JP2762358B2 - 水の軟化に有効なポリアミド膜の製造方法及び使用 - Google Patents

水の軟化に有効なポリアミド膜の製造方法及び使用

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JP2762358B2 JP63209321A JP20932188A JP2762358B2 JP 2762358 B2 JP2762358 B2 JP 2762358B2 JP 63209321 A JP63209321 A JP 63209321A JP 20932188 A JP20932188 A JP 20932188A JP 2762358 B2 JP2762358 B2 JP 2762358B2
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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は水に硬度を賦与するイオン除去用の膜及びそ
の使用に関する。
<従来の技術及び発明が解決しようとする課題> 水からの硬度因子の除去に対してさまざまの処置が使
用されている。これらの硬度因子は主として硫酸又は重
炭酸のカルシウム又はマグネシウム塩である。石灰軟化
が広く用いられているが、多量の石灰を必要とし実用上
にある限界がある。イオン交換樹脂と樹脂再生コストが
極めて高くない時は、イオン交換が広く使用されてい
る。電気透析が用いられているがかなり費用がかゝる。
逆浸透膜が水硬化用に用いられている。セルロースジ
アセテート膜及びポリアミド膜がこの目的に企業的に用
いられている。然し先行技術の膜は一般にかなり高い操
作圧力が必要であつてエネルギー集約的とみられてい
る。
米国特許第3,551,331号は酸を用いるある種のポリア
ミド膜の処理を記載している。この処理は、溶媒誘起結
晶化と低分子量結晶性フラクシヨンの溶媒抽出を、極め
て低い水浸透性の溶融加工線状脂肪族ポリアミド膜に行
なつて高い浸透性をつくり出す。得られた膜は実用上有
効な水浸透速度を達成するには、なお高い操作圧力を必
要とする。
米国特許第3,853,755及び3,866,066号は逆浸透膜の排
除率改良への加水分解性タンニンの使用を記載してい
る。然しコロイド8は一般に膜を透過するフラツクスを
減らす。
高いフラツクス、硬度イオンの充分な排除率及び極め
て低い操作圧力の組合わせを与える膜が多年求められて
いた。より特には、少なくとも約10の、好ましくは少な
くとも約15ガロン/平行フイート・日(gfd)即ち407,6
10/m2・日のフラツクス及び、345〜690Pa(50乃至約1
00psi)の、好ましくは345−482Pa(50乃至70psi)の範
囲の膜透過圧力でと25℃の温度で0.2wt%の硫酸マグネ
シウムを含有する送入水を用いて少なくとも85%の硫酸
マグネシウム排除率を有している膜が望ましい。
<課題を解決するための手段> 改良された水軟化用膜及びその製造法とその使用法が
今や見出された。この方法は逆浸透膜の架橋したポリア
ミド弁別用層を鉱酸で処理することにより成る。酸と接
触させる膜は昇温した温度に充分な時間保つて、345Pa
(50psi)及び25℃で0.2wt%硫酸マグネシウムの水溶液
を用いる逆浸透条件下で試験した時に少なくとも326/
m2・日(8gfd)のフラツクスと少なくとも約65%の硫酸
マグネシウム排除率を有する膜をつくる。得られた膜は
次に好ましくは排除率向上剤で処理して少なくとも約85
%の、好ましくは約90%の、より好ましくは約95%の硫
酸マグネシウム排除率を前記条件で有する酸をつくる。
最終の膜製品は桁外れに高いフラツクスとカルシウム
とマグネシウムの硫酸塩又は重炭酸塩の良好な排除率を
有している。この膜は、先行技術の逆浸透膜よりも遥か
に低い操作圧力で使用できる点で好都合である。
