JP2784827B2 - 写真感光材料用包装材料 - Google Patents

写真感光材料用包装材料

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JP2784827B2 JP1330138A JP33013889A JP2784827B2 JP 2784827 B2 JP2784827 B2 JP 2784827B2 JP 1330138 A JP1330138 A JP 1330138A JP 33013889 A JP33013889 A JP 33013889A JP 2784827 B2 JP2784827 B2 JP 2784827B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐熱性支持体に遮光性多層共押出しエクス
トルージョン塗布層を重層塗布した写真感光材料用包装
材料に関するものである。
〔従来の技術〕
写真感光材料のように光に曝されるとその品質価値を
失うものについては、光を完全に遮る包装材料が使用さ
れている。この包装材料は、遮光性のほか、物理強度、
ヒートシール性、防湿性、ブロッキング防止性、帯電防
止性等の諸性質を有し、かつ製造が容易であることが要
求されている。
従来、写真感光材料用の遮光紙は、紙にカーボンブラ
ックや黒色染料を添加した遮光性黒色紙、紙支持体にト
ルエン等で溶解した5重量%以上のカーボンブラックを
含有するEVA等の溶液状の樹脂をグラビア塗布したもの
等があった。
また、本発明者も、遮光性、防湿性および帯電防止性
を確保するために、紙等の支持体に少なくともアルミニ
ウム層を一層設けた写真フィルム用遮光紙(特開昭55−
140835号公報)、支持体にネックインは大きいが、ヒー
トシール性の優れたEEA樹脂層、EVA樹脂層等を設けた遮
光紙(特開昭58−186744号公報)、紙支持体の少なくと
も一面に、高密度ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレ
ン樹脂のブレンド樹脂からなるポリエチレン樹脂層を溶
融押出しラミラートした遮光紙(特開昭60−35728号公
報)等を提案した。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来の遮光紙は、柔軟性および導電性
が優れ、紙支持体と塗工樹脂層との充分な持着力を有す
るが、トルエン等の溶剤を蒸発させなければならないの
で、大気汚染が生じる上に高価な防爆設備を設けなけれ
ばならず、かつ塗工速度を50m/分以下にしないと、紙支
持体中の空気の熱膨張により塗工膜にピンホールやクレ
ーター状の穴が発生して防湿性および遮光性が不完全と
なった。また、ロール状に巻いて置くと、残留溶剤に基
因するブロッキングや印刷面の汚染及び、感光材料にカ
ブリや感度異常が発生した。さらに、カーボンブラック
が凝集してブツ故障が発生するものであった。特開昭55
−140835号公報で提案した遮光紙は、切断時にアルミニ
ウム粉が発生し、また、屈曲等の衝撃に対してもピンホ
ールが発生しないように別加工で成形した遮光性フィル
ムを積層した場合には、高価で、柔軟性に欠けると言う
問題があった。
特開昭58−186744号公報や特開昭60−35728号公報で
提案した遮光紙は、紙支持体との接着強度が不足気味で
デラミネーションが発生したり、最近のようにISO感度
が100以上の高感度写真フィルム用としては、遮光性お
よび、帯電防止性が不足気味であった。
本発明は、上記問題点を解決し、耐熱性支持体との接
着強度の大きい、遮光性および帯電防止性に優れ、かつ
安価な写真感光材料用包装材料を提供することを目的と
する。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記目的を達成するためになされたもの
で、耐熱性支持体と、該耐熱性支持体に各層間の温度差
が30℃以内で重層塗布した遮光性多層共押出しエクスト
ルージョン塗布層とを有し、該遮光性多層共押出しエク
ストルージョン塗布層中の耐熱性支持体面側の接着層
は、含水率が0.5重量%以下であり、遮光性物質を5重
量%未満、不飽和カルボン酸類のグラフト率が0.01〜10
%の接着性ポリオレフィン樹脂を5重量%以上含み、か
つ厚さが1〜50μmであり、該遮光性多層共押出しエク
ストルージョン塗布層中の反耐熱性支持体面側の表面層
は、カーボンブラックを5重量%以上、メルトインデッ
クスが2g/10分以上のエチレン共重合体樹脂を10重量%
以上含み、かつ厚さが3〜70μmであることを特徴とし
て構成されている。
本発明で用いる耐熱性支持体は、各種の紙、各種のプ
ラスチックフィルム、セロハン、各種の金属箔、各種の
金属蒸着プラスチックフィルム、各種の金属蒸着紙、各
種の不織布、各種の合成紙、各種の編織物等であり、好
ましくはカーボンブラック及び/又は導電性物質を含む
各種の紙、及び一軸又は二軸分子配向(延伸を含む)熱
可塑性樹脂フィルム、アルミニウム蒸着一軸又は二軸分
子配向熱可塑性樹脂フィルムまたはアルミニウム蒸着紙
である。
特に紙が好ましく、この紙としては、感光材料に悪影
響を与えない坪量が30〜120g/m2、好ましくは50〜100g/
m2、特に好ましくは60〜90g/m2の晒、半晒または未晒の
各種の紙、グラシン紙、塗工紙がある。
遮光性多層共押出しエクストルージョン塗布層は、耐
熱性支持体面接着層と、反耐熱性支持体面表面層とを有
している。
接着層は、耐熱性支持体との接着強度を保持するため
に遮光性物質を5重量%未満にするとともに、接着性ポ
リオレフィン樹脂を5重量%以上含み、かつ厚さが1〜
50μmである。
遮光性物質の代表例を以下に示す。
(1)無機化合物 A.酸化物…シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、
酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンモチ
ン、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、
酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アルミナ繊維 B.水酸化物…水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム C.炭酸塩…炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマ
イト、ドーソナイト D.(亜)硫酸塩…硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸
アルミニウム、亜硫酸カルシウム E.ケイ酸塩…タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガ
ラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カル
シウム、モンモリロナイト、ベントナイト F.炭素…カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、
炭素中空球 G.その他…鉄分、銅粉、鉛粉、錫粉、ステンレス粉、パ
ール顔料、アルミニウム粉、アルミニウムフレーク、硫
化モリブデン、ポロン繊維、炭化ケイ素繊維、アルミニ
ウム繊維、ステンレス繊維、ニッケル繊維、黄銅繊維、
チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ホウ酸亜
鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナ
トリウム、アルミニウムペースト (2)有機化合物 木粉(松、樫、ノコギリクズなど)、殻繊維(アーモ
ンド、ピーナッツ、モミ殻など)、着色した各種の繊維
例えば木綿、ジュート、紙細片、セロハン片、ナイロン
繊維、ポリプロピレン繊維、デンプン、芳香族ポリアミ
ド繊維 これらの遮光性物質の中で、不透明化する無機化合物
が好ましく、特に、耐熱性、耐光性が優れ比較的不活性
な物質である、光吸収性のカーボンブラックと窒化チタ
ンとグラファイトが好ましい。
カーボンブラックには各種のものがあるが、原料によ
る分類例をあげると、ガスブラック、ファーネスブラッ
ク、チャンネルブラック、アントラセンブラック、アセ
チレンブラック、ケッチェンカーボンブラック、サーマ
ルブラック、ランプブラック、油煙、松煙、アニマルブ
ラック、ベジタブルブラック等である。
本発明では、遮光性、コスト、物性向上の目的ではフ
ァーネスカーボンブラックが好ましく、高価であるが帯
電防止効果を有する遮光性物質としては、アセチレンカ
ーボンブラック、変性副生カーボンブラックであるケッ
チェンカーボンブラック、導電性カーボンブラックが好
ましい。必要により前者と後者を必要特性に従ってミッ
クスすることも好ましい。
遮光性物質を配合した形態を大別すると下記のように
なる。
(1)均一着色ペレット状 (カラーコンバウンドと言われる最も一般的に用いられ
ているもの) (2)分散性粉末状 (ドライカラーとも呼ばれる、種々の表面処理剤で処理
し、さらに分散助剤を加えて微粒子状に粉砕した粉末状
のもの) (3)ペースト状 (可塑剤等に分散させたもの) (4)液状 (リキッドカラーとも呼ばれる界面活性剤等に分散した
液状のもの) (5)マスターバッチペレット状 (遮光性物質を着色しようとするプラスチック中に高濃
度に分散したもの) (6)潤性粒粉末状 (遮光性物質をプラスチック中に高濃度に分散させたの
ち、粒粉末状に加工したもの) (7)乾燥粉末状 (普通の無処理の乾燥粉末状のもの) 遮光性物質を配合する形態は上記のように種々ある
が、マスターバッチ法がコスト、作業場の汚染防止等の
点で好ましい。公知文献の特公昭40−26196号では有機
溶媒に溶解した重合体の溶液中にカーボンブラックを分
散せしめて、重合体−カーボンブラックのマスターバッ
チをつくる方法を、特公昭43−10362号にはカーボンブ
ラックをポリエチレンに分散してマスターバッチをつく
る方法を述べている。
カーボンブラックの中でも、写真感光材料のカブリの
発生が少なく、感光度の増減の発生が少なく、遮光能力
が大きく、カーボンブラックの固まり(ブツ)の発生や
フィッシュアイ等フィルムの中にピンホールが発生しに
くい点で、pH6.0〜9.0、平均粒子径10〜120μm、揮発
成分が2.0重量%以下、吸油量が50ml/100g以上のファー
ネスカーボンブラックが好ましい。
本発明の写真感光材料用包装材料として使用する上で
カブリの発生がなく、感光度の増減の発生が少なく、遮
光能力が大きく、帯電防止性を有し、L−LDPE樹脂等の
エチレン共重合体樹脂に添加した場合でもカーボンブラ
ックの固り(ブツ)の発生やフィッシュアイやフィルム
中にピンホールが発生しにくい点でファーネスカーボン
ブラック、導電性カーボンブラックが好ましい。代表的
な市販の導電性カーボンブラックを下記に示す。
アセチレン法では、電気化学KK製のデンカブラック。
オイルファーネス法では、 日本イーシーKK製のケッチェンブラックEC キャボット(Cabot)社製のバルカンXC−72、ブラック
パールス2000、バルカンSC、バルカン9、バルカンC コロンビア(Columbia)社製のコンダクテックス975、
コンダクテックス950、コンダクテックスSC 旭カーボンKK製の旭90 三菱化成KK製のダイヤブラックA である。
以上のような遮光性物質が、接着層に5重量%未満含
まれ、好ましくは3重量%未満、特に好ましくは1重量
%未満含まれる。遮光性物質が5重量以上含まれると、
耐熱性支持体への接着力を確保できない。
接着層に含まれる接着性ポリオレフィン樹脂は、ポリ
オレフィン樹脂と不飽和カルボン酸類とをグラフト変性
した変性樹脂である。例えば、グラフト変性ポリエチレ
ン樹脂、グラフト変性エチレン・アクリル酸エチル共重
合体樹脂、グラフト変性エチレン・酢酸ビニル共重合体
樹脂、グラフト変性ポリプロピレン樹脂およびポリブテ
ン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1等のα−オレフ
ィンやエチレン・αオレフィン共重合体樹脂を不飽和カ
ルボン酸等でグラフト変性した樹脂等がある。好ましく
は、アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の不飽
和カルボン酸をポリオレフィン樹脂にグラフトしたグラ
フト変性ポリオレフィン樹脂である。
また、不飽和カルボン酸類のグラフト率が0.01〜10%
のものを用いる。
不飽和カルボン酸類は、その誘導体も含めて総称する
もので、代表例をあげると、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、テトラヒド
ロフタル酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、シトラコン
酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸、(エン
