JPH0737239A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH0737239A JPH0737239A JP19900793A JP19900793A JPH0737239A JP H0737239 A JPH0737239 A JP H0737239A JP 19900793 A JP19900793 A JP 19900793A JP 19900793 A JP19900793 A JP 19900793A JP H0737239 A JPH0737239 A JP H0737239A
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- magnetic recording
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 磁性層の表面にカーボン膜３を形成するとと
もに、一般式（１）で表されるアルキル安息香酸もしく
はそのエステル誘導体、一般式（２）で表されるアルキ
ル安息香酸アミン塩、一般式（３）で表されるアルコキ
シ安息香酸もしくはそのエステル誘導体、又は一般式
（４）で表されるアルコキシ安息香酸アミン塩を潤滑剤
４として保有する磁気記録媒体。 【効果】 如何なる使用条件下でも潤滑性を保つことが
でき、また長期にわたりその潤滑性を保つことができ
る。従って、本発明に基づく磁気記録媒体は走行性、耐
摩耗性、耐久性等に優れたものである。
もに、一般式（１）で表されるアルキル安息香酸もしく
はそのエステル誘導体、一般式（２）で表されるアルキ
ル安息香酸アミン塩、一般式（３）で表されるアルコキ
シ安息香酸もしくはそのエステル誘導体、又は一般式
（４）で表されるアルコキシ安息香酸アミン塩を潤滑剤
４として保有する磁気記録媒体。 【効果】 如何なる使用条件下でも潤滑性を保つことが
でき、また長期にわたりその潤滑性を保つことができ
る。従って、本発明に基づく磁気記録媒体は走行性、耐
摩耗性、耐久性等に優れたものである。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気テープ、磁気ディ
スク等の磁気記録媒体に関するものである。
スク等の磁気記録媒体に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】例えば、強磁性金属材料を蒸着等の手法
により非磁性支持体上に被着し、これを磁性層としたい
わゆる金属薄膜型の磁気記録媒体や、非常に微細な磁性
粒子と樹脂結合剤とを含む磁性塗料を非磁性支持体上に
塗布し、これを磁性層としたいわゆる塗布型の磁気記録
媒体では、磁性層表面の平滑性が極めて良好であるた
め、磁気ヘッドやガイドローラー等の摺動部材に対する
実質的な接触面積が大きく、従って摩擦係数が大きくな
り、凝着現象（いわゆる張り付き）が起き易く、走行性
や耐久性に欠ける等、問題点が多い。
により非磁性支持体上に被着し、これを磁性層としたい
わゆる金属薄膜型の磁気記録媒体や、非常に微細な磁性
粒子と樹脂結合剤とを含む磁性塗料を非磁性支持体上に
塗布し、これを磁性層としたいわゆる塗布型の磁気記録
媒体では、磁性層表面の平滑性が極めて良好であるた
め、磁気ヘッドやガイドローラー等の摺動部材に対する
実質的な接触面積が大きく、従って摩擦係数が大きくな
り、凝着現象（いわゆる張り付き）が起き易く、走行性
や耐久性に欠ける等、問題点が多い。
【０００３】そこで、こうした問題点を改善するため
に、各種の潤滑剤を使用することが検討されており、従
来より、高級脂肪酸やそのエステル等を上記磁気記録媒
体の磁性層に内添したり、あるいはトップコートするこ
とにより、摩擦係数を抑えようとする試みがなされてい
る。
に、各種の潤滑剤を使用することが検討されており、従
来より、高級脂肪酸やそのエステル等を上記磁気記録媒
体の磁性層に内添したり、あるいはトップコートするこ
とにより、摩擦係数を抑えようとする試みがなされてい
る。
【０００４】ところで、磁気記録媒体に使用される潤滑