ポリアミド弁別層を有する逆浸透膜は公知である。ポ
リアミドは脂肪族又は芳香族となり得るし、好ましくは
架橋している。代表的なポリアミド膜は米国特許第4,27
7,344号の第2−4欄に記載されている。さらに米国特
許第4,259,183号はシクロ脂肪族ジアンとイソフタロイ
ルクロライド、トリメソイルクロライド又はそれらの酸
クロライドの混合物との界面反応で製造した他の有用な
ポリアミド膜を記載している。米国特許第4,520,044号
は、他の有用なポリアミド膜、例えばm−フエニレンジ
アミンとシクロヘキサン−1,3,5−トリカルボニルクロ
ライドの反応でつくつたものを記載している。
本発明の逆浸透膜を構成する弁別層は、(a)芳香族
核に少なくとも2個の第一級アミンを有する芳香族ポリ
アミンと、(b)芳香族核に2より多いアシルハライド
基を平均して有する芳香族多官能性アシルハライドと
の、反応生成物である架橋芳香族ポリアミドからなる。
これらのポリアミドは好ましくは100,000重合体分子量
当り少なくとも10の、より好ましくは少なくとも50の架
橋密度を有する。かゝるポリアミド膜は米国特許第4,27
7,344号に記載されている。
好ましいポリアミン反応剤はフエニレンジアミンであ
り、より好ましくはこのジアミンのメタ異性体である。
好ましい多官能性アシルハライドはトリメソイルクロラ
イドである。トリメソイルハライドとフエニレンジアミ
ンの反応生成物を以後ポリ(フエニレンジアミントリメ
サミド)と呼ぶ。
酸処理に先立つて、逆浸透膜が好ましくは少なくとも
90%の酸化ナトリウム排除率と少なくとも407/m2・日
(10gfd)のフラツクスを、2,000ppmの塩化ナトリウム
水溶液を用良いて1379Pa(200psi)及び25℃で試験した
時に、有しているものとする。より好ましくは、酸処理
前に、膜の塩化ナトリウム排除率は610乃至1221/m2
日(15−30gfd)の範囲のフラツクスで93乃至98%の範
囲であるものとする。
ポリアミド弁別層を有する逆浸透膜はさまざまの形状
で入手できる。平らなシート、管状及び中空繊維が先行
技術で良く知られている。これらの膜は形態を変え得
る。均質な膜も利用できるが、本発明の方法で処理する
には非対称膜が好ましく、薄いフイルム複合膜が最も好
ましい。
薄いフイルム複合膜は多孔性担体層上にポリアミド弁
別用層を析出、形成又は積層する常法の技術で製造でき
る。この支持層が一般に膜の形状を決定する。この担体
は管状、中空繊維又は平らなシート形状であろう。
適当な担体層又はフイルムは該当技術文書で広く記載
されている。代表的には担体物質には有機高分子物質例
えばポリスルホン、ポリエーテルスルホン、塩化ポリ塩
化ビニル、スチレン/アクリロニトリル共重合体、ポリ
ブチレンテレフタレート、セルロースエステル及び高い
多孔度と制御された細孔サイズ分布で製造できる他の高
分子がある。多孔性無機物質も担体として使用できる。
好ましくは高分子の細孔は弁別用層と密着する表面での
最大巾の寸法で1乃至1,000ミリミクロンのサイズと範
囲であろう。特に好ましい担体層は多孔性ポリスルホン
フイルムである。これらフイルムは一般に、ポリエステ
ル又はポリプロピレンの不織繊維又は編織布に注型され
る。
担体層は薄いフイルム複合膜に機械的強度を与える。
担体層は出来るだけ薄く、しかも膜に所望の物理的強度
を与えるのが望ましい。
本発明の特に好ましい態様では、ポリアミド弁別用層
は担体層上に界面重合で形成させる。例えば多孔性担体
層はポリアミンの水溶液で被覆又は浸漬できる。界面活
性剤を担体層又は溶液注にフイルム形成促進のために存
在させ得る。多官能性アシルハライドを含有する水と混
合しない溶媒を水に重合を行なう条件で担体層を接触さ
せる。この溶媒は好ましくは担体層に有害でないC5−C8
アルカン、クロロアルカン、フルオロアルカン又はクロ
