JP5914973B2 - 透過膜の阻止率向上方法及び阻止率向上処理剤 - Google Patents

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Description

本発明は透過膜の阻止率向上方法に係り、特に、透過膜の透過流束を大きく低下させることなく、透過膜、特に劣化した逆浸透(RO)膜を修復して、その阻止率を効果的に向上させる方法に関する。
本発明はまた、この透過膜の阻止率向上方法により阻止率向上処理がなされた透過膜と、この方法に用いられる阻止率向上処理剤に関する。
近年、水資源を有効に利用するために、排水を回収し、再生、再利用するプロセスや海水、かん水を淡水化するプロセスの導入が進んでいる。このような背景のもと、水質の高い処理水を得るためには、電解質除去、中低分子除去が可能なナノ濾過膜や逆浸透膜(RO膜)等の選択的透過膜の使用が不可欠である。
しかし、RO膜等の透過膜の無機電解質や水溶性有機物等の分離対象物に対する阻止率は、水中に存在する酸化性物質や還元性物質などの影響、その他の原因による素材高分子の劣化によって低下し、必要とされる処理水質が得られなくなる。この劣化は、長期間使用しているうちに少しずつ起こることもあり、また事故によって突発的に起こることもある。また、製品としての透過膜の阻止率自体が要求されるレベルに達していない場合もある。
特に、RO膜等の透過膜システムにおいては、膜面でのスライムによるバイオファウリングを防止するために、前処理工程において塩素(次亜塩素酸ソーダなど)による原水の処理が行われているが、塩素は強力な酸化作用があるため、残留塩素を十分に処理せずに透過膜に供給すると、透過膜が劣化することが知られている。
また、残留塩素を分解させるために、重亜硫酸ソーダなどの還元剤を添加することも行われているが、重亜硫酸ソーダが過剰に添加されている還元環境下においても、Cu、Coなどの金属が共存すると膜が劣化することも知られている(特許文献1、非特許文献1)。膜が劣化すると、透過膜の阻止率が大きく損なわれる。
従来、RO膜等の透過膜の阻止率向上方法としては、以下のようなものが提案されている。
(1) アニオン又はカチオンのイオン性高分子化合物を膜表面に付着させることにより、透過膜の阻止率を向上させる方法(特許文献2)。
本方法は、ある程度の阻止率向上効果を示すが、劣化膜に対する阻止率向上効果は十分ではない。
(2) ポリアルキレングリコール鎖を有する化合物を膜表面に付着させることにより、ナノ濾過膜やRO膜の阻止率を向上させる方法(特許文献3)。
本方法も、阻止率向上効果は得られるが、劣化膜に対して透過流束を大きく低下させることなく阻止率を向上させるという要求においては、十分に満足し得るものではない。
(3) 透過流束が増加した、アニオン荷電を有するナノ濾過膜やRO膜に対し、ノニオン系界面活性剤を用いた処理を行って、その透過流束を適正範囲まで低減させて、膜汚染や透過水質の悪化を防止する方法(特許文献4)。この方法では、透過流束が使用開始時の+20〜−20%の範囲となるように、ノニオン性界面活性剤を膜面に接触、付着させる。
本方法の阻止率向上の有効性は、特許文献4に記載される実施例と比較例との対比においても確認できるが、著しく劣化が生じた膜(脱塩率で95%以下)においては、相当量の界面活性剤を膜面に付着させる必要があり、透過流束の劇的な低下を伴うと考えられる。また、この特許文献4の実施例においては、製造時の初期性能が、透過流束で1.20m/m・day、NaCl阻止率が99.7%、シリカ阻止率が99.5%の芳香族系ポリアミドRO膜を2年間使用して酸化劣化した膜を使用するとあるが、NaCl阻止率99.5%、シリカ阻止率98.0%と大きな劣化には至っていない膜を対象としており、この方法で、劣化した透過膜の阻止率を十分に向上させることができるかは不明である。
(4) タンニン酸などを劣化膜に付着させて脱塩率を改善させる方法(非特許文献2)。
この方法による阻止率の向上効果は大きいとは言えず、例えば、劣化したRO膜であるES20(日東電工社製)、SUL−G20F(東レ社製)の透過水電気伝導度は、処理前後でそれぞれ、82%→88%、92%→94%であり、透過水の溶質濃度を1/2にするまでに阻止率を高めることはできない。
(5) タンニン酸にポリビニルメチルエーテル(PVME)を添加してRO膜の阻止率を向上させる(非特許文献5)。薬剤の使用濃度がそれぞれ10ppm以上と高い。脱塩率は65%を90%まで回復させているが、透過流束の低下は35%、84%を95%に回復させた場合の透過流束の低下は4%である。持続性が低く、新膜98.5%→修復直後99.2%→190時間後98.7%である。
