JP2579506B2 - 新規なプロモーター - Google Patents

新規なプロモーター

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JP2579506B2
JP2579506B2 JP62301457A JP30145787A JP2579506B2 JP 2579506 B2 JP2579506 B2 JP 2579506B2 JP 62301457 A JP62301457 A JP 62301457A JP 30145787 A JP30145787 A JP 30145787A JP 2579506 B2 JP2579506 B2 JP 2579506B2
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gene
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tattat
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    • C12N9/0089Oxidoreductases (1.) acting on superoxide as acceptor (1.15)
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    • C12N9/0004Oxidoreductases (1.)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は種々の遺伝子を効率良く発現させることがで
きるプロモーター、該プロモーターを含む発現ベクタ
ー、該発現ベクターを保持する形質転換細菌に関する。
〔従来の技術〕
遺伝子操作技術を用いて医薬または診断用薬上有用な
ペプチド蛋白質、例えばスーパーオキシドジスムター
ゼ、インターフェロン、インターロイキン、ツモアー・
ネフローシス・ファクター、インスリン、カルシトニ
ン、ソマトスタチン、セクレチン、プラスミノーゲン・
アクチベーター、ウロキナーゼ、グロスホルモン、エン
ドルフィン、ウイルス蛋白、アミラーゼ、リパーゼ、ア
ルコールオキシダーゼなどが、エシェリヒア・コリやバ
チルス・ズブチリスなどの原核生物、酵母、植物や動物
細胞を宿主生物として製造されるようになってきた。こ
れらの有用なペプチドや蛋白質(以下これらを単に蛋白
という)は、種々の遺伝子、例えば微生物から単離した
遺伝子、化学合成した遺伝子、m−RNAから逆転写酵素
にて得た相補的遺伝子などや、さらにこれらの遺伝子を
遺伝子変換技術によって遺伝子の一部を置換、欠損また
は付加せしめてなる突然変異手段での改変した生物学的
にもとの蛋白の活性を有する活性蛋白(以下これをムテ
インという)の遺伝子を宿主生物中で発現せしめること
により生産される。宿主生物中でこれらの外来蛋白遺伝
子を効率良く発現せしめ、目的とする蛋白の生産効率を
向上させるには、該外来蛋白遺伝子の転写効率を高め
る、翻訳効率を高める、該外来蛋白遺伝子のコピー数を
多くすることなどが必要とされる。
そして、外来蛋白遺伝子の転写効率を高めるため、外
来蛋白遺伝子の上流に強力なプロモーターを結合させる
(特開昭54−92695号公報参照)ことが一般的に行なわ
れており、該プロモーターとしては、例えば、lpp,lac,
trp,tac,λPL,recA,phoAなどが知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら目的とする外来蛋白遺伝子の発現に合致
したプロモーターを得ようとして遺伝子ライブラリーか
ら新たにスクリーニングするには、多大の労力を必要と
する。またプロモーター活性は有していても、適切な制
限酵素認識部位が適当な部位にないために利用できない
こともある。
従って、適当な制限酵素認識部位を有し、かつ強いプ
ロモーター活性を有するプロモーターを見い出すこと
は、遺伝子操作によって種々の蛋白を生産しようとする
場合に極めて重要である。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、先にピルビン酸オキシダーゼのアミノ
酸配列をコードする新規なDNA断片、およびこれを含有
するプラスミドを見い出し、特許出願した(特願昭62−
903号)。そしてさらにこのピルビン酸オキシダーゼ遺
伝子を含むプラスミドについて研究を進めたところ、意
外にも該プラスミドから制限酵素により切断して得られ
たDNA断片がピルビン酸オキシダーゼだけでなく、スー
パーオキシドジスムターゼ等の他のペプチドや蛋白質の
遺伝子をも効率よく発現させることを見い出し、本発明
を完成した。
すなわち本発明は新規なデオキシリボヌクレオチド配
列を有するプロモーター、該プロモーターの下流に外来
蛋白遺伝子を結合した発現ベクター、該発現ベクターを
保持した形質転換細菌を提供するものである。
本発明のプロモーターは、例えばピルビン酸オキシダ
ーゼ遺伝子を発現させる組換えベクターからそのプロモ
ーター活性を有する部分を制限酵素を用いて切り出すこ
とによって簡便に製造される。
原料となるピルビン酸オキシダーゼ遺伝子を発現する
組換えベクターは、例えばピルビン酸オキシダーゼ遺伝
子の供与体である微生物よりDNAを分離精製した後、超
音波、制限酵素などを用いて切断したDNAとリニヤーな
発現ベクターとを両DNAの平滑または接着末端部におい
てDNAリガーゼなどにより結合閉環させ、かくして得ら
れた組換えDNAベクターを複製可能な宿主微生物に移入
した後、ベクターのマーカーとピルビン酸オキシダーゼ
の活性とを指標としてスクリーニングして、該組換えDN
