JP2526545B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2526545B2
JP2526545B2 JP61079514A JP7951486A JP2526545B2 JP 2526545 B2 JP2526545 B2 JP 2526545B2 JP 61079514 A JP61079514 A JP 61079514A JP 7951486 A JP7951486 A JP 7951486A JP 2526545 B2 JP2526545 B2 JP 2526545B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、真空蒸着やスパッタリング等の真空薄膜形
成技術等の手法により非磁性支持体上に強磁性金属薄膜
を磁性層として形成した、いわゆる強磁性金属薄膜型の
磁気記録媒体に関するものである。
〔発明の概要〕
本発明は、非磁性支持体上に強磁性金属薄膜を磁性層
として形成してなる磁気記録媒体において、 磁性層である強磁性金属薄膜上にカルボン酸パーフル
オロアルキルエステル及びパーフルオロポリエーテルよ
りなるトップコート層を形成し、 あらゆる使用条件下においても優れた走行性,耐摩耗
性,耐久性を発揮する磁気記録媒体を提供しようとする
ものである。
〔従来の技術〕
従来より磁気記録媒体としては、非磁性支持体上にγ
−Fe2O3,Coを含有するγ−Fe2O3,Fe3O4,Coを含有するFe
3O4,γ−Fe2O3とFe3O4とのベルトライド化合物,Coを含
有するベルトライド化合物,CrO2等の酸化物強磁性粉末
あるいはFe,Co,Ni等を主成分とする合金磁性粉末等の粉
末磁性材料を塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体,ポリ
エステル樹脂,ポリウレタン樹脂等の有機バインダー中
に分散せしめた磁性塗料を塗布・乾燥することにより作
製される塗布型の磁気記録媒体が広く使用されている。
これに対して、高密度磁気記録への要求の高まりとと
もに、Co−Ni合金等の強磁性金属材料を、メッキや真空
薄膜形成技術(真空蒸着法やスパッタリング法,イオン
プレーティング法等)によってポリエステルフィルムや
ポリイミドフィルム等の非磁性支持体上に直接被着し
た、いわゆる強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体が提案さ
れ、注目を集めている。この強磁性金属薄膜型磁気記録
媒体は、抗磁力や角形比等に優れ、短波長での電磁変換
特性に優れるばかりでなく、磁性層の厚みを極めて薄く
することが可能であるため記録減磁や再生時の厚み損失
が著しく小さいこと、磁性層中に非磁性材である有機バ
インダーを混入する必要がないため磁性材料の充填密度
を高めることができること等、数々の利点を有してい
る。
しかしながら、上述の強磁性金属薄膜型の磁気記録媒
体では、磁性層表面の平滑性が極めて良好であるために
実質的な接触面積が大きくなり、凝着現象(いわゆるは
りつき)が起こり易くなったり摩擦係数が大きくなる
等、耐久性や走行性等に欠点が多く、その改善が大きな
課題となっている。一般に、磁気記録媒体は磁気信号の
記録・再生の過程で磁気ヘッドとの高速相対運動のもと
におかれ、その際走行が円滑に、かつ安定な状態で行わ
れなければならない。また、磁気ヘッドとの接触による
摩耗や損傷はなるべく少ないほうがよい。
そこで例えば、上記磁気記録媒体の磁性層、すなわち
強磁性金属薄膜上に潤滑剤を塗布して保護膜を形成する
ことにより、上記耐久性や走行性を改善することが試み
られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで、上述のように潤滑剤を塗布して保護膜を形
成した場合には、この保護膜が磁性層である強磁性金属
薄膜に対して良好な密着性を示し、かつ高い潤滑効果を
発揮することが要求される。また、これら密着性や潤滑
効果は、熱帯,亜熱帯地方等のように高温多湿の条件下
でも、寒冷地のように低温の条件下でも優れたものでな
ければならない。
しかしながら、従来広く用いられている潤滑剤の使用
温度範囲は限られており、特に、0〜−5℃のような低
温下では固体化または凍結するものが多く、充分にその
潤滑効果を発揮させることができなかった。
