JP2002367935A - ウェハ鏡面加工装置 - Google Patents

ウェハ鏡面加工装置

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JP2002367935A
JP2002367935A JP2001235490A JP2001235490A JP2002367935A JP 2002367935 A JP2002367935 A JP 2002367935A JP 2001235490 A JP2001235490 A JP 2001235490A JP 2001235490 A JP2001235490 A JP 2001235490A JP 2002367935 A JP2002367935 A JP 2002367935A
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Japan
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wafer
polishing
notch
mirror
chuck table
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Application number
JP2001235490A
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English (en)
Inventor
Shunji Hakomori
駿二 箱守
Hiroshi Nishi
大志 西
Noriaki Mizuno
憲明 水野
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SpeedFam Co Ltd
Original Assignee
SpeedFam Co Ltd
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Publication date
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 研磨布の半径rを把握、管理する必要がな
い、簡単な構成とすることによりウェハの鏡面加工装置
を単純、安価にし、その維持管理の費用も安価にするこ
とを課題とする。 【解決手段】 このウェハ鏡面加工装置においては、第
1スライド手段(152、154)は、上記2つの研磨
ディスク8a、8bの間隔と等しい距離だけ離れた2つ
の位置に位置決め可能であり、ウェハチャックテーブル
12は、これに支持されたウェハWのノッチが上記2つ
の位置のそれぞれにおいて、2つの研磨ディスク8a、
8bの内の一方と向かい合う位置に相対的に配置されて
いる。第2スライド手段(141、142)には、研磨
ディスク8a、8bとウェハチャックテーブル12に支
持されたウェハWとを互いに押し合う方向に付勢するた
めのウェイト19、ワイヤ18からなる付勢手段が設け
られている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウェハ等の
周縁部に形成されたノッチ部を鏡面加工するための装置
および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図1は半導体ウェハの上面図である。図
2は半導体ウェハに形成されたノッチと位置決めピンと
が半導体ウェハWを位置決め、方向付けするため係合し
ている様子を示す拡大図である。図3は、拡大したノッ
チの近傍を示す斜視図である。
【0003】半導体ウェハWの外周には、V字状のノッ
チNが形成される。このノッチNのV字状を成す2つの
面、つまり位置決め面Sp3、Sp4を位置決めピンP
pに当接させることによって、半導体ウェハWの位置決
め、および方向付けが行われる。
【0004】更に、半導体ウェハWの上面外周部には次
の理由によってベベル面が形成される。つまり、半導体
ウェハWにレジスト膜を塗布する際、均一に薄く塗布す
るため、半導体ウェハWを高速回転させ、遠心力によっ
て余分なレジスト液を振り飛ばす。ところが、半導体ウ
ェハWの外周では、レジスト液の表面張力によって一部
が振り飛ばされることなく残留する。後にこれが固化し
たとき、ベベル面がない場合には、外周部近傍において
生じた盛り上がりがパターン形成部にまでおよび悪影響
を及ぼす。
【0005】このような現象を避けるため、半導体ウェ
ハWの上下面外周部を削ってベベル面が形成される。こ
れによって、盛り上がりの影響がベベル面内に留まり、
パターン形成面Sp1に及ばないようにとの工夫であ
る。また、チッピングの原因になる鋭利な角部を予め落
としておくという意味もある。
【0006】半導体デバイス製造においては、塵埃は歩
留まりを低下させるきわめて大きな要因であるため、塵
埃の発生に対しては細心の注意が払われる。研削したま
まの表面には細かな凹凸があり、この凹内には、研削さ
れたウェハ材料片、欠けた砥粒、その他のきわめて細か
い塵埃が入り込んでいる。この塵埃の一部は洗浄によっ
ても除去されないまま残留する。
【0007】位置決めピンPpと位置決め面Sp3、S
p4とが当接するとき、わずかな衝撃やこすれによりこ
の凹部内の塵埃が飛び出す、あるいは、細かな凸部が欠
けて分離することによって、新たな塵埃となる。このよ
うな現象の発生を防止するため、半導体ウェハWの表面
は、パターン形成面Sp1のみならずベベル面、その外
周円筒面Ss1および反対側の裏面Sp2までもが鏡面
加工される。したがって、この鏡面加工はノッチNに対
しても行われる。
【0008】半導体ウェハWは、基本的な3つの面、す
なわち、パターン形成面Sp1、その反対側の裏面Sp
2、円筒外周を形成する外周円筒面Ss1から構成され
る。そして、ノッチNは通常90°の角度をなす一対の
位置決め面Sp3、Sp4、各位置決め面Sp3、Sp
4を滑らかに結ぶノッチ円筒面Ss2とから構成され
る。
【0009】更に、ベベル面は、円錐面の一部である2
つの外周ベベル面Sc1、Sc2、パターン形成面Sp
1および裏面Sp2から位置決め面Sp3、Sp4に下
がる平面であるノッチベベル面Sp5、Sp6、Sp
7、Sp8、同じくパターン形成面Sp1および裏面S
p2からノッチ円筒面Ss2に向けて下がり、円錐面の
一部である2つのノッチ円錐面Sc3、Sc4とから構
