JPH06176355A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JPH06176355A
JPH06176355A JP5003157A JP315793A JPH06176355A JP H06176355 A JPH06176355 A JP H06176355A JP 5003157 A JP5003157 A JP 5003157A JP 315793 A JP315793 A JP 315793A JP H06176355 A JPH06176355 A JP H06176355A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
recording medium
magnetic recording
lubricant
hydrocarbon group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5003157A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Seki
敦司 関
Takahiro Kamei
隆広 亀井
Koichi Tanaka
宏一 田中
Masahiro Aoki
正裕 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP5003157A priority Critical patent/JPH06176355A/ja
Publication of JPH06176355A publication Critical patent/JPH06176355A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】各種使用条件下において優れた潤滑性を保たれ
るとともに、長時間にわたり潤滑効果が持続され、走行
性、耐摩耗性、耐久性等に優れた磁気記録媒体を提供す
ることを目的とする。 【構成】非磁性支持体上に磁性層を有してなる磁気記録
媒体において、前記磁性層の表面にカーボン膜を形成す
るとともに、特定のカルボン酸アミン塩、又はスルホン
酸アミン塩を潤滑剤として保有することを特徴とするも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気テープ、磁気ディ
スク等の磁気記録媒体に関するものであり、特に優れた
潤滑効果を発揮する潤滑剤の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、強磁性金属材料を蒸着等の手法
により非磁性支持体上に被着し、これを磁性層としたい
わゆる金属薄膜型の磁気記録媒体や、非常に微細な磁性
粒子と樹脂結合剤とを含む磁性塗料を非磁性支持体上に
塗布し、これを磁性層としたいわゆる塗布型の磁気記録
媒体では、磁性層表面の平滑性が極めて良好であるた
め、磁気ヘッドやガイドローラー等の摺動部材に対する
実質的な接触面積が大きく、従って摩擦係数が大きくな
り凝着現象(いわゆる貼り付き)が起き易く走行性や耐
久性に欠ける等問題点が多い。
【0003】そこで、これら問題点を改善するために各
種の潤滑剤を使用することが検討されており、従来より
高級脂肪酸等を上記磁気記録媒体の磁性層に内添した
り、あるいはトップコートすることにより摩擦係数を抑
えようとする試みがされている。ところで、磁気記録媒
体に使用される潤滑剤には、その性質上非常に厳しい特
性が要求され、従来用いられている潤滑剤では対応する
ことが難しいのが現状である。
【0004】即ち、磁気記録媒体に使用される潤滑剤に
は、(1)磁気ヘッドとのスペーシングが問題となるの
で極めて薄く塗布できることと、その場合にも十分な潤
滑特性が発揮されること、(2)広い温度・湿度範囲で
長時間、あるいは長時間の使用に耐え、潤滑効果が持続
すること、等の厳しい特性が要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、磁気記
