JP2015191008A - ズームレンズおよび撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高ズーム比でありながら、像ぶれ補正時の収差変動を良好に補正し、防振時にも高い光学性能が得られるズームレンズを得ること。【解決手段】 物体側から像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、1以上のレンズ群を含む後群より構成され、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズにおいて、第2レンズ群は、像ぶれ補正に際して不動の第2a群と、像ぶれ補正に際して、光軸に対して垂直方向の成分を持つように移動する第2b群より構成されており、第2a群は1つの正レンズG2apと1つの負レンズG2anより構成され、第2a群の焦点距離f2a、第2レンズ群の焦点距離f2を各々適切に設定すること。【選択図】 図1

Description

本発明は、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、TVカメラ、監視用カメラ等の撮像装置の撮像光学系として好適なズームレンズに関する。
撮像装置に用いられるズームレンズは、高ズーム比であること、全ズーム範囲で高い光学性能を有すること、小型軽量であること、像ぶれ補正機能を有すること等が要求されている。
特許文献1は、物体側より像側へ順に、正,負,正,正,負の屈折力の第1乃至第5レンズ群より成るズームレンズを開示している。特許文献2乃至4は、物体側から像側へ順に、正,負,正,負,正,負の屈折力の第1レンズ群乃至第6レンズ群よりなるズームレンズを開示している。特許文献2のズームレンズにおいては、像ぶれ補正に際して第2レンズ群全体が光軸に対して垂直方向に移動する。特許文献3のズームレンズにおいては、第2レンズ群が3つの部分群によって構成され、像ぶれ補正に際して中央の部分群が光軸に対して垂直方向に移動する。特許文献4のズームレンズにおいては、第2レンズ群が1枚の負レンズよりなる前群と負の屈折力の後群によって構成され、像ぶれ補正に際して後群が光軸に対して垂直方向に移動する。
特開平10−206736号公報 特開2000−047107号公報 特開2009−282214号公報 特開2006−171628号公報
像ぶれ補正用のレンズ群をシフトさせるには、相応のシフト機構と電力が必要となるため、一般には像ぶれ補正用のレンズ群のレンズ構成は3枚程度が限界となってくる。特許文献2においては、第2レンズ群によって主な変倍効果を得ているため、ズーミングに伴う収差変動を少なくするためには、3枚構成では高性能化の面で限界が有る。
特許文献3のズームレンズは、第2レンズ群を3つの部分レンズ群に分け、中央の負の屈折力の部分群で像ぶれ補正を行っている。部分群で像ぶれ補正を行う場合、駆動レンズ群と非駆動レンズ群との間隔を相応に空ける必要があり、駆動レンズ群の前と後の両方に非駆動レンズ群がある特許文献3の構成では、第2レンズ群が大型化する傾向がある。
特許文献4のズームレンズは、第2レンズ群の前群が1枚の負レンズにより構成されており、収差補償されないため、後群もそれを打ち消すように収差を持つことになり、像ぶれ補正時の光学性能を良好に維持するのが難しい。
本発明は、高ズーム比でありながら、像ぶれ補正時にも高い光学性能が得られるズームレンズを提供することを目的としている。
本発明のズームレンズは、物体側から像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、1以上のレンズ群を含む後群より構成され、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズにおいて、
前記第2レンズ群は、像ぶれ補正に際して不動の第2a群と、像ぶれ補正に際して、光軸に対して垂直方向の成分を持つように移動する第2b群より構成されており、
前記第2a群は1つの正レンズG2apと1つの負レンズG2anより構成され、前記第2a群の焦点距離をf2a、前記第2レンズ群の焦点距離をf2とするとき、
2.4<|f2a/f2|
なる条件式を満足することを特徴としている。
本発明によれば、高ズーム比でありながら、像ぶれ補正時にも高い光学性能が得られるズームレンズを提供することができる。
