JP2787585B2 - ヒトegfの製造法 - Google Patents

ヒトegfの製造法

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JP2787585B2
JP2787585B2 JP1016040A JP1604089A JP2787585B2 JP 2787585 B2 JP2787585 B2 JP 2787585B2 JP 1016040 A JP1016040 A JP 1016040A JP 1604089 A JP1604089 A JP 1604089A JP 2787585 B2 JP2787585 B2 JP 2787585B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ヒトEGF〔ヒト上皮細胞増殖因子;human Ep
idermal Growth Factor〕製造のための組み換えDNA技術
に関する。より具体的には、ヒトEGF遺伝子を含有するD
NA、該DNAを保持するバチルス・ブレビス(Bacillus br
evis)およびそれらを用いたヒトEGFの製造法に関す
る。
従来の技術 ヒトEGFは53個のアミノ酸からなり、そのアミノ酸配
列は既に明らかにされている〔Gregory,H.,ネイチャー
(Nature),257,325(1975)〕。本物質は胃酸分泌抑
制や上皮細胞増殖作用を有することから、胃潰瘍,火傷
等の治療薬として期待されており、遺伝子操作による組
み換え型ヒトEGFの量産化が望まれている。
今日まで多くの組み換えDNAの研究は大腸菌(E.col
i)を用いてなされており、すでに多くの異種遺伝子が
大腸菌内で発現されている。しかし、この方法では、発
現された遺伝子産物が菌体内に蓄積されるため、目的と
する遺伝子産物を純粋な形で取得するまでの過程で、目
的物の菌体からの抽出およびその抽出液からの精製に多
大な時間と労力とを要するだけでなく、目的とする物質
を完全な形で純粋に得ることが容易ではない。
一方、バチルス(Bacillus)属菌は古くから種々の菌
体外酵素の生産菌として工業的に利用されており、これ
ら菌体外酵素の遺伝子のプロモーターおよびシグナルペ
プチドをコードするDNA領域をクローニングし、その下
流に目的とする蛋白質の構造遺伝子を連結し、これをバ
チルス属菌に導入すれば、目的とする蛋白質を遺伝子産
物として菌体外へ分泌させることが可能になると考えら
れる。バチルス属菌においては、分泌される蛋白質はア
ミノ末端側におよそ20〜30アミノ酸残基からなるシグナ
ルペプチドを持つ前駆体として合成されたのち、この部
分がシグナルペプチダーゼによって切断されて、成熟し
た蛋白質になると考えられており、すでにバチルス・ア
ミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefacien
s)のα−アミラーゼ遺伝子〔I.Palvaら,ジーン(Gen
e),22,229(1983)〕,バルチス・リケニフォルミス
(Bacillus licheniformis)のペニシリナーゼ遺伝子
〔S.Changら,モレキュラー・クローニング・アンド・
ジーン・レギュレーション・イン・バチライ(Molecula
r Cloning and Gene Regulation in Bacilli),Academi
c Press,659頁,1982年〕,バチルス・サルチス(Bacill
us subtilis)のα−アミラーゼ遺伝子〔H.Yamazaki
ら,ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(J.Bacterio
l.)156,327(1983)〕がクローン化され、これらのシ
グナルペプチドを利用した異種蛋白質の分泌が報告され
ている。
上記した異種蛋白質の分泌生産には、主にバチルス・
サチルス(Bacillus subtilis)が宿主として用いられ
ているが、この微生物は菌体外プロテアーゼを多量に生
産するため、組み換えDNA技術を用いて分泌された異種
蛋白質は分解を受け、その蓄積量は著しく減少する。
これに対し、鵜高らはバチルス・ブレビス(Bacillus
brevis)にはプロテアーゼをほとんど生産しない菌株
が多いことを見い出し、その1菌株バチルス・ブレビス
47〔FERM P-7224;特開昭60-58074号公報,特開昭62-201
583号公報参照〕の主要菌体外蛋白質〔H.Yamagataら,J.
