JP2000275525A - 可変焦点距離レンズ系 - Google Patents

可変焦点距離レンズ系

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JP2000275525A
JP2000275525A JP11079795A JP7979599A JP2000275525A JP 2000275525 A JP2000275525 A JP 2000275525A JP 11079795 A JP11079795 A JP 11079795A JP 7979599 A JP7979599 A JP 7979599A JP 2000275525 A JP2000275525 A JP 2000275525A
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JP
Japan
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lens
lens group
focal length
end state
group
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JP11079795A
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English (en)
Inventor
Motoyuki Otake
基之 大竹
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で、高変倍化に適した可変焦点距離レン
ズ系。 【解決手段】 正屈折力の第1レンズ群G1と負屈折力
の第2レンズ群G2と正屈折力の第3レンズ群G3と正
屈折力の第4レンズ群G4と負屈折力の第5レンズ群G
5とを備えている。第2レンズ群G2と第4レンズ群G
4との間に開口絞りSが配置されている。第2レンズ群
G2は、物体側から順に、負レンズと正レンズと負レン
ズとから構成されている。第4レンズ群G4は正レンズ
と負レンズとから構成されている。条件式(1)および
(2)を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は可変焦点距離レンズ
系に関し、特に高変倍化に適した可変焦点距離レンズ系
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯性(小型化および軽量化にお
いて優れていること)の重視されるレンズシャッター式
カメラでは、撮影光学系としてズームレンズを備えたカ
メラが主流である。カメラ本体の小型化を実現するには
光学系の小型化が重要であり、望遠型の屈折力配置を用
いてレンズ全長の短縮を図っている。ズームレンズで
は、焦点距離の変化により撮影者の意図に合わせた撮影
を自在に行なうことができるというユーザーメリットが
ある。特に近年、変倍比が3倍を超える高変倍比のズー
ムレンズを備えたカメラが多くなっている。
【0003】これら高変倍比のズームレンズでは、3つ
以上の可動レンズ群を備えた、いわゆる多群ズームレン
ズが一般的に用いられている。この種の多群ズームレン
ズとして、正正負3群タイプ(物体側から順に、正レン
ズ群、正レンズ群、負レンズ群の3つのレンズ群で構成
される)、正負正負4群タイプ(物体側から順に、正レ
ンズ群、負レンズ群、正レンズ群、負レンズ群の4つの
レンズ群で構成される)、正負正正負5群タイプ(物体
側から順に、正レンズ群、負レンズ群、正レンズ群、正
レンズ群、負レンズ群の5つのレンズ群で構成される)
などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、カメラ本体の
小型化、特に薄型化(レンズ系の光軸に沿って薄くする
こと)を図るには、レンズ全長の短縮化および各レンズ
群のレンズ厚を薄くすることが重要である。しかしなが
ら、従来のレンズ系では、高変倍化とレンズ全長の短縮
化および各レンズ群のレンズ厚の薄型化との両立が、ひ
いては高変倍化とカメラ本体の薄型化との両立が難し
い。特に、正正負3群タイプでは、レンズ全長を短縮す
ると第3レンズ群の横倍率が極端に大きくなって、非常
に高いレンズ停止精度が必要になってしまう。
【0005】また、正負正負4群タイプでは、レンズ全
長を短縮すると第2レンズ群と第3レンズ群との相互偏
心による性能劣化が非常に大きくなり、この性能劣化を
補正するためにレンズ構成枚数を増やすと、カメラ本体
内に格納した際のレンズ系のレンズ厚が大きくなってし
まう。さらに、従来の正負正正負5群タイプでは、第2
レンズ群から第4レンズ群までのレンズ群厚が大きくな
り、カメラ本体を十分に薄型化することができない。
【0006】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
のであり、小型で高変倍化に適した可変焦点距離レンズ
系を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明では、物体側から順に、正の屈折力を有する
第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、
正の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有す
る第4レンズ群と、負の屈折力を有する第5レンズ群と
を備え、広角端状態から望遠端状態へのレンズ位置状態
の変化に際して、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群
との間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ
群との間隔が減少し、前記第3レンズ群と前記第4レン
ズ群との間隔が増大し、前記第4レンズ群と前記第5レ
ンズ群との間隔が減少するように、前記5つのレンズ群
がすべて物体側へ移動する可変焦点距離レンズ系におい
て、前記第2レンズ群と前記第4レンズ群との間に開口
絞りが配置され、前記第2レンズ群は、物体側から順
に、負レンズと正レンズと負レンズとから構成され、前
記第4レンズ群は、物体側から順に、正レンズと負レン
ズとの接合レンズから構成され、望遠端状態における前