Aベクターを保持する微生物を選択し、該微生物を培養
し、該培養菌体から当該組換ベクターを分離精製するこ
とにより得られる。
ピルビン酸オキシダーゼ遺伝子の供与体である微生物
としては、ピルビン酸オキシダーゼ産性能を有する微生
物であればよく、例えば、特開昭54−126791号公報、特
開昭59−159777号公報、特開昭59−162877号公報、Arc
h.Biochem.Biophys.116 168−176(1966)などに示さ
れているラクトバチルス・デルブリゥキィ(Lactobacil
lus delbrucki),ペディオコッカス・エスピー(Pedio
coccus sp),ストレプトコッカス・エスピー(Strepto
coccus sp),アエロコッカス・ビリダンス(Aerococcu
s viridans),ラクトバチルス・プランタルム(Lactob
acillus Plantarum),ラクトバチルス・サリバリウス
(Lactobacillus Salivarius),ロイコノストック・メ
センテロイデス(Leuconostoc Mesenteroides)等のラ
クトバシラセア科またはストレプトコッカセア科などの
微生物が適宜選ばれる。
また、遺伝子組換え技術を駆使して、ピルビン酸オキ
シダーゼ産性能を付与せしめた形質転換微生物をピルビ
ン酸オキダーゼ遺伝子の供与体として利用してもよい。
ピルビン酸オキダーゼ遺伝子の供与体である微生物か
ら由来するDNAは次の如くにして採取される。即ち、供
与微生物である上述した細菌のいずれかを、例えば、液
体培地で約1〜3日間通気撹拌培養し、得られる培養物
を遠心分離して集菌し、次いでこれを溶菌させることに
よってピルビン酸オキシダーゼ遺伝子の含有溶菌物を調
製することができる。溶菌方法としては、例えばリゾチ
ームやβ−グルカナーゼなどの細胞壁溶解酵素による処
理が施され、必要によりプロテアーゼなどの他の酵素や
ラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤が併用され、
さらに細胞壁の物理的破壊法である凍結融解やフランチ
プレス処理を上述の溶菌法との組み合せで行ってもよ
い。
このようにして得られた溶菌物からDNAを分離、精製
するには、常法に従って、例えばフェノール抽出による
除蛋白処理、プロテアーゼ処理、リボヌクレアーゼ処
理、アルコール沈澱、遠心分離などの方法を適宜組み合
わせることにより行うことができる。
分離精製された微生物DNAを切断する方法は、例え
ば、超音波処理、制限酵素処理などにより行うことがで
きるが、得られるDNA断片とベクターとの結合を容易な
らしめるため、制限酵素、とりわけ特定ヌクレオチド配
列に作用する、例えば、EcoR I、Hind III,BamH Iなど
のII型制限酵素が適している。
ベクターとしては、宿主微生物で自律的に増殖しうる
ファージまたはプラスミドから遺伝子組換え用として構
築されたものが適している。
ファージとしては、例えば、エシェリヒア・コリ(Es
cherichia coli)を宿主微生物とする場合には、λgt・
λC,λgt・λBなどが使用できる。
また、プラスミドとしては、例えば、エシェリヒア・
コリを宿主微生物とする場合にはpBR322,pBR325,pACYC1
84,pUC12,pUC13,pUC18,pUC19などが、バチルス・ズブチ
リス(Bacillus Subtilis)を宿主微生物とする場合に
はpUB110,pC194などが使用でき、さらにエシェリヒア・
コリおよびサッカロマイセス・セレビシアなどのグラム
陰・陽両性にまたがる二種以上の宿主微生物で自律的に
増殖可能なシャトルベクターを利用することもできる。
このようなベクターを、先に述べたピルビン酸オキシダ
ーゼ遺伝子供与体である微生物DNAの切断に使用した制
限酵素と同じ制限酵素で切断して、ベクター断片を得る
ことが好ましい。
微生物DNA断片とベクター断片とを結合させる方法
は、公知のDNAリガーゼを用いる方法であればよく、例
えば、微生物DNA断片の接着末端とベクター断片の接着
末端とのアニーリングの後、適当なDNAリガーゼの作用
により微生物DNA断片とベクター断片との組換えDNAを作
成する。必要ならば、アニーリングの後、宿主微生物に
移入して、生体内のDNAリガーゼを利用し組換えDNAを作
成することもできる。
宿主微生物としては、組換えDNAが安定かつ自律的に
増殖可能で、且つ外来性DNAの形質が発現のできるもの
であればよく、例えば、宿主微生物がエシェリヒア・コ
リの場合、エシェリヒア・コリDH1,エシェリヒア・コリ
HB101,エシェリヒア・コリW3110,エシェリヒア・コリC6
00等が利用出来る。宿主微生物に組換えDNAを移入する
方法としては、例えば、宿主微生物がエシェリヒア属に
属する微生物の場合には、カルシュウムイオンの存在下
で組換えDNAの移入を行い、またバチルス属に属する微
生物の場合には、コンピテントセル法またはプロトプラ
スト法などを採用することができ、さらにマイクロイン
ジェクション法を用いてもよい。
宿主微生物への目的組換えDNA移入の有無についての
選択は、目的組換えDNAを保持するベクターの薬剤耐性
マーカーとピルビン酸オキシダーゼとを同時に発現し得
る微生物を検索すればよく、例えば、薬剤耐性マーカー
に基づく選択培地で生育し、かつピルビン酸オキシダー
ゼを生成する微生物を選択すればよい。このようにして
一度選択されたピルビン酸オキシダーゼ遺伝子を保有す
る組換えDNAは、形質転換微生物から取り出され、他の
宿主微生物に移入することも容易に実施できる。
かくして得られるピルビン酸オキシダーゼ遺伝子を発
