JP2771806B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2771806B2
JP2771806B2 JP61110384A JP11038486A JP2771806B2 JP 2771806 B2 JP2771806 B2 JP 2771806B2 JP 61110384 A JP61110384 A JP 61110384A JP 11038486 A JP11038486 A JP 11038486A JP 2771806 B2 JP2771806 B2 JP 2771806B2
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洋文 近藤
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、真空蒸着やスパッタリング等の真空薄膜形
成技術等の手法により非磁性支持体上に強磁性金属薄膜
を磁性層として形成した、いわゆる強磁性金属薄膜型の
磁気記録媒体に関するものである。 〔発明の概要〕 本発明は、非磁性支持体上に強磁性金属薄膜を磁性層
として形成してなる磁気記録媒体において、 磁性層である強磁性金属薄膜にカルボン酸フッ化アル
キルエステルを潤滑剤として被着し、 あらゆる使用条件下においても優れた走行性,耐摩耗
性,耐久性を発揮する磁気記録媒体を提供しようとする
ものである。 〔従来の技術〕 従来より磁気記録媒体としては、非磁性支持体上にγ
−Fe2O3,Coを含有するγ−Fe2O3,Fe3O4,Coを含有するFe
3O4,γ−Fe2O3とFe3O4とのベルトライド化合物,Coを含
有するベルトライド化合物,CrO2等の酸化物強磁性粉末
あるいはFe,Co,Ni等を主成分とする合金磁性粉末等の粉
末磁性材料を塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体,ポリ
エステル樹脂,ポリウレタン樹脂等の有機バインダー中
に分散せしめた磁性塗料を塗布・乾燥することにより作
製される塗布型の磁気記録媒体が広く使用されている。 これに対して、高密度磁気記録への要求の高まりとと
もに、Co−Ni合金等の強磁性金属材料を、メッキや真空
薄膜形成技術(真空蒸着法やスパッタリング法,イオン
プレーティング法等)によってポリエステルフィルムや
ポリイミドフィルム等の非磁性支持体上に直接被着し
た、いわゆる強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体が提案さ
れ、注目を集めている。この強磁性金属薄膜型磁気記録
媒体は、抗磁力や角形比等に優れ、短波長での電磁変換
特性に優れるばかりでなく、磁性層の厚みを極めて薄く
することが可能であるため記憶減磁や再生時の厚み損失
が著しく小さいこと、磁性層中に非磁性材である有機バ
インダーを混入する必要がないため磁性材料の充填密度
を高めることができること等、数々の利点を有してい
る。 しかしながら、上述の強磁性金属薄膜型の磁気記録媒
体では、磁性層表面の平滑性が極めて良好であるために
実質的な接触面積が大きくなり、凝着現象(いわゆるは
りつき)が起こり易くなったり摩擦係数が大きくなる
等、耐久性や走行性等に欠点が多く、その改善が大きな
課題となっている。一般に、磁気記録媒体は磁気信号の
記録・再生の過程で磁気ヘッドとの高速相対運動のもと
におかれ、その際走行が円滑に、かつ安定な状態で行わ
れなければならない。また、磁気ヘッドとの接触による
摩耗や損傷はなるべく少ないほうがよい。 そこで例えば、上記磁気記録媒体の磁性層、すなわち
強磁性金属薄膜表面に潤滑剤を塗布して保護膜を形成す
ることにより、上記耐久性や走行性を改善することが試
みられている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 ところで、上述のように潤滑剤を塗布して保護膜を形
成した場合には、この保護膜が磁性層である強磁性金属
薄膜に対して良好な密着性を示し、かつ高い潤滑効果を
発揮することが要求される。また、これら密着性や潤滑
効果は、熱帯,亜熱帯地方等のように高温多湿の条件下
でも、寒冷地のように低温の条件下でも優れたものでな
ければならない。 しかしながら、従来広く用いられている潤滑剤の使用
温度範囲は限られており、特に、0〜−5℃のような低
温下では固体化または凍結するものが多く、充分にその
潤滑効果を発揮させることができなかった。 そこで本発明は、如何なる使用条件下においても密着
性や潤滑性が保たれ、かつ長期に亘り潤滑効果が持続す
る潤滑剤を提供し、走行性,耐久性に優れた磁気記録媒
体を提供することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者等は、上述の目的を達成せんものと鋭意研究
の結果、脂肪族カルボン酸とパーフルオロアルコールの
エステルであるカルボン酸フッ化アルキルエステルが広
い温度範囲に亘って良好な潤滑効果を発揮することを見
出し本発明を完成するに至ったものであって、非磁性支
持体上に強磁性金属薄膜を形成し、前記強磁性金属薄膜
上にカルボン酸フッ化アルキルエステルを被着したこと
を特徴とするものである。 本発明で潤滑剤として使用されるカルボン酸フッ化ア