Bacteriol.,169,1239(1987)、塚越規弘,日本農芸化
学会誌,61,68(1987)および特開昭62-201583号公報に
それぞれ“outer wall protein and middle wall prote
in"、“菌体外主要蛋白質”および“細胞表層蛋白質”
として記載されている。〕遺伝子のプロモーターおよび
該主要菌体外蛋白質の一種であるMW蛋白質(middle wal
l protein)のシグナルペプチドをコードする領域を用
いて分泌ベクターを作製し、本菌株を宿主としてα−ア
ミラーゼ〔特開昭62-201583号公報、H.Yamagataら,Bact
eriol.,169,1239(1987)〕やブタペプシノーゲン〔鵜
高重三,日本農芸化学会昭和62年度大会講演要旨集,p83
7-838、塚越規弘,日本農芸化学会誌,61,68(1987)〕
の分泌生産に成功している。
また、高木らはバチルス・ブレビスのプロテアーゼを
生産しない菌株バチルス・ブレビスHPD31(なお、この
菌株は本明細書におけるバチルス・ブレビスH102(FERM
BP-1087)と同一菌株である。)を分離し、これを宿主
として耐熱性α−アミラーゼの高分泌生産に成功してい
る[日本農芸化学会昭和62年度大会講演要旨集,p27]。
ヒトEGFについては、大腸菌(E.coli)〔H.Ohgai,バ
イオ・インダストリー(Bio Industry),3,875(198
6)〕,サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces c
erevisiae)〔Anthony J.Brakeら,プロシーディング・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス
・ユーエスエー(Proc.Natl.Acad.Sci.USA),81,4642
(1984)〕を宿主として用いる分泌生産が報告されてい
る。
発明が解決しようとする課題 前記のとおり、バチルス・ブレビスを宿主として用い
る異種蛋白質の分泌生産あるいは大腸菌,サッカロミセ
ス・セレビシエを宿主として用いるヒトEGFの分泌生産
について、それぞれ単独で種々試みられているが、本発
明はバチルス・ブレビスを宿主として用いるヒトEGFの
新規製造法を提供することにある。
課題を解決するための手段 本発明者らは、ヒトEGFを効率よく生産させる方法を
提供すべく鋭意研究を重ねたところ、バチルス・ブレビ
スを宿主として用いてヒトEGF遺伝子を発現させること
により、培養物中に著量のヒトEGFが生産され、しかも
ヒトEGF遺伝子が安定に保持されることを見い出し、こ
れらの知見に基づいてさらに研究した結果、本発明を完
成した。
すなわち本発明は、 (1)バチルス・ブレビス由来のプロモーター領域を含
有するDNAの3′末端にヒトEGFをコードするDNAを結合
させたDNA、 (2)プロモーター領域を含有するDNAの3′末端にヒ
トEGFをコードするDNAを結合させたDNAを保持するバチ
ルス・ブレビスおよび (3)上記(2)に記載のバチルス・ブレビスを培地に
培養し、培養物中にヒトEGFを生成,蓄積せしめ、これ
を採取することを特徴とするヒトEGFの製造法である。
ヒトEGFをコードするDNAとしては、ヒトEGFをコード
するものであればいずれでもよく、例えば公知のヒトEG
Fのアミノ酸配列に基づき、公知の方法で化学合成され
たものが挙げられ、その具体例としては、特開昭61-888
81号公報、特開昭62-40290号公報、谷山ら,武田研究所
報,45,136(1986)などに記載の方法に従って合成され
たDNA(I)が挙げられる。
プロモーターとしては、バチルス・ブレビスで機能す
るものであればいずれでもよいが、バチルス・ブレビス
由来のプロモーターが好ましく、例えばバチルス・ブレ
ビス47あるいはバチルス・ブレビスH102の主要菌体外蛋
白質遺伝子のプロモーターなどが挙げられる。該プロモ
ーターは1種または2種以上含有されていてもよい。
プロモーター領域を含有するDNAは、上記プロモータ
ー以外に、SD配列,翻訳開始コドンなどを有しているこ
とが必要であり、さらに主要菌体外蛋白質遺伝子の一部
を有していてもよい。
本発明において、ヒトEGFはバチルス・ブレビスの菌
体内,菌体外のいずれに蓄積されてもよいが、ヒトEGF
の抽出,精製を容易にし、また生産量を増大させるため
には、菌体外にヒトEGFを蓄積させることが望ましく、
この場合、プロモーター領域を含有するDNAには、該DNA
の3′末端側にシグナルペプチドをコードする領域が含
まれる。
シグナルペプチドとしては、ヒトEGFをバチルス・ブ
レビスの菌体外に分泌発現させるものであればいずれで
もよく、例えばバチルス・ブレビス47あるいはバチルス
・ブレビスH102の主要菌体外蛋白質のシグナルペプチド
などが挙げられるが、なかでもバチルス・ブレビス47の
MW蛋白質(middle wall protein)のシグナルペプチド
が好ましい。
上記したプロモーター領域およびシグナルペプチドを
コードする領域を含有するDNAとしては、例えば第1図
に示す575bp AluI-Fnu4HI断片が挙げられ、該断片は化
学的に合成することも可能であり、またバチルス・ブレ
ビス47-5(pHY500-EGF)〔IFO 14699,FERM BP-1663〕あ
るいはバチルス・ブレビス(pNU200-EGF31)〔IFO 1472
9,FERM BP-1772〕から調製することも可能である。
遺伝子の発現に用いる発現ベクターとしては、バチル
ス・ブレビスで機能するものであればいずれでもよく、
例えば後述の参考例1で得られるプラスミドpHY500,後
述の参考例2で得られるプラスミドpNU200[鵜高重三,
日本農芸化学会誌,61,669(1987)]などが挙げられ
る。
上記のDNAを用いて作製したヒトEGF発現プラスミドと
しては、バチルス・ブレビスで機能するものであればい
ずれでもよく、具体的には後述の実施例1で得られるプ
ラスミドpHY500-EGF,後述の実施例2で得られるプラス
ミドpNU200-EGF31などが挙げられる。
これらのプラスミドを構築する方法としては、例えば
モレキュラー・クローニング,ア・ラボラトリー・マニ
ュアル,コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリ
ー(Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spr
ing Harbor Laboratory)(1982)に記載の方法などが
挙げられ、一方、プラスミドの構築に用いる宿主として
は、大腸菌(E.coli),バチルス・サチルス(Bacillus
subtilis),バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)
に属する微生物であればいずれでもよく、例えば大腸菌
HB101,大腸菌DH1,バチルス・サチルスRM141〔J.Bacteri
ol.,158,1054(1984)〕,バチルス・ブレビス47(FERM
P-7224),バチルス・ブレビス47-5(FERM BP-1664,IF
O 14698)などが挙げられる。
遺伝子の発現に用いる宿主としては、バチルス・ブレ
ビスであればいずれでもよく、具体的にはバチルス・ブ
レビス47(FERM P-7224),バチルス・ブレビス47-5(F
ERM BP-1664,IFO 14698),バチルス・ブレビスH102(F
ERM BP-1087)などが挙げられる。なお、バチルス・ブ
レビスH102はバチルス・ブレビスHPD31〔日本農芸化学
会昭和62年度大会講演要旨集,p27、鵜高重三,日本農芸
化学会誌,61,669(1987)]と同一菌株である。
バチルス・ブレビスを形質転換する方法は公知の方法
でよく、例えばTakahashiらの方法〔J.Bacteriol.,156,
1130(1983)〕あるいはChangとCohenの方法〔モレキュ
ラー・アンド・ジェネラル・ジェネティクス(Mol.Gen.