本発明における実施例1のズームレンズのレンズ断面図 (A),(B) 本発明における実施例1のズームレンズの広角端と望遠端における縦収差図(物体距離無限遠) (A),(B) 本発明における実施例1のズームレンズの広角端における無シフト時、広角端における0.5°の防振時における横収差図 (A),(B) 本発明における実施例1のズームレンズの望遠端における無シフト時、望遠端における0.5°の防振時における横収差図 本発明における実施例2のズームレンズのレンズ断面図 (A),(B) 本発明における実施例2のズームレンズの広角端と望遠端における縦収差図(物体距離無限遠) (A),(B) 本発明における実施例2のズームレンズの広角端における無シフト時、広角端における0.5°の防振時における横収差図 (A),(B) 本発明における実施例2のズームレンズの望遠端における無シフト時、望遠端における0.5°の防振時における横収差図 本発明における実施例3のズームレンズのレンズ断面図 (A),(B) 本発明における実施例3のズームレンズの広角端と望遠端における縦収差図(物体距離無限遠) (A),(B) 本発明における実施例3のズームレンズの広角端における無シフト時、広角端における0.5°の防振時における横収差図 (A),(B) 本発明における実施例3のズームレンズの望遠端における無シフト時、望遠端における0.5°の防振時における横収差図 本発明の撮像装置の要部概略図
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。本発明のズームレンズは、物体側から像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、1以上のレンズ群を含む後群より構成され、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する。そして第2レンズ群は像ぶれ補正に際して不動の第2a群と、像ぶれ補正に際して、光軸に対して垂直方向の成分を持つように移動する第2b群より構成されている。
図1は、本発明の実施例1の広角端におけるレンズ断面図である。図2(A),(B)は本発明の実施例1の無限遠にフォーカスしているときの広角端と望遠端における縦収差図である。図3(A),(B)は、本発明の実施例1の無限遠にフォーカスしているときの広角端における像ぶれ補正なしと0.5度の像ぶれ補正したときの横収差図である。図4(A),(B)は、本発明の実施例1の無限遠にフォーカスしているときの望遠端における像ぶれ補正なしと0.5度の像ぶれ補正したときの横収差図である。
図5は、本発明の実施例2の広角端におけるレンズ断面図である。図6(A),(B)は本発明の実施例2の無限遠にフォーカスしているときの広角端と望遠端における縦収差図である。図7(A),(B)は、本発明の実施例2の無限遠にフォーカスしているときの広角端における像ぶれ補正なしと0.5度の像ぶれ補正したときの横収差図である。図8(A),(B)は、本発明の実施例2の無限遠にフォーカスしているときの望遠端における像ぶれ補正なしと0.5度の像ぶれ補正したときの横収差図である。
図9は、本発明の実施例3の広角端におけるレンズ断面図である。図10(A),(B)は本発明の実施例3の無限遠にフォーカスしているときの広角端と望遠端における縦収差図である。図11(A),(B)は、本発明の実施例3の無限遠にフォーカスしているときの広角端における像ぶれ補正なしと0.5度の像ぶれ補正したときの横収差図である。図12(A),(B)は、本発明の実施例3の無限遠にフォーカスしているときの望遠端における像ぶれ補正なしと0.5度の像ぶれ補正したときの横収差図である。
図13は本発明のズームレンズを備えるカメラ(撮像装置)の要部概略図である。各実施例のズームレンズはビデオカメラやデジタルカメラそして銀塩フィルムカメラ等の撮像装置に用いられる撮影レンズ系である。
レンズ断面図において左方が被写体側(物体側)(前方)で、右方が像側(後方)である。L1は正の屈折力の第1レンズ群、L2は負の屈折力の第2レンズ群、L3は正の屈折力の第3レンズ群、LRは1以上のレンズ群を有する後群である。L2aは部分群、L2bは部分群である。
実施例1と実施例3のレンズ断面図において、L4は負の屈折力の第4レンズ群、L5は正の屈折力の第5レンズ群、L6は負の屈折力の第6レンズ群である。実施例2のレンズ断面図において、L4は正の屈折力の第4レンズ群、L5は負の屈折力の第5レンズ群である。SPは開口絞りである。IPは像面であり、ビデオカメラやデジタルスチルカメラの撮影光学系として使用する際にはCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面に、銀塩フィルム用カメラのときはフィルム面に相当する感光面が置かれる。
球面収差図において実線はd線(波長587.56nm)、二点鎖線はg線(波長435.8nm)である。非点収差図において破線はメリディオナル像面、実線はサジタル像面である。歪曲収差はd線によって表している。倍率色収差はg線によって表している。
横収差図において実線はd線のサジタル方向(S)、破線はd線のメリディオナル方向(M)を示している。ωは半画角(撮影画角の半分の値)、FnoはFナンバーである。
各実施例において矢印は、広角端から望遠端へのズーミングにおける各レンズ群の移動軌跡を示している。
実施例1と実施例3のズームレンズは、物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3、負の屈折力の第4レンズ群L4、正の屈折力の第5レンズ群L5、負の屈折力の第6レンズ群L6より構成される6群ズームレンズである。ズーミングに際して第2レンズ群L2と第5レンズ群L5は不動であり、第1レンズ群L1、第3レンズ群L3、第4レンズ群L4、第6レンズ群L6が移動する。