記第1レンズ群と前記第2レンズ群との軸上空気間隔を
D1tとし、前記第1レンズ群の焦点距離をf1とし、広
角端状態における前記第4レンズ群と前記第5レンズ群
との軸上空気間隔をD4wとし、前記第5レンズ群の焦点
距離をf5としたとき、 0.2<D1t/f1<0.3 0.57<D4w/|f5|<0.63 の条件を満足することを特徴とする可変焦点距離レンズ
系を提供する。
【0008】本発明の好ましい態様によれば、前記第2
レンズ群を構成するレンズの平均屈折率N2は、 N2>1.75 の条件を満足する。
【0009】また、本発明の別の好ましい態様によれ
ば、前記第4レンズ群中の前記正レンズの屈折率をn41
とし、前記第4レンズ群中の前記負レンズの屈折率をn
42としたとき、 (n42−n41)>0.25 の条件を満足する。
【0010】さらに、本発明の別の好ましい態様によれ
ば、前記第5レンズ群は、物体側から順に、正レンズ
と、負レンズとで構成されている。また、前記第1レン
ズ群の焦点距離をf1とし、前記第5レンズ群の焦点距
離をf5とし、広角端状態におけるレンズ系全体の焦点
距離をfwとし、望遠端状態におけるレンズ系全体の焦
点距離をftとしたとき、 0.9<(f1+|f5|)/(fw・ft)1/2
1.5 の条件を満足することが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明による可変焦点距離レンズ
系は、物体側から順に、正屈折力を有する第1レンズ群
と、負屈折力を有する第2レンズ群と、正屈折力を有す
る第3レンズ群と、正屈折力を有する第4レンズ群と、
負屈折力を有する第5レンズ群とを備えている。すなわ
ち、本発明のレンズ系は、正負正正負5群タイプを基本
としている。そして、広角端状態(焦点距離が最も短い
レンズ位置状態)から望遠端状態(焦点距離が最も長い
レンズ位置状態)へレンズ位置状態が変化する際に、第
1レンズ群と第2レンズ群との間隔が増大し、第2レン
ズ群と第3レンズ群との間隔が減少し、第3レンズ群と
第4レンズ群との間隔が増大し、第4レンズ群と第5レ
ンズ群との間隔が減少するように、第1レンズ群〜第5
レンズ群のすべてのレンズ群が物体側へ移動する。
【0012】一般に、所定の変倍比を維持しながらレン
ズ全長を短縮するには、焦点距離範囲を短焦点距離側に
設定することが好ましい。しかしながら、この場合、広
角端状態での画角が大きくなるので、レンズ径の大型化
を引き起こすという問題や、レンズ径の大型化に伴って
レンズ中心厚が増大するという問題などが起こる。そこ
で、レンズ径の小型化とレンズ全長の短縮化とに適した
光学系を実現することが重要となる。本発明では、各レ
ンズ群の屈折力を適切に設定し且つ各レンズ群を構成す
るレンズの配置を適切に設定するとともに、以下の条件
〜を満足するようにレンズ系を構成している。
【0013】 望遠端状態における開口絞りから第1
レンズ群までの距離を適切に設定する。 広角端状態における開口絞りから第5レンズ群まで
の距離を適切に設定する。 開口絞りを第2レンズ群と第4レンズ群との間に配
置する。 第4レンズ群を正レンズと負レンズとの接合レンズ
で構成し、2つのレンズの屈折率差を適切に設定し且つ
接合面の曲率半径を適切に設定する。 第2レンズ群を、物体側から順に、負レンズと正レ
ンズと負レンズとで構成し、第2レンズ群の屈折力を適
切に設定する。
【0014】まず、レンズ径の小型化を図る上で、開口
絞りから第1レンズ群までの距離、および開口絞りから
第5レンズ群までの距離が重要である。望遠端状態にお
いて、開口絞りと第1レンズ群との間隔が広がると、第
1レンズ群を通過する軸外光束が光軸から離れてしま
う。この場合、画面周辺部での光量が減ると撮影した写
真の周辺部が暗くなるので、画面周辺部で所定の光量を
確保しようとするとレンズ径の大型化を招いてしまう。
また、広角端状態において、開口絞りと第5レンズ群と
の間隔が広がると、第5レンズ群を通過する軸外光束が
光軸から離れてしまうので、レンズ径の大型化を招いて
しまう。
【0015】仮に、第1レンズ群のレンズ径の小型化お
よび第5レンズ群のレンズ径の小型化のうちのいずれか
一方だけを優先するなら、レンズ系の物体寄りの位置ま
たは像面寄りの位置に開口絞りを配置すればよい。すな
わち、開口絞りの位置を物体寄りにすると像面寄りのレ
ンズ群(第5レンズ群)のレンズ径が大型化し、開口絞
りの位置を像面寄りにすると物体寄りのレンズ群(第1
レンズ群)のレンズ径が大型化するので、レンズ系の中
央付近に開口絞りを配置することが望ましい。したがっ
て、本発明においてレンズ径の小型化を図るために、第
2レンズ群と第4レンズ群との間に開口絞りを配置する
ことが適当である。
【0016】次に、第4レンズ群の構成が肝要である。
本発明のレンズ系では、第1レンズ群により収れんされ
た光束を第2レンズ群により発散させ、第3レンズ群お
よび第4レンズ群で収れんさせる。第5レンズ群は、第
4レンズ群により収れんされた光束を発散させる。第4
レンズ群では光束を強く収れんさせるため、第4レンズ
群で発生する負の球面収差を極力良好に補正する必要が
ある。そこで、本発明では、第4レンズ群を正レンズと
負レンズとの接合レンズで構成し、2つのレンズの屈折
率差を大きくして接合面で正の球面収差を発生させるこ
とにより上述の負の球面収差を良好に補正している。こ
の場合、第4レンズ群を、物体側から順に、両凸レンズ
と物体側に凹面を向けた負レンズとの接合レンズで構成
することがさらに好ましい。
【0017】一方、第2レンズ群は強い負屈折力を有す
るので、軸外光束が光軸に近い位置を通過する。したが
って、レンズ位置状態の変化に伴って入射角度が変化し
ても、光束の通過する高さはほとんど変わらない。この
ため、第2レンズ群では、軸上収差と軸外収差とを同時
に補正することが必要である。正負正の3枚のレンズで
構成されるトリプレットは、軸上収差と軸外収差とを同
時に補正することのできる最小枚数のレンズ群である。
本発明では、全体として負屈折力を有するトリプレット
(負正負)で第2レンズ群を構成することにより、軸外
収差と軸上収差とを同時に補正している。この場合、第
2レンズ群を、物体側から順に、両凹レンズと、両凸レ
ンズと、物体側に凹面を向けた負レンズとで構成するこ