ドシス−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジ
カルボン酸)、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無
水イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエ
ステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメ
チルエステル、フマル酸ジメチルエステル、イタコン酸
ジエチルエステル、アクリル酸アミド、メタクリルアミ
ド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレ
イン酸−N−モノエチルアミド、マレイン酸−N,N−ジ
エチルアミド、マレイン酸−N−モノブチルアミド、マ
レイン酸−N,N−ジブチルアミド、フマル酸モノアミ
ド、フマル酸ジアミド、フマル酸−N−モノエチルアミ
ド、フマル酸−N,N−ジエチルアミド、フマル酸−N−
モノブチルアミド、フマル酸−N,N−ジエチルアミド、
フマル酸−N−モノブチルアミド、フマル酸−N,N−ジ
ブチルアミド、マレイミド、マレイン酸モノメチル、マ
レイン酸ジメチル、マタクリル酸カリウム、アクリル酸
ナトリウム、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウ
ム、アクリル酸カルシウム、メタクリル酸ナトリウム、
アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、N−ブチ
ルマレイミド、N−フェニルマレイミド、塩化マレニ
ル、グリシジルマレエート、マレイン酸ジプロピル、ア
コニチン酸無水物、ソルビン酸等をあげることができ、
相互の混合使用も可能である。
なかでもアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、
ナジック酸が好ましく、特に無水マレイン酸が好まし
い。
接着性ポリオレフィン樹脂における不飽和カルボン酸
類をグラフト変性させる方法は特に限定されない。例え
ば、溶融状態で反応させる特公昭43−27421号公報等に
開示の方法や、溶液状態で反応させる特公昭44−15422
号公報等に開示の方法や、スラリー状態で反応させる特
公昭43−18144号公報等に開示の方法や、気相状態で反
応させる特公昭50−77493号公報等に開示の方法等があ
る。
これらの方法の中で押出機を用いる溶融混練法が操作
が簡便でかつ安価な方法なので好ましい。
不飽和カルボン酸類の使用量は、接着強度確保のため
ポリオレフィン樹脂ベースポリマー(各種ポリエチレン
樹脂、各種ポリプロピレン樹脂、各種ポリオレフィン共
重合体樹脂、ポリブテン−1樹脂、ポリ−4−メチルペ
ンテン−1樹脂等のα−オレフィン樹脂等)100重量部
に対して0.01〜20重量部、好ましくは0.2〜5重量部で
ある。
ポリオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸類との反応を
促進するために過酸化物等が用いられる。
有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキ
サイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブチ
ロニトリル、ジクミルパーオキサイド、α,α′ビス
(t−ブチルパーオキシジイプロピル)ベンゼン、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)
ヘキシン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒド
ロパーオキサイド、t−ブチル−ハイドロパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシラ
ウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,3ビ
ス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、キ
ュメンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチル−ジパ
ーオキシフタレート、t−ブチルパーオキシマレイン
酸、イソプロピルパーカーボネート等がある。無機過酸
化物としては、例えば、アソビスイソブチロニトリル等
のアゾ化合物、過硫酸アンモニウム等がある。
これらは1種または2種以上の組合せで使用してもよ
い。特に好ましいのは、分解温度が170℃〜200℃間にあ
るジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキ
サイド、2,5−ジメチル−2,5ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5ジ(t−ブチルパー
オキシ)ヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ
イソプロピル)ベンゼンである。
これらの過酸化物の添加量は特に制限されないが、ポ
リオレフィン樹脂100重量部に対して0.005〜5重量部、
このましくは0.01〜1重量部である。
市販の接着性ポリオレフィン樹脂の代表例を以下に示
す。
日本石油化学KK “Nポリマー” 三井石油化学工業KK “ADMER" 昭和電工KK “ER RESIN" 三菱化成工業KK “ノバテック−AP" 三菱油化KK “MODIC" 前記ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン樹
脂、エチレン共重合体樹脂、ポリプロピレン樹脂、プロ
ピレン共重合体樹脂、塩化ビニル樹脂等がある。特に、
ヒートシール適性、破袋強度、衝撃穴あけ強度が向上す
るので、エチレン共重合体樹脂が好ましい。
以上のような接着性ポリオレフィン樹脂が、接着層に
5重量%以上含まれている。接着性ポリオレフィン樹脂
が5重量%未満であると、耐熱性支持体への接着力を確
保できない。
また、接着層は、厚さが1〜50μmで、好ましくは2
〜30μm、特に好ましくは3〜10μmである。厚さが1
μm未満であると、膜切れが発生して耐熱性支持体への
接着力を確保できない。
厚さが50μmを越えると、高価になるだけでなくネッ
クインが大きくなる。
また、接着層の含水率は発泡による膜切れ防止のため
0.5重量%以下が好ましい。
前記表面層は、カーボンブラックを5重量%以上含む
