。したがって、良好な研磨面が得られ
ることになる。
【0027】また、テーブルを正逆方向に回転脈動させ
ることによって、ウェーハのノッチ部を、回転バフの押
圧方向に対して直角方向に往復動作させるようにすれ
ば、ノッチ部内面全体が効率的に研磨されることにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のノッチ部研磨装置の斜視図である。
【図2】図1のノッチ部研磨装置を説明するための側面
図である。
【図3】ノッチ部形成に使用する砥石の斜視図である。
【図4】ノッチ部付きのウェーハの平面図である。
【図5】図4のA−A線に沿う縦断面図である。
【符号の説明】
1 ノッチ部研磨装置 2 テーブル 3,6,8 モータ 4 クランク 5 軸受け 7 回転バフ 9 リンク機構 10 エアシリンダ装置 W ウェーハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 浩一郎 長野県長野市松代町清野1650番地 不二 越機械工業株式会社内 (72)発明者 中村 由夫 長野県長野市松代町清野1650番地 不二 越機械工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−180554(JP,A) 特開 平2−87523(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B24B 9/00 B24B 29/00 - 29/02 H01L 21/304 321

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェーハの外周部の一部を切り欠いて形
    成したノッチ部を研磨するためのノッチ部研磨装置であ
    って、 ウェーハを保持可能なテーブルと、 前記テーブルに保持されるウェーハ面に平行な軸を中心
    に回転可能で、かつ外周部形状がほぼノッチ部形状に近
    い回転バフと、 この回転バフを回転させる第1のモータと、 前記回転バフを、バフ保持リンクを介して、前記テーブ
    ルに保持されるウェーハに対して接離させるシリンダ装
    置と、 前記テーブルを、ウェーハのノッチ部の切欠き内面に対
    して垂直方向に前記バフの押圧力が作用するように、前
    記テーブルに保持されるウェーハ面に平行で、かつ、そ
    の延長線が該ウェーハのノッチ部にほぼ接する軸を中心
    として旋回させる第2のモータとを備えたことを特徴と
    する、ウェーハのノッチ部研磨装置。
  2. 【請求項2】 前記テーブルは、同テーブルに保持され
    たウェーハ面を正逆方向に回転脈動させるためのモータ
    を有することを特徴とする請求項1記載の、ウェーハの
    ノッチ部研磨装置。
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