ロフルオロアルカンである。この方法で薄い、本質上欠
陥の無い弁別層が形成される。米国特許第4,277,344号
記載のような架橋したポリアミド弁別層が最も好まし
い。
ポリアミド弁別層は本質上欠陥の無いまゝで、出来る
だけ薄いのが望ましい。一般に弁別層を通過する水フラ
ツクスは層の厚さに反比例する。然し薄層は、層中に欠
陥又は不連続もより生じ易い。
本発明の好ましい態様では、酸で処理した後の逆浸透
膜を場合によつては加圧容器を含む逆浸透装置に、排除
率向上剤で処理する前に組立てる。装置自信の処理は膜
の弁別層に欠陥を生ずる可能性のある処理後の取扱い操
作を回避できる。膜は当業者に知られたさまざまの装置
に組込むことができる。例えば平らなシートはプレート
及びフレーム又はスパイラル装置のいずれにも用いられ
る。管状及び中空繊維膜はほゞ平行な束として膜の両端
に管状シートを有して装置中に組込むことができる。別
の方法では、これらの膜を単一の管状シートに両端を固
定したU字形の束に組込むことができる。中空繊維膜装
置は場合によつては、中央管状シートを有する中央の多
孔性開口の周りに組立てても、米国特許第4,080,296号
のようなバイアスラツプ構造に組立てることもできる。
原料の周方向、軸方向、又は内腔流下流が中空繊維装置
では使用できる。スパイラル膜装置が特に好ましい。
逆浸透膜のポリアミド弁別層は相容性の強鉱酸の水溶
液と接触させる。ここで言う相容性の強鉱酸とはポリア
ミド弁別層の構造を水の浸透性を増加するように変性で
きる無機酸である。一般に酸は塩排除率を減少させる
が、それ以外には膜に有害な作用をしない。酸はポリア
ミドを膨潤させると考えるが、本発明はこの説に限定さ
れない。好ましくは鉱酸はポリ燐酸、燐酸、亜燐酸、硫
酸又はその混合物である。50乃至85wt%の濃度を持つ燐
酸が特に好ましい。ポリ燐酸も有効であるが、この酸の
溶液の高濃度のために均一に塗布するのが難しい。
強鉱酸の濃度は広い範囲にわたつて操作上変え得る。
典型的には10乃至85wt%(もし酸の水への飽和点が低け
ればそこ迄の)の酸を含有する水溶液を使用できる。少
なくとも10wt%の硫酸又は少なくとも20wt%の亜燐酸を
含有するものが好ましいが、少なくとも40wt%の燐酸を
含有する酸溶液が特に好ましい。
強鉱酸溶液は弁別層と均一かつ緊密に接触でき、通常
の如何なる方法でも膜に塗布できる。この層に酸を都合
良く散布するが、酸に浸漬するか酸で洗浄する。好まし
くは膜1m2当り0.5乃至25、好ましくは1乃至20、より好
ましくは4乃至10gの酸を塗布するのが好ましい。
酸を散布する温度は一般に臨界的では無い。周囲の温
度が典型的にも便利である。膜の透過性に変化を与える
ために、膜を昇温した温度(典型的には燐酸では50゜乃
至150゜、好ましくは100゜乃至150℃;燐酸については1
10゜乃至120℃が特に好ましい)に酸と接触させつつ置
くのが好ましい。燐酸を用いる時は、膜との接触中に酸
の溶媒として存在する水を蒸発させるのが好ましい。こ
れはポリ燐酸を形成することになると考えられる。酸強
度、ポリアミド弁別層の個性、酸濃度、接触温度及び接
触時間が相互関連しており、これらのパラメータの各々
について個別に最適値を特定することは不可能である。
例えば高度架橋膜は低い架橋密度を有するものよりも高
い温度で典型的には処理できる。より高い温度では最適
接触時間が短かくなる、然し温度が高過ぎると膜が不均
一に収縮して望ましからざる結果となる可能性がある。
これらのプロセスパラメータは特定の膜について実験的
に容易に最適化できる。
本発明の好ましい一態様では、ポリアミドの薄いフイ
ルム複合逆浸透膜を85%燐酸で被覆し、過剰の酸をスク
イーズローラを用いて除いた。膜を次に100゜乃至140℃
の範囲の温度で5乃至15分間加熱する。乾燥時に収縮制
御のために膜を固定しておくのが望ましい。加熱後、膜