とがさらに好ましい。
【0018】以下、本発明の各条件式について説明す
る。本発明においては、以下の条件式(1)および
(2)を満足する。 0.2<D1t/f1<0.3 (1) 0.57<D4w/|f5|<0.63 (2) ここで、D1tは、望遠端状態における第1レンズ群と第
2レンズ群との軸上空気間隔である。また、D4wは、広
角端状態における第4レンズ群と第5レンズ群との軸上
空気間隔である。さらに、f1は第1レンズ群の焦点距
離であり、f5は第5レンズ群の焦点距離である。
【0019】条件式(1)は、第1レンズ群のレンズ径
を小型化するための条件式であって、軸上空気間隔D1t
と第1レンズ群の焦点距離f1との比について適切な範
囲を規定している。条件式(1)の上限値を上回ると、
望遠端状態で第1レンズ群を通過する軸外光束が光軸か
ら離れてしまうため、レンズ径の小型化を充分に図るこ
とができなくなってしまう。一方、条件式(1)の下限
値を下回ると、広角端状態から望遠端状態へのレンズ位
置状態の変化に際して、第5レンズ群の横倍率の変化量
が大きくなる。その結果、レンズ位置状態の変化に伴っ
て第5レンズ群で発生する軸外収差の変動を良好に補正
することができなくなってしまう。
【0020】条件式(2)は、第5レンズ群のレンズ径
を小型化するための条件式であって、軸上空気間隔D4w
と第5レンズ群の焦点距離f5との比について適切な範
囲を規定している。条件式(2)の上限値を上回ると、
広角端状態で第5レンズ群を通過する軸外光束が光軸か
ら大きく離れて、レンズ径が大型化してしまう。逆に、
条件式(2)の下限値を下回ると、第2レンズ群の屈折
力が強まるので、レンズ位置状態の変化に伴って第2レ
ンズ群で発生する軸外収差の変動を良好に補正すること
ができなくなってしまう。
【0021】本発明では、可動レンズ群の数が多い。こ
のため、広角端状態から望遠端状態へのレンズ位置状態
の変化に際して第2レンズ群と第4レンズ群とを一体的
に移動させることにより、鏡筒構造の簡略化を図るとと
もに製造コストの低減を図ることが望ましい。特に、第
3レンズ群を移動させて合焦を行う場合には、シャッタ
ー駆動ユニットの前後に第2レンズ群および第4レンズ
群を取り付け、シャッター内部の第3レンズ群をレンズ
位置状態の変化および被写体位置の変化に従って移動さ
せることが可能となり、鏡筒の簡易構成化を達成するこ
とができる。
【0022】また、本発明においては、高性能化を図る
ために、次の条件式(3)を満足することが望ましい。 N2>1.75 (3) ここで、N2は、第2レンズ群を構成するレンズのd線
(λ=587.6nm)に対する平均屈折率である。
【0023】条件式(3)は、第2レンズ群で発生する
軸外収差を良好に補正するための条件式であって、その
平均屈折率N2について適切な範囲を規定している。条
件式(3)の下限値を下回ると、各レンズ面の曲率が強
くなり、軸外収差が大きく発生する。その結果、高性能
化が図ることができなくなるので好ましくない。
【0024】また、本発明においては、高性能化を図る
ために、次の条件式(4)を満足することが望ましい。 (n42−n41)>0.25 (4) ここで、n41は、第4レンズ群中の正レンズのd線に対
する屈折率である。また、n42は、第4レンズ群中の負
レンズのd線に対する屈折率である。
【0025】条件式(4)は、第4レンズ群を構成する
正レンズと負レンズとの屈折率差について適切な範囲を
規定している。条件式(4)の下限値を下回ると、第4
レンズ群中の接合面で高次の球面収差が発生し、画面中
心部での被写体像が劣化してしまうので好ましくない。
【0026】また、本発明では、第5レンズ群を、物体
側から順に、正レンズと負レンズとで構成することが望
ましい。この場合、光束が正レンズで一旦収れんされた
後に負レンズで発散されることにより、レンズ径の小型
化とレンズ全長の短縮化とを図ることができる。なお、
第5レンズ群を、物体側から順に、像側に凸面を向けた
正レンズと、物体側に凹面を向けた負レンズとで構成す
ることがさらに好ましい。
【0027】また、本発明では、レンズ全長の短縮化を
図るために、以下の条件式(5)を満足することが望ま
しい。 0.9<(f1+|f5|)/(fw・ft)1/2 <1.5 (5) ここで、f1およびf5は、第1レンズ群および第5レ
ンズ群の焦点距離である。また、fwおよびftは、広
角端状態および望遠端状態におけるレンズ系全体の焦点
距離である。
【0028】条件式(5)は、レンズ全長を短縮しなが
ら高性能化を図るための条件式である。条件式(5)の
上限値を上回ると、第1レンズ群の屈折力および第5レ
ンズ群の屈折力が弱まって、レンズ全長が大型化してし
まうので好ましくない。逆に、条件式(5)の下限値を
下回ると、第1レンズ群の屈折力および第5レンズ群の
屈折力が強まって、第1レンズ群および第5レンズ群で
発生する軸外収差が大きくなるため、高性能化を充分に
図ることができなくなるので好ましくない。
【0029】また、本発明においては、高性能化を図る
ために、以下の条件式(6)を満足することが望まし
い。 0.8<|f5|/Y0<1.0 (6) ここで、f5は第5レンズ群の焦点距離であり、Y0は
画面対角長の半分の長さである。
【0030】条件式(6)は、レンズ全長の短縮化とレ
ンズ径の小型化とをバランス良く図るための条件であっ
て、第5レンズ群の焦点距離f5について適切な範囲を
規定している。条件式(6)の上限値を上回ると、広角
端状態で第5レンズ群を通過する軸外光束が光軸から離
れて、レンズ径が大型化してしまうので好ましくない。
逆に、条件式(6)の下限値を下回ると、望遠端状態に
おけるレンズ全長が大型化してしまうので好ましくな
い。
【0031】また、本発明においては、レンズ径の小型
化を図るために、以下の条件式(7)を満足することが
望ましい。 0.45<ΣD/fw<0.75 (7) ここで、ΣDは、第2レンズ群の最も物体側のレンズ面
から第4レンズ群の最も像側のレンズ面までの光軸に沿
った距離、すなわち第2レンズ群から第4レンズ群まで
レンズ群厚である。また、fwは、広角端状態における
レンズ系全体の焦点距離である。
【0032】条件式(7)は、第2レンズ群から第4レ
