JPH0792390A - ズームレンズ - Google Patents

ズームレンズ

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JPH0792390A
JPH0792390A JP5259374A JP25937493A JPH0792390A JP H0792390 A JPH0792390 A JP H0792390A JP 5259374 A JP5259374 A JP 5259374A JP 25937493 A JP25937493 A JP 25937493A JP H0792390 A JPH0792390 A JP H0792390A
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JP
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lens group
lens
group
wide
zoom
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JP5259374A
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English (en)
Inventor
Motoyuki Otake
基之 大竹
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 フォーカシング時の仕事量が十分小さく、構
成レンズ枚数が少なく、結像性能が優れ、且つ高変倍化
が可能な多群ズームレンズを提供する。 【構成】 物体側より順に、正の屈折力を有する第1レ
ンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2
と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折
力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第
5レンズ群G5とを備え、広角端から望遠端への変倍に
際して、遠距離物体から近距離物体に対してフォーカシ
ングを行う際に前記第3レンズ群G3を物体側に移動さ
せ、 1<|f2|/f1<3 0.2<(f2−f3)/(f2+f3)<0.8 の条件を満足することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はズームレンズに関し、特
にレンズシャッター式のカメラ等に適したズームレンズ
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レンズシャッター式のカメラ用の
撮影レンズにおいては、ズームレンズが主流となりつつ
ある。また、ズームレンズの高性能化に伴い、種々のズ
ームタイプが提案されてきている。さらに、近年の鏡筒
技術の進歩等により、3群以上の可動レンズ群により構
成される、いわゆる多群ズームレンズを用いることで、
高変倍化を図ったズームタイプが種々提案されており、
それに伴って、多群ズームレンズにおけるフォーカシン
グ方法に関しても種々の方法が提案されてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
多群ズームレンズでは、広角化、高変倍化および小型化
を図りながら、少ない構成枚数で優れた結像性能を得る
ことは、極めて困難であるという不都合があった。ま
た、従来の多群ズームレンズにおいては、フォーカシン
グ時の仕事量(=重量×移動量)を小さくするという点
において十分ではないという不都合があった。本発明
は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、フォーカ
シング時の仕事量が十分小さく、構成レンズ枚数が少な
く、結像性能が優れ、且つ高変倍化が可能な多群ズーム
レンズを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明においては、物体側より順に、正の屈折力を
有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レ
ンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3
と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折
力を有する第5レンズ群G5とを備え、広角端から望遠
端への変倍に際して、少なくとも前記第1レンズ群G1
および前記第5レンズ群G5は物体側に移動し、前記第
1レンズ群G1と前記第2レンズ群G2との間の空気間
隔は増大し、前記第3レンズ群G3と前記第4レンズ群
G4との間の空気間隔は減少し、前記第4レンズ群G4
と前記第5レンズ群G5との間の空気間隔は減少するズ
ームレンズであって、遠距離物体から近距離物体に対し
てフォーカシングを行う際に前記第3レンズ群G3を物
体側に移動させ、前記第1レンズ群G1の焦点距離をf
1とし、前記第2レンズ群G2の焦点距離をf2とし、
前記第3レンズ群G3の焦点距離をf3としたとき、 1<|f2|/f1<3 0.2<(f2−f3)/(f2+f3)<0.8 の条件を満足することを特徴とするズームレンズを提供
する。
【0005】また本発明の別の局面によれば、物体側よ
り順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の
屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有す
る第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ
群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5とを備
え、広角端から望遠端への変倍に際して、少なくとも前
記第1レンズ群G1および前記第5レンズ群G5は物体
側に移動し、前記第1レンズ群G1と前記第2レンズ群
G2との間の空気間隔は増大し、前記第3レンズ群G3