弁別層は肉眼でわからない位乾燥してみえる。一般に好
ましい範囲内でのより低い温度とより短かい反応時間
が、より極端な処理条件に比して、膜についてより高い
塩排除率を与える。典型的にはより高い温度とより長い
反応時間はフラツクスの大きな増加を与えるが、塩排除
率の若干の減少を招くことになる。処理後、膜を水です
すぐか又は洗浄しても良いが、これは必ずしも必要では
無い。
酸処理後、逆浸透膜は処理前の同一の膜に比してより
高い水フラツクスを有し、2価アルカリ土類の重炭酸又
は硫酸塩の良好な排除率を保有している必要がある。望
ましくは以前よりも水フラツクスは少なくとも50%、好
ましくは少なくとも100%処理後の方が大きい。カルシ
ウム及びマグネシウム塩の排除率は酸処理中に若干低下
する可能性がある。好ましくは酸処理した膜は345Pa(5
0psi)及び25℃の逆浸透条件で0.2wt%のMgSO4の水溶液
を用いて試験した時に、少なくとも814/m2・日(20gf
d)のフラツクスと少なくとも75%の排除率を有する。
いくつかの典型的な好ましい態様では前述の条件で、少
なくとも75%のMgSO4排除率を有する少なくとも1424/
m2・日(35gfd)のフラツクスとするか又は少なくとも8
14/m2・日(20gfd)の水フラツクスを有する少なくと
も85%のMgSO4排除率とすることができる。
酸処理した膜は実用性能上かなりの変化を生ずること
が見出された。この変化は酸処理時の弁別層中での欠陥
の形成に部分的には帰することができる。酸処理した膜
の排除率向上剤での処理はそれぞれの膜の排除率を向上
させるだけでなく、フラツクス及び排除率の変り易さを
減少させる。
「排除率向上剤」なる用語はここでは逆浸透膜に塗布
するとき該膜の排除率を増大させる組成物を指すものと
してここでは使用する。有利には排除率はフラツクスの
最小の低下を伴なつて増大する。これらの排除率向上剤
は、好ましい態様において膜の弁別層の顕微鏡的な洩れ
と欠陥を選択的に埋めるものと信ぜられる。好ましい排
除率向上剤は弁別層中に不連続性が存在する場合の多孔
質担体を密封することさえできる。
排除率向上剤の1つの好ましい種類は一般にコロイド
(すなわち水分散性ポリマー)である。使用しうるコロ
イドの例は米国特許第3,886,066号に記載されているよ
うなタンニン酸もしくは加水分解性タンニン類、および
米国特許第4,435,548号、同第4,507,466号および同第4,
568,737号に記載されているような任意の他の置換基を
もつ枝分れしたポリアミドアミン類である。当業技術に
おいて知られている他の使用可能なコロイド処理はNTIS
レポート No.PB 81−170607の「テベロツプメント・オ
ブ・インプルーブド・クリーニング・アンド・サーフエ
ス・リジエネレーシヨン・メソツヅ・アンド・エコノミ
カル・アナリシス・オブ・ジーズ・メソツヅ・フオア・
シーウオーター・メンブレーンズ」と題する報文に、お
よびNTIS レポート No.PB 82−157975の「ポスト・トリ
ートメント・プロセス・フオア・リバース・オスモシス
・メンブレーンズ」に記載されている。両者とも米国ワ
シントン特別地区のユー・エス・デパートメント・オブ
・コマースによつて刊行されている。
排除率向上剤の別の種類として、膜の排除率を向上さ
せるに有効な十分に高い分子量のある種の水溶性ポリマ
ーまたはコポリマーがあげられる。この種の排除率向上
剤の例は米国特許題3,877,978号に記載の酢酸ビニルコ
ポリマーであるが、一般に酢酸ビニルコポリマーは他の
好ましい排除率向上剤よりもフラツクスを大きく減少さ
せる。ヒドロキシアルキル−メタクリレート(好ましく
は5〜7個の炭素原子をもつもの)と他のエチレン性不
飽和モノマーとの多くのコポリマー類も使用可能な排除
率向上剤である。ヒドロキシエチル・メタクリレートと
メタクリル酸またはメタクリルアミド(任意に他の混和