ルキルエステルは、一般式 RCOO(CH)jCkF2k+1 ……(I) (但し、上記一般式において、Rは炭化水素基であり、
j≧1,k≧4である。) で示される化合物である。ここで、カルボン酸の炭化水
素基Rは直鎖状,分枝状のいずれでもよく、また飽和,
不飽和の何れでもよい。さらに、上記炭化水素基Rは、
アリール基であってもよい。 一方、パーフルオロアルキル基(−CkF2k+1)の炭素
数kは4以上であるのが良いが、6以上とするのがより
好ましい。 カルボン酸フッ化アルキルエステルは、例えば相当す
る酸塩化物と含フッ素アルコールとの反応によって容易
に合成される。反応式を示せば次のようなものである。 上記酸塩化物は、市販の脂肪族カルボン酸を五塩化リ
ンPCl5あるいは塩化チオニルSOCl2で塩素化することに
よって容易に合成できる。特に、脂肪族カルボン酸の炭
素数が小さいものについては、塩化チオニルSOCl2で塩
素化することによって合成できる。反応式は下記の通り
である。 一方、フッ素含有アルコールCkF2k+1(CH2jOHにつ
いては、例えばシモンズ法等によって得られたパーフル
オロカルボン酸をジメチルホルムアミド(DMF)存在下
で塩素化した後、還元剤によって還元することにより容
易に合成することができる、反応式は下記の通りであ
る。 あるいは、一般式CkF2k+1CH2CH2OHで示されるパーフ
ルオロアルコール等も提供されている。 上述のように合成されるカルボン酸フッ化アルキルエ
ステルは、単独で潤滑剤として用いてもよいが、従来公
知の潤滑剤と混合して用い、さらに使用温度帯域の拡大
を図るようにしてもよい。 使用される潤滑剤としては、脂肪酸またはその金属
塩、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール
またはそのアルコキシド、脂肪族アミン、多価アルコー
ル、ソルビタンエステル、マンニッタンエステル、硫黄
化脂肪酸、脂肪族メルカプタン、変性シリコーンオイ
ル、パーフルオロアルキルエチレンオキシド、パーフル
オロポリエーテル類、高級アルキルスルホン酸またはそ
の金属塩、パーフルオロアルキルスルホン酸またはその
アンモニウム塩あるいはその金属塩、パーフルオロアル
キルカルボン酸またはその金属塩、パーフルオロアルキ
ルカルボン酸エステル等が例示される。 特に、一般式CnF2n+1COOR(但し、式中nは6〜10の
整数を表し、Rは炭素数1〜25の炭化水素基を表す。)
で示されるパーフルオロアルキルカルボン酸エステルも
低温特性が良好であることから、上記カルボン酸フッ化
アルキルエステルと併用するの好適である。 さらには、より厳しい使用条件に対処し、かつ潤滑効
果を持続させるために、重量比で30:70〜70:30程度の配
合比で極圧剤を併用してもよい。 上記極圧剤は、境界潤滑領域において部分的に金属接
触を生じたとき、これに伴う摩擦熱によって金属面と反
応し、反応生成物被膜を形成することにより摩擦・摩耗
防止作用を行うものであって、リン系極圧剤,イオウ系
極圧剤,ハロゲン系極圧剤,有機金属系極圧剤,複合型
極圧剤等が知られている。 具体的に例示すれば、上記リン系極圧剤としては、ト
リブチルホスフェート,トリオクチルホスフェート,ト
リ−2−エツルヘキシルホスフェート,トリラウリルホ
スフェート,トリオレイルホスフェート,ジブチルホス
フェート,ジオクチルホスフェート,ジ−2−エチルヘ
キシルホスフェート,ジラウリルホスフェート,ジオレ
イルホスフェート等のリン酸エステル、トリブチルホス
ファイト,トリオクチルホスファイト,トリ−2−エチ
ルヘキシルホスファイト,トリラウリルホスファイト,
トリオレイルホスファイト,ジブチルホスファイト,ジ
オクチルホスファイト,ジ−2−エチルヘキシルホスフ
ァイト,ジラウリルホスファイト,ジオレイルホスファ
イト等の亜リン酸エステル、ジブチルホスフェートブチ
ルアミン塩,ジブチルホスフェートオクチルアミン塩,
ジブチルホスフェートステアリルアミン塩,ジオクチル
ホスフェートブチルアミン塩,ジオクチルオスフェート
オクチルアミン塩,ジオクチルホスフェートラウリルア
ミン塩,ジオクチルホスフェートステアリルアミン塩,
ジ−2−エチルヘキシルホスフェートブチルアミン塩,
ジ−2−エチルヘキシルホスフェートオクチルアミン
塩,ジ−2−エチルヘキシルホスフェートラウリルアミ
ノ塩,ジ−2−エチルヘキシルホスフェートステアリル
アミン塩,ジラウリルホスフェートブチルアミン塩,ジ
ラウリルホスフェートオクチルアミン塩,ジラウリルホ
スフェートラウリルアミン塩,ジラウリルホスフェート
ステアリルアミン塩,ジオレイルホスフェートブチルア
ミン塩,ジオレイルホスフェートがオクチルアミン塩,
ジオレイルホスフェートラウリルアミン塩,ジオレイル
ホスフェートステアリルアミン塩等のリン酸エステルア
ミン塩が挙げられる。 上記イオウ系極圧剤としては、酸化抹香鯨油、硫黄化
ジベンテン等不飽和結合を有する鉱油、油脂や脂肪酸等
に硫黄を加えて加熱することにより製造される硫化油脂
類、二硫化ジベンジル,二硫化ジフェニル,二硫化ジ−
t−ブチル,二硫化ジ−sec−ブチル,二硫化ジ−n−
ブチル,二硫化ジ−t−オクチル,二硫化ジエチル等の
ジサルファイド類、硫化ベンジル,硫化ジフェニル,硫
化ジビニル,硫化ジメチル,硫化ジエチル,硫化ジ−t