Genet.),168,111(1979)〕などが挙げられる。
得られる形質転換体の培養に用いる培地は、形質転換
体が生育して目的とする蛋白質を産生しうるものであれ
ばいかなるものでもよい。
該培地に含有される炭素源としては、例えばグルコー
ス,シュークロース,グリセロール,でん粉,デキスト
リン,糖蜜,尿素,有機酸などが用いられる。該培地に
含有される窒素源としては、カゼイン,ポリペプトン,
肉エキス,酵母エキス,カザミノ酸,グリシンなどのア
ミノ酸類、NZ−アミンなどの有機窒素源、硫酸アンモニ
ウム,塩化アンモニウム,硝酸アンモニウムなどの無機
窒素源などが用いられる。その他、塩化カリウム,リン
酸一カリウム,リン酸二カリウム,塩化ナトリウム,硫
酸マグネシウムなどの無機塩が必要に応じて培地に加え
られる。また、糖と無機窒素源を主とする合成培地を用
いて培養してもよい。栄養要求性を示す菌株を用いる場
合には、その生育に必要な栄養物質を培地に添加すれば
よい。該栄養物質としては、アミノ酸類,ビタミン類,
該酸塩基類などが挙げられる。
また、培養に際して必要であれば、培地に抗生物質
(例、ペニシリン,エリスロマイシン,クロラムフェニ
コール,バシトラシン,D−サイクロセリンなど)が加え
られる。さらに必要により、消泡剤(例、大豆油,ラー
ド油など)を培地に加えてもよい。
培地の初発pHは5.0〜9.0であり、さらに好ましくは6.
5〜7.5である。
培養温度は通常15℃〜42℃、さらに好ましくは24℃〜
37℃であり、培養時間は通常16〜166時間、さらに好ま
しくは24〜96時間である。
培養終了後、それ自体公知の方法、例えば遠心分離,
ろ過などで菌体と上清とを分離する。菌体内に産生され
たヒトEGFは、当分野における通常の方法、例えば超音
波破砕法、フレンチプレスなどを利用した破砕法、摩砕
などの機械的破砕法、細胞壁溶解酵素による破砕法など
により菌体を破砕し、さらに必要ならば、トリトン−X1
00、デオキシコーレートなどの界面活性剤を加えること
によって抽出される。このようにして得られた培養上
清、あるいは抽出液中に含まれるヒトEGFは通常の蛋白
質精製法、例えば塩析、等電点沈澱、ゲルろ過、イオン
交換クロマトグラフィー、ハイドロキシアパタイト、高
速液体クロマトグラフィー(HPLC,FPLC等)などにした
がって精製され、目的とするヒトEGFを得ることができ
る。
上記で得られるヒトEGFは、ラジオイムノアッセイ
〔アマシャム(Amersham)社(英国)販売〕,フィブロ
ブラスト・リセプター・アッセイ〔Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA.,72,1371(1975)〕,あるいはHPLCを用いて定量
することができる。またBALB/C 3T3-A31細胞に対する増
殖促進活性〔ジャーナル・オブ・セルラー・フィジオロ
ジー(J.Cell.Physiol.),86,593(1975)〕あるいはH
SC-1細胞に対する増殖阻害活性〔ジャーナル・オブ・セ
ル・バイオロジー(J.Cell.Biol.),93,1(1982)〕か
らヒトEGFを定量することもできる。
作用 本発明のヒトEGFの製造法によれば、ヒトEGFをより効
率よく量産化することができ、しかもヒトEGF遺伝子が
形質転換体内で安定に保持されるので、治療薬としての
ヒトEGFの生産、さらにヒトEGFの生体内での役割や細胞
増殖調節機構の解明、ひいては発癌機構の解明に役立つ
ものである。
また、ヒトEGFを菌体外に産生させることも可能であ
るため、目的とするヒトEGFをより容易に採取すること
ができる。
実施例 以下に参考例および実施例を挙げて本発明を更に詳し
く説明するが、本発明はこれらに限定されるべきもので
はない。
なお、参考例1で開示するバチルス・ブレビス47-5
は、財団法人発酵研究所(IFO)に昭和63年1月12日か
ら受託番号IFO 14698として、また、通商産業省工業技
術院微生物工業技術研究所(FRI)に昭和63年1月20日
から受託番号FERM BP-1664として寄託されている。一
方、実施例1に開示するバチルス・ブレビス47-5(pHY5
00-EGF)はIFOに昭和63年1月12日から受託番号IFO 146
99として、また、FRIに昭和63年1月20日から受託番号F
ERM BP-1663として寄託されている。
なお、実施例2で開示するバチルス・ブレビスH102
(日本農芸化学会昭和62年度大会講演要旨集,p.27、鵜
高重三,日本農芸化学会誌,61,669(1987)に記載のバ
チルス・ブレビス HPD31と同一菌株)は、通商産業省
工業技術院微生物工業技術研究所(FRI)に昭和61年6
月24日から受託番号FERM BP-1087として寄託されてい
る。一方、実施例2に開示するバチルス・ブレビス47-5
(pNU200-EGF)は、財団法人発酵研究所(IFO)に昭和6
3年2月19日から受託番号IFO 14728として、またFRIに