性モノマーを含む)とのコポリマー類が好ましい。別の
好ましい排除率向上剤はスチレンと無水マレイン酸との
コポリマーであつてアンモニアで処理してスチレン/マ
レアミド酸コポリマーとなしたものである。有利には、
スチレンと無水マレイン酸はほぼ等モル量で重合せしめ
られる。
一般に、水性希釈剤中のコロイド剤が弁別層と接触せ
しめられる。コロイド分散が保持され、膜が有害な影響
を受けない限り、他の希釈剤を使用することもできる。
所望のコロイド状分散性を与えるために希釈剤のpHを調
節する必要がありうる。たとえば、コロイド形体のタン
ニン酸または加水分解性タンニンは好ましくは酸性(有
利には2〜5の範囲のpH)の水性媒質中で塗布する。タ
ンニン沈殿剤たとえば多価金属イオンが存在しなけれ
ば、タンニン酸をpH5を越える媒質中で塗布することが
できる。コロイドの濃度は、コロイド、膜およびその他
の因子に応じて広範囲にわたつて操作上変えることがで
きる。一般に、タンニン酸について10〜1,000ppmの濃度
が好ましく、100〜300ppm(重量)が更に好ましい。
水溶性ポリマーはコロイド剤とほゞ同様にして酸処理
膜に塗布される。水性希釈剤が好ましいが、他の希釈剤
も使用可能である。試剤の濃度はコロイド剤の場合と同
じ因子に応じて広範囲にわたつて変えることができる。
代表的には、1〜100ppmの試剤濃度が好ましく、水溶性
ポリマーについて5〜30ppmが更に好ましい。
排除率向上剤は任意の常法の又は便利な技術により膜
に塗布することができる。多くの試剤について、1〜30
分の接触時間が所望の排除率増大を達成させるために代
表的に必要である。もちろん、最適の触媒は膜、試剤、
およびその他の因子に応じて変わる。その結果として、
弁別層をもつ膜の試剤の水溶液に浸漬して接触させるの
が便利である。前述のように、特に好ましい技術は、酸
処理膜を逆浸透装置中で組立てて、次いで水溶液中の試
剤を膜の供給側に導入することである。
所望ならば、1種より多い排除率向上剤を遂次塗布す
ることもできる。排除率向上剤(複数)の混合物も、そ
れらが混和性である限り、使用することができる。
本発明のある態様において、排除率向上剤による処理
後に弁別層を水で洗つて堆積する過剰の試剤を除去する
のが望ましいことがある。たとえば、タンニン酸との接
触後に酸性の水で洗つて過剰の堆積物を除く工程はフラ
ツクスを増大させることができる。
排除率向上剤との接触中の温度と圧力は、膜が有害な
影響を受けない限り、一般には重要なことではない。10
〜45℃の温度が一般に便利であり、室温が好ましい。圧
力も便宜上周囲圧力でありうるが、ある態様において
は、温和な正の圧力(一般には250psig未満の膜通過
圧)を膜の弁別層に加えるのが望ましい。
特定の排除率向上剤は特別な条件と操作を必要とす
る。一般に、これらの操作は当業技術において知られて
いる。
ポリマーの排除率向上剤の分子量は所望の排除率向上
性を与えるに十分に大きくなければならないが、ポリマ
ーが処理膜の特性に悪影響を及ぼすほど大きくてはなら
ない。使用可能な分子量は膜、ポリマー試剤およびその
他の因子に依存する。
上記の排除率向上剤の変形物および同様な用途をもつ
他の化合物は当業者にとつて明らかであろう。「排除率
向上剤」なる用語は標準条件での酸処理膜の硫酸マグネ
シウム排除率を始めの排除率の少なくとも10%だけ増大
させうる任意のコロイドまたはポリマーを範囲に入れる
よう意図される。たとえば、酸処理膜が70%MgSO4を排
除率をもつならば、排除率向上剤は該排除率を少なくと
も77%に向上させるべきである。好ましくは、排除率向
上剤は標準条件で0.2%MgSO4を使用して水フラツクスを
35%以下だけ減少させる。たとえば、酸処理膜のフラツ
クスが1628/m2・日(40gfd)だつたならば、排除率向
上剤で処理した後の膜のフラツクスは少なくとも1058