−ブチル,硫化ジ−sec−ブチル,硫化ジ−n−ブチル
等のモノサルファイド類、三硫化ジメチル,三硫化ジ−
t−ブチル,ポリ硫化ジ−t−ノニル,オレフィンポリ
サルファイド等のポリサルファイド類、一般式または、 (但し、式中Rは炭化水素基を表す。) で示されるチオカーボネート類、元素硫黄等が挙げられ
る。 上記ハロゲン系極圧剤としては、臭化アリル,臭化オ
クタデシル,臭化シクロヘキシル,臭化ステアリル,臭
化ベンジル等の臭素化合物、ヨウ化ベンジル,ヨウ化ア
リル,ヨウ化ブチル,ヨウ化オクタデシル,ヨウ化シク
ロヘキシル等のヨウ素化合物、ヘキサクロロエタン,モ
ノクロルエタン,塩素化パラフィン,塩素化ジフェニ
ル,塩素化油脂,メチルクロロステアレート,ペンタク
ロロペンタジエン酸,ヘキサクロルナフテン酸化合物の
エステル,ヘキサクロナフテン酸化合物のイミド誘導体
等の塩素化合物が挙げられる。 上記有機金属系極圧剤としては、ジイソブチルジチオ
リン酸亜鉛,イソブチルペンチルジチオリン酸亜鉛,イ
ソプロピル−1−メチルブチルジチオリン酸亜鉛,イソ
ブチルノニルフェニルジチオリン酸亜鉛,イソブチルヘ
プチルフェニルジチオリン酸亜鉛,ジヘプチルフェニル
ジチオリン酸亜鉛,ジノニルフェニルジチオリン酸亜
鉛,モリブデンジチオフォスフェート等のチオリン酸塩
類、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛,ジエチルジチオ
カルバミン酸亜鉛,ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛,
エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛,ジベンジルジ
チオカルバミン酸亜鉛,ジメチルジチオカルバミン酸亜
鉛,ジメチルジチオカルバミン酸銅,ジメチルジチオカ
ルバミン酸鉄,ジエチルジチオカルバミン酸セレン,ジ
エチルジチオカルバミン酸銀等のチオカルバミン酸塩
類、モリブデン,アンチモン等の金属アルキルジチオカ
ルバミン酸塩類、等が挙げられる。 上記複合型極圧剤としては、ジ−2−エチルヘキシル
チオリン酸アミン等のジアルキルチオリン酸アミン類、
塩化プロピルホスフェート,臭化プロピルホスフェー
ト,ヨウ化プロピルホスフェート,塩化ブチルホスフェ
ート,臭化ブチルホスフェート,ヨウ化ブチルホスフェ
ート等に代表されるハロゲン化アルキルのリン酸エステ
ル類、クロロナフサザンテート等の他、一般式 (但し、各一般式中Rは水素原子またはアルキル基,ア
ルケニル基,アリール基を表す。) で示されるチオフォスフェート類、一般式 (但し、式中Rは水素原子またはアルキル基,アルケニ
ル基,アリール基を表す。) で示されるチオフォスファイト類等が効果が高い。 上述の極圧剤は単体で使用してもよいが、2種以上を
混合して使用することも可能である。 これらカルボン酸フッ化アルキルエステルを含有する
潤滑剤層を強磁性金属薄膜上に付着させる方法として
は、上記潤滑剤を溶媒に溶解して得られた溶液を強磁性
金属薄膜の表面に塗布もしくは噴射するか、あるいは逆
にこの溶液中に強磁性金属薄膜を浸漬し乾燥すればよ
い。 ここで、その塗布量は、0.5mg/m2〜100mg/m2であるの
が好ましく、1mg/m2〜20mg/m2であるのがより好まし
い。この塗布量があまり少なすぎると、摩擦係数の低
下、耐摩耗性・耐久性の向上という効果が顕れず、一方
あまり多すぎると、摺動部材と強磁性金属薄膜との間で
はりつき現象が起こり、却って走行性が悪くなる。 あるいは、上述の潤滑剤,極圧剤の他、必要に応じて
防錆剤を併用してもよい。 一般に、強磁性金属薄膜は金属材料により形成される
ことから錆易く、上記防錆剤の使用により耐蝕性が大幅
に改善される。したがって、上記カルボン酸フッ化アル
キルエステルを含有する潤滑剤の有する潤滑作用と相俟
って、磁気記録媒体の耐久性を向上することができる。 使用可能な防錆剤としては、通常この種の磁気記録媒
体の防錆剤として使用されるものであれば如何なるもの
であってもよく、例えばフェノール類、ナフトール類、
キノン類、ジアリールケトン、窒素原子を含む複素環化
合物、酸素原子を含む複素環化合物、硫黄原子を含む複
素環化合物、メルカプト基を有する化合物、チオカルボ
ン酸またはその塩、チアゾール系化合物等が挙げられ
る。具体的に例示すれば次の通りである。 先ず、上記フェノール類としては、二価フェノール、
アルキルフェノールあるいはニトロソフェノールが挙げ
られる。 上記二価フェノールとしては、ハイドロキノン,レゾ
ルシン,カテコール等の純フェノール類、及びそれらの
アルキル,アミノ,ニトロ,ハロゲノ置換体、例えば、
2−メチルハイドロキノン,4−メチルレゾルシノール,5
−メチルレゾルシノール,4−メチルピロカテコール,2,5
−ジメチルハイドロキノン,4,6−ジメチルレゾルシノー
ル,2,5−ジメチルレゾルシノール,2−イソプロピル−5
−メチルハイドロキノン,2−tert−ブチルハイドロキノ
ン,2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン,4−tert−ブ
チルカテコール,2−アミノレゾルシノール,2−レゾルシ
ノール,2,5−ジクロロヒドロキノン等が挙げられる。上
