JP2007111608A - 分離膜の性能改善方法および装置並びにその方法により性能改善された分離膜 - Google Patents

分離膜の性能改善方法および装置並びにその方法により性能改善された分離膜 Download PDF

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Abstract

【課題】構造的な欠陥部位となる分離膜の非晶質部分を改質して性能を改善するようにした、分離膜の性能改善方法および装置、並びにその方法により性能改善された分離膜を提供する。
【解決手段】膜面に非晶質部分を有する分離膜に、ポリフェノールを含む有機物質を含む水を加圧通水し、分離膜の非晶質部分を改質して分離膜の性能を改善することを特徴とする分離膜の性能改善方法および装置、並びにその方法により性能改善された分離膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、分離膜、特に膜面に非晶質となっている構造欠陥部位を持つ逆浸透膜(RO膜)またはナノろ過膜(NF膜)の非晶質部分を改質して性能を改善するようにした、分離膜の性能改善方法および装置、並びにその方法により性能改善された分離膜に関するものである。
従来、海水の淡水化や超純水、各種製造プロセス用水を得る方法として、例えばRO膜やNF膜を分離膜とするモジュールを用い、原水中からイオン成分や低分子成分を分離する方法が知られている。以前と比較すると、RO膜やNF膜の性能は格段に向上し、高阻止性能・低圧力運転が可能な膜も使われている。
しかし、これらの脱塩性能を有する分離膜においては、イオン成分と比較して、シリカやホウ素等の非解離成分や、TOCを代表的な指標とする有機成分などの阻止性能は比較的低く、特に分離膜が経時的に酸化劣化や経年劣化を引き起こしてくると、その性能低下は顕著になってくる。さらに、後段に設置されるイオン交換樹脂装置や、電気再生式脱塩装置(EDI)への負荷が大きくなり、場合によっては、純水の純度に悪影響を与える場合があった。
分離膜の性能向上に関して、特許文献1には、半透性膜を高温で有機酸に浸漬し、高脱塩性・高透水性を併せ持つ膜の製造方法が提案されている。この方法では、高温で処理するため、モジュール形態での処理は困難であるし、条件によっては透過水量の大幅な低下を招くケースがあった。
また、特許文献2には、海水にpH=5未満でタンニン酸を添加して、透塩率を低下させる方法が提案されている。しかし、この方法は海水の処理に限定されたものであり、本発明で想定している、地下水・井戸水・河川水・湖水・雨水・工業用水・水道水・ゴミ浸出水・下排水処理水・農業排水・各種工程回収水などのいわゆる原水を、必要に応じて除濁した原水の脱塩は含まれていない。
特開2003-117360号公報 特開昭58-109182号公報
かかる現状の技術レベルに対し、本発明の課題は、とくに構造的な欠陥部位となる分離膜の非晶質部分を改質して性能を改善するようにした、分離膜の性能改善方法および装置、並びにその方法により性能改善された分離膜を提供することにある。
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行なった結果、(1)分離膜の大部分の結晶質部分とごく一部分の非晶質部分から成る場合、性能が低くなっているのは、非晶質となっている構造欠陥部位が大きな要因の一つであること、(2)ある種の有機物質を用いることで、その構造欠陥部位を修復し、阻止性能を改善することができること、を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る分離膜の性能改善方法は、膜面に非晶質部分を有する分離膜に、ポリフェノールを含む有機物質を含む水を加圧通水し、分離膜の非晶質部分を改質して分離膜の性能を改善することを特徴とする方法からなる。
分離膜の膜面は、大部分の結晶質部分とごく一部分の非晶質部分から成り立っており、膜の阻止性能を低下させるのは、主に非晶質部分に起因する場合があるものと推定される。この非晶質部分からは、非解離成分や有機成分がリークしやすく、大きな非晶質部分の場合には塩類のリークも生じ得る。したがって、非晶質部分が多い膜では、非解離成分や有機成分の阻止性能は低くなり、さらに塩類の阻止性能も比較的低くなっている。本発明は、非晶質部分となっている構造欠陥部位を、ポリフェノール類を含む有機物質によって修復することで、リーク量を減少させ、結果的に分離膜の阻止性能を改善し得るものである。この非晶質部分は、経年劣化や酸化劣化などによる、化学的な劣化を生じた膜はもちろん、新品の分離膜にも存在し得るものであり、特に元々の分離性能が低いNF膜では、この非晶質部分が多く存在するものと推定される。したがって、ここで言う性能改善のための修復とは、化学的に劣化した分離膜だけでなく、非晶質部分を持つものであれば、新品の分離膜にも適用されるものである。