と前記第4レンズ群G4との間の空気間隔は減少し、前
記第4レンズ群G4と前記第5レンズ群G5との間の空
気間隔は減少するズームレンズであって、遠距離物体か
ら近距離物体に対してフォーカシングを行う際に前記第
3レンズ群G3を物体側に移動させ、広角端における前
記第2レンズ群G2の結像倍率をβ2wとし、望遠端にお
ける前記第3レンズ群G3の結像倍率をβ3tとしたと
き、 −0.3<1/β2w<0.5 −0.7<β3t<0.3 の条件を満足することを特徴とするズームレンズを提供
する。
【0006】
【作用】まず、3群以上の可動群を有する、いわゆる多
群ズームレンズに関する一般論を述べる。多群構成のズ
ームレンズにおいては、広角端から望遠端への変倍に際
する各レンズ群のズーミング軌道に選択の自由度が増え
るため、収差補正上の自由度が多くなる。また、変倍を
担う群が増えるため、各レンズ群の変倍負担の均等化が
しやすくなる。したがって、高変倍化を図りつつ高性能
化を図ることが可能となる。従来、可動部分の増加に伴
う鏡筒構造の複雑化等の問題もあったが、近年の鏡筒技
術の進歩により、この問題もある程度克服されている。
【0007】従来より、バックフォーカスに制約のない
ズームレンズにおいては、レンズ全長の短縮化及び各レ
ンズ径の小型化を図るために、最も像側に負レンズ群を
配置しており、広角端から望遠端への変倍に際するバッ
クフォーカスの変化を大きくすることで、変倍を効果的
に行っていた。また、レンズ系の最も物体側に正レンズ
群を配置することにより、レンズ全長の短縮化を図って
おり、広角端において前記正レンズ群を像面寄りに配置
することにより前玉有効径の小型化を図っている。以上
のことから、具体的に高変倍化が可能で且つ小型化に適
した多群ズームレンズとしては、正正負3群ズームレン
ズや正負正負4群ズームレンズなどが挙げられ、それら
に関して種々の提案がなされてきた。
【0008】正正負3群ズームレンズは、物体側より順
に、正屈折力の第1レンズ群と、正屈折力の第2レンズ
群と、負屈折力の第3レンズ群とから構成され、広角端
から望遠端への変倍に際して、前記第1レンズ群と前記
第2レンズ群との間の空気間隔が増大し、前記第2レン
ズ群と前記第3レンズ群との間の空気間隔が減少する。
しかしながら、このように構成された正正負3群ズーム
レンズでは、変倍の大部分を前記第3レンズ群が担って
いるので、高変倍化を図る場合、変倍に際して前記第3
レンズ群で発生する軸外収差の変動が大きくなってしま
う。
【0009】正負正負4群ズームレンズは、物体側より
順に、正屈折力の第1レンズ群と、負屈折力の第2レン
ズ群と、正屈折力の第3レンズ群と、負屈折力の第4レ
ンズ群とから構成され、広角端から望遠端への変倍に際
して前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間の空気
間隔は増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群と
の間の空気間隔は減少し、前記第3レンズ群と前記第4
レンズ群との間の空気間隔は減少する。このように構成
された正負正負4群ズームレンズでは、前記第1レンズ
群の屈折力がレンズ全系の望遠端における屈折力より正
に大きく、前記第2レンズ群乃至前記第4レンズ群の合
成屈折力が望遠端において負となるように構成すること
によって、望遠端におけるレンズ全長の小型化を図って
いる。
【0010】しかしながら、正負正負4群ズームレンズ
においては、前記第2レンズ群の使用倍率をβ2とする
と、1/β2≒0となっている(前記第1レンズ群と前
記第2レンズ群G2との合成屈折力が0に近い)。この
ため、広角化を図る場合、十分なバックフォーカスが得
られず、後玉有効径が大型化してしまう。さらに、広角
端から望遠端への変倍に際して前記第2レンズ群と前記
第3レンズ群との間の空気間隔を大きく変化させること
で、前記第1レンズ群乃至前記第3レンズ群においても
変倍を担わせて、正正負3群ズームレンズに比べて高変
倍化を可能にしている。しかしながら、小型化を同時に
図ろうとする場合、変倍に際して前記第2レンズ群を通
過する軸外光束の高さがあまり変化せず、入射する角度
が大きく変化するため、前記第2レンズ群で発生する軸
外収差の変動を良好に抑えることが困難になってしま
う。
【0011】以上のように、従来の正正負3群ズームレ
ンズや正負正負4群ズームレンズにおいて、小型化およ
び高変倍化を図りながら同時に高性能化(結像特性の)
を図ることは難しかった。さらに、少ない構成レンズ枚
数でより高変倍化を図る場合、変倍時の各レンズ群の負
担が増加するので、広角端から望遠端への変倍に際して
発生する諸収差の変動を良好に補正することが難しかっ
た。
【0012】次に、多群ズームレンズにおけるフォーカ
シングに関して述べる。一般的に、フォーカシング群に
要求されることは、移動量が少ないこととフォーカシン
グ群の重量が小さいことである。これは、移動量が少な
いほど、レンズ系の小型化につながり、レンズの重量が
小さいほど、レンズを駆動させる機構の簡略化を図るこ
とができるためである。
【0013】従来より、多群ズームレンズにおいて近距
離物体に対して合焦を行う場合、次の3通りの方法に関
して種々の提案がなされてきた。 (A)1群繰り出し方式 (B)IF(インナー・フォーカス)方式 (C)RF(リア・フォーカス)方式 従来の正正負3群ズームレンズや正負正負4群ズームレ
ンズに示されるようなバックフォーカスに制約のない多
群ズームレンズにおいては、レンズ系(最も物体側のレ
ンズ面から最も像側のレンズ面まで)の最も物体寄りに
正レンズ群が配置されているが、広角端において発生す
る正の歪曲収差を良好に補正するために、正レンズ群の
屈折力を正に弱くしている。したがって、(A)の1群
繰り出し方式を用いてフォーカシングを行う場合、移動
量が大きくなってしまう。
【0014】また、最も像側に負レンズ群が配置されて
いるが、広角端におけるバックフォーカスがある程度小
さく、したがって、前記負レンズ群のレンズ径は、他の
レンズ群のレンズ径に比べて大きく、前記負レンズ群の
