JP2785665B2 - 自動車用シートベルト装置 - Google Patents

自動車用シートベルト装置

Info

Publication number
JP2785665B2
JP2785665B2 JP5323344A JP32334493A JP2785665B2 JP 2785665 B2 JP2785665 B2 JP 2785665B2 JP 5323344 A JP5323344 A JP 5323344A JP 32334493 A JP32334493 A JP 32334493A JP 2785665 B2 JP2785665 B2 JP 2785665B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seat belt
anchor
slider
anchor plate
bolt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP5323344A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07149204A (ja
Inventor
慎一 安井
元信 杉浦
誠 磯村
泰謙 末澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=18153753&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2785665(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP5323344A priority Critical patent/JP2785665B2/ja
Priority to US08/352,689 priority patent/US5529344A/en
Publication of JPH07149204A publication Critical patent/JPH07149204A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2785665B2 publication Critical patent/JP2785665B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R21/00Arrangements or fittings on vehicles for protecting or preventing injuries to occupants or pedestrians in case of accidents or other traffic risks
    • B60R21/02Occupant safety arrangements or fittings, e.g. crash pads
    • B60R21/055Padded or energy-absorbing fittings, e.g. seat belt anchors

Landscapes

  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車用シートベルト装
置に関し、特に、センタピラーに取り付けられる、複数
の部品からなるシートベルトアンカと、このシートベル
トアンカに滑り可能に支持されるシートベルトとを備え
るシートベルト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アウタパネルとインナパネルとからなる
センタピラーの内部にシートベルト用の補強パネルを配
置すると共に、アウタパネルの内側に結合したアウタパ
ネル用の補強パネルの一部をアウタパネルから間隔をお
くように形成して当接面とし、この当接面をシートベル
ト用の補強パネルに結合し、結合部にシートベルトの支
持部材を取り付けてアンカ部とした車体のピラー構造が
提案されている(特開平2−237873号)。このピ
ラー構造によれば、シートベルトのアンカ部の車室への
突出量を少なくすることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】センタピラーは車体に
働く荷重に耐える強度を確保する必要から高剛性に形成
され、前記センタピラーに設けられた前記シートベルト
のアンカ部も大きな剛性を有する。そのため、通常の走
行時に加わる荷重より大きな荷重、たとえば、側面衝突
の際の衝撃荷重が車体に加わるとき、乗員の頭部がアン
カ部に当たると頭部に大きな衝撃を及ぼす可能性がある
が、前記ピラー構造のようにアンカ部の車室への突出量
を少なくするだけでは、前記衝撃荷重を緩和することは
難しい。
【0004】本発明の目的は、車室の内側から車室の外
方へ向く衝撃荷重のような大きな荷重が加わり、乗員の
頭部その他の部分がシートベルトアンカに当たったと
き、乗員に及ぼされる衝撃を緩和することができる、自
動車用シートベルト装置を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、自動車のセン
タピラーに取り付けられる、複数の部品からなるシート
ベルトアンカと、該シートベルトアンカに滑り可能に支
持されるシートベルトとを備える自動車用シートベルト
装置である。このシートベルト装置は、前記シートベル
トアンカの複数の部品のうち少なくとも2つの部品の間
に、または複数の部品のうち少なくとも1つの部品と前
記センタピラーとの間に形成したエネルギ吸収のため
の、車室の内側から車室の外方へ向く変位を許容する間
隔と、該変位許容間隔内で車室の外方へ向けて変位して
エネルギを吸収する手段とを含む。特定の実施例に向け
られた本発明は、自動車のピラーに取り付けられるシー
トベルトアンカと、該シートベルトアンカに滑り可能に
支持されるシートベルトとを備える自動車用シートベル
ト装置である。このシートベルト装置では、前記シート
ベルトアンカは、ボルトによって前記ピラー側に取り付
けられ、前記シートベルトを支持するアンカプレートを
有する。該アンカプレートは、車室の内側から車室の外
方へ向く荷重が加わるとき前記ボルトと共に外方の変位
許容間隔へ向けて変位可能である。この場合、前記ボル
トによって前記アンカプレートに連結され、前記ピラー
の内部に配置される部材を備えることが好ましく、該部
材は、車室の内側から車室の外方へ向く荷重が加わると
き前記変位許容間隔へ向けて変形する。
【0006】1つの好ましい態様では、前記変位許容間
隔および前記吸収手段がそれぞれ複数設けられる。
【0007】別の好ましい態様では、前記吸収手段は、
車室の外方へ向く荷重が加わるときには、車室の内方へ
向く荷重が加わるときと比べて変形しやすくなるように
形成されている。
【0008】さらに別の好ましい態様では、前記シート
ベルトアンカの複数の部品には、前記シートベルトを支
持するアンカプレートと、該アンカプレートを固定す
る、頭部を短く形成したボルトと、前記アンカプレート
に取り付けられるキャップとが含まれ、前記変位許容間
隔が前記ボルトの頭部と前記キャップとの間に形成さ
れ、前記吸収手段が前記変位許容間隔内に配置される
か、または前記キャップに設けられる。
【0009】さらに別の好ましい態様では、前記シート
ベルトアンカの複数の部品には、前記シートベルトを支
持するアンカプレートと、該アンカプレートに押し付け
られる段部と該段部から伸びる間隔形成部とを有する、
前記アンカプレートを固定するボルトと、該ボルトの間
隔形成部に取り付けられるキャップとが含まれ、前記変
位許容間隔が前記キャップと前記ボルトの段部との間に
形成され、前記吸収手段が、前記ボルトに設けられた複
数の突起と、前記キャップに設けられ、前記突起を乗り
越え可能なつめとからなる。
【0010】さらに別の好ましい態様では、前記シート
ベルトアンカの複数の部品には、前記シートベルトを支
持するアンカプレートと、間隔形成部を有し、前記アン
カプレートを前記間隔形成部に取り付けるボルトとが含
まれ、前記変位許容間隔が前記アンカプレートと前記セ
ンタピラーとの間に形成され、前記吸収手段が、前記ボ
ルトの間隔形成部に設けられた複数の突起と、前記アン
カプレートに設けられ、前記突起を乗り越え可能なつめ
とからなる。
【0011】さらに別の好ましい態様では、前記シート
ベルトアンカの複数の部品には、前記シートベルトを支
持する支持部と被固定部と支持部から被固定部へほぼU
字状に伸びる連結部とを有するアンカプレートと、間隔
形成部を有し、前記アンカプレートの被固定部を前記間
隔形成部に取り付けるボルトとが含まれ、前記変位許容
間隔が前記アンカプレートの被固定部と前記センタピラ
ーとの間に形成され、前記吸収手段が、車室の外方へ向
く荷重によって広がり可能に前記変位許容間隔内に配置
した前記アンカプレートの連結部によって形成される。
【0012】さらに別の好ましい実施例では、前記シー
トベルトアンカの複数の部品には、前記シートベルトを
支持するアンカプレートと、間隔形成部を有し、前記ア
ンカプレートを前記間隔形成部に車室の外方へ向けて変
位可能に取り付けるボルトとが含まれ、前記変位許容間
隔が前記アンカプレートと前記センタピラーとの間に形
成されるか、または前記シートベルトアンカの複数の部
品には、前記シートベルトを支持するアンカプレート
と、間隔形成部を有し、前記アンカプレートを前記間隔