記アルキルフェノールとは、一価フェノールのアルキル
置換体を指し、例えば、o−クレゾール,m−クレゾー
ル,p−クレゾール,o−エチルフェノール,m−エチルフェ
ノール,p−エチルフェノール,2,3−ジメチルフェノー
ル,2,5−ジメチルフェノール,2,6−ジメチルフェノー
ル,3,4−ジメチルフェノール,3,5−ジメチルフェノー
ル,2,4,6−トリメチルフェノール,2,4,5−トリメチルフ
ェノール,5−イソプロピル−2−メチルフェノール,p−
tert−ブチルフェノール,2,6−ジ−tert−ブチル−p−
クレゾール,4,4′−メチレンビス2,6−ジ−tert−ブチ
ルフェノール,2,6−ジメチル−4−tert−ブチルフェノ
ール,2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール等が挙げら
れる。 上記ニトロソフェノールとしては、例えば、4−ニト
ロソ−2−メトキシ−1−フェノール,4−ニトロソ−2
−エトキシ−1−フェノール,6−ニトロソ−o−クレゾ
ール,4−ニトロソ−m−クレゾール,o−ニトロソフェノ
ール,2−ニトロソフェノール,2−ニトロソレゾルシン,4
−ニトロソレゾルシン,p−ニトロソフェノール等が挙げ
られる。 次に、上記ナフトール類としては、α−ナフトール,
β−ナフトール,1,2−ナフタレンジオール,1,3−ナフタ
レンジオール,1,4−ナフタレンジオール,1,5−ナフタレ
ンジオール,1,7−ナフタレンジオール,1,8−ナフタレン
ジオール,2,3−ナフタレンジオール,1,4,5−ナフタレン
トリオール,1,2,5,8−ナフタレンテトラオール等の純ナ
フトール類、及びニトロ,ニトロソ,アミノ,ハロゲノ
置換ナフトール類、例えば1−クロロ−2−ナフトー
ル,2,4−ジクロロ−1−ナフトール,1−ニトロ−2−ナ
フトール,1,6−ジニトロ−2−ナフトール,1−ニトロソ
−2−ナフトール,2−ニトロソ−1−ナフトール,1−ア
ミノ−2−ナフトール等が挙げられる。 上記キノン類としては、p−ベンゾキノン,o−ベンゾ
キノン,1,2−ナフトキノン,1,4−ナフトキノン,2,6−ナ
フトキノン,アントラキノン,9,10−フエナントレンキ
ノン,ジフェノキノン等の置換基のないキノン類、メチ
ル−p−ベンゾキノン,2,3−ジメチル−p−ベンゾキノ
ン,2−メチル−1,4−ナフトキノン,2−メチルアントラ
キノン等のメチルキノン類、2,5−ジヒドロキシ−p−
ベンゾキノン,テトラヒドロキシ−p−ベンゾキノン,5
−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン,2,3−ジヒドロキシ
−1,4−ナフトキノン,5,8−ジヒドロキシ−1,4−ナフト
キノン,2−ヒドロキシアントラキノン,1,2−ジヒドロキ
シアントラキノン,1,2,3−トリヒドロキシアントラキノ
ン,1,2,4−トリヒドロキシアントラキノン,1,2,5−トリ
ヒドロキシアントラキノン,1,2,6−トリヒドロキシアン
トラキノン,1,2,7−トリヒドロキシアントラキノン等の
ヒドロキシキノン類、2−アミノアントラキノン,1,2−
ジアミノアントラキノン等のアミノキノン類、1−ニト
ロアントラキノン,1,5−ジニトロアントラキノン等のニ
トロキノン類、2,6−ジクロロ−p−ベンゾキノン,テ
トラクロロ−p−ベンゾキノン,テトラブロモ−p−ベ
ンゾキノン等のハロゲノキノン類、あるいは2種以上の
置換基を有するキノン類、例えば2,5−ジクロロ−3,6−
ジヒドロキシ−p−ベンゾキノン,1−メチル−2−ヒド
ロキシ−1,4−ナフトキノン等が挙げられる。 上記ジアリールケトンとしては、ベンゾフェノン及び
その誘導体が挙げられ、例えばベンゾフェノン,4−メチ
ルベンゾフェノン,3−メチルベンゾフェノン,3,4−ジメ
チルベンゾフェノン,4,4′−ジメチルベンゾフェノン,
3,4′−ジメチルベンゾフェノン,4−エチルベンゾフェ
ノン等のアルキル置換体、4−ヒドロキシベンゾフェノ
ン,4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン,2,3,4−トリヒ
ドロキシベンゾフェノン,2,4−ジヒドロキシベンゾフェ
ノン,2,2′,5,6′−テトラヒドロキシベンゾフェノン,
2,3′,4,4′,6−ペンタヒドロイシベンゾフェノン等の
ヒドロキシベンゾフェノン類、4−アミノベンゾフェノ
ン,4,4′−ジアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフ
ェノン類、あるいは2種以上の置換基を有するベンゾフ
ェノン類、例えば4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾ
フェノン,2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフ
ェノン等が挙げられる。 上記窒素原子を含む複素環化合物としては、アクリジ
ン、2,2′,2″−テルピリジルネオクプロイン、2,2′−
ジピリジルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリ
アゾール、バソフェナントロリン、1,10−フェエナント
ロリン、アルデヒドコリジン、ベンジルピリジン、フェ
