JP2767325B2 - ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

Info

Publication number
JP2767325B2
JP2767325B2 JP3047427A JP4742791A JP2767325B2 JP 2767325 B2 JP2767325 B2 JP 2767325B2 JP 3047427 A JP3047427 A JP 3047427A JP 4742791 A JP4742791 A JP 4742791A JP 2767325 B2 JP2767325 B2 JP 2767325B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
silver halide
mol
silver
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3047427A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04265969A (ja
Inventor
勉 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP3047427A priority Critical patent/JP2767325B2/ja
Publication of JPH04265969A publication Critical patent/JPH04265969A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2767325B2 publication Critical patent/JP2767325B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分光増感されたハロゲ
ン化銀写真感光材料に関するものであり、特にアルゴン
レーザー露光に対して高感度かつ迅速処理適性に優れた
ハロゲン化銀写真感光材料およびその現像処理方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料の露光方法の一つに、原図
を走査し、その画像信号に基づいてハロゲン化銀写真感
光材料上に露光を行い、原図の画像に対応するネガ画像
もしくはポジ画像を形成する所謂スキャナー方式による
画像形成方法が知られている。スキャナー方式による画
像形成方法を実用した記録装置は種々あるが、網点発生
器を用いるいわゆるドットジェネレーター方式が現在で
は数多く用いられている。これらのスキャナー方式記録
装置の記録用光源としては従来グローランプ、キセノン
ランプ、水銀ランプ、タングステンランプ、発光ダイオ
ードなどが用いられてきた。しかしこれらの光源はいず
れも出力が弱く寿命が短いという実用上の欠点を有して
いた。これらの欠点を補うものとして、Ne−Heレー
ザ、アルゴンレーザ、He−Cdレーザ、半導体レーザ
などのコヒーレントなレーザ光源をスキャナー方式の光
源として用いるスキャナーがある。中でも高出力が得ら
れること及びレーザビームを小さく絞ることができると
いう点でアルゴンレーザを、その光源として使用したス
キャナーが数多く用いられている。しかし、アルゴンレ
ーザは高出力が得られるとはいえレーザ管の寿命を長く
保つために出力を絞るには、高感度な感光材料の方が有
利である。また良好な網点を得るためにはレーザビーム
をスリットなどを用いて整形することも必要であり、そ
れにより低下するレーザ出力に対応するためには高感度
な感光材料が必要となる。一方、アルゴンレーザ用の感
光材料としては、アルゴンレーザ光の波長である488
nmの光に感度を与えるには488nm前後に吸収を有する
増感色素を用いて分光増感と称される技術を用いるのが
一般的であるが、この増感色素に起因する残色が処理後
の感光材料に見られ、仕上がりの商品価値を低下させて
いることが多い。
【0003】更に近年は、印刷業界においても作業の効
率化、スピードアップは強く望まれており、スキャニン
グの高速化及び感光材料の処理時間の短縮化に対する広
範囲なニーズが存在している。これら印刷分野のニーズ
に応えるために、露光機(スキャナー、プロッター)に
おいてはスキャニングの高速化、および高画質化のため
の線数増加やビームのしぼり込みが望まれており、ハロ
ゲン化銀写真感光材料においては、高感度で処理安定性
に優れ、かつ迅速に現像処理することが出来ることが望
まれている。ここでいう迅速現像処理とはフィルムの先
端を自動現像機に挿入してから、現像槽、渡り部分、定
着槽、渡り部分、水洗槽、乾燥部分を通過してフィルム
の先端が乾燥部から出て来た時間が15〜60秒である
処理を言う。
【0004】本発明者はこれらの目的のためにハロゲン
化銀粒子にイリジウム化合物と鉄、レニウム、ルテニウ
ム、オスミウム化合物を併用すると効果があることを発
見したが、この方法だけでは、迅速処理時の増感色素の
残色が処理後の感光材料に見られることが問題であっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はアルゴ
ンレーザ光に対して高い感度を有するハロゲン化銀写真
感光材料を提供することにある。本発明の別の目的はア
ルゴンレーザ光に対して高い感度を有し、かつ残色の少
ないハロゲン化銀写真感光材料を提供することにある。
本発明の更に別の目的はアルゴンレーザ光に対して高感
度でカブリの少ないハロゲン化銀写真感光材料を提供す
ることにある。本発明の更に別の目的はアルゴンレーザ
光に対して高感度でかつ良好な画質を与えるハロゲン化
銀写真感光材料を提供することにある。本発明の更に別
の目的はアルゴンレーザ光に対して迅速処理を行なって
も残色の少ないハロゲン化銀写真感光材料及びその現像
処理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、塩
化銀が30モル%以上のハロゲン化銀からなり、かつ銀
1モルに対して10−6モル以下のイリジウム化合物と
10−3モル以下の鉄、レニウム、ルテニウム、オスミ
ウム化合物の少なくとも1種を含有するハロゲン化銀粒
子と、下記一般式(I)で表わされる増感色素の少なく
とも1つを含有するハロゲン化銀乳剤層を少なくとも1