録媒体の分野においては、使用される潤滑剤の能力不足
に起因して、走行性、耐摩耗性等の実用特性に不満を残
している。そこで本発明は、各種使用条件下において優
れた潤滑性が保たれるとともに、長時間にわたり潤滑効
果が持続され、走行性、耐摩耗性、耐久性等に優れた磁
気記録媒体を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成せんものと鋭意研究を重ねた結果、磁性層表面
にカーボン膜を形成するとともに、一般式(I)あるい
は(II)で表されるカルボン酸アミン塩を潤滑剤として
使用すること、又は一般式(III)あるいは(IV) であら
わされるスルホン酸アミン塩を潤滑剤として使用するこ
とにより優れた潤滑効果が得られることを見い出し、本
発明を完成するに至ったものである。
【0007】即ち、本発明の磁気記録媒体は、非磁性支
持体上に少なくとも磁性層を形成してなる磁気記録媒体
であって、前記磁性層の表面にカーボン膜が形成されて
なり、かつ一般式(I)あるいは(II)で表されるカル
ボン酸アミン塩を、又は一般式(III)あるいは(IV) で
表されるスルホン酸アミン塩を潤滑剤として保有するこ
とを特徴とするものである。
【0008】カルボン酸アミン塩又はスルホン酸アミン
塩が優れた潤滑性能を発揮するためには、塩構造の極性
基が磁気記録媒体表面に強固に吸着することが必要であ
る。従ってカルボン酸アミン塩又はスルホン酸アミン塩
の潤滑性能は塩構造が維持されない場合に劣化する。本
発明は、この塩構造が維持され、優れた潤滑性能が発揮
されるために磁性層の表面にカーボン膜を形成するのが
有効なことを見出だしたものである。
【0009】本発明のカルボン酸アミン塩は次式に従っ
て容易に合成されるものである。
【化5】
【化6】
【0010】式中、Rは炭素数が30以下の炭化水素
基、部分フッ化炭化水素基、フッ化炭素基のいずれか
で、R1 、R2 、R3 は炭素数が30以下の炭化水素
基、部分フッ化炭化水素基、フッ化炭素基のいずれか、
あるいは水素である。前記の炭化水素基、部分フッ化炭
化水素基、フッ化炭素基は芳香環を有していてもよい
が、二重結合を末端以外の部位に有さないことが望まし
い。二重結合を末端以外の部位に有すると、摩擦係数が
増加する。
【0011】またR、R1 、R2 、 3 のうち少なくと
も1つは炭素数が10以上であることが好ましい。R、
1 、R2 、R3 のいずれの炭素数も10より少ない場
合には、潤滑効果が不足する。さらに式中のnは1〜3
であることが好ましい。nが4以上であると潤滑剤の取
扱い上の問題が生じ、例えば非常に薄く塗布することが
難しくなる。
【0012】本発明のスルホン酸アミン塩は次式に従っ
て容易に合成されるものである。
【化7】
【化8】
【0013】式中、Rは炭素数が30以下の炭化水素
基、部分フッ化炭化水素基、フッ化炭素基のいずれか
で、R1 、R2 、R3 は炭素数が30以下の炭化水素
基、部分フッ化炭化水素基、フッ化炭素基のいずれか、
あるいは水素である。
【0014】またR、R1 、R2 、 3 のうち少なくと
も1つは炭素数が10以上であることが好ましい。R、
1 、R2 、R3 のいずれの炭素数も10より少ない場
合には、潤滑効果が不足する。さらに式中のnは1〜3
であることが好ましい。nが4以上であると潤滑剤の取
扱い上の問題が生じ、例えば非常に薄く塗布することが
難しくなる。
【0015】ここで、本発明が適用される磁気記録媒体
としては、非磁性支持体表面に蒸着等の手法により磁性
塗膜が磁性層として形成される、いわゆる金属薄膜型の
磁気記録媒体に適用することが可能である。また、この
金属薄膜型の磁気記録媒体においては、非磁性支持体と
磁性層との間に下地層を介した構成の磁気記録媒体に適
用することができる。
【0016】この場合には、適用可能な金属薄膜型の磁
気記録媒体の非磁性支持体、金属磁性薄膜は何等限定さ
れるものではなく、従来より知られるものが何でも使用
できる。例示するならば、非磁性支持体としては先の塗