実施例2のズームレンズは、物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3、正の屈折力の第4レンズ群L4、負の屈折力の第5レンズ群L5より構成される5群ズームレンズである。ズーミングに際して第2レンズ群L2は不動で、第1レンズ群L1、第3レンズ群L3、第4レンズ群L4、第5レンズ群L5が移動する。第1レンズ群を2つの正の屈折力のレンズ群に分割し、物体側より像側へ順に、正,正,負の屈折力のレンズ群と続くレンズタイプでも良い。本発明のズームレンズを構成するレンズ群は、ズーミングに際して間隔が変化することを基準として分けられており、本発明のズームレンズにおけるレンズ群は複数のレンズによって構成される場合に限定されず、1枚のレンズによって構成されていても良い。
本発明のズームレンズは、例えば撮像装置、画像投影装置やその他の光学機器に適用可能である。
各実施例のズームレンズでは、第2レンズ群を、ある程度収差が補償された2つの部分群より構成し、その片方の部分群で像ぶれ補正を行っている。具体的には、望遠端において倍率色収差を良好に補正するべく、像ぶれ補正用の部分群(第2b群L2b)の物体側に、収差がある程度補償された部分群(第2a群L2a)を配置した。
第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の主点間隔を広げ過ぎると、全系が大型化するため、第2a群L2aは1つの正レンズと1つの負レンズの最小のレンズ構成とした。第2a群L2aは正レンズと負レンズのペアのためパワーが緩く、像ぶれ補正性能が良好な第2レンズ群全体で防振を行うレンズタイプの利点を継承する。それと同時に、正レンズと負レンズの材料の分散差や二次分散差をつけることにより、望遠端において倍率色収差の補正を容易にしている。
各実施例において、第2a群L2aは1つの正レンズG2ap、1つの負レンズG2anより構成され、第2a群L2aの焦点距離をf2a、第2レンズ群L2の焦点距離をf2とする。このとき、
2.4<|f2a/f2| ・・・(1)
なる条件式を満足する。
条件式(1)は、第2a群L2aのパワーを緩くし、元の第2群全体防振タイプの利点である良好な像ぶれ補正性能を得るためのものである。第2a群L2aが正の屈折力のとき、条件式(1)の下限値を超えて第2a群L2aの正の屈折力が強くなると第2b群L2bの負の屈折力が強くなり過ぎ、像ぶれ補正時の非点収差が大きく発生してくる。
第2a群L2aが負の屈折力のとき、条件式(1)の下限値を超えて第2a群L2aの負の屈折力が強くなると(負の屈折力の絶対値が大きくなると)第2b群L2bの負の屈折力が弱くなりすぎ、像ぶれ補正に必要なシフト量が大きくなり、全系が大型化してくる。条件式(1)は、より好ましくは下記条件式(1A)を満たすと良い。
2.7<|f2a/f2| ・・・(1A)
次に、本発明を実施するために、より好ましい構成について説明する。本発明のズームレンズは、第2b群L2bが、1以上の正レンズと2以上の負レンズを有するのが良い。強い負の屈折力のレンズ群を最小のレンズ枚数で構成するには、高屈折率高分散よりなる正レンズを1つ、中程度の屈折率で低分散材料となる負レンズを2つとするのが最も効率が良く色消しやペッツバール和の軽減を図ることができる。
また、全体として3つのレンズ構成とすることで、バリエータ(変倍レンズ群)としての機能を持たせると共に、像ぶれ補正用の部分群とすることも容易になる。この時、物体側から像側へ順に、負レンズ,負レンズ,正レンズの順に配置すると、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の主点間隔を狭められ、高ズーム比化に有利になる。
各実施例において好ましくは次の条件式のうち1以上を満足するのが良い。正レンズG2apの材料のアッベ数をνd2apとする。正レンズG2apの材料のg線とF線における部分分散比をθgF2apとする。負レンズG2anの材料のアッベ数をνd2an、負レンズG2anの材料のg線とF線における部分分散比をθgF2anとする。そして、
X2ap=0.6438−θgF2ap−0.001682×νd2ap
X2an=0.6438−θgF2an−0.001682×νd2an
とおく。
負レンズG2anの材料の屈折率をNd2an、正レンズG2apの材料の屈折率をNd2apとする。第1レンズ群L1の焦点距離をf1、第2レンズ群L2の焦点距離をf2とする。ここでアッベ数(d線に対するアッベ数)νdとgF線の部分分散比θgFは次のとおりである。g線(波長435.8nm)、F線(486.1nm)、d線(587.6nm)、C線(656.3nm)に対する材料の屈折率をそれぞれNg,Nd,Nf,Ncとする。このとき、
θgF=(Ng−Nf)/(Nf−Nc)
