JP2769816B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JP2769816B2
JP2769816B2 JP63121930A JP12193088A JP2769816B2 JP 2769816 B2 JP2769816 B2 JP 2769816B2 JP 63121930 A JP63121930 A JP 63121930A JP 12193088 A JP12193088 A JP 12193088A JP 2769816 B2 JP2769816 B2 JP 2769816B2
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    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/097Plasticisers; Charge controlling agents

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子写真,静電記録及び静電印刷等におけ
る静電荷像を現像するための新規なトナーに関する。
[従来の技術] 電子写真法等に適用される現像方法としては、大別し
て乾式現像法と湿式現像法とがある。前者は、更に二成
分系現像剤を用いる方法と、一成分系現像剤を用いる方
法として二分される。二成分系現像方法に属するものに
は、トナーを搬送するキャリヤーの種類により、鉄粉キ
ャリヤーを用いるマグネットブラシ法、ビーズ・キャリ
ヤーを用いるカスケード法、ファーを用いるファーブラ
シ法等がある。
又、一成分系現像方法に属するものには、トナー粒子
を噴霧状態にして用いるパウダークラウド法、トナー粒
子を直接的に静電潜像面に接触させて現像する接触現像
法(コンタクト現像、又はトナー現像ともいう)、トナ
ー粒子を静電潜像面に直接接触させず、トナー粒子を荷
電して静電潜像の有する電界により該潜像面に向けて飛
行させるジャンピング現像法、磁性の導電性トナーを静
電潜像面に接触させて現像するマグネドライ法等があ
る。
これらの現像法に適用するトナーとしては、従来、天
然あるいは、合成樹脂中に着色剤を分散させた微粉末が
使用されている。また、磁性トナーとしては、マグネタ
イトなどの磁性体粒子を含有せしめたものが用いられて
いる。二成分現像剤を用いる方式の場合には、トナー
は、通常ガラスビーズ,鉄粉などのキャリア粒子と混合
されて用いられる。また、トナーは、現像される静電潜
像の磁性に応じて、正または負の電荷が保有せしめられ
る。
一般に電荷を保有せしめるためには、電荷制御剤と呼
ばれる物質を含有させる。こうした電荷制御剤には、摩
擦帯電量の温,湿度安定性,耐久安定性,保存安定性や
樹脂に対する相溶性などが望まれる。従来より公知の電
荷制御剤には、正に帯電するものとして、ニグロシン染
料,アジン系染料(特公昭42−1627号公報),第4級ア
ンモニウム塩,有機錫オキサイドあるいはアミノ基を有
するポリマーなどが知られている。一方、負に帯電する
ものとしては、モノアゾ染料の金属錯体(特開昭49−27
229号公報他)あるいは、サリチル酸の金属錯体などが
ある。しかし、上述した特性を全て満足する電荷制御剤
は、ほとんど知られていない。
また、電荷制御剤と他のトナー組成物との組合せで、
上記の特性を全て満足するようにトナーを設計するに
は、耐久劣化あるいは吸湿などによる摩擦帯電量の減少
分を考慮して、あらかじめ摩擦帯電量を大きくしておく
ことが必要である。この場合は逆に、低湿下で必要以上
に帯電量が大きくなりすぎる、いわゆるチャージ・アッ
プの現象が現れる。また、こうしたトナーは、文字など
の線画だけを複写する場合には、問題はなくても、ハー
フトーンなどの階調性のある画像も複写する場合には、
直前に複写された画像部が薄くなる、いわゆる“ゴース
ト”と呼ばれる現象が起り易い。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、かかる問題点を解決したトナーを提
供することにある。
本発明の目的は、トナー粒子間またはトナーとキャリ
ア間、一成分現像の場合のトナーとスリーブの如きトナ
ー担持体との間などの摩擦帯電量が安定で、温度,湿度
の変化に影響を受けない安定した画像を再現し得るトナ
ーの提供にある。
さらに本発明の目的は、ハーフトーンのベタ画像の濃
度が常に均一に得られるトナーを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 具体的には、本発明は、少なくとも着色剤と; 2−ヒドロキシ−m−トルイル酸の金属化合物、2−
アミノ−4−ニトロフェノールの金属化合物、4−t−
ブチル−2−ヒドロキシナフチル酸の金属化合物、3,5
−ジ−t−ブチルサリチル酸の金属化合物、N,N′−ジ
−p−トリルチオ尿素、N,N′−ビス(2,6−ジイソプロ
ピルフェニル)チオ尿素、N,N′−ビス(2−メチル−
5−エチルフェニル)チオ尿素及びN,N′−ジナフチル
チオ尿素からなるグループから選択される化合物であ
り、 一定波長の光を照射した時に光電子を放出し始める
エネルギーが5eV以上であり、電気抵抗が108Ω・cm以
上であり、35℃,相対湿度90%の環境下に放置した際
の吸水量が、23℃,相対湿度60%の環境下に放置した際
の吸水量の5倍以内で、しかも10重量%以下となるよう
に調整された該化合物と; スチレン類、アクリル酸類、メタクリル酸類及びその
誘導体から選ばれる1種以上のモノマーを重合して得ら
れるバインダー樹脂であり、 バインダー樹脂のテトラヒドロフラン不溶分(THF不
溶分)が5〜60重量%(バインダー樹脂基準)含有され
ており、バインダー樹脂のTHF可溶分のゲルパーミエー
ションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布にお
いて重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)≧5であ