とともに、メルトインデックスが2g/10分以上のエチレ
ン共重合体樹脂を10重量%以上含み、かつ厚さが3〜70
μmである。
表面層に含まれるカーボンブラックは、前述のカーボ
ンブラックと同様のものである。カーボンブラックが5
重量%未満であると、遮光性を確保できず、かつ導電性
も充分ではない。なお、カーボンブラック含有量は、好
ましく10重量%以上、特に好ましくは20重量%以上であ
る。
エチレン共重合体樹脂の代表例を以下に示す。
(1)エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂 (2)エチレン−プロピレン共重合体樹脂 (3)エチレン−1−ブテン共重合体樹脂 (4)エチレン−ブタジエン共重合体樹脂 (5)エチレン−塩化ビニル共重合体樹脂 (6)エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂 (7)エチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂 (8)エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂 (以後EEA樹脂と表示) (9)エチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂 (10)エチレン−アクリル酸共重合体樹脂 (11)アイオノマー樹脂(エチレンと不飽和酸との共重
合物を亜鉛などの金属で架橋した樹脂) (12)エチレン−αオレフィン共重合体樹脂(L−LDPE
樹脂) (13)エチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体
樹脂 等である。
安価で共押出しエクストルージョンコーティング適性
が優れる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE樹
脂)とエチレンアクリル酸エチル共重合体樹脂(EEA樹
脂)について詳述する。
L−LDPE(Liner Low Density Polyetyle−ne)樹脂
は第3のポリエチレン樹脂と称され、中低圧法、高圧法
両ポリエチレン樹脂の利点を併せもつ省エネルギー、省
資源という時代の要請に合致する低コスト、高強度の樹
脂である。この樹脂は低圧法又は高圧改良法でエチレン
炭素数が3〜13個、好ましくは4〜10個のα−オレフィ
ンを共重合させたコポリマーで線状の直鎖に短分岐をも
った構造のポリエチレン系樹脂である。特にエチレン・
ブテン−1共重合体樹脂が物理強度やコストの点で従来
の高圧法分岐低密度ポリエチレン樹脂より好ましい。
α−オレフィンとしてはブテン−1、オクテン−1、
ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1
などが使用される。その量はポリマーの0.5〜15モル%
程度がコストの点で好ましいものである。
密度は一般に低中密度ポリエチレン樹脂程度とされて
いるが、市販品では0.87〜0.95g/cm3の範囲内にあるも
のが多い。メルトインデックスは0.1〜50g/10分の範囲
内にあるものが多い。
L−LDPE樹脂の重合プロセスとしては中・低圧装置を
用いる気相法、液相法と高圧改良法装置を用いるイオン
重合法等がある。
L−LDPE樹脂の具体例を以下に示す。
エチレン・ブテン−1共重合体樹脂 GレンジとNUC−FLX(UCC社) ダウレックス(ダウケミカル社) スクレアー(デュポンカナダ社) マーレックス(フィリップス社) スタミレックス(DSM社) エクセレンVL(住友化学) ネオゼックス(三井石油化学) 三菱ポリエチ−LL(三菱油化) 日石リニレックス(日本石油化学) NUCポリエチレン−LL(日本ユニカー) 出光ポリエチレンL(出光石油化学) エチレン・ヘキサン−1共重合体樹脂 TUFLIN(UCC社) TUFTHENE(日本ユニカー) エチレン・4メチルペンテン−1共重合体樹脂 ウルトゼックス(三井石油化学) エチレン・オクテン−1共重合体樹脂 スタミレックス(DSM社) ダウレックス(ダウケミカル社) スクレアー(デュポンカナダ社) MORETEC(出光石油化学) これらのL−LDPE樹脂の中で物理強度とヒートシール
強度とエクストルージョンラミネートフィルム成形性の
点から特に好ましいのは、エチレン含有量が90〜99.5モ
ル%、α−オレフィン含有量が0.5〜10モル%、メルト
インデックス(以後MIと表示)が2〜50g/10分(JISK−
6760)、密度が0.870〜0.940g/cm3(JISK−6760)、そ
してα−オレフィンの炭素数が4〜8個の液相法プロセ
スと気相法プロセスで得られたものである。
特に好ましい代表的な例を商品名であげると、ポリエ
チレンにα−オレフィン側鎖として炭素数4個のブテン
−1を導入した世界各国で最も大量に使用されている22
ページ記載のエチレン・ブテン−1共重合体樹脂及び炭
素数6個の4−メチルペンテン−1を導入した三井石油
化学(株)のウルトゼックス及びα−オレフィン側鎖と
して炭素数8個のオクテン−1を導入した出光石油化学
(株)のMORETECとDSM社のスタミレックスとダウケミカ
ル社のダウレックスがある(以上4社品共液相法プロセ
スで得られたL−LDPE樹脂である。)。低圧法の気相法
プロセスで得られた好ましい代表的な例を商品名であげ
ると、α−オレフィン側鎖として炭素数6個のヘキセン
−1を導入したUCC社のTUFLIN及び日本ユニカー(株)
のTUFTHENE等がある。
また最近発売された密度が0.910g/cm3未満の超低密度
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、例えばUCC社のNUC−FL
Xや住友化学(株)のエクセレンVLも好ましい(以上2
社品共α−オレフィンが炭素数4個のブテン−1を使
用)。
前記EEA樹脂は、その代表的製造メーカーとしてユニ
オン・カーバイト社(アメリカ)、日本ユニカー
(株)、三菱油化(株)、住友化学(株)、三井ポリケ
ミカル(株)等がある。具体例として日本ユニカー
(株)で現在市販しているEEA樹脂の代表的銘柄名とそ
のコモノマー含有量、メルトインデックス、及び密度を
示す(コモノマー含有量NUC試験法で6%以上のも
の)。
これらの樹脂のなかで、ホモポリエチレン樹脂、高圧
改良法または低圧法L−LDPE樹脂、EVA樹脂、EEA樹脂、
またはEMA樹脂を10重量%以上含む樹脂が好ましい。
以上のようなエチレン共重合体樹脂は、メルトインデ
ックス(ASTM D 1238)が2g/10分以上で、好ましくは2.
