JP2770924B2 - ズームレンズ系 - Google Patents

ズームレンズ系

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JP2770924B2
JP2770924B2 JP62312473A JP31247387A JP2770924B2 JP 2770924 B2 JP2770924 B2 JP 2770924B2 JP 62312473 A JP62312473 A JP 62312473A JP 31247387 A JP31247387 A JP 31247387A JP 2770924 B2 JP2770924 B2 JP 2770924B2
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zooming
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はズームレンズ、特にその合焦方式に関し、レ
ンズ系内の一部のレンズ群の移動による所謂インナーフ
ォーカス又はリアフォーカス方式に関する。 〔従来の技術〕 近年ズームレンズの高性能化、高変倍化を計るため
に、最も物体側の前群を移動させて合焦を行う所謂前群
繰出し方式以外の様々な方式が提案されている。 前群繰出し合焦方式においては、合焦のために移動す
るレンズ群が最も物体側であるため、合焦レンズ群の有
効口径が極めて大きくなる傾向にあり、又自動合焦に行
うための合焦群の移動機構が大型化するために自動合焦
用には不利であるという欠点があったのである。これに
対し、一般に前群繰出し方式以外の合焦方式を採用する
場合には、焦点距離の変化に応じて合焦のための移動量
が変化してしまうため、合焦機構が極めて複雑となり構
造的に困難になるという問題があった。 これを解決する方式として、特開昭57−4018号公報等
に開示される如く、ズーミング機構とフォーカシング機
構とを連動させるようなフォーカシング用の新たなカム
を設けることによって、焦点距離の変化に応じて繰出し
量が変化しても構造的に焦点合せを可能とする構成が提
案されている。 一方、全く別の解決方法として、合焦群の繰出量が焦
点距離にかかわらずほぼ一定となるように合焦群の横倍
率がズーミングに伴って変化するような構成をとったも
のもある。この例として、特開昭58−202416号公報に開
示された構成の如く、3つの合焦群をズーミングのとき
とは別に一体的に、且つどの焦点距離でもほぼ同一量だ
け移動させることで合焦を可能とした構成があり、また
特開昭58−211117号公報や特開昭58−211118号公報に開
示される如く、2つの合焦群をズーミングとは別に、異
なる比率で移動させることで合焦を可能にする構成があ
る。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記の合焦方式はいずれもズームレンズの前群繰出し
以外の方式として、前群繰出しによる合焦の諸問題点の
解決を計った実現性の高い方式であると言い得る。しか
しながら、いずれの方式においてもフォーカシングに際
しては合焦群の移動がズーミングの際の移動とは異なる
ために、フォーカシングを可能にするための全く別の機
構を設けることが必要であり、依然として複雑な構成に
ならざるを得なかった。 そこで、本発明の目的は、前群繰出し以外による合焦
であって、しかもより簡単な構成によって合焦を可能と
するズームレンズ系を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、本願と同一出願人による特願昭61−312978
号として提案した合焦方式を、さらに改良するものであ
る。 即ち、先の特願昭61−312978号においては、変倍と合
焦の両方の機能を持つレンズ群を有するズームレンズ系
において、第1図に示す如く、合焦のために光軸上を移
動する合焦群GFがズーミングの際とフォーカシングの際
とで共通の軌跡上を移動するように設定し、フォーカシ