ンズ群までのレンズ群厚ΣDについて適切な範囲を規定
している。条件式(7)の上限値を上回ると、すなわち
第2レンズ群から第4レンズ群までのレンズ群厚が大き
くなると、第2レンズ群と第4レンズ群との間に開口絞
りが配置されているため、望遠端状態で開口絞りから離
れる第1レンズ群のレンズ径および広角端状態で開口絞
りから離れる第5レンズ群のレンズ径が大型化するので
好ましくない。一方、条件式(7)の下限値を下回る
と、第2レンズ群乃至第4レンズ群の各レンズ群の屈折
力が強まるために、製造時に発生する相互偏心による性
能劣化が大きくなってしまうので好ましくない。
【0033】後述するように、本発明の各実施例では、
第5レンズ群に非球面レンズを配置している。この場
合、広角端状態で開口絞りから離れて位置する第5レン
ズ群を通過する軸外光束は光軸から離れるので、非球面
の導入により特に軸外収差の補正を有効に行うことがで
きる。また、以下の各実施例では5つの可動レンズ群で
レンズ系を構成しているが、各レンズ群の間や、第5レ
ンズ群の像側や、第1レンズ群の物体側に他のレンズ群
を付加することも容易であり、本発明の範囲内である。
【0034】また別の観点によれば、本発明において
は、高変倍ズームレンズで発生しがちな手ブレ等に起因
する像ブレによる撮影の失敗を防ぐために、レンズ系の
ブレを検出するブレ検出系と駆動手段とをレンズ系に組
み合わせることができる。そして、レンズ系を構成する
レンズ群のうち1つのレンズ群の全体または一部をシフ
トレンズ群として偏心させることにより像をシフトさせ
て、ブレ検出系により検出されたレンズ系のブレに起因
する像ブレ(像面位置の変動)を補正することにより、
本発明の可変焦点距離レンズ系をいわゆる防振光学系と
することが可能である。
【0035】
【実施例】以下、本発明の各実施例を、添付図面に基づ
いて説明する。図1は、本発明の各実施例にかかる可変
焦点距離レンズ系の屈折力配分および広角端状態(W)
から望遠端状態(T)への変倍時における各レンズ群の
移動の様子を示す図である。本発明の各実施例にかかる
可変焦点距離レンズ系は、物体側から順に、正の屈折力
を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2
レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3
と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折
力を有する第5レンズ群G5とから構成されている。そ
して、広角端状態から望遠端状態へのレンズ位置状態の
変化(すなわち変倍)に際して、第1レンズ群G1と第
2レンズ群G2との間隔が増大し、第2レンズ群G2と
第3レンズ群G3との間隔が減少し、第3レンズ群G3
と第4レンズ群G4との間隔が増大し、第4レンズ群G
4と第5レンズ群G5との間隔が減少するように、第1
レンズ群G1〜第5レンズ群G5がすべて物体側へ移動
する。
【0036】各実施例において、非球面は、光軸に垂直
な方向の高さをyとし、高さyにおける各非球面の頂点
の接平面から各非球面までの光軸に沿った距離(サグ
量)をxとし、基準の曲率半径(頂点曲率半径)をRと
し、円錐定数をκとし、n次の非球面係数をCn とした
とき、以下の数式(a)で表される。
【数1】 x=(y2 /R)/{1+(1−κ・y2 /R2 1/2 } +C4 ・y4 +C6 ・y6 +C8 ・y8 +C10・y10 (a) なお、各実施例において2次の非球面係数C2 は0であ
り、頂点曲率半径Rと近軸曲率半径rとは一致してい
る。各実施例において、非球面には面番号の右側に*印
を付している。
【0037】〔第1実施例〕図2は、本発明の第1実施
例にかかる可変焦点距離レンズ系のレンズ構成を示す図
である。図2の可変焦点距離レンズ系において、第1レ
ンズ群G1は、物体側から順に、両凸レンズと物体側に
凹面を向けた負メニスカスレンズとの貼り合わせからな
る接合正レンズL1から構成されている。また、第2レ
ンズ群G2は、物体側から順に、両凹レンズL21、両凸
レンズL22、および物体側に凹面を向けた負メニスカス
レンズL23から構成されている。
【0038】さらに、第3レンズ群G3は、物体側に凹
面を向けた正メニスカスレンズL3から構成されてい
る。また、第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸
レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズとの
貼り合わせからなる接合正レンズL4から構成されてい
る。さらに、第5レンズ群G5は、物体側から順に、物
体側の面および像側の面がともに非球面状に形成された
像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL51、および物
体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL52から構成さ
れている。
【0039】第1実施例では、広角端状態から望遠端状
態への変倍に際して、第2レンズ群G2と第4レンズ群
G4とが一体的に移動する。また、開口絞りSは、第3
レンズ群G3と第4レンズ群G4との間に配置され、広
角端状態から望遠端状態への変倍に際して第4レンズ群
G4と一体的に移動する。さらに、第3レンズ群G3を
像側へ移動させて近距離物体への合焦を行っている。
【0040】次の表(1)に、本発明の第1実施例の諸
元の値を掲げる。表(1)において、fは焦点距離を、
FNOはFナンバーを、2ωは画角を、Bfはバックフォ
ーカスをそれぞれ表している。さらに、面番号は光線の
進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序を、
屈折率およびアッベ数はそれぞれd線(λ=587.6
nm)に対する値を示している。
【0041】
