JP3445237B2 - ワーク外周の研磨方法および研磨装置 - Google Patents

ワーク外周の研磨方法および研磨装置

Info

Publication number
JP3445237B2
JP3445237B2 JP2000328139A JP2000328139A JP3445237B2 JP 3445237 B2 JP3445237 B2 JP 3445237B2 JP 2000328139 A JP2000328139 A JP 2000328139A JP 2000328139 A JP2000328139 A JP 2000328139A JP 3445237 B2 JP3445237 B2 JP 3445237B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
work
diameter portion
workpiece
center axis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000328139A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002137155A (ja
Inventor
勝則 永尾
勲 長橋
Original Assignee
システム精工株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by システム精工株式会社 filed Critical システム精工株式会社
Priority to JP2000328139A priority Critical patent/JP3445237B2/ja
Publication of JP2002137155A publication Critical patent/JP2002137155A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3445237B2 publication Critical patent/JP3445237B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコン半導体ウエ
ハなどの円板状のワークの外周に形成されたチャンファ
面を研磨するワーク外周の研磨加工技術に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路はシリコン製の半導体ウ
エハやガリウムヒ素などの化合物半導体ウエハの表面に
一連の製造プロセスを経て形成され、半導体ウエハから
チップ片を切り出すことにより半導体集積回路装置つま
り半導体デバイスが製造される。
【0003】シリコン半導体ウエハは、円柱形状のシリ
コン単結晶インゴットからカッターにより円板状に切り
出すことによって形成される。それぞれの半導体ウエハ
の両面外周部は砥石を用いた面取り加工によってチャン
ファ面つまりベベル部が研削加工されるとともに外周面
が研削加工され、さらに、これらは研磨パッドを用いて
ラッピング加工やポリッシング加工される。
【0004】半導体ウエハの外周部に加工されたチャン
ファ面をラッピング加工したりポリッシング加工するた
めに、従来では、半球形状の研磨面を有する研磨パッド
を回転し、円板状の半導体ウエハのチャンファ面を球形
状の研磨面に押し付けた状態として、半導体ウエハつま
りワークを回転させている。このような研磨装置つまり
面取り加工装置としては、たとえば、特開平10-29142号
公報に開示されるようなものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の面取
り加工装置を用いて半導体ウエハのチャンファ面の研磨
加工を行うと、チャンファ面のみならず、半導体ウエハ
の表面のうちチャンファ面に隣接した部位が研磨パッド
により研磨加工されてしまい、その部分に段差が発生す
ることがあった。特に、同じ研磨パッドで繰り返して多
数枚の半導体ウエハの加工を行い、研磨パッドの研磨面
に半導体ウエハの押し付け力によるトラック状の溝が発
生すると、半導体ウエハの表面に段差が顕著に発生し
た。
【0006】段差が発生した半導体ウエハは使用するこ
とができないので、研磨パッドを頻繁に新品と交換しな
ければらなず、加工能率を向上させる上でネックとなっ
ている。また、面取り加工時に半導体ウエハの表面に段
差が発生すると、その半導体ウエハを使用することがで
きないので、加工歩留りを低下させることになる。
【0007】本発明の目的は、半導体ウエハなどの円板
状のワークの表面に段差を発生させることなく、チャン
ファ面を加工し得るようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のワーク外周の研