そこで本発明は、如何なる使用条件下においても密着
性や潤滑性が保たれ、かつ長期に亘り潤滑効果が持続す
る潤滑剤よりなるトップコート層を強磁性金属薄膜上に
形成することにより、先行性,耐久性に優れた磁気記録
媒体を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、上述の目的を達成せんものと鋭意研究
の結果、脂肪族カルボン酸とパーフルオロアルコールの
エステルであるカルボン酸パーフルオロアルキルエステ
ル中にパーフルオロポリエーテルを添加した潤滑剤が広
い温度範囲に亘って良好な潤滑効果を発揮することを見
出し本発明を完成するに至ったものであって、非磁性支
持体上に強磁性金属薄膜を形成し、前期強磁性金属薄膜
上にカルボン酸パーフルオロアルキルエステル及びパー
フルオロポリエーテルよりなるトップコート層を形成し
たことを特徴とするものである。
本発明で潤滑剤として使用されるカルボン酸パーフル
オロアルキルエステルは、一般式 CnHmCOO(CH)jCkF2k+1 ……(I) (但し、上記一般式において、m≦2n+1,j≧0,k≦4で
ある。) で示される化合物である。ここで、カルボン酸のアルキ
ル基(−CnHm)は直鎖状,分枝状のいずれでもよく、ま
た二重結合を含んでいてもよい。一方、パーフルオロア
ルキル基(−CkF2k+1)の炭素数kは4以上であるのが
良いが、6以上とするのがより好ましい。
カルボン酸パーフルオロアルキルエステルは、例えば
相当する酸塩化物と含フッ素アルコールとの反応によっ
て容易に合成される。反応式を示せば次のようなもので
ある。
上記酸塩化物は、市販の脂肪族カルボン酸を五塩化リ
ンPCl5あるいは塩化チオニルSOCl2で塩素化することに
よって容易に合成できる。特に、脂肪族カルボン酸の炭
素数nが小さいものについては、塩化チオニルSOCl2
塩素化することによって合成できる。反応式は下記の通
りである。
フッ素含有アルコールCkF2k+1(CH2jOHについて
は、シモンズ法等によって得られたパーフルオロカルボ
ン酸をジメチルホルムアミド(DMF)存在下で塩素化し
た後、還元剤によって還元することにより容易に合成す
ることができる。反応式は下記の通りである。
一方、上記パーフルオロポリエーテル類は、一般式 CF3OCF(CF3)CF2 OCF2 yOCF3 ……(II) や、一般式 CF3OC2F4 OCF2 rOCF3 ……(III) で表されるポリエーテルやこれらポリエーテルの分子末
端に水酸基,カルボキシル基,リン酸基,スルホン酸基
またはこれらの塩、エステル基等の極性基が導入された
もの等が挙げられ、優れた潤滑性の他、耐酸化性を有す
るものである。なお、上記一般式中のx,y,q,rは整数
で、いずれも40〜500の範囲にあるものが好ましい。
上記パーフルオロポリエーテルを用いることにより、
より厳しい使用条件に対処し、かつ潤滑効果を持続させ
ることができる。
上述のカルボン酸パーフルオロアルキルエステル及び
パーフルオロポリエーテル類は、従来公知の潤滑剤と混
合して用い、さらに使用温度帯域の拡大等を図るように
してもよい。
使用される潤滑剤としては、脂肪酸またはその金属
塩、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール
またはそのアルコキシド、脂肪族アミン、多価アルコー
ル、ソルビタンエステル、マンニッタンエステル、硫黄
化脂肪酸、脂肪族メルカプタン、変性シリコーンオイ
ル、パーフルオロアルキルエチレンオキシド、パーフル
オロポリエーテル類、高級アルキルスルホン酸またはそ
の金属塩、パーフルオロアルキルスルホン酸またはその
アンモニウム塩あるいはその金属塩、パーフルオロアル
キルカルボン酸またはその金属塩、パーフルオロアルキ
ルカルボン酸エステル等が例示される。
特に、一般式CnF2n+1COOR(但し、式中nは6〜10の
整数を表し、Rは炭素数1〜25の炭化水素基を表す。)
で示されるパーフルオロアルキルカルボン酸エステルも
低温特性が良好であることから、上記カルボン酸パーフ
ルオロアルキルエステルと併用するのに好適である。
さらには、より厳しい使用条件に対処し、かつ潤滑効
果を持続するために、上記カルボン酸パーフルオロアル
キルエステル中に重量比で30:70〜70:30程度の配合比で
極圧剤を併用してもよい。
上記極圧剤は、境界潤滑領域において部分的に金属接
触を生じたとき、これに伴う摩擦熱によって金属面と反
応し、反応生成物被膜を形成することにより摩擦・摩耗
防止作用を行うものであって、リン酸エステル,亜リン
酸エステル又はリン酸エステルアミン塩等のリン系極圧
剤、硫化油脂,モノサルファイド又はポリサルファイド
等のイオウ系極圧剤、ヨウ素化合物,臭素化合物又は塩
素化合物等のハロゲン系極圧剤、チオリン酸塩,チオカ
ルバミン酸塩又は金属アルキルジチオカルバミン酸塩等
の有機金属系極圧剤、ジアルキルチオリン酸アミン,チ
オフォスフェート又はチオフォスファイト等の複合型極
圧剤等が知られている。
また、上述の潤滑剤,極圧剤の他必要に応じて防錆剤
を併用してもよい。
使用可能な防錆剤としては、通常この種の磁気記録媒
体の防錆剤として使用されるものであれば如何なるもの
でもよく、例えば二価フェノール,アルキルフェノール
あるいはニトロソフェノール等のフェノール類、純ナフ
トール又はニトロ,ニトロソ,アミノ,ハロゲノ置換ナ
フトール等のナフトール類、メチルキノン,ヒドロキシ
キノン,アミノキノン,ニトロキノン又はハロゲキノキ
ン等のキノン類、ベンゾフェノン及びその誘導体である
ヒドロキシベンゾフェノン,アミノベンゾフェノン等の
ジアリールケトン、アクリジン,4−キノリノール,キヌ
レン酸又はリボフラビン等の窒素原子を含む複素環化合
物、トコフェロール又はグアノシン等の酸素原子を含む
複素環化合物、スルホラン,スルホレン又はビチオン等
の硫黄原子を含む複素環化合物、チオフェノール,ジチ
ゾン又はチオオキシン等のメルカプト基を有する化合
物、エンタチオ酸又はルベアン酸等のチオカルボン酸ま
たはその塩、ジアゾスルフィド又はベンゾチアゾリン等
のチアゾール系化合物等が挙げられる。上記防錆剤は、
潤滑剤と混合させて用いても良いが、例えば強磁性金属
薄膜の表面に先ず上記防錆剤を塗布し、しかる後潤滑剤
を塗布するというように、2層以上に分けて被着すると
効果が高い。
これらカルボン酸パーフルオロアルキルエステル及び
パーフルオロポリエーテルを含有する潤滑剤層を強磁性
金属薄膜上に付着させる方法としては、上記潤滑剤を溶
媒に溶解して得られた溶液を強磁性金属薄膜の表面に塗
布もしくは噴霧するか、あるいは逆にこの溶液中に強磁
性金属薄膜を浸漬し乾燥すればよい。
ここで、その塗布量は、0.5mg/m2〜100mg/m2であるの
が好ましく、1mg/m2〜20mg/m2であるのがより好まし
い。この塗布量があまり少なすぎると、摩擦係数の低
下、耐摩耗性・耐久性の向上という効果が顕れず、一方
あまり多すぎると、摺動部材と強磁性金属薄膜との間で
はりつき現象が起こり、却って走行性が悪くなる。
本発明が適用される磁気記録媒体は、非磁性支持体上
に磁性層として強磁性金属薄膜を設けたものであるが、
ここで非磁性支持体の素材としては、ポリエチレンテレ
フタレート等のポリエステル類、ポリエチレン,ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテ
ート,セルロースダイアセテート,セルロースアセテー
トブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル,
ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボネー
ト,ポリイミド,ポリアミドイミド等のプラスチック、
アルミニウム合金,チタン合金等の軽金属、アルミナガ
ラス等のセラミックス等が挙げられる。この非磁性支持
体の形態としては、フィルム,シート,ディスク,カー
ド,ドラム等のいずれでもよい。
上記非磁性支持体には、その表面に山状突起やしわ状
突起,粒状突起等の突起を1種以上を形成し、表面粗さ
をコントロールしてもよい。
上記山状突起は、例えば高分子フィルム製膜時に粒径
500〜3000Å程度の無機微粒子を内添することにより形
成され、高分子フィルム表面からの高さは100〜1000
Å,密度はおよそ1×104〜10×104個/mm2とする。山状
突起を形成するために使用される無機微粒子としては、
炭酸カルシウム(CaCO3)やシリカ,アルミナ等が好適
である。
上記しわ状突起は、例えば特定の混合溶媒を用いた樹
脂の希薄溶液を塗布乾燥することにより形成される起伏
であって、その高さは0.01〜10μm,好ましくは0.03〜0.