剤には、その性質上、非常に厳しい特性が要求され、従
来用いられている潤滑剤では対応することが難しいのが
現状である。
剤には、その性質上、非常に厳しい特性が要求され、従
来用いられている潤滑剤では対応することが難しいのが
現状である。
【０００５】即ち、磁気記録媒体に使用される潤滑剤に
は、（１）寒冷地での使用に際して所定の潤滑効果が確
保されるように低温特性に優れること、（２）磁気ヘッ
ドとのスペーシングが問題となるので、極めて薄く塗布
できることと、その場合にも十分な潤滑特性が発揮され
ること、（３）長期間、あるいは長時間の使用に耐え、
潤滑効果が持続すること、等が要求される。
は、（１）寒冷地での使用に際して所定の潤滑効果が確
保されるように低温特性に優れること、（２）磁気ヘッ
ドとのスペーシングが問題となるので、極めて薄く塗布
できることと、その場合にも十分な潤滑特性が発揮され
ること、（３）長期間、あるいは長時間の使用に耐え、
潤滑効果が持続すること、等が要求される。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、磁気記
録媒体の分野においては、使用される潤滑剤の能力不足
に起因して、走行性、耐久性等の実用特性に問題を残し
ている。本発明は、各種使用条件下において優れた潤滑
性が保たれるとともに、長時間にわたり潤滑効果が持続
され、走行性、耐摩耗性、耐久性等に優れた磁気記録媒
体を提供することを目的とするものである。
録媒体の分野においては、使用される潤滑剤の能力不足
に起因して、走行性、耐久性等の実用特性に問題を残し
ている。本発明は、各種使用条件下において優れた潤滑
性が保たれるとともに、長時間にわたり潤滑効果が持続
され、走行性、耐摩耗性、耐久性等に優れた磁気記録媒
体を提供することを目的とするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、磁性層上にカーボ
ン膜を形成するとともに、下記の一般式（１）〜（４）
で表される特定の化合物を潤滑剤として使用することに
より、優れた潤滑効果が得られることを見出し、本発明
を完成するに至ったものである。
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、磁性層上にカーボ
ン膜を形成するとともに、下記の一般式（１）〜（４）
で表される特定の化合物を潤滑剤として使用することに
より、優れた潤滑効果が得られることを見出し、本発明
を完成するに至ったものである。
【０００８】即ち、本発明は、非磁性支持体上に少なく
とも磁性層が形成されている磁気記録媒体において、前
記磁性層上にカーボン膜が形成されており、かつ、下記
の一般式（１）で表されるアルキル安息香酸類又はその
エステル誘導体と、下記の一般式（２）で表されるアル
キル安息香酸アミン塩類と、下記の一般式（３）で表さ
れるアルコキシ安息香酸類又はそのエステル誘導体と、
下記の一般式（４）で表されるアルコキシ安息香酸アミ
ン塩類とからなる群より選ばれた少なくとも１種の化合
物（１種であってよいし、２種以上を併用してもよ
い。）が保有されていることを特徴とする磁気記録媒体
に係るものである。 一般式（１）：
とも磁性層が形成されている磁気記録媒体において、前
記磁性層上にカーボン膜が形成されており、かつ、下記
の一般式（１）で表されるアルキル安息香酸類又はその
エステル誘導体と、下記の一般式（２）で表されるアル
キル安息香酸アミン塩類と、下記の一般式（３）で表さ
れるアルコキシ安息香酸類又はそのエステル誘導体と、
下記の一般式（４）で表されるアルコキシ安息香酸アミ
ン塩類とからなる群より選ばれた少なくとも１種の化合
物（１種であってよいし、２種以上を併用してもよ
い。）が保有されていることを特徴とする磁気記録媒体
に係るものである。 一般式（１）：
【化５】 一般式（２）：
【化６】 一般式（３）：
【化７】 一般式（４）：
【化８】 （但し、一般式（１）、（２）、（３）、（４）中、Ｒ
1 は、炭素数６〜18の炭化水素基、部分フッ化炭化水素
基又はフッ化炭素基であり、Ｒ2 、Ｒ3 、Ｒ4 、Ｒ5 は