昭和63年2月29日から受託番号FERM BP-1771として寄託
されている。
実施例2で開示するヒトEGF発現プラスミドpNU200-EG
F31を用いてTakahashiらの方法[J.Bacteriol.,156,113
0(1983)]によってバチルス・ブレビス47-5(FERM BP
-1664,IFO 14698)の形質転換を行って得られたバチル
ス・ブレビス47-5(pNU200-EGF31)は、IFOに昭和63年
2月19日から受託番号IFO 14729として、またFRIに昭和
63年2月29日から受託番号FERM BP-1772として寄託され
ている。
本明細書および図面において、アミノ酸,その他に関
し略号で表示する場合、それらはIUPAC-IUB(Commissio
n on Biochemical Nomenclature)による略号あるいは
当該分野における慣用略号に基づくものであり、その例
を第1表に挙げる。また、アミノ酸などに関し光学異性
体がありうる場合は、特に明示しなければL体を示すも
のとする。
第1表 DNA :デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン SDS :ドデシル硫酸ナトリウム Gly:グリシン Ala:アラニン Val:バリン Leu:ロイシン Ile:イソロイシン Ser:セリン Thr:スレオニン Met:メチオニン Glu:グルタミン酸 Asp:アスパラギン酸 Lys:リジン Arg:アルギニン His:ヒスチジン Phe:フェニルアラニン Tyr:チロシン Trp:トリプトファン Pro:プロリン Asn:アスパラギン Gln:グルタミン 参考例1 プラスミドpHY500の構築 プラスミドpTT5(6.1kb)〔J.Bacteriol.,158,1054
(1984)〕を制限酵素HindIIIで切断し、ヌクレアーゼB
al 31で全体の約1/6程度まで両端を削ったのち、Klenow
フラグメント(Large Fragment E.coli DNA Polymeras
e)で処理して両末端を平滑化し、大腸菌アルカリ性フ
ォスファターゼで処理した。一方、プラスミドpH I301
(7.1kb)〔Tsukagoshiら,Mol.Gen.Genet.,193,58(198
4)〕からバチルス・ステアロサーモフイルス(Bacillu
s stearothermophilus)由来の断片を含むBamHI断片を
単離し、これを上記のpTT5由来のDNA断片とT4DNAリガー
ゼで連結し、その反応液を用いてChangとCohenの方法
〔Mol.Gen.Genet.,168,111(1979)〕によるバチルス・
サチルス(Bacillus subtilis)RM141の形質転換を行っ
た。得られたカナマイシン耐性の形質転換体からプラス
ミドを単離し、これをpTT-Am1(7.2kb)と命名した。
得られたプラスミドpTT-Am1を制限酵素HpaIで完全切
断および制限酵素EcoRIで部分切断し、Klenowフラグメ
ントで両末端を平滑化したのちHindIIIリンカーを付与
し、T4DNAリガーゼで閉環してプラスミドpTT-Am2(6.7k
b)を得た。
プラスミドpTT-Am2を制限酵素BglIIとClaIで切断して
小さい断片を除去し、代わりにプラスミドpBAM101(6.8
kb)〔Tsukagoshiら,J.Bacteriol.,164,1182(1985)〕
のBalII-ClaI断片を挿入することによりプラスミドpTT-
Am3(7.4kb)を得た。
上記のプラスミドpTT-Am3を制限酵素PvuIIで切断し、
ヌクレアーゼBal31で削り、Klenowフラグメントで両末
端を平滑化したのちHindIIIリンカーを付与した。次に
このDNAを制限酵素HindIIIで切断したのち、T4DNAリガ
ーゼで連結し、プラスミドpTT-Am300(5.7kb)を得た。
プラスミドpTT-Am300をEcoRIで切断し、T4DNAリガー
ゼで連結してカナマイシン耐性のプラスミドpFK1(2.6k
b)を得た。プラスミドpHY481(3.7kb)〔Yamagataら,
アプライド・アンド・エンバイロンメンタル・ミクロバ
イオロジー(Appl.Environ.Microbiol.),49,1076(19
85),特開昭60-188073号公報(cf.FERM P-7531)〕を
制限酵素HpaIIで切断して小断片を除去し、代わりに上
記のpFK1の大きいTaqI断片を挿入して、エリスロマイシ
ンとカナマイシンに両耐性のプラスミドpFK2(5.2kb)
を得た。
プラスミドpFK2をハイドロキシアミンで処理して変異
を誘起し、バチルス・ブレビス47-5(FERM BP-1664,IFO
14698)に形質転換した。得られたエリスロマイシンお
よびカナマイシン両耐性の形質転換体の中からプラスミ
ドのコピー数が増大した株を選び、その菌株から単離し
たプラスミドをpFK2copT(5.2kb)と命名した。