磨加工方法は、円板状ワークの外周部に形成されたチャ
ンファ面を研磨加工するワーク外周の研磨方法であっ
て、小径部と大径部との間に傾斜して形成された内周研
磨面を有する研磨リングの前記内周研磨面に、前記チャ
ンファ面のうち前記ワークの中心から相互にほぼ180
°位相がずれた部分が前記小径部と前記大径部からせり
出すように研磨中心軸をワーク中心軸に対して傾斜させ
て前記チャンファ面を押し付け、前記ワークと前記研磨
リングとを相対的に回転させることを特徴とする。
【0009】本発明のワーク外周の研磨方法は、円板状
ワークの外周部に形成されたチャンファ面を研磨加工す
るワーク外周の研磨方法であって、小径部と大径部との
間に傾斜して形成された内周研磨面を有する研磨リング
を研磨中心軸周りに回転し、前記チャンファ面のうち前
記ワークの中心から相互にほぼ180°位相がずれた部
分が前記小径部と前記大径部からせり出すようにワーク
中心軸を前記研磨中心軸に対して傾斜させた状態のもと
で、前記チャンファ面を前記内周研磨面に押し付けなが
ら前記ワークを回転することを特徴とする。
【0010】本発明のワーク外周の研磨方法は、円板状
ワークの外周部に形成されたチャンファ面を研磨加工す
るワーク外周の研磨方法であって、小径部と大径部との
間に傾斜して形成された内周研磨面を有する研磨リング
の前記内周研磨面に、前記チャンファ面のうち前記ワー
クの中心から相互にほぼ180°位相がずれた部分が前
記小径部と前記大径部からせり出すように研磨中心軸を
ワーク中心軸に対して傾斜させて前記チャンファ面を押
し付け、前記ワークと前記研磨リングとを相対的に回転
し、前記研磨中心軸と前記ワーク中心軸とが相対的に首
振り運動するように、前記研磨リングと前記ワークの少
なくともいずれか一方を揺動往復動することを特徴とす
る。
【0011】本発明のワーク外周の研磨方法は、円板状
ワークの外周部に形成されたチャンファ面を研磨加工す
るワーク外周の研磨方法であって、小径部と大径部との
間に傾斜して形成された内周研磨面を有する研磨リング
の前記内周研磨面に、研磨中心軸をワーク中心軸に対し
て傾斜させて、前記チャンファ面を押し付けた状態のも
とで、前記ワークと前記研磨リングとを相対的に回転さ
せ、前記チャンファ面全体が前記内周研磨面に接触した
状態での全周研磨加工と、前記チャンファ面のうち前記
ワークの中心から相互にほぼ180°位相がずれた部分
を前記小径部と前記大径部からせり出させた状態でのオ
ーバーハング研磨加工とを行うことを特徴とする。
【0012】本発明のワーク外周の研磨装置は、円板状
ワークの外周部に形成されたチャンファ面を研磨加工す
るワーク外周の研磨装置であって、小径部と大径部との
間に傾斜して形成された内周研磨面を有する研磨リング
と、前記チャンファ面のうち前記ワークの中心から相互
にほぼ180°位相がずれた部分が前記小径部と前記大
径部からせり出すようにワーク中心軸を前記研磨中心軸
に対して傾斜させて前記ワークを保持するワーク保持具
と、前記チャンファ面を前記内周研磨面に押し付けなが
ら前記ワークと前記研磨リングとを相対的に回転する回
転手段とを有することを特徴とする。
【0013】本発明のワーク外周の研磨装置は、円板状
ワークの外周部に形成されたチャンファ面を研磨加工す
るワーク外周の研磨装置であって、小径部と大径部との
間に傾斜して形成された内周研磨面を有する研磨リング
と、前記研磨リングを回転する研磨リング回転手段と、
前記チャンファ面のうち前記ワークの中心から相互にほ
ぼ180°位相がずれた部分が前記小径部と前記大径部
からせり出すようにワーク中心軸を前記研磨中心軸に対
して傾斜させて前記ワークを保持するワーク保持具と、
前記チャンファ面を前記内周研磨面に押し付けながら前
記ワークを回転するワーク回転手段とを有することを特
徴とする。
【0014】本発明のワーク外周の研磨装置は、円板状
ワークの外周部に形成されたチャンファ面を研磨加工す
るワーク外周の研磨装置であって、小径部と大径部との
間に傾斜して形成された内周研磨面を有する研磨リング
と、前記チャンファ面のうち前記ワークの中心から相互
にほぼ180°位相がずれた部分が前記小径部と前記大
径部からせり出すようにワーク中心軸を前記研磨中心軸
に対して傾斜させて前記ワークを保持するワーク保持具
と、前記チャンファ面を前記内周研磨面に押し付けなが
ら前記ワークと前記研磨リングとを相対的に回転する回
転手段と、前記研磨中心軸と前記ワーク中心軸とが相対
的に首振り運動するように、前記研磨リングと前記ワー
クの少なくともいずれか一方を揺動往復動する揺動手段
とを有することを特徴とする。
【0015】本発明のワーク外周の研磨装置は、円板状
ワークの外周部に形成されたチャンファ面を研磨加工す