布型の磁気記録媒体と同様のものが使用可能である。こ
の場合、非磁性支持体にAl合金板やガラス板等の剛性
を有する基板を使用した場合には、基板表面にアルマイ
ト処理等の酸化皮膜やNi−P皮膜等を形成してその表
面を硬くするようにしてもよい。
【0017】金属磁性薄膜は、メッキやスパッタリン
グ、真空蒸着等のPVDの手法により連続膜として形成
されるもので、Fe、Co、Ni等の金属やCo−Ni
系合金、Co−Pt系合金、Co−Pt−Ni系合金、
Fe−Co系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Co−N
i系合金、Fe−Ni−B系合金、Fe−Co−B系合
金、Fe−Co−Ni−B系合金等からなる面内磁化記
録金属磁性膜やCo−Cr系合金薄膜が例示される。
【0018】特に、面内磁化記録金属磁性薄膜の場合、
予め非磁性支持体上にBi、Sb、Pb、Sn、Ga、
In、Ge、Si、Ti等の低融点非磁性材料の下地層
を形成しておき、金属磁性材料を垂直方向から蒸着ある
いはスパッタし、金属磁性薄膜中にこれら低融点非磁性
材料を拡散せしめ、配向性を解消して面内等方性を確保
するとともに、抗磁性を向上するようにしても良い。
【0019】また本発明は、磁性塗料を非磁性支持体表
面に塗布することにより磁性塗膜が磁性層として形成さ
れる、いわゆる塗布型の磁気記録媒体にも適用すること
が可能である。塗布型の、磁気記録媒体において、非磁
性支持体や磁性塗膜を構成する磁性粉末、樹脂結合剤等
は従来公知のものがいずれも使用可能で、何等限定され
るものではない。
【0020】例示するならば、非磁性支持体としては、
ポリエステル類、ポリオレフィン類、セルロース類、ビ
ニル系樹脂、ポリイミド類、ポリカーボネート類に代表
されるような高分子材料により形成される高分子支持体
や、アルミニウム合金、チタン合金等からなる金属基
板、アルミガラス等からなるセラミックス基板、ガラス
基板等である。その形状も何等限定されるものではな
く、テープ状、シート状、ドラム状等、如何なる形態で
あってもよい。
【0021】磁性粉末としては、γ−Fe2 3 、コバ
ルト被着γ−Fe2 3 等の強磁性酸化鉄系粒子、強磁
性二酸化クロム系粒子、Fe、Co、Ni等の金属やこ
れらを含んだ合金からなる強磁性金属系粒子、六角板状
の六方晶系フェライト微粒子等が例示される。
【0022】樹脂結合剤としては、塩化ビニル、酢酸ビ
ニル、ビニルアルコール、塩化ビニリデン、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエ
ン、アクリロニトリル等の重合体、あるいはこれら二種
以上を組み合わせた共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂等が例示される。これら結
合剤には、磁性粉末の分散性を改善するために、カルボ
ン酸基やカルボキシル基やリン酸基等の親水性極性基が
導入されてもよい。
【0023】磁性塗料には、前記の磁性粉末、樹脂結合
剤の他、添加剤として分散剤、研磨剤、帯電防止剤、防
錆剤等が加えられてもよい。かかる磁気記録媒体の表面
にカーボン膜を形成する方法としては、スパッタリング
が一般的であるが特に限定するものでは無く、いずれの
方法も使用可能である。この場合カーボン膜の膜厚は5
〜100nmであることが望ましく、5〜30nmであ
ることがより望ましい。
【0024】カーボン膜上に一般式(I)あるいは(I
I)で表されるカルボン酸アミン塩を、又は一般式(II
I)あるいは(IV) で表されるスルホン酸アミン塩をトッ
プコートする方法としては、一般式(I)あるいは(I
I)で表されるカルボン酸アミン塩を、又は一般式(II
I)あるいは(IV) で表されるスルホン酸アミン塩をフレ
オン、トルエン、イソオクタン、ヘキサン等の溶媒に溶
解して得られた溶液をカーボン膜表面に塗布もしくは噴
霧するか、あるいは逆にこの溶液中に磁気記録媒体を浸
漬し、乾燥すればよい。
【0025】この場合、潤滑剤の塗布量としては、0.