5μm、突起間の最短間隔は0.1〜20μmとする。このし
わ状突起を形成するための樹脂としては、ポリエチレン
テレフタレート,ポリエチレンナフタレート等の飽和ポ
リエステル、ポリアミド、ポリスチロール、ポリカーボ
ネート、ポリアクリレート、ポリスルホン、ポリエーテ
ルスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リビニルブチラール、ポリフェニレンオキサイド、フェ
ノキシ樹脂等の各種樹脂の単体,混合体または共重合体
であり、可溶性溶剤を有するものが適している。そし
て、これらの樹脂をその良溶媒に溶解せしめた樹脂濃度
1〜1000ppmの溶液に、その樹脂の貧溶媒であって前記
良溶媒より高い沸点を有する溶媒を樹脂に対して10〜10
0倍量添加した溶液を、高分子フィルムの表面に塗布・
乾燥することにより、非常に微細なしわ状凹凸を有する
薄層を得ることができる。
粒状突起は、アクリル樹脂等の有機超微粒子またはシ
リカ,金属粉等の無機微粒子を球状あるいは半球状に付
着させることにより形成される。この粒状突起の高さ
は、50〜500Å,密度は1×106〜50×106個/mm2程度と
する。
これら突起の少なくとも一種以上を形成すれば磁性層
である強磁性金属薄膜の表面性が制御されるが、2種以
上を組み合わせることにより効果が増し、特に山状突起
を設けたベースフィルム上にしわ状突起とつぶ状突起を
形成すれば、極めて耐久性,走行性が改善される。
この場合、突起の全体としての高さは、100〜2000Å
の範囲内であることが好ましく、その密度は1mm2当り平
均で1×105〜1×107個であることが好ましい。
また、上記磁性層である強磁性金属薄膜は、真空蒸着
法やイオンプレーティング法,スパッタリング法等の真
空薄膜形成技術により連続膜として形成される。
上記真空蒸着法は、10-4〜10-8Torrの真空下で強磁性
金属材料を抵抗加熱,高周波加熱,電子ビーム加熱等に
より蒸発させ、ディスク基板上に蒸発金属(強磁性金属
材料)を沈着するというものであり、一般に高い抗磁力
を得るため基板に対して上記強磁性金属材料を斜めに蒸
着する斜方蒸着法が採用される。あるいは、より高い抗
磁力を得るために酸素雰囲気中で上記蒸着を行うものも
含まれる。
上記イオンプレーティング法も真空蒸着法の一種であ
り、10-4〜10-3Torrの不活性ガス雰囲気中でDCグロー放
電,RFグロー放電を起こして、放電中で上記強磁性金属
材料を蒸発させるというものである。
上記スパッタリング法は、10-3〜10-1Torrのアルゴン
ガスを主成分とする雰囲気中でグロー放電を起こし、生
じたアルゴンガスイオンでターゲット表面の原子をたた
き出すというものであり、グロー放電の方法により直流
2極,3極スパッタ法や、高周波スパッタ法、またはマグ
ネトロン放電を利用したマグネトロンスパッタ法等があ
る。このスパッタリング法による場合には、CrやW,V等
の下地膜を形成しておいてもよい。
なお、上記いずれの方法においても、基板上にあらか
じめBi,Sb,Pb,Sn,Ga,In,Cd,Ge,Si,Tl等の下地金属層を
被着形成しておき、基板面に対して垂直方向から成膜す
ることにより、磁気異方性の配向なく面内等方性に優れ
た磁性層を形成することができ、例えば磁気ディスクと
する場合には好適である。
このような真空薄膜形成技術により金属磁性薄膜を形
成する際に、使用される強磁性金属材料としては、Fe,C
o,Ni等の金属の他に、Co−Ni合金,Co−Pt合金,Co−Ni−
Pt合金,Fe−Co合金,Fe−Ni合金,Fe−Co−Ni合金,Fe−Co
−B合金,Co−Ni−Fe−B合金,Co−Cr合金あるいはこれ
らにCr,Al等の金属が含有されたもの等が挙げられる。
特に、Co−Cr合金を使用した場合には、垂直磁化膜が形
成される。
このような手法により形成される磁性層の膜厚は、0.