層有するハロゲン化銀写真感光材料を用いることにより
達成された。一般式(I)
【0007】
【化2】
【0008】本発明の具体的構成について詳細に説明す
る。本願発明の一般式(I)で表わされる化合物は以下
の文献より、容易に合成することが可能である。エフ・
エム・ハーマー(F.M.Harmer)著「ヘテロサ
イクリック・コンパウンズ−シアニンダイズ・アンド・
リレイティッド・コンパウンズ(Heterocycl
ic Compounds−Cyanine Dyes
andRelated Compounds)」、ジ
ョン・ウィリー・アンド・サンズ(John Wile
y&Sons)社−ニューヨーク、ロンドン(1964
年刊)、XIV章、第534〜536頁に記載されてい
る。また、R、Rのアセチルアミノアルキル基、N
−アルキルカルバモイルアミノアルキル基の合成法はエ
ス・アール・サンドラー(S.R.Sandler)、
ダブリュー・カロ(W.Karo)著「オーガニック・
ファンクショナル・グループ・プレパレーションズ(O
rganic Functional Group P
reparations)Second Editio
n,I」アカデミック・プレス(Academic P
ress)社、(1983年刊)、Chapter1
1、第316〜358頁に記載されている。本発明に係
わるハロゲン化銀写真乳剤はハロゲン化銀として、塩化
銀、塩臭化銀もしくは塩沃臭化銀を含有する。この時塩
化銀は30モル%以上、より好ましくは60モル%以上
含有する。また沃化銀含有率は5モル%以下、さらに好
ましくは2モル%以下が良い。ハロゲン化銀粒子の形状
は、立方体、十四面体、八面体、不定型、板状いずれで
も良いが立方体もしくは板状が好ましい。ハロゲン化銀
粒子の平均粒径は0.01μm〜1μmが好ましいが、
より好ましくは0.4μm以下であり、{(粒径の標準
変差)/(平均粒径)}×100で表わされる変動係数
が15%以下、より好ましくは10%以下の粒径分布の
狭いものが好ましい。ハロゲン化銀粒子は内部と表層が
均一な相から成っていても、異なる相からなっていても
よい。本発明に用いられる写真乳剤は、P.Glafk
ides著Chimie et Physique P
hotographique(Paul Montel
社刊、1967年)、G.F.Duffin著 Pho
tographicEmulsion Chemist
ry(The Focal Press刊、1966
年)、V.L.Zelikman et al著 Ma
king and Coating Photogra
phic Emulsion(TheFocal Pr
ess刊、1964年)などに記載された方法を用いて
調製することができる。即ち、酸性法、中性法、アンモ
ニア法等のいずれでもよく、又可溶性銀塩と可溶性ハロ
ゲン塩を反応させる形成としては、片側混合法、同時混
合法、それらの組合せなどのいずれを用いてもよい。粒
子を銀イオン過剰の下において形成させる方法(いわゆ
る逆混合法)を用いることもできる。同時混合法の一つ
の形式としてハロゲン化銀の生成される液相中のpAg
を一定に保つ方法、即ち、いわゆるコントロールド・ダ
ブルジェット法を用いることもできる。この方法による
と、結晶形が規則的で粒子サイズが均一に近いハロゲン
化銀乳剤が得られる。また、粒子サイズを均一にするた
めには、英国特許1,535,016号、特公昭48−
36890)同52−16364号に記載されているよ
うに、硝酸銀やハロゲン化アルカリの添加速度を粒子成
長速度に応じて変化させる方法や、英国特許4,24
2,445号、特開昭55−158124号に記載され
ているように水溶液の濃度を変化させる方法を用いて、
臨界飽和度を越えない範囲において早く成長させること
が好ましい。本発明のハロゲン化銀乳剤の粒子形成は、
四置換チオ尿素、有機チオエーテル化合物の如きハロゲ
ン化銀溶剤の存在下で行うことが好ましい。本発明で用
いられる好ましい四置換チオ尿素ハロゲン化銀溶剤は、
特開昭53−82408、同55−77737などに記
載された次の一般式(II)で表わされる化合物であ
る。一般式(II)
【0009】
【化3】
【0010】一般式(II)について説明する。式中、R
1 、R2 、R3 及びR4 は、置換または未置換のアルキ
ル基、アルケニル基(アリル基など)、あるいは、置換
または未置換のアリールを表わし、これらは互いに同じ
でも異なってもよく、R1 〜R4 の炭素数の合計は30
以下が好ましい。また、R1 とR2 、R2 とR3 、ある
いはR3 とR4 で結合して5ないし6員の複素環イミダ
ゾリジンチオン、ピペリジン、モルホリンなどを作るこ
ともできる。上記アルキル基は直鎖又は分岐のものの両
方が用いられる。アルキル基の置換基としては、例えば
ヒドロキシ基(−OH)、カルボキシ基、スルホン酸
基、アミノ基、アルキル残基が1〜5個の炭素原子を有
するアルコキシ基(o−アルキル)、フェニル基または
5ないし6員の複素環(フランなど)である。アリール
基の置換基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基また
はスルホン酸基である。ここで、特に好ましくは、R1
〜R4 のうち、アルキル基が3つ以上で、各アルキル基
の炭素数は1〜5、アリール基はフェニル基、さらにR
1 〜R4 の炭素数の合計は20以下である。本発明に用
いることのできる化合物の例として次のものを挙げるこ
とができる。
【0011】
【化4】
【0012】
【化5】
【0013】
【化6】
【0014】
【化7】
【0015】本発明に好ましく用いられる有機チオエー
テルハロゲン化銀溶剤は例えば特公昭47−11386
号(米国特許3,574,628号)等に記載された酸
素原子と硫黄原子がエチレンによりへだてられている基
(例えば−O−CH2 CH2 −S−)を少なくとも1つ
含む化合物、特開昭54−155828号(米国特許
4,276,374号)に記載された両端にアルキル基
(このアルキル基は各々ヒドロキシ、アミノ、カルボキ
シ、アミド又はスルホンの中から選ばれる少なくとも2
個の置換基を有する)を持つ鎖状のチオエーテル化合物
である。具体的には次のような例を挙げることができ
る。
【0016】
【化8】
【0017】ハロゲン化銀溶剤の添加量は、用いる化合