【表1】 f=26.25〜 47.41〜 95.00 FNO= 5.91〜 8.48〜 12.00 2ω=66.21〜 38.55〜 20.02° 面番号 曲率半径 面間隔 屈折率 アッベ数 1 28.0386 2.70 1.48749 70.45 (第1レンズ群G1) 2 -28.0170 0.80 1.84666 23.83 3 -48.2312 (d3=可変) 4 -24.7460 0.80 1.83500 42.97 (第2レンズ群G2) 5 12.8649 0.80 6 11.6067 2.05 1.72825 28.31 7 -35.0670 0.40 8 -13.4215 0.80 1.83400 37.35 9 -65.5501 (d9=可変) 10 -129.1336 1.60 1.49700 81.61 (第3レンズ群G3) 11 -13.0143 (d11=可変) 12 ∞ 0.50 (開口絞りS) 13 16.7218 2.15 1.48749 70.45 (第4レンズ群G4) 14 -7.6264 0.80 1.80610 40.73 15 -14.3043 (d15=可変) 16* -54.5927 1.80 1.68893 31.16 (第5レンズ群G5) 17* -25.0006 4.75 18 -8.1526 1.00 1.75500 52.32 19 -87.1485 (Bf)
【0042】本発明の第1実施例において、第5レンズ
群G5中の正メニスカスレンズL51の両側面すなわち第
16面および第17面は非球面状に形成されている。次
の表(2)に、各非球面のデータ、すなわち頂点曲率半
径R、円錐定数κおよび各非球面係数C4 〜C10の値を
示す。
【0043】
【表2】 〔第16面〕 R κ C4 -54.5927 -9.0000 +5.5576×10-56 8 10 +7.7641×10-7 +3.3030×10-8 -1.5836×10-10 〔第17面〕 R κ C4 -25.0006 1.0000 -1.8109×10-56 8 10 -2.6979×10-7 +3.4794×10-8 -2.2404×10-10
【0044】本発明の第1実施例において、第1レンズ
群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔d3、第2
レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔d
9、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4(厳密には開
口絞りS)との軸上空気間隔d11、第4レンズ群G4
と第5レンズ群G5との軸上空気間隔d15、およびバ
ックフォーカスBfは、変倍(焦点距離fの変化)に際
して変化する。次の表(3)に、広角端状態、中間焦点
距離状態、および望遠端状態の各焦点距離状態における
可変間隔を示す。
【0045】
【表3】
【0046】次の表(4)に、本発明の第1実施例の各
焦点距離状態における無限遠合焦状態から撮影倍率−1
/40倍の近距離合焦状態への撮影距離状態の変化に伴
う第3レンズ群G3の像側への移動量Δ3を示す。
【0047】
【表4】
【0048】次の表(5)に、本発明の第1実施例にお
ける各条件式対応値を示す。
【0049】
【表5】 f1=+45.5921 f5=−15.7958 Y0=17.2 ΣD=15.3(各焦点距離状態において一定) (1)D1t/f1=0.252 (2)D4w/|f5|=0.594 (3)N2=1.799 (4)(n42−n41)=0.319 (5)(f1+|f5|)/(fw・ft)1/2 =1.
229 (6)|f5|/Y0=0.918 (7)ΣD/fw=0.583
【0050】図3乃至図8は、d線(λ=587.6n
m)に対する第1実施例の諸収差図である。すなわち、
図3は広角端状態(f=26.25)における無限遠合
焦状態での諸収差図であり、図4は中間焦点距離状態
(f=47.41)における無限遠合焦状態での諸収差
図であり、図5は望遠端状態(f=95.00)におけ
る無限遠合焦状態での諸収差図である。また、図6は広
角端状態(f=26.25)における撮影倍率−1/4
0倍の近距離合焦状態での諸収差図であり、図7は中間
焦点距離状態(f=47.41)における撮影倍率−1
/40倍の近距離合焦状態での諸収差図であり、図8は
望遠端状態(f=95.00)における撮影倍率−1/
40倍の近距離合焦状態での諸収差図である。
【0051】各収差図において、FNOはFナンバーを、
NAは開口数を、Yは像高を、Aは各像高に対する半画
角を、Hは各像高に対する物体高をそれぞれ示してい
る。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジ
タル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示してい
る。さらに、球面収差を示す収差図において、実線は球
面収差を示し、破線はサインコンディション(正弦条
件)を示している。各収差図から明らかなように、第1
実施例では、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距
離状態において無限遠合焦状態から近距離合焦状態まで
の各撮影距離状態に対して諸収差が良好に補正され、優
れた結像性能を有することがわかる。
【0052】〔第2実施例〕図9は、本発明の第2実施
例にかかる可変焦点距離レンズ系のレンズ構成を示す図
である。図9の可変焦点距離レンズ系において、第1レ
ンズ群G1は、物体側から順に、両凸レンズと物体側に
凹面を向けた負メニスカスレンズとの貼り合わせからな
る接合正レンズL1から構成されている。また、第2レ
ンズ群G2は、物体側から順に、両凹レンズL21、両凸
レンズL22、および物体側に凹面を向けた平凹レンズL
23から構成されている。
【0053】さらに、第3レンズ群G3は、両凸レンズ
L3から構成されている。また、第4レンズ群G4は、
物体側から順に、両凸レンズと物体側に凹面を向けた負
メニスカスレンズとの貼り合わせからなる接合正レンズ
L4から構成されている。さらに、第5レンズ群G5
は、物体側から順に、物体側の面および像側の面がとも
に非球面状に形成された像側に凸面を向けた正メニスカ
スレンズL51、および物体側に凹面を向けた正メニスカ
スレンズL52から構成されている。
【0054】第2実施例においても第1実施例と同様
に、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して、第2