り、分子量1,000〜25,000の領域にピークを少なくとも
1つ有し、且つ分子量3,000〜150,000の領域にピーク又
は肩を少なくとも1つ有するバインダー樹脂; とを含有するトナー粒子を有することを特徴とする負
摩擦帯電性の静電荷像現像用トナーに関する。
本発明において、光電子が放出されたる照射光のエネ
ルギーは、重水素放電管より放出される紫外光をモノク
ロメーターで単色化し、粉体試料に照射、光電子を放出
し始めるエネルギーを求める。また、吸水量は、各環境
下に粉体試料を48時間放置した後、微量水分測定装置
(カールフィッシャー)を用いて測定した。
以下、本発明の主要成分について説明する。
バインダー樹脂 本発明のバインダー樹脂において、ゲル成分とは、樹
脂組成物中の架橋されて溶媒に対して不溶性となったポ
リマー成分の重量割合を示し、高架橋成分を含む樹脂組
成物の架橋の程度を示すパラメータとして使うことがで
きる。ゲル成分とは、以下の様に測定された値をもって
定義する。
すなわち試料が樹脂のみの場合には、0.5〜1.0gの一
定量樹脂を秤量し(W1g)、円筒濾紙(東洋濾紙製No.86
R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF
(テトラヒドロフラン)100〜200mlを用いて6時間抽出
し、溶媒によって抽出された可溶成分をエバポレートし
た後、100℃で数時間真空乾燥し可溶樹脂成分量を秤量
し(W2g)、以下の式に従って計算する。
ゲル成分含有率=〔W1−W2)/W1〕×100(%) 以上の操作で得られた溶媒可溶成分の蒸発乾固物はTH
F(テトラヒドロフラン)に溶解させ、サンプル処理フ
ィルターを通過させた後、GPCの試料とする。
本発明において、GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィ)によるクロマトグラムのピークまたは/お
よびショルダーの分子量は次の条件で測定される。
すなわち、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定
させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF(テ
トラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度
として0.05〜0.1重量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を
50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあ
たっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポ
リスチレン標準試料により作成された検量線の対数値と
カウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準
ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemica
l Co.製或いは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102,
2.1×103,4×103,1.75×104,5.1×104,1.1×105,3.9×1
05,8.6×105,2×106,4.48×106のものを用い、少なくと
も10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当で
ある。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
なお、カラムとしては、103〜2×106の分子量領域を
適確に測定するために、市販のポリスチレンゲルカラム
を複数組合せるのが良く、例えばWaters社製のμ−Styr
agel 500,103,104,105の組み合せや、昭和電工社製の
Shodex KF−80MやKF−802,803,804,805の組合せ、KA−8
02,803,804,805の組合せ、あるいは東洋曹達工業社製の
TSKgel G1000H,G2000H,G2500H,G3000H,G4000H,G5000H,G
6000H,G7000H,GMHの任意の組合せが望ましい。
本発明のトナーにおける樹脂組成物は、架橋成分を含
む高分子量重合体成分と低分子量重合体成分を含有し、
そのどちらも、スチレン類、アクリル酸類、メタクリル
酸類及びその誘導体から選ばれる1種以上のモノマーを
重合して得られるものが現像特性及び帯電特性等から好
ましく、使用できるモノマーの例としては、スチレン類
としてスチレン,α−メチルスチレン,ビニルトルエ
ン,クロルスチレンなどがあげられ、アクリル酸類,メ
タクリル酸類及びその誘導体としては、アクリル酸,ア
クリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸プロピ
ル,アクリル酸ブチル,アクリル酸オクチル,アクリル
酸2−エチルヘキシル,アクリル酸n−テトラデシル,
アクリル酸n−ヘキサデシル,アクリル酸ラウリル,ア
クリル酸シクロヘキシル,アクリル酸ジエチルアミノエ
チル,アクリル酸ジメチルアミノエチルなどのアクリル
酸エステル類があげられ、同様にメタクリル酸,メタク
リル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸プロ
ピル,メタクリル酸ブチル,メタクリル酸アミル,メタ
クリル酸ヘキシル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,
メタクリル酸オクチル,メタクリル酸デシル,メタクリ
ル酸ドデシル,メタクリル酸ラウリル,メタクリル酸シ
クロヘキシル,メタクリル酸フェニル,メタクリル酸2
−ヒドロキシエチル,メタクリル酸2−ヒドロキシプロ
ピル,メタクリル酸ジメチルアミルエチル,メタクリル
酸グリシジル,メタクリル酸ステアリルなどのメタクリ
ル酸エステル類があげられる。さらに本発明の樹脂成分