5g/10分以上である。メルトインデックスが2g/10分未満
であると、エクストルージョンラミネート適性がなく膜
切れや偏肉が大きく実用化困難である。
そして、このようなメルトインデックスが2g/10分以
上のエチレン共重合体樹脂が10重量%以上含まれてい
る。エチレン共重合体樹脂が10重量%未満であると、膜
切れやピンホールが発生し、ヒートシール適性が改良で
きず、遮光性および防湿性を確保できない。
また、表面層は、厚さが3〜70μmで、好ましくは5
〜50μm、特に好ましくは7〜30μmである。厚さが3
μm未満であると、膜切れや、エクストルージョンコー
ティング適性が悪化する。
厚さが70μmを越えると、高価になるだけでなく、ネ
ックインが大きく、コーティング速度を低下させないと
冷却ロールから剥離が困難になる。
また、表面層に用いる樹脂組成物の含水率は発泡や膜
切れ防止のため2000PPM以下、特に600PPM以下であるこ
とが好ましい。
耐熱性支持体および遮光性多層共押出しエクストルー
ジョン塗布層に、帯電防止のため導電性物質を添加する
ことができる。
スタチックの発生を防止できる好ましい各種導電性物
質を以下に示す。
非イオン界面活性剤 (代表的成分ポリオキシエチレングリコール類) アニオン界面活性剤 (代表的成分スルフォン酸塩類) 陽イオン界面活性剤 (代表的成分第4級アンモニウム塩) 両性界面活性剤 アルキルアミン誘導体 脂肪酸誘導体 各種滑剤 カーボンブラック、グラファイト 金属表面被覆顔料 金属粉末、金属フレーク 炭素繊維 金属繊維 ウィスカー (チタン酸カリウム、窒化アルミナ、アルミナ等) 上記非イオン界面活性剤の代表例を以下に示す。
ポリエチレングリコール脂肪酸エステル ポリオキシエチレンソルビタン脂肪エステル ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエチル ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル ポリオキシエチレン脂肪族アミン ソルビタンモノ脂肪酸エステル 脂肪酸ペンタエリスリット 脂肪アルコールのエチレンオキサイド付加物 脂肪酸のエチレンオキサイド付加物 脂肪酸アミノまたは脂肪酸アミドのエチレンオキサイド
付加物 アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物 アルキルナフトールのエチレンオキサイド付加物 多価アルコールの部分的脂肪酸エステルのエチレンオキ
サイド付加物 その他特公昭63−26697号公報、120ページ記載の各種
非イオン帯電防止剤等。
アニオン界面活性剤の代表例を以下に示す。
リシノレイン酸硫酸エステルソーダ塩 各種脂肪酸金属塩 リシノレイン酸エステル硫酸エステルソーダ塩 硫酸化オレイン酸エチルアニリン オレフィンの硫酸エステル塩類 オレイルアルコール硫酸エステルソーダ塩 アルキル硫酸エステル塩 脂肪酸エチルスルフォン酸塩 アルキルスルフォン酸塩 アルキルナフタレンスルフォン酸塩 アルキルベンゼンスルフォン酸塩 コハク酸エステルスルフォン酸塩 リン酸エステル塩 等。
陽イオン界面活性剤のを以下に示す。
第1級アミノ塩 第3級アミン塩 第4級アンモニウム塩 ピリジン誘導体 等。
両性界面活性剤の代表例を以下に示す。
カルボン酸誘導体 イミダゾリン誘導体 ペタイン誘導体 等。
以上のような導電性物質は、例えば、接着層の場合は
接着力向上の為未添加が好ましく、表面層の場合は、帯
電防止性向上の為に添加するのが好ましい。
本発明包装材料では、滑性向上、写真感光材料挿入性
向上、静電気防止等の目的で0.01〜1.0重量%の滑剤を
添加するのが好ましい。
感光材料に悪影響を与えない市販の代表的滑剤名と製
造メーカー名を以下に記載するが本発明はこれに限定さ
れるものではない。
(1)シリコン系滑剤;各種グレードのジメチルポリシ
ロキサン及びジメチルポリシロキサン変性体(信越シリ
コーン、東レシリコーン) (2)オレイン酸アミド系滑剤;アーモスリップ、CP
(ライオン、アクゾ)、ニュートロン(日本精化)、ニ
ュートロンE−18(日本精化)、アマイドO(日東化
学)、アルフロE−10(日本油脂)、ダイヤミッドO−
200(日本化成)、ダイヤミッドG−200(日本化成)等 (3)エルカ酸アミド系滑剤;アルフロ−P−10(日本
油脂)等 (4)ステアリン酸アミド系滑剤;アルフロ−S−10
(日本油脂)、ニュートロン2(日本精化)、ダイヤミ
ッド200(日本化成)等 (5)ビス脂肪酸アミド系滑剤;ビスアマイド(日本化
成)、ダイヤミッド200ビス(日本化成)、アーモワッ
クスEBS(ライオンアクゾ)等 (6)非イオン界面活性剤;エレクトロストリッパーTS
−2、エレクトロストリッパーTS−3、エレクトロスト
リッパーTS−5(花王石鹸)等がある。
(7)炭化水素系滑剤;流動パラフィン天然パラフィン
マイクロワックス合成パラフィンポリエチレンワックス
ポリプロピレンワックス塩素化炭化水素フルオロカーボ
ン (8)脂肪酸系滑剤;高級脂肪酸(C12以上が好まし
い)オキシ脂肪酸 (9)エステル系滑剤;脂肪酸の低級アルコールエステ
ル脂肪酸の多価アルコールエステル脂肪酸のポリグリコ
ールエステル脂肪酸の脂肪アルコールエステル (10)アルコール系滑剤;多価アルコールポリグリコー
ルポリグリセロール (11)金属石けん;ラウリン酸、ステアリン酸、リシノ
ール酸、ナフテン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸とLi、
Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Al、Sn、Pb等の金属との化合
物 耐熱性支持体と多層共押出しエクストルージョン塗布
層との接着方法は、従来から行われている方法で行われ
る。例えば、耐熱性支持体表面に下記の各種表面処理法
を適用した後に150℃以上、好ましくは200℃以上、特に
好ましくは250℃以上の高温加熱により接着層及び表面
層(必要なら中間層を含む)に用いる樹脂を溶融した状
態でダイ内Tダイ法やダイ外Tダイ法により多層共押出
しエクストルージョン塗布を行う。各層間の温度差は30
℃以内、好ましくは15℃以内にすることが各層間の接着
強度、ネックイン、樹脂劣化防止等の点から必要であ
る。接着層の樹脂温度を280℃以上にすると耐熱性支持
体表面に接着強度向上の為の表面処理を行なわなくても
接着強度を確保できる。