るワーク外周の研磨装置であって、小径部と大径部との
間に傾斜して形成された内周研磨面を有する研磨リング
と、研磨中心軸をワーク中心軸に対して傾斜させて前記
チャンファ面を前記内周研磨面に押し付けた状態のもと
で前記ワークを保持するワーク保持具と、前記ワークと
前記研磨リングとを相対的に回転する回転手段と、前記
研磨中心軸または前記ワーク中心軸を揺動往復動し、前
記チャンファ面全体が前記内周研磨面に接触した状態で
の全周研磨加工と、前記チャンファ面のうち前記ワーク
の中心から相互にほぼ180°位相がずれた部分を前記
小径部と前記大径部からせり出させた状態でのオーバー
ハング研磨加工とを行う揺動手段とを有することを特徴
とする。
【0016】本発明にあっては、チャンファ面の研磨加
工の開始から終了までオーバーハング研磨加工を行った
り、全周研磨加工に加えてオーバーハング加工を行うよ
うにしたので、チャンファ面の内側のワーク表面に段差
が形成されることが防止される。これにより、研磨加工
効率を向上させることができるとともに、ワークの研磨
加工品質を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形
態であるワーク外周の研磨装置を示す断面図であり、こ
の研磨装置によりシリコン半導体ウエハをワークとし
て、その外周部表面に形成されたチャンファ面つまりベ
ベリング部が研磨加工される。半導体ウエハには結晶方
向の判別や位置合わせを行うために、オリエンテーショ
ンフラットやノッチが形成されているが、これらの部分
以外のチャンファ面が研磨加工される。
【0018】この研磨装置はワークWを保持するワーク
保持台11を有し、ワークWはワーク保持台11の上面
に載置される。ワークWはワーク保持台11の表面に開
口して形成された真空路に供給される負圧空気によって
吸着して保持されるようになっている。このワーク保持
台11には回転シャフト12が固定されており、この回
転シャフト12は基台13に上下動自在に設けられた上
下動プレート14に回転自在に装着されている。この上
下動プレート14にはモータ15が取り付けられ、モー
タ15のシャフトに固定された歯車16と、回転シャフ
ト12に固定された歯車17とが噛み合い、ワーク回転
手段としてのモータ15によってワーク保持台11が回
転駆動され、ワーク保持台11に保持されたワークWは
ワーク中心軸Owを中心に回転駆動される。
【0019】基台13の下方には下側基台18が連結ロ
ッド19により固定されており、下側基台18に取り付
けられた空気圧シリンダ21のロッド22によってワー
ク保持台11は上下動プレート14とともに上下動自在
となっている。上下動プレート14の上下動を案内する
ために、上下動プレート14に固定されたガイドロッド
23がそれぞれの基台13,18に固定されたガイドス
リーブ24内を貫通している。
【0020】ワーク保持台11の上方には円板状の研磨
台25がワーク保持台11に対向して配置されており、
この研磨台25は回転シャフト26に固定され、図示し
ないモータを回転手段として回転駆動される。研磨台2
5には研磨リング27が固定されており、研磨リング2
7は回転シャフト26の回転中心である研磨中心軸Og
を中心に回転駆動される。回転シャフト26は研磨中心
軸Ogがワーク中心軸Owに対して角度θで傾斜してお
り、図示する場合にはこの角度θは2°に設定されてい
る。ただし、この角度θはワークWの外径などの条件に
より任意の角度に設定することができる。図1に示す研
磨装置にあっては、ワーク中心軸Owが垂直となり、こ
の中心軸に対して研磨中心軸Ogが角度θ傾斜している
が、研磨中心軸Ogを垂直として、これに対してワーク
中心軸Owを傾斜させるようにしても良い。
【0021】ワークWの両面の外周部には、チャンファ
面C1,C2が形成されており、図1に示す研磨装置によ
ってそれぞれのチャンファ面が研磨加工される。この研
磨加工に際しては、ワーク保持台11が下降した状態の
もとで、ワークWがワーク保持台11の上に載置されて
吸着保持される。次いで、ワーク保持台11を空気圧シ
リンダ21によって上昇させると、ワークWの一方のチ
ャンファ面C1が研磨リング27に押し付けられる。こ
のように押し付けられた状態のもとで、チャンファ面C
1が研磨加工される。研磨加工時にはポリッシング液や
ラッピング液などの研磨液が研磨パッド32とワークW
との間に塗布される。他方のチャンファ面C2を研磨加
工する際には、ワークWは反転された後に同様の研磨が
行われる。
【0022】図2(A)はワークWが押し付けられた状
態における研磨リング27を示す断面図であり、図
(B)は同図(A)におけるB−B線に沿う断面図であ
る。