なお、透過膜の劣化については、例えばポリアミド膜の酸化剤による劣化で、膜素材のポリアミド結合のC−N結合が分断され、膜本来のふるい構造が崩壊していることが知られている(非特許文献3,4等)。
特開平7−308671号公報 特開2006−110520号公報 特開2007−289922号公報 特開2008−86945号公報
Fujiwara et al.,Desalination,Vol.96(1994),431-439 佐藤、田村、化学工学論文集、Vol.34(2008),493-498 植村ら,Bulletin of the Society of Sea Water Science,Japan,57,498-507(2003) 神山義康,表面,vol.31,No.5(1993),408-418 S.T.Mitrouli, A.J.Karabelas, N.P.Isaias, D.C. Sioutopoulos, and A.S. Al Rammah, Reverse Osmosis Membrane Treatment Improves Salt-Rejection Performance, IDA Journal I Second Quarter 2010, p22-34
上述の如く、従来、透過膜の阻止率向上方法としては各種の方法が提案されているが、従来の阻止率向上方法は、透過膜表面に新たに物質を付着させるため、透過流束の低下が起こる。例えば、阻止率を回復させて透過水の溶質濃度を1/2にするために、透過流束については処理前に対して20%以上も低下させてしまう場合もあった。
また、非常に大きな劣化(例えば、電気伝導度阻止率で95%以下)を起こした膜に対しては、既存の技術では、阻止率の回復が困難であった。
また、高濃度の薬剤を添加することで、濃縮水TOCを増加させるなどのオペレーション上、コスト上の課題が生じ、被処理水を通水して、採水しながら修復することが容易でないという問題もあった。
本発明は上記従来の問題点を解決し、透過流束を大きく低下させることなく、また著しい劣化膜であっても阻止率を効果的に向上させることができる方法とその処理剤を提供することを目的とする。
本発明はまた、このような透過膜の阻止率向上方法により阻止率向上処理が施された透過膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、実機での劣化膜の調査解析を繰り返し行うなどして鋭意検討を重ね、次のような知見を得た。
(1) 従来法のように、膜の劣化で膜にあいた穴を、新たな物質(例えば、ノニオン系界面活性剤やカチオン系界面活性剤などの化合物)を膜に付着させることにより塞ぐ方法では、膜の疎水化や、高分子物質の付着による膜の透過流束の低下が著しく、水量の確保が困難である。
(2) 透過膜、例えばポリアミド膜は、酸化剤による劣化で、ポリアミドのC−N結合が分断され、膜本来のふるい構造が崩壊するが、膜の劣化箇所においては、アミド結合の分断でアミド基は消失してしまうものの、カルボキシル基が一部残存する。
(3) この劣化膜のカルボキシル基にアミノ化合物を効率良く付着・結合させることにより、劣化膜を修復して阻止率を回復させることができる。この場合、カルボキシル基に結合させるアミノ化合物として、アミノ基を有する低分子量化合物を用いることにより、膜表面の疎水化や、高分子物質を付着させることによる透過流束の著しい低下を抑制することができる。
本発明は、このような知見をもとに完成されたものであり、以下を要旨とする。
請求項1の透過膜の阻止率向上方法は、アミノ基(−NH を有する分子量1000以下の化合物を含む水溶液(pH7以下のものを除く)を、劣化したポリアミド素材の透過膜に通水する工程を有する透過膜の阻止率向上方法であって、該アミノ基(−NH )を有する分子量1000以下の化合物として、分子量や骨格構造の異なる化合物を2種以上併用する方法であり、該分子量の異なる2種以上の化合物の併用が分子量60〜300の化合物と分子量200〜1000の化合物との併用であることを特徴とするものである。
請求項2の透過膜の阻止率向上方法は、請求項1において、前記アミノ基(−NH を有する分子量1000以下の化合物が、ベンゼン骨格とアミノ基を有する芳香族アミノ化合物、ベンゼン骨格と2つ以上のアミノ基とアミノ基の数より少ないカルボキシル基を有する芳香族アミノカルボン酸化合物、炭素数1〜20の直鎖又は分岐の炭化水素基と1個又は複数のアミノ基を有する脂肪族アミノ化合物、直鎖又は分岐の炭素数1〜20の炭化水素基にアミノ基と水酸基を有する脂肪族アミノアルコール、複素環とアミノ基を有する複素環アミノ化合物、アミノ酸化合物、ペプチドあるいはその誘導体より選ばれることを特徴とするものである
請求項の透過膜の阻止率向上方法は、請求項1又は2において、前記アミノ基(−NH を有する化合物の少なくとも1種が塩基性アミノ酸であることを特徴とするものである。