レンズ群G2と第4レンズ群G4とが一体的に移動す
る。また、開口絞りSは、第3レンズ群G3と第4レン
ズ群G4との間に配置され、広角端状態から望遠端状態
への変倍に際して第4レンズ群G4と一体的に移動す
る。さらに、第3レンズ群G3を像側へ移動させて近距
離物体への合焦を行っている。
【0055】次の表(6)に、本発明の第2実施例の諸
元の値を掲げる。表(6)において、fは焦点距離を、
FNOはFナンバーを、2ωは画角を、Bfはバックフォ
ーカスをそれぞれ表している。さらに、面番号は光線の
進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序を、
屈折率およびアッベ数はそれぞれd線(λ=587.6
nm)に対する値を示している。
【0056】
【表6】 f=29.35〜 55.00〜106.41 FNO= 5.91〜 8.48〜 12.00 2ω=60.55〜 33.80〜 19.99° 面番号 曲率半径 面間隔 屈折率 アッベ数 1 26.5127 2.700 1.48749 70.45 (第1レンズ群G1) 2 -27.3184 0.800 1.84666 23.83 3 -47.0947 (d3=可変) 4 -24.1776 0.800 1.83500 42.97 (第2レンズ群G2) 5 19.5552 0.800 6 13.9666 1.750 1.76182 26.55 7 -500.0000 0.450 8 -19.9343 0.800 1.83500 42.97 9 ∞ (d9=可変) 10 239.9666 1.600 1.49700 81.61 (第3レンズ群G3) 11 -16.9390 (d11=可変) 12 ∞ 0.500 (開口絞りS) 13 17.9345 2.300 1.51823 58.96 (第4レンズ群G4) 14 -8.0598 0.800 1.83400 37.35 15 -15.4862 (d15=可変) 16* -265.1450 2.250 1.68893 31.16 (第5レンズ群G5) 17* -31.9558 4.530 18 -8.1500 1.000 1.80420 46.51 19 -75.0159 (Bf)
【0057】本発明の第2実施例において、第5レンズ
群G5中の正メニスカスレンズL51の両側面すなわち第
16面および第17面は非球面状に形成されている。次
の表(7)に、各非球面のデータ、すなわち頂点曲率半
径R、円錐定数κおよび各非球面係数C4 〜C10の値を
示す。
【0058】
【表7】 〔第16面〕 R κ C4 -265.1450 -8.3996 -2.0229×10-56 8 10 +1.9072×10-5 -5.0832×10-8 +6.6073×10-10 〔第17面〕 R κ C4 -31.9558 1.0000 -1.2016×10-46 8 10 +3.8860×10-7 -2.2131×10-8 +1.1443×10-10
【0059】本発明の第2実施例において、第1レンズ
群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔d3、第2
レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔d
9、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4(厳密には開
口絞りS)との軸上空気間隔d11、第4レンズ群G4
と第5レンズ群G5との軸上空気間隔d15、およびバ
ックフォーカスBfは、変倍(焦点距離fの変化)に際
して変化する。次の表(8)に、広角端状態、中間焦点
距離状態、および望遠端状態の各焦点距離状態における
可変間隔を示す。
【0060】
【表8】
【0061】次の表(9)に、本発明の第2実施例の各
焦点距離状態における無限遠合焦状態から撮影倍率−1
/40倍の近距離合焦状態への撮影距離状態の変化に伴
う第3レンズ群G3の像側への移動量Δ3を示す。
【0062】
【表9】
【0063】次の表(10)に、本発明の第2実施例に
おける各条件式対応値を示す。
【0064】
【表10】 f1=+43.4559 f5=−16.3358 Y0=17.2 ΣD=15.42(各焦点距離状態において一定) (1)D1t/f1=0.255 (2)D4w/|f5|=0.617 (3)N2=1.811 (4)(n42−n41)=0.316 (5)(f1+|f5|)/(fw・ft)1/2 =1.
070 (6)|f5|/Y0=0.950 (7)ΣD/fw=0.525
【0065】図10乃至図15は、d線(λ=587.
6nm)に対する第2実施例の諸収差図である。すなわ
ち、図10は広角端状態(f=29.35)における無
限遠合焦状態での諸収差図であり、図11は中間焦点距
離状態(f=55.00)における無限遠合焦状態での
諸収差図であり、図12は望遠端状態(f=106.4
1)における無限遠合焦状態での諸収差図である。ま
た、図13は広角端状態(f=29.35)における撮
影倍率−1/40倍の近距離合焦状態での諸収差図であ
り、図14は中間焦点距離状態(f=55.00)にお
ける撮影倍率−1/40倍の近距離合焦状態での諸収差
図であり、図15は望遠端状態(f=106.41)に
おける撮影倍率−1/40倍の近距離合焦状態での諸収
差図である。
【0066】各収差図において、FNOはFナンバーを、
NAは開口数を、Yは像高を、Aは各像高に対する半画
角を、Hは各像高に対する物体高をそれぞれ示してい
る。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジ
タル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示してい
る。さらに、球面収差を示す収差図において、実線は球
面収差を示し、破線はサインコンディション(正弦条
件)を示している。各収差図から明らかなように、第2
実施例においても、広角端状態から望遠端状態までの各
焦点距離状態において無限遠合焦状態から近距離合焦状
態までの各撮影距離状態に対して諸収差が良好に補正さ
れ、優れた結像性能を有することがわかる。
【0067】〔第3実施例〕図16は、本発明の第3実