/m2・日(26gfd)であるべきである。最も好ましい排除
率向上剤は最小のフラツクス減少を示す。
別の種類の排除率向上剤はコアセルベート被覆であ
る。これらの被覆は膜に溶液中で第1電荷の部分をもつ
ポリマーまたは重合性モノマーをまず塗布し、次いで第
1とは反対の電荷の部分をもつポリマーまたは重合性モ
ノマーを塗布してコアセルベートを形成させることによ
つて製造される。たとえば、第1電荷の部分はスルホニ
ウム基または第4級アンモニウム基であることができ、
第2電荷の部分はカルボキシレート基でありうる。エチ
レン性不飽和モノマーたとえばメタクリル酸およびヒド
ロキシエチルメタクリレートまたはビニル・ベンジル・
スルホニウム・クロライド、メチルメタクリレートおよ
びヒドロキシエチルメタクリレートから製造したポリマ
ー類が好ましい。ポリマー特性を変性するためち、これ
らのポリマー中に疎水性部分をもつモノマーを含有させ
るのが有利でありうる。第1および第2の電荷のポリマ
ー類は希薄な水性希釈剤中で(好ましくは1〜25ppm重
量)膜に遂次塗布するのが便利である。任意に、水性希
釈剤はフルオロカーボン表面活性剤を含むことができ
る。コアセルベート排除率向上剤は米国特許出願第790,
287号(1985年10月22日出願)に更に詳細に記載されて
おり、これを引用によつてここにくみ入れる。
<実施例> 次の実施例は本発明を説明するためのものであつて、
本発明を限定するものと解すべきではない。すべての部
および%は他に特別の記載のない限り重量基準である。
塩排除率および水フラツクスは約1%の回収において決
定した。
実施例1〜7;比較例A 多孔質ポリスルホン担体上にポリ(フエニレンジアミ
ン・トリメサミド)弁別層をもつ薄いフイルム複合体の
膜(フイルムテツク・コーポレーシヨンからFT−30膜と
して市販)を硫酸マグネシウムの0.2%溶液を使用して3
45Pa(50psi)および25℃で試験して、その硫酸マグネ
シウム排除率および水フラツクスを測定した。リン酸、
亜リン酸、または硫酸の水溶液を、ガラス板に接着テー
プで固着させた上記の膜の試料に塗布した。強固なロー
ル圧を手動で加えながら、ゴム絞りローラを用いて過剰
の酸を除いた。次いでこの膜試料を120゜±20℃で約10
分間加熱した。これらの酸処理膜を次いで比較例Aと同
じ条件で試験して水フラツクスおよび硫酸マグネシウム
排除率を測定した。これらの試験結果を表Iに示す。
表Iに示すデータは強鉱酸によるポリアミド膜の処理
は膜を通る水フラツクスを著るしく増大させることを実
証している。一般に、排除率はフラツクスの増大につれ
て減少する。
実施例8〜11 実施例5とその他の点は同様にして、ポリアミド膜を
85%リン酸と100゜、110゜、120゜または140゜で10分間
接触させた。次いで実施例5で使用した標準条件で水フ
ラツクスおよび硫酸マグネシウム排除率を測定した。こ
れらの結果を表IIに示す。
表IIのデータは、他のパラメータが同じならば、酸処
理中の温度が高いほど水フラツクスは高くなるが、硫酸
マグネシウム排除率は低くなることを示している。
実施例12〜15 ポリアミド膜の4つの試料を実施例5の一般法におい
て85%リン酸と接触させ約120℃で約15分間加熱した。
次いでこの酸処理膜から4つの「らせん」膜装置を作つ
た。0.2%の硫酸マグネシウム供給液を使用し、平均圧
力414Pa(60psi)および約20℃において、それぞれの膜
の排除率およびフラツクスを測定した。
次いで、それぞれのらせん膜を室温において300ppmの
タンニン酸を含むpH2の水性供給液で15分間690Pa(100p
si)の圧力において処理した。タンニン酸処理の後に、
約3〜約5の範囲のpHの水性塩酸で約5〜20分間、比較
的高いフロー、低い圧力の洗浄を行なつた。この洗浄は
堆積した過剰のタンニン酸を除去した。これらの膜を次
いでもう一度上記の方法で試験して硫酸マグネシウム排