上記のプラスミドpFK2copTからHpaIIの小断片を除去
し、Klenowフラグメントで両末端を平滑化したのちBamH
IリンカーとBglIIリンカーの混合物(1:1)を連結させ
た。
一方、プラスミドpCWP1(7.5kb)〔Yamagataら,J.Bac
teriol.,169,1239(1987)、塚越規弘,日本農芸化学会
誌,61,68(1987)、特開昭62-201583号公報〕より、バ
チルス・ブレビス47(FERM P-7224)の主要菌体外蛋白
質遺伝子のプロモーターおよびバチルス・ブレビス47の
MW蛋白質のシグナルペプチドと成熟蛋白のN末端側の一
部をコードする領域を含む600bp AluI断片(第1図参
照)を単離し、上記のpFK2copT由来のDNA断片とT4DNAリ
ガーゼで連結し、その反応液を用いてTakahashiらの方
法〔J.Bacteriol.,156,1130(1983)〕によってバチル
ス・ブレビス47-5の形質転換を行った。得られたエリス
ロマイシンのみに耐性の形質転換体からプラスミドを単
離し、これをpHY500(5.2kb)と命名した。
参考例2 発現ベクターpNU200の構築 プラスミドpCWP1(7.5kb)[Yamagataら,J.Bacterio
l.,169,1239(1987)、塚越規弘,日本農芸化学会誌,6
1,68(1987)、特開昭62-201583号公報〕より、バチル
ス・ブレビス47の主要菌体外蛋白質遺伝子のプロモータ
ーおよびMW蛋白質のシグナルペプチドと成熟蛋白のN末
端側の一部をコードする領域を含む600bp AluI断片を単
離した。次に本断片にT4DNAリガーゼでBamHIリンカーを
結合させたのち、BamHIで処理して600bp BamHI断片を得
た。
一方、プラスミドpHT-1(5.6kb)[特開昭60-58074号
公報,(cf.FERM P-7226)]をBamHIとBglIIで切断し、
その大きい断片と上記の600bp BamHI断片とをT4DNAリガ
ーゼで連結させた反応液を用いてバチルス・ブレビス47
(FERM P-7224)の形質転換を行った。エリスロマイシ
ン耐性の形質転換体の中からプラスミドを単離し、これ
をpNU100(4.5kb)[塚越規弘,日本農芸化学会誌,61,
68(1987)]と命名した。プラスミドpNU100を制限酵素
EcoRIで部分分解したのち、Klenowフラグメント(Large
Fragment E.coli DNA Polymerase)で処理し、T4DNAリ
ガーゼで閉環することにより、EcoRI部位の1箇所が除
去された分泌ベクターpNU200(4.5kb)[鵜高重三,日
本農芸化学会誌.61,669(1987)]を得た。
実施例1 ヒトEGF発現プラスミドpNU200-EGF31の構築(第2図参
照)と形質転換体の調製 参考例1で得られた発現ベクターpHY500より、主要菌
体外蛋白質遺伝子のプロモーターからMW蛋白質のシグナ
ルペプチドをコードする領域までを含む350bp Fnu4HI断
片(第1図参照)を単離し、Klenowフラグメント(Larg
e Fragment E.coli DNA Polymerase)で処理してその両
末端を平滑化したのち、制限酵素HpaIで切断し、シグナ
ルペプチドの6番目のAsn以後からそのC末端付近まで
をコードする54bpのDNA断片を単離した。
特開昭62-40290号公報[谷山ら、武田研究所報,45,1
36(1986)参照]に記載の方法に従って、ヒトEGFをコ
ードするDNA断片を含むプラスミドpTB361を構築し、プ
ラスミドpTB361よりヒトEGFをコードする410bp HinfI断
片を単離した。得られた該断片をKlenowフラグメント
(Large Fragment E.coli DNA Polymerase)で処理して
両末端を平滑化し、これにEcoRIリンカー(CGGAATTCC
G)をT4DNAリガーゼで連結したのち、制限酵素EcoRIとB
amHIで処理し、170bp EcoRI-BamHI断片を得た。プラス
ミドpBR322から377bp EcoRI-BamHI断片を除去し、これ
に上記の170bp EcoRI-BamHI断片を挿入してプラスミド
ΔNpTB361を得た。
プラスミドΔNpTB361のヒトEGFのN末端付近をコード
する領域に存在するEcoRI部位を切断したのちKlenowフ
ラグメントで平滑化し、得られたDNA断片の5′末端
に、シグナルペプチドの6番目のAsn以後からそのC末
端付近までをコードする54bpのDNA断片(前出)を連結
させ、シグナルペプチドとヒトEGFをコードするDNAが正
しくつながったプラスミドΔNpTB361Fを得た。このΔNp
TB361Fより、シグナルペプチドの中間付近以後からヒト
EGFのC末端までをコードする207bp ApaLI-BamHI断片を
単離した。
一方、発現ベクターpHY500を制限酵素ApaLIとBamHIで
切断し、これに上記の207bp ApaLI-BamHI断片をT4DNAリ