ング時には合焦群GFがその群の変倍のための移動軌跡上
を移動することによって合焦を可能にするものである。
具体的には、ズーミングに際して変倍に寄与する少なく
とも3つのレンズ群を有し、合焦群GFは最も物体側のレ
ンズ群以外の複数のレンズ群Gi,Gi+1からなり、該合焦
レンズ群Gi,Gi+1の変倍のための移動軌跡Gi(θ)、G
i+1(θ)上をそれぞれ移動させることによって近距離
物体への合焦を行うものである。そして、変倍に寄与す
る少なくとも3つのレンズ群の変倍のための所定の移動
軌跡を、該各レンズ群の光軸方向の移動量を規定するた
めの回転鏡筒の回転角θを変数として表現するとき、変
倍のための移動軌跡上における合焦レンズ群の合焦のた
めの回転移動量φが、任意の変倍状態(任意の焦点距
離)において一定物体距離に対して等しく構成すること
が望ましいものとしていた。 しかしながら、上記の如く合焦レンズ群の合焦のため
のそれぞれの回転移動量φが、任意の変倍状態(任意の
焦点距離)において一定である場合には、変倍のための
移動軌跡から光軸上の移動量が一義的に決定されるた
め、設計の自由度が低く変倍用のカムとして実用的な軌
跡を形成することが難しく、構成が複雑になる傾向にあ
った。 そこで本発明においては、複数のレンズ群からなる合
焦レンズ群において、任意の変倍状態(任意の焦点距
離)における一定物体距離に対して互いに異なる移動量
を持つレンズ群を設けることとしたものである。 このような本発明による第1図に示した構成について
詳述するに、レンズ系を構成するm個のレンズ群からな
るものとし、最も物体側に位置する第1レンズ群G1と、
合焦群GFとしてのレンズ系の内部のレンズ群Gi,Gi+1
最終群として第m群Gmのみを示している。そして、これ
らの各群は、任意の焦点距離状態fAにおける無限遠合焦
状態においては、それぞれ光軸上の位置がA1,Ai,Ai+1,A
mにあり、この変倍状態において撮影距離Rの物体に合
焦するために、合焦群GFとしてのレンズ群Gi,Gi+1がそ
れぞれの変倍のための移動軌跡Gi(θ)、Gi+1(θ)に
沿って広角側へ移動し、ARi,ARi+1の位置に移動する。
このとき、第1レンズ群G1は光軸上の位置が固定され、
図中ではAR1の位置(光軸上での位置がA1に一致)とし
て示され、また同様に第mレンズ群Gmも光軸上の位置が
固定され、図中ではARmの位置(光軸上での位置がAm
一致)として示されている。 他方、有る焦点距離fBの焦点距離状態における無限遠
合焦状態においては、図示した全てのレンズ群がそれぞ
れの移動軌跡に沿って移動し、それぞれ、光軸上の位置
がB1,Bi,Bi+1,Bmになる。このような焦点距離fBにおけ
る変倍状態において、さらに近距離物体に合焦するため
には、合焦群GFとしてのレンズ群Gi,Gi+1をそれぞれの
変倍のための移動軌跡に沿って広角側へ移動させ、他の
レンズ群の光軸上位置を固定するようにすればよいので
ある。(図中、BR1,BRi,BRi+1,BRmに対応する。) もちろん、撮影距離Rに固定した状態で、図中AR1,A
Ri,ARi+1,ARmの位置からそれぞれ移動軌跡に沿ってズー
ミングすると、各レンズ群はBR1,BRi,BRi+1,BRmの位置
に移動するように構成されている。 尚、合焦群GFとしては、図示したレンズ群Gi,Gi+1
限らず、最も物体側レンズ群以外のその他のレンズ群、
例えば最終レンズ群としての第m群Gmを加えて構成する
ことも可能である。 〔作用〕 上記の如く、合焦のために光軸上を移動する合焦群が
ズーミングの際とフォーカシングの際とで共通の軌跡上
を移動するため、変倍のための移動軌跡を規定する回転
鏡筒としての所謂カム筒を、合焦のための移動を規制す
る部材として共用することができるため、鏡筒の構造が
極めて簡単になる。しかも、ズームレンズ系中の最も物
体側に位置するレンズ群以外の、レンズ系内部或いは後
方のレンズ群によって合焦がなされるため、レンズ系全