物の種類および目的とする粒子サイズ、ハロゲン組成な
どにより異なるが、ハロゲン化銀1モルあたり10-5
10-2モルが好ましい。ハロゲン化銀溶剤の使用により
目的以上の粒子サイズになる場合は粒子形成時の温度、
銀塩溶液、ハロゲン塩溶液の添加時間などを変えること
により所望の粒子サイズにすることができる。
【0018】本発明に用いられるイリジウム化合物とし
て、水溶性イリジウム化合物を用いることができる。例
えば、ハロゲン化イリジウム(III)化合物、またハロゲ
ン化イリジウム(IV) 化合物、またイリジウム錯塩で配
位子としてハロゲン、アミン類、オキザラト等を持つも
の、例えばヘキサクロロイリジウム(III)あるいは(I
V)錯塩、ヘキサアンミンイリジウム(III)あるいは(I
V)錯塩、トリオキザラトイリジウム(III)あるいは(I
V)錯塩などが挙げられる。本発明においては、これら
の化合物の中からIII 価のものとIV価のものを任意に組
合せて用いることができる。これらのイリジウム化合物
は水あるいは適当な溶媒に溶解して用いられるが、イリ
ジウム化合物の溶液を安定化させるために一般によく行
われる方法、即ちハロゲン化水素水溶液(例えば塩酸、
臭酸、フッ酸等)、あるいはハロゲン化アルカリ(例え
ばKCl、NaCl、KBr、NaBr等)を添加する
方法を用いることができる。水溶性イリジウムを用いる
代わりに、ハロゲン化銀粒子調製時にあらかじめイリジ
ウムをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して
溶解させることも可能である。本発明に係わるイリジウ
ム化合物の全添加量は、最終的に形成されるハロゲン化
銀1モル当たり1×10-8〜1×10-6モルが適当であ
り、好ましくは5×10-8〜1×10-6モルである。こ
れらの化合物の添加は、ハロゲン化銀乳剤の製造時及
び、乳剤を塗布する前の各段階において適宜行なうこと
ができるが、特に、粒子形成時に添加し、ハロゲン化銀
粒子中に組み込まれることが好ましい。具体的化合物と
しては、塩化第1イリジウム(III)、臭化第1イリジウ
ム(III)、塩化第2イリジウム(IV)、ヘキサクロロイ
リジウム(III)酸ナトリウム、ヘキサクロロイリジウム
(III)塩、ヘキサアミンイリジウム(IV)塩、トリオキ
ザラトイリジウム(III)塩、トリオキザラトイリジウム
(IV)塩、などのハロゲンアミン類、オキザラト錯塩類
が好ましい。
【0019】本発明に用いられる鉄化合物は2価または
3価の鉄イオン含有化合物で、好ましくは本発明で用い
られる濃度範囲で水溶性をもつ鉄塩や鉄錯塩である。具
体的には ヒ酸第一鉄 臭化第一鉄 炭酸第一鉄 塩化第一鉄 クエン酸第一鉄 フッ化第一鉄 ぎ酸第一鉄 グルコン酸第一鉄 水酸化第一鉄 よう化第一鉄 乳酸第一鉄 しゅう酸第一鉄 リン酸第一鉄 こはく酸第一鉄 硫酸第一鉄 チオシアン酸第一鉄 硝酸第一鉄 硝酸第一鉄アンモニウム 塩基性酢酸第二鉄 アルブミン酸第二鉄 酢酸第二鉄アンモニウム 臭化第二鉄 塩化第二鉄 クロル酸第二鉄 クエン酸第二鉄 フッ化第二鉄 ぎ酸第二鉄 グリセロ・リン酸第二鉄 水酸化第二鉄 酸性リン酸第二鉄 硝酸第二鉄 リン酸第二鉄 ピロリン酸第二鉄 ピロリン酸第二鉄ナトリウム チオシアン化第二鉄 硫酸第二鉄 硫酸第二鉄アンモニウム 硫酸第二鉄グアニジン クエン酸第二鉄アンモニウム ヘキサンシアノ鉄(II)酸カリウム ベンタシアノアンミン第一鉄カリウム エチレンジニトリロ四酢酸第二鉄ナトリウム ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム 塩化トリス(ジピリジル)第二鉄 ベンタシアノニトロシル第二鉄カリウム 塩化ヘキサレア第二鉄 特にヘキサシアノ鉄(II)酸塩、ヘキサシアノ鉄(III)
酸塩、チオシアン酸第一鉄塩やチオシアン酸第二鉄塩が
顕著な効果を表す。
【0020】本発明に用いられる、レニウム、ルテニウ
ム、オスミウム化合物はヨーロッパ公開特許(EP)0
336689A号、同0336427A1号、同033
6425A1号、同0336426A1号に記載された
六座配位錯体が好ましく、特にシアニド配位子を少なく
とも4個以上含むものが好ましい。好ましい態様におい
てはこれらの化合物は次のような式によって表わすこと
ができる。 〔M(Cn)6-yy n ここに、Mはレニウム、ルテニウム、オスミウムであ
り、Lは架橋配位子であり、yは整数0、1、又は2で
あり、そしてnは−2、−3又は−4である。具体例と
しては 〔Re(CN)5-4 〔Ru(CN)5-4 〔Os(CN)5-4 〔ReF(CN)5-4 〔RuF(CN)5-4 〔OsF(CN)5-4 〔ReCl(CN)5-4 〔RuCl(CN)5-4 〔OsCl(CN)5-4 〔ReBr(CN)5-4 〔RuBr(CN)5-4 〔OsBr(CN)5-4 〔ReI(CN)5-4 〔RuI(CN)5-4 〔OsI(CN)5-4 〔ReF2 (CN)4-4 〔RuF2 (CN)5-4 〔OsF2 (CN)5-4 〔ReCl2 (CN)4-4 〔RuCl2 (CN)4-4 〔OsCl2 (CN)4-4 〔RuBr2 (CN)4-4 〔OsBr2 (CN)4-4 〔ReBr2 (CN)4-4 〔RuI2 (CN)4-4 〔OsI2 (CN)5-4 〔Ru(CN)5(OCN)〕-4 〔Os(CN)5(OCN)〕-4 〔Ru(CN)5(SCN)〕-4 〔Os(CN)5(SCN)〕-4 〔Ru(CN)5(N3)〕-4 〔Os(CN)5(N3)〕-4 〔Ru(CN)5(H2 O)〕-3 〔Os(CN)5(H2 O)〕-3 が挙げられる。
【0021】上記の鉄、レニウム、ルテニウム、オスミ
ウム化合物は、ハロゲン化銀粒子形成中に添加すること
が好ましい。添加位置としては、粒子中に均一に分布さ
せても、また粒子形成の初期、中期、後期に局在化させ
ても良いが、粒子形成の後期、すなわち最終粒子径の5
0%、より好ましくは80%が形成された後に添加する
ことが好ましい。添加量は銀1モルに対し10-3モル以
下であるが、好ましくは10-6〜10-4モルである。本
発明においては第VIII族に含まれる他の金属、すなわち
コバルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、白金など