耐熱性支持体と、多層共押出しエクストルージョン塗
布層との接着強度を向上させるために、各種の表面処理
法を用いることができる。
代表例を以下に記す。
なお、これらを2種以上併用してもよく、またAC処理
と組み合わせてもよい。
フレーム(火焔)処理…ランニングコストが高く火災の
危険性が有る。
プラズマ処理法…アルゴンガス等をプラズマに変換し、
接着面を処理する。物理強度はコロナ放電処理の数倍に
なるが、装置コストもコロナ放電処理機の数十倍かか
る。
コロナ放電処理…処理可能な基材は紙、各種ポリマーフ
ィルム、シート、アルミニウム箔、アルミニウム真空蒸
着フィルム等である。もっとも多く用いられている安価
で効果の大きい処理である。
サンドブラスト処理…高圧でけい石等を吹きつけて表面
を粗面化する。
化学薬品処理…重クロム酸溶液等で表面処理する。
オゾン処理…オゾンを充填したボックス内で表面処理す
る。エクストルージョン塗布用の樹脂温度を低下させて
も接着強度が向上する。
プレヒート処理…エクストルージョン塗布しようとする
耐熱性支持体をヒータードラムや熱風等で加熱処理す
る。
その他、紫外線照射処理、高周波加熱処理、電気誘導
加熱処理、マイクロウェーブ処理等がある。
また、耐熱性支持体と、多層共押出しエクストルージ
ョン塗布層の接着強度を向上させるために、AC剤を用い
てもよい。ラミネート業界で使用されている接着促進剤
または架橋剤を総称してAC剤(Anchor Coating Agent)
と呼んでいる。このAC剤は単なる接着剤と異なり、化学
的に接着する意味で接着剤とは区別してPrimerあるいは
Adhesive Promoter等とも呼ばれる。
AC剤の代表例を次に記す。
(1)有機チタネート(チタン系)アンカーコート剤Te
tra−propyl−titanateあるいはTetra−iso−butyl−ti
tanateを主成分にし、加水分解調整剤としてTetra−ste
aryl−titanateを添加して使用する。
(2)ポリエチレンイミン(イミン系)アンカーコート
剤 ポリエチレンイミン(−CH2−CH2−NH−n)の比較的
高重合度のものが用いられる。管理が容易でポットライ
フ(貯蔵寿命)が長いことから特に好ましい。
(3)イソシアネート系アンカーコート剤 イソシアネート基をもったポリマーを単独で用いるも
の(1液型)とOH基をもったポリエステル等と組合わせ
て用いるもの(2液型)があり、いずれも架橋等の化学
反応を起こし、接着効果があらわれる。欠点はポットラ
イフが短く高価なことである。
(4)ポリエステル系及びウレタン系アンカーコート剤 飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂を酢酸エチル、
トルエン等の溶剤に溶かして用いる。
(5)ポリオレフィン系アンカーコート剤 (6)ポリブタジエン系アンカーコート剤 AC剤は極薄の厚さで形成するのがよい。AC剤のコーテ
ィング方法としは、グラビアロールコーティング法、キ
スロールコーティング法、滴下コーティング法、バーコ
ーティング法、リバースロールコーティング法、ダイレ
クトロールコーティング法エアナイフコーティング法等
が利用される。
本発明の写真感光材料用包装材料は、各種製品の包装
に用いることができるが、特に、ロール状感光材料と共
に巻かれる遮光紙として、例えば、ロール状感光材料と
遮光紙が重ね巻きされて、カートリッジに入っている11
0サイズ、126サイズのいわゆるカートリッジタイプのロ
ール状感光材料用遮光紙として、また遮光紙のほぼ中央
部に写真フィルムを接着テープで固定した遮光紙とロー
ル状感光材料がフランジ付のスプールに巻き込まれてい
るいわゆる120サイズのロール状感光材料の遮光紙とし
て、ロール状感光材料の先端にリーダー遮光紙および写
真フィルムの先端にリーダー遮光紙を接着テープで接合
したいわゆる220サイズのロール状感光材料の遮光紙と
して、ピーラータイプのインスタント写真フィルム用遮
光紙としておよび明室装填用マガジンレス包装体の遮光
紙や包装部材として用いられる。
また、ICや高感度写真感光材料用包装袋や各種写真感
光材料の包装袋、および遮光箱、遮光マガジン用内貼
り、外貼り用遮光紙としても好適である。
適用可能な写真感光材料の代表例を以下に記載する。
(1)ハロゲン化銀写真感光材料(レントゲン用フィル
ム、印刷用フィルム、カラー印画紙、カラーフィルム、
印刷用マスター紙、DTR感光材料、電算写植フィルム及
びペーパー、マイクロフィルム、映画用フィルム、自己
現像型写真感光材料、直接ポジ型フィルム及びペーパー
等) (2)ジアゾニウム写真感光材料(4−モルフォリノベ
ンゼンジアゾニウムクロフィルム、マイクロフィルム、
複写用フィルム、印刷用版材等) (3)アジド、ジアジド系写真感光材料(パラアジドベ
ンゾエード、4,4′ジアジドスチルベン等を含む感光材
料、例えば複写用フィルム、印刷用版材等) (4)キノンジアジド系写真感光材料(オルソーキノン
ジアジド、オルソーナフトキノンジアジド系化合物、例
えばベンゾキノン(1,2)−ジアジド−(2)−4−ス
ルフォン酸フェニルエーテル等を含む感光材料、例えば
印刷用版材、複写用フィルム、密着用フィルム等) (5)フォトポリマー(ビニル系モノマー等を含む感光
材料、印刷用版材、密着用フィルム等) (6)ポリビニル桂皮酸エステル系(例えば印刷用フィ
ルム、IC用レジスト等) 本発明の包装材料を例えば上記の写真感光材料に適用
する場合、一重平袋、二重平袋、自立袋、一重ガゼット
袋、二重ガゼット袋、スタンデングパウチ、手提袋など
のほか、積層フィルム、防湿箱の内貼り、明室装填遮光
マガジンの内貼り、遮光紙、リーダー紙、ガイド紙等公
知のあらゆる形態に使用可能である。
製袋の方法は使用する積層フィルムの性質に応じて、
ヒートシール、溶断シール、インパルスシール、超音波
シール、高周波シールなど、従来公知のプラスチックフ
ィルムのシール法などを用いることができる。
〔作用〕
本発明の写真感光材料用包装材料は、耐熱性支持体に
二層以上の遮光性多層共押出しエクストルージョン塗布
層を重層塗布するので、塗布層の一方の層に液切れ等が
発生しても、他方の層が補償し遮光性、防湿性等を確実
に確保する。
また接着層は接着性ポリオレフィン樹脂を含むので、
耐熱性支持体に充分に接着し、さらに水分や揮発分の影
響による発泡、膜切れ、膜割れ等が発生しない。表面層
はエチレン共重合体樹脂を含むので、接着層との接着性
が良好で溶融押出し塗布時の表面層樹脂温度が低くても