体を小型に構成し得ると共に、自動合焦のための機構も
簡単なものにできる。 以下に、このような本発明によるズームレンズ系の基
本構成について詳述する。 まず、合焦群がm個のレンズ群から成る場合について
考える。 第2図のように物体距離無限遠の状態から各群をそれ
ぞれΔX1、……ΔXi、…、ΔXmだけ移動させることによ
って、撮影距離R(物体から所定像面までの距離)の物
体に合焦させるものとする。 ここで、第3図の如く、第m群Gmの物点がΔSmだけ像
側へ移動した時、第m群Gmを物体側にΔXmだけ移動させ
て合焦させた場合、次の関係式が成り立つ。 ただし βm:第m群の物体距離無限遠の際の横倍率 fm:第m群の焦点距離 次に、第4図を参考に第(m−1)群から第2群まで
について考える。これらの群中の任意の第i群Giについ
て、この群に対する物点がΔSiだけ像側へ移動したとき
に像点がΔS′だけ移動するように第i群GiがΔXi
け物体側へ移動したとすると、次の関係式が成り立つ。 ただし 2≦i≦m−1 次に、第5図を参考に最も物体側に位置する第1群G1
について考える。 ここで、第1群G1の前側焦点から物点までの距離を
x、第1群G1の後側焦点から像点までの距離をx′とす
るとき、 x1′=ΔS1′+ΔX1=ΔS2+ΔX1 x1=−(R−T−ΔX1) 但し、R:撮影距離 T:第1群の前側焦点から最終群による像点ま
での距離 が成り立つ。これらの値を所謂ニュートンの式 x′x=−f2 に代入し、物体が極端に近くないことを仮定し、 R−T−ΔX1≒R−T とおくと、次の関係式を得る。 一方、第i群Giの横倍率の変化量がこの群の横倍率β
に比べて微小の場合、即ち の場合、上記(2)式は次式のように近似できる 同様に、最終群としての第m群Gmの横倍率の変化量がこ
の群自体による横倍率βに比べて微小の場合、即ち、 の場合に、(1)式は次式のように近似できる。 ここで、光線追跡式の定義から、 Si′=Si+1 であり、また(4)式、(5)式を使うと、(3)式は
以下の(6)式のようになる。 (R−T){β2 2β3 2ΔX1+(1−β2 2)β3 2ΔX2 +(1−β3 2)ΔX3+ΔS3′} =f1 2β2 2β3 2 ………(6) 上記の如き関係式に基づいて、順次第(m−1)群ま
でを計算してまとめると(7)式が得られる。 ただしβ=0 また、特定の群のフォーカシングの際の繰出量をΔX
とすると次の(8)式のように変形できる。 ただし、 Kj:特定の移動群に対する繰出量の比 β=0 上記の(7)式、(8)式がフォーカシング群がm個
のレンズ群から成る場合の合焦のための関係式である。 次に本発明によるフォーカシングの際に、移動する合
焦群を、それらの群自体の変倍のための移動軌跡に沿っ
て移動させるという本発明の場合について述べる。 いま、第1図のようにズームレンズ系中の任意のレン
ズ群Gi(第i群とする)がズーミングの際に移動する軌
跡を、このレンズ群の光軸方向の移動量を規定するため
の回転鏡筒の回転角θを変数として、Gi(θ)と定義す
る。 そして、この軌跡について以下の(9)式を定義す
る。 上記(7)式におけるΔXjは(9)式を使って(10)
式に変換できる。 (10)式を使って(7)式を書き直すと以下の(11)
式に変換できる。 本発明の如く、フォーカシングをズーミングにおける
移動曲線、即ち所謂ズームカムを利用して行なう場合、
変倍のための移動群が全てフォーカス群として移動する
と、任意の焦点距離で物点距離無限遠と有限距離Rの両
方において結像位置が同じにならなくてはならないとい
う矛盾を生じる。従って、フォーカシングに寄与しない
ズーミング専用のレンズ群を設定する必要がある。また
一方、前述の如く、ズームレンズの高倍率化あるいは自
動合焦化を計る場合、従来の前群繰出し方式ではレンズ
系の大型化を招くだけでなく、フォーカシングの際に駆
動系にかかる負荷が大きくなってしまう。 従って、フォーカシングに寄与しない変倍専用レンズ
群として、少なくとも物体側第1レンズ群を設定しなく