形成部に車室の外方へ向けて変位可能に取り付けるボル
トと、前記センタピラーに移動可能に取り付けられ、前
記ボルトによって前記アンカプレートと結合されるスラ
イダとが含まれ、前記変位許容間隔が前記アンカプレー
トと前記スライダとの間に形成される。この場合、前記
吸収手段は前記変位許容間隔内に配置した変形可能なス
ペーサすることができる。
【0013】変形可能なスペーサを備える場合の1つの
好ましい態様では、前記スペーサが前記センタピラーま
たは前記スライダに対面する部分に凹部を有する第1ス
ペーサ片と、該第1スペーサ片に対面する部分に凸部を
有し、前記アンカプレートと前記第1スペーサ片との間
に配置される第2スペーサ片とからなる。
【0014】シートベルトアンカの複数の部品の1つと
してスライダが含まれ、吸収手段が変形可能なスペーサ
である場合の別の好ましい態様では、前記シートベルト
アンカの複数の部品には、さらに、前記スライダを移動
可能に支持するレールと、前記ボルトを前記スライダに
固定するための、前記レールと前記スライダとの間に配
置されるナットとが含まれ、別の変位許容間隔が前記レ
ールと前記スライダとの間に形成され、別のエネルギ吸
収手段が前記ナットを前記スライダに固定するつめによ
って形成される。
【0015】さらに別の好ましい態様では、前記シート
ベルトアンカの複数の部品には、前記シートベルトを貫
通させる穴が設けられ、前記シートベルトを支持する支
持部を有するアンカプレートと、前記支持部のうち少な
くとも前記穴より下方となる部分を覆うクッション材で
あって少なくとも前記シートベルトが接触する部分が低
摩擦係数の被覆材で覆われ、車室の内側から車室の外方
へ向く荷重によって変形可能に形成されたクッション材
とが含まれ、前記変位許容間隔が前記クッション材の圧
縮可能な範囲として形成され、前記吸収手段が前記クッ
ション材からなる。
【0016】さらに別の好ましい態様では、前記シート
ベルトアンカの複数の部品には、前記シートベルトを貫
通させるリングと、該リングが車室の内側から車室の外
方へ向く荷重によって車室の外方へ向けて首振り可能に
前記リングを支持するアンカプレートとが含まれ、前記
変位許容間隔が前記リングの外方に形成され、前記吸収
手段が前記リングと前記アンカプレートとの間の摩擦に
よって形成される。
【0017】さらに別の好ましい態様では、前記シート
ベルトアンカの複数の部品には、前記シートベルトを支
持するアンカプレートと、該アンカプレートを固定する
ボルトと、前記センタピラーに固定されるレールと、該
レールに沿って移動可能なスライダと、前記ボルトをね
じ込む、前記スライダに固定されるナットとが含まれ、
前記変位許容間隔が前記レールと前記スライダとの間に
形成され、前記吸収手段が車室の内側から車室の外方へ
向く荷重を吸収可能な、前記ナットを前記スライダに固
定する手段によって形成される。
【0018】固定手段を設ける場合の1つの好ましい態
様では、前記固定手段が前記スライダに設けられたつめ
である。
【0019】固定手段を設ける場合の別の好ましい態様
では、前記固定手段が前記ナットの前記スライダへのか
しめ部分である。
【0020】固定手段を設ける場合のさらに別の好まし
い態様では、前記固定手段がCリングである。
【0021】さらに別の好ましい態様では、前記シート
ベルトアンカの複数の部品には、前記シートベルトを支
持するアンカプレートと、該アンカプレートを固定する
ボルトと、前記センタピラー内に埋め込まれるレール
と、該レールに沿って移動可能な、前記センタピラー内
に配置されるスライダと、前記ボルトをねじ込む、前記
スライダに固定されるナットと、前記センタピラーより
車室の内側に配置され、前記スライダに一方の端部で結
合される板とが含まれ、前記変位許容間隔が前記レール
と前記スライダとの間に形成され、前記吸収手段が前記
スライダの穴に引っ掛けられた前記板の他方の端部によ
って形成される。
【0022】さらに別の好ましい態様では、前記シート
ベルトアンカの複数の部品には、前記シートベルトを支
持するアンカプレートと、該アンカプレートを固定する
ボルトと、前記センタピラーに固定されるレールと、該
レールに沿って移動可能なスライダと、車室の内方へ向
けて移動不可能に、かつ、車室の外方へ向けて移動可能
に前記スライダに取り付けられ、前記ボルトをねじ込む
ナットとが含まれ、前記変位許容間隔が前記レールと前
記ナットとの間に形成され、前記吸収手段が前記変位許
容間隔内に配置した変形可能部品によって形成される。
【0023】さらに別の好ましい態様では、前記シート
ベルトアンカの複数の部品には、前記シートベルトを支
持するアンカプレートと、該アンカプレートを固定する
ボルトと、前記センタピラー内に埋め込まれるレールで
あって車室の外方となる部位に内方から外方へ向けて先
細状となった一対の拘束部を有するレールと、該レール
に沿って移動可能なスライダであって前記レールの拘束
部によって変形可能であるスライダと、前記ボルトをね
じ込み、前記スライダに固定されるナットとが含まれ、
前記変位許容間隔が前記レールと前記スライダとの間に
形成され、前記吸収手段が前記レールの拘束部と前記ス
ライダとによって形成される。
【0024】吸収手段がレールの拘束部とスライダとに
よって形成される場合の1つの好ましい態様では、前記
シートベルトアンカの複数の部品には、さらに、前記セ
ンタピラーと前記アンカプレートとの間に配置される板
が含まれ、別の変位許容間隔が前記板と前記センタピラ
ーとの間に形成され、別の吸収手段が前記板によって形
成される。
【0025】さらに別の好ましい態様では、前記シート
ベルトアンカの複数の部品には、前記シートベルトを支
持するアンカプレートと、該アンカプレートを固定する
ボルトと、複数の位置決め穴を上下方向に間隔をおいて
有する、前記センタピラー内に埋め込まれるレールと、
該レールの各位置決め穴に差込み可能、かつ、位置決め
穴から引抜き可能なロックプレートを有する、前記レー
ルに沿って移動可能なスライダと、前記ボルトを前記ス
ライダに固定するナットとが含まれ、前記変位許容間隔
が前記レールと前記ロックプレートとの間に形成され、
前記吸収手段が前記ロックプレートによって形成され
る。
【0026】通常の走行時に加わる荷重と比べて大きな
荷重が車室の内側から車室の外方へ向けて加わり、乗員
の頭部その他の部分がシートベルト装置に当たると、エ
ネルギ吸収手段がシートベルトアンカの複数の部品のう
ち少なくとも2つの部品の間に、または複数の部品のう
ち少なくとも1つの部品とセンタピラーとの間に形成し
た変位許容間隔内で外方へ変位し、車室の内側から車室
の外方へ向くエネルギを吸収する。特定の実施例に向け
られた別の発明では、シートベルト装置のアンカプレー
トは、車室の内側から車室の外方へ向く荷重が加わると
ボルトと共に外方の変位許容間隔へ向けて変位し、エネ
ルギを吸収する。
【0027】シートベルトアンカの複数の部品のうち少
なくとも2つの部品の間に、または複数の部品のうち少
なくとも1つの部品とセンタピラーとの間に、車室の内
側から車室の外方へ向く変位を許容するエネルギ吸収の
ための間隔を設け、ここで吸収手段を変位させて積極的
にエネルギを吸収するため、車室の内側から車室の外方
へ向く荷重による乗員への衝撃を緩和することができ
る。
【0028】シートベルトアンカがセンタピラーに固定
的に設けられるもの、位置調整可能に設けられるものの
いずれにも適用できる。
【0029】前記変位許容間隔および前記吸収手段をそ
れぞれ複数設ける場合、少ないスペースで有効にエネル
ギ吸収を図ることができる。
【0030】前記吸収手段が、車室の外方へ向く荷重が
加わるときには、車室の内方へ向く荷重が加わるときと
比べて変形しやすくなるように形成される場合、乗員か
らの車室の内方へ向く荷重がシートベルト装置に加わる
とき、吸収手段は変形しないため、乗員が車室の内方へ
向けて移動するのを阻止する、というシートベルト装置
本来の機能を達成することができる。さらに、車室の外
方へ向く所定以上の荷重によってエネルギ吸収を速やか
に行い、乗員に及ぼされる衝撃を少なくすることができ
る。
【0031】前記変位許容間隔がボルトの頭部とキャッ
プとの間に形成され、前記吸収手段が変位許容間隔内に
配置されるか、またはキャップに設けられる場合、キャ
ップにはシートベルトの引っ張り荷重が働かないため、
吸収手段のエネルギ吸収特性を任意に設定することがで
きる。
【0032】前記変位許容間隔がキャップとボルトの段
部との間に形成され、前記吸収手段が、前記ボルトに設
けられた複数の突起と、前記キャップに設けられ、前記
突起を乗り越え可能なつめとからなる場合、従来のシー
トベルト装置のボルトおよびキャップにわずかな変更を
加えることによって対処できる。
【0033】前記変位許容間隔がアンカプレートとセン
タピラーとの間に形成され、前記吸収手段が、ボルトの
間隔形成部に設けられた複数の突起と、前記アンカプレ
ートに設けられ、前記突起を乗り越え可能なつめとから
なる場合、シートベルト装置に本来設けられる部品であ
るアンカプレートおよびボルトにわずかな変更を加える
ことによって対処でき、特別なエネルギ吸収部品が不要
である。
【0034】前記変位許容間隔がアンカプレートの被固
定部とセンタピラーとの間に形成され、前記吸収手段
が、車室の外方へ向く荷重によって広がり可能に前記変