04〜1μm程度である。
また、非磁性支持体の磁性層が設けられる面とは反対
側に、いわゆるバックコート層を形成してもよい。バッ
クコート層は、塩化ビニル−酢酸ビニル,フェノール樹
脂又はポリフッ化ビニル並びにポリウレタン樹脂又はブ
タジエン系共重合体等の結合剤樹脂と導電性を付与する
ためのカーボン系微粉末又は表面粗度のコントロール及
び耐久性向上のために添加される無機顔料等の粉末成分
とをアセトン,メチルエチルケトン又はベンゼン等の有
機溶媒に混合分散させたバックコート用塗料を非磁性支
持体面に塗布することにより形成される。
前述のバックコート層には潤滑剤を使用してもよい。
この場合、上記バックコート層中に潤滑剤を内添する方
法、あるいはバックコート層上に潤滑剤を被着する方法
がある。いずれにしても、上記潤滑剤としては、脂肪
酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、金属石鹸、脂肪族
アルコール、パラフィン、シリコーン等従来より周知の
潤滑剤が使用できる。
〔作用〕
カルボン酸パーフルオロアルキルエステル及びパーフ
ルオロポリエーテルよりなる潤滑剤層は、強磁性金属薄
膜上にトップコート層として形成することにより良好な
潤滑作用を発揮して摩擦係数を低減する。特に、カルボ
ン酸パーフルオロアルキルエステルは、低温下において
も良好な潤滑効果を発揮する。
〔実施例〕
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
先ず、以下の合成例にしたがってカルボン酸パーフル
オロアルキルエステルを合成した。
合成例 市販のオレイン酸,リノール酸,リノレン酸,ミリス
チン酸,パルミチン酸をそれぞれ五塩化リン(PCl5)あ
るいは塩化チオニル(SOCl2)で塩素化し、相当するカ
ルボン酸クロライドを得た。なお、ブタン酸クロライド
は市販のものを使用した。
一方、ペンタデカフルオロオクタン酸あるいはノナデ
カフルオロデカン酸をジメチルホルムアミド(DMF)を
触媒として塩化チオニル(SOCl2)で塩素化した後、水
素化リチウムアルミニウムで還元してペンタデカフルオ
ロ−1−オクタノール及びノナデカフルオロ−1−デカ
ノールを合成した。
次いで、上記ペンタデカフルオロ−1−オクタノール
あるいはノナデカフルオロ−1−デカノールをトリエチ
ルアミンとともにクロロホルムに溶解させ、氷冷下で先
に合成したカルボン酸クロライドのいずれか1種を30分
かけて滴下した。滴下終了後、一晩常温で撹拌した。こ
れを水、5%希塩酸、NaHCO3水溶液、水の順で洗浄した
後、真空蒸留して精製した。
以上の合成方法に従い、カルボン酸クロライドの種類
を変えて化合物を8種類合成した。
生成物の確認は、赤外分光分析(IR)及び質量分析
(MASS)によって行った。例えばオレイン酸ペンタデカ
フルオロオクチルエステルの場合には、1360〜1100cm-1
にかけてCF結合特有の吸収が見られること、1760cm-1
エステルのC=Oの吸収が見られること、3020cm-1及び
2930cm-1にCHの伸縮振動による吸収が見られること、等
から確認した。また質量分析によるマススペクトルで、
644の分子イオンピークM+が存在することも、この構造
を支持している。なお、上記質量分析は、日本電子社
製,質量分析計DX303を用いて行い、ガスクロマトグラ
フにより単一成分であることを確認してから測定した。
合成例で合成した化合物を第1表に示す。
実施例1. 14μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに斜
め蒸着法によりCoを被着させ、膜厚1000Åの強磁性金属
薄膜を形成した。
次に、この強磁性金属薄膜表面上に、カルボン酸パー
フルオロアルキルエステル(1表に示す化合物1のオレ
イン酸ペンタフルオロオクチルエステル)0.48gを800g
のフレオンに溶解し、それに一般式 CF3−(O−CF−CF2−(O−CF2−O−CF3……
(IV) (式中、x:y=40:1) で示されるパーフルオロポリエーテル(商品名フォンブ
リン,モンテジソン社製)を1:1の割合で添加した溶液
を塗布し、8mm幅に裁断してサンプルテープを作成し
た。
実施例2〜実施例8 化合物1の代わりに化合物2〜化合物8を用い、他は
実施例1と同様の方法によりサンプルテープを作成し