てはならない。以上のことから本発明によるズームレン
ズのフォーカシングを特徴ずける関係式として、 とおくことによって、以下の(12)式が得られる。 ただし、θ′=θ+φ(θ) ここで、φ(θ)はフォーカシングによる繰出量に
依存する回転方向の変化量であり、一般にθの関数とみ
なせる。 上記のごとく(12)式がフォーカシングをズームカム
を利用して行なう本発明の基本式であるが、一般にφが
θに依存するために焦点距離によってそれぞれのφ
(θ)の値を変えるような特別な機械的機構が必要と
なると考えられるが、実際にはズーミングカムと組み合
わせる案内用の直進溝をφ(θ)に依存するようなカ
ム溝にすることで、 φ=一定 の場合と全く同等の簡単な構造とすることが可能であ
る。 従って、φ(θ)を用いて、上記の(12)式は と書ける。ズーミングによるレンズ全長の変化、即ち、
Tの値の変化が撮影距離Rに比べて小さければ R−T=一定 とおける。 である場合を考える。 このとき、(13)式は次式のようになる。 これを変形して Lj=定数と仮定してあるから一般にはここで、R−T=一定 を仮定してあるから、f1 2の値
がズーミングに伴って変化しなくてはならない。つまり
フォーカシングに寄与しない物体側レンズ群は少なくと
も2群より構成されズーミングに伴ってその合成焦点距
離が変化することが必要である。 次に の場合について検討するに、この場合、f1 2=一定 で
を満足する の値は存在するが非常に限定されてしまいズーミングの
自由度を小さくしてしまう。従って、この場合において
も、f1 2がズーミングによって変化するように設定する
ことが望ましい。即ち、合焦群より物体側に位置する変
倍専用群の合成焦点距離が、変倍と共に変化することが
望ましい。 以上のようにフォーカシングに寄与しない物体側レン
ズ群の合成焦点距離がズーミングに伴なって変化すれ
ば、フォーカシングにおける合焦群の移動量を規定する
φを自由に選ぶことができる。この場合には、任意の焦
点距離で有限物体に合焦している状態からズーミングし
ても結像位置が変化しない。そして、このような各レン
ズ群の移動を規定するためには、変倍のための移動軌跡
を設定した所謂カム筒としての回転鏡筒を利用し、同時
に従来の案内用の直進溝をφ(θ)に依存するカム溝
に変えるだけでよいため、特別な機構を設ける必要性も
なくなる。 従って、(13)式は最終的に以下の如き(14)式に書
き換えられる。 以上より、合焦レンズ群よりも物体側に少なくとも2
群の変倍レンズ群を有し、ズーミングに伴って合成焦点
距離が変化し、合焦レンズ群において(14)式を満足す
るようなズーミングの移動曲線を採用することで、合焦
レンズ群それぞれの繰出し量が独立でかつズーミングに
伴なって変化しても特別な機構を設けることなく、ズー
ムカムをそのまま利用して合焦させることができる。 なお(14)式は近似を含む関係式であるから、実際に
は数値処理をして更に厳密な移動曲線を得ることが可能
でありまた理想的である。 〔実施例〕 以下に本発明によるズームレンズ系の実施例について
説明する。 この実施例は焦点距離範囲が28.8mm〜146mmで、Fナ
ンバーが4.1〜5.7で、第6図に示す如く、物体側から順
に、正負正負正の5つのレンズ群から成るズームレンズ
系である。正屈折力の第1レンズ群G1と負屈折力の第2
レンズ群G2とはズーミング時にのみ移動しフォーカシン
グ時には固定され、合焦には関与しないレンズ群であ
り、変倍に際してその相対的位置が変化し合成焦点距離
を変える。正屈折力の第3レンズ群G3と負屈折力の第4
レンズ群G4及び正屈折力の第5レンズ群G5は合焦レンズ
群であり、ズーミングに際してはそれぞれ独立に移動
し、フォーカシングに際してはそのズーミング移動曲線
上をそれぞれ移動することで合焦がなされる。 本実施例の具体的移動形態について、第6図を用いて
詳述する。この第6図は、ズーミングの際の各レンズ群
の移動量を規定するための回転鏡筒の回転角θを縦軸