を併用しても良い。特に塩化ロジウム、ヘキサクロロジ
ウム(III)酸アンモニウムのごときロジウム塩との併用
は硬調な乳剤が得られ有利である。
【0022】本発明の感光材料は一般式(I)で表わさ
れる化合物を含有している。 一般式(I)
【0023】
【化9】
【0024】次に一般式(I)について説明する。ここ
でR1 、R2 はそれぞれアルキル基(炭素原子数4以
下、例えばメチル基、エチル基、3−プロピル基、3−
ブチル基、4−ブチル基など)、置換アルキル基〔アル
キル部分の炭素原子数4以下、例えばスルホアルキル基
(例えばスルホエチル基、3−スルホプロピル基、3−
スルホブチル基、4−スルホブチル基など)、カルボキ
シアルキル基(例えばカルボキシメチル基、カルボキシ
エチル基、3−カルボキシプロピル基など)、ヒドロキ
シアルキル基(例えばヒドロキシメチル基、ヒドロキシ
エチル基など)、アラルキル基(例えばベンジル基、フ
ェネチル基、スルホフェネチル基など)、アリーロキシ
アルキル基(例えばフェノキシエチル基、フェノキシプ
ロピル基、スルホフェノキシプロピル基など)、アセチ
ルアミノアルキル基(例えば2−アセチルアミノエチル
基、3−アセチルアミノプロピル基など)、アルキルス
ルホニルアミノアルキル基(例えば2−メチルスルホニ
ルアミノエチル基、3−メチルスルホニルアミノプロピ
ル基など)、N−アルキルカルバモイルアミノアルキル
基〔例えば2−(N−メチルカルバモイル)アミノエチ
ル基、2−(N−エチルカルバモイル)アミノエチル
基、3−(N−メチルカルバモイル)アミノプロピル基
など)を表わし、R1 、R2 の少なくとも1つは、アセ
チルアミノアルキル基あるいはN−アルキルカルバモイ
ルアミノアルキル基である。V1 、V2 はそれぞれ水素
原子、アルキル基(炭素原子数3以下、例えばメチル
基、エチル基など)、アルコキシ基(炭素原子数3以
下、例えばメトキシ基、エトキシ基など)、トリフロロ
メチル基を表わす。以下に本発明の一般式(I)の化合
物の具体例を示す。
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】
【化12】
【0028】
【化13】
【0029】本発明に用いられる化学増感の方法として
は、硫黄増感法、セレン増感法、貴金属増感法などの知
られている方法を用いることができ、単独または組み合
わせて用いられるが、特に金−イオウ増感、金−セレン
増感、金−セレン−イオウ増感の組み合わせが好まし
い。貴金属増感法のうち金増感法はその代表的なもので
金化合物、主として金錯塩を用いる。金以外の貴金属、
たとえば白金、パラジウム、イリジウム等の錯塩を含有
しても差し支えない。硫黄増感剤としては、ゼラチン中
に含まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、たと
えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール類、ローダニ
ン類等を用いることができる。還元増感剤としては第一
すず塩、アミン類、ホルムアミジンスルフィン酸、シラ
ン化合物などを用いることができる。セレン増感剤とし
ては活性および不活性セレン化合物を用いることができ
る。化学増感剤の添加量は、ハロゲン化銀粒子のサイ
ズ、形状や化学増感時の雰囲気によって最適な量を設定
することができる。化学増感は化学増感剤を添加した時
が開始時になり任意の方法で終了させることができる。
たとえば温度を下げる方法、pAgを上げる方法、pH
を下げる方法、安定剤を添加する方法などがある。pH
の調節としては硫酸、リン酸、酢酸や水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウムなどの一般的な酸や塩基が用いられ
る。化学増感を行なう時期は粒子形成後から塗布までの
間のいつでもよいが、脱塩後行なうのが好ましい。化学
増感は通常50℃〜75℃で10分〜100分行なわれ
る。
【0030】本発明の感光材料には、感光材料の製造工
程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防止しあるい
は写真性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含有
させることができる。すなわちアゾール類たとえばベン
ゾチアゾリウム塩、ニトロインダゾール類、クロロベン
ズイミダゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、メル
カプトチアゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、
メルカプトチアジアゾール類、アミノトリアゾール類、
ベンゾチアゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、な
ど;メルカプトピリミジン類;メルカプトトリアジン
類;たとえばオキサゾリンチオンのようなチオケト化合
物;アザインデン類、たとえばトリアザインデン類、テ
トラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,
3,3a,7)テトラザインデン類)、ペンタアザイン
デン類など;ベンゼンチオスルフォン酸、ベンゼンスル
フィン酸、ベンゼンスルフォン酸アミド等のようなカブ
リ防止剤または安定剤として知られた多くの化合物を加
えることができる。特にポリヒドロキシベンゼン化合物
は、感度は損うことなく耐圧力性を向上させる点で好ま
しい。ポリヒドロキシベンゼン化合物は下記のいずれか
の構造を持つ化合物であることが好ましい。一般式(II
I)
【0031】
【化14】
【0032】次に一般式(III)について説明する。
XとYはそれぞれ−H、−OH、ハロゲン原子、−OM
(Mはアルカリ金属イオン)、−アルキル基、フェニル
基、アミノ基、カルボニル基、スルホン基、スルホン化
フェニル基、スルホン化アルキル基、スルホン化アミノ
基、スルホン化カルボニル基、カルボキシフェニル基、
カルボキシアルキル基、カルボキシアミノ基、ヒドロキ
シフェニル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルエーテ
ル基、アルキルフェニル基、アルキルチオエーテル基、