施例にかかる可変焦点距離レンズ系のレンズ構成を示す
図である。図16の可変焦点距離レンズ系において、第
1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸レンズと物体
側に凹面を向けた負メニスカスレンズとの貼り合わせか
らなる接合正レンズL1から構成されている。また、第
2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹レンズL21、
両凸レンズL22、および物体側に凹面を向けた負メニス
カスレンズL23から構成されている。
【0068】さらに、第3レンズ群G3は、物体側に凹
面を向けた正メニスカスレンズL3から構成されてい
る。また、第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸
レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズとの
貼り合わせからなる接合正レンズL4から構成されてい
る。さらに、第5レンズ群G5は、物体側から順に、物
体側の面および像側の面がともに非球面状に形成された
像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL51、および物
体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL52から構成さ
れている。
【0069】第3実施例においても第1実施例および第
2実施例と同様に、広角端状態から望遠端状態への変倍
に際して、第2レンズ群G2と第4レンズ群G4とが一
体的に移動する。また、開口絞りSは、第3レンズ群G
3と第4レンズ群G4との間に配置され、広角端状態か
ら望遠端状態への変倍に際して第4レンズ群G4と一体
的に移動する。さらに、第3レンズ群G3を像側へ移動
させて近距離物体への合焦を行っている。
【0070】次の表(11)に、本発明の第3実施例の
諸元の値を掲げる。表(11)において、fは焦点距離
を、FNOはFナンバーを、2ωは画角を、Bfはバック
フォーカスをそれぞれ表している。さらに、面番号は光
線の進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序
を、屈折率およびアッベ数はそれぞれd線(λ=58
7.6nm)に対する値を示している。
【0071】
【表11】 f=23.62〜 50.00〜 85.50 FNO= 5.90〜 9.34〜 12.00 2ω=72.77〜 37.09〜 22.26° 面番号 曲率半径 面間隔 屈折率 アッベ数 1 25.9887 2.752 1.48749 70.45 (第1レンズ群G1) 2 -29.1270 0.800 1.84666 23.83 3 -52.2059 (d3=可変) 4 -22.4646 0.800 1.83500 42.97 (第2レンズ群G2) 5 8.4352 0.900 6 9.5504 2.127 1.71736 29.50 7 -82.6880 0.400 8 -25.4319 0.800 1.83500 42.97 9 -50.0000 (d9=可変) 10 -200.0000 1.600 1.49700 81.61 (第3レンズ群G3) 11 -18.8593 (d11=可変) 12 ∞ 0.500 (開口絞りS) 13 20.1412 2.317 1.48749 70.44 (第4レンズ群G4) 14 -6.4669 0.800 1.80610 33.27 15 -10.6876 (d15=可変) 16* -197.1208 2.137 1.68893 31.16 (第5レンズ群G5) 17* -33.2381 4.867 18 -8.1500 1.000 1.75500 52.32 19 -139.9941 (Bf)
【0072】本発明の第3実施例において、第5レンズ
群G5中の正メニスカスレンズL51の両側面すなわち第
16面および第17面は非球面状に形成されている。次
の表(12)に、各非球面のデータ、すなわち頂点曲率
半径R、円錐定数κおよび各非球面係数C4 〜C10の値
を示す。
【0073】
【表12】 〔第16面〕 R κ C4 -197.1208 -9.0000 -1.2381×10-56 8 10 +2.0699×10-6 -5.3937×10-8 +6.9420×10-10 〔第17面〕 R κ C4 -33.2381 1.0000 -1.0669×10-56 8 10 +1.5600×10-6 -5.0123×10-8 +3.8287×10-10
【0074】本発明の第3実施例において、第1レンズ
群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔d3、第2
レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔d
9、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4(厳密には開
口絞りS)との軸上空気間隔d11、第4レンズ群G4
と第5レンズ群G5との軸上空気間隔d15、およびバ
ックフォーカスBfは、変倍(焦点距離fの変化)に際
して変化する。次の表(13)に、広角端状態、中間焦
点距離状態、および望遠端状態の各焦点距離状態におけ
る可変間隔を示す。
【0075】
【表13】
【0076】次の表(14)に、本発明の第3実施例の
各焦点距離状態における無限遠合焦状態から撮影倍率−
1/40倍の近距離合焦状態への撮影距離状態の変化に
伴う第3レンズ群G3の像側への移動量Δ3を示す。
【0077】
【表14】
【0078】次の表(15)に、本発明の第3実施例に
おける各条件式対応値を示す。
【0079】
【表15】 f1=+44.5211 f5=−15.9383 Y0=17.2 ΣD=15.644(各焦点距離状態において一定) (1)D1t/f1=0.248 (2)D4w/|f5|=0.602 (3)N2=1.796 (4)(n42−n41)=0.319 (5)(f1+|f5|)/(fw・ft)1/2 =1.
345 (6)|f5|/Y0=0.927 (7)ΣD/fw=0.662
【0080】図17乃至図22は、d線(λ=587.