【0023】研磨リング27は金属、樹脂などからなる
環状部材31とその表面に貼り付けられた研磨パッド3
2とからなり、研磨パッド32には小径部33と大径部
34との間に傾斜して形成された内周研磨面35が形成
されている。研磨パッド32は小径部33に連なり内周
研磨面35に対して折れ曲がって形成された退避部36
と、大径部34に連なり内周研磨面35に対して折れ曲
がって形成された退避部37とを有し、これらの退避部
36,37はワークWには接触しないようになってお
り、内周研磨面35のみによってワークWのチャンファ
面が研磨加工される。
【0024】図1に示すように、ワークWの外径をD0
とすると、内周研磨面35の小径部33の内径D1はワ
ーク外径D0よりも小径に設定され、大径部34の内径
D2はワーク外径よりも大径に設定されており、内周研
磨面35の幅寸法はTとなっている。図2(A)に示す
ように、ワーク中心軸Owと研磨中心軸Ogとを相互に角
度θ傾斜させるとともに、ワークWのチャンファ面が内
周研磨面35を傾斜して横断するようにしてワークWを
研磨リング27に押し付けると、ワーク中心部W0から
相互にほぼ180°位相がずれた部分が小径部33と大
径部34からせり出すことになる。つまり、オーバーハ
ングすることになる。符号Waは小径部33からせり出
した部分であり、符号Wbは大径部34からせり出した
部分である。
【0025】このように、チャンファ面が内周研磨面3
5を横断するようにワークWをオーバーハングさせて研
磨リング27に押し付けると、図2(B)に示すよう
に、内周研磨面35はチャンファ面の部分のみに接触
し、チャンファ面よりも径方向内側の部分にまで接触す
ることはなくなる。これにより、ワークWのチャンファ
面に隣接した表面に段差が発生することが防止され、高
品質の研磨面を加工することができる。特に、研磨リン
グ27を用いて多数のワークWを研磨加工しても、内周
研磨面35が全体的に均一に摩耗することになり、頻繁
に研磨リング27を交換する必要がなくなる。
【0026】図3(A)は表裏反転させた状態における
研磨リング27の内周研磨面35に押し付けられたワー
クWを示す斜視図であり、ワークWのうちせり出した部
分以外が内周研磨面35に接触することになる。この内
周研磨面35は球面形状となっており、チャンファ面は
球面形状の内周研磨面35に接触して研磨加工される。
なお、内周研磨面35の形状としては球面形状に限られ
ず、円錐面形状などの他の凹面形状としても良い。
【0027】研磨パッド32は内周研磨面35の部分の
みならず、退避部36,37の部分を含めたサイズとな
っている。これは、環状部材31に研磨パッド32を貼
り付け易くするためである。研磨加工を行うのは内周研
磨面35のみであるので、この部分のサイズの研磨パッ
ド32を環状部材31に貼り付けるようにしても良い。
【0028】図3(B)は環状部材31の変形例を示す
斜視図である。複数の円弧状のセグメント31aを所定
の隙間を介して環状に配置して研磨台25に取り付ける
ことにより環状部材31が形成されており、それぞれの
セグメント31aには図示省略した研磨パッドが貼り付
けられることになる。このように、セグメント31aに
研磨パッド32を貼り付けるようにすると、内周研磨面
35はセグメント相互間の隙間の部分に対応した隙間を
有する研磨面となる。図3(B)に示す場合には8つの
セグメント31aを有しているが、この数は任意の数と
することができる。また、セグメント31a相互間の隙
間も任意の間隔とすることができる。
【0029】図3(C)は研磨リング27の変形例を示
す断面図であり、内周研磨面35の幅方向両側に凹部3
8を形成することにより、内周研磨面35の幅方向両側
の部分を退避部としている。また、図3(C)に示す場
合には、研磨リング27をボルト39により研磨台25
に対して移動自在に取り付け、研磨リング27と研磨台
25との間にばね部材40を設けることにより、内周研
磨面35がチャンファ面全体的に均一に押し付け力を加
えるようにしている。なお、図3(A),(B)に示す
場合にもばね部材40を設けるようにしても良い。ま
た、環状部材31を含めた形状の研磨パッドを用いて研
磨リング27を構成するようにしても良い。
【0030】図4(A)は図1に示す研磨装置によって
研磨リング27とワークWとをそれぞれ回転させて研磨
加工している状態を示す。図示する場合には、相互に逆
方向に回転しているが、ワークWの外周と研磨リング2
7とに相対的にすべりが発生するのであれば、同一の方
向にそれぞれを回転させるようにしても良い。また、ワ
ークWと研磨リング27の回転は、前述のように両方を
回転させる場合に限られず、少なくともいずれか一方を
回転させてワークWと研磨リング27とを相対的に回転