における架橋域を含む高分子量重合体成分と、低分子量
重合体成分には、前述のモノマー以外に,本発明の目的
を達成しうる範囲で少量の他のモノマー、例えばアクリ
ロニトリル,2−ビニルピリジン,4−ビニルピリジン,ビ
ニルカルバゾール,ビニルメチルエーテル,ブタジエ
ン,イソプレン,無水マレイン酸,マレイン酸,マレイ
ン酸モノエステル類,マレイン酸ジエステル類,酢酸ビ
ニルなどが用いられても良い。
本発明のトナーの樹脂成分の架橋成分を形成するため
に用いられる架橋剤としては、2官能の架橋剤として、
ジビニルベンゼン,ビス(4−アクリロキシポリエトキ
シフェニル)プロパン,エチレングリコールジアクリレ
ート,1,3−ブチレングリコールジアクリレート,1,4−ブ
タンジオールジアクリレート,1,5−ペンタンジオールジ
アクリレート,1,6−ヘキサングリコールジアクリレー
ト,ネオペンチルグリコールジアクリレート,ジエチレ
ングリコールジアクリレート,トリエチレングリコール
ジアクリレート,テトラエチレングリコールジアクリレ
ート,ポリエチレングリコール#200,#400,#600の各
ジアクリレート,ジプロピレングリコールジアクリレー
ト,ポリプロピレングリコールジアクリレート,ポリエ
ステル型ジアクリレート(商品名MANDA 日本化薬)、
及び以上のアクリレートをメタクリレートにかえたもの
の全て、多官能の架橋剤としてペンタエリスリトールト
リアクリレート,トリメチロールエタントリアクリレー
ト,トリメチロールプロパントリアクリレート,テトラ
メチロールメタンテトラアクリレート,オリゴエステル
アクリレート及びそのメタクリレート,2,2−ビス(4−
メタクリロキシ,ポリエトキシフェニル)プロパン,ジ
アリルフタレート,トリアリルシアヌレート,トリアリ
ルイソシアヌレート,トリアリルトリメリテート,ジア
リールクロレンデート等があげられる。
本発明におけるトナー内の樹脂組成物においては、架
橋域成分を含む高分子量重合体から系分子量重合体ま
で、均一に混合されていることが必要である。架橋域成
分を含む高分子量重合体は、溶媒に不溶であるため、こ
の高分子量重合体と低分子量重合体を溶液状の混合状態
にするのは困難であり、見かけ上混合していても、真に
均一混合しているわけではない。さらにこの高分子量重
合体を低分子量重合体と熱溶融して機械的に混合する方
法では、これまた真に均一に混合しているとは言えな
い。そこで、低分子量成分と架橋域成分とを均一に混合
した状態にするためには、低分子量成分と架橋域成分と
をつなぐ架橋していない中,高分子量域成分の存在が有
効となる。そこで、架橋域成分をもつ高分子量重合体
と、低分子量重合体を均一に混合した樹脂組成物を得る
ためには、低分子量重合体をあらかじめ架橋剤と共に、
中,高分子量重合体を与えるモノマー成分に溶解または
混合させて、再び重合させ、二段目の重合によって、架
橋域成分をもたせた高分子量重合体を得る方法が好まし
い。
本発明に用いる樹脂組成物中の低分子量重合体は、塊
状重合法、溶液重合法などの通常用いられる重合法で得
ることができる。
一般に塊状重合法では、高温で重合させて停止反応速
度をはやめることで、低分子量の重合体を得ることがで
きるが、反応をコントロールしにくい問題点がある。そ
の点、溶液重合法では溶媒中におけるラジカルの連鎖移
動の差を利用して、また開始剤量や反応温度を調節する
ことで低分子量重合体を温和な条件で容易に得ることが
でき、本発明で用いる樹脂組成物中の低分子量体を得る
には好ましい。尚、溶液重合法のみでゲル成分を必要量
含有している樹脂を合成することは難しい。この低分子
量重合体は、前述の架橋剤及び架橋域成分を含む中,高
分子量重合体を与えるモノマーと共に、再び重合するわ
けであるが、溶媒に不溶成分となるまでの架橋域のゲル
成分を得る重合法としては、乳化重合法や懸濁重合法が
好ましい。
懸濁重合法を例にとると、懸濁状態となった低分子量
重合体を含んだモノマーが、架橋剤と共に重合すること
によって、樹脂組成物は、パール状に形状が整い、低分
子量重合体から架橋域成分を含む中,高分子量重合体ま
でが、均一に混合された好ましい状態で得ることができ
る。こうして得られた本発明のトナーに用いられる樹脂
組成物は、ゲル成分5〜60重量%、好ましくは10〜50重
量%、それ以外の溶媒可溶成分のGPCのクロマトグラム
において、分子量が1000〜25000、好ましくは2000〜100
00にメインピーク値(GPC クロマトグラムにおいて最
も高いピークの位置する値)を有し、かつ分子量が3000
〜150000、好ましくは10000〜100000にサブピーク値
(メインピークに次ぐ高さを有するピークの位置する
値)またはサブショルダー値を有する特徴をもつ。ま
た、分子量10,000以下の成分が、バインダー樹脂に10〜
50重量%含有されていることが特に好ましい。
本発明のバインダー樹脂において、低分子量成分は低
温定着性向上,添加剤の分散性向上に、架橋域成分はオ
フセット性,巻き付き性改善に、中・高分子量域成分は
低分子量成分と架橋域成分との均一混合のみならず、低
温定着性向上,オフセット性改善,トナー粉砕性向上に
重要な役割を果している。
電荷制御剤 本発明においては、上記バインダー樹脂の役割とは別
に、光電子放出エネルギー,電気抵抗および吸水性が本
発明の条件を満足する電荷制御剤を上記バインダー樹脂
と組合せると、チャージ・アップ現象やベタ画像を複写
した時に生じるゴースト現象を解決できるという新しい
効果を見い出した。
本発明の電荷制御剤においては、充分な摩擦帯電量を
有するためには、光電子の放出エネルギーを5eV以上に
することが大切である。また、速やかに充分な摩擦帯電
量に到達するには、帯電した電荷のリークを抑制しなけ
ればならない。それには、電気抵抗を108Ω・cm以上に
することが重要である。また、高湿状態で、吸水量が著
しく増加するような化合物では、環境安定性の良いトナ
ーは得られない。それには、35℃,相対湿度90%の環境
下に放置した際の吸水量が、23℃,相対湿度60%の環境