変倍を担う割合が大きい。このために、レンズ枚数を2
枚以上必要としており、前述の(C)のリア・フォーカ
ス方式を用いてフォーカシングを行う場合、フォーカシ
ング群の重量が大きかった。
【0015】(B)のインナー・フォーカス方式を用い
る場合、正正負3群ズームレンズでは、たとえば特開平
4−338910号公報に開示されているように、第2
レンズ群を2つのレンズ群に分割し物体側のレンズ群を
物体側に移動させてフォーカシングを行っている。しか
しながら、この場合、フォーカシング群を構成するレン
ズ枚数が多いため、フォーカシング群が重くなり、好ま
しくなかった。正負正負4群ズームレンズでは、たとえ
ば特開平3−39920号公報に開示されているよう
に、第2レンズ群は変倍時に使用倍率が大きく変化す
る。このため、変倍時に発生する収差の変動を抑えなが
らフォーカシング時の収差変動を抑えるには、レンズ構
成枚数を多くしなければならないので、フォーカシング
群が重くなり、好ましくなかった。
【0016】本発明は以上のような技術的背景に基づい
てなされたものであり、本発明のズームレンズは、物体
側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、
負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を
有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レ
ンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5と
を備え、広角端から望遠端への変倍に際して、少なくと
も前記第1レンズ群G1および前記第5レンズ群G5は
物体側に移動し、前記第1レンズ群G1と前記第2レン
ズ群G2との間の空気間隔は増大し、前記第3レンズ群
G3と前記第4レンズ群G4との間の空気間隔は減少
し、前記第4レンズ群G4と前記第5レンズ群G5との
間の空気間隔は減少し、遠距離物体から近距離物体に対
してフォーカシングを行う際に前記第3レンズ群G3を
物体側に移動させるように構成されている。こうした構
成により、フォーカシング時の仕事量が十分小さく、小
型で且つ少ない構成枚数で構成しながら、高変倍化を図
ることを可能とするズームレンズを達成することができ
る。
【0017】また、絞りSはレンズ系(最も物体側のレ
ンズ面から最も像側のレンズ面まで)の中央付近に配置
することが望ましく、特に前記第2レンズ群G2と前記
第3レンズ群G3との間、前記第3レンズ群G3と前記
第4レンズ群G4との間、あるいは前記第4レンズ群G
4と前記第5レンズ群G5との間に配置することが好ま
しい。
【0018】広角端において、負の屈折力を有する第2
レンズ群G2および第3レンズ群G3をレンズ系の物体
寄りに配置して、第1レンズ群G1乃至第3レンズ群G
3の合成屈折力を負とすることにより正の歪曲収差を良
好に補正し、十分なバックフォーカスが得られるように
している。また、第1レンズ群G1乃至第3レンズ群G
3と正屈折力を有する第4レンズ群G4との間の空気間
隔をある程度大きくすることによって、強い正屈折力を
得ている。
【0019】逆に、望遠端において、レンズ全長の短縮
化を図るために、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2
との間の空気間隔を広げ、第2レンズ群G2と第3レン
ズ群G3との間の空気間隔を広げることで、第1レンズ
群G1乃至第3レンズ群G3の合成屈折力を広角端に比
べて負に弱くしており、レンズ全長の短縮化を図ってい
る。また、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間
の空気間隔を狭めている。
【0020】前述の通り、バックフォーカスに制限のな
いズームレンズでは、レンズ全長の短縮化を図るために
最も像側に負レンズ群を配置することが効果的であり、
本発明においても、最も像側に配置される第5レンズ群
G5が負屈折力となっている。そして、より広角化を図
るために、広角端におけるバックフォーカスをある程度
短くして、第5レンズ群G5を通過する軸外光束の高さ
を光軸より離間させており、第5レンズ群G5において
軸上光束と軸外光束とを独立に補正している。さらに、
広角端におけるレンズ全長の短縮化を図ることで、第1
レンズ群G1を通過する軸外光束の高さを光軸に近づけ
て前玉有効径の小型化を可能にしている。
【0021】逆に、望遠端においてバックフォーカスを
大きくすることで、第5レンズ群G5を通過する軸外光
束の高さを広角端に比べてより光軸に近づけており、変
倍に際して第5レンズ群G5を通過する軸外光線の高さ
の差が大きくなる。したがって、第5レンズ群G5にお
いて発生する変倍時の軸外収差の変動を良好に抑えるこ
とが可能になる。
【0022】本発明においては、第1レンズ群G1乃至
第3レンズ群G3の合成屈折力が変倍中常に負であり、
広角端から望遠端への変倍に際して第1レンズ群G1の
主点位置と第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との合
成主点の位置との軸上間隔が増大する。特に、広角端に
おいて第1レンズ群G1に対して第2レンズ群G2およ
び第3レンズ群G3を近づけることにより、第1レンズ
群G1乃至第3レンズ群G3の合成屈折力が負に大きく
なり、広角端で十分なバックフォーカスが得られる。ま
た、第2レンズ群G2および第3レンズ群G3を通過す
る軸外光束の高さが光軸により近づくため、前玉有効径
の小型化を図れる。そして、望遠端における第1レンズ
群G1乃至第3レンズ群G3の合成屈折力が負に小さく
なるので、発散作用が弱まり、望遠端でのレンズ全長の
短縮化を図っている。
【0023】次に、第3レンズ群G3によりフォーカシ
ングを行う場合の条件について述べる。被写体の位置が
遠距離から近距離に移動するとき、第3レンズ群G3を
移動させてフォーカシングを行う場合、第1レンズ群G
1乃至第3レンズ群G3による物点の位置が第4レンズ
群G4に対して一定となるように、第3レンズ群G3を