5−100mg/m2 であることが望ましく、1−20
mg/m2 であることがより好ましい。この塗布量があ
まり少なすぎると、本発明による摩擦係数の低減、耐摩
耗性の向上という効果が現れず、一方余り多すぎると摺
動部材とカーボン膜との間ではりつき現象が起こり、か
えって走行性が悪くなる。
【0026】また、上述の潤滑剤の他、必要に応じて、
防錆剤を併用してもよい。防錆剤としては、通常この種
の磁気記録媒体の防錆剤として使用されるものであれば
いずれも使用でき、例えばフェノール類、ナフトール
類、キノン類、窒素原子を含む複素環化合物、酸素原子
を含む複素環化合物、硫黄原子を含む複素環化合物等で
ある。防錆剤は、一般式(I)あるいは(II)で表され
るカルボン酸アミン塩と、又は一般式(III)あるいは
(IV) で表されるスルホン酸アミン塩と複合して用いて
もよいが、防錆剤層を塗布した後に潤滑剤層を塗布する
というように、2層以上に分けて被着すると効果が高
い。
【0027】ところで、上述の塗布型の磁気記録媒体、
金属薄膜型の磁気録媒体の何れにおいても、磁性層であ
る磁性塗膜、金属磁性薄膜の他に、バックコート層や下
塗層等が必要に応じて形成されていてもよい。例えば、
バックコート層は磁性塗膜と同様の樹脂結合剤に導電性
を付与するためのカーボン系微粉末や表面粗度をコント
ロールするための無機顔料を添加し塗布形成されるもの
である。本発明においては、このバックコート層に一般
式(I)あるいは(II)で表されるカルボン酸アミン塩
を、又は一般式(III)あるいは(IV) で表されるスルホ
ン酸アミン塩を内添、あるいはトップコートしてもよ
い。
【0028】
【作用】一般に有機酸と有機塩基からなる塩である潤滑
剤を比誘電率の低い溶媒に溶解して、たとえば塩基性の
強いCo−Ni系合金を磁性体として含む磁性層の表面
に塗布すると、競争吸着の結果、有機酸成分の方が優先
的に吸着してしまう。
【0029】これを防ぐためにカーボン膜を設けると、
カルボン酸アミン塩又はスルホン酸アミン塩は吸着した
ときに塩構造をとることができる。そのため磁性層表面
にカーボン膜を形成するとともに、一般式(I)あるい
は(II)で表されるカルボン酸アミン塩を、又は一般式
(III)あるいは(IV) で表されるスルホン酸アミン塩を
潤滑剤として使用することにより、一般式(I)あるい
は(II)で表されるカルボン酸アミン塩、又は一般式
(III)あるいは(IV) で表されるスルホン酸アミン塩
は、良好な潤滑作用を発揮して摩擦係数を低減する。
【0030】また、この潤滑作用は低温下等の厳しい条
件下においても損なわれることはない。従って、磁性層
表面にカーボン膜を形成するとともに、一般式(I)あ
るいは(II)で表されるカルボン酸アミン塩を、又は一
般式(III)あるいは(IV) で表されるスルホン酸アミン
塩を潤滑剤として使用した磁気記録媒体においては、良
好な耐久性が確保され、かつ走行性が向上する。
【0031】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を実験結果に基
づいて説明するが、本発明はこの実施例に限定されるも
のではないことはいうまでもない。金属薄膜型磁気記録
媒体に適用した実施例について説明する。 −潤滑剤の合成例− カルボン酸アミン塩の合成法を表1の潤滑剤1を例とし
て説明する。市販のステアリン酸を再結晶させて精製し
たもの(融点69〜70℃)に、同じく市販のステアリルア
ミンを再結晶させて精製したもの(融点84〜85℃)を等
モルずつ加え、エタノールに溶解させて反応させた後、
濃縮し、冷却後、ろ過して以下に示す構造を有するステ
アリン酸ステアリルアミン塩を得た。
【0032】
【化9】 また上記ステアリン酸ステアリルアミン塩の元素分析を
行ったところ、 測定値: C:78.32% H:13.75% N:2.40 % という結果を得た。理論的な計算値は以下の通りで測定
値と良く一致する。 計算値: C:78.05% H:13.65% N:2.53 % 従ってステアリン酸ステアリルアミン塩であることが確
認された。表2の他の潤滑剤も同様の方法で合成され
る。
【0033】−実験1− まず予備実験として表1の潤滑剤15、
【化10】 を塩基性の強いCoとNiの合金を磁性体として含む磁
性層の表面に直接塗布した場合と、前記磁性層表面にカ
ーボン膜を形成して塗布した場合との、潤滑剤分子の吸
着状態をX線光電子分光法によって調べた。
【0034】実験に用いたサンプルテープは次のように
して作製した。10μm厚のポリエチレンテレフタレー
トフィルムにCo80Ni20(ただし数字は組成を原子%