下に放置した際の吸水量の5倍以内で、しかも化合物の
全重量に対して10重量%以下でなくてはならない。この
ように本発明の電荷制御剤は、摩擦帯電能としては、非
常に優れた化合物である。
しかしながら、これらの化合物のバインダー樹脂に対
する相溶性は、必ずしも満足できるものではない。特に
定着性,オフセット性を改良するために低分子量バイン
ダー樹脂と高分子量バインダー樹脂を機械的に混合した
バインダー樹脂を用いると、電荷制御剤は、低分子量バ
インダー樹脂により多く相溶する傾向がある。そのよう
な状態で粉砕すると、低分子量バインダー樹脂は、高分
子量バインダー樹脂よりも細かく粉砕されるために、微
細トナーにより多くの電荷制御剤が含有されることにな
る。通常でも、比電荷が大きくなり易い微細トナーが、
よけいに摩擦帯電され易くなるためにチャージ・アップ
やゴースト現象を引き起すことになる。
それに対して、本発明におけるバインダー樹脂は、低
分子量成分が、バインダー樹脂全体に、真に均一に分散
されているために、電荷制御剤もバインダー樹脂全体に
均一に分散されることになる。従って、チャージ・アッ
プやゴーストといった問題が解決できるものと考えられ
る。
一方、光電子放出エネルギーが、5eV未満の電荷制御
剤は、負摩擦帯電性が弱いためにチャージ・アップやゴ
ーストは解決できるが、複写初期における画像濃度が低
くなる。
このように何ら副作用を起こさずに、チャージ・アッ
プやゴーストを解決し得るのは、本発明の電荷制御剤と
バインダー樹脂の組み合せの新しい効果である。
従来、電子親和力やイオン化電位で、化合物を規定し
たものが公開されているが(特開昭59−90857〜90861号
公報)これらには、本発明のような特殊なバインダー樹
脂との効果については触れられていない。また、測定さ
れている値も本発明の微量水分測定装置(カールフィッ
シャー)を用いて測定した。
具体的金属化合物としては、2−ヒドロキシ−m−ト
ルイル酸Ni、2−ヒドロキシ−m−トルイル酸Co、2−
ヒドロキシ−m−トルイル酸Cr、2−アミノ−4−ニト
ロフェノールFe、2−アミノ−4−ニトロフェノールC
o、4−t−ブチル−2−ヒドロキシナフチル酸Zn、4
−t−ブチル−2−ヒドロキシナフチル酸Fe、4−t−
ブチル−2−ヒドロキシナフチル酸Ni、4−t−ブチル
−2−ヒドロキシナフチル酸Co、4−t−ブチル−2−
ヒドロキシナフチル酸Al、3,5−ジ−t−ブチルサリチ
ル酸Ni、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Zn、3,5−ジ−
t−ブチルサリチル酸Co、3,5−ジ−t−ブチルサリチ
ル酸Fe、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Al、3,5−ジ−
t−ブチルサリチル酸Crが挙げられる。
上記例示化合物は、単独または2以上併用して用いら
れるが、必要に応じて他の化合物を併合して用いてもよ
い。
また、本発明のトナーに含有される電荷制御剤のトナ
ー中における含有量は、広い範囲にわたって変え得る
が、一般的には、バインダー樹脂に対して0.1〜10重量
%であり、好ましくは0.5〜5重量%である。
また、含有させる方法としては、通常は、バインダー
樹脂中に溶融混練により含有分散せしめる方法が採られ
るが、電荷制御剤としての効果を発揮できるのであれ
ば、どのように含有されても良い。
着色剤 本発明に使用される着色剤としては、カーボンブラッ
ク、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、ア
ニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニン
グリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、レーキ、
カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、
ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリールメ
タン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系洗顔料等従来公知
の洗顔料をも単独あるいは混合して使用し得る。
磁性体 さらに本発明のトナーは、二成分系現像剤として用い
る場合にはキャリヤー粉と混合して用いられる。本発明
に使用しうるキャリヤーとしては、公知のものが使用可
能であり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉の如
き磁性を有する粉体、ガラスビース等及びこれらの表面
を樹脂等で処理したものなどがあげられる。
さらに本発明のトナーは更に磁性材料を含有させ磁性
トナーとしても使用しうる。この場合、磁性材料は着色
剤の役割をかねている。本発明の磁性トナー中に含まれ
る磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェ
ライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金
属或いはこれらの金属のアルミニウム、コバルト、銅、
鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウ
ム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セ
レン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属
の合金およびその混合物等が挙げられる。
これらの磁性体は、光電子放出エネルギーが4.5eV以
上のものが好ましい。さらに平均粒径が0.1〜2μm、
好ましくは、0.1μm〜1μmのものが良い。トナー中
に含有させる量としては、樹脂成分100重量部に対し、
約20〜200重量部、特に好ましくは40〜150重量部であ
る。
また、本発明のトナーは、光電子放出エネルギーが4.