請求項の透過膜の阻止率向上方法は、請求項1又は2において、前記アミノ基(−NH を有する化合物の少なくとも1種がアスパルテーム又はその誘導体であることを特徴とするものである。
請求項の透過膜の阻止率向上方法は、請求項1ないしのいずれか1項において、前記水溶液がさらに分子量1000以上、10000以下のカルボキシル基、アミノ基、又はヒドロキシル基を有する化合物を含有することを特徴とするものである。
請求項の透過膜の阻止率向上方法は、請求項において、分子量1000以上、10000以下のカルボキシル基、アミノ基、又はヒドロキシル基を有する化合物がタンニン酸又はアミノ酸の重合物であることを特徴とするものである。
請求項の透過膜の阻止率向上方法は、請求項1ないしのいずれか1項において、前記水溶液が含有する各化合物の各成分の濃度が、それぞれ10mg/L以下であることを特徴とするものである。
請求項の劣化したポリアミド素材の透過膜の阻止率向上剤は、アミノ基(−NH を有する分子量1000以下の化合物を1種以上含み、分子量1000以上、10000以下のカルボキシル基、アミノ基、あるいはヒドロキシル基を有する化合物を1種以上含む、劣化したポリアミド素材の透過膜の阻止率向上剤であって、該アミノ基(−NH )を有する分子量1000以下の化合物として、分子量や骨格構造の異なる化合物を2種以上含み、該分子量の異なる2種以上の化合物を含む阻止率向上剤は、分子量60〜300の化合物と分子量200〜1000の化合物を含むことを特徴とするものである。
請求項の透過膜の阻止率向上剤は、請求項において、前記アミノ基(−NH を有する分子量1000以下の化合物が、ベンゼン骨格とアミノ基を有する芳香族アミノ化合物、ベンゼン骨格と2つ以上のアミノ基とアミノ基の数より少ないカルボキシル基を有する芳香族アミノカルボン酸化合物、炭素数1〜20の直鎖又は分岐の炭化水素基と1個又は複数のアミノ基を有する脂肪族アミノ化合物、直鎖又は分岐の炭素数1〜20の炭化水素基にアミノ基と水酸基を有する脂肪族アミノアルコール、複素環とアミノ基を有する複素環アミノ化合物、アミノ酸化合物、ペプチドあるいはその誘導体より選ばれることを特徴とするものである
本発明によれば、酸化剤等により劣化した透過膜に、アミノ基を有する分子量1000以下の化合物(以下、「低分子量アミノ化合物」と称す。)を含む水溶液(アミノ処理水)(pH7以下のものを除く。)を通水することにより、この透過膜の透過流束を大きく低下させることなく、膜の劣化部分を修復し、阻止率を効果的に向上させることができる。
以下に、本発明による劣化膜の修復のメカニズムを図1を参照して説明する。
透過膜、例えば、ポリアミド膜の正常なアミド結合は図1(a)に示すような構造をとっている。この膜が塩素などの酸化剤で劣化した場合、アミド結合のC−N結合が分断され、最終的には図1(b)に示すような構造となる。
図1(b)に示されるように、アミド結合の分断で、アミノ基は消失することがあるが、この分断部分にカルボキシル基は形成される。
このような劣化膜に低分子量アミノ化合物(例えば2,4−ジアミノ安息香酸)が含まれると、低分子量アミノ化合物のアミノ基と膜のカルボキシル基との間で静電結合が生じ、図1(c)のように、膜に低分子量アミノ化合物が結合して不溶性塩を形成し、この不溶性塩により、劣化膜の穴が修復され、阻止率が回復する。
低分子量アミノ化合物を膜に透過させる際には、分子量や骨格(構造)の異なるアミノ化合物を数種類併用し、これらを同時に透過させることにより、各々の化合物が膜を透過する際に互いに障害となり、膜内の劣化箇所に滞留する時間が長くなることにより、膜のカルボキシル基と低分子量アミノ化合物のアミノ基との接触確率が高くなり、膜の修復効率が高められる。
また、特に高分子量の化合物を併用することにより、膜の大きな劣化箇所を塞ぐことができ、修復効率が高まる。この高分子としては、膜のカルボキシル基と作用する官能基(カチオン基:1〜4級アミノ基)、添加しているアミノ基を有する化合物と作用するもの(アニオン基:カルボキシル基、スルホン基)、あるいは、ポリアミド膜と作用する官能基(ヒドロキシル基)、環状構造を有するものを選定することが望ましい。
本発明による阻止率向上処理のメカニズムを示す、化学構造式の説明図である。 実施例で用いた平膜試験装置を示す模式図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[透過膜の阻止率向上方法]
本発明の透過膜の阻止率向上方法は、分子量1000以下の低分子量アミノ化合物を含む水溶液(アミノ処理水。なお、pH7以下のものを除く。)を透過膜に通水するアミノ処理工程を有する。
<アミノ処理工程>