で表す。)の組成を有する磁性合金材料を斜方蒸着法に
よって被着し、膜厚200nmの強磁性金属薄膜を形成
した。この強磁性金属薄膜上にスパッタリングによって
カーボン膜を膜厚20nmとなるように成膜したテープ
と、カーボン膜を設けないテープに8mm幅に裁断して
サンプルテープとした。以下、カーボン膜を成膜したテ
ープをサンプルテープ1、カーボン膜を設けないテープ
をサンプルテープ2と称する。これらの表面に、潤滑剤
16をフレオンに溶解したものを塗布量が5mg/m2
となるように塗布した。
【0035】これらのサンプルテープ表面における潤滑
剤の吸着状態を調べるため、XPSによりフッ素原子の
シグナルと窒素原子のシグナルとの強度比を調べた。結
果を表2に示す。カーボン保護膜を形成し、その上に塗
布した場合(サンプルテープ1の場合)には、−CF2
−のフッ素原子と、窒素原子とのシグナル強度比は理論
比に近い値が得られており、潤滑剤分子が塩構造をとっ
て吸着されていることを示唆している。これに対して、
カーボン保護膜を形成せずに塗布した場合(サンプルテ
ープ2の場合)には窒素原子のシグナルが著しく減少し
ており、塩基性の強いCo80Ni20表面では有機酸成分
【化11】 が優先的に吸着されていることがわかる。
【0036】−実験2− 次に本発明者らは前述の実験1のサンプルテープ1を用
い、表1の潤滑剤1〜18を塗布して摩擦係数を測定し
た。表3及び表4の実施例1〜18がその結果である。
【0037】摩擦係数は温度25℃湿度60%のとき、
温度−5℃のとき、温度40℃湿度30%のときについ
て測定した。測定は磁気テープに一定の張力を与え、ス
テンレス(SUS304)製のガイドピンと摺接させな
がら5mm/秒のテープ速度にて走行させることにより
行った。
【0038】また比較例として、前述の実験1のサンプ
ルテープ2を用い、表1の潤滑剤1〜18を塗布して摩
擦係数を測定した。測定条件、測定法は実施例1〜18
と同一である。この結果を比較例1〜18として表5及
び表6に示した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】表3〜表6とから明らかなように、カーボ
ン膜を形成するとともに、一般式(I)あるいは(II)
で表されるカルボン酸アミン塩を潤滑剤として使用した
ときの、摩擦係数はカーボン膜を形成せずに一般式
(I)あるいは(II)で表されるカルボン酸アミン塩を
使用した場合よりも小さく、かつ各種条件で劣化するこ
となく非常に良好な結果が得られた。
【0046】−実験3− 次に、予備実験として表7の潤滑剤19、
【化12】 を塩基性の強いCoとNiの合金を磁性体として含む磁
性層の表面に直接塗布した場合と、前記磁性層表面にカ
ーボン膜を形成して塗布した場合との、潤滑剤分子の吸
着状態をX線光電子分光法によって調べた。
【0047】実験に用いたサンプルテープは次のように
して作製した。10μm厚のポリエチレンテレフタレー
トフィルムにCo80Ni20(ただし数字は組成を原子%
で表す。)の組成を有する磁性合金材料を斜方蒸着法に
よって被着し、膜厚200nmの強磁性金属薄膜を形成
した。この強磁性金属薄膜上にスパッタリングによって
カーボン膜を膜厚20nmとなるように成膜したテープ
と、カーボン膜を設けないテープを8mm幅に裁断して
サンプルテープとした。以下、カーボン膜を成膜したテ
ープをサンプルテープ3、カーボン膜を設けないテープ
をサンプルテープ4と称する。これらの表面に、潤滑剤
19をフレオンに溶解したものを塗布量が5mg/m2
となるように塗布した。
【0048】これらのサンプルテープ表面における潤滑
剤の吸着状態を調べるため、XPSにより硫黄原子のシ
グナルと窒素原子のシグナルとの強度比を調べた。結果
を表8に示す。カーボン保護膜を形成し、その上に塗布
した場合(サンプルテープ3の場合)には硫黄原子と、
窒素原子とのシグナル強度比は理論比に近い値が得られ
ており、潤滑剤分子が塩構造をとって吸着されているこ
とを示唆している。これに対して、カーボン保護膜を形
成せずに塗布した場合(サンプルテープ4の場合)には
窒素原子のシグナルが減少しており、塩基性の強いCo
80Ni20表面では有機酸成分
【化13】 が優先的に吸着されていることがわかる。
【0049】−実験4− 次に本発明者らは前述の実験3のサンプルテープ3を用
い表7の潤滑剤19〜24を塗布して摩擦係数を測定し
た。表9の実施例19〜24がその結果である。
【0050】摩擦係数は温度25℃湿度60%のとき、
温度−5℃のとき、温度40℃湿度30%のときについ
て測定した。測定は磁気テープに一定の張力を与え、ス
テンレス(SUS304)製のガイドピンと摺接させな