5eV以上であるシリカ微粉末を外添することで、さらに
地カブリ、細線再現性などの画質向上が可能である。光
電子放出エネルギーが4.5eVを下回らなければ、耐湿性
向上等の目的から種々の処理剤で表面処理をしてもかま
わない。これらシリカ微粉末の添加量としては、トナー
母体に対して、0.01重量%〜2重量%であり、好ましく
は0.1重量%〜1重量%である。
その他添加剤 また、本発明のトナーは、必要に応じて添加剤を混合
しても良い。添加剤としては、例えば、テフロン,ステ
アリン酸亜鉛の如き滑剤,酸化セリウム,炭化ケイ素等
の研磨剤,カーボンブラック,酸化スズ等の導電性付与
剤,あるいは、低分子量ポリエチレン,低分子量ポリプ
ロピレン,各種ワックス類などの定着助剤または耐オフ
セット剤がある。
本発明に係る静電荷像現像用トナーを作製するには前
記本発明に係る樹脂組成物及び電荷制御剤、必要に応じ
て磁性材料及び着色剤としての顔料又は染料,添加剤等
をボールミルその他の混合機により充分混合してから加
熱ロール,ニーダー,エクストルーダー等の熱混練機を
用いて溶融,捏和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せし
めた中に顔料又は染料を分散又は溶解せしめ、冷却固化
後粉砕及び分級して平均粒径3〜20μmのトナーを得る
ことが出来る。
以下に、本発明の実施例により具体的に説明するが、
これは、本発明をなんら限定するものではない。なお、
以下の配合における部数は重量部である。
[実施例] 合成例1 反応器にクメン200部を入れ、還流温度まで昇温し
た。これにスチレンモノマー100部及びジ−tert−ブチ
ルパーオキサイド8部の混合物をクメン還流下で4時間
かけて滴下した。さらにクメン還流下(146℃〜156℃)
で溶液重合を完了し、クメンを除去した。得られたポリ
スチレンはTHFに可溶であり、Mw=3,700、Mw/Mn=2.64,
GPCのメインピークの位置する分子量は3,500,Tg=57℃
であった。
上記ポリスチレン30部を下記単量体混合物に溶解し、
混合溶液とした。
上記混合溶液にポリビニルアルコール部分ケン化物0.
1部を溶解した水170部を加え懸濁分散液とした。水15部
を入れ窒素置換した反応器に上記懸濁分散液を添加し、
反応温度70〜95℃で6時間懸濁重合反応させた。反応終
了後に別し、脱水,乾燥し、ポリスチレンとスチレン
−アクリル酸n−ブチル共重合体の混合組成物を得た。
該組成物は、THF不溶分とTHF可溶分が均一に混合してお
り、且つポリスチレンとスチレン−アクリル酸n−ブチ
ル共重合体が均一に混合していた。得られた樹脂組成物
のTHF不溶分(24メッシュパス,60メッシュオンの粉体で
測定)は、40wt%であった。またTHF可溶分の分子量分
布を測定したところGPCのチャートにおいて、約0.4万,
約3.4万の位置にピークを有し、Mn=0.56万,Mw=13万,M
w/Mn=23、分子量1万以下が21wt%であった。さらに樹
脂のTgは、59℃であり、GPCにより分取された1万以下
の成分のガラス転移点Tg1は57℃であった。
尚、各樹脂及び樹脂組成物の分子量に関わる特性は下
記方法で測定した。
GPC測定用カラムとしてShodex KF−80Mを用い、GPC測
定装置(ウォーターズ社製150C ALC/GPC)の40℃のヒー
トチャンバーに組み込みTHF流速1ml/min,検出器はRIの
条件下、試料(THF可溶分の濃度約0.1重量%)を200μ
l注入することでGPCを測定した。分子量測定の検量線
としては分子量0.5×103,2.35×103,10.2×103,35×1
03,110×103,200×103,470×103,1200×103,2700×103,
8420×103の10点の単分散ポリスチレン標準物質(ウォ
ーターズ社製)のTHF溶液を用いた。
合成例2 反応器にクメン150部を入れ、還流温度まで昇温し
た。下記混合物をクメン還流下で4時間かけて滴下し
た。
さらにクメン還流下(146〜156℃)で重合を完了し、
クメンを除去した。得られたスチレン−アクリル酸n−
ブチル共重合体は、Mw=6,900、Mw/Mn=2.3、分子量7,1
00の位置にメインピークを有し、Tg=60℃であった。
上記スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体40部を
下記単量体混合物に溶解し、混合物とした。
上記混合物にポリビニルアルコール部分ケン化物0.1
部を溶解した水170部を加え懸濁分散液とした。
水15部を入れ窒素置換した反応器に上記分散液を添加
し、反応温度70〜95℃で6時間反応させた。反応終了
後、別,脱水,乾燥し、スチレン−アクリル酸n−ブ
チル共重合体とスチレン−メタアクリル酸n−ブチル共
重合体の混合組成物を得た。
合成例3 反応器にクメン200部を入れ、還流温度まで昇温し