接着性が確保され、かつ、水分や揮発分による発泡、膜
切れ、膜割れを生じない。
表面層に多量のカーボンブラックを含み、各層に導電
性物質、帯電防止剤を含むことができるので遮光性と共
に優れた帯電防止性を発揮する。
〔実施例〕
本発明の写真感光材料用包装材料の実施例及び参考例
を第1図ないし第6図に基づいて説明する。
第1図ないし第6図は写真感光材料用包装材料の層構
成を示す部分断面図である。
第1図の写真感光材料用包装材料は本発明の実施例で
あって、耐熱性支持体1に、遮光性物質を含む接着層2a
と遮光性物質を含む表面層3aとからなる多層共押出しエ
クストルージョン塗布層4aが接着層2a面に重層塗布され
ている。
第2図の写真感光材料用包装材料は参考例であって、
遮光性物質を含む耐熱性支持体1aに、接着層2と遮光性
物質を含む表面層3aからなる多層共押出しエクストルー
ジョン塗布層4aが接着層2面に重層塗布されている。
第3図の写真感光材料用包装材料は本発明の実施例で
あって、遮光性物質を含む耐熱性支持体1aに、遮光性物
質を含む接着層2aと遮光性物質を含む表面層3aからなる
多層共押出しエクストルージョン塗布層4aが接着層2a面
に重層塗布されている。
第4図の写真感光材料用包装材料は本発明の実施例で
あって、第3図に示す写真感光材料用包装材料の反塗布
面に、印刷6と保護層5を付与したものである。
第5図の写真感光材料用包装材料は本発明の実施例で
あって、遮光性物質を含む耐熱性支持体1aの両面に、遮
光性物質を含む接着層2aと遮光性物質を含む表面層3aと
からなる多層共押出しエクストルージョン塗布層4a、4a
が重層塗布されている。
第6図の写真感光材料用包装材料は参考例であって、
遮光性物質を含む遮光性熱可塑性樹脂膜9aを外層とし遮
光性物質を含む遮光性熱可塑性樹脂膜10aを内層とする
遮光性多層共押出しインフレーションフィルム11aから
なる耐熱性支持体1aの遮光性熱可塑性樹脂膜10aに、接
着層2と遮光性物質を含む表面層3aとからなる多層共押
出しエクストルージョン塗布層4aが重層塗布されてい
る。
本発明品1 層構成が第4図に相当する遮光紙である。
耐熱性支持体1aは、ファーネスカーボンブラックを5
重量%含む坪量70g/m2の晒クラフト紙である。
多層共押出しエクストルージョン塗布層4aは、接着層
2aが、ポリエチレン樹脂に無水マレイン酸をグラフト重
合した接着性ポリオレフィン樹脂(ノバテックAP、三菱
化成工業KK製)20重量%、MIが7.0g/10分で密度が0.919
g/cm3の高圧法分岐状低密度ホモポリエチレン樹脂77重
量%、ファーネスカーボンブラック3重量%からなり、
樹脂組成の含水率が100PPMである厚さ10μmのポリエチ
レン系樹脂層であり、表面層3aが、アセチレンブラック
(デンカブラック、電気化学KK製)6重量%、MIが10g/
10分で密度が0.910g/cm3のエチレン・ブテン−1共重合
体樹脂(出光ポリエチレンL 1014D、出光石油化学KK
製)84重量%、ポリエチレン樹脂に無水マレイン酸をグ
ラフト重合した接着性ポリオレフィン樹脂(ノバテック
AP、三菱化成工業KK製)10重量%からなり、樹脂組成の
含水率が300PPMである厚さ30μmのポリエチレン系樹脂
層である。
印刷6は、グラビアインキを用いた。
保護層5は、ラッカー層である。
エクストルージョン塗布は、接着層2aの樹脂温度を30
0℃、表面層3aの樹脂温度を290℃として行なった。
この遮光紙はピンホールの発生が皆無で、塗布速度は
120m/分であり、ブロッキングの発生もなかった。
また、スタチックの発生や光カブリの発生もなく、柔
軟度も15gと品質的にも優れたものであった。さらに価
格も従来品のEVA樹脂溶液塗工タイプに比較し20%コス
トダウンとなり、残留溶剤、大気汚染のない経済的にも
社会的にも優れたものであった。
参考品I 層構成が第2図に相当する遮光紙である。
耐熱性支持体1aは、導電性カーボンブラック(ダイヤ
ブラックA、三菱化成KK製)6重量%、と硫酸アルミニ
ウム2.5重量%含む坪量70g/m2の晒クラフト紙である。
多層共押出しエクストルージョン塗布層4aは、接着層
2が、接着性ポリオレフィン樹脂(ADMER、三井石油化
学KK製)10重量%、MIが7.0g/10分、密度が0.919g/cm3
の高圧法分岐状低密度ホモポリエチレン樹脂90重量%か
らなり、樹脂組成の含水率が70PPMである厚さ5μmの
ポリエチレン系樹脂層であり、表面層3aが、カーボンブ
ラック(ダイヤブラック44B、三菱化成KK製)6重量
%、MIが2.4g/10分で密度が0.923g/cm3の高圧法分岐状
低密度ポリエチレン樹脂9重量%(カーボンブラック濃
度40%のマスターバッチとして15重量%使用)、MIが11
g/10分、密度が0.912g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン
系樹脂組成(エチレン・ブテン−1共重合体樹脂80重量
%と高圧法分岐状低密度ホモポリエチレン樹脂20重量%
を配合したペレット状樹脂)84.8重量%、非イオン系界
面活性剤(エレクトロストリッパ−TS−3、花王KK製)
0.2重量%からなり、樹脂組成の含水率が230PPMである
厚さ30μmのポリエチレン系樹脂層である。
エクストルージョン塗布は、接着層2の樹脂温度を31
0℃、表面層の樹脂温度を300℃で行なった。
この遮光紙は本発明品Iと同様に、遮光性、帯電防止
性、塗布適性、耐ピンホール性が優れており、本発明品
Iよりさらに5%コストダウンとなった。また、表面層
用樹脂組成の含水率は、含水率の高い40%のカーボンブ
ラック入マスターバッチを用いても、目的カーボンブラ
ック濃度にするためにはマスターバッチを少量用いるだ
けでよいため230PPMと少なく、樹脂温度を300℃にして
も水分の影響による発泡や膜切れや膜割れの発生がな
く、塗布速度150m/分が可能であった。
参考品II 層構成が第2図に相当する包装材料である。
耐熱性支持体1aは、ファーネスカーボンブラック5重
量%を含む坪量70g/m2の紙である。
多層共押出しエクストルージョン塗布層4aは、接着層
2が、接着性樹脂である変性エチレン共重合体樹脂(ア
ドマー、三井石油化学製)20重量%、MIが5.1g/10分で
密度が0.919g/cm3の高圧法分岐状低密度ホモポリエチレ
ン樹脂80重量%とからなり、厚さ5μmのポリエチレン
系樹脂層であり、表面層3aが、MIが10g/10分で密度が0.