がら5mm/秒のテープ速度にて走行させることにより
行った。
【0051】また、比較例として、前述の実験3のサン
プルテープ4を用い、表7の潤滑剤19〜24を塗布し
て摩擦係数を測定した。測定条件、測定法は実施例19
〜24と同一である。この結果を比較例19〜24とし
て表10に示した。
【0052】
【表7】
【0053】
【表8】
【0054】
【表9】
【0055】
【表10】
【0056】表9と表10とから明らかなように、カー
ボン膜を形成するとともに、一般式(III)あるいは(I
V) で表されるスルホン酸アミン塩を潤滑剤として使用
したときの、摩擦係数はカーボン膜を形成せずに一般式
(III)あるいは(IV) で表されるスルホン酸アミン塩を
使用した場合よりも小さく、かつ各種条件で劣化するこ
となく非常に良好な結果が得られた。
【0057】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の磁気記録媒体は、磁性層の表面にカーボン膜を形成
するとともに一般式(I)あるいは(II)で表されるカ
ルボン酸アミン塩を、又は一般式(III)あるいは(IV)
で表されるスルホンサンプルアミン塩を被着しているの
で、如何なる使用条件下でも潤滑性を保つことができ、
また長期にわたりその潤滑性を保つことができる。した
がって、本発明の磁気記録媒体は走行性、耐摩耗性、耐
久性に優れたものである。
フロントページの続き (72)発明者 青木 正裕 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に少なくとも磁性層を有
    してなる磁気記録媒体において、 前記磁性層の表面にカーボン膜が形成されてなり、かつ
    下記の一般式(I)あるいは(II)で表されるカルボン
    酸アミン塩を潤滑剤として保有することを特徴とする磁
    気記録媒体。 【化1】 【化2】 式中、nは1〜3で、Rは炭素数が30以下の炭化水素
    基、部分フッ化炭化水素基、フッ化炭素基のいずれか
    で、R1 、R2 、R3 は炭素数が30以下で、炭化水素
    基、部分フッ化炭化水素基、フッ化炭素基のいずれか、
    あるいは水素である。前記の炭化水素基、部分フッ化炭
    化水素基、フッ化炭素基は末端以外の部位に、二重結合
    を有さない。またR、R1 、R2 、R3 のうち少なくと
    も1つは炭素数が10以上である。
  2. 【請求項2】 非磁性支持体上に少なくとも磁性層を有
    してなる磁気記録媒体において、 前記磁性層の表面にカーボン膜が形成されてなり、かつ
    下記の一般式(III)あるいは(IV) で表されるスルホン
    酸アミン塩を潤滑剤として保有することを特徴とする磁
    気記録媒体。 【化3】 【化4】 式中、nは1〜3で、Rは炭素数が30以下の炭化水素
    基、部分フッ化炭化水素基、フッ化炭素基のいずれか
    で、R1 、R2 、R3 は炭素数が30以下で、炭化水素
    基、部分フッ化炭化水素基、フッ化炭素基のいずれか、
    あるいは水素である。またR、R1 、R2 、R3 のうち
    少なくとも1つは炭素数が10以上である。
JP5003157A 1992-10-06 1993-01-12 磁気記録媒体 Pending JPH06176355A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5003157A JPH06176355A (ja) 1992-10-06 1993-01-12 磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26746492 1992-10-06
JP4-267464 1992-10-06
JP5003157A JPH06176355A (ja) 1992-10-06 1993-01-12 磁気記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06176355A true JPH06176355A (ja) 1994-06-24

Family

ID=26336671

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5003157A Pending JPH06176355A (ja) 1992-10-06 1993-01-12 磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06176355A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06301963A (ja) * 1993-04-15 1994-10-28 Fuji Photo Film Co Ltd 磁気記録媒体