た。下記混合物をクメン還流下で4時間かけて滴下し
た。
さらにクメン還流下(146〜156℃)で重合を完了し、
クメンを除去した。得られたポリスチレンは、Mw=3,70
0、Mw/Mn=2.64、分子量3,500にメインピークを有し、T
g=57℃であった。上記ポリスチレン30部を下記単量体
混合物に溶解し、混合物とした。
上記混合物にポリビニルアルコール部分ケン化物0.1
部を溶解した水170部を加え懸濁分散液とした。
水15部を入れ窒素置換した反応器に上記分散液を添加
し、反応温度70〜95℃で6時間反応させた。反応終了
後、別,脱水,乾燥し、ポリスチレンとスチレン−ア
クリル酸2−エチルヘキシル共重合体の混合組成物を得
た。
合成例4 反応器にクメン150部を入れ、還流温度まで昇温し
た。下記混合物をクメン還流下で4時間かけて滴下し
た。
さらにクメン還流下(146〜156℃)で重合を完了し、
クメンを除去した。得られたポリスチレンはMw=5,20
0、Mw/Mn=2.74、分子量5,300にメインピークを有し、T
g=75℃であった。上記ポリスチレン50部を下記単量体
混合物に溶解し、混合物とした。
上記混合物にポリビニルアルコール部分ケン化物0.1
部を溶解した水170部を加え懸濁分散液とした。水15部
を入れ窒素置換した反応器に上記分散液を添加し、反応
温度70〜95℃で6時間反応させた。反応終了後、別,
脱水,乾燥し、ポリスチレンとスチレン−アクリル酸n
−ブチル共重合体の混合組成物を得た。
合成例5 反応器にクメン200部を入れ、還流温度まで昇温す
る。下記混合物をクメン還流下で4時間かけて滴下し
た。
さらにクメン還流下(146〜156℃)で重合を完了し、
クメンを除去した。得られたスチレン−メチルメタアク
リレート共重合体は、Mw=3,900、Mw/Mn=2.6、分子量
4,100の位置にメインピークを有し、Tg=60℃であっ
た。上記スチレン−メチルメタアクリレート共重合体30
部を下記単量体混合物に溶解し、混合物とした。
上記混合物にポリビニルアルコール部分ケン化物0.1
部を溶解した水170部を加え分散液とした。水15部を入
れ窒素置換した反応器に上記分散液を添加し、反応温度
70〜95℃で6時間反応させた。反応終了後、別,脱
水,乾燥し、スチレン−メチルメタアクリレート共重合
体とスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体の混合組
成物を得た。
合成例6 反応器にクメン200部を入れ、還流温度まで昇温し
た。下記混合物をクメン還流下で4時間かけて滴下し
た。
さらにクメン還流下(146〜156℃)で重合を完了し、
クメンを除去した。得られたスチレン−α−メチルスチ
レンは、Mw=4,500、Mw/Mn=2.8、分子量4,400の位置に
メインピークを有し、Tg=63℃であった。
上記スチレン−α−メチルスチレン共重合体30部を下
記単量体混合物に溶解し、混合物とした。
上記混合物にポリビニルアルコール部分ケイ化物0.1
部を溶解した水170部を加え懸濁分散液とした。水15部
を入れ窒素置換した反応器に上記分散液を添加し、反応
温度70〜95℃で6時間反応させた。反応終了後、別,
脱水,乾燥し、スチレン−α−メチルスチレン共重合体
とスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体の混合組成
物を得た。
実施例1 上記3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Coの光電子放出
エネルギーは、5.6eV(理研計器(株)製,AC−1型)
で、電気抵抗は2×1011Ω・cmであった。また、23℃,
相対湿度60%での吸水量は34000ppm、35℃,相対湿度90
%での吸水量は42000ppmであった。
上記材料をヘンシェルミキサーで前記混合した後、15
0℃に加熱した2本ロールミルで20分間混練した。混練
物を放冷後、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気
流を用いた微粉砕機を用いて粉砕し、さらに風力分級機
を用いて分級し、体積平均粒径11.5μmの黒色微粉体を
得た。
該黒色微粉体100部に対して、シランカップリング剤
で処理した光電子放出エネルギー4.8eVのシリカ微粉末
0.4部を乾式混合し、トナーを得た。
該トナーと鉄粉(200メッシュパス,300メッシュ残
品)を1:9の割合でポリビンに入れ、4日間各環境下に
放置した。その後、各環境下で30秒間振とうした後、ブ
ローオフ法により摩擦帯電量を測定した。その結果を表
1に示すが、各環境下での帯電量の大きな変動はなかっ
た。
また、キヤノンNP−270Zを用いて画像を得たところ、
1枚目から画像濃度1.25の良好な画像が得られ、通常1.