現する組換えベクターの好ましい例としては、プラスミ
ドpOXI3が挙げられる。pOXI3から本発明プロモーターを
切り出すための制限酵素としては、Dra Iが最適であ
る。
pOXI3から制限酵素Dra Iで切り出された本発明プロモ
ーターは、少なくとも下記塩基配列5′ −TTGGAA−X−TATTAT−3′ 〔式中、Aはアデニン、Tはチミン、Gはグアニンであ
り、XはA,T,GおよびC(ここでCはシトシンである)
からなる16〜21bpを示す〕 を有する。このうちXが17bp、特に5′ −TTGGAATAAGCTGTTTTAAGTGCTATTAT−3′ であるものが好ましい。
またこのプロモーターは、少なくともこの塩基配列
5′−TTGGAATAAGCTGTTTTAAGTGCTATTAT−3′を有し、
かつ 5′−TTGATT−X2−TTCTTA−3′5′−TTTATA−X3−TACTGT−3′5′−CTGAAA−X4−AATTAT−3′5′−TGGACC−X5−GGCAAT−3′5′−TTCATT−X6−TATTAT−3′5′−TGGAAT−X7−TATTAT−3′5′−TTTAAG−X8−GATATT−3′、 および 5′−TTTAAG−X9−TATTTT−3′、 (但し、X2,X3,X4,X5,X6,X7,X8,およびX9は同一または
異なってA,T,GおよびCからなる16〜21bpを示す)から
なる群より選ばれた1種または2種以上の塩基配列を有
していてもよい。
また上記の 5′−TTGATT−X2−TTCTTA−3′にお
いてはX2はA,T,GおよびCからなる21bpが好ましくTATAA
GGGTTTCTGGACTTCTで例示され、また 5′−TTTATA−
X3−TACTGT−3′のX3は17bpが好ましくAGGGTTTCTGGACT
TCTで例示され、 5′−CTGAAA−X4−AATTAT−3′
のX4は17bpが好ましくAAAGGGTATTTTTGGCTで例示され、
5′−TGGACC−X5−GGCAAT−3′のX5は17bpが好ま
しくTCACAAAGGATATTTGTで例示され、 5′−TTCATT
−X6−TATTAT−3′のX6は21bpが好ましくGGAATAAGCTGT
TTTAAGTGCで例示され、 5′−TGGAAT−X7−TATTAT
3′のX7は16bpが好ましくAAGCTGTTTTAAGTGCで例示さ
れ、 5′−TTTAAG−X8−GATATT−3′のX8は18bpが
好ましくTGCTATTATTTCAATTGTで例示され、さらに
5′−TTTAAG−X9−TATTTT−3′のX9は20bpが好ましく
TGCTATTATTTCAATTGTGAで例示される。
さらに、最も好ましい本発明のプロモーターの全塩基
配列は、202bpよりなるものであり、5′末端側より式 AAAAGTTCTT GATTTATAAG GGTTTCTGGA CTTCTTACTG TACTAGTACA ATTTCGCCCC TTGTACCATT TTTCTGATAC AGAAACAATA TTGTACTGAA AAAAGGGTAT TTTTGGCTAA TTATGGACCT CACAAAGGAT ATTTGTGGCA ATTCATTGGA ATAAGCTGTT TTAAGTGCTA TTATTTCAAT TGTGATATTT TTで示される。
この本発明プロモーターはRsa I,Spe I,Mae I,Ssp I,
Cfr13 I,Mnl I,Ava IIおよびAlu IIの各制限酵素認識部
位を有する。
本発明プロモーターの下流に外来蛋白遺伝子を結合
し、かつ適当な発現ベクターを用いることにより、該外
来蛋白遺伝子の発現ベクターが得られる。
外来蛋白遺伝子としては、ペプチド遺伝子または蛋白
質遺伝子、具体的にはスーパーオキシドジスムターゼ、
インターフェロン、インターロイキン、ツモアー・ネフ
ローシス・ファクター、インスリン、カルシトニン、ソ
マトスタチン、セクレチン、プラスミノーゲン・アクチ
ベーター、ウロキナーゼ、グロスホルモン、エンドルフ
ィン、ウイルス蛋白またはそのムテインをコードする遺
伝子等が挙げられる。就中、スーパーオキシドジスムタ
ーゼの場合に特に良好な結果を与える。
スーパーオキシドジスムターゼをコードする遺伝子を
本発明プロモーターの下流に有する発現ベクターを製造
するには、例えば、図1に示す如く、まずpOXI3より制
限酵素Dra Iで切り出した本発明プロモーター(202bp)
を制限酵素Sal Iで切断した後T4DNAポリメラーゼ処理を
したpUC12にリガーゼを用いて結合せしめる。得られた
本発明プロモーター含有プラスミドpKN17〔2.9kbp〕
は、制限酵素Xba IおよびBamH I認識部位を有するの
で、両制限酵素で切断する。一方、スーパーオキシドジ
スムターゼ発現用プラスミドpSOD14〔特開昭62−130684
号,制限酵素Xba IとBamH Iの間にスーパーオキシドジ
スムターゼ(SOD)遺伝子を有する〕より、Xba IとBamH
Iで切断して、SOD遺伝子断片を得る。これをpKN17と結
合せしめることにより、本発明プロモーターを有し、そ
の下流にSOD遺伝子を有するプラスミドpSOD120が得られ
る。
本発明のプロモーターの下流の外来蛋白遺伝子を結合
したベクターを、種々の宿主生物に導入し、該宿主生物
を形質転換せしめれば、目的とする外来蛋白遺伝子を生
産する形質転換細菌が得られる。宿主生物としては通常
の遺伝子組換えに用いられる微生物、例えばエシェリヒ
ア・コリ等が用いられる。またベクターの導入方法も、
特に制限されず前述の塩化カルシウム処理法等が利用で
きる。
目的とする蛋白を製造するには、上述の如くして得ら