ニルピリジン、キナゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾ
ール等の他、フェノール性水酸基を有する化合物、例え
ば4−(2−ピリジルアゾ)−レゾルシン,1−(2−ピ
リジルアゾ)−2−ナフトール,4−キノリノール,4−メ
チル−2−キノリノール,8−キノリノール,キノリンジ
オール等、カルボキシル基を有する化合物、例えばキヌ
レン酸,アクリジン酸,アトファン,キルナジン酸,シ
ンコニン酸,イソニコチン酸,2,5−ピリジンジカルボン
酸,キニン酸等、アミノ酸又はイミノ基を有する化合
物、例えば2−アミノベンズイミダゾール,5−アミノ−
1H−テトラゾール,5−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾー
ル,アデニン,グアニン,ルミノール,2−ヒドラジノキ
ノリン,チアミン等、カルボニル基を有する化合物、例
えばリボフラビン,テオブロミン,アラントイン,アロ
キサン,2−チオバルビツール酸,ビオルル酸,イサチ
ン,ヒダントイン,チミン,バルビツール酸,オロチン
酸,ウラシル,スクシンイミド,クレアチニン,2−ピロ
リドン等が挙げられる。 上記酸素原子を含む複素環化合物としては、トコフェ
ロール,モリン,ケルセチン,アスコルビン酸,無水1,
8−ナフタル酸,レゾルフィン,コウジ酸,デヒドロ酢
酸,オキサゾール,3−アミノフタルイミド,4−アミノフ
タルイミド,ウルジン,チミジン,グアノシン,無水イ
アト酸等が挙げられる。 上記硫黄原子を含む複素環化合物としては、スルホラ
ン,3−ヒドロキシスルホラン,3−メチルスルホラン,ス
ルホレン,3−ヒドロキシスルホレン,3−メチルスルホレ
ン,ローダニン,3−アミノローダニン,チアゾリン−4
−カルボン酸,4H−1,4−チアジン,ビオチン,3,6−チオ
キサンテンジアミン,3,6−チオキサンテンジアミン−1
0,10−ジオキシド等が挙げられる。 上記メルカプト基を有する化合物としては、2−ベン
ゾオキサゾールチオール,チオフェノール,チオサリチ
ル酸,プロパンチオール,チオウラシル,2,3−キノキサ
リンジチオール,ジチゾン,チオオキシン,2−ベンズイ
ミダゾールチオール,6−チオグアニン,5−ニトロ−2−
ベンズイミダゾールチオール,5−アミノ−1,3,4−チア
ゾール−2−チオール等が挙げられる。 上記チオカルボン酸またはその塩としては、ジエチル
ジチオカルバミン酸ナトリウム,エタンチオ酸,ルベア
ン酸,チオアセトアミド,エタンジチオ酸等が挙げられ
る。 上記チアゾール系化合物としては、ビスムチオールI
I,ジアゾスルフィド,アゾスルフィム,1,3,4−チアジア
ゾール,ビスムチオール,ビアズチオール,ベンゾチア
ゾール,2−メチルベンゾチアゾール,2−(p−アミノフ
ェニル)−6−メチルベンゾチアゾール,2−メルカプト
ベンゾチアゾール,ベンゾチアゾリン,2−ベンゾチアゾ
リン,ベンゾチアゾロン等が挙げられる。 上記防錆剤は、上記潤滑剤と混合して用いてもよい
が、例えば強磁性金属薄膜の表面に先ず上記防錆剤を塗
布し、しかる後上記カルボン酸フッ化アルキルエステル
を含有する潤滑剤を塗布するというように、2層以上に
分けて被着すると効果が高い。 このように2層に分けて塗布する場合には、上記防錆
剤の塗布量としては、先の潤滑剤と同様、0.5mg/m2〜10
0mg/m2であるのが好ましく、1mg/m2〜20mg/m2であるの
がより好ましい。塗布量があまり少なすぎると、耐蝕性
改善の効果が不足し、逆に多過ぎると走行性等に問題が
生ずる。 本発明が適用される磁気記録媒体は、非磁性支持体上
に磁性層として強磁性金属薄膜を設けたものであるが、
ここで非磁性支持体の素材としては、ポリエチレンテレ
フタレート等のポリエステル類、ポリエチレン,ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテ
ート,セルロースダイアセテート,セルロースアセテー
トブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル,
ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボネー
ト,ポリイミド,ポリアミドイミド等のプラスチック、
アルミニウム合金,チタン合金等の軽金属、アルミナガ
ラス等のセラミックス等が挙げられる。この非磁性支持
体の形態としては、フィルム,シート,ディスク,カー
ド,ドラム等のいずれでもよい。 上記非磁性支持体には、その表面に山状突起やしわ状
突起,粒状突起等の突起を1種以上を形成し、表面粗さ
をコントロールしてもよい。 上記山状突起は、例えば高分子フィルム製膜時に粒径
500〜3000Å程度の無機微粒子を内添することにより形
成され、高分子フィルム表面からの高さは100〜1000
Å,密度はおよそ1×104〜10×104個/mm2とする。山状
突起を形成するために使用される無機微粒子としては、
炭酸カルシウム(CaCO3)やシリカ,アルミナ等が好適
である。 上記しわ状突起は、例えば特定の混合溶媒を用いた樹
脂の希薄溶液を塗布乾燥することにより形成される起伏
であって、その高さは0.01〜10μm,好ましくは0.03〜0.