3前後の画像濃度を維持していた。
また、ゴースト現象を調べるために、前半に文字画
像、後半にハーフトーン(反射濃度0.3)のベタ画像を
有する原稿を複写した所、濃度均一性の優れたハーフト
ーン画像が得られ、いわゆるゴースト現象は現れなかっ
た。
比較例1 合成例1の樹脂組成物の代わりに、上記樹脂混合物を
バインダー樹脂として用いる他は、実施例1と同様にト
ナーを得た。
該トナーと鉄粉(200メッシュパス,300メッシュ残
品)を1:9の割合でポリビンに入れ、4日間各環境下に
放置した。その後、各環境下で30秒間振とうした後、ブ
ローオフ法により摩擦帯電量を測定した。表1に示すよ
うに、各環境下での帯電量の大きな変動はなかった。
しかし、キヤノンNP−270Zを用いて画像を得たところ
ハーフトーン部にゴースト現象が現れた。
また、15℃,相対湿度10%の環境下で、連続複写を行
ったところ、徐々に画像濃度の低下が生じた。
比較例2 実施例1の3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸Co2部の代
わりに2−アミノ−p−クレゾールCo2部を用いる他は
実施例1と同様にトナーを得た。
なお、2−アミノ−p−クレゾールCoの光電子放出エ
ネルギーは、4.8eVで、電気抵抗は5×1012Ω・cmであ
った。
また、23℃,相対湿度60%での吸水量は3100ppmで、3
5℃,相対湿度90%での吸水量は5800ppmであった。
実施例1と同様な方法で、各環境下における摩擦帯電
量を測定した。表1に示すように、三環境とも帯電量の
大きな変動はなかったが、値が低かった。
またキヤノンNP−270Zを用いて画像を得たところ、1
枚目の画像濃度は0.9と低かった。さらに500枚複写をく
り返したが、画像濃度は1.1であった。ハーフトーン画
像の複写においては、濃度均一性の優れたハーフトーン
画像が得られたが、若干画像濃度が低かった。
実施例2 上記4−t−ブチル−2−ヒドロキシナフチル酸Alの
光電子放出エネルギーは5.2eVで、電気抵抗は3×1012
Ω・cmであった。また、23℃,相対湿度60%での吸水量
は11000ppm、35℃,相対湿度90%での吸水量は22000ppm
であった。
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、150
℃に加熱した2本ロールミルで20分間混練した。混練物
を放冷後、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流
を用いた微粉砕機を用いて粉砕し、さらに風力分級機を
用いて分級し、粒径5〜20μmの微粉体を得た。
該微粉体と鉄粉(200メッシュパス,300メッシュ残
品)を1:9の割合でポリビンに入れ、4日間各環境下に
放置した。その後、各環境下で30秒間振とうした後、ブ
ローオフ法により摩擦帯電量を測定した。その結果を表
1に示すが、各環境下での帯電量の大きな変動はなかっ
た。
また、平均粒径50〜80μmの鉄粉キャリア100部に対
し該微粉末5部の割合で混合して現像剤を作製した。
次いで、CdS感光体上に従来公知の電子写真法によ
り、正の静電荷像を形成し、これを上記の現像剤を用
い、磁気ブラシ法で現像してトナー画像を作り、普通紙
に転写し、加熱定着させた。得られた転写画像は鮮やか
な青色を呈し、1枚目から画像濃度は1.20と高く、通常
1.25を維持していた。
また、ゴースト現象を調べるために、前半に文字画
像、後半にハーフトーン(反射濃度0.3)のベタ画像を
有する原稿を複写した所、濃度均一性の優れたハーフト
ーン画像が得られ、いわゆるゴースト現象は現れなかっ
た。
比較例3 実施例2の4−t−ブチル−2−ヒドロキシナフチル
酸Al3部の代りに1−アミノ−2−ナフトールNi3部を用
いる他は実施例2と同様にトナーを得た。
1−アミノ−2−ナフトールNiの光電子放出エネルギ
ーは、4.6eVと若干低かった。
実施例2と同様な方法で、各環境下における摩擦帯電
量を測定した。表1に示すように摩擦帯電量の温湿度依
存性は少ないが、全体的に若干低かった。
また、得られた画像の濃度は1.0と低かった。
実施例3 上記2−ヒドロキシ−m−トルイル酸Niの光電子放出
エネルギーは5.8eVで、電気抵抗は8×1012Ω・cmであ
った。また、23℃,相対湿度60%での吸水量は4800pp
m、35℃,相対湿度90%での吸水量は8700ppmであった。
上記材料をヘンシェルミキサーで前記混合した後、15
0℃に加熱した2本ロールミルで20分間混練した。混練
物を放冷後、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気
流を用いた微粉砕機を用いて粉砕し、さらに風力分級機
を用いて分級し、体積平均粒径8.0μmの黒色微粉体を
得た。
該黒色微粉体100部に対して、シリコンオイルで処理
した光電子放出エネルギー4.7eVのシリカ微粉末0.6部を
乾式混合し、トナーを得た。
該トナーと鉄粉(200メッシュパス,300メッシュ残
品)を1:9の割合でホリビンに入れ、4日間環境下に放
置した。その後、各環境下で30秒間振とうした後、ブロ
ーオフ法により摩擦帯電量を測定した。その結果を表1
に示すが、各環境下での帯電量の大きな変動はなかっ
た。
キヤノンNP−270Zを用いて画像を得たところ、1枚目
から画像濃度1.23の良好な画像が得られ、通常1.3前後
の画像濃度を維持していた。