れた形質転換細菌を培養し、該培養物から採取すればよ
い。
形質転換細菌の培養は、その形質転換細菌の生育に必
要な栄養源を、無機成分を含む培地中、公知の方法で行
われるが、前述のpSOD120を保持した形質転換細菌(E.c
oli)の場合には、例えば適当量の銅及び/又は亜鉛イ
オンを含むあるいは含まない培地中、通気撹拌培養、振
とう培養、回転培養、静置培養等により、30〜42℃、好
ましくは37℃付近で3時間〜48時間、培養することによ
り行われる。
目的とする蛋白が細胞内に産生される場合には細胞培
養物が高濃度に達した時に、遠心分離により細胞を分離
し、溶解し、そして既知文献記載の種々の方法、例え
ば、抽出、イオン交換クロマトグラフイー、アフイニテ
イークロマトグラフイー、電気泳動、透析、又はこれら
の組合わせにより目的とする蛋白を分離精製する。ま
た、生成物が分泌される場合には、培地について上記と
同様な方法を用いる。
上述のpSOD120以外にも、特開昭62−130684号に記載
のプラスミドと本発明プロモーターとの組み合せによ
り、種々のスーパーオキシドジスムターゼまたはそのム
テイン、例えば下記一般式 X10 Ala Thr Lys Ala Val X11 Val Leu Lys Gly Asp Gly Pro Val Gln Gly Ile Ile Asn Phe Glu Gln Lys Glu Ser Asn Gly Por Val Lys Val Trp Gly Ser Ile Lys Gly Leu Thr Glu Gly Leu His Gly Phe His Val His Glu Phe Gly Asp Asn Thr Ala Gly Cys Thr Ser Ala Gly Pro His Phe Asn Pro Leu Ser Arg Lys His Gly Gly Pro Lys Asp Glu Glu Arg His Val Gly Asp Leu Gly Asn Val Thr Ala Asp Lys Asp Gly Val Ala Asp Val Ser Ile Glu Asp Ser Val Ile Ser Leu Ser Gly Asp His X12 Ile Ile Gly Arg Thr Leu Val Val His Glu Lys Ala Asp Asp Leu Gly Lys Gly Gly Asn Glu Glu Ser Thr Lys Thr Gly Asn Ala Gly Ser Arg Leu Ala Cys Gly Val Ile Gly Ile Ala Gln (但しX10は水素原子、アセチル基またはアミノ酸残基
を示し、X11およびX12は、同一または異なってCysまた
はCys以外のアミノ酸を示す) で表わされるペプチドが得られる。
このペプチドにおいてX10が水素原子、アセチル基また
はMetであり、X11が中性アミノ酸残基、例えばCys,Ser,
Ala,またはThrであり、X12が中性アミノ酸残基、例えば
Cys,Ser,Ala,またはThrで示されるアミノ酸を示すペプ
チドが好ましい。特に、pSOD120を用いた場合に得られ
るペプチド(X11=Cys,X12=Ser)が好ましい。
本明細書に記載のアミノ酸、ペプチド、核酸、核酸関
連物質、その他に関する略号は、それらの当該分野にお
ける慣用略号に基づくもので、それらの例を以下に列記
する。またすべてのアミノ酸はL体を示すものとする。
DNA:デオキシリボ核酸 RNA:リボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン Ala:アラニン Arg:アルギニン Asn:アスパラギン Asp:アスパラギン酸 Cys:システイン Gln:グルタミン Glu:グルタミン酸 Gly:グリシン His:ヒスチジン Ile:イソロイシン Leu:ロイシン Lys:リジン Met:メチオニン Phe:フェニルアラニン Pro:プロリン Ser:セリン Thr:スレオニン Trp:トリプトファン Tyr:チロシン Val:バリン 〔実施例〕 次に実施例を挙げて本発明を説明する。
参考例1. 染色体DNAの分離 Aerococcus viridans(IFO 012219)の染色体DNAを
次の方法で分離した同菌株を150mlの普通ブイヨン培地
(0.5%チオ硫酸ソーダ含有)で37℃一晩振盪培養後遠
心(3,000回転10分)により集菌した。10%サッカロー
ス、50mMトリス塩酸(pH8.0)、50mM EDTAを含んだ溶液
5mlに懸濁させ、1mlのリゾチーム溶液(10mg/ml)を加
えて37℃、15分間保温し、次いで1mlの10%SDS(ドデシ
ル硫酸ナトリウム)溶液を加えた。この懸濁液に等量の
クロロホルム−フェノール混液(1:1)を加え、撹拌混
合し、10,000rpm3分の遠心で水層と溶媒層に分け、水層
を分取した。この水層に2倍量のエタノールを静かに重
層し、ガラス棒でゆっくり撹拌しながらDNAをガラス棒
にまきつかせて分離した。これを10mlの10mMトリス塩酸
(pH8.0)、1mM EDTAを含んだ溶液(以下TEと略す)で
溶解した。これを等量のクロロホルム−フェノール混液
で処理後、遠心により水層を分取し、2倍量のエタノー
ルを加えて上記の方法でもう一度DNAを分離し、2mlのTE
で溶解した。
参考例2. pACYC184プラスミドDNAの分離 pACYC184を保有するエシェリヒア・コリpM191(J.Bac
teriol 134,1141(1981);ATCC 37033)を1のBHI培
地(Difco社製)で振盪培養した。濁度がOD660=1.0に
増殖したとき、スペクチノマイシン(最終濃度300μg/m
l)を加え、さらに37℃で16時間以上振盪を続けた。300
0rpm10分間の遠心により集菌し、リゾチーム−SDS法と
セシウムクロライド−エチジウムブロマイド法(Manior
tisら:Molecular Cloning pp86〜94 Cold Spring Harbo
r(1982))に従いプラスミドDNAを調製した。
参考例3. ピルビン酸オキシダーゼ(POP)遺伝子を有するプラス
ミドpOXI3の作成 (1)参考例1で調製したA.viridansの染色体DNA2μ
(約0.5μg)と10倍濃度のECOR I切断用バッファー(5
00mMトリス塩酸(pH7.5),70mM MgCl2,1M NaCl,70mMメ
ルカプトエタノール)1μ,ECOR I(宝酒造製10unit/
μ)1μ,水6μを混合し、37℃1時間切断し
た。別に調製したプラスミドpACYC184DNA約0.3μgを同
様の方法を用いてECOR Iで切断し、さらにアルカリ製フ
ォスファターゼ(以下BAPと略すことがある。宝酒造
製)0.6unitを加え、65℃1時間処理した。これらのECO
R Iで切断した2種のDNA溶液を混合し、その1/10量の3M
酢酸ナトリウムを加え、さらに全体量と等量のクロロホ
ルム−フェノール混液で処理し、遠心分離により水層を
分取した。この水層に2倍容のエタノールを加え、遠心
でDNAを沈澱させたのち減圧乾燥した。水89μで溶解
後、10倍濃度のライゲーションバッファ(0.5Mトリス塩
酸(pH7.6),0.1M MgCl2,0.1Mジチオスレイトール,10mM
スペルミジン,10mMATP)10μとT4DNAリガーゼ1μ
(宝酒造製175unit)を加え混合し4℃で一晩放置し
た。このDNA溶液をクロロホルム−フェノール処理し、
エタノール沈澱を集め減圧乾燥した後、10μのTEで溶
解した。
(2)100mlのBHI培地(Brain Heart Infusion,Difco社
製)で培養した対数増殖期のエシェリヒア・コリW3110
株〔国立遺伝学研究所より分与を受けた、ストック番号
ME7778;ATCC 27325〕を遠心分離により集菌し(10,000r
pm.2分間)40mlの氷冷した30mM酢酸カリウム、100mM Rb
Cl、10mM CaCl2、50mM MnCl2および15%グリセリンを含
んだ溶液(pH5.8)で懸濁した。0℃で5分間放置後、
遠心し上清をすて、さらに4mlの10mMMOPS緩衝液(ドー
タイト社製)、75mM CaCl2、10mM RbClおよび15%グリ
セリンを含んだ溶液(pH6.5)で懸濁し、0℃で15分間
放置してコンピテント細胞とした。
(3)この大腸菌懸濁液200μに(1)で調製したDNA
溶液10μを加え、30分間0℃で放置した。BHI培地1ml
を加え、37℃で90分間保温後、この100μをテトラサ
イクリン(15μg/ml)を含んだBHI寒天プレートにま
き、37℃で一晩培養し形質転換体を得た。この形質転換
体をPOP培地(組成はペプトン5g、肉エキス2g、イース
トエキス5g、NaCl1g、K2HPO41g、MgSO40.5g、パーオキ
シダーゼ500IU、FAD7.85mg、ジアニシジン0.1g、チアミ
ンピロフオスフエート424mg、ピルビン酸1ml、寒天15
g、蒸溜水1、pH7.0)のプレートにレプリカし、37℃
でさらに一晩培養した。
約4500コロニーの形質転換体を調べたところ、コロニ
ーの周辺が茶褐色に変色したもの1株を得、この株をエ
シェリヒア・コリW3110・pOXI3株「微生物受託番号 微
工研条寄第1565号、FERM BP−1565」と命名した。この
菌を純粋分離後BHI培地で37℃一晩培養し、ピルビン酸
オキシダーゼの生産性を後述するピルビン酸オキシダー
ゼ活性測定法により調べたところ、約3u/mlのピルビン
酸オキシダーゼ活性を有していた。
この菌株の保育していたプラスミドを参考例2と同様
にしてプラスミドを分離し、ピルビン酸オキシダーゼ遺
伝子を含み、pACYC184遺伝子を含むプラスミドをpOXI3
と命名した。
(4)ピルビン酸オキシダーゼ活性測定法 本発明におけるピルビン酸オキシダーゼの活性測定法
は次の通りである。
0.5Mピルビン酸カリウム 0.1 ml 0.5Mリン酸塩緩衝液(pH7.0) 0.2 ml 0.2%4−アミノアンチピリン 0.1 ml 0.2%N,N−ジメチルアニリン 0.2 ml 10mM MgCl2 50 μ 10mMチアミノピロフオスフエート 20 μ ペルオキシダーゼ(45u/ml) 0.1 ml 1mM FAD 10 μ 蒸溜水 0.22 ml 上記の組成の反応液1.0mlを試験管に分取し、37℃、
3分間予備加温した後、酵素液20μを加えて37℃、10
分間反応を行い、反応後、0.3mlの0.1MEDTA(pH7.5)を
加えて反応を停止し、次いでこれに蒸溜水1.7mlを加え
た後生じた紫色を565nmの波長にて比色定量する。1分
間に1μmoleの過酸化水素を生じる活性を1単位(U)
とした。
実施例1 ピルビン酸オキシダーゼプロモーターを含んだDNA断片
の調製 ピルビン酸オキシダーゼ遺伝子を含んだプラスミドpO
XI3を保有している大腸菌W3110(寄託番号微工研条寄第
1565号)から次の方法でpOXI3プラスミドDNAを調製し
た。大腸菌W3110pOXI3を1のBHI培地(Difco社製)で
振盪培養(37℃)した。濁度がOD660=1.0に増殖したと
きスペクチノマイシン(最終濃度300μg/ml)を加え、
さらに37℃で16時間振盪を続けた。3000回転10分間の遠
心により集菌し、40mlの10%サッカロースを含んだ50mM
トリス緩衝液(pH8.0)で懸濁した。次に8mlの0.5MEDTA
(pH8.0)と1mlのリゾチーム水溶液(20mg/ml)を加え
て37℃10分間保温した。4mlの10%SDS(ドデシル硫酸ナ
トリウム)溶液を加え混合したのち、6mlの5M酢酸カリ
ウムを加えて混合後0℃30分間放置した。30,000回転30
分間の遠心上清に、それと等量のTE〔10mMトリス緩衝液
(pH8.0)1m MEDTA〕飽和フェノールを加えて30分間室
温で混合撹拌した。10,000rpm5分間の遠心で水層とフェ
ノール層を分け、水層を分取した。この水層に2倍量の
エタノールを加え−20℃で30分間放置後6,000回転10分
間の遠心で沈澱を集めた。減圧乾燥後6mlのTEで溶解
し、RNase(ファルマシア製)を最終濃度100μg/mlとな
るように加え37℃30分間放置した。等量のクロロホル
ム、フェノールを加え混合撹拌したのち10,000rpm10分
間の遠心により水層を分取した。この水層に2倍量のエ
タノールを加え、−20℃30分放置後10,000rpm10分間の
遠心で沈澱を集めた。減圧乾燥後19mlのTEに溶解し、20
gのCsCl,2mlのエチジウムブロミド(10mg/ml)を加えて
溶解混合したのち50,000rpm16時間の遠心を行った。
遠心後生じたプラスミドDNAのバンドを分取し、等量
のブタノール処理を5回繰り返した。このDNA液約1.5ml
をセルロースチューブに移し、1のTEに対して一晩透
析を行い、得られたものをpOXI3DNA液(約1.0μg/μ
)とした。
このpOXI3DNA2μgに10倍濃度M緩衝液(Maniatisら:
Molecular Cloning,pp104,Cold Spring Harbor(198
2))1μ,制限酵素Dra I 6u(宝酒造製)と水を加
えて全量10μとし、37℃1時間切断した。切断後1.5
%アガロースゲルを用いて電気泳動し、一番小さいDNA
断片(約200塩基対)を含む部分の寒天を切り出し電気
泳動溶出法でDNAを溶出し、2回のフェノール処理によ
って精製DNA断片溶液を得た。このDNA断片の塩基配列を
M13ファージを用いたジデオキシ法(Science 214,1205
〜1210(1982))を用いて決定し、その結果を以下に示
した。
AAAAGTTCTT10GATTTATAAG20 GGTTTCTGGA30CTTCTTACTG40 TACTAGTACA50ATTTCGCCCC60 TTGTACCATT70TTTCTGATAC80 AGAAACAATA90TTGTACTGAA100 AAAAGGGTAT110TTTTGGCTAA120 TTATGGACCT130CACAAAGGAT140 ATTTGTGGCA150ATTCATTGGA160 ATAAGCTGTT170TTAAGTGCTA180 TTATTTCAAT190TGTGATATTT200 TT 実施例2 発現ベクターpKN17の作成 プラスミドpUC12(ファルマシア製)DNA0.5μgを制
限酵素Sal I(宝酒造12u/μ)で切断し、フェノール
処理後、エタノール沈澱によりDNAを回収し、減圧乾固
した。このDNAをTE(10mMトリス塩酸(pH8.0)、1mM ED
TA(エチレンジアミン四酢酸))10μで溶解し、1Mト
リス塩酸(pH8.0)2μ,0.1M MgCl2,2.4μ,1M NaCl
2μ,0.3Mジチオスレイトール(DTT)0.8μ,5mM(dA
TP,dGTP,dCTP,TTPの等量混合物)2μ,3unitのT4DNA
ポリメラーゼ(宝酒造)と水を加え全量50μとした。
37℃10分間の反応後、1Mトリス塩酸5μ、水40μ、
アルカリ性ホスファターゼ(宝酒造0.3u/μ)5μ
を加え、65℃で1時間反応させた。2回のフェノール処
理の後エタノール沈澱によりDNAを回収し、減圧乾燥後T
E10μに溶解した。以上のようにして調製したpUC12DN
A液にピルビン酸オキシダーゼのプロモーター領域を含
んだDNA断片0.01μgと10倍のライゲーションバッファ
(0.5Mトリス塩酸(pH7.4)、0.1M MgCl2,0.1M DTT、1
0mMスペルミジン、10mM ATP)10μと2.8uのT4DNAリガ
ーゼ(宝酒造2.8u/μ)、水を加えて全量を100μと
して、4℃で一晩放置した。フェノール処理、エタノー
ル沈澱、減圧乾燥後10μのTEに溶解した。このDNA溶
液を用いて塩化カルシウム法でコンピテント化した大腸
菌DH1を形質転換し、アンピシリン耐性(50μg/ml)を
指標にして形質転換体を選択した。得られた形質転換体
からプラスミドDNAを小スケールで分離し(前述Molecul
ar Cloning pp368〜369)まずECOR IとHind III(いず
れも宝酒造)の二つの制限酵素で切断し1.5%のアガロ
ースゲル電気泳動で約240塩基対のDNA断片を生ずるもの
を選んだ。次に制限酵素AVa IIで切断し、図1で示した
塩基配列がXba I切断部位の前に組込まれているクロー
ンを選びpKN17と命名した。このpKN17を保有する大腸菌
DH1から通常の方法(前述)でpKN17プラスミドDNAを調
製した。
実施例3 h−SOD発現プラスミドpSOD120の作成 プラスミドpKN17のDNA約0.5μgをXba IとBamH Iの二
つの制限酵素(いずれも宝酒造)で切断後前述の如くア
ルカリ性ホスファターゼで処理した。これとは別にpOXI
3と同様の方法で調製したpSOD14(特開昭62−130684)D
NA1μgを同様に、Xba IとBamH Iの二つの制限酵素で切
断し、生じた約600塩基対のDNA断片をアガロースゲル電
気泳動(0.7%)により分離調製した。
この2つのDNAを混合し、T4DNAリガーゼ(宝酒造、2.
8u/μ)で結合した。このDNAを用いて通常の塩化カル
シウム法でコンピテント化した大腸菌DH1を形質転換
し、アンピシリン耐性を指標にして形質転換体を得た。
このようにして得られた形質転換体について前述と同様
に、小スケールでプラスミドDNAを分離後Xba IとBamH I
の二つの制限酵素で切断した。切断後0.7%のアガロー
スゲル電気泳動で約600塩基対のDNA断片を生ずるものを
pSOD120と命名した。
実施例4 ピルビン酸オキシダーゼプロモータによるヒトスーパー
オキシドジスムターゼ(h−SOD)遺伝子の発現 (1)pSOD120を保有する大腸菌DH1のBHI培地(50μg/m
lアンピシリン含有)による菌培養液1mlより、菌体を遠
心分離にて集め、上澄液を除いた後、この菌体に1mM Cu
SO4、1mM ZnSO4、50mMサッカロースを含む50mMトリス−
塩酸バッフアー(pH7.6)1mlを加えた。氷冷下にて、5
分間超音波処理(トミー社製、Handy Sonic UR−20P使
用)を行い、菌体を破砕した。
h−SODに対する抗体を用いたEIAによる測定の結果、
pSOD120を保持した大腸菌DH1はBHI培地一晩培養で80μg
/ml(培養液)のh−SODを産生した。
(2)pSOD120を発現させた。大腸菌体200gを1mM CuS
O4、1mM ZnSO4、50mMサッカロースを含むトリス塩酸バ
ッファーpH7.6、600mlに懸濁した後、セルディスラプタ
ー900(Cell Disruptor 900;Branson社製)で30分間超
音波処理を行って、細胞を破砕した。破砕液に600mlの
クロロホルム−エタノール混液(3:5)を加え、4℃で1
5分間撹拌し、遠心分離にて、沈澱物を除いた。上澄液
に300gのK2HPO4を溶かし、生じたエタノール層(500m
l)を−20℃で30分間冷却し、析出した沈澱物を遠心分
離にて除き、上澄液をエバポレーターにて減圧濃縮し
た。得られた凝縮液300mlは50mMサッカロース、25mMリ
ン酸バッファーpH7.8で平衡化したセフアデックスG−2
5ゲル(フアルマシア社製)カラム(4.5×60cm)を用い
たゲルロ過により同バッファーに置換した。これにDE52
(ワットマン社製)10gを加え、4℃で30分間撹拌し、
不純物を吸着させ、グラスフィルターで別した。液
は50mMサッカロースを含む2.5mMリン酸バッファー(pH
6.5)に対し透析を行った後、同バッファーで平衡化し
たDEAE−セファローズCL−6B(フアルマシア社製)カラ
ム(1.6×20cm)を通過させ、h−SODを吸着させた。カ
ラムを同バッファーで洗浄した後、リン酸バッファー濃
度を2.5mMから50mMまで直線的に上昇させてh−SODを溶
出させた。SOD活性は、ほぼ1つのピークとして溶出さ
れた為、このピークを集め、凍結乾燥した。得られた凍
結乾燥粉末を、10mlの蒸溜水に溶解し、50mMサッカロー
スを含む10mMトリス塩酸バッファーpH7.0で平衡化した
セフアデックスG−100(フアルマシア社製)カラム
(4.5×80cm)に流入させ、ゲルロ過精製を行った。以
上の手法により得られたh−SODは変量としては約2.5g
で、SOD1mgあたり3000〜3500unitで、電気泳動的に単一
バンドを示し、前記したペプチド配列であることを確認
した。
〔発明の効果〕
本発明プロモーターは、強力なプロモーター活性を有
するだけでなく、多くの制限酵素認識部位をも有するた
め、種々の蛋白遺伝子のプロモーターとして有用であ
る。特に、本発明プロモーターの下流にスーパーオキシ
ドジスムターゼ遺伝子を結合させたベクターは、極めて
高率で該遺伝子を発現し、該ベクターを保持する形質転
換細菌は優れたスーパーオキシドジスムターゼ産生能を
示す。
【図面の簡単な説明】
図1はプラスミドpSOD120を得るための組換え工程の概
略図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 9/04 C12R 1:19)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも下記塩基配列 5′−TTGGAATAAGCTGTTTTAAGTGCTATTAT−3′を有する
    ことを特徴とするプロモーター。
  2. 【請求項2】少なくとも下記塩基配列 5′−TTGGAATAAGCTGTTTTAAGTGCTATTAT−3′を有し、
    かつ 5′−TTGATT−X2−TACTGT−3′、 5′−TTTATA−X3−TACTGT−3′、 5′−CTGAAA−X4−AATTAT−3′、 5′−TGGACC−X5−GGCAAT−3′、 5′−TTCATT−X6−TATTAT−3′、 5′−TGGAAT−X7−TATTAT−3′、 5′−TTTAAG−X8−GATATT−3′、 および 5′−TTTAAG−X9−TATTTT−3′、 〔式中、X2,X3,X4,X5,X6,X7,X8およびX9は同一または異
    なってA,T,GおよびCからなる16〜21bpを示す〕 からなる群より選ばれる1種または2種以上の塩基配列
    を有するものである特許請求の範囲第1項記載のプロモ
    ーター。
  3. 【請求項3】塩基配列が、5′末端側より式 AAAAGTTCTT GATTTATAAG GGTTTCTGGA CTTCTTACTG TACTAGTACA ATTTCGCCCC TTGTACCATT TTTCTGATAC AGAAACAATA TTGTACTGAA AAAAGGGTAT TTTTGGCTAA TTATGGACCT CACAAAGGAT ATTTGTGGCA ATTCATTGGA ATAAGCTGTT TTAAGTGCTA TTATTTCAAT TGTGATATTT TTである特許請求の範囲第1項記載のプロモーター。
  4. 【請求項4】少なくとも下記塩基配列 5′−TTGGAATAAGCTGTTTTAAGTGCTATTAT−3′を有する
    プロモーターの下流に外来蛋白遺伝子を結合した発現ベ
    クター。
  5. 【請求項5】プロモーターが少なくとも下記塩基配列 5′−TTGGAATAAGCTGTTTTAAGTGCTATTAT−3′を有し、
    かつ 5′−TTGATT−X2−TACTGT−3′、 5′−TTTATA−X3−TACTGT−3′、 5′−CTGAAA−X4−AATTAT−3′、 5′−TGGACC−X5−GGCAAT−3′、 5′−TTCATT−X6−TATTAT−3′、 5′−TGGAAT−X7−TATTAT−3′、 5′−TTTAAG−X8−GATATT−3′、 および 5′−TTTAAG−X9−TATTTT−3′、 〔式中、X2,X3,X4,X5,X6,X7,X8およびX9は同一または異
    なってA,T,GおよびCからなる16〜21bpを示す〕 からなる群より選ばれる1種または2種以上の塩基配列
    を有するものである特許請求の範囲第4項記載の発現ベ
    クター。
  6. 【請求項6】プロモーターの塩基配列が5′末端側より
    式 AAAAGTTCTT GATTTATAAG GGTTTCTGGA CTTCTTACTG TACTAGTACA ATTTCGCCCC TTGTACCATT TTTCTGATAC AGAAACAATA TTGTACTGAA AAAAGGGTAT TTTTGGCTAA TTATGGACCT CACAAAGGAT ATTTGTGGCA ATTCATTGGA ATAAGCTGTT TTAAGTGCTA TTATTTCAAT TGTGATATTT TTである特許請求の範囲第4項記載の発現ベクター。
  7. 【請求項7】外来蛋白遺伝子が、ペプチド遺伝子または
    蛋白遺伝子である特許請求の範囲第4項記載の発現ベク
    ター。
  8. 【請求項8】ペプチド遺伝子または蛋白質遺伝子が、ス
    ーパーオキシドジスムターゼ、インターフェロン、イン
    ターロイキン、ツモアー・ネフローシス・ファクター、
    インスリン、カルシトニン、ソマトスタチン、セクレチ
    ン、プラスミノーゲン・アクチベーター、ウロキナー
    ゼ、グロスホルモン、エンドルフィン、ウイルス蛋白ま
    たはそのムテインをコードする遺伝子である特許請求の
    範囲第7項記載の発現ベクター。
  9. 【請求項9】pKN17プラスミドである特許請求の範囲第
    4項記載の発現ベクター。
  10. 【請求項10】pSOD120プラスミドである特許請求の範
    囲第4項記載の発現ベクター。
  11. 【請求項11】少なくとも下記塩基配列 5′−TTGGAATAAGCTGTTTTAAGTGCTATTAT−3′を有する
    プロモーターの下流に外来蛋白遺伝子を結合したデオキ
    シリボヌクレオチドを保持した形質転換細菌。
  12. 【請求項12】プロモーターが少なくとも下記塩基配列 5′−TTGGAATAAGCTGTTTTAAGTGCTATTAT−3′を有し、
    かつ 5′−TTGATT−X2−TACTGT−3′、 5′−TTTATA−X3−TACTGT−3′、 5′−CTGAAA−X4−AATTAT−3′、 5′−TGGACC−X5−GGCAAT−3′、 5′−TTCATT−X6−TATTAT−3′、 5′−TGGAAT−X7−TATTAT−3′、 5′−TTTAAG−X8−GATATT−3′、 および 5′−TTTAAG−X9−TATTTT−3′、 〔式中、X2,X3,X4,X5,X6,X7,X8およびX9は同一または異
    なってA,T,GおよびCからなる16〜21bpを示す〕 からなる群より選ばれる1種または2種以上の塩基配列
    を有するものである特許請求の範囲第11項記載の形質転
    換細菌。
  13. 【請求項13】プロモーターの塩基配列が、5′末端側
    より AAAAGTTCTT GATTTATAAG GGTTTCTGGA CTTCTTACTG TACTAGTACA ATTTCGCCCC TTGTACCATT TTTCTGATAC AGAAACAATA TTGTACTGAA AAAAGGGTAT TTTTGGCTAA TTATGGACCT CACAAAGGAT ATTTGTGGCA ATTCATTGGA ATAAGCTGTT TTAAGTGCTA TTATTTCAAT TGTGATATTT TTである特許請求の範囲第11項記載の形質転換細菌。
  14. 【請求項14】外来蛋白遺伝子が、ペプチド遺伝子また
    は蛋白質遺伝子である特許請求の範囲第11項記載の形質
    転換細菌。
  15. 【請求項15】ペプチド遺伝子または蛋白質遺伝子が、
    スーパーオキシドジスムターゼ、インターフェロン、イ
    ンターロイキン、ツモアー・ネフローシス・ファクタ
    ー、インスリン、カルシトニン、ソマトスタチン、セク
    レチン、プラスミノーゲン・アクチベーター、ウロキナ
    ーゼ、グロスホルモン、エンドルフィン、ウイルス蛋白
    またはそのムテインをコードする遺伝子である特許請求
    の範囲第14項記載の形質転換細菌。
  16. 【請求項16】形質転換細菌が、エシェリヒア属に属す
    る特許請求の範囲第11項記載の形質転換細菌。
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