移動させればよい。このときの第3レンズ群G3の移動
量Δを小さくするための条件について薄肉レンズ系を用
いて説明する。
【0024】まず、図2に示すように、第3レンズ群G
3に対する物点の位置がδだけ移動するとき、第4レン
ズ群G4に対する物点の位置を一定にするために第3レ
ンズ群G3をΔだけ移動させるとする。この場合、前記
第3レンズ群G3の結像倍率をβ3として、第3レンズ
群G3の移動量Δは、次の数式(a)で表される。 Δ={β32 /(β32 −1)}・δ (a) と表せる。式(a)において、k=β32 /(β32
1)とすると、次の式(b)および(c)の関係が成立
する。 1<k (β32 >1) (b) 0>k (β32 <1) (c)
【0025】移動量Δの絶対値をできるだけ小さくする
には、β32 >1の場合、kをできるだけ1に近づけ
る、つまり1/β3を0に近づけるか、あるいは、β3
2 <1の場合、kをできるだけ0に近づける、つまりβ
3を0に近づけることが必要とされる。本発明において
は、β3を0に近づけることにより、フォーカシング時
の第3レンズ群G3の移動量を減らしている。このよう
に、本発明においては、前述の通り第3レンズ群G3の
結像倍率β3をできるだけ0に近づけているので、第1
レンズ群G1と第2レンズ群G2との合成屈折力をでき
るだけ0に近づけることが望ましい。したがって、第2
レンズ群G2の使用倍率をβ2とすると、1/β2を0
に近づけることが望ましい。
【0026】以下、各条件式について説明する。本発明
のズームレンズは、以下の条件式(1)および(2)を
満足する。 1<|f2|/f1<3 (1) 0.2<(f2−f3)/(f2+f3)<0.8 (2) ここで、 f1:第1レンズ群G1の焦点距離 f2:第2レンズ群G2の焦点距離 f3:第3レンズ群G3の焦点距離
【0027】条件式(1)及び(2)は、それぞれ第1
レンズ群G1の焦点距離f1と第2レンズ群G2の焦点
距離f2との比、および第2レンズ群G2の焦点距離f
2と第3レンズ群G3の焦点距離f3との比について適
切な範囲を規定するもので、いずれも第3レンズ群G3
のフォーカシング時の移動量に関するものである。条件
式(1)の上限値を上回った場合、第2レンズ群G2の
焦点距離が長くなり、発散作用が弱くなるので、レンズ
全長の小型化につながるが、バックフォーカスが短くな
るため、第5レンズ群G5を通過する軸外光束が光軸か
ら離れ、レンズ径の大型化を招くので好ましくない。ま
た、フォーカシング時の第3レンズ群G3の移動量が大
きくなるため、フォーカシング時の仕事量を十分小さく
するという本発明の主旨に反してしまう。
【0028】逆に、条件式(1)の下限値を下回った場
合、フォーカシング時の第3レンズ群G3の移動量は小
さくなる。しかしながら、第1レンズ群G1と第2レン
ズ群G2との合成屈折力が正に小さくなり、収斂作用が
弱くなるため、レンズ系が大型化して好ましくない。な
お、より高性能な結像性能を得るには、上限値を2以下
とすることが望ましい。
【0029】次に、条件式(2)の上限値を上回った場
合、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との合成の主
点の位置がフィルム面寄りに移動するので、望遠端にお
けるレンズ全長の小型化につながる。しかしながら、フ
ォーカシングに際して第3レンズ群G3において発生す
る球面収差の変動を良好に補正することが困難となって
しまう。逆に、条件式(2)の下限値を下回った場合、
フォーカシング時の第3レンズ群G3の移動量は小さく
なり、広角端におけるバックフォーカスが十分得られ、
後玉有効径の小型化につながる。しかしながら、望遠端
におけるレンズ全長が大型化し、フォーカシングに際し
て第2レンズ群G2において発生する球面収差の変動を
良好に補正することが困難となってしまう。
【0030】また、別の局面によれば、本発明のズーム
レンズは、以下の条件式(3)および(4)を満足す
る。 −0.3<1/β2w<0.5 (3) −0.7<β3t<0.3 (4) ここで、 β2w:広角端における第2レンズ群G2の結像倍率 β3t:望遠端における第3レンズ群G3の結像倍率
【0031】条件式(3)および(4)は、前述の通
り、第3レンズ群G3によりフォーカシングを行う時の
第3レンズ群G3の移動量を減らし、無限遠から至近ま
で良好な結像性能を得るための条件である。条件式
(3)の上限値を上回った場合、第1レンズ群G1と第
2レンズ群G2との合成屈折力が正に大きくなるので、
望遠端においてはより収斂作用が強まり小型化につなが
る。しかしながら、フォーカシングに際する第3レンズ
群G3の移動量が大きくなり、広角端において発散作用
が弱くなるので十分なバックフォーカスが得られず、ま
た、正の歪曲収差を良好に補正することが難しくなって
しまう。
【0032】逆に、条件式(3)の下限値を下回った場
合、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との合成屈折
力が負に大きくなるので、広角端において発生しがちな
正の歪曲収差を良好に補正して、十分なバックフォーカ
スを得ることができる。しかしながら、フォーカシング
に際する第3レンズ群G3の移動量が大きくなり、ま
た、広角端において第2レンズ群G2を通過する軸外光
束が光軸に近づくので、画角によるコマ収差の変動を良
好に補正することが困難となってしまう。さらに、より
高性能な結像性能を得るには、下限値を0以上とするこ
とが望ましい。
【0033】条件式(4)の上限値を上回った場合、第
1レンズ群G1乃至第3レンズ群G3の合成屈折力が負
に大きくなるので、広角端において正の歪曲収差を良好
に補正し、十分なバックフォーカスを得ることができ
る。しかしながら、フォーカシング時の第3レンズ群G
3の移動量が大きくなるばかりでなく、望遠端における
レンズ全長が大型化してしまうので好ましくない。逆
に、条件式(4)の下限値を下回った場合、第1レンズ
群G1乃至第3レンズ群G3の合成屈折力が負に弱くな
るので、望遠端におけるレンズ全長の小型化につなが
る。しかしながら、フォーカシング時の第3レンズ群G