νd=(Nd−1)/(Nf−Nc)
である。
このとき次の条件式のうち1以上を満足するのが良い。
23<νd2ap<50 ・・・(2)
0.001<X2ap−X2an<0.030 ・・・(3)
1.02<Nd2an/Nd2ap<1.50 ・・・(4)
2.0<−f1/f2<5.0 ・・・(5)
次に前述の各条件式の技術的意味について説明する。
条件式(2)は、第2a群L2aで倍率色収差を良好に補正するためのものである。条件式(2)の上限値を逸脱すると、倍率色収差の補正効果が弱くなる。また下限値を逸脱すると、倍率色収差が過補正になるので良くない。条件式(2)は、より好ましくは条件式(2A)を満たすとよい。
28<ν2ap<45・・・(2A)
次に、2a群の正レンズと負レンズの関係は、下記条件式(3)を満たすと良い。
条件式(3)は、条件式(2)と同様に第2a群L2aで倍率色収差を良好に補正するためのものである。条件式(3)の上限値を逸脱すると、倍率色収差の補正効果が過補正になり、第2b群L2bとの収差補正のバランスが崩れてくる。また下限値を逸脱すると、倍率色収差の補正効果が少なくなる。条件式(3)は、より好ましくは条件式(3A)を満たすとよい。
0.0015<X2ap−X2an<0.0200・・・(3A)
条件式(4)は、第2レンズ群L2のペッツバール和を小さくし、像面湾曲に良好に補正するためのものである。
第2b群L2bを3つのレンズより構成したことで、ペッツバール和がある程度良好に補正されていることは前述した通りだが、第2a群L2aが条件式(4)を満たすことで、更に第2レンズ群L2のペッツバール和をより小さくすることが容易となる。
条件式(4)の下限値を逸脱すると、ペッツバール和が大きくなってしまう。また条件式(4)の上限値を逸脱すると、正レンズの肉厚が厚くなり過ぎ、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の主点間隔が離れるため、全系が大型化してくる。条件式(4)は、より好ましくは、下記条件式(4A)を満たすと良い。
1.03<Nd2an/Nd2ap<1.40・・・(4A)
条件式(5)は、第2レンズ群L2に対する第1レンズ群L1の焦点距離の比を適切に設定し、ズーミングに際して球面収差や像面湾曲の変動を小さくし、かつ全系の小型化を図るためのものである。
条件式(5)の上限値を逸脱すると、全系が大型化してくる。条件式(5)の下限値を逸脱すると、第1レンズ群L1のパワーが強くなり過ぎ、ズーミングに際して球面収差や像面湾曲の変動を少なくするのが困難になる。条件式(5)は、より好ましくは条件式(5A)を満たすと良い。
2.5<−f1/f2<4.0・・・(5A)
以下、各実施例におけるレンズ構成について説明する。
実施例1は、物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3、負の屈折力の第4レンズ群L4、正の屈折力の第5レンズ群L5、負の屈折力の第6レンズ群L6で構成されている。
広角端から望遠端へのズーミングに際し、第2レンズ群L2と第5レンズ群L5が不動で、第1レンズ群L1、第3レンズ群L3、第6レンズ群L6が物体側に移動し、第4レンズ群L4が像側に移動している。また、第6レンズ群L6を像側に移動することで、無限遠から近距離へのフォーカシングを行っている。第2レンズ群L2は、正の屈折力の部分系L2aと負の屈折力の部分系L2bより構成されている。像振れ補正に際して部分系L2bは光軸に対して垂直方向の成分を持つように移動する。即ち部分系L2bで像ぶれ補正効果を得ている。
また、第2レンズ群L2と部分系L2aのパワー比(屈折力比)は、条件式(1)を満たしており、それにより良好な像ぶれ補正性能を得ている。部分系L2bは物体側から像側へ順に、負レンズ,負レンズ,正レンズの順に配置されている。部分系L2bの正レンズの材料を高屈折率高分散とし、2つの負レンズを中程度の屈折率で低分散とすることで、効率が良く色消しを行い、更にペッツバール和の軽減をし、像ぶれ補正系としても良好な光学性能を得ている。
部分系L2bを構成する各レンズを、このように配置することで、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の主点間隔を狭めて高ズーム比化を容易にしている。また、部分系L2aを構成する正レンズの材料は、条件式(2)を満たしている。部分系L2aを構成する負レンズと正レンズの材料の関係は条件式(3)を満たしている。それにより、部分系L2aで望遠端において倍率色収差を効果的に補正している。また、部分系L2aを構成する負レンズと正レンズの材料関係は、条件式(4)を満たしており、それによりペッツバール和を小さくしている。
また、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2のパワー比が、条件式(5)を満たしており、これによりズーミングに際しての球面収差や像面湾曲の変動を小さくしつつ、全系の小型化を達成している。