ガーゼで連結し、その反応液を用いてTakahashiらの方
法〔J.Bacteriol.,156,1130(1983)〕によってバチル
ス・ブレビス47-5(FERM BP-1664,IFO 14698)の形質転
換を行った。得られたエリスロマイシン耐性の形質転換
体からプラスミドを単離し、これをpHY500-EGFと命名し
た。該プラスミドでは当初の計画とは異なり、プラスミ
ドpHY500のApaLI部位に207bp ApaLI-BamHI断片が互いに
逆向きに2個挿入されていた(第2図)。形質転換体の
中から安定株〔バチルス・ブレビス47-5(pHY500-EGF)
(FERM BP-1663,IFO 14699)〕を分離し、これを実施例
3の培養に用いた。
実施例2 ヒトEGF発現プラスミドpNU200-EGF31の構築(第2図参
照)と形質転換体の調製 参考例1で得られたプセスミドpHY500より、主要菌体
外蛋白質遺伝子のプロモーターからMW蛋白質のシグナル
ペプチドをコードする領域までを含む350bp Fnu4HI断片
(第1図参照)を単離し、Klenowフラグメント(Large
Fragment E.coli DNA Polymerase)で処理してその両末
端を平滑化したのち、制限酵素HpaIで切断し、シグナル
ペプチドの6番目のAsn以後からそのC末端付近までを
コードする54bpのDNA断片を単離した。
特開昭62-40290号公報[谷山ら,武田研究所報,45,1
36(1986)参照]に記載の方法に従って、ヒトEGFをコ
ードするDNA断片を含むプラスミドpTB361を構築し、プ
ラスミドpTB361よりヒトEGFをコードする410bp HinfI断
片を単離した。得られた該断片をKlenowフラグメント
(Large Fragment E.coli DNA Polymerase)で処理して
両末端を平滑化し、これにEcoRIリンカー(CGGAATTCC
G)をT4DNAリガーゼで連結したのち、制限酵素EcoRIとB
amHIで処理し、170bp EcoRI-BamHI断片を得た。プラス
ミドpBR322から377bp EcoRI-BamHI断片を除去し、これ
に上記の170bp EcoRI-BamHI断片を挿入してプラスミド
ΔNpTB361を得た。
プラスミドΔNpTB361のヒトEGFのN末端付近をコード
する領域に存在するEcoRI部位を切断したのちKlenowフ
ラグメントで平滑化し、得られたDNA断片の5′末端
に、シグナルペプチドの6番目のAsn以後からそのC末
端付近までをコードする54bpのDNA断片(前出)を連結
させ、シグナルペプチドとヒトEGFをコードするDNAが正
しくつながったプラスミドΔNpTB361Fを得た。このΔNp
TB361Fより、シグナルペプチドの中間付近以後からヒト
EGFのC末端までをコードする207bp ApaLI-BamHI断片を
単離した(第2図−1)。
参考例2で得られた発現ベクターpNU200をApaLIとBam
HIで切断し、これにプラスミドΔNpTB361Fより単離した
207bp ApaLI-BamHI断片をT4DNAリガーゼで連結し、その
反応液を用いてTakahashiらの方法〔J.Bacteriol.,156,
1130(1983)〕によってバチルス・ブレビス47-5(FERM
BP-1664,IFO 14698)の形質転換を行った。得られたエ
リスロマイシン耐性の形質転換体よりプラスミドを単離
し、これをpNU200-EGFと命名し、プラスミドpNU200-EGF
を保持する形質転換体をバチルス・ブレビス47-5(pNU2
00-EGF)(FERM BP-1771,IFO 14728)と命名した。プラ
スミドpNU200-EGFでは当初の計画とは異なり、pNU200の
ApaLIとBamHIの間に207bp ApaLI-BamHI断片が同方向に
2個挿入されており、その間にpNU200の68bp ApaLI-Bam
HI断片が逆向きに残存していた(第2図−2)。
上記で得られたヒトEGF発現プラスミドpNU200-EGFを
用いてバチルス・ブレビスH102(FERM BP-1087;日本農
芸化学会昭和62年度大会講演要旨集,p27、鵜高重三,日
本農芸化学会誌,61,669(1987)に記載のバチルス・ブ
レビスHPD31と同一菌株)の形質転換を行った。得られ
た形質転換体からプラスミドを単離し、その構造を調べ
たところ、pNU200-EGFに余分に挿入されていたDNA断片
が欠落していた。このプラスミドをpNU200-EGF31と命名
し(第2図−2)、プラスミドpNU200-EGF31を保持する
形質転換体をバチルス・ブレビスH102(pNU200-EGF31)
と命名した。
なお、上記プラスミドpNU200-EGF31を用いてTakahash
iらの方法[J.Bacteriol.,156,1130(1983)]によって
バチルス・ブレビス47-5(FERM BP-1664,IFO 14698)の