それぞれ、炭素数30以下の炭化水素基、部分フッ化炭化
水素基、フッ化炭素基又は水素原子であり、Ｒ3 、
Ｒ4 、Ｒ5 の少なくとも１つは炭素数が10以上であり、
ｍは１〜５の整数である。）
1 は、炭素数６〜18の炭化水素基、部分フッ化炭化水素
基又はフッ化炭素基であり、Ｒ2 、Ｒ3 、Ｒ4 、Ｒ5 は
それぞれ、炭素数30以下の炭化水素基、部分フッ化炭化
水素基、フッ化炭素基又は水素原子であり、Ｒ3 、
Ｒ4 、Ｒ5 の少なくとも１つは炭素数が10以上であり、
ｍは１〜５の整数である。）
【０００９】本発明で使用する上記一般式（１）〜
（４）で表される化合物はいずれも、優れた潤滑作用が
あり、磁性層上に塗布（トップコート）して媒体に保有
することができる。これにより、媒体の摩擦係数を下
げ、高温低湿又は低湿下における耐久性を大きく向上さ
せることができるものである。このためには、上記の各
一般式におけるＲ1 〜Ｒ5 を上記した基に特定すべきで
ある。即ち、各基の炭素数が特定した範囲外であると、
十分な潤滑効果が得られない（アミン塩を形成するＲ3
〜Ｒ5 の場合、いずれの炭素数も10未満である場合には
潤滑効果が不足する）。Ｒ1 〜Ｒ5 の炭素数が多すぎる
と、潤滑剤の扱い易さが低下する。
（４）で表される化合物はいずれも、優れた潤滑作用が
あり、磁性層上に塗布（トップコート）して媒体に保有
することができる。これにより、媒体の摩擦係数を下
げ、高温低湿又は低湿下における耐久性を大きく向上さ
せることができるものである。このためには、上記の各
一般式におけるＲ1 〜Ｒ5 を上記した基に特定すべきで
ある。即ち、各基の炭素数が特定した範囲外であると、
十分な潤滑効果が得られない（アミン塩を形成するＲ3
〜Ｒ5 の場合、いずれの炭素数も10未満である場合には
潤滑効果が不足する）。Ｒ1 〜Ｒ5 の炭素数が多すぎる
と、潤滑剤の扱い易さが低下する。
【００１０】本発明の磁気記録媒体は、磁性層表面に保
護膜としてカーボン膜を形成（好ましくは厚さ５〜100n
m の厚さに形成）し、この上に上記一般式（１）〜
（４）の潤滑剤を塗布して保有することができるが、こ
の際、カーボン膜が存在しないと、潤滑剤を塗布したと
しても媒体の耐久性が向上しないことが分かった。カー
ボン膜は、媒体の耐久性の保持（更には帯電防止）にと
って不可欠である。
護膜としてカーボン膜を形成（好ましくは厚さ５〜100n
m の厚さに形成）し、この上に上記一般式（１）〜
（４）の潤滑剤を塗布して保有することができるが、こ
の際、カーボン膜が存在しないと、潤滑剤を塗布したと
しても媒体の耐久性が向上しないことが分かった。カー
ボン膜は、媒体の耐久性の保持（更には帯電防止）にと
って不可欠である。
【００１１】ここで、本発明が適用される磁気記録媒体
としては、非磁性支持体表面に蒸着等の手法により磁性
塗膜が磁性層として形成される、いわゆる金属薄膜型の
磁気記録媒体に適用することが可能である。また、この
金属薄膜型の磁気記録媒体においては、非磁性支持体と
磁性層との間に下地層を介した構成の磁気記録媒体に適
用することもできる。
としては、非磁性支持体表面に蒸着等の手法により磁性
塗膜が磁性層として形成される、いわゆる金属薄膜型の
磁気記録媒体に適用することが可能である。また、この
金属薄膜型の磁気記録媒体においては、非磁性支持体と
磁性層との間に下地層を介した構成の磁気記録媒体に適
用することもできる。
【００１２】この場合には、適用可能な金属薄膜型の磁
気記録媒体の非磁性支持体、金属磁性薄膜は何等限定さ
れるものではなく、従来より知られるものが何でも使用
できる。
気記録媒体の非磁性支持体、金属磁性薄膜は何等限定さ
れるものではなく、従来より知られるものが何でも使用
できる。
【００１３】例示するならば、非磁性支持体としては、
磁性層を塗布、形成した塗布型の磁気記録媒体と同様の
ものが使用可能である。この場合、非磁性支持体にAl合
金板やガラス板等の剛性を有する基板を使用した場合に
は、基板表面にアルマイト処理等の酸化皮膜やNi−Ｐ皮
膜等を形成してその表面を硬くするようにしてもよい。