に、光軸上の位置を横軸にとって、各レンズ群の移動軌
跡を示したものである。ズーミングの際には全レンズ群
が光軸上を移動するものであり、最も物体側に位置する
第1レンズ群G1とその次に位置する第2レンズ群G2とが
ズーミングのためにのみ移動し、第3レンズ群G3、第4
レンズ群G4及び第5レンズ群G5が合焦群GFとしてフォー
カシングの際にも移動する。そして、5つの各レンズ群
は、任意の焦点距離状態fAにおける無限遠合焦状態にお
いては、それぞれ光軸上の位置がA1,A2,A3,A4,A5にあ
り、この変倍状態において撮影距離Rの物体に合焦する
ために、合焦群GFとしての第3レンズ群G3、第4レンズ
群G4及び第5レンズ群G5がそれぞれの変倍のための移動
軌跡に沿って移動し、AR3,AR4,AR5の位置に移動する。
このとき、第1レンズ群G1は光軸上の位置が固定され、
図中ではAR1の位置(光軸上での位置がA1に一致)とし
て示され、また同様に第2レンズ群G2も光軸上の位置が
固定され、図中ではAR2の位置(光軸上での位置がA2
一致)として示されている。 他方、或る焦点距離fBの変倍状態での無限遠合焦状態
においては、図示した全てのレンズ群がそれぞれの移動
軌跡に沿って移動し、それぞれ光軸上の位置がB1,B2,
B3,B4,B5となる。このような焦点距離fBにおける変倍状
態において、図中、BR3,BR4,BR5で示す位置まで合焦群G
Fとしての第3レンズ群G3、第4レンズ群G4及び第5レ
ンズ群G5をそれぞれの移動軌跡に沿って移動させ、第1
レンズ群G1及び第2レンズ群G2の軸上位置をB1,B2と同
一のBR1,BR2位置に固定することによって、撮影距離R
の物体に合焦することが可能となる。勿論、撮影距離R
に固定した状態で図中AR1,AR2,AR3,AR4,AR5で示す位置
から移動軌跡に沿ってズーミングすると、BR1,BR2,BR3,
BR4,BR5で示す位置に移動するように構成されている。 同様に、全系の合成焦点距離が最長の焦点距離fT(望
遠端)にある場合には、各レンズ群の位置は、図示した
T1,T2,T3,T4,T5にあり、この変倍状態において撮影距離
Rの物体に合焦するためには、合焦群GFとしての第3レ
ンズ群G3、第4レンズ群G4及び第5レンズ群G5がそれぞ
れの変倍のための移動軌跡に沿って移動し、TR3,TR4,T
R5の位置に移動すればよい。 ここで、任意の変倍状態における無限遠合焦状態から
所定の近距離物体への合焦状態に移行するために、合焦
群としての第3レンズ群G3及び第5レンズ群G5にそれぞ
れ必要な移動を与えるための回転鏡筒の回転量Φは、一
定の撮影距離Rに対しては全変倍域にわたって常に一定
となるが、第4レンズ群に要する回転量Φは一定の撮
影距離Rに対し、θの値すなわちカム筒の回転位置に応
じて変化するように構成されている。 即ち、第6図において、 Φ(θ)=Φ(θ)=一定 Φ(θ)≠一定 と表される。 尚、図中第3レンズ群G3、第4レンズ群G4及び第5レ
ンズ群G5の各移動軌跡に関しては広角端(全系の合成焦
点距離fw)でフォーカシングに必要な移動軌跡を確保す
るために、変倍のための各移動軌跡に沿って合焦用の軌
跡を、それぞれΦ(θ),Φ(θ)Φ(θ)に相
当する量だけ延長したが、この延長部分が合焦専用の移
動軌跡となる。 第6図のレンズ構成図に示す如く、本実施例における
各レンズ群は以下のように構成されている。すなわち、
正屈折力の第1レンズ群G1は物体側から順に、負レンズ
と正レンズとの接合からなる貼合せ正レンズL11と物体
側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12とからなり、
負屈折力の第2レンズ群G2は物体側に凸面を向けた負メ
ニスカスレンズL21、両凹負レンズと物体側に凸面を向
けた正メニスカスレンズとの接合からなる貼合せ負レン
ズL22、物体側により曲率の強い面を向けた正レンズL23
及び物体側により強い曲率の面を向けた負レンズL24
ら構成されている。また正屈折力の第3レンズ群G3は2