除率を測定した。これらの結果を表IIIに示す。
表IIIに示す結果は、ここに記載の膜が硫酸マグネシ
ウムの高い排除率(90+%)とすぐれたフラツクス〔81
4/m2・day(20+gfd)〕の双方をもつことを実証して
いる。また、これらの膜はすぐれた化学的安定性を示
し、逆浸透膜の代表的な操作圧1379〜1724Pa(200〜250
psi)よりもずつと低い供給水圧において操作しうる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−266103(JP,A) 特開 昭60−156507(JP,A) 特開 昭62−234503(JP,A) 特開 昭62−269705(JP,A) 特開 昭63−197501(JP,A) 特開 昭55−147106(JP,A)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)芳香族核に少なくとも2個の第一級
    アミンを有する芳香族ポリアミンと、芳香族核に平均し
    て2より多いアシルハライド基を有する芳香族多官能性
    アシルハライドとの、反応生成物である架橋芳香族ポリ
    アミドの弁別層からなる逆浸透膜を相容性の強鉱酸の水
    溶液と接触させ;そして (b)酸と接触している膜を昇温した温度に保持し、34
    5Pa(50psi)及び25℃の逆浸透条件下0.2重量%のMgSO4
    水溶液を用いて試験した時に、少なくとも326/m2・日
    (8gfd)のフラックス及び少なくとも65%のMgSO4排除
    率を有する膜を製造することを特徴とする水軟化用膜の
    製造方法。
  2. 【請求項2】該膜を排除率向上剤と接触させて、少なく
    とも85%のMgSO4排除率を有する膜を製造する工程を有
    する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】該酸が、該MgSO4逆浸透条件下での膜の水
    フラックスを少なくとも50%増加させる請求項1記載の
    方法。
  4. 【請求項4】該酸が燐酸、亜燐酸又は硫酸である請求項
    1記載の方法。
  5. 【請求項5】ポリアミドがポリ(フェニレンジアミント
    リメサミド)である請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】排除率向上剤が水性媒体中で膜と接触する
    タンニン酸又は加水分解性タンニン酸である請求項2記
    載の方法。
  7. 【請求項7】排除率向上剤がスチレン/マレアミド酸コ
    ポリマー又はC5乃至C7ヒドロキシアルキルメタクリレー
    トポリマー、コポリマー又はターポリマーである請求項
    6記載の方法。
  8. 【請求項8】排除率向上剤がヒドロキシエチルメタクリ
    レート及びメチルメタクリレート又はメタクリルアミド
    のコポリマーであり、20重量%以下の他の相容性エチレ
    ン性不飽和モノマーを含むコポリマーである請求項2記
    載の方法。
  9. 【請求項9】排除率向上剤が、複数個のスルホニウム又
    は第4級アンモニウム基を有する第1のポリマーと複数
    個のカルボキシレート基を有する第2のポリマーから製
    造したコアセルベートである請求項2記載の方法。
  10. 【請求項10】(a)硬度イオンを含有する水を請求項
    2記載の水軟化用膜の第1表面と345乃至690Pa(50乃至
    100psi)の範囲の膜透過圧力で接触させ;そして (b)水軟化用膜の第2表面から減少した濃度の硬度イ
    オンを含む浸透物を分離する、ことを特徴とする水の硬
    度減少方法。
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