本発明において、アミノ処理工程で用いるアミノ化合物は、アミノ基を有し、分子量1000以下の比較的低分子量のものであり、特に制限はないが、例えば、次のようなものが挙げられる。
・ 芳香族アミノ化合物:例えば、アニリン、ジアミノベンゼンなどのベンゼン骨格とアミノ基を有するもの
・ 芳香族アミノカルボン酸化合物:例えば、3,5−ジアミノ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、2,4,6−トリアミノ安息香酸などのベンゼン骨格と2つ以上のアミノ基とアミノ基の数より少ないカルボキシル基を有するもの。
・ 脂肪族アミノ化合物:例えば、メチルアミン、エチルアミン、オクチルアミン、1,9−ジアミノノナン(本明細書中では「NMDA」と略記することがある。)(C18(NH)等の炭素数1〜20程度の直鎖炭化水素基と1個又は複数のアミノ基を有するもの、及び、アミノペンタン(本明細書中では「IAAM」と略記することがある。)(NH(CHCH(CH)、2−メチルオクタジアミン(本明細書中では「MODA」と略記することがある。)(NHCHCH(CH)(CHNH)等の炭素数1〜20程度の分岐炭化水素基と1個又は複数のアミノ基を有するもの。
・ 脂肪族アミノアルコール:モノアミノイソペンタノール(本明細書中では「AMB」と略記することがある。)(NH(CHCH(CH)CHOH)等の直鎖又は分岐の炭素数1〜20の炭化水素基にアミノ基と水酸基を有するもの。
・ 複素環アミノ化合物:テトラヒドロフルフリルアミン(本明細書中では「FAM」と略記することがある。)(下記構造式)などの複素環とアミノ基を有するもの。
Figure 0005914973
・ アミノ酸化合物:例えば、アルギニンやリシン等の塩基性アミノ酸化合物、アスパラギンやグルタミン等のアミド基を有するアミノ酸化合物、グリシンやフェニルアラニン等のその他アミノ酸化合物。
この中で、塩基性アミノ酸である、アルギニン(分子量174)、リシン(分子量146)、ヒスチジン(分子量155)を有効に用いることができる。また、ペプチドあるいはその誘導体として、例えば、フェニルアラニンとアスパラギン酸のジペプチドのメチルエステルであるアスパルテーム(分子量294)を有効に用いることができる。
これらの低分子量アミノ化合物は、水に対する溶解性が高く、安定な水溶液として透過膜に通水することができ、前述の如く、膜のカルボキシル基と反応して透過膜に結合し、不溶性の塩を形成して、膜の劣化により生じた穴を塞ぎ、これにより膜の阻止率を高める。
本発明のアミノ処理工程で用いる低分子量アミノ化合物の分子量が1000より大きいと、微細な劣化箇所に侵入できないことがあり好ましくない。ただし、アミノ化合物の分子量が過度に小さいと膜の緻密層に留まり難くなる。従って、このアミノ化合物の分子量は、1000以下、特に500以下、とりわけ60〜300であることが好ましい。
これらの低分子量アミノ化合物は、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。特に、本発明においては、分子量や骨格構造の異なる低分子量アミノ化合物を2種以上併用し、これらを同時に透過膜に透過させることにより、各々の化合物が膜を透過する際に互いに障害となり、膜内の劣化箇所に滞留する時間が長くなることにより、膜のカルボキシル基と低分子量アミノ化合物のアミノ基との接触確率が高くなり、膜の修復効果が高められるため好ましい。
このため、分子量数十、例えば60〜300程度の低分子量アミノ化合物と分子量が数百、例えば200〜1000程度の低分子量アミノ化合物を併用したり、環状化合物と鎖状化合物を、更には直鎖化合物と分岐状化合物とを併用したりすることが好ましい。
その好ましい組み合わせ例としては、ジアミノ安息香酸とNMDA又はIAAMとの併用、その他、アニリンとMODAあるいは、アルギニンとアスパルテームとの併用などが挙げられる。
アミノ処理水中の低分子量アミノ化合物の含有量は膜の劣化の度合により異なるが、過度に多いと透過流束を低下させることがあり、過度に少ないと修復が不十分になるため、アミノ処理水中の低分子量アミノ化合物の濃度(2種以上の低分子量アミノ化合物を用いる場合は、その合計濃度)が、1〜1000mg/L、特に5〜500mg/L程度となるようにすることが好ましい。
また、2種以上の低分子量アミノ化合物を用いる場合、各々の低分子量アミノ化合物の濃度に大きな差異があると、これらの併用による効果を得難いことから、最も多く含まれる低分子量アミノ化合物の含有量に対して、最も少なく含まれる低分子量アミノ化合物の含有量が50%以上となるように配合することが好ましい。
アミノ処理工程においては、これらの低分子量アミノ化合物を水溶液(pH7以下のものを除く。)として、透過膜に通水する。
このようなアミノ処理工程において、アミノ処理水には、トレーサーとして、食塩(NaCl)等の無機電解質やイソプロピルアルコールやグルコース等の中性有機物及びポリマレイン酸などの低分子ポリマーなどを添加してもよく、これにより、アミノ処理工程において、透過膜の透過水への食塩やグルコースの透過の程度を分析して、膜の修復の程度を確認することができる。
また、アミノ処理水中に、低分子量アミノ化合物以外の、分子量1000以下の低分子量の有機化合物、例えば、アルコール系化合物やカルボキシル基又はスルホン酸基を有する化合物、具体的にはイソブタノール、サリチル酸又はイソチアゾリン系化合物を、低分子量アミノ化合物と重合しないような程度の濃度、例えば0.1〜100mg/L程度に添加しても良く、これにより、緻密層における立体障害を上げて、目詰めの効果を上げることが期待される。
また、分子量1000〜10000のカルボキシル基、アミノ基、あるいはヒドロキシル基を有する高分子と併用することも有効である。例として、タンニン酸やペプチドを挙げることができる。タンニン酸としては、加水分解型の五倍子、没食子、縮合型のケブラチョ、ミモザなどを挙げることができる。ペプチドとしては、分子量1000以上のポリグリシン、ポリリシン、ポリトリプトファン、ポリアラニンなどを挙げることができる。
また、アミノ処理水を透過膜に通水するときの給水圧力は、過度に高いと劣化していない箇所への吸着が進むという問題があり、過度に低いと劣化箇所への吸着も進まないことから、当該透過膜の通常運転圧力の30〜150%、特に50〜130%とすることが好ましい。
このアミノ処理工程は、常温、例えば10〜35℃程度の温度で行うことができ、その処理時間としては、供給する低分子量アミノ化合物の濃度にも依存し、特に制限とりわけ上限はないが、通常0.5〜100時間、特に1〜50時間程度とすることが好ましい。
アミノ処理は、アミノ処理剤を透過膜装置の定常運転時に被処理水に添加することにより行われてもよい。薬剤添加の時間は、1〜500時間程度であるが、常時添加も可能である。分子量1000〜10000の高分子と併用する場合は、1〜200時間程度が望ましい。
長時間運転を行っている場合、膜汚染により透過流束が低下している場合は、洗浄を行った後に実施することが望ましいが、その限りではない。
洗浄の薬剤としては、酸洗浄では、塩酸、硝酸、硫酸などの鉱酸、クエン酸、シュウ酸といった有機酸を上げることができる。アルカリ洗浄では、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを上げることができる。一般的に、酸洗浄ではpH2付近とし、アルカリ洗浄ではpH12付近とする。
[透過膜]
本発明の透過膜の阻止率向上方法は、ナノ濾過膜、RO膜等の選択性透過膜に対して好適に適用される。ナノ濾過膜は、粒径が約2nm程度の粒子や高分子を阻止する液体分離膜である。ナノ濾過膜の膜構造としては、セラミック膜などの無機膜、非対称膜、複合膜、荷電膜などの高分子膜などを挙げることができる。RO膜は、膜を介する溶液間の浸透圧差以上の圧力を高濃度側にかけて、溶質を阻止し、溶媒を透過する液体分離膜である。RO膜の膜構造としては、非対称膜、複合膜などの高分子膜などを挙げることができる。本発明の透過膜の阻止率向上方法を適用するナノ濾過膜又はRO膜の素材としては、例えば、芳香族系ポリアミド、脂肪族系ポリアミド、これらの複合材などのポリアミド系素材、酢酸セルロースなどのセルロース系素材などを挙げることができる。これらの中で、芳香族系ポリアミド素材の透過膜であって、劣化することによりC−N結合の分断でカルボキシル基を多く生成する膜に、本発明の透過膜の阻止率向上方法を特に好適に適用することができる。
また、本発明の透過膜の阻止率向上方法を適用する透過膜のモジュール形式に特に制限はなく、例えば、管状膜モジュール、平面膜モジュール、スパイラル膜モジュール、中空糸膜モジュールなどを挙げることができる。
本発明の透過膜は、このような本発明の透過膜の阻止率向上方法により阻止率向上処理が施された透過膜、具体的には、RO膜、ナノ濾過膜等の選択的透過膜であり、透過膜の透過流束を高くした状態で阻止率が向上しており、かつその高い状態を長く維持させることも可能である。
[水処理方法]
本発明の透過膜により、被処理水を透過させて透過膜処理を行う本発明の水処理方法では、透過膜の透過流束を高くした状態で阻止率が向上し、かつその高い状態を長く維持することができ、これにより有機物等の除去対象物質の除去効果が高く、長期間にわたって安定処理が可能である。被処理水の供給、透過の操作は通常の透過膜処理と同様に行うことができるが、カルシウムやマグネシウムなどの硬度成分を含有する被処理水を処理する場合は、原水に分散剤、スケール防止剤、その他の薬剤を添加してもよい。処理対象とする被処理水は特に限定されるものではないが、有機物含有水に好適に用いることができ、例えばTOC=0.01〜100mg/L、好ましくは0.1〜30mg/L程度の有機物含有水の処理に好適に用いられる。このような有機物含有水としては電子デバイス製造工場排水、輸送機械製造工場排水、有機合成工場排水又は印刷製版・塗装工場排水など、あるいはそれらの一次処理水など挙げることができるが、これらに限定されない。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
まず、比較例1〜6,実施例1〜6について説明する。
[比較例1]
以下の条件で被処理水を図2に示す平膜試験装置に通水した。
この平膜試験装置は、有底有蓋の円筒状容器1の高さ方向の中間位置に平膜セル2を設けて容器内を原水室1Aと透過水室1Bとに仕切り、この容器1をスターラー3上に設置し、ポンプ4で被処理水を配管11を介して原水室1Aに給水すると共に、容器1内の攪拌子5を回転させて原水室1A内を攪拌し、透過水を透過水室1Bより配管12を介して取り出すと共に、濃縮水を原水室1Aより配管13を介して取り出すものである。濃縮水取り出し配管13には圧力計6と開閉バルブ7が設けられている。
劣化膜:日東電工社製超低圧逆浸透膜ES20を、次亜塩素酸ナトリウム(遊離塩素1mg/L)を含む溶液に20時間浸漬して加速劣化させたもの。オリジナル膜の透過流束、脱塩率、IPA除去率はそれぞれ0.81m/(m・d)、97.2%、87.5%である。
被処理水:NaCl 500mg/L、IPA 100mg/L
運転圧力:0.75 MPa
温度:24℃±2℃
pH:7.5(水酸化ナトリウム水溶液で調整)
[比較例2]
比較例1の条件で通水を行い劣化状態を確認した後、被処理水にタンニン酸(シグマ・アルドリッチ社製403040−50G)0.5mg/L添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.5に調整したものを被処理水とすること以外は比較例1の条件で通水を行った。
[比較例3]
比較例1の条件で通水を行い劣化状態を確認した後、被処理水にミモザ(大日本製薬製)0.5mg/L添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.5に調整したものを被処理水とすること以外は比較例1の条件で通水を行った。
[比較例4]
比較例1の条件で通水を行い劣化状態を確認した後、被処理水にポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル(和光純薬製)0.5mg/L添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.5に調整したものを被処理水として2時間通水すること以外は比較例1の条件で通水を行った。
[比較例5]
比較例1の条件で通水を行い劣化状態を確認した後、被処理水にポリエチレングリコール(分子量4000、和光純薬製)1mg/L添加したものを被処理水として2時間通水し、被処理水にポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル(和光純薬製)0.5mg/L添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.5に調整したものを被処理水としてさらに1時間通水すること以外は比較例1の条件で通水を行った。
[比較例6]
比較例1の条件で通水を行い劣化状態を確認した後、被処理水にポリビニルアミジン5mg/L添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.5に調整したものを被処理水として2時間通水し、被処理水にポリスチレンスルホン酸5mg/L添加したものを被処理水として2時間通水すること以外は比較例1の条件で通水を行った。
[実施例1]
比較例1の条件で通水を行い劣化状態を確認した後、被処理水にアルギニンを10mg/L添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.5に調整したものを被処理水とすること以外は比較例1の条件で通水を行った。
[実施例2]
比較例1の条件で通水を行い劣化状態を確認した後、被処理水にアルギニンを2mg/L添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.5に調整したものを被処理水とすること以外は比較例1の条件で通水を行った。
[実施例3]
比較例1の条件で通水を行い劣化状態を確認した後、被処理水にアルギニンを2mg/L、アスパルテーム1mg/L添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.5に調整したものを被処理水とすること以外は比較例1の条件で通水を行った。
[実施例4]
比較例1の条件で通水を行い劣化状態を確認した後、被処理水にアルギニンを2mg/L、アスパルテーム1mg/L添加、タンニン酸(シグマ・アルドリッチ社製403040−50G)0.5mg/L添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.5に調整したものを被処理水として24時間通水すること以外は比較例1の条件で通水を行った。
[実施例5]
比較例1の条件で通水を行い劣化状態を確認した後、被処理水にアルギニンを2mg/L、アスパルテーム1mg/L添加、ミモザ(大日本製薬製)0.5mg/L添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.5に調整したものを被処理水として24時間通水すること以外は比較例1の条件で通水を行った。
[実施例6]
比較例1の条件で通水を行い劣化状態を確認した後、被処理水にアルギニンを2mg/L、アスパルテーム1mg/L添加、ケブラチョ(大日本製薬製)0.5mg/L添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.5に調整したものを被処理水として24時間通水すること以外は比較例1の条件で通水を行った。
なお、透過流束、脱塩率、IPA除去率は以下の式より算出した。
透過流束[m/(md)]=透過水量[m/d]/膜面積[m]×温度換算係数[−]
脱塩率[%]=(1−透過液の導電率[mS/m]/濃縮液の導電率[mS/m])×100
IPA除去率[%]=(1−透過液のTOC[mg/L]/濃縮液のTOC[mg/L])×100
また、阻止率向上効率を以下の式で定義した。
阻止率向上効率[%/(m/d)]=向上した阻止率[%]/低下した透過流束[m/(md)]
表1に結果を示す。本発明では、阻止率向上効率、特にIPA除去率の向上効率が非常に高いことが分かる。
Figure 0005914973
次に比較例7,8、実施例7について説明する。
[比較例7]
次の条件で被処理水を図2に示す平膜試験装置に通水した。
劣化膜:日東電工社製超低圧逆浸透膜ES20を、次亜塩素酸ナトリウム(遊離塩素1mg/L)を含む溶液に30時間浸漬して加速劣化させたもの。
被処理水:NaCl 500mg/L、IPA 100mg/L
運転圧力:0.75 MPa
温度:24℃±2℃
pH:7.2(水酸化ナトリウム水溶液で調整)
[比較例8]
比較例7の条件で通水を行い劣化状態を確認した後、被処理水にタンニン酸(シグマ・アルドリッチ社製403040−50G)0.5mg/L添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.2に調整したものを被処理水とすること以外は比較例7の条件で通水を行った。
[実施例7]
比較例7の条件で通水を行い劣化状態を確認した後、被処理水にアルギニンを2mg/L、アスパルテーム1mg/L添加、タンニン酸(シグマ・アルドリッチ社製403040−50G)1mg/L添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpH7.2に調整したものを被処理水として24時間通水すること以外は試験方法2の条件で通水を行った。
表2に結果を示す。本発明によって、脱塩率が90%以下に低下した逆浸透膜でも良好に阻止率向上、修復が行えることが分かる。
Figure 0005914973
次に比較例9,10、実施例8,9について説明する。
[比較例9]
下記条件で被処理水を図2に示す平膜試験装置に通水した。
市販膜:日東電工社製海水淡水化逆浸透膜NTR−70SWC
被処理水:NaCl30000mg/L、ホウ素7mg/L(ホウ酸として添加)
運転圧力:6MPa
温度:24℃±2℃
pH:8(水酸化ナトリウム水溶液で調整)
[比較例10]
被処理水にポリビニルアミジン5mg/L添加したものを被処理水として2時間通水し、被処理水にポリスチレンスルホン酸5mg/L添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpH8に調整したものを被処理水として2時間通水すること以外は比較例9の条件で通水を行った。
[実施例8]
被処理水にアルギニンを2mg/L、アスパルテーム1mg/L添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpH8に調整したものを被処理水とすること以外は比較例9の条件で通水を行った。
[実施例9]
被処理水にアルギニンを2mg/L、アスパルテーム1mg/L添加、タンニン酸(シグマ・アルドリッチ社製403040−50G)0.5mg/L添加し、水酸化ナトリウム水溶液でpH8に調整したものを被処理水とすること以外は比較例9の条件で通水を行った。
表3に結果を示す。本発明では、劣化していない逆浸透膜であっても、透過流束を大きく低下させることなく、阻止率、特にホウ素除去率を向上できていることが分かる。実施例9では、24時間後に阻止率が最も向上しており、48時間後、96時間後は阻止率が逆に低下している。これは、膜表面に過剰量の吸着が起こり、濃度分極が起こったためと考えられる。従って、実施例9におけるより好適な処理は、薬剤の注入による阻止率向上処理を24時間で終了し、以降は試験2の条件で通水を行うことである。
Figure 0005914973
以上の実施例及び比較例からも明らかな通り、本発明によれば、被処理水に薬剤を添加して通常の運転圧力で通水することによって、採水を行いながら、劣化膜を大きく透過水量を低下させることなく、脱塩率を回復することができる。また、脱塩率90%以下の著しい劣化膜においても本発明は適用できる。
1 容器
1A 原水室
1B 透過水室
2 平膜セル
3 スターラー

Claims (9)

  1. アミノ基(−NH を有する分子量1000以下の化合物を含む水溶液(pH7以下のものを除く)を、劣化したポリアミド素材の透過膜に通水する工程を有する透過膜の阻止率向上方法であって、該アミノ基(−NH )を有する分子量1000以下の化合物として、分子量や骨格構造の異なる化合物を2種以上併用する方法であり、該分子量の異なる2種以上の化合物の併用が分子量60〜300の化合物と分子量200〜1000の化合物との併用であることを特徴とする透過膜の阻止率向上方法。
  2. 請求項1において、前記アミノ基(−NH を有する分子量1000以下の化合物が、ベンゼン骨格とアミノ基を有する芳香族アミノ化合物、ベンゼン骨格と2つ以上のアミノ基とアミノ基の数より少ないカルボキシル基を有する芳香族アミノカルボン酸化合物、炭素数1〜20の直鎖又は分岐の炭化水素基と1個又は複数のアミノ基を有する脂肪族アミノ化合物、直鎖又は分岐の炭素数1〜20の炭化水素基にアミノ基と水酸基を有する脂肪族アミノアルコール、複素環とアミノ基を有する複素環アミノ化合物、アミノ酸化合物、ペプチドあるいはその誘導体より選ばれることを特徴とする透過膜の阻止率向上方法。
  3. 請求項1又は2において、前記アミノ基(−NH を有する化合物の少なくとも1種が塩基性アミノ酸であることを特徴とする透過膜の阻止率向上方法。
  4. 請求項1又は2において、前記アミノ基(−NH を有する化合物の少なくとも1種がアスパルテーム又はその誘導体であることを特徴とする透過膜の阻止率向上方法。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項において、前記水溶液がさらに分子量1000以上、10000以下のカルボキシル基、アミノ基、又はヒドロキシル基を有する化合物を含有することを特徴とする透過膜の阻止率向上方法。
  6. 請求項において、分子量1000以上、10000以下のカルボキシル基、アミノ基、又はヒドロキシル基を有する化合物がタンニン酸又はアミノ酸の重合物であることを特徴とする透過膜の阻止率向上方法。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項において、前記水溶液が含有する各化合物の各成分の濃度が、それぞれ10mg/L以下であることを特徴とする透過膜の阻止率向上方法。
  8. アミノ基(−NH を有する分子量1000以下の化合物を1種以上含み、分子量1000以上、10000以下のカルボキシル基、アミノ基、あるいはヒドロキシル基を有する化合物を1種以上含む、劣化したポリアミド素材の透過膜の阻止率向上剤であって、該アミノ基(−NH )を有する分子量1000以下の化合物として、分子量や骨格構造の異なる化合物を2種以上含み、該分子量の異なる2種以上の化合物を含む阻止率向上剤は、分子量60〜300の化合物と分子量200〜1000の化合物を含むことを特徴とする透過膜の阻止率向上剤
  9. 請求項において、前記アミノ基(−NH を有する分子量1000以下の化合物が、ベンゼン骨格とアミノ基を有する芳香族アミノ化合物、ベンゼン骨格と2つ以上のアミノ基とアミノ基の数より少ないカルボキシル基を有する芳香族アミノカルボン酸化合物、炭素数1〜20の直鎖又は分岐の炭化水素基と1個又は複数のアミノ基を有する脂肪族アミノ化合物、直鎖又は分岐の炭素数1〜20の炭化水素基にアミノ基と水酸基を有する脂肪族アミノアルコール、複素環とアミノ基を有する複素環アミノ化合物、アミノ酸化合物、ペプチドあるいはその誘導体より選ばれることを特徴とする透過膜の阻止率向上剤。
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