磁性層を塗布、形成した塗布型の磁気記録媒体と同様の
ものが使用可能である。この場合、非磁性支持体にAl合
金板やガラス板等の剛性を有する基板を使用した場合に
は、基板表面にアルマイト処理等の酸化皮膜やNi−Ｐ皮
膜等を形成してその表面を硬くするようにしてもよい。
【００１４】金属磁性薄膜は、メッキやスパッタリン
グ、真空蒸着等のＰＶＤの手法により連続膜として形成
されるものであり、Fe、Co、Ni等の金属やCo−Ni系合
金、Co−Pt系合金、Co−Pt−Ni系合金、Fe−Co系合金、
Fe−Ni系合金、Fe−Co−Ni系合金、Fe−Ni−Ｂ系合金、
Fe−Co−Ｂ系合金、Fe−Co−Ni−Ｂ系合金等からなる面
内磁化記録金属磁性膜やCo−Cr系合金薄膜が例示され
る。
グ、真空蒸着等のＰＶＤの手法により連続膜として形成
されるものであり、Fe、Co、Ni等の金属やCo−Ni系合
金、Co−Pt系合金、Co−Pt−Ni系合金、Fe−Co系合金、
Fe−Ni系合金、Fe−Co−Ni系合金、Fe−Ni−Ｂ系合金、
Fe−Co−Ｂ系合金、Fe−Co−Ni−Ｂ系合金等からなる面
内磁化記録金属磁性膜やCo−Cr系合金薄膜が例示され
る。
【００１５】特に、面内磁化記録金属磁性薄膜の場合、
予め非磁性支持体上にBi、Sb、Pb、Sn、Ga、In、Ge、S
i、Tl等の低融点非磁性材料の下地層を形成しておき、
金属磁性材料を垂直方向から蒸着あるいはスパッタし、
金属磁性薄膜中にこれら低融点非磁性材料を拡散せし
め、配向性を解消して面内等方性を確保するとともに、
抗磁性を向上するようにしても良い。
予め非磁性支持体上にBi、Sb、Pb、Sn、Ga、In、Ge、S
i、Tl等の低融点非磁性材料の下地層を形成しておき、
金属磁性材料を垂直方向から蒸着あるいはスパッタし、
金属磁性薄膜中にこれら低融点非磁性材料を拡散せし
め、配向性を解消して面内等方性を確保するとともに、
抗磁性を向上するようにしても良い。
【００１６】こうした金属磁性薄膜型の磁気記録媒体に
カーボン膜を形成する方法としては、スパッタリングが
一般的であるが、特に限定するものではなく、いずれの
方法も使用可能である。カーボン膜の膜厚は５〜100nm
であることが望ましく、更に望ましくは５〜30nmであ
る。膜厚が大きすぎると、出力低下が生じ易い。
カーボン膜を形成する方法としては、スパッタリングが
一般的であるが、特に限定するものではなく、いずれの
方法も使用可能である。カーボン膜の膜厚は５〜100nm
であることが望ましく、更に望ましくは５〜30nmであ
る。膜厚が大きすぎると、出力低下が生じ易い。
【００１７】このカーボン膜上に前記一般式（１）〜
（４）で表される潤滑剤を保持せしめる方法としては、
カーボン膜表面に潤滑剤層をトップコートする方法が挙
げられる。この場合、塗布量としては、 0.2〜100mg/m2
であることが望ましく、１〜20mg/m2 であることがより
好ましい。
（４）で表される潤滑剤を保持せしめる方法としては、
カーボン膜表面に潤滑剤層をトップコートする方法が挙
げられる。この場合、塗布量としては、 0.2〜100mg/m2
であることが望ましく、１〜20mg/m2 であることがより
好ましい。
【００１８】本発明に使用する上記の一般式（１）〜
（４）の潤滑剤は単独で磁気記録媒体の上に塗布しても
よいが、従来公知の潤滑剤と組み合わせて用いてもよ
い。例えば、一般的に磁気記録媒体に使用されている長
鎖のカルボン酸あるいはそのエステル類、長鎖アルコー
ル類と組み合わせて用いてもよい。
（４）の潤滑剤は単独で磁気記録媒体の上に塗布しても
よいが、従来公知の潤滑剤と組み合わせて用いてもよ
い。例えば、一般的に磁気記録媒体に使用されている長
鎖のカルボン酸あるいはそのエステル類、長鎖アルコー
ル類と組み合わせて用いてもよい。
【００１９】さらに、より厳しい条件に対処し、潤滑効
果を持続させるために、重量比（30：70）〜（70：30）
程度の配合比で極圧剤を併用してもよい。
果を持続させるために、重量比（30：70）〜（70：30）