つの正レンズL31,L32と物体側に凸面を向けた負メニス
カスレンズと物体側に強い曲率の面を向けた正レンズと
の接合からなる貼合せ正レンズL33とで構成され、負屈
折力の第4レンズ群G4は両凹負レンズL41と物体側に凸
面を向けた正メニスカスレンズL42とで構成され、正屈
折力の第5レンズ群G5は像側により強い曲率の面を向け
た正レンズL51、物体側により曲率の強い面を向けた正
レンズL52及び物体側により強い曲率の面を向けた負レ
ンズL53で構成されている。 以上の如き第6図に示した実施例の諸元を表1に示し
た。表中、左端の数字は物体側からの順序を表し、屈折
率及びアッベ数はd線(λ=587.6nm)に対する値であ
る。 本実施例の移動軌跡は、撮影距離R=1.5mについて解
いたものであり、d5は第1レンズ群G1と第2レンズ群G2
との間隔、d14は第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との
間隔、d21は第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間
隔、d25は第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔を
それぞれ表し、Bfはバックフォーカスを表し、焦点距離
f=28.8〜146.0mmまでの6つのポジションにおける各
値を示した。 また、本実施例による撮影距離R=1.5m、2.0m、3.0
m、5.0m、7.0m、10.0mにおける各レンズ群に必要な繰出
し量を表2に示した。なお、それぞれの撮影距離におけ
る繰出量は、ズーミングの際の各レンズ群の移動量を規
定するための回転鏡筒の回転角θと撮影距離Rに依存す
る値φ(θ,R)(i=3,4,5)により移動軌跡から決
定される。 表2には、各撮影距離Rごとの移動量を規定する回転
鏡筒の回転角に対応する量φ(θ,R)を、広角端から
望遠端への変倍に必要な回転鏡筒の全回転量Θに対する
値として示し、併せてこの時の光軸に沿った移動量ΔXi
も記した。ここでは、合焦のための移動が物体側である
場合を正として示した。 このような本発明による実施例について、上記の各撮
影距離にそれぞれ合焦するために、各レンズ群に対し所
定の繰出量を与えた際の結像点の変位量を表3に示し
た。この表3からそれぞれの焦点距離、撮影距離で結像
点での変位量が極めて小さく。充分に焦点深度内に収ま
っていることがわかる。 尚、本実施例の諸収差図を第7A図〜第7F図に示した。
第7A図〜第7F図は、広角端から望遠端までの表1に示し
た6つの変倍状態における諸収差を示し、いずれも撮影
距離が無限遠に対するものである。 上記の実施例では、第3レンズ群G3と第5レンズ群G5
のそれぞれの移動軌跡に沿った移動量Φの値は、同一の
撮影距離Rに対して、焦点距離にかかわらず一定である
が、第4レンズ群G4については一定の撮影距離Rに対し
て必要な移動量Φは第3レンズ群G3及び第5レンズ群G5
とは異なっている。合焦レンズ群としての第3レンズ群
G3、第4レンズ群G4及び第5レンズ群G5のうちのどのレ
ンズ群を他のレンズ群と異なる回転量にするかは任意で
ある。また、合焦レンズ群中の各レンズ群とも一定の撮
影距離に対する合焦のための回転移動量が異なるように
構成することも可能である。このように合焦のために移
動する各レンズ群の移動量を異なる構成とすることによ
って、合焦レンズ群内の各レンズ群に必要な光軸上移動
量に対して、変倍のための移動軌跡に沿った回転移動量
を適宜選択できるため、設計の自由度が高まるという点
で有利になる また、上記の実施例では、任意の焦点距離状態におい
て無限遠から近距離に合焦するために、合焦レンズ群は
全て移動軌跡上を広角端の方向に向かって移動する構成
であったが、合焦のための移動方向は、合焦レンズ群の
合成焦点距離fF、及び合焦レンズ群の担う倍率βによ
ってきまり、移動軌跡上を望遠端に向かって移動する解
も存在し得る。 〔発明の効果〕 以上の如く本発明によれば、前群繰出し以外による合
焦であって、フォーカシングに際して合焦群の移動軌跡
がズーミングの際の移動軌跡と同一であるために、従来
の案内用の直進溝をカム溝に変えるだけでフォーカシン
グのための移動量を規定することができ、他に特別の機
構を設ける必要がなく、より簡単な構成によって合焦を
可能とするズームレンズ系が達成される。そして、複数
のレンズ群からなる合焦レンズ群において、任意の変倍
状態(任意の焦点距離)における一定物体距離に対して
互いに異なる移動量を持つレンズ群を設けることとして
いるため、設計の自由度が高くなり変倍用カムとして実
用的な軌跡を形成することができ、より優れた性能のズ
ームレンズ系を提供することができる。しかも、このよ
うなズームレンズ系を自動合焦装置用のレンズとして用
いる場合には、レンズ系の後方において合焦を行うこと
ができるため、ズーミング及びフォーカシングを簡単な
機構によって実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明によるズームレンズ系の基本原理を説明
する図、第2図乃至第5図は合焦群がm群から構成され
る場合の関係式を導くための説明図であり、第2図はm
群からなるレンズ系の合焦の様子を示す図、第3図は最
終レンズ群としての第mレンズ群における合焦の様子を
示す図、第4図は第2レンズ群から第(m−1)レンズ
群の中の任意のレンズ群における合焦の様子を示す図、
第5図は最も物体側に位置する第1レンズ群における合
焦の様子を示す図、第6図は本発明による実施例のレン
ズ構成と移動軌跡を説明する図であり、第7A図〜第7F図
は実施例における各変倍状態における無限遠合焦状態で
の諸収差図である。 〔主要部分の符号の説明〕 G1……第1レンズ群 Gi……第iレンズ群 Gi+1……第(i+1)レンズ群 Gm……第mレンズ群 GF……合焦レンズ群 φi(θ)……合焦のために第iレンズ群について必要
な回転鏡筒の回転量

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.変倍と合焦の両方の機能を持つ複数のレンズ群を有
    するズームレンズ系において、 合焦のために光軸上を移動する合焦レンズ群は、変倍の
    ときに所定の移動軌跡上をそれぞれ移動する複数のレン
    ズ群を有し、 該複数のレンズ群の各々の前記所定の移動軌跡は、該複
    数のレンズ群が各々の前記所定の移動軌跡上をそれぞれ
    移動することで全変倍域で合焦可能となるように構成さ
    れ、 前記所定の移動軌跡を、前記合焦レンズ群の変倍のとき
    の光軸方向の移動量を規定するための回転鏡筒の回転角
    を変数として表現するとき、前記複数のレンズ群の前記
    所定の移動軌跡上における一定物体距離に対する合焦の
    ための回転移動量は、互いに異なることを特徴とするズ
    ームレンズ系。 2.前記ズームレンズ系は、ズーミングに際して変倍に
    寄与する少なくとも3つのレンズ群を有し、前記合焦レ
    ンズ群は最も物体側のレンズ群以外の複数のレンズ群か
    らなることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のズ
    ームレンズ系。 3.前記ズームレンズ系は、合焦のために移動する前記
    合焦レンズ群より物体側に、変倍の際に互いに相対的に
    移動して合成焦点距離を変え得る少なくとも2つのレン
    ズ群を有していることを特徴とする特許請求の範囲第2
    項記載のズームレンズ系。 4.合焦のために移動する複数のレンズ群を有する前記
    合焦レンズ群は、変倍に際してその合成焦点距離が変化
    するように構成されることを特徴とする特許請求の範囲
    第3項記載のズームレンズ系。
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