6nm)に対する第3実施例の諸収差図である。すなわ
ち、図17は広角端状態(f=23.62)における無
限遠合焦状態での諸収差図であり、図18は中間焦点距
離状態(f=50.00)における無限遠合焦状態での
諸収差図であり、図19は望遠端状態(f=85.5
0)における無限遠合焦状態での諸収差図である。ま
た、図20は広角端状態(f=23.62)における撮
影倍率−1/40倍の近距離合焦状態での諸収差図であ
り、図21は中間焦点距離状態(f=50.00)にお
ける撮影倍率−1/40倍の近距離合焦状態での諸収差
図であり、図22は望遠端状態(f=85.50)にお
ける撮影倍率−1/40倍の近距離合焦状態での諸収差
図である。
【0081】各収差図において、FNOはFナンバーを、
NAは開口数を、Yは像高を、Aは各像高に対する半画
角を、Hは各像高に対する物体高をそれぞれ示してい
る。また、非点収差を示す収差図において、実線はサジ
タル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示してい
る。さらに、球面収差を示す収差図において、実線は球
面収差を示し、破線はサインコンディション(正弦条
件)を示している。各収差図から明らかなように、第3
実施例においても第1実施例および第2実施例と同様
に、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離状態に
おいて無限遠合焦状態から近距離合焦状態までの各撮影
距離状態に対して諸収差が良好に補正され、優れた結像
性能を有することがわかる。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
少ないレンズ枚数でありながら、小型で、高変倍比を有
する可変焦点距離レンズ系を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例にかかる可変焦点距離レンズ
系の屈折力配分および広角端状態(W)から望遠端状態
(T)への変倍時における各レンズ群の移動の様子を示
す図である。
【図2】本発明の第1実施例にかかる可変焦点距離レン
ズ系のレンズ構成を示す図である。
【図3】第1実施例の広角端状態における無限遠合焦状
態での諸収差図である。
【図4】第1実施例の中間焦点距離状態における無限遠
合焦状態での諸収差図である。
【図5】第1実施例の望遠端状態における無限遠合焦状
態での諸収差図である。
【図6】第1実施例の広角端状態における近距離合焦状
態での諸収差図である。
【図7】第1実施例の中間焦点距離状態における近距離
合焦状態での諸収差図である。
【図8】第1実施例の望遠端状態における近距離合焦状
態での諸収差図である。
【図9】本発明の第2実施例にかかる可変焦点距離レン
ズ系のレンズ構成を示す図である。
【図10】第2実施例の広角端状態における無限遠合焦
状態での諸収差図である。
【図11】第2実施例の中間焦点距離状態における無限
遠合焦状態での諸収差図である。
【図12】第2実施例の望遠端状態における無限遠合焦
状態での諸収差図である。
【図13】第2実施例の広角端状態における近距離合焦
状態での諸収差図である。
【図14】第2実施例の中間焦点距離状態における近距
離合焦状態での諸収差図である。
【図15】第2実施例の望遠端状態における近距離合焦
状態での諸収差図である。
【図16】本発明の第3実施例にかかる可変焦点距離レ
ンズ系のレンズ構成を示す図である。
【図17】第3実施例の広角端状態における無限遠合焦
状態での諸収差図である。
【図18】第3実施例の中間焦点距離状態における無限
遠合焦状態での諸収差図である。
【図19】第3実施例の望遠端状態における無限遠合焦
状態での諸収差図である。
【図20】第3実施例の広角端状態における近距離合焦
状態での諸収差図である。
【図21】第3実施例の中間焦点距離状態における近距
離合焦状態での諸収差図である。
【図22】第3実施例の望遠端状態における近距離合焦
状態での諸収差図である。
【符号の説明】
G1 第1レンズ群 G2 第2レンズ群 G3 第3レンズ群 G4 第4レンズ群 G5 第5レンズ群 Li 各レンズ成分 S 開口絞り
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H087 KA02 MA14 PA08 PA19 PB10 QA02 QA07 QA14 QA22 QA26 QA37 QA41 QA46 RA05 RA13 RA36 SA43 SA47 SA49 SA52 SA56 SA62 SA63 SA64 SA65 SA66 SB03 SB14 SB22 SB33 SB43

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体側から順に、正の屈折力を有する第
    1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正
    の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する
    第4レンズ群と、負の屈折力を有する第5レンズ群とを
    備え、広角端状態から望遠端状態へのレンズ位置状態の
    変化に際して、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群と
    の間隔が増大し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群
    との間隔が減少し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ
    群との間隔が増大し、前記第4レンズ群と前記第5レン
    ズ群との間隔が減少するように、前記5つのレンズ群が
    すべて物体側へ移動する可変焦点距離レンズ系におい
    て、 前記第2レンズ群と前記第4レンズ群との間に開口絞り
    が配置され、 前記第2レンズ群は、物体側から順に、負レンズと正レ
    ンズと負レンズとから構成され、 前記第4レンズ群は、物体側から順に、正レンズと負レ
    ンズとの接合レンズから構成され、 望遠端状態における前記第1レンズ群と前記第2レンズ
    群との軸上空気間隔をD1tとし、前記第1レンズ群の焦
    点距離をf1とし、広角端状態における前記第4レンズ
    群と前記第5レンズ群との軸上空気間隔をD4wとし、前
    記第5レンズ群の焦点距離をf5としたとき、 0.2<D1t/f1<0.3 0.57<D4w/|f5|<0.63 の条件を満足することを特徴とする可変焦点距離レンズ
    系。
  2. 【請求項2】 前記第2レンズ群を構成するレンズの平
    均屈折率N2は、 N2>1.75 の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の可
    変焦点距離レンズ系。
  3. 【請求項3】 前記第4レンズ群中の前記正レンズの屈
    折率をn41とし、前記第4レンズ群中の前記負レンズの
    屈折率をn42としたとき、 (n42−n41)>0.25 の条件を満足することを特徴とする請求項1または2に
    記載の可変焦点距離レンズ系。
  4. 【請求項4】 前記第5レンズ群は、物体側から順に、
    正レンズと、負レンズとで構成されていることを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の可変焦点距
    離レンズ系。
  5. 【請求項5】 前記第1レンズ群の焦点距離をf1と
    し、前記第5レンズ群の焦点距離をf5とし、広角端状
    態におけるレンズ系全体の焦点距離をfwとし、望遠端
    状態におけるレンズ系全体の焦点距離をftとしたと
    き、 0.9<(f1+|f5|)/(fw・ft)1/2
    1.5 の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至4のい
    ずれか1項に記載の可変焦点距離レンズ系。
  6. 【請求項6】 前記第5レンズ群の焦点距離をf5と
    し、画面対角長の半分の長さをY0としたとき、 0.8<|f5|/Y0<1.0 の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至5のい
    ずれか1項に記載の可変焦点距離レンズ系。
  7. 【請求項7】 広角端状態から望遠端状態へのレンズ位
    置状態の変化に際して、前記第2レンズ群と前記第4レ
    ンズ群とは一体的に移動することを特徴とする請求項1
    乃至6のいずれか1項に記載の可変焦点距離レンズ系。
  8. 【請求項8】 前記第2レンズ群の最も物体側のレンズ
    面から前記第4レンズ群の最も像側のレンズ面までの光
    軸に沿った距離をΣDとし、広角端状態におけるレンズ
    系全体の焦点距離をfwとしたとき、 0.45<ΣD/fw<0.75 の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至7のい
    ずれか1項に記載の可変焦点距離レンズ系。
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