程度の配合比で極圧剤を併用してもよい。
【００２０】極圧剤は、境界潤滑領域において部分的に
金属接触を生じたときにこれに伴う摩擦熱によって金属
面と反応し、反応生成物皮膜を形成することにより摩
擦、摩耗防止作用を行うものであって、リン系極圧剤、
硫黄系極圧剤、ハロゲン系極圧剤、有機金属系極圧剤、
複合系極圧剤等のいずれも使用できる。
金属接触を生じたときにこれに伴う摩擦熱によって金属
面と反応し、反応生成物皮膜を形成することにより摩
擦、摩耗防止作用を行うものであって、リン系極圧剤、
硫黄系極圧剤、ハロゲン系極圧剤、有機金属系極圧剤、
複合系極圧剤等のいずれも使用できる。
【００２１】また、上述の潤滑剤、極圧剤の他、必要に
応じて、防錆剤を併用してもよい。防錆剤としては、通
常この種の磁気記録媒体の防錆剤として使用されるもの
であればいずれも使用でき、例えばフェノール類、ナフ
トール類、キノン類、窒素原子を含む複素環化合物、酸
素原子を含む複素環化合物、硫黄原子を含む複素環化合
物等である。
応じて、防錆剤を併用してもよい。防錆剤としては、通
常この種の磁気記録媒体の防錆剤として使用されるもの
であればいずれも使用でき、例えばフェノール類、ナフ
トール類、キノン類、窒素原子を含む複素環化合物、酸
素原子を含む複素環化合物、硫黄原子を含む複素環化合
物等である。
【００２２】防錆剤は、本発明に使用する上記一般式
（１）〜（４）の潤滑剤と混合（複合）して用いてもよ
いが、前記カーボン膜上に防錆剤を塗布した後、潤滑剤
層を塗布するというように、２層以上に分けて被着する
と効果が高い。
（１）〜（４）の潤滑剤と混合（複合）して用いてもよ
いが、前記カーボン膜上に防錆剤を塗布した後、潤滑剤
層を塗布するというように、２層以上に分けて被着する
と効果が高い。
【００２３】ところで、上述の金属薄膜型の磁気記録媒
体において、磁性層である金属磁性薄膜、保護膜である
カーボン膜の他に、バックコート層や下塗層等が必要に
応じて形成されていてもよい。
体において、磁性層である金属磁性薄膜、保護膜である
カーボン膜の他に、バックコート層や下塗層等が必要に
応じて形成されていてもよい。
【００２４】例えば、バックコート層は、塗布型の磁性
塗膜と同様の樹脂結合剤に導電性を付与するためのカー
ボン系微粉末や表面粗度をコントロールするための無機
顔料を添加し、塗布形成されるものである。本発明にお
いては、このバックコート層に、前述の潤滑剤を内添、
あるいはトップコートにより含有せしめてもよい。ある
いは、金属磁性薄膜とバックコート層にいずれも、前述
の潤滑剤を磁性膜に内添、トップコートする等、種々の
組み合わせも可能である。
塗膜と同様の樹脂結合剤に導電性を付与するためのカー
ボン系微粉末や表面粗度をコントロールするための無機
顔料を添加し、塗布形成されるものである。本発明にお
いては、このバックコート層に、前述の潤滑剤を内添、
あるいはトップコートにより含有せしめてもよい。ある
いは、金属磁性薄膜とバックコート層にいずれも、前述
の潤滑剤を磁性膜に内添、トップコートする等、種々の
組み合わせも可能である。
【００２５】ここで、本発明が適用される磁気記録媒体
としては、例えば図１に示すように、非磁性支持体１の
表面に蒸着等の手法により磁性膜が磁性層２として形成
される、いわゆる金属薄膜型の磁気記録媒体に適用する
ことが可能である。この金属薄膜型の磁気記録媒体にお
いて、磁性層２上に上記したカーボン膜３と潤滑剤層４
を設けている。非磁性支持体１と磁性層２との間に下地
層（図示せず）を介した構成の磁気記録媒体に適用する
ことができる。
としては、例えば図１に示すように、非磁性支持体１の
表面に蒸着等の手法により磁性膜が磁性層２として形成
される、いわゆる金属薄膜型の磁気記録媒体に適用する
ことが可能である。この金属薄膜型の磁気記録媒体にお
いて、磁性層２上に上記したカーボン膜３と潤滑剤層４
を設けている。非磁性支持体１と磁性層２との間に下地
層（図示せず）を介した構成の磁気記録媒体に適用する
ことができる。
【００２６】なお、本発明は、金属薄膜型のみならず、
塗布型の磁気記録媒体や、酸化物磁性粉を用いる磁気記