5μm、突起間の最短間隔は0.1〜20μmとする。このし
わ状突起を形成するための樹脂としては、ポリエチレン
テレフタレート,ポリエチレンナフタレート等の飽和ポ
リエステル、ポリアミド、ポリスチロール、ポリカーボ
ネート、ポリアクリレート、ポリスルホン、ポリエーテ
ルスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リビニルブチラール、ポリフェニレンオキサイド、フェ
ノキシ樹脂等の各種樹脂の単体,混合体または共重合体
であり、可溶性溶剤を有するものが適している。そし
て、これらの樹脂をその良溶媒に溶解せしめた樹脂濃度
1〜1000ppmの溶液に、その樹脂の貧溶媒であって前記
良溶媒より高い沸点を有する溶媒を樹脂に対して10〜10
0倍量添加した溶液を、高分子フィルムの表面に塗布・
乾燥することにより、非常に微細なしわ状凹凸を有する
薄層を得ることができる。 粒状突起は、アクリル樹脂等の有機超微粒子またはシ
リカ,金属粉等の無機微粒子を球状あるいは半球状に付
着させることにより形成される。この粒状突起の高さ
は、50〜500Å,密度は1×106〜50×106個/mm2程度と
する。 これら突起の少なくとも一種以上を形成すれば磁性層
である強磁性金属薄膜の表面性が制御されるが、2種以
上を組み合わせることにより効果が増し、特に山状突起
を設けたベースフィルム上にしわ状突起とつぶ状突起を
形成すれば、極めて耐久性,走行性が改善される。 この場合、突起の全体としての高さは、100〜2000Å
の範囲内であることが好ましく、その密度は1mm2当り平
均で1×105〜1×107個であることが好ましい。 また、上記磁性層である強磁性金属薄膜は、真空蒸着
法やイオンプレーティング法,スパッタリング法等の真
空薄膜形成技術により連続膜として形成される。 上記真空蒸着法は、10-4〜10-8Torrの真空下で強磁性
金属材料を抵抗加熱,高周波加熱,電子ビーム加熱等に
より蒸発させ、ディスク基板上に蒸発金属(強磁性金属
材料)を沈着するというものであり、一般に高い抗磁力
を得るため基板に対して上記強磁性金属材料を斜めに蒸
着する斜方蒸着法が採用される。あるいは、より高い抗
磁力を得るために酸素雰囲気中で上記蒸着を行うものも
含まれる。 上記イオンプレーティング法も真空蒸着法の一種であ
り、10-4〜10-3Torrの不活性ガス雰囲気中でDCグロー放
電,RFグロー放電を起こして、放電中で上記強磁性金属
材料で蒸発させるというものである。 上記スパッタリング法は、10-3〜10-1Torrのアルゴン
ガスを主成分とする雰囲気中でグロー放電を起こし、生
じたアルゴンガスイオンでターゲット表面の原子をたた
き出すというものであり、グロー放電の方法により直流
2極,3極スパッタ法や、高周波スパッタ法、またはマグ
ネトロン放電を利用したマグネトロンスパッタ法等があ
る。このスパッタリング法による場合には、CrやW,V等
の下地膜を形成しておいてもよい。 なお、上記のいずれの方法においても、基板上にあら
かじめBi,Sb,Pb,Sn,Ga,In,Cd,Ge,Si,Tl等の下地金属層
を被着形成しておき、基板面に対して垂直方向から成膜
することにより、磁気異方性の配向がなく面内等方性に
優れた磁性層を形成することができ、例えば磁気ディス
クとする場合には好適である。 このような真空薄膜形成技術により金属磁性薄膜を形
成する際に、使用される強磁性金属材料としては、Fe,C
o,Ni等の金属の他に、Co−Ni合金,Co−Pt合金,Co−Ni−
Pt合金,Fe−Co合金,Fe−Ni合金,Fe−Co−Ni合金,Fe−Co
−B合金,Co−Ni−Fe−B合金,Co−Cr合金あるいはこれ
らにCr,Al等の金属が含有されたもの等が挙げられる。
特に、Co−Cr合金を使用した場合には、垂直磁化膜が形
成される。 このような手法により形成される磁性層の膜厚は、0.
04〜1μm程度である。 また、非磁性支持体の前記磁性層が設けられる面とは
反対側の面に、いわゆるバックコート層を形成してもよ
い。バックコート層は、結合剤樹脂と粉末成分とを有機
溶媒に混合分散させたバックコート用塗料を非磁性支持
体面に塗布することにより形成される。 ここで、バックコート用塗料に使用される結合剤樹脂
としては、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、
塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−ア
クリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリ
ロニトリル共重合体、熱可塑性ポリウレタンエラストマ
ー、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニト
リル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合
体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロー
ス誘導体、ポリエステル樹脂、ポリブタジエン等の合成
ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレ
タン硬化型樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリ
コーン樹脂、アクリル系反応樹脂、エポキシ−ポリアミ
ド樹脂、ニトロセルロース−メラミン樹脂、高分子量ポ
リエステル樹脂とイソシアナートプレポリマーの混合
物、メタクリル酸塩共重合体とジイソシアナートプレポ
リマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシ
アナートとの混合物、尿素ホルムアルデヒド樹脂、低分
子量グリコール/高分子量ジオール/トリフェニルメタ
ントリイソシアナートの混合物、ポリアミン樹脂及びこ
れらの混合物等が挙げられる。 あるいは、粉末成分の分散性の改善を図るために、親
水性極性基を持った結合剤樹脂を使用してもよい。 具体的には、 (式中、Mは水素原子またはアルカリ金属を表し、M′