910g/cm3のポリエチレン系樹脂(低圧法エチレン・ブテ
ン−1共重合体樹脂80重量%、高圧法分岐状低密度ホモ
ポリエチレン樹脂20重量%を配合した樹脂)79.9重量
%、ファーネスカーボンブラック20重量%、酸化カルシ
ウム0.1重量%からなり、厚さ10μmのポリエチレン系
樹脂層である。
この包装材料は、K−16写真フィルム、K−35写真フ
ィルム、220写真フィルム、120写真フィルム等に適用す
る遮光紙やピールアパートタイプのインスタント写真フ
ィルムパック用遮光リーダー紙や、ロール状明室装填用
感光材料包装体の遮光リーダー紙としてスタチックマー
クの発生がなく遮光性を確保できる優れた特性を有する
安価な包装材料であった。
参考品III 層構成が第6図に相当する包装材料である。
耐熱性支持体1aである遮光性多層共押出しインフレー
ションフィルム11aは、遮光性熱可塑性樹脂膜9aが、MI
0.4g/10分で密度が0.964g/cm3の高密度ホモポリエチレ
ン樹脂96.9重量%、非イオン系界面活性剤(エレクトロ
ストリッパ−TS−3、花王KK製)0.10重量%、ファーネ
スカーボンブラック3重量%からなる、厚さ40μmの遮
光性高密度ホモポリエチレン系樹脂膜であり、遮光性熱
可塑性樹脂膜10aが、MIが2.1g/10分で密度が0.920g/cm3
のエチレン・4メチルペンテン−1共重合体樹脂87重量
%、MIが1.1g/10分、密度が0.954g/cm3の高密度ホモポ
リエチレン樹脂10重量%、ファーネスカーボンブラック
3重量%からなり、厚さ40μmの遮光性エチレン共重合
体樹脂膜である。
多層共押出しエクストルージョン塗布層4aは、参考品
IIと同一の厚さ15μmの遮光性二層共押出しエクストル
ージョン塗布層である。
この包装材料は明室装填用帯状感光材料の包装体を作
成するための包装材料として、帯電防止性、遮光性、易
開封性が非常に優れている。
比較品I 参考品IIと同一の耐熱性支持体である坪量70g/m2の遮
光紙に、参考品IIの表面層3aと同一樹脂組成で厚さ15μ
mの単層のエクストルージョン塗布層を押出し塗布して
遮光性包装材料を得た。
この遮光性包装材料は、遮光紙とエクストルージョン
塗布層との接着強度が非常に小さく、使用サイズに裁断
することさえ不可能であり、実用的でなかった。
〔発明の効果〕
本発明の写真感光材料用包装材料は、以上のように構
成したので、耐熱性支持体と遮光性多層共押出エクスト
ルージョン塗布層との接着強度が大きい。又ブロッキン
グ、印刷面の汚染、大気汚染等を発生させることなく、
帯電防止性および遮光性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
第1図から第6図は、本発明の写真感光材料用包装材料
の実施例及び参考例の部分断面図である。 1,1a…耐熱性支持体 2,2a…接着層 3a…表面層 4a…多層共押出しエクストルージョン塗布層 9a…遮光性熱可塑性樹脂膜 10a…遮光性熱可塑性樹脂膜 11a…遮光性多層共押出しインフレーションフィルム a…遮光性物質を含むことを示す

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】耐熱性支持体と、該耐熱性支持体に各層間
    の温度差が30℃以内で重層塗布した遮光性多層共押出し
    エクストルージョン塗布層とを有し、該遮光性多層共押
    出しエクストルージョン塗布層中の耐熱性支持体面側の
    接着層は、含水率が0.5重量%以下であり、遮光性物質
    を5重量%未満、不飽和カルボン酸類のグラフト率が0.
    01〜10%の接着性ポリオレフィン樹脂を5重量%以上含
    み、かつ厚さが1〜50μmであり、該遮光性多層共押出
    しエクストルージョン塗布層中の反耐熱性支持体面側の
    表面層は、カーボンブラックを5重量%以上、メルトイ
    ンデックスが2g/10分以上のエチレン共重合体樹脂を10
    重量%以上含み、かつ厚さが3〜70μmであることを特
    徴とする写真感光材料用包装材料
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