させることによって研磨加工を行うことができる。
【0031】図4(B)〜(D)はそれぞれ図1および
図2に示した研磨リング27を用いてチャンファ面を研
磨加工する他の研磨加工方法を示す断面図である。図4
(B)に示す場合には、図4(A)と同様に研磨リング
27を回転させるのに対して、ワークWについては小径
部33と大径部34からせり出した部分つまりオーバー
ハング部Wa,Wbの位置が徐々に変化するように研磨リ
ング27の回転に追従させて割り出し回転する。このよ
うな加工方法でも、図4(A)に示す場合と同様にチャ
ンファ面を研磨加工することができる。
【0032】図4(C)に示す場合には、研磨リング2
7を回転させることなく、ワークWのみをワーク中心軸
Owを中心に回転するようにしている。この場合には、
内周研磨面35の全体にワークWを接触させるために、
研磨リング27を研磨中心軸Ogが矢印で示す方向に首
振り運動するように、研磨リング27を揺動往復動して
いる。ただし、揺動往復動はワークWと研磨リング27
とを相対移動させれば良く、研磨リング27を揺動往復
動させることなく、ワーク中心軸Owを首振り運動させ
るようにワークを揺動往復動させるようにしても良い。
これらの揺動運動は、ワーク保持台を回転駆動する回転
シャフトや研磨台25を回転駆動する回転シャフトをモ
ータや空気圧シリンダなどを駆動源として揺動させるこ
とによりなされる。
【0033】図4(A)〜(C)に示す研磨方法にあっ
ては、研磨加工の開始から終了まで常にワークWにオー
バーハング部Wa,Wbが維持されるようにして研磨加工
しているが、オーバーハングさせた状態でのオーバーハ
ング研磨加工と、オーバーハングさせない状態でチャン
ファ面全体を内周研磨面35に接触させて研磨加工を行
う全周研磨加工とを交互に行うようにしても良い。
【0034】図4(D)はこのように全周研磨加工とオ
ーバーハング研磨加工とを行う場合の研磨方法を示す図
であり、この場合にはワークWをワーク中心軸Ow周り
に回転し、研磨リング27を研磨中心軸Og周りに回転
するとともに、研磨リング27を研磨中心軸Ogが首振
り運動するように揺動往復動させている。図4(D)に
おいて実線で示すワークWはチャンファ面の全体が内周
研磨面35に接触した状態を示し、二点鎖線はワークW
のせり出し部つまりオーバーハング部Wa,Wbが前述し
た研磨方法と同様に内周研磨面35から離れた状態を示
す。
【0035】研磨リング27を揺動往復動することによ
って、全周研磨加工を所定の時間行った後にオーバーハ
ング研磨加工を行うようにしても良く、逆にオーバーハ
ング加工を先に行うようにしても良く、さらには両方の
研磨加工を複数回繰り返すようにしても良い。このよう
な研磨方法にあっては、ワークWを揺動往復動させるよ
うにしても良く、両方を揺動往復動させるようにしても
良く、さらには、図4(C)に示すように研磨リング2
7を回転させないようにしても良い。
【0036】図5は比較例としての研磨リング27aを
示す図であり、ワークWのチャンファ面の全体を常に研
磨パッド32aに接触させて研磨加工を行うようにする
と、ワークWに接触する研磨領域41が摩耗して、研磨
領域41よりも外側の部分の研磨パッド32aに段差が
生じ、その段差にワーク表面のうちチャンファ面の内側
42が接触してしまい、その接触部分が研磨加工されて
ワークWの表面に段差が発生することになる。
【0037】これに対して、本発明にあっては、球面形
状ないし円錐面形状の凹面状に形成された内周研磨面3
5を傾斜して横切るようにワークWのチャンファ面を内
周研磨面35に接触させるようにし、ワークWの一部が
内周研磨面35から離れてこれに接触しないようにオー
バーハングさせるようにし、ワークWと内周研磨面35
との相対的な滑りによって研磨加工を行うようにしたの
で、研磨パッドの段差によってチャンファ面の内側の部
分に研磨面が接触することを回避できる。これにより、
研磨パッド32を連続的に使用して多数のワークを研磨
加工しても、それぞれのワークを所望の精度で加工する
ことができる。
【0038】本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能で
ある。たとえば、図示する研磨装置は研磨パッド32と
ワークWとの間に研磨液を介在させてワークのチャンフ
ァ面にラッピング加工やポリッシング加工を行うために
本発明を適用しているが、研磨リングを砥石としてワー
クを研削する場合にも適用することができる。図1に示
す研磨装置ではワーク保持台11を研磨台25に対して
下側に配置しているが、上下関係を逆にしても良い。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、研磨リングに設けられ