は水素原子,アルカリ金属または炭化水素基を表す。)
から選ばれた親水性極性基を導入したポリウレタン樹
脂,ポリエステル樹脂,塩化ビニル−酢酸ビニル系共重
合体,塩化ビニリデン系共重合体,アクリル酸エステル
系共重合体、ブタジエン系共重合体等が使用可能であ
る。 上記親水性極性基の導入方法としては、樹脂の種類に
応じて種々の方法が考えられるが、例えばポリウレタン
樹脂やポリエステル樹脂に上記親水性極性基を導入する
には次のような方法によればよい。 (1)ポリウレタン又はポリエステルの原料である2塩
基酸あるいはポリオール等に前記親水性極性基を予め導
入しておく方法。 (2)末端若しくは側鎖にOH基を残存させておき、この
OH基を親水性極性基を持った化合物により変性する方
法。 (2)の方法による場合には、 (2)−1 分子中に親水性極性基とハロゲン(例えば塩素)を含
有する化合物と、原料に多官能のポリオールを用いポリ
マー鎖の末端若しくは側鎖にOH基が残存したポリウレタ
ン樹脂またはポリエステル樹脂とを、両成分が溶解性の
あるジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の
溶剤に溶解し、ピリジン,ピコリン,トリエチルアミン
等のアミン類やエチレンオキサイド,プロピレンオキサ
イド等のエポキシ化合物等の脱塩酸剤の存在下でのOH基
と塩素との脱塩酸反応により親水性極性基を導入する方
法。 (2)−2 分子中に親水性極性基とOH基とを含有する化合物と、
ポリマー鎖の末端若しくは側鎖にOH基が残存したポリウ
レタン樹脂またはポリエステル樹脂とを、ジイソシアナ
ート化合物を介して反応させる方法。 がある。 また、上記共重合体系結合剤樹脂に親水性極性基を導
入するには、 (3)共重合モノマーとして、親水性極性基及び共重合
可能な二重結合を有する化合物を使用する方法。 (4)共重合モノマーとして、活性水素及び共重合可能
な二重結合を有する化合物を使用し、共重合体の側鎖に
上記活性水素を導入しておき、親水性極性基及び上記活
性水素と反応可能な基を有する化合物により変性する方
法。 (5)共重合モノマーとして、活性水素と反応可能な基
及び共重合可能な二重結合を有する化合物を使用し、共
重合体の側鎖に上記活性水素と反応可能な基を導入して
おき、親水性極性基及び上記活性水素を有する化合物に
より変性する方法。 等が挙げられる。 一方、上記粉末成分としては、導電性を付与するため
のカーボン系微粉末(例えば、ファーネスカーボン,チ
ャンネルカーボン,アセチレンカーボン,サーマルカー
ボン,ランプカーボン等が挙げられるが、なかでもファ
ーネスカーボンやサーマルカーボンが好適である。)、
無機顔料(表面粗度のコントロール及び耐久性向上のた
めに添加されるα−FeOOH,α−Fe2O3,Cr2O3,TiO2,ZnO,S
iO,SiO2,SiO2・2H2O,Al2O3・2SiO2・2H2O,3MgO・4SiO2
・H2O,MgCO3・Mg(OH2)・3H2O,Al2O3,CaCO3,MgCO3,Sb2
O3等)が挙げられる。 さらに、上記バックコート用塗料の有機溶剤として
は、アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチル
ケトン,シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸メチ
ル,酢酸エチル,酢酸ブチル,乳酸エチル,酢酸グリコ
ールモノエチルエーテル等のエステル系溶剤、グリコー
ルジメチルエーテル,グリコールモノエチルエーテル,
ジオキサン等のグリコールエーテル系溶剤、ベンゼン,
トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサ
ン,ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、メチレンクロ
ライド,エチレンクロライド,四塩化炭素,クロロホル
ム,エチレンクロルヒドリン,ジクロルベンゼン等の塩
素化炭化水素系溶剤等、汎用の溶剤を用いることができ
る。 前述のバックコート層には潤滑剤を併用してもよい。
この場合、上記バックコート層中に潤滑剤を内添する方
法、あるいはバックコート層上に潤滑剤を被着する方法
がある。いずれにしても、上記潤滑剤としては、脂肪
酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、金属石鹸、脂肪族
アルコール、パラフィン、シリコーン等、従来より周知
の潤滑剤が使用できる。 これら潤滑剤を例示すれば、先ず、脂肪酸としては、
ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ベヘン案、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等
の炭素数が12以上の飽和脂肪酸あるいは不飽和脂肪酸が
使用できる。 脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸エチル、ステ
アリン酸ブチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸モ
ノグリセリド、オレイン酸モノグリセリド等が使用でき
る。 脂肪酸アミドとしては、カプロン酸アミド、カプリン
酸アミド、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ス
テアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミ
ド、リノール酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミ
ド、エチレンビスステアリン酸アミド等が使用できる。 金属石鹸としては、前述の脂肪酸のZn,Pb,Ni,Co,Fe,A
l,Mg,Sr,Cu等との塩、あるいはラウリルスルホン酸,パ
ルミチルスルホン酸,ミリスチルスルホン酸,ステアリ
ルスルホン酸,ベヘニルスルホン酸,オレイルスルホン