形質転換を行って得られたバチルス・ブレビス47-5(pN
U200-EGF31)(FERM BP-1772,IFO 14729)から、Molecu
lar Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor
Laboratory(1982)に記載のアルカリ抽出法によって
単離したプラスミドpNU200-EGF31を用いてTakahashiら
の方法[J.Bacteriol.,156,1130(1983)]によってバ
チルス・ブレビスH102(FERM BP-1087)の形質転換を行
うと、上記と同一のバチルス・ブレビスH102(pNU200-E
GF31)が得られた。
実施例3 形質転換体の培養およびヒトEGFの生産 (i)実施例1で得られた形質転換体バチルス・ブレビ
ス47-5(pHY500-EGF)およびその対照となるバチルス・
ブレビス47-5(pHY500)をグルコース1%,酵母エキス
0.4%,ポリペプトン2%,肉エキス0.5%,MgCl2 5mM,
ウラシル100μg/mlおよびエリスロマイシン10μg/mlか
らなる培地(pH7.0)で30℃,2日間振とう培養した。
上記の培養液を遠心分離し、その上清のヒトEGF濃度
を逆層の高速液体クロマトグラフィー(HPLC),HSC-1細
胞に対する増殖阻害活性〔J.Cell.Biol.,93,1(198
2)〕およびBALB/C 3T3-A31細胞に対する増殖促進活性
〔J.Cell.Physiol.,86,593(1975)〕から求めた。な
お、ヒトEGF標準品としては湧永製薬(株)から購入し
たものを用いた。第2表にその結果を示す。
次に上記の培養上清をLaemmliの方法〔Nature,227,68
0(1970)〕に準じて、SDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動にかけたのち、Burnetteの方法〔アナリティカル
・バイオケミストリー(Anal.Biochem.),112,195(19
81)〕に準じて抗ヒトEGF抗血清(湧永製薬製)を用い
てウエスタンブロッティングを行った。その結果、バチ
ルス・ブレビス47-5(pH Y500-EGF)の培養上清にはヒ
トEGFが認められ、その分子量は標準品のそれと一致し
た。
(ii)実施例2で得られた形質転換体バチルス・ブレビ
スH102(pNU200-EGF31)およびその対照となるバチルス
・ブレビスH102をプロテオース・ペプトン3%,酵母エ
キス0.2%,CaCl2・2H2O 0.01%,MgSO4・7H2O 0.01
%,FeSO4・7H2O 0.001%,MnSO4・4H2O 0.001%,ZnSO
4・7H2O 0.0001%,グルコース5%,グリシン0.3%お
よび10μg/mlエリスロマイシンからなる培地(pH7.2)
で33℃,3日間振とう培養した。一方、バチルス・ブレビ
スH102(pNU200-EGF31)を上記の培地のグリシン0.3%
の代りにTween40 0.03%を含む培地で33℃,4日間振とう
培養した。
上記の培養液を遠心分離し、その上清のヒトEGF濃度
を逆層高速液体クロマトグラフィー(HPLC)およびHSC-
1細胞に対する増殖阻害活性[J.Cell.Biol.,93,1(198
2)]から求めた。なお、ヒトEGF標準品としては湧永製
薬(株)から購入したものを用いた。第3表にその結果
を示す。
(iii)実施例2で得られた形質転換体バチルス・ブレ
ビスH102(pNU200-EGF31)をプロテオース・ペプトン3
%,酵母エキス0.2%,グルコース5%,MgSO4・7H2O
0.01%,FeSO4・7H2O 0.001%,MnSO4・4H2O 0.001%,
ZnSO4・7H2O 0.0001%およびグリシン0.3%を含有する
5′YC培地(pH7.2)で30℃,6日間振とう培養した。
上記の培養液を遠心分離し、その上清をLaemmliの方
法〔Nature,227,680(1970)〕に準じて、SDS−ポリア
クリルアミドゲル電気泳動にかけたのち、Burnetteの方
法〔アナリティカル・バイオケミストリー(Anal.Bioch
em.),112,195(1981)〕に準じて抗ヒトEGF抗血清
(湧永製菓製)を用いてウエスタンブロッティングを行
った。その結果、培養上清のヒトEGF濃度は240mg/lであ
った。
実施例4 ヒトEGFの精製 実施例3−(ii)で得られたバチルス・ブレビスH102
(pNU200-EGF31)の培養上清5mlをC18カートリッジ(SE
P-PAK,ウオーターズ社製)で前処理したのち、逆層HPLC
(ウオーターズ社製),イオン交換HPLC(東ソー社製)
および逆層HPLC(ウオーターズ社製)の順に精製してヒ
トEGFの精製標品78μgを得た。
実施例5 ヒトEGF精製標品の性質 実施例4で得られたヒトEGF精製標品の諸性質は以下
のとおりであった。
逆層HPLCで調べた結果、得られたEGF精製標品はほぼ