た内周研磨面を横断するようにしてワークを研磨面に接
触させるので、研磨面はチャンファ面の内側の部分に接
触することがなく、ワークの表面に段差が形成されるこ
とが防止され、高品質のワークを歩留り良く加工するこ
とができる。また、研磨リングを交換することなく、多
数のワークを加工しても、研磨品質の低下はなく、研磨
加工能率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるワーク外周の研磨
装置を示す断面図である。
【図2】(A)はワークが押し付けられた状態における
研磨リングを示す断面図であり、(B)は同図(A)に
おけるB−B線に沿う断面図である。
【図3】(A)は研磨リングを表裏反転させてそれぞれ
のせり出した部分を誇張して示す斜視図であり、(B)
は環状部材の変形例を示す斜視図であり、(C)は研磨
リングの変形例を示す断面図である。
【図4】(A)は図1に示す研磨装置によりチャンファ
面を研磨加工している状態を示す断面図であり、(B)
〜(D)はそれぞれ他の加工方法により研磨加工してい
る状態を示す断面図である。
【図5】比較例である研磨リングを示す断面図である。
【符号の説明】
11 ワーク保持台 12 回転シャフト 15 モータ 21 空気圧シリンダ 25 研磨台 26 回転シャフト 27 研磨リング 31 環状部材 32 研磨パッド 33 小径部 34 大径部 35 内周研磨面 36,37 退避部 38 凹部 W ワーク(半導体ウエハ) Wa せり出し部(オーバーハング部) Wb せり出し部(オーバーハング部)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 9/00 601 H01L 21/304 621

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円板状ワークの外周部に形成されたチャ
    ンファ面を研磨加工するワーク外周の研磨方法であっ
    て、 小径部と大径部との間に傾斜して形成された内周研磨面
    を有する研磨リングの前記内周研磨面に、前記チャンフ
    ァ面のうち前記ワークの中心から相互にほぼ180°位
    相がずれた部分が前記小径部と前記大径部からせり出す
    ように研磨中心軸をワーク中心軸に対して傾斜させて前
    記チャンファ面を押し付け、 前記ワークと前記研磨リングとを相対的に回転させるこ
    とを特徴とするワーク外周の研磨方法。
  2. 【請求項2】 円板状ワークの外周部に形成されたチャ
    ンファ面を研磨加工するワーク外周の研磨方法であっ
    て、 小径部と大径部との間に傾斜して形成された内周研磨面
    を有する研磨リングを研磨中心軸周りに回転し、 前記チャンファ面のうち前記ワークの中心から相互にほ
    ぼ180°位相がずれた部分が前記小径部と前記大径部
    からせり出すようにワーク中心軸を前記研磨中心軸に対
    して傾斜させた状態のもとで、前記チャンファ面を前記
    内周研磨面に押し付けながら前記ワークを回転すること
    を特徴とするワーク外周の研磨方法。
  3. 【請求項3】 円板状ワークの外周部に形成されたチャ
    ンファ面を研磨加工するワーク外周の研磨方法であっ
    て、 小径部と大径部との間に傾斜して形成された内周研磨面
    を有する研磨リングの前記内周研磨面に、前記チャンフ
    ァ面のうち前記ワークの中心から相互にほぼ180°位
    相がずれた部分が前記小径部と前記大径部からせり出す
    ように研磨中心軸をワーク中心軸に対して傾斜させて前
    記チャンファ面を押し付け、 前記ワークと前記研磨リングとを相対的に回転し、前記
    研磨中心軸と前記ワーク中心軸とが相対的に首振り運動
    するように、前記研磨リングと前記ワークの少なくとも
    いずれか一方を揺動往復動することを特徴とするワーク
    外周の研磨方法。
  4. 【請求項4】 円板状ワークの外周部に形成されたチャ
    ンファ面を研磨加工するワーク外周の研磨方法であっ
    て、 小径部と大径部との間に傾斜して形成された内周研磨面
    を有する研磨リングの前記内周研磨面に、研磨中心軸を
    ワーク中心軸に対して傾斜させて、前記チャンファ面を
    押し付けた状態のもとで、前記ワークと前記研磨リング
    とを相対的に回転させ、 前記チャンファ面全体が前記内周研磨面に接触した状態
    での全周研磨加工と、 前記チャンファ面のうち前記ワークの中心から相互にほ
    ぼ180°位相がずれた部分を前記小径部と前記大径部
    からせり出させた状態でのオーバーハング研磨加工とを
    行うことを特徴とするワーク外周の研磨方法。
  5. 【請求項5】 円板状ワークの外周部に形成されたチャ
    ンファ面を研磨加工するワーク外周の研磨装置であっ
    て、 小径部と大径部との間に傾斜して形成された内周研磨面
    を有する研磨リングと、 前記チャンファ面のうち前記ワークの中心から相互にほ
    ぼ180°位相がずれた部分が前記小径部と前記大径部
    からせり出すようにワーク中心軸を前記研磨中心軸に対
    して傾斜させて前記ワークを保持するワーク保持具と、 前記チャンファ面を前記内周研磨面に押し付けながら前
    記ワークと前記研磨リングとを相対的に回転する回転手
    段とを有することを特徴とするワーク外周の研磨装置。
  6. 【請求項6】 円板状ワークの外周部に形成されたチャ
    ンファ面を研磨加工するワーク外周の研磨装置であっ
    て、 小径部と大径部との間に傾斜して形成された内周研磨面
    を有する研磨リングと、 前記研磨リングを回転する研磨リング回転手段と、 前記チャンファ面のうち前記ワークの中心から相互にほ
    ぼ180°位相がずれた部分が前記小径部と前記大径部
    からせり出すようにワーク中心軸を前記研磨中心軸に対
    して傾斜させて前記ワークを保持するワーク保持具と、 前記チャンファ面を前記内周研磨面に押し付けながら前
    記ワークを回転するワーク回転手段とを有することを特
    徴とするワーク外周の研磨装置。
  7. 【請求項7】 円板状ワークの外周部に形成されたチャ
    ンファ面を研磨加工するワーク外周の研磨装置であっ
    て、 小径部と大径部との間に傾斜して形成された内周研磨面
    を有する研磨リングと、 前記チャンファ面のうち前記ワークの中心から相互にほ
    ぼ180°位相がずれた部分が前記小径部と前記大径部
    からせり出すようにワーク中心軸を前記研磨中心軸に対
    して傾斜させて前記ワークを保持するワーク保持具と、 前記チャンファ面を前記内周研磨面に押し付けながら前
    記ワークと前記研磨リングとを相対的に回転する回転手
    段と、 前記研磨中心軸と前記ワーク中心軸とが相対的に首振り
    運動するように、前記研磨リングと前記ワークの少なく
    ともいずれか一方を揺動往復動する揺動手段とを有する
    ことを特徴とするワーク外周の研磨装置。
  8. 【請求項8】 円板状ワークの外周部に形成されたチャ
    ンファ面を研磨加工するワーク外周の研磨装置であっ
    て、 小径部と大径部との間に傾斜して形成された内周研磨面
    を有する研磨リングと、 研磨中心軸をワーク中心軸に対して傾斜させて前記チャ
    ンファ面を前記内周研磨面に押し付けた状態のもとで前
    記ワークを保持するワーク保持具と、 前記ワークと前記研磨リングとを相対的に回転する回転
    手段と、 前記研磨中心軸または前記ワーク中心軸を揺動往復動
    し、前記チャンファ面全体が前記内周研磨面に接触した
    状態での全周研磨加工と、前記チャンファ面のうち前記
    ワークの中心から相互にほぼ180°位相がずれた部分
    を前記小径部と前記大径部からせり出させた状態でのオ
    ーバーハング研磨加工とを行う揺動手段とを有すること
    を特徴とするワーク外周の研磨装置。
JP2000328139A 2000-10-27 2000-10-27 ワーク外周の研磨方法および研磨装置 Expired - Lifetime JP3445237B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000328139A JP3445237B2 (ja) 2000-10-27 2000-10-27 ワーク外周の研磨方法および研磨装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000328139A JP3445237B2 (ja) 2000-10-27 2000-10-27 ワーク外周の研磨方法および研磨装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002137155A JP2002137155A (ja) 2002-05-14
JP3445237B2 true JP3445237B2 (ja) 2003-09-08

Family

ID=18805039