録媒体にも適用可能である。特に、非常に微細な磁性粒
子と樹脂結合剤とを含む磁性塗料を非磁性支持体上に塗
布し、これを磁性層としたいわゆる塗布型の磁気記録媒
体にも好適である。塗布型の磁性層の場合、上記した潤
滑剤を磁性層に含有（内添）させたり、或いはトップコ
ートすることが可能である。
塗布型の磁気記録媒体や、酸化物磁性粉を用いる磁気記
録媒体にも適用可能である。特に、非常に微細な磁性粒
子と樹脂結合剤とを含む磁性塗料を非磁性支持体上に塗
布し、これを磁性層としたいわゆる塗布型の磁気記録媒
体にも好適である。塗布型の磁性層の場合、上記した潤
滑剤を磁性層に含有（内添）させたり、或いはトップコ
ートすることが可能である。
【００２７】
【発明の作用効果】本発明によれば、上記した一般式
（１）〜（４）の化合物は、良好な潤滑作用を発揮して
摩擦係数を低減し、また、この潤滑作用は低温下等の厳
しい条件下においても損なわれることはない。従って、
磁性層表面にカーボン膜を形成するとともに、この潤滑
剤を保有することにより、前記潤滑効果によって走行性
の改善が図られ、耐久性も向上する。
（１）〜（４）の化合物は、良好な潤滑作用を発揮して
摩擦係数を低減し、また、この潤滑作用は低温下等の厳
しい条件下においても損なわれることはない。従って、
磁性層表面にカーボン膜を形成するとともに、この潤滑
剤を保有することにより、前記潤滑効果によって走行性
の改善が図られ、耐久性も向上する。
【００２８】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を説明する
が、本発明はこの実施例に限定されるものではないこと
はいうまでもない。
が、本発明はこの実施例に限定されるものではないこと
はいうまでもない。
【００２９】下記の表１に示す潤滑剤を使用して、以下
に示す磁気記録媒体を作成した。ここでは、金属薄膜型
磁気記録媒体（蒸着テープ）に適用した実施例について
説明する。
に示す磁気記録媒体を作成した。ここでは、金属薄膜型
磁気記録媒体（蒸着テープ）に適用した実施例について
説明する。
【００３０】実施例１ 14μ厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに、斜方
蒸着法によりCo−Ni合金を被着させ、膜厚100nm の強磁
性金属薄膜を形成した。次に、この金属磁性薄膜表面
に、スパッタリングによりカーボン膜を厚さ15nmに形成
し、更に表１中の潤滑剤１をエタノールに溶解したもの
を塗布量が５mg/m2 となるように塗布し、８ミリ幅に裁
断してサンプルテープを作製した。
蒸着法によりCo−Ni合金を被着させ、膜厚100nm の強磁
性金属薄膜を形成した。次に、この金属磁性薄膜表面
に、スパッタリングによりカーボン膜を厚さ15nmに形成
し、更に表１中の潤滑剤１をエタノールに溶解したもの
を塗布量が５mg/m2 となるように塗布し、８ミリ幅に裁
断してサンプルテープを作製した。
【００３１】実施例２〜実施例16 実施例１において、潤滑剤として使用した表１中の潤滑
剤１を下記の表１及び表２中の潤滑剤２〜潤滑剤16にそ
れぞれ代えて、他は実施例１と同様の方法により、対応
する各サンプルテープを作製した。
剤１を下記の表１及び表２中の潤滑剤２〜潤滑剤16にそ
れぞれ代えて、他は実施例１と同様の方法により、対応
する各サンプルテープを作製した。
【００３２】実施例17〜実施例32 実施例１において、潤滑剤として使用した表１中の潤滑
剤１を下記の表３及び表４中の潤滑剤17〜潤滑剤32にそ
れぞれ代えて、他は実施例１と同様の方法により、対応
する各サンプルテープを作製した。
剤１を下記の表３及び表４中の潤滑剤17〜潤滑剤32にそ
れぞれ代えて、他は実施例１と同様の方法により、対応
する各サンプルテープを作製した。
【００３３】比較例１〜15 なお、比較例として、カーボン膜を形成しないで潤滑剤
１を塗布したテープ（比較例１）、カーボン膜を形成し
ないで潤滑剤17を塗布したテープ（比較例２）、及び、
カーボン膜を形成したが潤滑剤を塗布しないテープ（比