成されている。
【0010】なお、ノッチの形状は半導体メーカーによ
り固有の仕様を定めている。そのため半導体ウェハのノ
ッチが全て上に説明したとおりの面を備えているという
わけではない。しかしながら、実質的にノッチはこのよ
うな面から構成されていると考えることができるという
あくまでも便宜的な説明である。
【0011】通常、ノッチは、例えば、特開平8−26
3490号、特開平9−168953号あるいは特開平
8−241879号に開示されているように、回転する
研磨布にスラリーを滴下しながら押し付けて鏡面加工さ
れる。図4は従来のノッチ鏡面加工の概要を説明するた
めの説明図である。(a)のようにノッチの位置決め面
Sp3、Sp4およびノッチ円筒面Ss2を研磨すると
きは、この断面に相補的な研磨布を使用し、研磨布の回
転中心に向けて押圧することにより行う。
【0012】一方、(b)あるいは(c)のように、ノ
ッチベベル面Sp5、Sp6およびノッチ円錐面Sc3
を研磨するときは、ウェハをz軸方向に送った後、y方
向に送ることにより、用意された別の研磨布(通常は2
つあるいは3つの研磨布が同軸上に取り付けられてお
り、この軸の方向すなわちx軸方向の運動によって作業
位置にもたらされる)の研磨面がノッチベベル面Sp
5、Sp6およびノッチ円錐面Sc3に対面するように
位置決めする。
【0013】対面するための角度θは、z方向送り量、
y方向送り量および研磨布の半径rとの相互の関係から
決定される。
【0014】研磨布の研磨面は、ノッチの各面の形状に
合わせて成形される。研磨を繰り返す内に、研磨面の形
状は次第に崩れる。このため、適宜の間隔で、研磨布の
表面を削り取ることによりその形直し(ドレッシング、
トゥルーイング)を行う。この形直しによって、上記半
径rが減少するため、上記角度θを維持するようなz方
向送り量およびy方向送り量を新しい半径rに基づいて
再計算する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のやり
方では、研磨布の半径rを常に把握、管理しなければな
らなず、更に、角度θでもってウェハを接触させるに
は、z方向およびy方向の2つの送り量を制御しなけれ
ばならないため、鏡面加工装置の構成が複雑高価なもの
となり、その維持管理に費用がかかるものであった。本
発明は上記問題を解決することを課題とするものであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題は以下の解決手
段によって解決される。すなわち、第1番目の発明は、
ウェハのノッチの端面を鏡面加工するための研磨工具と
ノッチのベベル面を鏡面加工するための研磨工具とが同
軸に取り付けられて、回転するスピンドルと、上記スピ
ンドルを回転可能に支持する主軸台と、上記スピンドル
を回転駆動するためのスピンドル駆動源と、上記ウェハ
を支持するための支持面を備えたウェハチャックテーブ
ルと、上記ウェハチャックテーブルと上記主軸台が相対
的移動可能なように、上記ウェハチャックテーブル又は
上記主軸台の少なくとも一方を上記スピンドルの回転軸
方向に沿って案内するための第1スライド手段と、上記
ウェハチャックテーブルと上記主軸台が相対的移動可能
なように、上記ウェハチャックテーブル又は上記主軸台
の他方を上記スピンドルの回転軸方向と直交する方向に
沿って案内するための第2スライド手段と、上記ウェハ
チャックテーブルを上記スピンドルの回転軸と平行な軸
の周りに傾斜させるためのテーブル傾斜手段と、を備え
たウェハ鏡面加工装置であって、このウェハ鏡面加工装
置は、更に、上記第1スライド手段が、上記2つの研磨
工具の間隔と等しい距離だけ離れた2つの位置に位置決
め可能であり、上記ウェハチャックテーブルが、これに
支持された上記ウェハのノッチが上記2つの位置のそれ
ぞれにおいて、上記2つの研磨工具の内の一方と向かい
合う位置に相対的に配置されており、上記第2スライド
手段には、上記研磨工具と上記ウェハチャックテーブル
に支持された上記ウェハとを互いに押し合う方向に付勢
するための付勢手段が設けられているウェハ鏡面加工装
置である。
【0017】第2番目の発明は、第1番目の発明のウェ
ハ鏡面加工装置において、上記テーブル傾斜手段が、上
記ウェハのノッチの底を中心にして上記ウェハテーブル
を傾斜させるウェハ鏡面加工装置である。
【0018】第3番目の発明は、第1番目又は第2番目
の発明のウェハ鏡面加工装置において、上記第1スライ
ド手段が上記ウェハテーブルを案内するウェハ鏡面加工
装置である。
【0019】第4番目の発明は、第1番目から第3番目
の発明のウェハ鏡面加工装置において、上記第2スライ
ド手段が、上記主軸台を案内するウェハ鏡面加工装置で
ある。
【0020】第5番目の発明は、第1番目又は第2番目
の発明のウェハ鏡面加工装置において、上記第2スライ
ド手段が、上記主軸台を案内するものであり、上記第1
スライド手段が上記主軸台を案内する上記第2スライド
手段を更に案内するものである。
【0021】第6番目の発明は、第1番目から第5番目
の発明のウェハ鏡面加工装置において、このウェハ鏡面
加工装置が、更に、上記2つの研磨工具の内、上記ノッ
チと向かい合う位置に位置する研磨工具にのみスラリー
を滴下するスラリー滴下手段を備えているウェハ鏡面加
工装置である。
【0022】第7番目の発明は、第1番目から第6番目
までの発明のウェハ鏡面加工装置において、更に、上記
付勢手段が上記ウェハの端面を加工するときとベベル面
を加工するときでは異なる付勢力を与えることができる
ように、この付勢手段の付勢力を制御するための制御手
段を備えているウェハ鏡面加工装置である。
【0023】第8番目の発明は、第7番目の発明のウェ
ハ鏡面加工装置において、上記付勢手段が流体圧によっ
て付勢力を与えるウェハ鏡面加工装置である。
【0024】第9番目の発明は、第8番目の発明のウェ
ハ鏡面加工装置において、上記制御手段が、上記付勢手
段の流体圧を制御するウェハ鏡面加工装置である。第1
0番目の発明は、第1番目から第6番目までのいずれか
の鏡面加工装置において、上記付勢手段が懸垂されるウ
ェイトの重量を利用したものである。
【0025】
【発明の実施の形態】実施例1 図5は、本発明のノッチの鏡面加工装置(実施例1)の
正面を示す正面図である。図6は図5における左側面図