又はフェニルチオエーテル基である。以下に一般式(I
II)の化合物の具体例を示す。
【0033】
【化15】
【0034】
【化16】
【0035】
【化17】
【0036】ポリヒドロキシベンゼン化合物は、感材中
の乳剤層に添加しても、乳剤層以外の層中に添加しても
良い。添加量は1モルに対して10-5〜1モルの範囲が
有効であり、10-3モル〜10-1モルの範囲が特に有効
である。本発明を用いて作られた感光材料には、親水性
コロイド層にフィルター染料として、あるいはイラジェ
ーション防止その他種々の目的で水溶性染料を含有して
もよい。このような染料には、オキソノール染料、ヘミ
オキソノール染料、スチリル染料、メロシアニン染料、
シアニン染料及びアゾ染料が包含される。なかでもオキ
ソノール染料;ヘミオキソノール染料及びメロシアニン
染料が有用である。
【0037】本発明の写真感光材料の写真乳剤層には感
度上昇、コントラスト上昇、または現像促進の目的で、
たとえばポリアルキレンオキシドまたはそのエーテル、
エステル、アミンなどの誘導体、チオエーテル化合物、
チオモルフォリン類、四級アンモニウム塩化合物、ウレ
タン誘導体、尿素誘導体、イミダゾール誘導体、3−ピ
ラゾリドン類アミノフェノール類等の現像主薬を含んで
も良い。なかでも3−ピラゾリドン類(1−フェニル−
3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒ
ドロキシメチル−3−ピラゾリドンなど)が好ましく、
通常5g/m2以下で用いられ、0.01〜0.2g/m2
がより好ましい。本発明の写真乳剤及び非感光性の親水
性コロイドには無機または有機の硬膜剤を含有してよ
い。例えば活性ビニル化合物(1,3,5−トリアクリ
ロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ビニル
スルホニル)メチルエーテル、N,N−メチレンビス−
〔β−(ビニルスルホニル)プロピオンアミド〕な
ど)、活性ハロゲン化物(2,4−ジクロル−6−ヒド
ロキシ−s−トリアジンなど)、ムコハロゲン酸類(ム
コクロル酸など)、N−カルバモイルピリジニウム塩類
(1−モルホリ)カルボニル−3−ピリジニオ)メタン
スルホナートなど)、ハロアミジニウム塩類(1−(1
−クロロ−1−ピリジノメチレン)ピロリジニウム、2
−ナフタレンスルホナートなど)を単独または組み合わ
せて用いることができる。なかでも、特開昭53−41
220号、同53−57257号、同59−16254
6号、同60−80846号に記載の活性ビニル化合物
および米国特許3,325,287号に記載の活性ハロ
ゲン化物が好ましい。本発明を用いて作られる感光材料
の写真乳剤層または他の親水性コロイド層には塗布助
剤、帯電防止、スベリ性改良、乳化分散、接着防止及び
写真特性改良(例えば、現像促進、硬調化、増感)等種
々の目的で、種々の界面活性剤を含んでもよい。例えば
サポニン(ステロイド系)、アルキレンオキサイド誘導
体(例えばポリエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール/ポリプロピレングリコール縮合物、ポリエチレ
ングリコールアルキルエーテル類又はポリエチレングリ
コールアルキルアリールエーテル類、ポリエチレングリ
コールエステル類、ポリエチレングリコールソルビタン
エステル類、ポリアルキレングリコールアルキルアミン
又はアミド類、シリコーンのポリエチレンオキサイド付
加物類)、グリシドール誘導体(例えばアルケニルコハ
ク酸ポリグリセリド、アルキルフェノールポリグリセリ
ド)、多価アルコールの脂肪酸エステル類、糖のアルキ
ルエステル類などの非イオン性界面活性剤;アルキルカ
ルボン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼ
ンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸
塩、アルキル硫酸エステル類、アルキルリン酸エステル
類、N−アシル−N−アルキルタウリン類、スルホコハ
ク酸エステル類、スルホアルキルポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキ
ルリン酸エステル類などのような、カルボキシ基、スル
ホ基、ホスホ基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等
の酸性基を含むアニオン界面活性剤;アミノ酸塩、アミ
ノアルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫酸又はリン
酸エステル類、アルキルベタイン類、アミンオキシド類
などの両性界面活性剤;アルキルアミン塩類、脂肪族あ
るいは芳香族第4級アンモニウム塩類、ピリジニウム、
イミダゾリウムなどの複素環第4級アンモニウム塩類、
及び脂肪族又は複素環を含むホスホニウム又はスルホニ
ウム塩類などのカチオン界面活性剤を用いることができ
る。また、帯電防止のためには特開昭60−80849
号などに記載された含フッ素系界面活性剤を用いること
が好ましい。
【0038】本発明の写真感光材料には写真乳剤層その
他の親水性コロイド層に接着防止の目的でシリカ、酸化
マグネシウム、ポリメチルメタクリレート等のマット剤
を含むことができる。本発明で用いられる感光材料には
寸度安定性の目的で水不溶または難溶性合成ポリマーの
分散物を含むことができる。たとえばアルキル(メタ)
アクリレート、アルコキシアクリル(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート、などの単独もし
くは組合わせ、またはこれらとアクリル酸、メタアクリ
ル酸、などの組合せを単量体成分とするポリマーを用い
ることができる。写真乳剤の縮合剤または保護コロイド
としては、ゼラチンを用いるのが有利であるが、それ以
外の親水性コロイドも用いることができる。たとえばゼ
ラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリ
マー、アルブミン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロ
ース硫酸エステル類等の如きセルロース誘導体、アルギ