3の移動量が大きくなるので好ましくない。さらに、よ
り高性能な結像性能を得るには、上限値を0以下とする
ことが望ましい。
【0034】さらに良好な結像性能を得るためには、以
上の条件式(1)および(2)を満足するか、あるいは
条件式(3)および(4)を満足した上で、以下の条件
式(5)を満足することが望ましい。 0.4<(Bft−Bfw)/(ft−fw)<0.8 (5) ここで、 Bfw:広角端におけるバックフォーカス Bft:望遠端におけるバックフォーカス fw :広角端におけるレンズ全系の焦点距離 ft :望遠端におけるレンズ全系の焦点距離
【0035】条件式(5)は、広角端から望遠端への変
倍に際するバックフォーカスの変化量とレンズ系全体の
焦点距離の変化量との比を規定するもので、レンズ系全
体の焦点距離の変化量に対する第5レンズ群G5の担う
割合に関するものである。本発明においては、第5レン
ズ群G5は最も像側に配置された負レンズ群であり、広
角端から望遠端への変倍に際して増倍となるように用い
られている。このため、レンズ系全体の焦点距離の変化
量に対してバックフォーカスの変化量が大きくなるほ
ど、第5レンズ群G5の結像倍率の変化量が大きくな
る。換言すれば、条件式(5)はレンズ系全体の変倍比
に対して第5レンズ群G5の寄与する割合を規定するも
のである。
【0036】条件式(5)の上限値を上回る場合、第5
レンズ群G5において変倍を担う割合が大きくなりすぎ
るため、変倍に際して第5レンズ群G5において発生す
る軸外収差の変動を良好に抑えることが難しくなる。逆
に、条件式(5)の下限値を下回った場合、第5レンズ
群G5において変倍を担う割合が小さくなるため、変倍
に際して第5レンズ群G5で発生する軸外収差の変動を
良好に抑えることができる。しかしながら、第1レンズ
群G1乃至第4レンズ群G4において変倍を担う割合が
大きくなり、特に変倍に際して第2レンズ群G2を通過
する軸外光束の高さがあまり変化せず、入射する角度が
大きく変化するようになる。このため、第2レンズ群G
2において発生する軸外収差の変動を良好に抑えること
が困難になってしまう。
【0037】さらに良好な結像性能を得るために、以上
の諸条件を満足した上で、第3レンズ群G3の最も物体
側のレンズ面は物体側に凹面を向け、以下の条件式
(6)を満足することが望ましい。 −0.4<ro/ri<0.5 (6) ここで、 ro:第3レンズ群G3の最も物体側のレンズ面の曲率
半径 ri:第3レンズ群G3の最も像側のレンズ面の曲率半
【0038】条件式(6)は、第3レンズ群G3の最も
物体側の面の曲率半径roと第3レンズ群G3の最も像
側の面の曲率半径riとの比を規定するもので、フォー
カシングを行う際の収差変動を良好に抑えるための条件
である。条件式(6)の上限値を上回った場合、フォー
カシング時に発生する像面湾曲の変動が増大してしまう
ので不都合である。逆に、条件式(6)の下限値を下回
った場合、第3レンズ群G3において発生する負の球面
収差が大きくなり、広角端から望遠端への変倍に際して
発生する球面収差の変動が増大し、さらに、フォーカシ
ング時に発生する球面収差の変動も増大してしまう。
【0039】本発明においては、以上の条件式を満足
し、さらに、広角端から望遠端への変倍に際して、第1
レンズ群G1および第5レンズ群G5を連動させて移動
させるか、あるいは第2レンズ群G2および第4レンズ
群G4を連動させて移動させることにより、鏡筒構造の
簡略化を図ることが可能である。また、広角端より望遠
端への変倍に際して、第1レンズ群G1および第5レン
ズ群G5、並びに第2レンズ群G2および第4レンズ群
G4をそれぞれ連動させて移動させることも可能であ
り、この場合さらなる鏡筒構造の簡略化を図ることもで
きる。
【0040】
【実施例】図1は、本発明の各実施例にかかるズームレ
ンズの基本的な構成および広角端(W)から望遠端
(T)への変倍時における各レンズ群の移動の様子を示
す図である。図1に示すように、本発明によるズームレ
ンズは各実施例において、物体側より順に、正の屈折力
を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2
レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群G3
と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折
力を有する第5レンズ群G5とを備え、広角端から望遠
端への変倍に際して、少なくとも前記第1レンズ群G1
および前記第5レンズ群G5は物体側に移動し、前記第
1レンズ群G1と前記第2レンズ群G2との間の空気間
隔は増大し、前記第3レンズ群G3と前記第4レンズ群
G4との間の空気間隔は減少し、前記第4レンズ群G4
と前記第5レンズ群G5との間の空気間隔は減少するズ
ームレンズであって、遠距離物体から近距離物体に対し
てフォーカシングを行う際に前記第3レンズ群G3を物
体側に移動させるように構成されている。
【0041】以下、本発明の各実施例を、添付図面に基
づいて説明する。 〔実施例1〕図3は、本発明の第1実施例にかかるズー
ムレンズの構成を示す図である。図示のズームレンズ
は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた負メニスカ
スレンズ成分L11および両凸レンズ成分L12からな
る第1レンズ群G1と、両凹レンズ成分と両凸レンズ成
分との接合レンズL2からなる第2レンズ群G2と、物
体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL3からなる第
3レンズ群G3と、両凸レンズ成分L41および像側に
凸面を向けた貼合わせ面を有する接合正レンズ成分L4
2からなる第4レンズ群G4と、像側に凸面を向けた正
メニスカスレンズ成分L51、物体側に凹面を向けた負
レンズ成分L52および像側に凸面を向けた負レンズ成
分L53からなる第5レンズ群G5とから構成されてい
る。また、絞りSは、第3レンズ群G3と第4レンズ群
G4との間に配置され、広角端から望遠端への変倍に際