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58146028A (ja) * 1982-02-25 1983-08-31 Hitachi Maxell Ltd 磁気記録媒体
JPH01207263A (ja) * 1988-02-10 1989-08-21 Sony Corp 磁気記録媒体
JPH02139715A (ja) * 1988-11-21 1990-05-29 Sony Corp 磁気記録媒体
JPH0421922A (ja) * 1990-05-15 1992-01-24 Hitachi Ltd 磁気記録媒体

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58146028A (ja) * 1982-02-25 1983-08-31 Hitachi Maxell Ltd 磁気記録媒体
JPH01207263A (ja) * 1988-02-10 1989-08-21 Sony Corp 磁気記録媒体
JPH02139715A (ja) * 1988-11-21 1990-05-29 Sony Corp 磁気記録媒体
JPH0421922A (ja) * 1990-05-15 1992-01-24 Hitachi Ltd 磁気記録媒体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06301963A (ja) * 1993-04-15 1994-10-28 Fuji Photo Film Co Ltd 磁気記録媒体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3240654B2 (ja) パーフルオロポリエーテル誘導体及びこれを用いた潤滑剤並びに磁気記録媒体
JP2590482B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2581090B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2569689B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2629725B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH06176355A (ja) 磁気記録媒体
JP3168613B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3089496B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH0668455A (ja) 潤滑剤及びその潤滑剤を保有する磁気記録媒体
JP3211987B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3186223B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3168674B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3627298B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3154232B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2625839B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH07102271A (ja) 潤滑剤及び磁気記録媒体
JPH0278016A (ja) 磁気記録媒体
JPH10289436A (ja) 磁気記録媒体
JPH0737239A (ja) 磁気記録媒体
JPH07311935A (ja) 磁気記録媒体
JPH04271012A (ja) 磁気記録媒体
JPH0312817A (ja) 磁気記録媒体
JPH02145550A (ja) カルボン酸アンモニウム誘導体およびこれを用いた磁気記録媒体
JPH0620262A (ja) 磁気記録媒体
JPH05331473A (ja) 潤滑剤及びその潤滑剤を被着した磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020108