酸,リノールスルホン酸,リノレンスルホン酸等のスル
ホン酸と上記金属との塩等が使用できる。 脂肪族アルコールとしては、セチルアルコール、ステ
アリルアルコール等が使用できる。 パリフィンとしては、n−ノナデカン、n−トリデカ
ン、n−ドコサン等の飽和炭化水素が使用できる。 シリコーンとしては、水素がアルキル基またはフェニ
ル基で部分置換されたポリシロキサン及びそれらを脂肪
酸、脂肪族アルコール、脂肪酸アミド等で変性したもの
等が使用できる。 さらには、先の磁性層表面に付着される潤滑剤層と同
様のカルボン酸フッ化アルキルエステルを含有する潤滑
剤を使用してもよい。 〔作用〕 カルボン酸フッ化アルキルエステルを含む潤滑剤層
は、強磁性金属薄膜に付着し良好な潤滑作用を発揮して
摩擦係数を低減する。特に、カルボン酸フッ化アルキル
エステルは、低温下においても良好な潤滑効果を発揮す
る。 〔実施例〕 以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。 先ず、以下の合成例にしたがってカルボン酸フッ化ア
ルキルエステルを合成した。 合成例1 市販のオレイン酸,リノール酸,リノレン酸,ミリス
チン酸,パルミチン酸をそれぞれ五塩化リン(PCl5)あ
るいは塩化チオニル(SOCl2)で塩素化し、相当するカ
ルボン酸クロライドを得た。なお、ブタン酸クロライド
は市販のものを使用した。 一方、ペンタデカフルオロオクタン酸あるいはノナデ
カフルオロデカン酸をジメチルホルムアミド(DMF)を
触媒として塩化チオニル(SOCl2)で塩素化した後、水
素化リチウムアルミニウムで還元してペンタデカフルオ
ロ−1−オクタノール及びノナデカフルオロ−1−デカ
ノールを合成した。 次いで、上記ペンタデカフルオロ−1−オクタノール
あるいはノナデカフルオロ−1−デカノールをトリエチ
ルアミンとともにクロロホルムに溶解させ、氷冷下で先
に合成したカルボン酸クロライドのいずれか1種を30分
かけて滴下した。滴下終了後、一晩常温で撹拌した。こ
れを水、5%希塩酸、NaHCO3水溶液、水の順で洗浄した
後、真空蒸留して精製した。 以上の合成方法に従い、カルボン酸クロライドの種類
を変えて、化合物1〜化合物8を合成した。得られた化
合物の沸点及び収率を第1表に示す。 生成物の確認は、赤外分光分析(IR)及び質量分析
(MASS)によって行った。例えばオレイン酸ペンタデカ
フルオロオクチルエステルの場合には、1360〜1100cm-1
にかけてCF結合特有の吸収が見られること、1760cm-1
エステルのC=Oの吸収が見られること、3020cm-1及び
2930cm-1にCHの伸縮振動による吸収が見られること、等
から確認した。また質量分析によるマススペクトルで、
664の分子イオンピークM+が存在することも、この構造
を支持している。なお、上記質量分析は、日本電子社
製,質量分析計DX303を用いて行い、ガスクロマトグラ
フにより単一成分であることを確認してから測定した。 合成例2 先の合成例1の合成方法に従い、カルボン酸クロライ
ド及びパーフルオロアルコールの種類を変えて、化合物
9〜化合物17を合成した。得られた化合物の構造式を第
2表に示す。 実施例1 14μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに斜
め蒸着法によりCoを被着させ、膜厚1000Åの強磁性金属
薄膜を形成した。 次に、この強磁性金属薄膜表面に、第1表に示すカル
ボン酸フッ化アルキルエステル(先の合成例で合成した
化合物1)0.48gを800gのフレオンに溶解した溶液を塗
布し、8mm幅に裁断してサンプルテープを作製した。 実施例2〜実施例17 カルボン酸フッ化アルキルエステルとして先の第1表
及び第2表に示す化合物2〜化合物17を用い、他は実施
例1と同様の方法によりサンプルテープを作製した。 作製された各サンプルテープについて、温度25℃,相
対湿度(RH)50%、および−5℃の各条件下での動摩擦
係数及びシャトル耐久性を測定した。この動摩擦係数
は、材質がステンレス(SUS304)のガイドピンを用い、
一定のテレションをかけ5mm/secの速度で送り、試験し
たものである。また、シャトル耐久性は、1回につき2
分間のシャトル走行を行い、出力が−3dB低下までのシ
ャトル回数で評価した。スチル耐久性はポーズ状態での
出力の−3dBまでの減衰時間を評価した。なお、比較例
として、全く潤滑剤を被着しないブランクテープについ
ても測定した。結果を第3表(1)及び第3表(2)に
示す。 この表からも明らかなように、本発明の各実施例は、
常温,低温の各条件下で動摩擦係数が小さく、走行が極
めて安定しており、また100回往復走行後もテープ表面
の損傷は全く見られなかった。また、耐久性も極めて良
く、150回シャトル走行を行っても出力の−3dB低下は見
られなかった。これに対して、潤滑剤層のない比較例の
テープでは、摩擦係数が往復走行回数が多くなるにつれ
て大となり、走行も不安定でテープの摩耗が見られ、耐
久性も悪いものであった。 〔発明の効果〕 以上の説明からも明らかなように、本発明において
は、強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体の潤滑剤としてカ
ルボン酸フッ化アルキルエステルを用いているので、如
何なる温度条件下においても動摩擦係数を小さくするこ
とができ、走行安定性や耐摩耗性に優れた磁気記録媒体
とすることができる。 特に、カルボン酸フッ化アルキルエステルの凝固点温
度が低いことから、低温下での使用時に効果が大きい。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.非磁性支持体上に強磁性金属薄膜を形成し、前記強
    磁性金属薄膜上に一般式RCOO(CH2jCkF2k+1(但し、
    式中Rは炭化水素基であり、j≧1,k≧4である。)で
    表されるカルボン酸フッ化アルキルエステルを含む潤滑
    剤を被着したことを特徴とする磁気記録媒体。
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