して第4レンズ群G4と一体的に移動する。
【0042】図3は、広角端における各レンズ群の位置
関係を示しており、望遠端への変倍時には図1に矢印で
示すズーム軌道に沿って光軸上を移動する。次の表
(1)に、本発明の実施例1の諸元の値を掲げる。表
(1)において、fは焦点距離を、FNOはFナンバー
を、2ωは画角を、Bfはバックフォーカスを表す。さ
らに、屈折率およびアッベ数はそれぞれd線(λ=58
7.6nm)に対する値を示している。
【0043】
【表1】f =38.8〜110.5 FNO= 4.1〜8.2 2ω=57.8〜21.4゜ (変倍における可変間隔) f 38.7626 110.4625 d4 1.9829 15.1690 d7 3.7630 6.2747 d9 4.1545 1.6429 d15 14.9653 1.7792 Bf 10.0151 51.8560 (撮影倍率1/40倍時の第3レンズ群G3のフォーカ
シング移動量) f 38.7626 110.4625 移動量 -1.0496 -1.1477 ただし、光線の進行方向を+とする (条件対応値) (1)|f2|/f1=1.471 (2)(f2−f3)/(f2+f3)=0.537 (3)1/β2w=0.355 (4)β3t=−0.461 (5)(Bft−Bfw)/(ft−fw)=0.58
4 (6)ro/ri=0.132
【0044】図4、図5、図6および図7は実施例1の
諸収差図であって、それぞれ広角端(最短焦点距離状
態)での無限遠合焦状態における諸収差図、望遠端(最
長焦点距離状態)での無限遠合焦状態における諸収差
図、広角端での近距離合焦状態(撮影倍率×−0.02
5)における諸収差図、および望遠端での近距離合焦状
態(撮影倍率×−0.025)における諸収差図であ
る。各収差図において、FNはFナンバーを、Hは入射
光の高さを、Yは像高を、Aは主光線の入射角をそれぞ
れ示している。また、非点収差を示す収差図において実
線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を
示している。各収差図から明らかなように、本実施例で
は、諸収差が良好に補正されていることがわかる。
【0045】〔実施例2〕図8は、本発明の第2実施例
にかかるズームレンズの構成を示す図である。図示のズ
ームレンズは、物体側より順に、物体側に凸面を向けた
負メニスカスレンズ成分L11および両凸レンズ成分L
12からなる第1レンズ群G1と、両凹レンズ成分L2
1および両凸レンズ成分L22からなる第2レンズ群G
2と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL3か
らなる第3レンズ群G3と、両凸レンズ成分L41およ
び像側に凸面を向けた貼合わせ面を有する接合正レンズ
成分L42からなる第4レンズ群G4と、像側に凸面を
向けた正メニスカスレンズ成分L51、物体側に凹面を
向けた負レンズ成分L52および像側に凸面を向けた負
レンズ成分L53からなる第5レンズ群G5とから構成
されている。また、絞りSは、第3レンズ群G3と第4
レンズ群G4との間に配置され、広角端から望遠端への
変倍に際して第4レンズ群G4と一体的に移動する。
【0046】図8は、広角端における各レンズ群の位置
関係を示しており、望遠端への変倍時には図1に矢印で
示すズーム軌道に沿って光軸上を移動する。実施例2の
ズームレンズは、上述した実施例1のズームレンズと同
様な構成を有するが、各レンズ群の屈折力および形状等
が異なっている。次の表(2)に、本発明の実施例2の
諸元の値を掲げる。表(2)において、fは焦点距離
を、FNOはFナンバーを、2ωは画角を、Bfはバック
フォーカスを表す。さらに、屈折率およびアッベ数はそ
れぞれd線(λ=587.6nm)に対する値を示して
いる。
【0047】
【表2】 f =38.8〜110.5 FNO= 4.2〜 8.2 2ω=58.2〜21.6゜ (変倍における可変間隔) f 38.7699 110.4757 d4 1.9829 15.1690 d8 3.1351 5.6468 d10 3.7777 1.2661 d16 14.9653 1.7992 Bf 10.4579 51.4709 (撮影倍率1/40倍時の第3レンズ群G3のフォーカ
シング移動量) f 38.7699 110.4757 移動量 -0.9920 -1.2412 ただし、光線の進行方向を+とする (条件対応値) (1)|f2|/f1=1.689 (2)(f2−f3)/(f2+f3)=0.566 (3)1/β2w=0.384 (4)β3t=−0.513 (5)(Bft−Bfw)/(ft−fw)=0.57
2 (6)ro/ri=0.011
【0048】図9、図10、図11および図12は実施
例2の諸収差図であって、それぞれ広角端(最短焦点距
離状態)での無限遠合焦状態における諸収差図、望遠端
(最長焦点距離状態)での無限遠合焦状態における諸収
差図、広角端での近距離合焦状態(撮影倍率×−0.0
25)における諸収差図、および望遠端での近距離合焦
状態(撮影倍率×−0.025)における諸収差図であ
る。各収差図において、FNはFナンバーを、Hは入射
光の高さを、Yは像高を、Aは主光線の入射角をそれぞ
れ示している。また、非点収差を示す収差図において実
線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を
示している。各収差図から明らかなように、本実施例で
は、諸収差が良好に補正されていることがわかる。
【0049】〔実施例3〕図13は、本発明の第3実施
例にかかるズームレンズの構成を示す図である。図示の
ズームレンズは、物体側より順に、物体側に凹面を向け
た貼合わせ面を有する接合正レンズ成分L1からなる第
1レンズ群G1と、両凹レンズ成分L21および両凸レ
ンズ成分L22からなる第2レンズ群G2と、物体側に
凹面を向けた負メニスカスレンズL3からなる第3レン
ズ群G3と、両凸レンズ成分L41および像側に凸面を
向けた貼合わせ面を有する接合正レンズ成分L42から
なる第4レンズ群G4と、像側に凸面を向けた正メニス
カスレンズ成分L51、物体側に凹面を向けた負レンズ
成分L52および像側に凸面を向けた負レンズ成分L5
3からなる第5レンズ群G5とから構成されている。ま
た、絞りSは、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4と
の間に配置され、広角端から望遠端への変倍に際して第
4レンズ群G4と一体的に移動する。
【0050】図13は、広角端における各レンズ群の位
置関係を示しており、望遠端への変倍時には図1に矢印
で示すズーム軌道に沿って光軸上を移動する。実施例3
のズームレンズは、上述した実施例1のズームレンズと
同様な構成を有するが、各レンズ群の屈折力および形状
等が異なっている。次の表(3)に、本発明の実施例3
の諸元の値を掲げる。表(3)において、fは焦点距離
を、FNOはFナンバーを、2ωは画角を、Bfはバック
フォーカスを表す。さらに、屈折率およびアッベ数はそ
れぞれd線(λ=587.6nm)に対する値を示して
いる。
【0051】
【表3】 f =38.8〜110.5 FNO= 4.2〜 8.2 2ω=58.0〜21.4゜ (変倍における可変間隔) f 38.7825 110.5314 d3 1.9829 15.1690 d7 3.1351 5.6468 d9 3.7777 1.2661 d15 14.9653 1.7992 Bf 10.7105 52.4010 (撮影倍率1/40倍時の第3レンズ群G3のフォーカ
シング移動量) f 38.7825 110.5314 移動量 -0.9888 -1.1478 ただし、光線の進行方向を+とする (条件対応値) (1)|f2|/f1=1.397 (2)(f2−f3)/(f2+f3)=0.455 (3)1/β2w=0.262 (4)β3t=−0.432 (5)(Bft−Bfw)/(ft−fw)=0.58
1 (6)ro/ri=−0.017
【0052】図14、図15、図16および図17は実
施例3の諸収差図であって、それぞれ広角端(最短焦点
距離状態)での無限遠合焦状態における諸収差図、望遠
端(最長焦点距離状態)での無限遠合焦状態における諸
収差図、広角端での近距離合焦状態(撮影倍率×−0.
025)における諸収差図、および望遠端での近距離合
焦状態(撮影倍率×−0.025)における諸収差図で
ある。各収差図において、FNはFナンバーを、Hは入
射光の高さを、Yは像高を、Aは主光線の入射角をそれ
ぞれ示している。また、非点収差を示す収差図において
実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面
を示している。各収差図から明らかなように、本実施例
では、諸収差が良好に補正されていることがわかる。
【0053】なお、本発明においては、いずれかのレン
ズ面に非球面を導入することにより、より高性能な結像
性能を得ることや簡易構成化を図ることが可能である。
また、1つのレンズ群あるいは複数のレンズ群を光軸と
ほぼ直交する方向に適宜移動(偏心)させることによ
り、手振れ等に起因する像位置の変動の補正をして、い
わゆる防振効果を得ることも可能である。さらに、フォ
ーカシングに際して第3レンズ群G3と他のレンズ群と
を異なる移動量で移動させることにより、遠距離乃至近
距離における被写体についてもさらに良好な結像性能を
得ることも可能である。
【0054】
【効果】以上説明したように、本発明によれば、フォー
カシング時の仕事量が十分小さく、少ないレンズ枚数で
構成され、結像性能に優れ且つ高変倍化が可能なズーム
レンズを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例にかかるズームレンズの基本
的な構成および広角端(W)から望遠端(T)への変倍
時における各レンズ群の移動の様子を示す図である。
【図2】第3レンズ群G3に対する物点の位置がδだけ
移動したとき、第4レンズ群G4に対する物点の位置を
一定にするための第3レンズ群G3の移動量Δを説明す
る図である。
【図3】本発明の第1実施例にかかるズームレンズの構
成を示す図である。
【図4】実施例1の広角端での無限遠合焦状態における
諸収差図である。
【図5】実施例1の望遠端での無限遠合焦状態における
諸収差図である。
【図6】実施例1の広角端での近距離合焦状態における
諸収差図である。
【図7】実施例1の望遠端での近距離合焦状態における
諸収差図である。
【図8】本発明の第2実施例にかかるズームレンズの構
成を示す図である。
【図9】実施例2の広角端での無限遠合焦状態における
諸収差図である。
【図10】実施例2の望遠端での無限遠合焦状態におけ
る諸収差図である。
【図11】実施例2の広角端での近距離合焦状態におけ
る諸収差図である。
【図12】実施例2の望遠端での近距離合焦状態におけ
る諸収差図である。
【図13】本発明の第3実施例にかかるズームレンズの
構成を示す図である。
【図14】実施例3の広角端での無限遠合焦状態におけ
る諸収差図である。
【図15】実施例3の望遠端での無限遠合焦状態におけ
る諸収差図である。
【図16】実施例3の広角端での近距離合焦状態におけ
る諸収差図である。
【図17】実施例3の望遠端での近距離合焦状態におけ
る諸収差図である。
【符号の説明】
G1 第1レンズ群 G2 第2レンズ群 G3 第3レンズ群 G4 第4レンズ群 G5 第5レンズ群 S 開口絞り

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体側より順に、正の屈折力を有する第
    1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、負
    の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する
    第4レンズ群と、負の屈折力を有する第5レンズ群とを
    備え、 広角端から望遠端への変倍に際して、少なくとも前記第
    1レンズ群および前記第5レンズ群は物体側に移動し、
    前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間の空気間隔
    は増大し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間
    の空気間隔は減少し、前記第4レンズ群と前記第5レン
    ズ群との間の空気間隔は減少するズームレンズであっ
    て、 遠距離物体から近距離物体に対してフォーカシングを行
    う際に前記第3レンズ群を物体側に移動させ、 前記第1レンズ群の焦点距離をf1とし、前記第2レン
    ズ群の焦点距離をf2とし、前記第3レンズ群の焦点距
    離をf3としたとき、 1<|f2|/f1<3 0.2<(f2−f3)/(f2+f3)<0.8 の条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
  2. 【請求項2】 広角端における前記第2レンズ群の結像
    倍率をβ2wとし、望遠端における前記第3レンズ群の結
    像倍率をβ3tとしたとき、 −0.3<1/β2w<0.5 −0.7<β3t<0.3 の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載のズ
    ームレンズ。
  3. 【請求項3】 広角端におけるレンズ全系の焦点距離を
    fwとし、望遠端におけるレンズ全系の焦点距離をft
    とし、広角端におけるバックフォーカスをBfwとし、
    望遠端におけるバックフォーカスをBftとしたとき、 0.4<(Bft−Bfw)/(ft−fw)<0.8 の条件を満足することを特徴とする請求項1または2に
    記載のズームレンズ。
  4. 【請求項4】 前記第3レンズ群の最も物体側のレンズ
    面は物体側に凹面を向けており、前記第3レンズ群の最
    も物体側のレンズ面の曲率半径をroとし、前記第3レ
    ンズ群の最も像側のレンズ面の曲率半径をriとしたと
    き、 −0.4<ro/ri<0.5 の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれか1項に記載のズームレンズ。
  5. 【請求項5】 広角端から望遠端への変倍に際して、前
    記第1レンズ群および前記第5レンズ群を一体的に移動
    させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項
    に記載のズームレンズ。
  6. 【請求項6】 広角端から望遠端への変倍に際して、前
    記第2レンズ群および前記第4レンズ群を一体的に移動
    させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項
    に記載のズームレンズ。
  7. 【請求項7】 物体側より順に、正の屈折力を有する第
    1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、負
    の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する
    第4レンズ群と、負の屈折力を有する第5レンズ群とを
    備え、 広角端から望遠端への変倍に際して、少なくとも前記第
    1レンズ群および前記第5レンズ群G5は物体側に移動
    し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間の空気
    間隔は増大し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群と
    の間の空気間隔は減少し、前記第4レンズ群と前記第5
    レンズ群との間の空気間隔は減少するズームレンズであ
    って、 遠距離物体から近距離物体に対してフォーカシングを行
    う際に前記第3レンズ群を物体側に移動させ、 広角端における前記第2レンズ群の結像倍率をβ2wと
    し、望遠端における前記第3レンズ群の結像倍率をβ3t
    としたとき、 −0.3<1/β2w<0.5 −0.7<β3t<0.3 の条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
  8. 【請求項8】 前記第1レンズ群の焦点距離をf1と
    し、前記第2レンズ群の焦点距離をf2とし、前記第3
    レンズ群の焦点距離をf3としたとき、 1<|f2|/f1<3 0.2<(f2−f3)/(f2+f3)<0.8 の条件を満足することを特徴とする請求項7に記載のズ
    ームレンズ。
  9. 【請求項9】 広角端におけるレンズ全系の焦点距離を
    fwとし、望遠端におけるレンズ全系の焦点距離をft
    とし、広角端におけるバックフォーカスをBfwとし、
    望遠端におけるバックフォーカスをBftとしたとき、 0.4<(Bft−Bfw)/(ft−fw)<0.8 の条件を満足することを特徴とする請求項7または8に
    記載のズームレンズ。
  10. 【請求項10】 前記第3レンズ群の最も物体側のレン
    ズ面は物体側に凹面を向けており、前記第3レンズ群の
    最も物体側のレンズ面の曲率半径をroとし、前記第3
    レンズ群の最も像側のレンズ面の曲率半径をriとした
    とき、 −0.4<ro/ri<0.5 の条件を満足することを特徴とする請求項7乃至9のい
    ずれか1項に記載のズームレンズ。
  11. 【請求項11】 広角端から望遠端への変倍に際して、
    前記第1レンズ群および前記第5レンズ群を一体的に移
    動させることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか
    1項に記載のズームレンズ。
  12. 【請求項12】 広角端から望遠端への変倍に際して、
    前記第2レンズ群および前記第4レンズ群を一体的に移
    動させることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか
    1項に記載のズームレンズ。
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