ン酸ソーダ、澱粉誘導体などの糖誘導体、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ
−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタク
リル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾー
ル、ポリビニルピラゾール等の単一あるいは共重合体の
如き多種の合成親水性高分子物質を用いることができ
る。ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほか、酸処理
ゼラチンを用いてもよく、ゼラチン加水分解物、ゼラチ
ン酵素分解物も用いることができる。本発明で用いられ
るハロゲン化銀乳剤層には、アルキルアクリレートの如
きポリマーラテックスを含有せしめることができる。本
発明の感光材料の支持体としてはセルローストリアセテ
ート、セルロースジアセテート、ニトロセルロース、ポ
リスチレン、ポリエチレンテレフタレート紙、バライタ
塗覆紙、ポリオレフィン被覆紙などを用いることができ
る。
【0039】本発明に使用する現像液に用いる現像主薬
には特別な制限はないが、良好な網点品質を得やすい点
で、ジヒドロキシベンゼン類を含むことが好ましく、ジ
ヒドロキシベンゼン類と1−フェニル−3−ピラゾリド
ン類の組合せまたはジヒドロキシベンゼン類とp−アミ
ノフェノール類の組合せを用いる場合もある。本発明に
用いるジヒドロキシベンゼン現像主薬としてはハイドロ
キノン、クロロハイドロキノン、ブロムハイドロキノ
ン、イソプロピルハイドロキノン、メチルハイドロキノ
ン、2,3−ジクロロハイドロキノン、2,5−ジクロ
ロハイドロキノン、2,3−ジブロムハイドロキノン、
2,5−ジメチルハイドロキノンなどがあるが特にハイ
ドロキノンが好ましい。本発明に用いる1−フェニル−
3−ピラゾリドン又はその誘導体の現像主薬としては1
−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4
−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メ
チル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−
フェニル−4,4−ジヒドロキシメチル−3−ピラゾリ
ドン、1−フェニル−5−メチル−3−ピラゾリドン、
1−p−アミノフェニル−4,4−ジメチル−3−ピラ
ゾリドン、1−p−トリル−4,4−ジメチル−3−ピ
ラゾリドン、1−p−トリル−4−メチル−4−ヒドロ
キシメチル−3−ピラゾリドンなどがある。本発明に用
いるp−アミノフェノール系現像主薬としてはN−メチ
ル−p−アミノフェノール、p−アミノフェノール、N
−(β−ヒドロキシエチル)−p−アミノフェノール、
N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシン、2−メチル
−p−アミノフェノール、p−ベンジルアミノフェノー
ル等があるが、なかでもN−メチル−p−アミノフェノ
ールが好ましい。現像主薬は通常0.05モル/リット
ル〜0.8モル/リットルの量で用いられるのが好まし
い。またジヒドロキシベンゼン類と1−フェニル−3−
ピラゾリドン類又はp・アミノ・フェノール類との組合
せを用いる場合には前者を0.05モル/リットル−
0.5モル/リットル、後者を0.06モル/リットル
以下の量で用いるのが好ましい。本発明に用いる亜硫酸
塩の保恒剤としては亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウ
ム、亜硫酸リチウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナ
トリウム、メタ重亜硫酸カリウム、ホルムアルデヒド重
亜硫酸ナトリウムなどがある。亜硫酸塩は0.3モル/
リットル以上、特に0.4モル/リットル以上が好まし
い。また上限は2.5モル/リットルまで、特に、1.
2までとするのが好ましい。pHの設定のために用いる
アルカリ剤には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、第三リン酸ナトリウム、
第三リン酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウ
ムの如きpH調節剤や緩衝剤を含む。上記成分以外に用
いられる添加剤としてはホウ酸、ホウ砂などの化合物、
臭化ナトリム、臭化カリウム、沃化カリウムの如き現像
抑制剤:エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ジメチルホルムアミド、メチ
ルセロソルブ、ヘキシレングリコール、エタノール、メ
タノールの如き有機溶剤:1−フェニル−5−メルカプ
トテトラゾール、2−メルカプトベンツイミダゾール−
5−スルホン酸ナトリウム塩等のメルカプト系化合物、
5−ニトロインダゾール等のインダゾール系化合物、5
−メチルベンツトリアゾール等のベンツトリアゾール系
化合物などのカブリ防止剤を含んでもよく、更に必要に
応じて色調剤、界面活性剤、消泡剤、硬水軟化剤、硬膜
剤、などを含んでもよい。特に特開昭56−10624
4号に記載のアミノ化合物、特公昭48−35493号
に記載のイミダゾール化合物が現像促進あるいは感度上
昇という点で好ましい。本発明に用いられる現像液に
は、銀汚れ防止剤として特開昭56−24347号に記
載の化合物、現像ムラ防止剤として(特開昭62−21
2,651号)に記載の化合物、溶解助剤として特開昭
61−267759号に記載の化合物を用いることがで
きる。
【0040】定着液は定着剤の他に必要に応じて硬膜剤
(例えば水溶性アルミニウム化合物)、酢酸及び二塩基
酸(例えば酒石酸、クエン酸又はこれらの塩)を含む水
溶液であり、好ましくは、pH.8以上、より好ましく
は4.0〜5.5を有する。定着剤としてはチオ硫酸ナ
トリウム、チオ硫酸アンモニウムなどであり、定着速度
の点からチオ硫酸アンモニウムが特に好ましい。定着剤
の使用量は適宜変えることができ、一般には約0.1〜
約5モル/リットルである。定着液中で主として硬膜剤
として使用する水溶性アルミニウム塩は一般に酸性硬膜