また、ゴースト現象を調べるために、前半に文字画
像、後半にハーフトーン(反射濃度0.3)のベタ画像を
有する原稿を複写した所、濃度均一性の極めて優れたハ
ーフトーン画像が得られ、いわゆるゴースト現象は現れ
なかった。
実施例4 上記N,N′−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)チ
オ尿素の光電子放出エネルギーは5.1eVで、電気抵抗は
2×1013Ω・cmであった。また、23℃,相対湿度60%で
の吸水量は16000ppm、35℃,相対湿度90%での吸水量は
28000ppmであった。
上記材料から実施例3と同様な方法でトナーを得た。
実施例3と同様な方法で、各環境下における摩擦帯電
量を測定した。表1に示すように摩擦帯電量の温湿度依
存性は少なかった。
また、実施例3と同様に画像を得たところ、実施例3
と同様に良好な結果が得られた。
実施例5 上記2−アミノ−4−ニトロフェノールFeの光電子放
出エネルギーは5.1eVで、電気抵抗は4×1012Ω・cmで
あった。また、23℃,相対湿度60%での吸水量は25000p
pm、35℃,相対湿度90%での吸水量は62000ppmであっ
た。
上記材料から実施例3と同様な方法でトナーを得た。
実施例3と同様な方法で、各環境下における摩擦帯電
量を測定した。表1に示すように摩擦帯電量の温湿度依
存性は少なかった。
また、実施例3と同様に画像を得たところ、実施例3
と同様に良好な結果が得られた。
比較例4 合成例3の樹脂組成物 100部 磁性体(光電子放出エネルギー5.5eV) 80部 低分子量ポリプロピレン 3部 上記磁性体の電気抵抗は3×107Ω・cmであった。
上記材料から実施例3と同様な方法でトナーを得た。
実施例3と同様な方法で、各環境下における摩擦帯電
量を測定した。表1に示すように、相対湿度が高くなる
に従って、帯電量が減少している。
また、実施例3と同様に画像を得たところ、1枚目の
画像濃度は0.95と低く、1.20に達するのに、1000枚以上
の連続複写が必要だった。
[発明の効果] 本発明によれば、上記の特定の電荷制御剤とバインダ
ー樹脂を組合せることによって、摩擦帯電量が安定で、
温度,湿度の変化に影響を受けない安定した画像を再現
できる。また、ハーフトーンのベタ画像の濃度も均一に
得ることができるものである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/087 G03G 9/09 G03G 9/097

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも着色剤と; 2−ヒドロキシ−m−トルイル酸の金属化合物、2−
    アミノ−4−ニトロフェノールの金属化合物、4−t−
    ブチル−2−ヒドロキシナフチル酸の金属化合物、3,5
    −ジ−t−ブチルサリチル酸の金属化合物、N,N′−ジ
    −p−トリルチオ尿素、N,N′−ビス(2,6−ジイソプロ
    ピルフェニル)チオ尿素、N,N′−ビス(2−メチル−
    5−エチルフェニル)チオ尿素及びN,N′−ジナフチル
    チオ尿素からなるグループから選択される化合物であ
    り、 一定波長の光を照射した時に光電子を放出し始めるエ
    ネルギーが5eV以上であり、電気抵抗が108Ω・cm以上
    であり、35℃,相対湿度90%の環境下に放置した際の
    吸水量が、23℃,相対湿度60%の環境下に放置した際の
    吸水量の5倍以内で、しかも10重量%以下となるように
    調整された該化合物と; スチレン類、アクリル酸類、メタクリル酸類及びその
    誘導体から選ばれる1種以上のモノマーを重合して得ら
    れるバインダー樹脂であり、 バインダー樹脂のテトラヒドロフラン不溶分(THF不溶
    分)が5〜60重量%(バインダー樹脂基準)含有されて
    おり、バインダー樹脂のTHF可溶分のゲルパーミエーシ
    ョンクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布におい
    て重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)≧5であ
    り、分子量1,000〜25,000の領域にピークを少なくとも
    1つ有し、且つ分子量3,000〜150,000の領域にピーク又
    は肩を少なくとも1つ有するバインダー樹脂; とを含有するトナー粒子を有することを特徴とする負摩
    擦帯電性の静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】一定波長の光を照射した時に光電子を放出
    し始めるエネルギーが4.5eV以上の磁性体を、着色剤と
    して含有することを特徴とする請求項1に記載の静電荷
    像現像用トナー。
  3. 【請求項3】一定波長の光を照射した時に光電子を放
    出し始めるエネルギーが4.5eV以上で、35℃,相対湿
    度90%における吸水量が、23℃,相対湿度60%における
    吸水量の5倍以内で、しかも吸水量が5%以下であるシ
    リカ微粉末が、トナー粒子に外添されていることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
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