位許容間隔内に配置した前記アンカプレートの連結部に
よって形成される場合、斜め方向からの荷重によるエネ
ルギをも吸収することができる。また、アンカプレート
だけで、支持部を貫通させるシートベルトに加わる引っ
張り荷重に十分に耐えることと、車室の外方へ向く荷重
によって広がり、エネルギを吸収することとの2つの機
能を達成できる。
【0035】前記変位許容間隔がアンカプレートとセン
タピラーとの間に、またはアンカプレートとスライダと
の間に形成され、前記吸収手段が前記変位許容間隔内に
配置した変形可能なスペーサである場合、斜め方向から
の荷重によるエネルギをも吸収することができる上、エ
ネルギ吸収できる荷重の大きさを任意に設定でき、また
従来からあるスペースを有効に活用することができる。
【0036】前記スペーサが前記センタピラーまたは前
記スライダに対面する部分に凹部を有する第1スペーサ
片と、該第1スペーサ片に対面する部分に凸部を有し、
前記アンカプレートと前記第1スペーサ片との間に配置
される第2スペーサ片とからなる場合、エネルギ吸収で
きる荷重の調整が容易であり、少ないスペースで必要な
エネルギ吸収を図ることができる。
【0037】前記変位許容間隔がアンカプレートとセン
タピラーとの間に、またはアンカプレートとスライダと
の間に形成され、前記吸収手段が前記変位許容間隔内に
配置した変形可能なスペーサであり、別の変位許容間隔
がレールとスライダとの間に形成され、別のエネルギ吸
収手段がナットをスライダに固定するつめによって形成
される場合、従来のシートベルト装置のレールおよびス
ライダにわずかな変更を加えるだけで、少ないスペース
による効果的なエネルギ吸収を達成できる。
【0038】前記変位許容間隔がクッション材の圧縮可
能な範囲として形成され、前記吸収手段が前記クッショ
ン材からなる場合、斜め方向からの荷重によるエネルギ
をも吸収することができる。また、低摩擦係数の被覆材
によってシートベルトの滑りの円滑性を確保できる。
【0039】前記変位許容間隔がリングの外方に形成さ
れ、前記吸収手段がリングとアンカプレートとの間の摩
擦によって形成される場合、エネルギ吸収と同時に、シ
ートベルトの支持部を外方へ逃がすことができる。
【0040】前記変位許容間隔がレールとスライダとの
間に形成され、前記吸収手段がナットをスライダに固定
する手段によって形成される場合、レールとスライダと
の間のスペースを変更するだけで、エネルギ吸収を図る
ことができ、スペースを有効に活用できる。
【0041】前記固定手段がスライダに設けられたつめ
である場合、シートベルトに加わる引っ張り荷重に対し
て十分に広い面積で受けることができるため、強度を確
保できる。一方、部品点数を変更することなく、つめの
形状または板厚を変えることにより、エネルギ吸収でき
る荷重の大きさを任意に設定できる。
【0042】前記固定手段がナットのスライダへのかし
め部分である場合、部品点数を変更することなく、かし
め量によってエネルギ吸収できる荷重の大きさを任意に
設定できる。
【0043】前記固定手段がCリングである場合、Cリ
ング材を選定することによりエネルギ吸収できる荷重の
大きさを任意に設定できる。
【0044】前記変位許容間隔がレールとスライダとの
間に形成され、前記吸収手段がスライダの穴に引っ掛け
られた板の他方の端部によって形成される場合、シート
ベルトに加わる引っ張り荷重に対して十分な強度を確保
できる上、外方へ向く荷重によって板の引っ掛け端部を
外し、エネルギ吸収させることができる。引っ掛け端部
の板厚または形状を変えることにより、エネルギ吸収で
きる荷重の大きさを任意に設定できる。また、レールと
スライダとがセンタピラー内に配置されているため、従
来からあるシートベルト装置のスライダとレールとの間
のスペースを有効に活用することができる。
【0045】前記変位許容間隔がレールと、車室の内方
へ向けて移動不可能、かつ、車室の外方へ向けて移動可
能なナットとの間に形成され、前記吸収手段が前記変位
許容間隔内に配置した変形可能部品によって形成される
場合、シートベルトの引っ張り荷重に対して十分な強度
を確保できる。また、変形可能部品を選定することによ
り、エネルギ吸収できる荷重の大きさを任意に設定でき
る。
【0046】前記変位許容間隔がレールとスライダとの
間に形成され、前記吸収手段が前記レールの拘束部と前
記スライダとによって形成される場合、シートベルトの
引っ張り荷重に対して十分な強度を確保できる。また、
レールがセンタピラー内に埋め込まれたものであるた
め、位置調整式のシートベルト装置に従来からあるスペ
ースを有効に利用してエネルギ吸収させることができ
る。
【0047】吸収手段がレールの拘束部とスライダとに
よって形成され、別の変位許容間隔がセンタピラーと板
との間に形成され、別の吸収手段が前記板によって形成
される場合、少ないスペースを有効に活用してエネルギ
吸収できる。
【0048】前記変位許容間隔がレールとロックプレー
トとの間に形成され、前記吸収手段が前記ロックプレー
トによって形成される場合、エネルギ吸収のための部品
が不要であり、ロックプレートのわずかな変更によって
対処できる。
【0049】
【実施例】本発明に係る自動車用シートベルト装置は、
図1に示すように、自動車のそれ自体公知の構造のセン
タピラー50に取り付けられる、複数の部品からなるシ
ートベルトアンカ52と、シートベルトアンカ52に滑
り可能に支持されるシートベルト54とを備えるもの
で、シートベルトアンカ52の複数の部品のうち少なく
とも2つの部品の間に、または複数の部品のうち少なく
とも1つの部品とセンタピラー50との間に形成したエ
ネルギ吸収のための変位を許容する間隔56と、この間
隔56内で変位してエネルギを吸収する手段58とを含
む。
【0050】図1に示す実施例では、シートベルトアン
カ52は、シートベルト54を貫通させて支持するアン
カプレート60と、アンカプレート60を固定するため
のセンタピラー50の穴に差し込まれたボルト62と、
センタピラー50の補強パネル51に溶接され、ボルト
62がねじ込まれるナット64と、アンカプレート60
に取り付けた樹脂製のキャップ66とを含む。センタピ
ラー50はガーニッシュ68で覆われている。
【0051】変位許容間隔56はアンカプレート60と
センタピラー50との間に形成されており、エネルギ吸
収手段58は金属製の蛇腹からなるスペーサである。エ
ネルギ吸収手段58は樹脂製のスペーサとすることがで
きる。スペーサ58はアンカプレート60をボルト62
の段部63に押し付け、アンカプレート60を使用状態
に保持している。しかし、アンカプレート60の支持部
61に車室の外方へ向くA方向の荷重が加わったとき、
スペーサ58は変形し、この変形によって前記荷重によ
るエネルギを吸収する。
【0052】図2および図3に示す実施例では、ナット
64に代えて袋ナット70を使用している。この袋ナッ
トによれば、ボルト62のねじ込み量を規制できること
から、センタピラー50からボルトの段部63までの距
離を常に一定に保つことができる。したがって、エネル
ギ吸収手段であるスペーサ58が所定の荷重によって所
定量変形するのを保証する。図1の実施例では、同様の
効果を、ボルト62の肩部を補強パネル51に突き当て
ることによって得ている。図3には、A方向の荷重によ
ってスペーサ58が変形した状態を示してある。この実
施例のその他の構成は、図2と同じである。
【0053】変位許容間隔とエネルギの吸収手段とはそ
れぞれ複数設けることができる。複数の変位許容間隔と
各変位許容間隔に対応する吸収手段とは、前述のまたは
後述の実施例のうちから複数を選び出し、選択的に組み
合せることによって得ることができる。たとえば、図1
の変位許容間隔56と吸収手段58とに、図4の変位許
容間隔76と吸収手段78とを組み合せることにより、
キャップ66の変位によって吸収手段78を、またアン
カプレート60の変位によって吸収手段58をそれぞれ
変形させるようにする。
【0054】エネルギの吸収手段は、車室の内方へ向く
荷重に対する剛性と、車室の外方へ向く荷重に対する、
前記剛性より低い剛性とを有する。換言すれば、車室の
内方へ向く荷重によって変形しにくくすると共に、車室
の外方へ向く荷重によって変形しやすくするように取り
付ける。たとえば、図1の実施例では、吸収手段である
スペーサ58は、アンカプレート60の外側に配置して
あるため、車室の内方へ向くB方向の荷重がアンカプレ
ート60に加わっても、何等変形せず、いわば無限大の
剛性であるのに対し、車室の外方へ向くA方向の荷重が
アンカプレート60に加わると、その荷重が所定の大き
さを越えたとき、吸収手段58が変形する。
【0055】図4ないし図8に示す実施例では、シート
ベルトアンカ72は、シートベルト54を支持するアン
カプレート60と、アンカプレート60を固定する、頭
部81を短く形成したボルト80と、アンカプレート6
0に取り付けられるキャップ66とが含まれている。ボ
ルト80は、図1の実施例と同様に、センタピラーに固
定される。変位許容間隔76がボルト80の頭部81と
キャップ66との間に形成され、吸収手段78が変位許
容間隔76内に配置されるか、またはキャップに設けら
れる。
【0056】図4に示す実施例では、ボルト80の頭部
81を短くした結果、約10mmの変位許容間隔76が頭部
81とキャップ66との間に生じている。吸収手段78