である。これらの図において、1はスピンドルモータ、
2はスピンドルモータ1に連結されたプーリ、3は伝達
ベルト、4は伝導ベルト3と連結したプーリで、該プー
リ4は主軸台5を貫通して保持された工具スピンドル6
に連結されている。
【0026】該工具スピンドル6の他端には、後述する
ノッチ表面を回転しながら鏡面加工するための円盤状鏡
面加工手段である2つの研磨ディスク8a、8bが同心
的に固定されている。9は主軸台5上に設けたモータ固
定板で、該モータ固定板9上に前記スピンドルモータ1
が固定されている。前記主軸台5と該モータ固定板9と
の間、及び主軸台5とモータ固定板9との間には、スピ
ンドルモータ1の回転振動が主軸台5に伝達されるのを
防止するために、振動吸収体9a、例えば防振ゴムが介
在している。
【0027】WはノッチNが形成された半導体ウェハ
(図1)で、該ウェハWは、ブラケット11に後述する
ように回動可能に設けられたウェハチャックテーブル1
2上に取り付けられ、前記研磨ディスク8a、8bと交
差、特に直交するように配置される。該ウェハチャック
テーブル12の上面には、ウェハWをチャックするため
不図示のバキュームチャック手段が形成されている。
【0028】基台15には第1スライド手段と第2スラ
イド手段が設けられている。第1スライド手段は工具ス
ピンドル6と同方向に延びたスライドレール151とこ
のスライドレール151上をスライドする第1のスライ
ドテーブル152からなる。
【0029】このスライドテーブル152の上にブラケ
ット11が取り付けられている。スライドテーブル15
2の下方には、送りナット153が設けられており、送
りナット153には送りねじ154が螺合している。送
りねじ154にはこれを回転させるための第1の送りモ
ータ155が接続されているため、送りモータ155の
回転量を調整することによって、スライドテーブル15
2を図5の左右の方向の適宜の位置に位置決め移動させ
ることができる。
【0030】第2スライド手段は、工具スピンドルと直
行する方向(図5で紙面前後方向、図6で左右方向)に
延びた第2のスライドレール141、142とこの上を
スライド可能な第2のスライドテーブル13からなる。
基台15上の2つのスライドレール141、142の間
には、断面がコの字状の駒ガイド143が固定されてお
り、駒144がこの駒ガイド143によって回転不能に
支持されている。駒144には雌ねじが切られており、
この雌ねじに送りねじ145が螺合している。
【0031】送りねじ145には第2の送りモータ14
7が接続されている。送りモータ147を駆動すると
き、駒の144の回転が防止されねじ送り機構となって
いるため、駒144が駒ガイド143内を移動する。
【0032】スライドテーブル13の図6右方の基台1
5上には、ブラケット17(図5)が固定されており、
このブラケット17の上部には、滑車16が回転可能に
設けられている。ワイヤ18の一端がスライドテーブル
13に固定され、他端がウェイト19に固定されてい
る。ワイヤの途中は滑車16に懸けられているため、ウ
ェイト19の重量がスライドテーブル13を右方向へ移
動させようとする力となって現れる。つまりスライドテ
ーブル13は右方へ付勢されている。
【0033】スライドテーブル13の下方には、上記駒
144と係合するような位置に、突片146が設けられ
ている。このため、送りモータ147の駆動によって、
駒144が右方向(図6)へ移動するとき、スライドテ
ーブル13は同じ速度で駒144に追従する。
【0034】駒144の移動によって、スライドテーブ
ル13に支持されている研磨ディスク8aが半導体ウェ
ハWのノッチNに接触し、その運動が阻止されたときに
は、スライドテーブル13はもはや駒144には追従し
ない。つまり、このとき駒144と突片146の係合が
絶たれ、スライドテーブル13が停止する一方、駒14
4のみ単独でそのまま前進する。
【0035】それまでスライドテーブル13の付勢力
は、突片146が駒144と係合することによって受け
られていたが、今度は研磨ディスク8aと半導体ウェハ
Wとの接触部で受けられることになる。そして、この接
触部にかかる力はウェイト19の重量と等しい。研磨デ
ィスク8aと半導体ウェハWの接触力はウェイト19の
重さによって調整することができる。
【0036】一方、送りモータ147を逆転させたと
き、駒144はしばらくの間無負荷で左方向(図6)に
進む。やがて、駒144が突片146に衝突してから
は、突片146すなわちスライドテーブル13は駒と一
緒になって左方向に移動する。
【0037】前記研磨ディスク8a又は8bには、現に
鏡面加工をしている方にのみ、スラリー滴下手段21か
らスラリーが滴下される。研磨ディスク8a、8bの回
転によってスラリーが飛散するのを防止するため、これ
らを覆うスラリー飛散防止カバー20が設けられてい
る。このスラリー滴下手段21はスライドテーブル15
2とともに移動するようにすることも、これを2基設け
て、一方のみからスラリーを滴下するように制御するよ
うにすることができる。
【0038】研磨ディスク8a、8bは、例えば、一枚
の厚手の不織布あるいはこれらを積層したリング状の研
磨布とこれを挟みつけるようにして保持する保持リング
等からなる。この研磨布は被加工物に接触して適度に弾
性変形することが可能なように一定の弾力性を有してい
る。本発明では研磨布および研磨ディスクの種類、形式
は問わない。研磨布の研磨面の形状については後述す
る。
【0039】図7は、スライドテーブル152と工具ス
ピンドル6の近傍を示した平面図である。図8はウェハ
チャックテーブル12とその周辺を説明するための側面
図である。これらの図において、ウェハチャックテーブ
ル12の研磨ディスク8a、8b側にはピン23の頭部
23aが固定されており、ピン23は2つのブラケット
11、11の上方のピン孔に支持される。これによりウ
ェハチャックテーブル12が回動可能となる。
【0040】一方のピン23にはこれと同じ回転中心を
持つウォームホィール24が固定されている。ウェハチ
ャックテーブル12を360°までは回転させる必要が
ないことから、および、研磨ディスク8a、8bと干渉
するおそれがあることから、ウォームホィール24はセ
グメントギヤとなっている。充分な空間があり干渉のお
それがないならばセグメントとする必要はない。
【0041】ウォームホィール24にはウォーム25が
噛合しており、ウォーム25はモータ26によって回転
駆動されるので、モータ26を回転させるとウェハチャ
ックテーブル12もピン孔を中心として回動する。モー
タ26の回転量を制御することにより任意の角度にノッ
チの底を中心にしてウェハチャックテーブルを傾けるこ
とができる。
【0042】図9及び図10は、それぞれ研磨ディスク
8a及び研磨ディスク8bの研磨布の輪郭形状を説明す
るための拡大側面図及び拡大含軸断面図である。研磨デ
ィスク8aはノッチ上の位置決め面Sp3、Sp4及び
ノッチ円筒面Ss2(図3)を研磨するためのものであ
り、これらの断面と相補的形状を備えている。つまり、
この面は、2つの位置決め面Sp3、Sp4のなす角度
αと等しい角度、図2に示されるように例えば90度、
の直線L1、L2の部分とこれらの直線L1、L2を結
ぶ実質的に円弧A1からなる輪郭を備えている。
【0043】研磨ディスク8bは、ノッチのノッチベベ
ル面Sp5とノッチベベル面Sp6及びノッチ円錐面S
c3(図3)を研磨するためのものである。上記2つの
ノッチベベル面Sp5及びSp6は平行でないため、空
間上でこれらの平面が交叉する1本の直線を考えること
ができる。この直線(空間上の直線)の方向から見たと
き、上記2つのノッチベベル面Sp5、Sp6は、それ
ぞれが角度βで交叉する2本の直線として見える。研磨
ディスク8bは、2つの直線のなす角βと等しい直線輪
郭部分L3、L4と、これらの直線を結ぶ弧状をなす曲
線の輪郭部分A2とからなる輪郭を有している。
【0044】研磨ディスク8a及び8bの研磨布はそれ
ぞれリング状とし、2枚の円盤に狭着固定した構造とし
ているが研磨部輪郭を除き適宜の構造とすることができ
る。研磨布は弾性を有しており、鏡面研磨加工時には適
宜変形してウェハの研磨面になじむことができるものと
する。
【0045】上記鏡面研磨装置の動作を説明する。ま
ず、予めこの鏡面加工装置を初期状態におく。初期状態
では、第1のスライドテーブル152は図5でみて左の
位置に、第2のスライドテーブル13は後退位置(図6
で見て左)に、ウェハチャックテーブル12は水平の位
置にあるものとする。
【0046】第1のスライドテーブル152が初期状態
位置にないとき、第1の送りモータ155を逆転駆動
し、スライドテーブル152を左方向に送り所定位置で
停止させる。
【0047】第2のスライドテーブル13が初期位置に
ないとき、第2の送りモータ147を逆転駆動し、送り
ねじ145を回転させ、駒144を左方後退方向に送
る。駒144が突片146に当接して、これを押すこと
によって、ウェイト19を引き上げながら、第2のスラ
イドテーブル13を後退(図6の左側に位置)させる。
スライドテーブル13上の研磨ディスク8a、8bもこ
れに伴って後退位置にくる。
【0048】また、ウェハチャックテーブル12が初期
位置にない、すなわち水平でないとき、モータ26を駆
動し、ウォーム25、これに噛み合うウォームホィール
24を回転させて、ウェハチャックテーブル12を水平
にする。
【0049】こうして、第1のスライドテーブル15
2、第2のスライドテーブル13、及びウェハチャック
テーブル12が初期位置に置かれたら研磨作業が開始す
る。
【0050】まず、ウェハWをウェハチャックテーブル
12に置き、不図示のバキュームチャック手段を動作さ
せてこれをウェハチャックテーブル12に固定する。こ
の位置で、ウェハWのノッチは研磨ディスク8aの正面
に位置する。
【0051】ついで、スピンドルモータ1を駆動し、工
具スピンドル6、研磨ディスク8a、8bを回転させ
る。また、スラリー滴下手段21を滴下動作させて研磨
ディスク8aの表面にスラリーの供給を開始する。
【0052】スライドテーブル13は、ウェイト19の
重量によって右方向に向かう付勢力を受けながらも、突
片146が駒144に当接することにより停止している
が、送りモータ147を正転駆動すると駒144は右方
に送られるので、これに伴ってスライドテーブル13も
右方への移動を開始する。
【0053】やがて、研磨ディスク8aがウェハWのノ
ッチに係合する。このとき研磨ディスク8aが係合する
ウェハWの面は、位置決め面Sp3、Sp4及びノッチ
円筒面Ss2(図3)である。係合によってスライドテ
ーブルはそれ以上右方へ移動できないため停止するが、
駒144はしばらくそのまま移動し続けて停止する。
【0054】駒144と突片146との係合は解除され
ているので、ウェイト19の重量がそのまま研磨ディス
ク8aにかかり、このときの研磨圧で位置決め面Sp
3、Sp4及びノッチ円筒面Ss2が研磨されることに
なる。このようにウェイト19と駒144を利用するこ
とにより安定した研磨圧を得ることができる。
【0055】適宜の時間経過してこれらの面の研磨が終
了すると、送りモータ147を逆転駆動し、スライドテ
ーブル13を後退させる。同時にスラリー滴下手段21
の滴下動作を停止させる。続いて、送りモータ155を
駆動してスライドテーブル152を図5右方向に送り、
研磨ディスク8bがちょうどノッチの正面に来る位置で
停止させる。
【0056】更に別のモータ26を駆動してウォーム2
5を回転させる。ウォーム25の回転により、これに噛
み合うウォームホィール24、及びウェハチャックテー
ブル12が回動する。ウェハチャックテーブル12は、
ウェハWのノッチのノッチベベル面Sp5、Sp6(あ
るいはその反対のSp7、Sp8)が、研磨ディスク8
bの面(輪郭線L3、L4を持つ面)と平行になる位置
まで回転されて停止する。
【0057】スラリー滴下手段21の滴下動作を再開さ
せて研磨ディスク8bの表面にスラリーの供給を開始す
る。研磨ディスク8aで研磨したときと同様に、送りモ
ータ147を正転させてスライドテーブル13を前進さ
せ、今度は一方の側のノッチベベル面Sp5、Sp6及
びノッチ円錐面Sc3を研磨する。
【0058】ベベル面の一方の側の研磨が終了すると、
スラリー供給を停止して、一旦送りモータ147を逆転
させ、研磨ディスク8bを後退位置まで後退させて停止
する。さらに、モータ26を駆動し、ウェハチャックテ
ーブル12を反対方向に回動させる。反対側のノッチベ
ベル面Sp7、Sp8が研磨ディスク8bの面(輪郭線
L3、L4を持つ面)が平行になる位置まで回転したら
これを停止させる。
【0059】この後、スラリー供給を再開し、同様にし
て研磨ディスク8bを前進させ他方のノッチベベル面S
p7、Sp8及びノッチ円錐面Sc4を研磨する。この
面の研磨が終了してから、スラリー供給を停止させ、そ
れぞれのモータを駆動して第1のスライドテーブル15
2、第2のスライドテーブル13、ウェハチャックテー
ブル12を初期位置に戻す。初期位置でウェハを新しい
ものと交換する。
【0060】実施例2 種々の実験と幾何学的な形状の違いから、ノッチの端面
(Sp3、Sp4およびSs2)とベベル面(Sp5、
Sp6、sc3)とでは研磨加工に必要な最適な圧力が
異なる。実施例2は、このことに対する考慮から、ノッ
チの端面とベベル面とで研磨圧を変更することができる
ようにしたノッチ鏡面加工装置の例である。
【0061】図11は、本発明のノッチ鏡面加工装置
(実施例2)の正面を示す正面図である。図12は図1
1における左側面図である。なお、以下の説明におい
て、実施例1と共通する事項は実施例1の説明に使用さ
れた図面が参照される。図11、図12において、1は
スピンドルモータ、2はスピンドルモータ1に連結され
たプーリ、3は伝達ベルト、4は伝導ベルト3と連結し
たプーリで、該プーリ4は主軸台5を貫通して保持され
た工具スピンドル6に連結されている。
【0062】該工具スピンドル6の他端には、後述する
ノッチ表面を回転しながら鏡面加工するための円盤状鏡
面加工手段である2つの研磨ディスク8a、8bが同心
的に固定されている。9は主軸台5上に設けたモータ固
定板で、該モータ固定板9上に前記スピンドルモータ1
が固定されている。前記主軸台5と該モータ固定板9と
の間、及び主軸台5とモータ固定板9との間には、スピ
ンドルモータ1の回転振動が主軸台5に伝達されるのを
防止するために、振動吸収体9a、例えば防振ゴムが介
在している。
【0063】WはノッチNが形成された半導体ウェハ
(図1)で、該ウェハWは、ブラケット11に後述する
ように回動可能に設けられたウェハチャックテーブル1
2上に取り付けられ、前記研磨ディスク8a、8bと交
差、特に直交するように配置される。該ウェハチャック
テーブル12の上面には、ウェハWをチャックするため
不図示のバキュームチャック手段が形成されている。
【0064】基台15には第1スライド手段と第2スラ
イド手段が設けられている。第1スライド手段は工具ス
ピンドル6と同方向に延びたスライドレール151とこ
のスライドレール151上をスライドする第1のスライ
ドテーブル152からなる。
【0065】このスライドテーブル152の上にブラケ
ット11が取り付けられている。スライドテーブル15
2の下方には、送りナット153が設けられており、送
りナット153には送りねじ154が螺合している。送
りねじ154にはこれを回転させるための第1の送りモ
ータ155が接続されているため、送りモータ155の
回転量を調整することによって、スライドテーブル15
2を図11の左右の方向の適宜の位置に位置決め移動さ
せることができる。
【0066】第2スライド手段は、工具スピンドルと直
行する方向(図11で紙面前後方向、図12で左右方
向)に延びた第2のスライドレール141、142とこ
の上をスライド可能な第2のスライドテーブル13から
なる。第2のスライドテーブル13の下方にはピストン
シリンダー機構501のピストンロッド502が取り付
けられている。ピストンシリンダー機構501のシリン
ダー503は基台15に固定されており、ピストンシリ
ンダー機構501によってスライドテーブル13を図1
1で紙面前後方向、図12で左右方向に動かすことがで
きる。
【0067】研磨ディスク8aと半導体ウェハWの接触
力は、ピストンシリンダー機構501に加えられる油圧
又は空気(以下、この実施例2では、空気の例について
説明する。)の圧力を制御することによって制御され
る。図中点線650で囲った部分は主として圧力の制御
にかかる部分、点線670で囲った部分は主として、テ
ーブル13の移動とその方向の制御にかかる部分であ
る。
【0068】シリンダー503の前後には導管602お
よび導管603が接続されている。2つの導管602お
よび603はそれぞれ切替弁601の各ポートに接続さ
れている。切替弁601の残りの各ポートは、一方は導
管600に、他方はそのまま空中に開放している。この
ため、切替弁601を図12のように下方に切り換えた
とき、導管602は大気に開放され、導管603は切替
弁601と、絞り弁651を介して流体圧力源610に
接続される。切替弁601を反対に切り換えると、シリ
ンダー503の各室に関する関係が逆になる。
【0069】導管600の途中には絞り弁651が介在
しており、絞り弁651と切替弁601の間で、2本の
分岐路が形成されている。この分岐路はそれぞれ切替弁
652および切替弁662のポートに接続されている。
各切替弁652および662の残りのポートは、それぞ
れ絞り弁655および絞り弁665を介して大気に開放
されている。切替弁652および662が図12に示す
位置にあるときは、導管600内の空気は絞り弁65
5、絞り弁665を通して大気に繋がり、もう一方の位
置では閉塞される。
【0070】切替弁601はアクチュエータ604によ
って、切替弁652はアクチュエータ653によって、
また、切替弁662はアクチュエータ663によって位
置が切り換えられる。アクチュエータ604、653お
よび663の位置は、制御装置605によって制御され
る。
【0071】前記研磨ディスク8a又は8bには、現に
鏡面加工をしている方にのみ、スラリー滴下手段21か
らスラリーが滴下される。研磨ディスク8a、8bの回
転によってスラリーが飛散するのを防止するため、これ
らを覆うスラリー飛散防止カバー20が設けられてい
る。このスラリー滴下手段21はスライドテーブル15
2とともに移動するようにすることも、これを2基設け
て、一方のみからスラリーを滴下するように制御するよ
うにすることができる。この制御も制御装置605で行
わせるようにすることができる。
【0072】研磨ディスク8a、8bの構造、研磨面の
形状は実施例1で述べたものと同様なので更なる記載は
省略する。また、ウェハチャックテーブル12にかかわ
る構造についても、実施例1において、図7および図8
を用いて説明したものと同様なので、これらの説明を省
略する。
【0073】上記実施例2の鏡面研磨装置の動作を説明
する。まず、予めこの鏡面加工装置を初期状態におく。
初期状態では、第1のスライドテーブル152は図11
でみて左の位置に、第2のスライドテーブル13は後退
位置(図12で見て左)に、また、ウェハチャックテー
ブル12は水平の位置にあるものとする。
【0074】第1のスライドテーブル152が初期状態
位置にないとき、第1の送りモータ155を逆転駆動
し、スライドテーブル152を左方向に送り所定位置で
停止させる。
【0075】第2のスライドテーブル13が初期位置に
ないとき、制御装置605から切替弁601を図12上
方に切り換え、シリンダー503の右室に空気を送り込
む。これによってピストンロッド502およびテーブル
13も左方に移動し、不図示のストッパー等によって後
退位置で停止する。スライドテーブル13上の研磨ディ
スク8a、8bもこれに伴って後退位置にくる。
【0076】また、ウェハチャックテーブル12が初期
位置にない、すなわち水平でないとき、モータ26を駆
動し、ウォーム25、これに噛み合うウォームホィール
24を回転させて、ウェハチャックテーブル12を水平
にする。
【0077】こうして、第1のスライドテーブル15
2、第2のスライドテーブル13、及びウェハチャック
テーブル12が初期位置に置かれたら研磨作業が開始す
る。
【0078】まず、ウェハWをウェハチャックテーブル
12に置き、不図示のバキュームチャック手段を動作さ
せてこれをウェハチャックテーブル12に固定する。こ
の位置で、ウェハWのノッチは研磨ディスク8aの正面
に位置する。
【0079】ついで、スピンドルモータ1を駆動し、工
具スピンドル6、研磨ディスク8a、8bを回転させ
る。また、スラリー滴下手段21を滴下動作させて研磨
ディスク8aの表面にスラリーの供給を開始する。
【0080】制御装置605によって、切替弁652お
よび662をそれぞれ適宜の位置に切り換える。この2
つの切替弁の位置の組み合わせによって、導管600内
の空気圧が決まる。ここでは最初ノッチの端面(位置決
め面Sp3、Sp4及びノッチ円筒面Ss2(図3))
を研磨するものとする。ノッチの端面の研磨では、ノッ
チの斜面を研磨する場合ほどの力が必要とはされないた
め、2つの切替弁652、662を導通状体(開状態、
図12で切替弁が下方にある状態)とし、導管600内
の圧力を選択できる中で最も低い圧力状態にする。
【0081】次に、制御装置605とアクチュエータ6
04によって切替弁601を下方に移動させ、導管60
0内の圧力空気を導管603に導く。これにより圧力空
気がシリンダー503の左室に導入される。このとき導
管602は切替弁601を介して大気に開放しているの
で、ピストンロッド502は右方向に、したがって、テ
ーブル13も右方向に移動を開始する。
【0082】やがて、研磨ディスク8aがウェハWのノ
ッチに係合する。既に説明したようにこのとき研磨ディ
スク8aが係合するウェハWの面は、位置決め面Sp
3、Sp4及びノッチ円筒面Ss2(図3)である。こ
の係合によってスライドテーブルはそれ以上右方へ移動
できないため停止する。こうして、導管600内の圧力
がそのまま研磨ディスク8aにかかり、このときの研磨
圧で位置決め面Sp3、Sp4及びノッチ円筒面Ss2
が研磨されることになる。
【0083】適宜の時間経過してこれらの面の研磨が終
了すると、制御装置605によってアクチュエータ65
3、663、および604を動作させて、切替弁65
2、662および601を反対位置に切り換える。切替
弁652、662は閉塞状態になるため導管600内の
圧力は上昇し、この圧力が導管602を介してシリンダ
ー503の右室に導かれるため、ピストンロッド502
およびテーブル13は高速で後退する。後退して不図示
ストッパによって停止する。後退開始と同時にスラリー
滴下手段21の滴下動作も停止させる。
【0084】続いて、送りモータ155を駆動してスラ
イドテーブル152を図11右方向に送り、研磨ディス
ク8bがちょうどノッチの正面に来る位置で停止させ
る。更に別のモータ26を駆動してウォーム25を回転
させる。ウォーム25の回転により、これに噛み合うウ
ォームホィール24、及びウェハチャックテーブル12
が回動する。ウェハチャックテーブル12は、ウェハW
のノッチのノッチベベル面Sp5、Sp6(あるいはそ
の反対のSp7、Sp8)が、研磨ディスク8bの面
(輪郭線L3、L4を持つ面)と平行になる位置まで回
転されて停止する。
【0085】スラリー滴下手段21の滴下動作を再開さ
せて研磨ディスク8bの表面にスラリーの供給を開始す
る。研磨ディスク8aで研磨したときと同様に、切替弁
601を切換え、スライドテーブル13を前進させ、今
度は一方の側のノッチベベル面Sp5、Sp6及びノッ
チ円錐面Sc3を研磨する。このときベベル面の研磨で
は、端面の研磨に比べて高い研磨圧が必要とされるの
で、2つの切替弁652および662の位置の組み合わ
せが変更されている。つまり、例えば一方の切替弁を導
通状体、他方を閉塞状態にされている。なお、これは制
御装置605およびアクチュエータ653、654で制
御される。
【0086】ベベル面の一方の側の研磨が終了すると、
スラリー供給を停止して、一旦切替弁601を切換え、
テーブル13を図12の左方向、したがって、研磨ディ
スク8bを後退位置まで後退させて停止する。さらに、
モータ26を駆動し、ウェハチャックテーブル12を反
対方向に回動させる。反対側のノッチベベル面Sp7、
Sp8が研磨ディスク8bの面(輪郭線L3、L4を持
つ面)と平行になる位置まで回転したらこれを停止させ
る。
【0087】この後、スラリー供給を再開し、同様にし
て研磨ディスク8bを前進させ他方のノッチベベル面S
p7、Sp8及びノッチ円錐面Sc4を研磨する。この
面の研磨が終了してから、スラリー供給を停止させ、そ
れぞれのモータを駆動して第1のスライドテーブル15
2およびウェハチャックテーブル12を、また、切替弁
601を切換えてテーブル13を初期位置に戻す。初期
位置でウェハを新しいものと交換する。
【0088】この実施例2では、ノッチの端面の研磨と
ベベル面の研磨では研磨圧が変更されているため、それ
ぞれの研磨圧をふさわしい適正な値とすることができ
る。なお、絞り弁651、655および665はそれぞ
れの絞りの程度を調整することができるので、個々の絞
り弁の調整と上記組み合わせの選択によって、様々の研
磨圧を設定することができる。
【0089】さらに、上記切替弁652、662および
絞り弁655、665を導管600に一方が分岐接続さ
れ、他方が大気に開放した単一の制御可能な可変絞り弁
とし、この絞り量を制御装置605によって連続的に変
化させるようにすることも可能である。この場合、研磨
ディスク8a、8bとウェハWとが接触する近傍までは
空気圧を上げて早送りし、接触間近になってから所定の
圧力にまで下げることができる。これにより、研磨が行
われていない時間を短縮することができる。
【0090】実施例2は、作動流体として空気を用いた
例を説明したが、油圧を使用することも当然に可能であ
る。ただ、空気は、圧縮性があるため、研磨ディスクと
ウェハとの接触面の当たりが柔らかく、研磨面がなじみ
やすい。しかも作動後、そのまま大気中に排出すること
ができるので装置が簡単になる。以上が実施例2に関す
る説明である。
【0091】実施例3 これらの実施例1及び2では、第1のスライドテーブル
と第2のスライドテーブルは、基台上にそれぞれ設けら
れて、互いに直交する向きの送りが可能になっている
が、これらを上下に重ね合わせ、研磨ディスク側あるい
はウェハ側の一方に2つの直交する運動を行わせるよう
にすることも可能である。
【0092】図13はこのような場合の鏡面研磨装置の
一例を示す正面図である。この例では、実施例1におけ
る第1スライド手段が第2スライド手段の下に設けられ
ている。第1スライド手段は、工具スピンドルと同方向
に延びたスライドレール251とこのスライドレール2
51上をスライドする第1のスライドテーブル252か
らなる。スライドテーブル252の下方には送りナット
253が設けられており、送りナット253は送りねじ
254と螺合している。送りねじ254にはこれを回転
させるための第1の送りモータ255が接続されている
ため、送りモータ255の回転量を調整することによっ
て、スライドテーブル252を図13の左右の方向の適
宜の位置に位置決め移動させることができる。
【0093】実施例1においてスライドテーブル152
とされていた部材は、この場合基台15に直接取り付け
られている。一方、実施例1において基台15に直接取
り付けられていたスライドレール141、142、ブラ
ケット17等は代わってスライドテーブル252上に取
り付けられることになる。主軸台が動くのでスラリー滴
下手段21は、唯一つとすることができる。
【0094】研磨作用する研磨ディスクを変更するため
に、実施例1においてはウェハチャックテーブル12側
の位置を変更していたが、実施例3では、研磨ディスク
を支持する主軸台5の位置を変えている。この点を除
き、実施例1の動作と実質的に同じであるので、重複す
る動作の説明は省略する。なお、研磨圧がウェイト19
によって与えられるものに限らず、実施例2に示すよう
に流体圧によってこれを与えるようにすることができる
ことは当然である。以上が実施例3に関する説明であ
る。
【0095】研磨布は研磨圧、繰り返し変形による疲労
またはへたり及びスラリー中の砥粒によって削られるた
め、時間経過につれて輪郭形状が崩れる。崩れた輪郭形
状は定期的にドレッシングロールを当てることにより再
成形される。再成形に伴い研磨ディスク8a、8bの径
は変化する。本実施例に示されるように、研磨ディスク
の径の大きさは研磨姿勢、すなわち研磨されるノッチ面
と研磨ディスクの研磨面の角度、に直接の影響を及ぼさ
ないので、特に径を管理する必要がない。
【0096】また、図5、図11、図13において、上
記スライドテーブル13の前後位置及びスライドテーブ
ル152(252)の左右位置については、2つの位置
の位置決めができればよく、また、ウェハチャックテー
ブル12の回動位置決めについては、3位置(水平位置
と正逆2つの角度位置)の位置決めができればよい。こ
のため、数値制御のような高価な制御装置を使用する必
要がない。
【0097】更に、上記実施例のように、この鏡面研磨
装置では簡単な位置決め技術を使用できるので、鏡面加
工装置の構成が簡単になり製造コスト、更にその維持管
理費を引き下げることができる。
【0098】更に実施例2によってサポートされるよう
に、ノッチの端面とベベル面とでは、研磨圧が変更され
るので、それぞれに最適な研磨圧でもって研磨すること
ができる。
【0099】
【発明の効果】本発明では、研磨布の半径rを把握、管
理する必要がなく、更に、ウェハテーブルの回動位置を
位置決めするだけですみ、従来のように、z方向および
y方向の2つの送り量を制御する必要がない。このた
め、本発明によるときは鏡面加工装置の構成が単純安価
なものとなり、その維持管理にもあまり費用がかからな
いという効果を奏する。また、ノッチの端面とベベル面
とでは、研磨圧が変更されるので、それぞれに最適な研
磨圧でもって研磨が行われるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体ウェハの上面図である。
【図2】半導体ウェハに形成されたノッチと位置決めピ
ンとが半導体ウェハWを位置決め、方向付けするため係
合している様子を示す拡大図である。
【図3】拡大したノッチの近傍を示す斜視図である。
【図4】従来のノッチ鏡面加工の概要を説明するための
説明図である。
【図5】本発明のノッチの鏡面加工装置の正面を示す正
面図である。
【図6】図5における左側面図である。
【図7】スライドテーブル152と工具スピンドル6の
近傍を示した平面図である。
【図8】ウェハチャックテーブル12とその周辺を説明
するための側面図である。
【図9】研磨ディスク8aの研磨布の輪郭形状を説明す
るための拡大側面図及び拡大含軸断面図である。
【図10】研磨ディスク8bの研磨布の輪郭形状を説明
するための拡大側面図及び拡大含軸断面図である。
【図11】本発明(実施例2)のノッチの鏡面加工装置
の正面を示す正面図である。
【図12】図11における左側面図である。
【図13】本発明(実施例3)のノッチの鏡面加工装置
の正面を示す正面図である。
【符号の説明】
1 スピンドルモータ 2、4 プーリ 3 伝導ベルト 5 主軸台 6 工具スピンドル 8a、8b 研磨ディスク 9 モータ固定板 9a 振動吸収体 11、17 ブラケット 12 ウェハチャックテーブル 13、152、252 スライドテーブル 15 基台 16 滑車 18 ワイヤ 19 ウェイト 20 スラリー飛散防止カバー 21 スラリー滴下手段 23 ピン 23a 頭部 24 ウォームホィール 25 ウォーム 26 モータ 141、151、251 スライドレール 143 駒ガイド 144 駒 146 突片 147 送りモータ 153、253 送りナット 154、145、254 送りねじ 155、147、255 送りモータ 501 ピストンシリンダー機構 502 ピストンロッド 503 シリンダー 600、602、603 導管 601、652、662 切替弁 604、653、663 アクチュエータ 605 制御装置 610 流体圧力源 651、655、665 絞り弁 Sc1、Sc2 外周ベベル面 Sc3、Sc4 ノッチ円錐面 Sp1 パターン形成面 Sp2 裏面 Sp3、Sp4 位置決め面 Sp5、Sp6、Sp7、Sp8 ノッチベベル面 Ss1 外周円筒面 Ss2 ノッチ円筒面 N ノッチ Pp 位置決めピン W ウェハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 憲明 神奈川県綾瀬市早川2647 スピードファム 株式会社内 Fターム(参考) 3C049 AA03 AB01 AB06 CA00 CB05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェハのノッチの端面を鏡面加工するた
    めの研磨工具とノッチのベベル面を鏡面加工するための
    研磨工具とが同軸に取り付けられて、回転するスピンド
    ルと、 上記スピンドルを回転可能に支持する主軸台と、 上記スピンドルを回転駆動するためのスピンドル駆動源
    と、 上記ウェハを支持するための支持面を備えたウェハチャ
    ックテーブルと、 上記ウェハチャックテーブルと上記主軸台が相対的移動
    可能なように、上記ウェハチャックテーブル又は上記主
    軸台の少なくとも一方を上記スピンドルの回転軸方向に
    沿って案内するための第1スライド手段と、 上記ウェハチャックテーブルと上記主軸台が相対的移動
    可能なように、上記ウェハチャックテーブル又は上記主
    軸台の他方を上記スピンドルの回転軸方向と直交する方
    向に沿って案内するための第2スライド手段と、 上記ウェハチャックテーブルを上記スピンドルの回転軸
    と平行な軸の周りに傾斜させるためのテーブル傾斜手段
    と、を備えたウェハ鏡面加工装置であって、このウェハ
    鏡面加工装置は、更に、 上記第1スライド手段が、上記2つの研磨工具の間隔と
    等しい距離だけ離れた2つの位置に位置決め可能であ
    り、 上記ウェハチャックテーブルが、これに支持された上記
    ウェハのノッチが上記2つの位置のそれぞれにおいて、
    上記2つの研磨工具の内の一方と向かい合う位置に相対
    的に配置されており、 上記第2スライド手段には、上記研磨工具と上記ウェハ
    チャックテーブルに支持された上記ウェハとを互いに押
    し合う方向に付勢するための付勢手段が設けられている
    ことを特徴とするウェハ鏡面加工装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたウェハ鏡面加工装
    置において、上記テーブル傾斜手段は、上記ウェハのノ
    ッチの底を中心にして上記ウェハテーブルを傾斜させる
    ものであることを特徴とするウェハ鏡面加工装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載されたウェ
    ハ鏡面加工装置において、上記第1スライド手段は、上
    記ウェハテーブルを案内するものであることを特徴とす
    るウェハ鏡面加工装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれかに
    記載されたウェハ鏡面加工装置において、 上記第2スライド手段は、上記主軸台を案内するもので
    あることを特徴とするウェハ鏡面加工装置。
  5. 【請求項5】 請求項1又は請求項2に記載されたウェ
    ハ鏡面加工装置において、 上記第2スライド手段は、上記主軸台を案内するもので
    あり、 上記第1スライド手段は、上記主軸台を案内する上記第
    2スライド手段を、更に案内するものであることを特徴
    とするウェハ鏡面加工装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5までのいずれかに
    記載されたウェハ鏡面加工装置において、このウェハ鏡
    面加工装置は、更に、 上記2つの研磨工具の内、上記ノッチと向かい合う位置
    に位置する研磨工具にのみスラリーを滴下するスラリー
    滴下手段を備えていることを特徴とするウェハ鏡面加工
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6までのいずれかに
    記載されたウェハ鏡面加工装置において、このウェハ鏡
    面加工装置は、更に、 上記付勢手段が上記ウェハの端面を加工するときとベベ
    ル面を加工するときでは異なる付勢力を与えることがで
    きるように、この付勢手段の付勢力を制御するための制
    御手段を備えていることを特徴とするウェハ鏡面加工装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載されたウェハ鏡面加工装
    置において、 上記付勢手段は流体圧によって付勢力を与えるものであ
    ることを特徴とするウェハ鏡面加工装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載されたウェハ鏡面加工装
    置において、 上記制御手段は、上記付勢手段の流体圧を制御するもの
    であることを特徴とするウェハ鏡面加工装置。
  10. 【請求項10】 請求項1から請求項6までのいずれか
    に記載された鏡面加工装置において、 上記付勢手段は、懸垂されるウェイトの重量を利用した
    ものであることを特徴とするウェハ鏡面加工装置。
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Cited By (1)

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