JP2629725B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録媒
体に関するものであり、特にカルボン酸アミン塩を潤滑
剤とする磁気記録媒体に関するものである。
〔発明の概要〕
本発明は、非磁性支持体上に磁性層を有してなる磁気
記録媒体において、カルボン酸アミン塩を潤滑剤として
使用することにより、各種使用条件下においても優れた
走行性、耐摩耗性、耐久性等を発揮する磁気記録媒体を
提供しようとするものである。
〔従来の技術〕
例えば、強磁性金属材料を蒸着等の手法により非磁性
支持体上に被着し、これを磁性層とした所謂金属薄膜型
の磁気記録媒体や、非常に微細な磁性粒子と樹脂結合剤
とを含む磁性塗料を非磁性支持体上に塗布し、これを磁
性層とした所謂塗布型の磁気記録媒体では、磁性層表面
の平滑性が極めて良好であるため、磁気ヘッドやガイド
ローラー等の摺動部材に対する実質的な接触面積が大き
く、従って摩擦係数が大きくなり凝着現象(所謂貼付
き)が起き易く走行性や耐久性に欠ける等問題点が多
い。
そこで、これら問題点を改善するために各種の潤滑剤
を使用することが検討されており、従来より高級脂肪酸
やそのエステル等を上記磁気記録媒体の磁性層に内添し
たり、あるいはトップコートすることにより摩擦係数を
抑えようとする試みがされている。
ところで、磁気記録媒体に使用される潤滑剤には、そ
の性質上非常に厳しい特性が要求され、従来用いられて
いる潤滑剤では対応することが難しいのが現状である。
即ち、磁気記録媒体に使用される潤滑剤には、 特に寒冷地での使用に際しても所定の潤滑効果が確保
されるように低温特性に優れること、 磁気ヘッドとのスペーシングが問題となるので極めて
薄く塗布できること、又その場合にも充分な潤滑性が発
揮されること、 長時間、あるいは長期間の使用に耐え、潤滑効果が持
続すること、 等が要求される。
ところが、従来より使用されていた高級脂肪酸やその
エステル等、は0℃以下のような低温条件下では凍結し
て固体化し潤滑剤としての機能が損なわれたり、長期間
の耐久性に欠ける傾向にある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
以上のように、磁気記録媒体の分野においては、使用
される潤滑剤の能力不足に起因して、走行性、耐摩耗
性、耐久性等の実用特性に不満を残している。
そこで本発明は、各種使用条件下において優れた潤滑
性が保たれるとともに、長期間に亘り潤滑効果が持続さ
れ、走行性、耐摩耗性、耐久性等に優れた磁気記録媒体
を提供することを目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、上述の目的を達成せんものと鋭意研究
を重ねた結果、カルボン酸とアミン塩との合成物がその
目的に適合することを見出し本発明を完成するに至った
ものである。
即ち、本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に少
なくとも磁性層を有してなる磁気記録媒体がカルボン酸
アミン塩を保有してなることを特徴とするものである。
本発明のカルボン酸アミン塩は、カルボン酸とアミン
とから次式に従って容易に合成されるものである。
ここで、カルボン酸とアミン塩の数nは、1〜3であ
ることが好ましい。nが4以上では潤滑剤の取扱い等実
用上の問題が生じ、例えば非常に薄く塗布することが難
しくなる。
また、上記式中アミン塩を構成するR1,R2,R3は、いず
れかが水素,もしくは炭化水素基であることが好まし
く、上記炭化水素基は直鎖状であっても分枝状であって
も二重結合を含んでいても芳香環を含んでいてもよい。
さらに、上記炭化水素基Rは、直鎖状、分枝状、二重
結合を含んでいても、芳香環を含んでいてもよい。
これらR,R1,R2,R3のうち何れか一つは炭素数10以上の
炭化水素基であることが好ましく、炭素数が10より少な
い場合には潤滑効果が不足してしまう。
本発明の磁気記録媒体は、上記カルボン酸アミン塩を
潤滑剤として保有してなるものである。
ここで、本発明が適用される磁気記録媒体としては、
先ず磁性塗料を非磁性支持体表面に塗布することにより
磁性塗膜が磁性層として形成される、所謂塗布型の磁気
記録媒体が挙げられる。
塗布型の磁気記録媒体において、非磁性支持体や磁性
塗膜を構成する磁性粉末、樹脂結合剤等は従来公知のも
のがいずれも使用可能で、何等限定されるものではな
い。
例示するならば、非磁性支持体としては、ポリエステ
ル類、ポリオレフィン類、セルロース誘導体、ビニル系
樹脂、ポリイミド類、ポリアミド類、ポリカーボネート
等に代表されるような高分子材料により形成される高分
子支持体や、アルミニウム合金、チタン合金等からなる
金属基板、アルミナガラス等からなるセラミックス基
板、ガラス基板等である。その形状も何等限定されるも
のではなく、テープ状、シート状、ドラム状等、如何な
る形態であってもよい。さらに、この非磁性支持体に
は、その表面性をコントロールするために、微細な凹凸
が形成されるような表面処理が施されたものであっても
よい。
磁性粉末としては、γ−Fe2O3、コバルト被着γ−Fe2
O3等の強磁性酸化鉄系粒子、強磁性二酸化クロム系粒
子、Fe、Co、Ni等の金属やこれらを含んだ合金からなる
強磁性金属系粒子、六角板状の六方晶系フェライト微粒
子等が例示される。
樹脂結合剤としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニ
ルアルコール、塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、アクリ
ロニトリル等の重合体、あるいはこれら二種以上を組み
合わせた共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂等が例示される。これら結合剤には、
磁性粉体の分散性を改善するために、カルボン酸基やカ
ルボキシル基、リン酸基等の親水性極性基が導入されて
もよい。
磁性塗膜には、前記の磁性粉末、樹脂結合剤の他、添
加剤として分散剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤等が加
えられてもよい。
かかる塗布型の磁気記録媒体に前記カルボン酸アミン
塩を保有せしめる方法としては、第1図に示すように、
非磁性支持体(1)上に磁性塗膜として形成される磁性
層(2)中に内添する方法、第2図に示すように、磁性
層(2)の表面に潤滑剤層(3)をトップコートする方
法、あるいはこれら両者の併用等がある。
カルボン酸アミン塩を磁性塗膜中に内添する場合に
は、樹脂結合剤100重量部に対して0.2〜20重量部の範囲
で添加される。
カルボン酸アミン塩を磁性塗膜の表面にトップコート
する場合には、その塗布量は0.5〜100mg/m2であるのが
好ましく、1〜20mg/m2であるのがより好ましい。
なお、カルボン酸アミン塩をトップコートする場合に
その被着方法としては、当該カルボン酸アミン塩を溶媒
に溶解し得られた溶液を塗布もしくは噴霧するか、ある
いは逆にこの溶液中に磁気記録媒体を浸漬すればよい。
本発明は、さらに磁性塗料を非磁性支持体表面に蒸着
等の手法により磁性塗膜が磁性層として形成される、所
謂金属薄膜型の磁気記録媒体にも適用することが可能で
ある。また、この金属薄膜型の磁気記録媒体において
は、非磁性支持体と磁性層との間に下地層を介した構成
の磁気記録媒体に適用することもできる。
この場合にも、適用可能な金属薄膜型の磁気記録媒体
の非磁性支持体、金属磁性薄膜は何等限定されるもので
はなく、従来より知られるものが何れも使用できる。
例示するならば、非磁性支持体としては先の塗布型の
磁気記録媒体と同様のものが使用可能である。この場
合、非磁性支持体にAl合金板やガラス板等の剛性を有す
る基板を使用した場合には、基板表面にアルマイト処理
等の酸化皮膜やNi−P皮膜等を形成してその表面を硬く
するようにしてもよい。
金属磁性薄膜は、メッキやスパッタリング、真空蒸着
等のPVDの手法により連続膜として形成されるもので、F
e、Co、Ni等の金属やCo−Ni系合金、Co−Pt系合金、Co
−Ni−Pt系合金、Fe−Co系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Co
−Ni系合金、Fe−Ni−B系合金、Fe−Co−B系合金、Fe
−Co−Ni−B系合金等からなる面内磁化記録金属磁性膜
や、Co−Cr系合金薄膜、Co−O系薄膜等の垂直磁化記録
金属磁性薄膜が例示される。
特に、面内磁化記録金属磁性薄膜の場合、予め非磁性
支持体上にBi、Sb、Pb、Sn、Ga、In、Ge、Si、Tl等の低
融点非磁性材料の下地膜を形成しておき、金属磁性材料
を垂直方向から蒸着あるいはスパッタし、金属磁性薄膜
中にこれら低融点非磁性材料を拡散せしめ、配向性を解
消して面内等方性を確保するとともに、抗磁力を向上す
るようにしてもよい。
また、前述の如きハードディスクとする場合には、金
属磁性薄膜表面に、カーボン膜、ダイヤモンド状カーボ
ン膜、酸化クロム膜、SiO2膜等の硬質保護膜を形成する
ようにしてもよい。
かかる金属薄膜型の磁気記録媒体に前記カルボン酸ア
ミン塩を保有せしめる方法としては、第2図に示すよう
に、金属磁性薄膜表面や前記保護膜表面に潤滑剤層
(3)をトップコートする方法が挙げられる。この場
合、カルボン酸アミン塩の塗布量としては、やはり0.5
〜100mg/m2であることが好ましく、1〜20mg/m2である
ことがより好ましい。
上述のカルボン酸アミン塩は、単独で磁気記録媒体の
潤滑剤として使用してもよいが、従来公知の潤滑剤と組
み合わせて用いてもよい。あるいは、パーフルオロアル
キルカルボン酸エステル、カルボン酸パーフルオロアル
キルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸パーフ
ルオロアルキルエステル、あるいはこれらの誘導体と組
み合わせて使用することも可能である。
さらに、より厳しい条件に対処し潤滑効果を持続させ
るために重量比30:70〜70:30程度の配合比で極圧剤を併
用してもよい。
極圧剤は、境界潤滑領域において部分的に金属接触を
生じたときにこれに伴う摩擦熱によって金属面と反応
し、反応生成物皮膜を形成することにより摩擦・摩耗防
止作用を行うものであって、リン系極圧剤、イオウ系極
圧剤、ハロゲン系極圧剤、有機金属系極圧剤、複合型極
圧剤等のいずれも使用できる。
また、上述の潤滑剤、極圧剤の他、必要に応じて防錆
剤を併用してもよい。
防錆剤としては、通常この種の磁気記録媒体の防錆剤
として使用されるものであればいずれも使用でき、例え
ばフェノール類、ナフトール類、キノン類、窒素原子を
含む複素環化合物、酸素原子を含む複素環化合物、硫黄
原子を含む複素環化合物等である。
防錆剤は、カルボン酸アミン塩を含む潤滑剤と混合し
て用いてもよいが、第3図に示すように、非磁性支持体
(1)上に磁性層(2)を形成し、その上部に防錆剤層
(4)を塗布した後、潤滑剤層(5)を塗布するという
ように、2層以上に分けて被着すると効果が高い。
ところで、上述の塗布型の磁気記録媒体、金属薄膜型
の磁気記録媒体の何れにおいても、磁性層である磁性塗
膜、金属磁性薄膜の他に、バックコート層や下地層等が
必要に応じて形成されていてもよい。
例えば、バックコート層は磁性塗膜と同様の樹脂結合
剤に導電性を付与するためのカーボン系微粉末や表面粗
度をコントロールするための無機顔料を添加し塗布形成
されるものである。
本発明においては、このバックコート層に前述のカル
ボン酸アミン塩を潤滑剤として内添、あるいはトップコ
ートにより含有せしめてもよい。あるいは、磁性塗膜、
金属磁性薄膜とバックコート層にいずれもカルボン酸ア
ミン塩を潤滑剤として内添、トップコートする等、種々
の組み合わせも可能である。
〔作用〕
カルボン酸とアミンから合成されるカルボン酸アミン
塩は、良好な潤滑作用を発揮して摩擦係数を低減する。
また、この潤滑作用は低温下等の厳しい条件下において
も損なわれることはない。
したがって、このカルボン酸アミン塩を潤滑剤とする
磁気記録媒体は、カルボン酸アミン塩の前記潤滑作用に
より走行性の改善が図られ、耐久性も向上する。
〔実施例〕
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、
本発明はこの実施例に限定されるものではないことはい
うまでもない。
先ず、カルボン酸アミン塩の合成例を示す。
合成例1 市販のステアリン酸を再結晶させて精製させたもの
(融点69〜70℃)に、同じく市販のステアリルアミンを
再結晶させて精製させたもの(融点84〜85℃)を等モル
ずつ加え、エタノールに溶解させて反応させた後、濃縮
し、冷却後、濾過して以下に示す構造を有するステアリ
ン酸ステアリルアミン塩を得た。
また、上記ステアリン酸ステアリルアミン塩の元素分
析を行ったところ 測定値 C:78.32%,H:13075%,N:2.40% という結果を得た。分子式C36H75NO2とすると、理論的
な計算値は下記の通りである。
計算値 C:78.05%,H:13.65%,N:2.53% この結果からもこのアミン塩の構造式が確認される。
上述の合成例に従い、使用したカルボン酸やアミンの
種類を変えて第1表及び第2表に示すカルボン酸アミン
塩を合成した。
第1表及び第2表に示す合成物を使用して以下に示す
磁気記録媒体を作製した。
先ず、塗布型磁気記録媒体に適用して実施例を行っ
た。
実施例1 Co被着γ−Fe2O3 100 重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(U.C.C.社製 VAGH)
10.5重量部 ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン社製 M−5033)
10.5重量部 カーボン(帯電防止剤) 5 重量部 レシチン(分散剤) 1 重量部 メチルエチルケトン 150 重量部 メチルイソブチルケトン 150 重量部 上記組成物を基本組成物とし、該基本組成物に潤滑剤
として第1表中の合成物1を1.5重量部添加しボールミ
ルにて24時間混合してからフィルターを通して取り出
し、更に硬化剤を4重量部添加して30分間撹拌した。こ
の磁性塗料を12μm厚のポリエチレンテレフタレートベ
ース上に乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布し、磁
場配向を行った後乾燥し巻き取った。これをカレンダー
処理した後1/2インチ幅に裁断し、サンプルテープを作
製した。
実施例2〜実施例16 実施例1において、合成物1の代わりに第1表中の合
成物2〜合成物16を添加して、他の実施例1と同様の方
法によりサンプルテープを作製した。
比較例1 実施例1において、合成物1の代わりに何も潤滑剤と
して添加せず、他は実施例1と同様の方法によりサンプ
ルテープを作製した。
上述のようにして作製された各サンプルテープについ
て、温度25℃,相対湿度60%及び温度40℃,相対湿度80
%の場合についてエージング前後にわたり、その摩擦係
数及びスティックスリップについて測定を行った。その
結果を第3表及び第4表に示す。
上記第3表及び第4表より明らかなように、潤滑剤と
してカルボン酸アミン塩を使用することにより、摩擦係
数、スティックスリップは、各種条件でも劣化すること
なく非常に良好な結果が得られた。
次に、金属薄膜型磁気記録媒体(ハードディスク,下
地膜あり。)に適用した実施例について説明する。
実施例17 先ず、非磁性金属下地層として厚さ15μmのNi−Pメ
ッキ層を形成したAl−Mg合金基板(厚さ1.5mm、外径95m
m、内径25mm)を用意し、このメッキ層上に圧力1×10
-5Torr、基板温度150℃の条件でBiを電子ビーム蒸着し
て膜厚200Åの低融点金属下地膜を形成した。
次いでこの下地膜上に、同様に圧力1×10-5Torr、基
板温度150℃の条件でCoを電子ビーム蒸着し、膜厚1000
Åの金属磁性薄膜を形成し、さらに真空蒸着法によりこ
の金属磁性薄膜上にカーボン保護膜を形成した。
最後に、このカーボン保護膜の表面に、第1表中合成
物1で示す潤滑剤を被着して、サンプルディスクを作製
した。
実施例18〜実施例32 実施例17で潤滑剤として使用した合成物1を合成物2
〜合成物16に変え、他は実施例17と同様の方法によりサ
ンプルディスクを作製した。
上述のようにして得られた各サンプルディスクについ
て、コンタクト・スタート・ストップ(CSS)試験によ
り、20000回後の摩擦係数を調べた。その結果を第5表
及び第6表に示す。
第5表及び第6表より金属磁性薄膜の表面上にカーボ
ン保護膜を形成し、その上部に潤滑剤として第1表に示
す合成物を使用した各サンプルディスクにあっては、CS
S特性に優れ耐久性が向上したことがわかる。
さらに、金属薄膜型磁気記録媒体(蒸着テープ,下地
膜なし。)に適用した実施例について説明する。
実施例33 14μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに斜
め蒸着法によりCoを被着させ、膜厚1000Åの強磁性金属
薄膜を形成した。
次に、この強磁性金属薄膜表面に、第1表中の合成物
1をフレオンとエタノールの混合溶媒に溶解したもの
を、塗布量が5mg/m2となるように塗布し、8ミリ幅に裁
断してサンプルテープを作製した。
実施例34〜実施例48 実施例33において、潤滑剤として使用した第1表中の
合成物1を合成物2〜合成物16に変えて、他は実施例33
と同様の方法によりサンプルテープを作製した。
上述のようにして作製された各サンプルディスクにつ
いて、温度25℃,湿度60%の時、温度−5℃の時、温度
40℃,湿度30%の時の摩擦係数、スチル耐久性,シャト
ル耐久性について測定を行った。スチル耐久性はポーズ
状態での出力の−3dBまでの減衰時間を評価した。シャ
トル耐久性は、1回につき2分間のシャトル走行を行
い、出力が3dB低下するまでのシャトル回数で評価し
た。なお、比較例2として、全く潤滑剤を使用していな
いブランクディスクについても測定した。その結果を第
7表、第8表及び第9表に示す。
第7表、第8表及び第9表より明らかなように、潤滑
剤としてカルボン酸アミン塩を使用することにより、摩
擦係数、スチル耐久性シャトル耐久性等は、各種条件で
も劣化することなく非常に良好な結果が得られた。
次に、比較として炭化水素基の炭素数が10より少ない
カルボン酸アミン塩を用いた場合について説明する。
比較例3〜比較例5 実施例1において、合成物1の代わりに第10表に示す
カルボン酸アミン塩を添加して、他は実施例1と同様の
方法によりサンプルテープを作製した。
このようにして作製された各サンプルテープについ
て、温度25℃,相対湿度60%及び温度40℃,相対湿度80
%の場合についてエージング前後にわたり、その摩擦係
数及びスティックスリップについて測定を行った。その
結果を第11表に示す。
第11表から明らかなように、R,R1,R2,R3の炭素数が10
より少ないカルボン酸アミン塩を用いた場合には、特に
温度0℃。湿度80%条件下においてステッィスリップが
多発し、エージング後においては温度25℃,湿度60%条
件下においてもステッィスリップが発生するようにな
る。
このことから、良好な潤滑性を得るためにはカルボン
酸アミン塩のR,R1,R2,R3の少なくともいずれかは炭素数
が10以上の炭化水素基であることが必要であることがわ
かる。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明の磁気記録
媒体は、非常に優れた潤滑性を有するカルボン酸アミン
塩を潤滑剤として保有しているので、如何なる使用条件
下においても潤滑性を保つことができ、また長期にわた
りその潤滑性を保つことができる。
したがって、本発明の磁気記録媒体は走行性,耐摩擦
性,耐久性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用した磁気記録媒体の一構成例を示
す要部拡大断面図である。 第2図は本発明を適用した磁気記録媒体の他の構成例を
示す要部拡大断面図である。 第3図は本発明を適用した磁気記録媒体のさらに他の構
成例を示す要部拡大断面図である。 1……非磁性支持体 2……磁性層 3……潤滑剤層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に少なくとも磁性層を有し
    てなる磁気記録媒体が式1または式2で表されるカルボ
    ン酸アミン塩を保有してなることを特徴とする磁気記録
    媒体。 (但し、nは1〜3である。Rは炭化水素基を表し、
    R1,R2,R3は水素もしくは炭化水素基を表す。またR,R1,R
    2,R3のうち、いずれか1つは炭素数10以上の炭化水素基
    である。) (但し、nは1〜3である。Rは炭化水素基を表し、
    R1,R2,R3は水素もしくは炭化水素基を表す。またR,R1,R
    2,R3のうち、いずれか1つは炭素数10以上の炭化水素基
    である。)
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