はコイルばねであり、変位許容間隔76内に配置してボ
ルト80の頭部81に接着または溶接により固着する。
図5に示す実施例では、吸収手段82は金属製の蛇腹で
あり、変位許容間隔76内に配置してボルト80の頭部
81に接着または溶接により固着する。図6に示す実施
例では、吸収手段84は板ばねを折り曲げたものであ
り、変位許容間隔76内に配置してボルト80の頭部8
1に接着または溶接により固着する。図6に示す実施例
では、板ばねに代えて板厚の小さい鋼その他の金属の板
材を使用することもできる。
【0057】図7に示す実施例では、変位許容間隔86
にエネルギの吸収手段がなく、キャップ88そのものの
厚みを増すと共に、キャップ88をウレタンゴムのよう
な柔らかい樹脂で成形し、吸収手段としてある。また、
図8に示す実施例では、樹脂製のキャップ90にリブ9
2を設けて吸収手段としてある。リブ92は変位許容間
隔76内に配置され、ボルト80の頭部81に突き当て
られている。
【0058】図4ないし図6の実施例では、キャップ6
6に車室の外方へ向くA方向の荷重が加わり、キャップ
66が変位すると、吸収手段78、82、84が弾性変
形または塑性変形し、これによって荷重によるエネルギ
を吸収する。一方、図7の実施例では、キャップ88に
車室の外方へ向くA方向の荷重が加わると、キャップ8
8がボルト80の頭部81に接触して変形し、エネルギ
を吸収する。また、図8の実施例では、リブ92が座屈
し、エネルギを吸収する。
【0059】図9および図10に示す実施例では、シー
トベルトアンカ102は、シートベルト54を支持する
アンカプレート104と、アンカプレート104に押し
付けられる段部107および段部107から伸びる間隔
形成部108を有し、アンカプレート104をセンタピ
ラー50に固定するボルト106と、ボルト106の間
隔形成部108に取り付けられる樹脂製のキャップ11
0とを含む。スペーサ112をセンタピラー50とアン
カプレート104との間に介在し、ボルト106をセン
タピラー50に溶接されたナット114にねじ込んであ
る。
【0060】変位許容間隔116がキャップ110とボ
ルト106の段部107との間に画定される。そして、
エネルギの吸収手段118が、ボルト106の間隔形成
部108に設けられた複数の突起119と、キャップ1
10に設けられた、突起119を乗り越え可能なつめ1
20とによって形成される。突起119は、図示のよう
に、車室の外方へ向けて末広の形状にする他、台形ねじ
のねじ山のような台形断面を有する形状にすることがで
き、また複数の隆起を軸線方向および円周方向へ特定に
または不特定に配列した形態とすることができる。一
方、キャップのつめ120は、キャップ110に一体に
設けられた、突起119の外径より小さい口径を有する
もので、円周方向に連続する形態、またはスリットによ
って断続された形態とすることができる。キャップ11
0を押し込んで、そのつめ120を、ボルト106の端
に設けた、突起119より外径の小さい掛止片121に
乗り越えさせ、キャップ110をボルト106に取り付
ける。
【0061】キャップ110に車室の外方へ向くA方向
の荷重が加わると、図10に示すように、キャップ11
0のつめ120が変形しながらボルトの突起119を乗
り越え、これによって荷重によるエネルギを吸収する。
【0062】図11および図12に示す実施例では、シ
ートベルトアンカ122は、シートベルト54を支持す
るアンカプレート124と、間隔形成部127を有し、
アンカプレート124を間隔形成部127に取り付ける
ボルト126と、アンカプレート124に取り付けられ
る樹脂製のキャップ128とを含む。ボルト126は、
センタピラー50に溶接されたナット130にねじ込ま
れている。
【0063】変位許容間隔132がアンカプレート12
4とセンタピラー50との間に画定されている。そし
て、吸収手段134が、ボルト126の間隔形成部12
7に設けられた複数の突起136と、アンカプレート1
24に設けられ、突起136を乗り越え可能なつめ13
7とによって形成されている。突起136は、図9に示
した実施例の突起119と実質的に同じ形態とすること
ができる。一方、つめ137は、アンカプレート124
が一般に鋼製であるため、その口径が突起136の外径
より小さくなるように形成し、円周方向に間隔をおいた
複数のスリットで断続状にする。アンカプレート124
のボルト126への取付けを容易にするため、ボルト1
26の段部138を有する頭部139を、間隔形成部1
27から独立した部品として製作しておき、頭部139
を間隔形成部127にスプライン結合して図示しないね
じで固定するようにする。
【0064】図12に示すように、キャップ128に車
室の外方へ向くA方向の荷重が加わると、キャップ12
8と一体のアンカプレート124のつめ137がボルト
126の突起136を乗り越え、これによって荷重によ
るエネルギを吸収する。
【0065】図13および図14に示す実施例では、シ
ートベルトアンカ142は、シートベルト54を支持す
る支持部146と被固定部147と支持部146から被
固定部147へほぼU字状に伸びる連結部148とを有
するアンカプレート144と、間隔形成部151を有
し、アンカプレート144の被固定部147を間隔形成
部151に取り付けるボルト150と、アンカプレート
144に取り付けられるキャップ154とを含む。アン
カプレート144の被固定部147をボルト150の段
部152に当て、スペーサ156を介在してボルト15
0をセンタピラー50に溶接されたナット158にねじ
込み、ボルト150をセンタピラー50に固定してあ
る。
【0066】変位許容空間160がアンカプレート14
4の被固定部147とセンタピラー50との間に形成さ
れている。そして、エネルギの吸収手段162が、車室
の外方へ向くA方向の荷重によって広がり可能に変位許
容間隔160内に配置したアンカプレート144の連結
部148によって形成されている。連結部148は、ほ
ぼU字状であるため、連結部148を広げようとするA
方向の荷重を支持部146に加えるとき、連結部148
を狭めようとするB方向の荷重を支持部146に加える
ときよりも変形しやすい。
【0067】図14に示すように、アンカプレート14
4の支持部146に車室の外方へ向くA方向の荷重が加
わると、連結部148が広がり、これによって荷重によ
るエネルギを吸収する。
【0068】図15ないし図19に示す実施例のシート
ベルトアンカ152は、図1に示したシートベルトアン
カ52と同じ範疇に入るものであり、シートベルト54
を支持するアンカプレート60と、アンカプレート60
を取り付けるボルト62と、アンカプレート60に取り
付けられるキャップ62とを含む。ボルト62は段部6
3と間隔形成部174とを有する。アンカプレート60
をボルトの段部63に当て、スペーサ176をアンカプ
レート60とセンタピラー50との間に介在してボルト
62をセンタピラー50に溶接された袋ナット70にね
じ込み、固定してある。その結果、アンカプレート60
は、ボルト62の間隔形成部174に車室の外方へ向け
て変位可能に取り付けられている。そして、変位許容間
隔56がアンカプレート60とセンタピラー50との間
に画定され、スペーサ176が変形可能なエネルギの吸
収手段となっている。
【0069】図15に示す実施例のスペーサ176はコ
イルばねであり、図17に示す実施例のスペーサ178
は板ばねを折り曲げたものである。スペーサ178は、
板ばねに代えて板厚の小さな鋼その他の金属板、樹脂等
によって形成することもできる。図16に示すように、
アンカプレート60の支持部61に車室の外方へ向くA
方向の荷重が加わると、スペーサ176が変形し、これ
によって荷重によるエネルギを吸収する。
【0070】図18に示す実施例では、シートベルトア
ンカ182は、シートベルト54を貫通させるリング1
84と、このリング184が車室の外方へ向けて首振り
可能にリング184を支持するアンカプレート186
と、間隔形成部189を有し、アンカプレート186を
間隔形成部189に車室の外方へ向けて変位可能に取り
付けるボルト188と、アンカプレート186に取り付
けられる樹脂製のキャップ190と、センタピラー(図
示せず)に固定されるレール192と、レール192に
移動可能に取り付けられるスライダ194とを含む。ア
ンカプレート186は板材を折り畳んで形成したもの
で、その折り畳みの湾曲部187でリング184をはさ
み、リング184に適当な摩擦力を付与している。リン
グ184は、アンカプレート186に設けたストッパ1
85によって車室の内方への動きが阻止されている。ボ
ルト188の段部191にアンカプレート186を当
て、スペーサ196を介在してボルト188をスライダ
194に差し込み、ナット198をねじ込んでボルト1
88をスライダ194に固定する。
【0071】変位許容間隔200がアンカプレート18
6とスライダ194との間に画定され、スペーサ196
が変位許容間隔200内のエネルギの吸収手段を形成し
ている。スペーサ196は、スライダ194に対面する
部分に凹部203を有する第1スペーサ片202と、第
1スペーサ片202に対面する部分に凸部205を有
し、アンカプレート186と第1スペーサ片202との
間に配置される第2スペーサ片204とからなる。第1
スペーサ片202および第2スペーサ片204は共に鋼
その他の金属製のものでリング状を呈しており、取付け
状態で第2スペーサ片204の凸部205が第1スペー
サ片202の凹部の実質的な中央部分に対面する。
【0072】図18に示す実施例では、別の変位許容間
隔210がレール192とスライダ194との間に形成
されている。ナット198はその2面幅部分に一対のフ
ランジ199を有し、このフランジ199がスライダ1
94に設けた一対のつめ206によって保持されてい
る。つめ206は、車室の外方へ向く所定大きさの荷重
によって変形可能であり、別のエネルギ吸収手段とな
る。
【0073】図19に示すように、キャップ190に車
室の外方へ向くA方向の荷重が加わると、キャップ19
0がボルト188に当たり、ボルト188と共にA方向
へ変位する。そうすると、スペーサ196の第2スペー
サ片204の凸部が第2スペーサ片202を変形させ、
同時に、ボルト188にねじ込んだナット198が変位
し、つめ206を押し広げる。したがって、第1スペー
サ片202の変形量dとつめ206の広がりとによって
エネルギを吸収することができるところ、第1スペーサ
片202およびつめ206の変形の程度は計算で求める
ことができるため、吸収すべきエネルギの調整が簡単で
ある。
【0074】つめ206の変形をエネルギ吸収のために
使用しない場合、換言すれば、スペーサ196だけでエ
ネルギ吸収を行うには、つめ206のある位置にガイド
を設けておき、このガイドによってナット198の回り
止めをさせると共に、エネルギ吸収のためのボルト18
8の動きに伴うナット198の動きをガイドに沿って行
わせる。
【0075】図18に示す実施例では、さらに別の変位
許容間隔212がリング184の外方に形成されてお
り、リング184とアンカプレート186との間の摩擦
によって別のエネルギ吸収手段が形成されている。
【0076】図20に示すように、リング184に車室
の外方へ向くA方向の所定以上の荷重が加わると、リン
グ184がアンカプレート186との間の摩擦に抗して
回動し、その回動距離Dに応じた摩擦力が発生し、エネ
ルギ吸収に供される。
【0077】図21に示す実施例では、シートベルトア
ンカ222は、シートベルト54を貫通させる穴225
が設けられ、シートベルト54を支持する支持部226
を有するアンカプレート224と、支持部226のうち
少なくとも穴225より下方となる部分を覆うクッショ
ン材228と、アンカプレート224に取り付けられる
樹脂製のキャップ230とを含む。クッション材228
は発砲ウレタンのような圧縮性に富む材料で形成する
が、このような材料は摩擦係数が大きいため、クッショ
ン材228のうち少なくともシートベルト54が接触す
る部分をナイロンのような低摩擦係数の被覆材232で
覆う。被覆材232は、薄い膜であってもよく、または
薄い板状のものであってもよい。
【0078】変位許容間隔がクッション材228の圧縮
可能な範囲として形成され、クッション材228が吸収
手段となる。したがって、車室の外方へ向くA方向の所
定以上の荷重がクッション材228に加わると、クッシ
ョン材228が圧縮し、荷重によるエネルギを吸収す
る。
【0079】シートベルトアンカにはアンカプレートを
センタピラーに固定的に取り付ける固定タイプと、図2
2に示すように、キャップ242付のアンカプレート2
40をスライダ244に取り付け、スライダ244をセ
ンタピラー(図示せず)に固定したレール246に沿っ
て移動させるスライドタイプとがある。いずれも、アン
カプレートがボルトの軸線回りに回転できるように取り
付ける。前記の実施例は、一部のものを除いて固定タイ
プを中心に記載した。しかし、固定タイプとして記載し
てあっても、各シートベルトアンカがボルトを備えるこ
とから、このボルトをスライダに取り付けるようにすれ
ば、そのままスライドタイプに適用できる。次に記載す
るのは、主としてスライドタイプの実施例である。
【0080】図22および図23に示す実施例では、シ
ートベルトアンカ252は、シートベルト54を支持す
るアンカプレート240と、アンカプレート240に取
り付けられる樹脂製のキャップ242と、アンカプレー
ト240を固定するボルト248と、センタピラーに固
定されるレール246と、レール246に沿って移動可
能なスライダ244と、スライダ244に固定手段25
0によって固定される、ボルト248をねじ込むナット
254とを含む。ボルト248の段部249にアンカプ
レート240を当て、ボルト248をナット254にね
じ込む。ナット254はフランジ255を有し、このフ
ランジ255を固定手段250であるつめによってスラ
イダ244に取り付ける。つめ250は車室の外方へ向
けて変形可能である。その結果、スライダ244の取付
け部の外方に変位許容間隔256が画定され、固定手段
250がエネルギ吸収手段となっている。
【0081】図24に示すように、車室の外方へ向くA
方向の所定以上の荷重がキャップ242またはアンカプ
レート240に加わると、ボルト248とナット254
とが移動し、つめ250を押し開く。これによって、荷
重によるエネルギを吸収する。
【0082】図25に示す実施例では、ナット258は
円周方向へ伸びる溝259を有し、ナット258をスラ
イダ244に固定する手段260は、Cリングである。
ボルトからナット258に車室の外方へ向くA方向の所
定以上の荷重が加わると、Cリング260が外れ、これ
によってエネルギを吸収する。
【0083】図26に示す実施例では、ナット262は
かしめ部分263を有し、このかしめ部分263をかし
めて固定手段が形成されている。ナット262に車室の
外方へ向くA方向の所定以上の荷重が加わると、かしめ
部分263が外れ、これによってエネルギを吸収する。
【0084】図27に示す実施例では、シートベルトア
ンカ272は、シートベルト54を支持するアンカプレ
ート274と、アンカプレート274を固定するボルト
276と、センタピラー50内に埋め込まれるレール2
78と、レール278に沿って移動可能なセンタピラー
50内に配置されるスライダ280と、ボルト276を
ねじ込む、スライダ280に固定されるナット282
と、センタピラー50より車室の内側に配置され、スラ
イダ280に一方の端部285で結合される板284と
を含む。
【0085】センタピラー50に上下方向へ伸びる穴5
1を開けておき、センタピラー50内にナット282を
溶接したスライダ280を配置してナット282を穴5
1から内方へ突出させる。板284は、スライダ280
に結合した端部285から他方の端部286まで伸びる
伸長部287を有する。この伸長部287は、センタピ
ラー50の穴51の幅、すなわち紙面に垂直な方向の距
離より小さな幅のもので穴51内へ進入可能であり、さ
らに、ナット282を貫通させる穴288を有する。板
284の他方の端部286は、スライダ280に設けた
穴281を貫通し、穴281の外方の部位でスライダ2
80に引っ掛けられている。スライドプレート290が
スライダ280および板284に結合されている。スラ
イドプレート290の結合部291は、センタピラー5
0の穴51の両側の部分、すなわち紙面に垂直な方向に
位置する部分を滑動する形状である。これにより、スラ
イダ280が外れるのが防止される。
【0086】変位許容間隔298がレール278とスラ
イダ280との間に形成され、板284のスライダ28
0に引っ掛けられた他方の端部286がエネルギの吸収
手段となっている。
【0087】それ自体公知の図示しないつまみによって
レバー294を操作してロックピン295を引き出し、
スライダ280をレール278に沿って適当な位置に移
動する。そして、つまみを離すと、ロックピン295が
レール278の穴279に嵌合する。この使用状態のと
き、アンカプレート274に取り付けたキャップ300
に車室の外方へ向くA方向の所定以上の荷重が加わる
と、キャップ300が変形してボルト276に接し、ボ
ルト276、ナット282およびスライダ280が変位
しようとする。しかし、図28に示すように、板284
の一方の端部285がスライダ280に結合されている
ため、板284の他方の端部286が伸び、スライダ2
80が端部286で板284から外れる。このときの板
284の端部286の伸びによって荷重によるエネルギ
を吸収する。
【0088】図29および図30に示す実施例では、シ
ートベルトアンカ302は、シートベルト54を支持す
るアンカプレート304と、アンカプレート304を固
定するボルト306と、センタピラー50に固定される
レール308と、レール308に沿って移動可能なスラ
イダ310と、車室の内方へ向けて移動不可能に、か
つ、車室の外方へ向けて移動可能にスライダ310に取
り付けられ、ボルト306をねじ込むナット312とを
含む。ボルト306をアンカプレート304に通し、円
筒状のスペーサ314をボルト306に被せ、スライダ
310の外方からフランジ313付ナット312をボル
ト306にねじ込む。
【0089】変位許容間隔316がレール308とナッ
ト312との間に画定される。この変位許容間隔316
内に吸収手段318を配置する。吸収手段318は変形
可能な部品であって、図示の実施例では、コイルばねで
あるが、金属製の蛇腹によって、または板ばねによって
形成することもできる。吸収手段318は、エネルギを
吸収する本来の機能に加え、ナット312を内方へ押し
出す機能をも有する。
【0090】図30に示すように、車室の外方へ向くA
方向の所定以上の荷重がアンカプレート304に取り付
けたキャップ320に加わると、キャップ320が変形
してボルト306に接し、ボルト306とナット312
とが吸収手段318を変形させる。これにより、荷重に
よるエネルギが吸収される。
【0091】図31に示す実施例では、シートベルトア
ンカ332は、シートベルト54を支持するアンカプレ
ート334と、アンカプレート334を固定するボルト
336と、センタピラー50内に埋め込まれる、車室の
外方となる部位に内方から外方へ向けて先細状となった
一対の拘束部339を有するレール338と、レール3
38に沿って移動可能な、レールの拘束部339によっ
て変形可能であるスライダ340と、ボルト336をね
じ込み、スライダ340に固定されるナット342とを
含む。ボルト336をアンカプレート334に通して円
筒状のスペーサ344を被せ、さらに、環状の板346
およびワッシャ348をこの順でボルト336に差し込
み、ボルト336をスライダ340に溶接したナット3
42にねじ込む。レール338はスライダ340を囲む
形状である。
【0092】レール338とスライダ340との間に変
位許容間隔350が画定され、レールの拘束部339と
スライダ340とによって吸収手段が形成されている。
さらに、別の変位許容間隔352が板346とセンタピ
ラー50との間に画定され、別のエネルギ吸収手段が板
346によって形成されている。
【0093】図32に示すように、車室の外方へ向くA
方向の所定以上の荷重がキャップ356に加わると、キ
ャップ356が変形してボルト336に接し、ボルト3
36とナット342とが変位する。そうすると、板34
6がセンタピラー50に突き当たって変形し、さらに、
スライダ340がレール338の拘束部339に突き当
たって変形する。これによって、エネルギを吸収する。
スライダ340の変形だけで、または板346の変形だ
けでエネルギを吸収させることもできる。
【0094】図33ないし図36に示す実施例では、シ
ートベルトアンカ362は、シートベルト54を支持す
るアンカプレート364と、アンカプレート364を固
定するボルト366と、複数の位置決め穴369を上下
方向に間隔をおいて有し、センタピラー(図示せず)内
に埋め込まれる長方形断面のレール368と、レールの
各位置決め穴369に差込み可能、かつ、位置決め穴3
69から引抜き可能な一対のロックプレート370を有
し、レール368に沿って移動可能なスライダ372
と、ボルト366をスライダ372に固定するナット3
74とを含む。ボルト366をアンカプレート364と
スペーサ376とに差し込み、さらに、レール368の
内部に配置してナット374を溶接したスライダ372
に通し、ボルト366をナット374にねじ込む。一対
のロックプレート370は平面形状がL字状を呈してお
り、コイルばね378によって互いに離れる方向へ押し
出され、レール368の位置決め穴369に嵌入してい
る。キャップ380に設けた一対のつまみ382を2本
の指で押さえると、一対のロックプレート370は互い
に接近するように移動し、位置決め穴369から外れ
る。
【0095】変位許容間隔384がレール368とロッ
クプレート370との間に形成され、ロックプレート3
70が吸収手段となっている。
【0096】車室の外方へ向くA方向の所定以上の荷重
が加わると、キャップ380とアンカプレート364と
が変位し、ロックプレート370を変形させる。これに
よって、荷重によるエネルギを吸収する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車用シートベルト装置の実施
例の実質的な鉛直面に沿って切断した断面図である。
【図2】本発明に係る自動車用シートベルト装置の別の
実施例の実質的な鉛直面に沿って切断した断面図であ
る。
【図3】図2の自動車用シートベルト装置の作用を示す
断面図である。
【図4】本発明に係る自動車用シートベルト装置のさら
に別の実施例の実質的な鉛直面に沿って切断した断面図
で、取り付ける前の状態を示している。
【図5】本発明に係る自動車用シートベルト装置のさら
に別の実施例の実質的な鉛直面に沿って切断した断面図
で、取り付ける前の状態を示している。
【図6】本発明に係る自動車用シートベルト装置のさら
に別の実施例の実質的な鉛直面に沿って切断した断面図
で、取り付ける前の状態を示している。
【図7】本発明に係る自動車用シートベルト装置のさら
に別の実施例の実質的な鉛直面に沿って切断した断面図
で、取り付ける前の状態を示している。
【図8】本発明に係る自動車用シートベルト装置のさら
に別の実施例の実質的な鉛直面に沿って切断した断面図
で、取り付ける前の状態を示している。
【図9】本発明に係る自動車用シートベルト装置のさら
に別の実施例の実質的な鉛直面に沿って切断した断面図
である。
【図10】図9の自動車用シートベルト装置の作用を示
す断面図である。
【図11】本発明に係る自動車用シートベルト装置のさ
らに別の実施例の実質的な鉛直面に沿って切断した断面
図である。
【図12】図11の自動車用シートベルト装置の作用を
示す断面図である。
【図13】本発明に係る自動車用シートベルト装置のさ
らに別の実施例の実質的な鉛直面に沿って切断した断面
図である。
【図14】図13の自動車用シートベルト装置の作用を
示す断面図である。
【図15】本発明に係る自動車用シートベルト装置のさ
らに別の実施例の実質的な鉛直面に沿って切断した断面
図である。
【図16】図15の自動車用シートベルト装置の作用を
示す断面図である。
【図17】本発明に係る自動車用シートベルト装置のさ
らに別の実施例の実質的な鉛直面に沿って切断した断面
図で、取り付ける前の状態を示している。
【図18】本発明に係る自動車用シートベルト装置のさ
らに別の実施例の実質的な水平面に沿って切断した断面
図で、説明の便のためアンカプレートを回して示してあ
る。
【図19】図18の自動車用シートベルト装置の作用を
示す断面図である。
【図20】図18の自動車用シートベルト装置の別の作
用を示す断面図である。
【図21】本発明に係る自動車用シートベルト装置のさ
らに別の実施例の実質的な鉛直面に沿って切断した断面
図で、取り付ける前の状態を示している。
【図22】本発明に係る自動車用シートベルト装置がス
ライドタイプである場合の実施例の分解斜視図である。
【図23】図22の23−23線に沿って切断した断面
図である。
【図24】図23の自動車用シートベルト装置の作用を
示す断面図である。
【図25】図22の自動車用シートベルト装置に使用す
るスライダとナットとの実施例を示す断面図で、aは固
定した状態を、bはエネルギ吸収を行った後の状態を示
している。
【図26】図22の自動車用シートベルト装置に使用す
るスライダとナットとのさらに別の実施例を示す断面図
で、aは固定した状態を、bはエネルギ吸収を行った後
の状態を示している。
【図27】本発明に係る自動車用シートベルト装置がス
ライドタイプである場合のさらに別の実施例の実質的な
鉛直面に沿って切断した断面図である。
【図28】図27の自動車用シートベルト装置の作用を
示す断面図である。
【図29】本発明に係る自動車用シートベルト装置がス
ライドタイプである場合のさらに別の実施例の実質的な
鉛直面に沿って切断した断面図である。
【図30】図29の自動車用シートベルト装置の作用を
示す断面図である。
【図31】本発明に係る自動車用シートベルト装置がス
ライドタイプである場合のさらに別の実施例の実質的な
水平面に沿って切断した断面図で、説明の便のためアン
カプレートを回して示してある。
【図32】図31の自動車用シートベルト装置の作用を
示す断面図である。
【図33】本発明に係る自動車用シートベルト装置がス
ライドタイプである場合のさらに別の実施例の斜視図で
ある。
【図34】図33の34−34線に沿って切断した断面
図である。
【図35】図33の35−35線に沿って切断した断面
図である。
【図36】図33の自動車用シートベルト装置の作用を
示す、図35と同様な断面図である。
【符号の説明】
50 センタピラー 52、72、102、122、142、172 シート
ベルトアンカ 182、222、252、272、302 シートベル
トアンカ 332、362 シートベルトアンカ 54 シートベルト 56、76、86、116、132、160、200
変位許容間隔 212、256、298、316、350、352、3
84 変位許容間隔 58、78、82、84、88、92、106、134
エネルギ吸収手段 144、176、178、196、228、250 エ
ネルギ吸収手段 260、263、286、318、370 エネルギ吸
収手段 60、104、124、144、186、224、24
0 アンカプレート 274、304、334、364 アンカプレート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 末澤 泰謙 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 実開 平3−24954(JP,U) 実開 昭64−18961(JP,U) 実開 平4−71351(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60R 22/20 B60R 22/24

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車のセンタピラーに取り付けられ
    る、複数の部品からなるシートベルトアンカと、該シー
    トベルトアンカに滑り可能に支持されるシートベルトと
    を備える自動車用シートベルト装置であって、前記シー
    トベルトアンカの複数の部品のうち少なくとも2つの部
    品の間に、または複数の部品のうち少なくとも1つの部
    品と前記センタピラーとの間に形成したエネルギ吸収の
    ための、車室の内側から車室の外方へ向く変位を許容す
    る間隔と、該変位許容間隔内で車室の外方へ向けて変位
    してエネルギを吸収する手段とを含む、自動車用シート
    ベルト装置。
  2. 【請求項2】 前記変位許容間隔および前記吸収手段が
    それぞれ複数設けられる、請求項1に記載の自動車用シ
    ートベルト装置。
  3. 【請求項3】 前記吸収手段は、車室の外方へ向く荷重
    が加わるときには、車室の内方へ向く荷重が加わるとき
    と比べて変形しやすくなるように形成された、請求項1
    に記載の自動車のシートベルト装置。
  4. 【請求項4】 前記シートベルトアンカの複数の部品に
    は、前記シートベルトを支持するアンカプレートと、該
    アンカプレートを固定する、頭部を短く形成したボルト
    と、前記アンカプレートに取り付けられるキャップとが
    含まれ、前記変位許容間隔が前記ボルトの頭部と前記キ
    ャップとの間に形成され、前記吸収手段が前記変位許容
    間隔内に配置されるか、または前記キャップに設けられ
    る、請求項1に記載の自動車用シートベルト装置。
  5. 【請求項5】 前記シートベルトアンカの複数の部品に
    は、前記シートベルトを支持するアンカプレートと、該
    アンカプレートに押し付けられる段部と該段部から伸び
    る間隔形成部とを有する、前記アンカプレートを固定す
    るボルトと、該ボルトの間隔形成部に取り付けられるキ
    ャップとが含まれ、前記変位許容間隔が前記キャップと
    前記ボルトの段部との間に形成され、前記吸収手段が、
    前記ボルトに設けられた複数の突起と、前記キャップに
    設けられ、前記突起を乗り越え可能なつめとからなる、
    請求項1に記載の自動車用シートベルト装置。
  6. 【請求項6】 前記シートベルトアンカの複数の部品に
    は、前記シートベルトを支持するアンカプレートと、間
    隔形成部を有し、前記アンカプレートを前記間隔形成部
    に取り付けるボルトとが含まれ、前記変位許容間隔が前
    記アンカプレートと前記センタピラーとの間に形成さ
    れ、前記吸収手段が、前記ボルトの間隔形成部に設けら
    れた複数の突起と、前記アンカプレートに設けられ、前
    記突起を乗り越え可能なつめとからなる、請求項1に記
    載の自動車用シートベルト装置。
  7. 【請求項7】 前記シートベルトアンカの複数の部品に
    は、前記シートベルトを支持する支持部と被固定部と支
    持部から被固定部へほぼU字状に伸びる連結部とを有す
    るアンカプレートと、間隔形成部を有し、前記アンカプ
    レートの被固定部を前記間隔形成部に取り付けるボルト
    とが含まれ、前記変位許容間隔が前記アンカプレートの
    被固定部と前記センタピラーとの間に形成され、前記吸
    収手段が、車室の外方へ向く荷重によって広がり可能に
    前記変位許容間隔内に配置した前記アンカプレートの連
    結部によって形成される、請求項1に記載の自動車用シ
    ートベルト装置。
  8. 【請求項8】 前記シートベルトアンカの複数の部品に
    は、前記シートベルトを支持するアンカプレートと、間
    隔形成部を有し、前記アンカプレートを前記間隔形成部
    に車室の外方へ向けて変位可能に取り付けるボルトとが
    含まれ、前記変位許容間隔が前記アンカプレートと前記
    センタピラーとの間に形成されるか、または前記シート
    ベルトアンカの複数の部品には、前記シートベルトを支
    持するアンカプレートと、間隔形成部を有し、前記アン
    カプレートを前記間隔形成部に車室の外方へ向けて変位
    可能に取り付けるボルトと、前記センタピラーに移動可
    能に取り付けられ、前記ボルトによって前記アンカプレ
    ートと結合されるスライダとが含まれ、前記変位許容間
    隔が前記アンカプレートと前記スライダとの間に形成さ
    れ、前記吸収手段が前記変位許容間隔内に配置した変形
    可能なスペーサである、請求項1に記載の自動車用シー
    トベルト装置。
  9. 【請求項9】 前記スペーサが前記センタピラーまたは
    前記スライダに対面する部分に凹部を有する第1スペー
    サ片と、該第1スペーサ片に対面する部分に凸部を有
    し、前記アンカプレートと前記第1スペーサ片との間に
    配置される第2スペーサ片とからなる、請求項8に記載
    の自動車用シートベルト装置。
  10. 【請求項10】 前記シートベルトアンカの複数の部品
    には、さらに、前記スライダを移動可能に支持するレー
    ルと、前記ボルトを前記スライダに固定するための、前
    記レールと前記スライダとの間に配置されるナットとが
    含まれ、別の変位許容間隔が前記レールと前記スライダ
    との間に形成され、別のエネルギ吸収手段が前記ナット
    を前記スライダに固定するつめによって形成される、請
    求項9に記載の自動車用シートベルト装置。
  11. 【請求項11】 前記シートベルトアンカの複数の部品
    には、前記シートベルトを貫通させる穴が設けられ、前
    記シートベルトを支持する支持部を有するアンカプレー
    トと、前記支持部のうち少なくとも前記穴より下方とな
    る部分を覆うクッション材であって少なくとも前記シー
    トベルトが接触する部分が低摩擦係数の被覆材で覆わ
    れ、車室の内側から車室の外方へ向く荷重によって変形
    可能に形成されたクッション材とが含まれ、前記変位許
    容間隔が前記クッション材の圧縮可能な範囲として形成
    され、前記吸収手段が前記クッション材からなる、請求
    項1に記載の自動車用シートベルト装置。
  12. 【請求項12】 前記シートベルトアンカの複数の部品
    には、前記シートベルトを貫通させるリングと、該リン
    グが車室の内側から車室の外方へ向く荷重によって車室
    の外方へ向けて首振り可能に前記リングを支持するアン
    カプレートとが含まれ、前記変位許容間隔が前記リング
    の外方に形成され、前記吸収手段が前記リングと前記ア
    ンカプレートとの間の摩擦によって形成される、請求項
    1に記載の自動車用シートベルト装置。
  13. 【請求項13】 前記シートベルトアンカの複数の部品
    には、前記シートベルトを支持するアンカプレートと、
    該アンカプレートを固定するボルトと、前記ヤンタピラ
    ーに固定されるレールと、該レールに沿って移動可能な
    スライダと、前記ボルトをねじ込む、前記スライダに固
    定されるナットとが含まれ、前記変位許容間隔が前記レ
    ールと前記スライダとの間に形成され、前記吸収手段が
    車室の内側から車室の外方へ向く荷重を吸収可能な、前
    記ナットを前記スライダに固定する手段によって形成さ
    れる、請求項1に記載の自動車用シートベルト装置。
  14. 【請求項14】 前記固定手段が前記スライダに設けら
    れたつめである、請求項13に記載の自動車用シートベ
    ルト装置。
  15. 【請求項15】 前記固定手段が前記ナットの前記スラ
    イダへのかしめ部分である、請求項13に記載の自動車
    用シートベルト装置。
  16. 【請求項16】 前記固定手段がCリングである、請求
    項13に記載の自動車用シートベルト装置。
  17. 【請求項17】 前記シートベルトアンカの複数の部品
    には、前記シートベルトを支持するアンカプレートと、
    該アンカプレートを固定するボルトと、前記センタピラ
    ー内に埋め込まれるレールと、該レールに沿って移動可
    能な、前記センタピラー内に配置されるスライダと、前
    記ボルトをねじ込む、前記スライダに固定されるナット
    と、前記センタピラーより車室の内側に配置され、前記
    スライダに一方の端部で結合される板とが含まれ、前記
    変位許容間隔が前記レールと前記スライダとの間に形成
    され、前記吸収手段が前記スライダの穴に引っ掛けられ
    た前記板の他方の端部によって形成される、請求項1に
    記載の自動車用シートベルト装置。
  18. 【請求項18】 前記シートベルトアンカの複数の部品
    には、前記シートベルトを支持するアンカプレートと、
    該アンカプレートを固定するボルトと、前記センタピラ
    ーに固定されるレールと、該レールに沿って移動可能な
    スライダと、車室の内方へ向けて移動不可能に、かつ、
    車室の外方へ向けて移動可能に前記スライダに取り付け
    られ、前記ボルトをねじ込むナットとが含まれ、前記変
    位許容間隔が前記レールと前記ナットとの間に形成さ
    れ、前記吸収手段が前記変位許容間隔内に配置した変形
    可能部品によって形成される、請求項1に記載の自動車
    用シートベルト装置。
  19. 【請求項19】 前記シートベルトアンカの複数の部品
    には、前記シートベルトを支持するアンカプレートと、
    該アンカプレートを固定するボルトと、前記センタピラ
    ー内に埋め込まれるレールであって車室の外方となる部
    位に内方から外方へ向けて先細状となった一対の拘束部
    を有するレールと、該レールに沿って移動可能なスライ
    ダであって前記レールの拘束部によって変形可能である
    スライダと、前記ボルトをねじ込み、前記スライダに固
    定されるナットとが含まれ、前記変位許容間隔が前記レ
    ールと前記スライダとの間に形成され、前記吸収手段が
    前記レールの拘束部と前記スライダとによって形成され
    る、請求項1に記載の自動車用シートベルト装置。
  20. 【請求項20】 前記シートベルトアンカの複数の部品
    には、さらに、前記センタピラーと前記アンカプレート
    との間に配置される板が含まれ、別の変位許容間隔が前
    記板と前記センタピラーとの間に形成され、別の吸収手
    段が前記板によって形成される、請求項19に記載の自
    動車用シートベルト装置。
  21. 【請求項21】 前記シートベルトアンカの複数の部品
    には、前記シートベルトを支持するアンカプレートと、
    該アンカプレートを固定するボルトと、複数の位置決め
    穴を上下方向に間隔をおいて有する、前記センタピラー
    内に埋め込まれるレールと、該レールの各位置決め穴に
    差込み可能、かつ、位置決め穴から引抜き可能なロック
    プレートを有する、前記レールに沿って移動可能なスラ
    イダと、前記ボルトを前記スライダに固定するナットと
    が含まれ、前記変位許容間隔が前記レールと前記ロック
    プレートとの間に形成され、前記吸収手段が前記ロック
    プレートによって形成される、請求項1に記載の自動車
    用シートベルト装置。
  22. 【請求項22】 自動車のピラーに取り付けられるシー
    トベルトアンカと、該シートベルトアンカに滑り可能に
    支持されるシートベルトとを備える自動車用シートベル
    ト装置であって、前記シートベルトアンカは、ボルトに
    よって前記ピラー側に取り付けられ、前記シートベルト
    を支持するアンカプレートを有し、該アンカプレート
    は、車室の内側から車室の外方へ向く荷重が加わるとき
    前記ボルトと共に外方の変位許容間隔へ向けて変位可能
    である、自動車用シートベルト装置。
  23. 【請求項23】 前記ボルトによって前記アンカプレー
    トに連結され、前記ピラーの内部に配置された部材を備
    え、該部材は、車室の内側から車室の外方へ向く荷重が
    加わるとき前記変位許容間隔へ向けて変形する、請求項
    22に記載の自動車用シートベルト装置。
JP5323344A 1993-11-30 1993-11-30 自動車用シートベルト装置 Expired - Lifetime JP2785665B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5323344A JP2785665B2 (ja) 1993-11-30 1993-11-30 自動車用シートベルト装置
US08/352,689 US5529344A (en) 1993-11-30 1994-11-30 Seat belt device for automobile

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5323344A JP2785665B2 (ja) 1993-11-30 1993-11-30 自動車用シートベルト装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07149204A JPH07149204A (ja) 1995-06-13
JP2785665B2 true JP2785665B2 (ja) 1998-08-13

Family

ID=18153753

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5323344A Expired - Lifetime JP2785665B2 (ja) 1993-11-30 1993-11-30 自動車用シートベルト装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2785665B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3519184B2 (ja) * 1995-09-13 2004-04-12 株式会社東海理化電機製作所 ショルダアンカ構造
JP2758870B2 (ja) * 1995-11-20 1998-05-28 株式会社東海理化電機製作所 ショルダアンカ構造
JP3498879B2 (ja) * 1995-12-27 2004-02-23 本田技研工業株式会社 車両用シートベルト装置
DE19610861C2 (de) * 1996-03-20 2001-06-21 Autoliv Dev Kraftfahrzeug mit aufprallgedämpfer Befestigung des Umlenkbeschlages
DE19718749B4 (de) * 1996-05-10 2006-03-30 Volkswagen Ag Umlenkbeschlag für Sicherheitsgurte
KR20040004009A (ko) * 2002-07-05 2004-01-13 현대자동차주식회사 자동차용 시트벨트의 앵커너트 결합구조
JP2013032061A (ja) * 2011-08-01 2013-02-14 Autoliv Development Ab シートベルト装置
JP2013032062A (ja) * 2011-08-01 2013-02-14 Autoliv Development Ab シートベルト装置
EP2662251B1 (en) * 2012-05-08 2014-08-20 Fiat Group Automobiles S.p.A. seat belt connection device for a vehicle
JP6581623B2 (ja) * 2017-07-05 2019-09-25 本田技研工業株式会社 車体側部構造

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6418961U (ja) * 1987-07-24 1989-01-31
JPH0471351U (ja) * 1990-11-02 1992-06-24
JP3024954U (ja) * 1995-08-31 1996-06-07 進 浅見 大根おろし器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07149204A (ja) 1995-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5529344A (en) Seat belt device for automobile
US5639144A (en) Energy absorbing child seat fastener
JP3498879B2 (ja) 車両用シートベルト装置
US5464252A (en) Anchor device for seat belt
JP2785665B2 (ja) 自動車用シートベルト装置
US6053565A (en) Side impact bar assembly
US11485256B2 (en) Seat sliding structure for vehicle
US5863071A (en) Seat belt anchor device for an automobile
JPH0529173Y2 (ja)
KR910007135B1 (ko) 시트벨트의 앵커장치
JP2000168482A (ja) 頭部保護エアバッグ袋体の配設構造
JPH0431184Y2 (ja)
JPH0431876Y2 (ja)
JP2785669B2 (ja) 自動車用シートベルト装置
JPH1016796A (ja) 車両用ステアリングコラム
US10933829B2 (en) Knee bolster
US5066043A (en) Adjustable shoulder anchorage
JPH04230447A (ja) 締付装置
JPH11314556A (ja) 車両乗員の頭部を衝突から保護するためのアセンブリ
JP3094844B2 (ja) シートベルトの肩部アンカレッジ構造
US5494313A (en) Air bag apparatus for adaptable fixation within a vehicle
JPH02200570A (ja) 自動車のコラムカバー構造
KR100445176B1 (ko) 자동차의 측면 충격 흡수구조
JP3736312B2 (ja) アシストグリップ
JP3929566B2 (ja) ショルダーベルトアンカー調節装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080529

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090529

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100529

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110529

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110529

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120529

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120529

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130529

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140529

Year of fee payment: 16

EXPY Cancellation because of completion of term