実施例2は、物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3、正の屈折力の第4レンズ群L4、負の屈折力の第5レンズ群L5で構成されている。広角端から望遠端へのズーミングに際し、第2レンズ群L2が不動で、第1レンズ群L1、第3レンズ群L3乃至第5レンズ群L5が物体側に移動している。第5レンズ群L5を像側に移動することで、無限遠から近距離へのフォーカシングを行っている。第2レンズ群L2は、正の屈折力の部分系L2aと負の屈折力のL2bより構成されている。像ぶれ補正に際して部分系L2bは光軸に対して垂直方向の成分を持つ方向に移動して像ぶれ補正効果を得ている。
実施例2は部分系L2a,部分系L2bのレンズ構成に基づく条件式(1)乃至(4)を満足している。第1レンズ群L1と第2レンズ群L2のパワー比は条件式(5)を満足している。
実施例3においてレンズ群の数、各レンズ群の屈折力、ズーミングに際しての各レンズ群の移動等のズームタイプは実施例1と同じである。フォーカシングに際して移動するレンズ群も実施例1と同じである。第2レンズ群L2のレンズ構成、像ぶれ補正に際して移動する部分系も実施例1と同じである。実施例3は部分系L2a,部分系L2bのレンズ構成に基づく条件式(1)乃至(4)を満足している。第1レンズ群L1,第2レンズ群L2のパワー比は条件式(5)を満足している。
図13の撮像装置として用いた一眼レフカメラについて説明する。図13において10は実施例1乃至3のいずれか1つのズームレンズ1を有する撮影レンズである。ズームレンズ1は保持部材である鏡筒2に保持されている。20はカメラ本体であり、撮影レンズ10からの光束を上方に反射するクイックリターンミラー3、撮影レンズ10の像形成装置に配置された焦点板4より構成されている。更に焦点板4に形成された逆像を正立像に変換するペンタダハプリズム5、その正立像を観察するための接眼レンズ6などによって構成されている。
7は感光面であり、CCDセンサやCMOSセンサ等のズームレンズによって形成される像を受光する固体撮像素子(光電変換素子)や銀塩フィルムが配置される。撮影時にはクイックリターンミラー3が光路から退避して、感光面7上に撮影レンズ10によって像が形成される。実施例1乃至3にて説明した利益は本実施例に開示したような撮像装置において効果的に享受される。撮像装置としてクイックリターンミラー3のないミラーレスの一眼レフカメラにも同様に適用できる。
以上、本発明の好ましいズームレンズの実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことは言うまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
以下に実施例1乃至3に対応する数値実施例1乃至3を示す。各数値実施例においてiは物体面からの面の順番を示す。数値実施例においてriは物体側より順に第i番目のレンズ面の曲率半径、diは物体側より順に第i番目のレンズ厚及び空気間隔、ndiとνdiは各々物体側より順に第i番目のレンズの材料の屈折率とアッベ数である。また光線有効径を示す。
また、焦点距離、Fナンバー等のスペックに加え、画角は全系の半画角(度)、像高は半画角を決定する最大像高、レンズ全長は第1レンズ面から最終レンズ面までの距離、BFはバックフォーカスであり、最終レンズ面から像面までの長さを示している。
また、ズーム群データは、各レンズ群の焦点距離、光軸上の長さ、前側主点位置、後側主点位置を表している。
また、各光学面の間隔dが(可変)となっている部分は、ズーミングに際して変化するものであり、別表に焦点距離に応じた面間隔を記している。尚、以下に記載する数値実施例1乃至3のレンズデータに基づく、各条件式の計算結果を表1に示す。
(数値実施例1)
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 109.670 6.94 1.62299 58.2 69.44
2 495.105 0.15 68.74
3 147.450 2.70 1.65412 39.7 67.65
4 64.698 0.11 64.62
5 65.113 10.78 1.43875 94.9 64.62
6 1037.902 (可変) 63.83
7 111.494 4.03 1.59551 39.2 33.84
8 -147.429 1.70 1.77250 49.6 33.24
9 132.617 2.22 32.24
10 223.886 1.55 1.77250 49.6 31.72
11 63.492 4.14 31.05
12 -63.227 1.55 1.60311 60.6 31.04
13 80.909 3.00 1.84666 23.8 31.94
14 689.532 (可変) 32.10
15 132.772 5.44 1.43387 95.1 32.63
16 -62.875 0.18 32.81