較例３）、実施例１において潤滑剤１に代えて下記の表
５及び表６中の潤滑剤33〜44を用い、他は同様にして得
た各テープ（比較例４〜15）も作製した。
１を塗布したテープ（比較例１）、カーボン膜を形成し
ないで潤滑剤17を塗布したテープ（比較例２）、及び、
カーボン膜を形成したが潤滑剤を塗布しないテープ（比
較例３）、実施例１において潤滑剤１に代えて下記の表
５及び表６中の潤滑剤33〜44を用い、他は同様にして得
た各テープ（比較例４〜15）も作製した。
【００３４】
【００３５】
【００３６】
【００３７】
【００３８】
【００３９】
【００４０】上述のようにして作製された各テープにつ
いて、温度25℃、湿度60％のとき、温度−５℃のとき、
温度40℃、湿度80％の条件下での摩擦係数、スチル耐久
性、シャトル耐久性について測定を行った。スチル耐久
性は、ポーズ状態での出力の−３dBまでの減衰時間を評
価した。シャトル耐久性は、１回につき２分間のシャト
ル走行を行い、出力が３dB低下するまでのシャトル回数
で評価した。測定結果を併せて、下記の表７〜表16に示
す。
いて、温度25℃、湿度60％のとき、温度−５℃のとき、
温度40℃、湿度80％の条件下での摩擦係数、スチル耐久
性、シャトル耐久性について測定を行った。スチル耐久
性は、ポーズ状態での出力の−３dBまでの減衰時間を評
価した。シャトル耐久性は、１回につき２分間のシャト
ル走行を行い、出力が３dB低下するまでのシャトル回数
で評価した。測定結果を併せて、下記の表７〜表16に示
す。
【００４１】
【００４２】
【００４３】
【００４４】
【００４５】
【００４６】
【００４７】
【００４８】
【００４９】
【００５０】
【００５１】実施例33〜66 実施例１及び17において、カーボン膜の膜厚、潤滑剤の
塗布量を下記の表17〜表18のように種々変え、他は同様
にして対応する各テープを作製した。
塗布量を下記の表17〜表18のように種々変え、他は同様
にして対応する各テープを作製した。
【００５２】
【００５３】
【００５４】そして、上記したと同様にして各測定を行
い、その結果を下記の表19〜表26に示す。
い、その結果を下記の表19〜表26に示す。
【００５５】
【００５６】
【００５７】
【００５８】
【００５９】
【００６０】
【００６１】
【００６２】
【００６３】以上の結果から明らかなように、本発明に
基づく実施例１〜32の磁気記録媒体は、磁性層の表面に
カーボン膜を形成するとともに、一般式（１）で表され
るアルキル安息香酸もしくはそのエステル誘導体、一般
式（２）で表されるアルキル安息香酸アミン塩、一般式
（３）で表されるアルコキシ安息香酸もしくはそのエス
テル誘導体、又は一般式（４）で表されるアルコキシ安
息香酸アミン塩を潤滑剤として保有しているので、如何
なる使用条件下でも潤滑性を保つことができ、また長期
にわたりその潤滑性を保つことができる。従って、本発
明に基づく磁気記録媒体は走行性、耐摩耗性、耐久性に
優れたものである。特に、カーボン膜の厚さを５〜100n
m 、潤滑剤の塗布量を 0.2〜100mg/m2としたときに結果
が良好となる。
基づく実施例１〜32の磁気記録媒体は、磁性層の表面に
カーボン膜を形成するとともに、一般式（１）で表され
るアルキル安息香酸もしくはそのエステル誘導体、一般
式（２）で表されるアルキル安息香酸アミン塩、一般式
（３）で表されるアルコキシ安息香酸もしくはそのエス
テル誘導体、又は一般式（４）で表されるアルコキシ安
息香酸アミン塩を潤滑剤として保有しているので、如何
なる使用条件下でも潤滑性を保つことができ、また長期
にわたりその潤滑性を保つことができる。従って、本発
明に基づく磁気記録媒体は走行性、耐摩耗性、耐久性に
優れたものである。特に、カーボン膜の厚さを５〜100n
m 、潤滑剤の塗布量を 0.2〜100mg/m2としたときに結果
が良好となる。
【図１】本発明の磁気記録媒体の一例を示す断面図であ
る。
る。
【符号の説明】 １・・・非磁性支持体 ２・・・金属磁性薄膜 ３・・・カーボン膜 ４・・・潤滑剤層
Claims (3)