定着液の硬膜剤として知られている化合物であり、例え
ば塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明ばんな
どがある。前述の二塩基酸として、酒石酸あるいはその
誘導体、クエン酸あるいはその誘導体が単独で、あるい
は二種以上を併用することができる。これらの化合物は
定着液1リットルにつき、0.005モル以上含むもの
が有効で、特に0.01モル/リットル〜0.03モル
/リットルが特に有効である。具体的には、酒石酸、酒
石酸カリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウムナト
リウム、酒石酸アンモニウム、酒石酸アンモニウムカリ
ウム、などがある。本発明において有効なクエン酸ある
いはその誘導体の例としてクエン酸、クエン酸ナトリウ
ム、クエン酸カリウム、などがある。定着液にはさらに
所望により保恒剤(例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩)、
pH緩衝剤(例えば、酢酸、硼酸)、pH調整剤(例え
ば、アンモニア、硫酸)、画像保存良化剤(例えば沃化
カリ)、キレート剤を含むことができる。ここでpH緩
衝剤は、現像剤のpHが高いので10〜40g/リット
ル、より好ましくは18〜25g/リットル程度用い
る。本発明の感光材料は前処理時間が15秒〜60秒で
ある自動現像機による迅速現像処理にすぐれた性能を示
す。本発明の迅速現像処理において、現像、定着の温度
および時間は約25℃〜50℃で各々25秒以下である
が、好ましくは30℃〜40℃で4秒〜15秒である。
【0041】本発明においては感光材料は現像、定着さ
れた後水洗または安定化処理に施される。ここで、水洗
工程は、2〜3段の向流水洗方式を用いることによって
節水処理することができる。また少量の水洗水で水洗す
るときにはスクイズローラー洗浄槽を設けることが好ま
しい。更に、水洗浴または安定浴からのオーバーフロー
液の一部または全部は特開昭60−235133号に記
載されているように定着液に利用することも出来る。こ
うすることによって廃液量も減少しより好ましい。ま
た、水洗水には、カビ防止剤(例えば堀口著、防菌防黴
の化学」、特開昭62−115154号公報に記載の化
合物)、水洗促進剤(亜硫酸塩など)、キレート剤など
を含有していてもよい。上記の方法による水洗または安
定浴の温度及び時間は0℃〜50℃で5秒〜30秒であ
るが、15℃〜40℃で4秒〜20秒が好ましい。本発
明では現像、定着、水洗された感光材料はスクイズロー
ラーを経て乾燥される。乾燥は40℃〜80℃で4秒〜
30秒で行われる。本発明における全処理時間とは自動
現像機の挿入口にフィルムの先端を挿入してから、現像
槽、渡り部分、定着槽、渡り部分、水洗槽、渡り部分、
乾燥部分を通過して、フィルムの先端から乾燥出口から
でてくるまでの全時間である。本発明に用いられる減力
液に関しては特に制限はなく、例えば前記のミーズ著
「ザ・セオリー・オヴ・ザ・フォトグラフィッツ・プロ
セス」に記載されたものが有効に用いられる。即ち、過
マンガン酸塩、過硫酸塩、第二鉄塩、第二銅塩、第二セ
リウム塩、赤血塩、重クロム酸塩等の減力成分を単独又
は併用し、さらに必要により硫酸等の無機酸、アルコー
ル類を含有せしめた減力液、あるいは、赤血塩、エチレ
ンジアミンテトラ酢酸第二鉄塩等の減力成分とチオ硫酸
塩、ロダン塩、チオ尿素あるいはその誘導体等のハロゲ
ン化銀溶剤、さらに必要により硫酸等の無機酸を含有せ
しめた減力液が用いられる。本発明に用いられる減力液
には、さらに必要により特開昭52−68419号公報
に記されたようなメルカプト器を有する化合物を含有せ
しめることが出来る。本発明の減力処理に用いる減力液
の組成、処理条件(温度、時間等)には特に制限はな
く、等業者が適宜、決定することが出来る。減力液及び
減力方法に関しては下記特許の記載を参考にすることが
出来る。特開昭51−140733号、同52−684
19号、同53−14901号、同54−119236
号、同54−119237号、同55−2245号、同
55−2244号、同55−17123号、同55−7
9444号、同55−81344号以下に実施例を挙げ
て本発明をさらに具体的に説明する。
【0042】
【実施例】実施例1 乳剤Aの調製 1液 水 1.0リットル ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 20g 1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−チオン 20m g ベンゼンチオスルホン酸ナトリウム 6mg 2液 水 400ミリリットル 硝酸銀 100g 3液 水 400ミリリットル 塩化ナトリウム 30.5g 臭化カリウム 14.0g ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム 1 5ml (0.001%水溶液) ヘキサブロモロジウム(III)酸アンモニウム 1. 5ml (0.001%水溶液) 38℃、pH4.5に保たれた1液に2液と3液を攪拌しながら同時に10分 間にわたって加え、0.16μmの核粒子を形成した。続いて下記4液、5液を 10分間にわたって加えた。さらにヨウ化カリウム0.15gを加え粒子形成を 終了した。 4液 水 400ミリリットル 硝酸銀 100g 5液 水 400ミリリットル 塩化ナトリウム 30.5g 臭化カリウム 14.0g KFe(CN) (表1の量 ) その後常法にしたがってフロキュレーション法によって
水洗し、ゼラチン30gを加えた。これを4等分し、p
Hを5.5、pAgを7.5に調整し、チオ硫酸ナトリ
ウム2mgと塩化金酸3mgを加え、65℃で最適感度
になるように化学増感した。さらに安定剤として2−メ
チル−4−ヒドロキシ−1,3,3a,7−テトラアザ
インデン50mg、防腐剤としてフェノキシエタノール
を100ppmになるように添加し、最終的に塩化銀を
80モル%含む平均粒子形0.20μmのヨウ塩臭化銀
立方体粒子乳剤を得た。(変動係数9%) 乳剤Bの調整 3液と5液の塩化ナトリウムと臭化カリウムをそれぞれ
20.2gと35.1gにした以外は乳剤Aと全く同様
にして最終的に塩化銀を50モル%含む平均粒子径0.