17 87.368 5.37 1.51742 52.4 32.34
18 -66.028 1.60 1.90366 31.3 31.95
19 -375.161 (可変) 31.76
20(絞り) ∞ (可変) 28.41
21 -48.828 1.40 1.59270 35.3 27.04
22 48.828 3.87 1.78472 25.7 27.70
23 -249.921 (可変) 27.78
24 -192.509 2.72 1.76200 40.1 27.74
25 -53.844 0.16 27.82
26 57.166 5.64 1.48749 70.2 26.72
27 -44.894 1.40 1.84666 23.8 25.94
28 -452.162 0.15 25.41
29 52.725 2.93 1.72916 54.7 25.33
30 215.772 (可変) 25.03
31 55.796 1.20 1.88300 40.8 23.34
32 23.347 4.08 22.28
33 -65.479 2.53 1.80518 25.4 22.34
34 -32.044 1.33 22.74
35 -29.925 1.20 1.72916 54.7 22.63
36 99.181 4.30 23.80
37 51.642 4.11 1.65412 39.7 27.74
38 -235.796 28.05
各種データ
ズーム比 3.78

広角 中間 望遠
焦点距離 102.79 199.97 389.03
Fナンバー 4.63 4.94 5.85
半画角(度) 11.89 6.17 3.18
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 234.72 286.21 311.71
BF 67.26 70.32 75.88

d 6 1.50 53.00 78.50
d14 37.75 24.29 1.40
d19 1.61 11.57 26.37
d20 11.62 22.70 35.24
d23 16.52 8.94 4.50
d30 9.98 6.91 1.35

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 194.15 20.68 -2.16 -15.67
2 7 -55.24 18.19 9.44 -4.03
3 15 78.73 12.59 2.08 -6.25
4 20 ∞ 0.00 0.00 -0.00
5 21 -202.64 5.27 -2.63 -5.75
6 24 43.67 13.00 2.85 -5.30
7 31 -45.81 18.75 -1.99 -18.66
(数値実施例2)
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 109.825 6.83 1.62299 58.2 70.03
2 486.741 0.15 69.25
3 124.366 2.70 1.65412 39.7 67.65
4 60.181 0.11 64.09
5 60.552 10.65 1.43875 94.9 64.08
6 520.708 (可変) 63.15
7 135.343 3.31 1.57501 41.5 32.41
8 -218.571 1.70 1.77250 49.6 31.78
9 506.668 1.60 31.04
10 257.272 1.55 1.77250 49.6 30.18
11 56.613 4.37 29.27
12 -64.393 1.55 1.60311 60.6 29.21
13 59.293 3.03 1.84666 23.8 29.87
14 239.819 (可変) 29.94
15 140.271 5.94 1.43387 95.1 31.41
16 -48.549 0.15 31.55
17 186.418 5.14 1.51742 52.4 30.81
18 -44.528 1.60 1.90366 31.3 30.44
19 -139.117 (可変) 30.41
20(絞り) ∞ (可変) 28.04
21 -32.712 1.40 1.59270 35.3 27.58
22 42.917 5.24 1.78472 25.7 29.32
23 -93.483 11.17 29.53
24 -98.643 3.23 1.56732 42.8 29.51
25 -38.806 0.15 29.66
26 107.325 6.37 1.48749 70.2 28.41
27 -31.085 1.40 1.84666 23.8 27.80
28 -82.523 0.15 27.88
29 61.068 3.07 1.72916 54.7 27.53
30 374.733 (可変) 27.18
31 58.673 1.20 1.88300 40.8 24.19
32 24.885 3.67 22.95
33 -81.161 2.43 1.80518 25.4 22.95
34 -37.219 1.28 23.20
35 -35.128 1.20 1.72916 54.7 23.04
36 79.314 11.43 23.90
37 63.934 4.31 1.65412 39.7 31.76
38 -237.920 32.02
各種データ
ズーム比 3.78

広角 中間 望遠
焦点距離 102.79 200.07 389.04
Fナンバー 4.63 5.28 5.82
半画角(度) 11.89 6.17 3.18
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 234.73 277.97 314.72
BF 64.82 66.26 76.07

d 6 1.50 44.74 81.50
d14 40.46 17.60 7.94
d19 1.13 0.15 27.53
d20 6.16 30.00 12.28
d30 12.57 11.13 1.30

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 188.48 20.44 -2.75 -16.03
2 7 -56.83 17.10 9.29 -3.32
3 15 79.51 12.84 3.03 -5.55
4 20 ∞ 0.00 0.00 -0.00
5 21 49.70 32.18 22.91 2.28
6 31 -51.51 25.53 -6.28 -33.89
(数値実施例3)
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 114.909 6.98 1.51742 52.4 69.84
2 1318.403 0.15 69.29
3 160.786 2.40 1.65412 39.7 68.03
4 61.162 11.12 1.49700 81.5 64.92
5 1013.394 (可変) 64.23
6 71.567 5.72 1.71736 29.5 38.65
7 -108.261 1.80 1.80000 29.8 37.92
8 74.091 2.90 35.53
9 333.638 1.30 1.69680 55.5 35.13
10 88.088 3.59 34.52
11 -107.636 1.20 1.72000 50.2 34.45
12 56.418 3.63 1.84666 23.8 34.84
13 209.035 (可変) 34.88
14 111.727 4.66 1.49700 81.5 35.51
15 -77.052 0.87 35.48
16 107.563 4.59 1.48749 70.2 34.41
17 -72.693 1.30 1.85026 32.3 34.09
18 -357.814 1.00 33.78
19(絞り) ∞ (可変) 33.40
20 -54.597 1.20 1.70154 41.2 26.88
21 58.803 3.32 1.80518 25.4 27.35
22 -384.072 (可変) 27.45
23 -453.709 2.97 1.69680 55.5 29.03
24 -59.514 0.15 29.13
25 87.137 4.74 1.60311 60.6 28.37
26 -50.452 1.20 1.84666 23.8 27.92
27 -336.205 0.15 27.46
28 56.349 2.49 1.77250 49.6 26.71
29 119.337 (可変) 26.16
30 59.968 1.20 1.88300 40.8 24.76
31 24.336 3.94 23.60
32 -144.877 3.60 1.80518 25.4 23.70
33 -30.273 1.02 24.03
34 -28.229 1.20 1.88300 40.8 23.73
35 90.154 1.20 24.96
36 48.620 4.55 1.69895 30.1 26.74
37 -332.814 27.19
各種データ
ズーム比 3.82

広角 中間 望遠
焦点距離 102.20 200.00 390.00
Fナンバー 4.04 4.42 5.98
半画角(度) 11.95 6.17 3.18
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 218.20 248.87 280.18
BF 42.37 46.55 62.16

d 5 1.30 32.00 63.30
d13 36.97 12.03 1.28
d19 7.31 40.98 63.34
d22 23.00 14.26 2.66
d29 21.11 16.90 1.30

ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 193.71 20.65 -0.97 -14.49
2 6 -66.25 20.14 14.05 -0.95