た。
実施例9 カルボン酸パーフルオロアルキルエステル(第1表に
示す化合物9)とパーフルオロポリエーテル(商品名フ
ォンブリン,モンテジソン社製)を用い、両者を2:1の
割合で添加し、他は実施例1と同様の方法によりサンプ
ルテープを作成した。
実施例10 化合物9の代わりに化合物10を用い、他は実施例9と
同様な方法によりサンプルテープを作成した。
実施例11 カルボン酸パーフルオロアルキルエステル(第1表に
示す化合物11)とパーフルオロポリエーテル(商品名フ
ォンブリン,モンテジソン社製)を用い、両者を3:1の
割合で添加し、他は実施例1と同様の方法によりサンプ
ルテープを作成した。
実施例12 化合物11の代わりに化合物12を用い、他は実施例11と
同様な方法によりサンプルテープを作成した。
実施例13 カルボン酸パーフルオロアルキルエステル(第1表に
示す化合物13)とパーフルオロポリエーテル(商品名フ
ォンブリン,モンテジソン社製)を用い、両者を1:2の
割合で添加し、他は実施例1と同様の方法によりサンプ
ルテープを作成した。
実施例14 化合物13の代わりに化合物14を用い、他は実施例13と
同様の方法によりサンプルテープを作成した。
実施例15 カルボン酸パーフルオロアルキルエステル(第1表に
示す化合物15)とパーフルオロポリエーテル(商品名フ
ォンブリン,モンテジソン社製)を用い、両者を1:3の
割合で添加し、他は実施例1と同様の方法によりサンプ
ルテープを作成した。
作成された各サンプルテープについて、温度25℃,相
対湿度(RH)50%、および−5℃の各条件下での動摩擦
係数及びシャトル耐久性を測定した。この動摩擦係数
は、材質がステンレス(SUS304)のガイドピンを用い、
一定のテンションをかけ5mm/secの速度で送り、試験し
たものである。また、シャトル耐久性は、1回につき2
分間のシャトル走行を行い、出力が−3dB低下までのシ
ャトル回数で評価した。スチル耐久性はポーズ状態での
出力の−3dBまでの減衰時間を評価した。結果を第2表
(1)及び第2表(2)に示す。
この表からも明らかなように、本発明の各実施例は、
常温,低温の各条件下で動摩擦係数が小さく、走行が極
めて安定しており、また100回往復走行後もテープ表面
の損傷は全く見られなかった。また、耐久性も極めて良
く、150回シャトル走行を行っても出力の−3dB低下は見
られなかった。これに対して、潤滑剤層のない比較例の
テープでは、摩擦係数が往復走行回数が多くなるにつれ
て大となり、走行も不安定でテープの摩耗が見られ、耐
久性も悪いものであった。
さらに、強磁性金属薄膜上にパーフルオロポリエーテ
ル(商品名フォンブリン:実施例1記載のものと同
じ。)のみを添加した溶液を塗布し、他は実施例と同様
にサンプルテープを作成して、各実施例と同様、諸特性
を測定した。その結果、25℃での動摩擦係数0.35、シャ
トル耐久性60回、スチル耐久性10分、−5℃での動摩擦
係数0.40、シャトル耐久性25回、スチル耐久性4分であ
り、カルボン酸パーフルオロアルキルエステルと併用し
た各実施例と比べて大幅に特性が劣っていた。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明において
は、強磁性金属薄膜型の磁気記録媒体上にカルボン酸パ
ーフルオロアルキルエステル及びパーフルオロポリエー
テルよりなるトップコート層を潤滑剤層として形成して
いるので、如何なる温度条件下においても動摩擦係数を
小さくすることができ、走行安定性や耐摩耗性に優れた
磁気記録媒体とすることができる。
特に、カルボン酸パーフルオロアルキルエステルの凝
固点温度が低いことから、低温下での使用時に効果が大
きい。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に強磁性金属薄膜を形成
    し、前記強磁性金属薄膜上に、炭素数4〜18のカルボン
    酸と炭素数6以上のパーフルオロアルコールとの反応に
    よって得られたカルボン酸パーフルオロアルキルエステ
    ル及びパーフルオロポリエーテルよりなるトップコート
    層を形成したことを特徴とする磁気記録媒体。
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