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000328139A Expired - Lifetime JP3445237B2 (ja) 2000-10-27 2000-10-27 ワーク外周の研磨方法および研磨装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3445237B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5230328B2 (ja) * 2008-09-30 2013-07-10 スピードファム株式会社 ウエハノッチ部の研磨パッド
KR101985219B1 (ko) * 2012-05-07 2019-06-03 신에쯔 한도타이 가부시키가이샤 원판형 워크용 외주 연마 장치
CN104985502B (zh) * 2015-06-24 2018-01-30 浙江品创知识产权服务有限公司 一种磁环倒角装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002137155A (ja) 2002-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4054010A (en) Apparatus for grinding edges of planar workpieces
JP2000003890A (ja) ウエ―ハの面取り方法
JP2571477B2 (ja) ウエーハのノッチ部面取り装置
JPH1190803A (ja) ワークエッジの鏡面研磨装置
JP2008264941A (ja) 円板形ワークの研磨装置および研磨方法
JPH0724714A (ja) ウェーハのノッチ部研磨装置
TW201008705A (en) Polishing apparatus, polishing auxiliary apparatus and polishing method
CN109483352B (zh) 磨削磨轮和磨削装置
JP5033066B2 (ja) ワーク外周部の研磨装置および研磨方法
JPH0740214A (ja) ウェーハ外周部の研磨装置
JPH11245151A (ja) ワークの外周研磨装置
JP2002217149A (ja) ウエーハの研磨装置及び研磨方法
US6537139B2 (en) Apparatus and method for ELID grinding a large-diameter workpiece to produce a mirror surface finish
JP3445237B2 (ja) ワーク外周の研磨方法および研磨装置
CN109571232B (zh) 晶圆研磨方法及其研磨系统
WO2002016076A1 (fr) Dispositif de meulage des bords peripheriques d'une feuille
JP2916028B2 (ja) ワークエッジの鏡面研磨方法及び装置
JP5076583B2 (ja) 面取り装置、面取り方法および焼結磁石
JPH1148109A (ja) ワークエッジの鏡面研磨方法及び装置
JP2001062686A (ja) インデックス式エッジポリッシャー
JP2000317788A (ja) ワーク外周の研磨方法および研磨装置
JP2001191238A (ja) 円盤状工作物の面取り加工方法、面取り用研削砥石車および面取り加工装置
JPH03104567A (ja) 研削砥石及び研削方法
JP7317441B2 (ja) 面取り加工装置
JP2002001637A (ja) ウエハ外周の直線部用研磨装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3445237

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S202 Request for registration of non-exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R315201

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S202 Request for registration of non-exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R315201

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100627

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100627

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130627

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term