3 14 78.20 12.42 1.69 -7.08
4 20 -112.20 4.52 -0.74 -3.30
5 23 45.51 11.70 2.56 -4.50
6 30 -42.17 16.71 0.98 -11.35
L1 第1レンズ群 L2 第2レンズ群 L3 第3レンズ群
L4 第4レンズ群 L5 第5レンズ群 L6 第6レンズ群
LR 後群

Claims (12)

  1. 物体側から像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、1以上のレンズ群を含む後群より構成され、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズにおいて、
    前記第2レンズ群は、像ぶれ補正に際して不動の第2a群と、像ぶれ補正に際して、光軸に対して垂直方向の成分を持つように移動する第2b群より構成されており、
    前記第2a群は1つの正レンズG2apと1つの負レンズG2anより構成され、前記第2a群の焦点距離をf2a、前記第2レンズ群の焦点距離をf2とするとき、
    2.4<|f2a/f2|
    なる条件式を満足することを特徴とするズームレンズ。
  2. 前記第2b群は1以上の正レンズと2以上の負レンズを有することを特徴とする請求項1のズームレンズ。
  3. 前記第2b群は、物体側から像側へ順に、負レンズ、負レンズ、正レンズより構成されていることを特徴とする請求項1又は2のズームレンズ。
  4. 前記正レンズG2apの材料のアッベ数をνd2apとするとき、
    23<νd2ap<50
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項のズームレンズ。
  5. 前記正レンズG2apの材料のアッベ数をνd2ap、前記正レンズG2apの材料のg線とF線における部分分散比をθgF2ap、前記負レンズG2anの材料のアッベ数をνd2an、前記負レンズG2anの材料のg線とF線における部分分散比をθgF2anとし、
    X2ap=0.6438−θgF2ap−0.001682×νd2ap
    X2an=0.6438−θgF2an−0.001682×νd2an
    とおくとき、
    0.001<X2ap−X2an<0.030
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項のズームレンズ。
  6. 前記負レンズG2anの材料の屈折率をNd2an、前記正レンズG2apの材料の屈折率をNd2apとするとき、
    1.02<Nd2an/Nd2ap<1.50
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項のズームレンズ。
  7. 前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記第2レンズ群の焦点距離をf2とするとき、
    2.0<−f1/f2<5.0
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項のズームレンズ。
  8. 物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、負の屈折力の第4レンズ群、正の屈折力の第5レンズ群、負の屈折力の第6レンズ群より構成され、
    ズーミングに際して前記第2レンズ群と前記第5レンズ群は不動であり、前記第1レンズ群、前記第3レンズ群、前記第4レンズ群、前記第6レンズ群が移動することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項のズームレンズ。
  9. 無限遠から近距離へのフォーカシングに際して前記第6レンズ群は像側へ移動することを特徴とする請求項8のズームレンズ。
  10. 物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群、負の屈折力の第5レンズ群より構成され、
    ズーミングに際して前記第2レンズ群は不動で、前記第1レンズ群、前記第3レンズ群、前記第4レンズ群、前記第5レンズ群が移動することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項のズームレンズ。
  11. 無限遠から近距離へのフォーカシングに際して、前記第5レンズ群は像側へ移動することを特徴とする請求項10のズームレンズ。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載のズームレンズと、前記ズームレンズによって形成される像を受光する固体撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
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