19μmのヨウ塩臭化銀立方体粒子乳剤を得た。 比較乳剤Cの調整 3液と5液の塩化ナトリウムと臭化カリウムをそれぞれ
9.9gと56gにした以外は乳剤Aと全く同様にして
最終的に塩化銀を20モル%含む平均粒子径0.18μ
mのヨウ塩臭化銀立方体粒子乳剤を得た。 塗布試料の作成 上記乳剤に表1に示すようにオルソ増感色素を5×10
−4モル/モルAg加えてオルソ増感を施した。さらに
カブリ防止剤としてハイドロキノン、1−フェニルー5
−メルカプトテトラゾールをAg1モルあたりそれぞれ
2.5g、50mg、可塑剤としてポリエチルアクリレ
ートラテックスをゼラチンバインダー比25%、硬膜剤
として2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタ
ンを加えて、ポリエステル支持体上にAg3.0g/m
、ゼラチン1.0g/mになるように塗布した。こ
の上に下記組成の保護層下層および保護層上層を同時塗
布した。この時、非感光性上部層としてマット剤(ポリ
メチルメタアクリレートで平均粒子サイズ3.4μmの
もの)を0.10g/m及び塗布ゼラチン量を1.0
g/mになる様に添加し塗布助剤としてP−ドデシル
ベンゼンスルホン酸ソーダと構造式(IV−1)のフッ
ソ界面活性剤を添加し乳剤層と同時に塗布した。
【0043】
【化18】
【0044】なお本実施例で使用したサンプルの支持体
は下記組成のバック層及びバック保護層を有する。 バック層 ゼラチン 2.0g/m ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 80mg/m 染料(IV−2) 70mg/m 染料(IV−3) 70mg/m 染料(IV−4) 90mg/m 1,3−ジビニルスルホニル−2−プロパノール 60mg/m
【0045】
【化19】
【0046】バック保護層 ゼラチン 0.5g/m2 ポリメチルメタクリレート(粒子サイズ4.7μm) 30mg/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20mg/m2 含フッソ界面活性剤(IV−1) 2mg/m2 シリコーンオイル 100mg/m2 試料の評価 得られた試料を、488nmにピークをもつ干渉フィルタ
ーを介入し、発光時間10-5sec のキセノンフラッシュ
光で露光し、富士写真フイルム (株) 製自動現像機FG
−710NHを用いて下記に示した温度及び時間でセン
シトメトリーを行った。但し、現像液及び定着液はそれ
ぞれ富士写真フイルム (株) 製LD835とLF308
を用いた。 現像 38℃ 14秒 定着 37℃ 9.7秒 水洗 26℃ 9秒 スクイズ 2.4秒 乾燥 55℃ 8.3秒 合計 43.4秒 濃度3.0を与える露光量の逆数を感度とし、相対感度
で表1に示した。また、特性曲線で濃度0.1と3.0
の点を結ぶ直線の傾きを階調として同じく第1表に示し
た。
【0047】
【表1】
【0048】
【化20】
【0049】表1からわかるように、本発明は高感硬調
で高い色増感性を示し、かつ残色、カブリが少ない。
【0050】実施例2 乳剤Aにおいて5液のK4 Fe(CN)6の代わりに表2
に示す化合物を3×10-5モル/Agモル用いた場合の
結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】
【化21】
【0053】表2からわかるように本発明は高感硬調で
高い色増感性を示し、かつ残色カブリが少ない。
【0054】実施例3 本発明の迅速処理適性の向上を以下に示す。FG−71
0NHのライン速度を落とし、現像から乾燥までの時間
を各々1.7倍にし合計73.8秒にして実施例1の試
料を評価した。実施例1の結果との差を表3に示す。本
発明は感度差及び階調差とも少ないことが判る。
【0055】
【表3】
【0056】
【発明の効果】AgCl 30モル%以上のハロゲン化
銀に10-6モル%以下のイリジウム化合物と10-3モル
%以下の鉄、レニウム及びオスミウム化合物から選ばれ
る化合物と本発明の一般式(I)で表わされる化合物を
含有するハロゲン化銀写真感光材料により、アルゴンレ
ーザー光に対する感度、階調、カブリが改良された。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にハロゲン化銀粒子を含有する
    感光性乳剤層をすくなくとも1層有するハロゲン化銀写
    真感光材料において、該ハロゲン化銀粒子は塩化銀が3
    0モル%以上であるハロゲン化銀であり、銀1モルに対
    して10−6モル以下のイリジウム化合物を含有しかつ
    銀1モルに対して10−3モル以下の鉄、レニウム、ル
    テニウム、オスミウム化合物の少なくとも1種を含有
    し、かつ該感光性乳剤層に下記一般式(I)で表わされ
    る化合物の少なくとも1つを含有することを特徴とする
    ハロゲン化銀写真感光材料。ー般式(I) 【化1】 式中R、Rはそれぞれ置換基を有していてもよいア
    ルキル基を表わし、R、Rの少なくとも1つはアセ
    チルアミノアルキル基あるいは、N−アルキルカルバモ
    イルアミノアルキル基である。V、Vはそれぞれ水
    素原子、アルキル基、アルコキシ基あるいはトリフロロ
    メチル基を表わす。
  2. 【請求項2】 全処理時間が15秒〜60秒である自動
    現像機で処理することを特徴とする請求項1のハロゲン
    化銀写真感光材料の現像処理方法。
JP3047427A 1991-02-21 1991-02-21 ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法 Expired - Fee Related JP2767325B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3047427A JP2767325B2 (ja) 1991-02-21 1991-02-21 ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3047427A JP2767325B2 (ja) 1991-02-21 1991-02-21 ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04265969A JPH04265969A (ja) 1992-09-22
JP2767325B2 true JP2767325B2 (ja) 1998-06-18

Family

ID=12774857

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3047427A Expired - Fee Related JP2767325B2 (ja) 1991-02-21 1991-02-21 ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2767325B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3444704B2 (ja) * 1995-10-26 2003-09-08 富士写真フイルム株式会社 ハロゲン化銀写真感光材料

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB8624704D0 (en) * 1986-10-15 1986-11-19 Minnesota Mining & Mfg High contrast scanner photographic elements
JPH01170937A (ja) * 1987-12-25 1989-07-06 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀写真感光材料
JPH0814682B2 (ja) * 1988-01-18 1996-02-14 富士写真フイルム株式会社 ハロゲン化銀感光材料
JP2759280B2 (ja) * 1989-05-12 1998-05-28 コニカ株式会社 ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04265969A (ja) 1992-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0457298B1 (en) Silver halide photographic material and process for the development thereof
US4983509A (en) Silver halide photographic material
US5051344A (en) Silver halide photographic material
JP2670885B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びその現像処理方法
JPH07119940B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2767325B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法
JP2655211B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法
JP3023484B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びその現像処理方法
US5229262A (en) Silver halide photographic material and method for processing the same
JP2816607B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料およびその現像処理方法
JP2914780B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法
JP2873886B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法
JP2908595B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びその処理方法
JPH0778596B2 (ja) ハロゲン化銀写真乳剤の製造方法
JPH06289538A (ja) ハロゲン化銀感光材料
EP0351077B1 (en) Bright safe light handleable high contrast photographic materials
JPH05241281A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法
JP2864055B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法
JP2748203B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法
JP2654690B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH0812394B2 (ja) ハロゲン化銀感光材料
JP2748059B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料用現像液
JP2670897B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びその現像処理方法
JPH07110555A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の現像処理方法
JPH04317051A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びその現像処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees