JP2798157B2 - テープカートリッジ - Google Patents

テープカートリッジ

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JP2798157B2
JP2798157B2 JP13000590A JP13000590A JP2798157B2 JP 2798157 B2 JP2798157 B2 JP 2798157B2 JP 13000590 A JP13000590 A JP 13000590A JP 13000590 A JP13000590 A JP 13000590A JP 2798157 B2 JP2798157 B2 JP 2798157B2
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啓好 高木
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Hitachi Maxell Energy Ltd
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、本体ケースにこれの前面を開閉する前蓋
を揺動自在に支持してあり、とくに前蓋の前面板の内壁
面と本体ケースとの間に、前蓋を閉じ姿勢に保持するロ
ック手段を備えているテープカートリッジにおいて、こ
のロック手段に改良を加えたものである。
〔従来の技術〕 第7図は従来のロック手段を示しており、そこでは本
体ケース1の前面一部に、ト字状のロックアーム41を軸
42を介して前後揺動可能に支持し、ロックアーム41の中
途部に設けた係合爪43が前蓋40の前面板の内壁面に設け
た係合突起44に係合することにより、前蓋40が不用意に
上開きするのをロックしている(文献不詳)。
そのロックアーム41の下端には受爪45を有し、テープ
カートリッジをデッキに装填すると、デッキ側のロック
解除片48が該受爪45をばね46に抗してケース後方側へ押
し込み操作し、これで係合爪43の先端が係合突起44の開
き揺動軌跡Kの内側へ入って、以後は前蓋40が上開き操
作可能になる。
第8図は前記係合爪43の先端部形状の詳細を示してお
り、係合爪43は全体として鳥のくちばし状に突出してい
るが、その先端は切り落とされてケース前方へ向かって
上り傾斜する斜面50としてある。これは係合爪43が係合
突起44に向かって接近揺動するロック解除動作時に、両
部材43・44が接当干渉することを防ぐためである。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のように係合爪43の先端に斜面50を設けた従来形
態では、ロックアーム41のロック解除操作は確実に行え
る反面、前蓋40が故意に開き操作されるときのロック保
持機能の低下は免れない。正規状態において、係合突起
44は斜面50に連続する下面壁51で受け止めロックされる
が、このときの係合寸法Lが極端に小さくなるからであ
る。
この点、従来のロック手段ではロック姿勢において斜
面50の上端縁50aを逃げ凹部47に先当たり接当させ、係
合爪43と係合突起44の相対位置のずれを極力低減するこ
とでロック保持の確実化を図っている。しかし、各部材
の寸法のばらつきや集積誤差に偏りがあると、上記の対
応策だけでは不十分となり、係合突起44は想像線で示す
ごとく斜面50で受け止められることがある。このように
係合突起44が斜面50に乗り上がった状態で、前蓋40を無
理に開き操作すると、その前壁は斜面50の反力を受けて
外向きにたわみ変形し、簡単にロックが外れてしまう。
因みに、係合爪43が下面壁51に接当する正規のロック状
態では、上記のような外向きの反力は発生しない。
そこで本発明の目的は、係合爪の先端部形状を変更す
ることによって、ロックアームのロック解除操作と、不
使用時における前蓋のロック保持のいずれもが確実に行
えるテープカートリッジを得るにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明のロック手段は、本体ケース1側に前後揺動自
在に支持されるロックアーム10と、このロックアーム10
を前方のロック姿勢に向けて揺動付勢するばね22と、上
記前面板6aの内面に突設された係合突起11とを含んでい
ること、ロックアーム10は係合突起11より上方において
前面板6aに向けて突設された係合爪14を有すること、こ
の係合爪14は係合突起11の開き揺動軌跡Pを横切るほぼ
水平の下面壁28と、この下面壁28に連続して形成され、
ロック姿勢において前面板6aと先当たり接当する接当壁
29とを有すること、下面壁28における係合突起11との係
合位置28aが、接当壁29における前面板6aとの接当位置2
9aよりケース前方に位置していることを要件とする。
なお、係合爪14の最外端の揺動軌跡は、従来のロック
手段と同様に、ロックアーム10の揺動中心を円弧中心と
して係合突起11の内突端を通る仮想円弧線より内側に設
定することになる。
〔作用〕
下面壁28における係合突起11との係合位置28aを、接
当壁29における前面板6aとの接当位置29aよりもケース
前方に位置設定してあると、下面壁28の先端壁が係合突
起11の開き揺動軌跡Pより外方へ大きく突出するので、
係合爪14と係合突起11の係合寸法Qを大きく採ることが
できる。
〔発明の効果〕
かかる本発明によれば、ほぼ水平に形成された下面壁
28の先端が係合突起11の開き揺動軌跡Pより外方へ大き
く突出するので、前蓋6が開き操作されるときの係合爪
14と係合突起11との係合寸法Qが十分に確保できること
になる。従って、ロックアーム10や前蓋6などのロック
手段を構成する部材の寸法のばらつきや、組立後の集積
誤差に偏りがある場合でも、確実に係合突起11を係合爪
14で受け止めることができ、更に前蓋6の前面板6aの乗
り越えの原因となる斜面を係合爪14から排除して、全体
として前蓋6のロック保持を確実に行える。
〔第1実施例〕 第1図ないし第4図は本発明をビデオ用のテープカー
トリッジに適用した第1実施例を示す。
第4図においては、1は本体ケースであり、プラスチ
ック製の上下ケース1a・1bを蓋合わせ状に結合してな
る。この本体ケース1の内部左右にはテープ2が巻かれ
るテープリール3・3を配置してある。一方のテープリ
ール3から引き出されたテープ2は、ケース前面の左右
に設けたテープガイド4・4を介して他方のテープリー
ル3に巻き取られる。左右のテープガイド4・4間に
は、テープローディング用のポケット5が凹設されてい
る。
このポケット5の前面および上面を塞ぐ状態でテープ
保護用の前蓋6が、本体ケース1の前部に対して上下に
揺動開閉可能に支持されている。この前蓋6は、前面板
6aと上面板6b、および左右一対の側面板6cとを有し、両
側面板6cの対向壁面に揺動軸7が突設されている。
両揺動軸7を上下ケース1a・1b間で挟み保持すること
により、前蓋6は前面板6aが本体ケース1の前面を閉じ
る姿勢と上開き姿勢とにわたって揺動軸7まわりに揺動
自在であり、一方の揺動軸7と本体ケース1との間に装
着した図外のばね部材で常に閉じ姿勢に揺動付勢されて
いる。この閉じ状態において、前面板6aの下端はポケッ
ト5の両脇に設けた下ケース1bの段部8で受け止められ
る。
テープカートリッジの不使用状態において、前蓋6を
開き操作不能にロック保持するために、前面板6aと本体
ケース1との間にロック手段を備えている。
そのロック手段は、第2図に示すごとく本体ケース1
側に設けられるロックアーム10と、前面板6aの内面下端
寄りに一体突設される係合突起11とを主要素としてい
る。
ロックアーム10はレンチ形状のアーム本体12と、アー
ム本体12の上端左右に突設された一対の支軸13と、アー
ム本体12の上下中途部から前方に向けて突設された係合
爪14と、アーム本体12の下端に設けられた受爪15とを一
体に有するプラスチック成形品である。
下ケース1bには、第3図に示すごとくロックアーム10
を支持する平面視でコ字形の立壁16を上向きに突設して
あり、この立壁16の上端に対向状に凹設した各軸受溝17
に前記支軸13をそれぞれ上方から落とし込み、更に上ケ
ース1aと一体の押え壁18で支軸13を上方から押えること
により、上下ケース1a・1b間に支軸13を回転自在に挟
み、これでロックアーム10の全体は上端の支軸13まわり
に前後方向へ揺動自在に支持される。この組付状態にお
いて、アーム下端の受爪15は、下ケース1b側に設けたス
リット19を介してケース下面のガイド溝20内に突出して
いる。
ロックアーム10を第2図のロック姿勢に向けて前方に
揺動付勢するために、ねじりコイル形のばね22を有す
る。このばね22はコイル部が支軸13まわりに嵌装され、
その一端を上ケース1aの内面の突壁23で受け止め、他端
をアーム本体12側に受け止める。なお前記ばね22のコイ
ル部は、第3図に示すごとくアーム上端の板面一側に凹
設した収容部24内に納まっている。
ロックアーム10は、下端の受爪15をデッキ側のロック
解除片25でばね22に抗して移動操作することによりロッ
ク解除操作でき、この状態でのみ前端6は自由に開き操
作できる。
係合爪14に対向する前面板6aの内壁面には、係合爪14
が入り込む逃げ凹部26を形成してあり、その下端に水平
状の係合突起11が突設されている。つまり、係合突起11
を基準にすると、これより上方に位置して係合爪14が前
面板6aの内面に向かって突出する位置関係にある。
第1図において、係合爪14は水平の下面壁28を有する
鳥のくちばし形状に形成してあり、下面壁28の先端、す
なわち係合突起11との係合位置28aに連続して、ケース
後方へ向かって上り傾斜する接当壁29を有する。ロック
姿勢において、この接当壁29は逃げ凹部26の傾斜壁面26
aに先当たりし、第2図に示すごとくスリット19の前端
とアーム本体12との間には僅かな隙間が残るように設定
する。
不使用状態において前蓋6を上開き操作すると、係合
突起11は上向きに揺動して係合爪14に受け止められ、前
蓋6のそれ以上の上開きをロックする。このロック保持
動作を確実化し、さらにロックアーム10をロック解除操
作するときの動作干渉を防ぐために、本発明では係合爪
14の先端部形状に特徴を有する。
すなわち、第1図において係合突起11の開き揺動軌跡
Pを基準とするとき、係合爪14の下面壁28が該揺動軌跡
Pを水平に横切り、該下面壁28における係合突起11との
係合位置28aが、接当壁29における逃げ凹部26との接当
位置29aよりケース前方に位置するよう設定する。この
形状設定によって、まず前蓋6が開き操作されるときの
係合突起11と係合爪14の係合寸法Qを十分に確保し、係
合突起11が下面壁28を乗り越えてしまうことを確実に防
止する。
更に支軸13の軸中心を円弧中心とし、係合突起11の内
突端11aを通る円弧線を想定するとき、これより径方向
内側に下面壁28の突端を位置させる。これはロックアー
ム10がロック解除操作されるとき、係合爪14と係合突起
11とが相互に干渉するのを防ぐためである。
かかる係合爪14の先端部形状によれば、前蓋6が不用
意に開き操作されようとしたとき、係合突起11を水平の
下面壁28で確実に受け止めることができ、ロックアーム
10や前蓋6などに寸法上のばらつきがある場合や、ある
いはこれらの集積誤差に偏りがある場合でも、正規の状
態で前蓋6を常にロック保持できた。更に水平の下面壁
28で係合突起11を受け止めるので、従来のロック手段に
認められた、前面板のたわみ変形を伴う係合突起の乗り
越えを一掃できた。
〔第2実施例〕 第5図は係合爪14の先端形状を変更した本発明の第2
実施例を示しており、接当壁29を突弧面に形成した以外
は、第1実施例と同様にした。
〔第3実施例〕 第6図は係合爪14の先端形状を更に変更した本発明の
第3実施例を示しており、第5図で説明した接当壁29と
下面壁28とを半径値の小さな突弧壁を介して連続させ、
この突弧壁に係合突起11との係合位置28aを位置させた
以外は、第1実施例と同様にした。
このように、係合爪1の下面壁28はほぼ水平であれば
よい。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は本発明に係るテープカートリッジ
の第1実施例を示しており、 第1図は係合爪の先端部形状を示す側面図、 第2図はロック手段を示す縦断側面図、 第3図は第2図におけるA−A線断面図、 第4図は全体の概略平面図である。 第5図は本発明に係るテープカートリッジの第2実施例
を示す要部の側面図である。 第6図は本発明に係るテープカートリッジの第3実施例
を示す要部の側面図である。 第7図および第8図は従来のロック手段を示しており、 第7図は縦断側面図、 第8図は要部を拡大した側面図である。 1……本体ケース、 6……前蓋、 6a……前面板、 10……ロックアーム、 11……係合突起、 14……係合爪、 22……ばね、 28……下面壁、 28a……係合位置、 29……接当壁、 29a……接当位置、 P……開き揺動軌跡、 Q……係合寸法。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本体ケース(1)に、これの前面を開閉す
    る前蓋(6)を揺動自在に支持してあり、前蓋(6)の
    前面板(6a)と本体ケース(1)との間に、前蓋(6)
    を閉じ姿勢に保持するロック手段を備えているテープカ
    ートリッジにおいて、 前記ロック手段が、本体ケース(1)側に前後揺動自在
    に支持されるロックアーム(10)と、このロックアーム
    (10)を前方のロック姿勢に向けて揺動付勢するばね
    (22)と、上記前面板(6a)の内面に突設された係合突
    起(11)とを含み、 ロックアーム(10)は、係合突起(11)より上方におい
    て前面板(6a)に向けて突設された係合爪(14)を有
    し、 この係合爪(14)は、係合突起(11)の開き揺動軌跡
    (P)を横切るほぼ水平の下面壁(28)と、この下面壁
    (28)に連続して形成され、ロック姿勢において前面板
    (6a)に先当たり接当する接当壁(29)とを有し、 下面壁(28)における係合突起(11)との係合位置(28
    a)が、接当壁(29)における前面板(6a)との接当位
    置(29a)よりケース前方に位置していることを特徴と
    するテープカートリッジ。
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