- 【請求項１】 非磁性支持体上に少なくとも磁性層が形
成されている磁気記録媒体において、前記磁性層上にカ
ーボン膜が形成されており、かつ、下記の一般式（１）
で表されるアルキル安息香酸類又はそのエステル誘導体
と、下記の一般式（２）で表されるアルキル安息香酸ア
ミン塩類と、下記の一般式（３）で表されるアルコキシ
安息香酸類又はそのエステル誘導体と、下記の一般式
（４）で表されるアルコキシ安息香酸アミン塩類とから
なる群より選ばれた少なくとも１種の化合物が保有され
ていることを特徴とする磁気記録媒体。 一般式（１）： 【化１】 一般式（２）： 【化２】 一般式（３）： 【化３】 一般式（４）： 【化４】 （但し、一般式（１）、（２）、（３）、（４）中、Ｒ
1 は、炭素数６〜18の炭化水素基、部分フッ化炭化水素
基又はフッ化炭素基であり、 Ｒ2 、Ｒ3 、Ｒ4 、Ｒ5 はそれぞれ、炭素数30以下の炭
化水素基、部分フッ化炭化水素基、フッ化炭素基又は水
素原子であり、Ｒ3 、Ｒ4 、Ｒ5 の少なくとも１つは炭
素数が10以上であり、ｍは１〜５の整数である。） - 【請求項２】 カーボン膜の厚さは５〜100nm である、
請求項１に記載した磁気記録媒体。 - 【請求項３】 保有される化合物からなる潤滑剤の塗布
量は 0.2〜100mg/m2である、請求項１又は２に記載した
磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19900793A JPH0737239A (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19900793A JPH0737239A (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0737239A true JPH0737239A (ja) | 1995-02-07 |
Family
ID=16400560
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19900793A Pending JPH0737239A (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0737239A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102821892A (zh) * | 2010-03-31 | 2012-12-12 | 出光兴产株式会社 | 粉末冶金用润滑剂以及金属粉末组合物 |
-
1993
- 1993-07-16 JP JP19900793A patent/JPH0737239A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102821892A (zh) * | 2010-03-31 | 2012-12-12 | 出光兴产株式会社 | 粉末冶金用润滑剂以及金属粉末组合物 |
| EP2554299A1 (en) * | 2010-03-31 | 2013-02-06 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Metallurgical lubricant powder and metal powder composition |
| EP2554299A4 (en) * | 2010-03-31 | 2014-04-16 | Idemitsu Kosan Co | METALLURGICAL LUBRICANT AND METAL POWDER COMPOSITION |
| US9340743B2 (en) | 2010-03-31 | 2016-05-17 | Idemitsu Kosan Co., Ltd. | Metallurgical lubricant powder and metal powder composition |
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