単一であり(第3図)、その保持時間はヒトEGF標準品
(湧永製薬(株)製)のそれと一致した。
0.1% SDSを含む18%ポリアクリルアミドゲル電気泳
動(SDS-PAGE)で調べた結果、還元条件下,非還元条件
下のいずれの場合も、精製標品は標準品と同じ挙動を示
した(第4図)。
ヒトEGF精製標品をガラス製加水分解用試験管にとり
減圧下で乾燥後、4%チオグリコール酸を含む5.7N塩酸
を加えて減圧下に封管したのち、110℃,24時間加水分解
した。加水分解後、塩酸を減圧下で除去し、残渣を0.02
N塩酸に溶解してアミノ酸分析を実施した。
その結果を第4表に示す。
パルス・リキッド(Pulse liquid)自動エドマン分解
(アプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystem
s)社製477A型)によってN末端アミノ酸配列を調べた
結果、精製標品の配列は文献[Gregory,H.,Nature,257,
325(1975)]のそれと一致した(第5表)。
ヒドラジン分解[Naritaら,ジャーナル・オブ・バイ
オケミストリー(J.Biochem.),59,170(1966)]で調
べた精製標品のC末端アミノ酸はアルギニン(オルニチ
ンとして同定)であり、文献[Gregory,H.,Nature,257,
325(1975)]のそれと一致した。
HSC-1細胞に対する増殖阻害[Barnes,J.Cell.Biol.,9
3,1(1982)]を調べたところ、ヒトEGF精製標品は標準
品と同程度の活性を示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、参考例1に示したバチルス・ブレビス47の主
要菌体外蛋白質遺伝子のプロモーターおよびバチルス・
ブレビス47のMW蛋白質のシグナルペプチドと成熟蛋白の
N末端側の一部をコードする領域を含有するDNAの塩基
配列とアミノ酸配列を示す。(Pはプロモーターを示
し、↑はシグナルペプチダーゼで切断される部位を示
す。) 第2図は、実施例1および2に示したヒトEGF発現プラ
スミドpHY500-EGFおよびpNU200-EGF31の構築図を示す。 はプロモーターおよびシグナルペプチドをコードする領
域を含有するDNAを示し、 はヒトEGFをコードするDNAを示し、 はエリスロマイシン耐性を示し、( )はユニークサイ
トでないことを示す。) 第3図は、実施例5で得られた逆層高速液体クロマトグ
ラフィーの結果を示す。(横軸は保持時間(分)を、↓
はEGFが溶出した時間(分)を示す。) 第4図は、実施例5で得られたSDS-PAGEの結果を示す。 (1は分子量マーカー(還元条件下)、2はヒトEGF精
製標品(還元条件下)、3はヒトEGF精製標品(非還元
条件下)、4はヒトEGF標準品(還元条件下)、5はヒ
トEGF標準品(非還元条件下)を示し、縦軸は分子量を
示す。)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12N 1/21 C12R 1:08) (C12P 21/02 C12R 1:08) 微生物の受託番号 FERM BP−1663 前置審査 (72)発明者 塚越 規弘 愛知県名古屋市名東区猪高台2丁目510 番地 (72)発明者 垣沼 淳司 京都府長岡京市竹の台3番地 (72)発明者 中浜 一雄 京都府長岡京市西の京15番地の59 (72)発明者 高木 広明 千葉県銚子市三軒町8番9号 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/63 - 15/78 C12N 1/21 C12P 21/02 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) REGISTRY(STN) CA(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バチルス・ブレビス47由来のプロモーター
    領域の3′末端側にバチルス・ブレビス47のMW蛋白質の
    シグナルペプチドをコードする領域を含有するDNAの
    3′末端にヒトEGFをコードするDNAを結合させたDNA。
  2. 【請求項2】請求項1記載のDNAを含有するベクター。
  3. 【請求項3】ベクターがpNU200-EGFまたはpNU200-EGF31
    である請求項2記載のベクター。
  4. 【請求項4】請求項1記載のDNAを保持するバチルス・
    ブレビス。
  5. 【請求項5】宿主がバチルス・ブレビスH102である請求
    項4記載のバチルス・ブレビス。
  6. 【請求項6】請求項4または5記載のバチルス・ブレビ
    スを培地に培養し、培養物中にヒトEGFを生成、蓄積せ
    しめ、これを採取することを特徴とするヒトEGFの製造
    法。
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