なお、非晶質部分は、化学的な構造欠陥であり、膜の製造時に重合が不完全な部分として存在したり、化学的な劣化により生じたりするものであり、膜の破れ等のいわゆる物理的な欠陥は含まれない。非晶質は、非結晶質、無定形、アモルファスなどと呼ばれる場合がある。また結晶質としては、完全な結晶状態であるものだけでなく、結晶質と非晶質の中間的な性質を持つものも存在するため、定義が困難であるが、完全な結晶質はバリヤー性が高く、水を含めたあらゆる物質を通しにくいことから、RO膜やNF膜における結晶質は、結晶質と非晶質の中間的な性質を持つものが多いものと推定される。したがって、本発明における結晶質としては、完全な非晶質を除いた、結晶質と非晶質の中間的な性質を持つものを含めた広い範囲の状態を指している。
結晶質と非晶質の割合を測定することは、RO膜やNF膜では困難であるものの、一般的に用いられる結晶化度の測定方法を利用してもよい。結晶化度の分析方法としては、X線回折、示差走査熱量計(DSC)、透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いることができる。
本性能改善方法では、加圧通水による処理の効果が高く、加圧通水が最も好ましい。しかし、透過水を得られないほどの低圧による1次側のみの通水処理、浸漬処理、透過側を負圧にすることによる減圧通水、水頭差を利用した低い圧力による低圧加圧通水などを用いることもできる。
このような本発明に係る方法においては、上記分離膜として、逆浸透膜またはナノろ過膜を使用することが好ましい。この方法を用いることによって、膜の塩類阻止性能、シリカやホウ素等の非解離成分阻止性能、有機成分阻止性能の改善が可能となる。特に、非晶質部分の多いNF膜や、酸化劣化や経年劣化を生じたRO膜への効果が大きい。従来の膜表面修飾手段は、結晶質部分を含む膜面全体を処理するため、透過流束が半減する等、大幅な減少を伴うものであった。本発明方法によれば、膜の大部分を占める結晶質部部分には作用せず、ごく一部分の非晶質部分にのみ作用するため、透過流束の減少は限定的であり、高々20%程度の減少に留まる。したがって、本発明方法による膜表面修復手段は、阻止性能の改善技術として、非常に優れたものであると言える。
また、本発明に係る方法においては、上記分離膜として、スパイラル型膜エレメントを使用することが好ましい。スパイラル型膜エレメントは、コストも安く、汎用性も高いため、この構造の膜が多く用いられている。
また、本発明に係る方法においては、上記分離膜として、少なくとも芳香族ポリアミド系素材を含む膜を使用することが好ましい。好適な素材は、芳香族ポリアミド、好ましくは全芳香族ポリアミド、さらに好ましくは架橋全芳香族ポリアミドである。ポリアミド系素材を含む分離膜は、特に非晶質部分が生じやすく、この素材の膜へ本発明方法を適用できるメリットは大きい。ポリアミド系素材を含む分離膜における非晶質部分には、アミド結合の末端基、すなわちアミノ末端基やカルボキシル末端基も含まれる場合が多い。
また、本発明に係る方法においては、上記有機物質の平均分子量が、200〜5000であることが好ましい。より好適な平均分子量は、200〜3000、さらに好ましくは200〜2000である。平均分子量200未満だと、有機物質が膜を透過してしまう場合があるため効果が薄い。5000を超えると、膜のファウリングを引き起こして、透過流束の低下を招くのみで、阻止性能改善には寄与しない。
また、本発明に係る方法においては、上記有機物質として、タンニン酸を用いることが好ましい。ポリフェノール類の中でもとりわけタンニン酸の効果が高く、この物質を用いるのが良い。
上記タンニン酸としては、加水分解型タンニンを用いることができる。タンニン酸には加水分解型と縮合型があり、とりわけ前者の方が効果が高い。
上記タンニン酸としては、五倍子を原料として作られたものを用いることができる。五倍子から抽出されたタンニン酸は、一般に平均分子量が約1700程度のものが多く、修復に好適であるものと推定される。
本発明に係る分離膜は、上記のような本発明に係る方法により性能が改善された分離膜からなる。
本発明に係る分離膜の性能改善装置は、膜面に非晶質部分を有する分離膜に、ポリフェノールを含む有機物質を含む水を加圧通水し、分離膜の非晶質部分を改質して分離膜の性能を改善する手段を有することを特徴とするものからなる。
上記本発明に係る分離膜の性能改善装置においては、上記分離膜は、逆浸透膜またはナノろ過膜からなることが好ましい。
また、上記分離膜は、スパイラル型膜エレメントからなることが好ましい。
また、上記分離膜は、少なくとも芳香族ポリアミド系素材を含む膜からなることが好ましい。
また、上記有機物質の平均分子量としては、200〜5000であることが好ましい。
また、上記有機物質として、タンニン酸が用いられることが好ましい。
タンニン酸としては、加水分解型タンニンが用いられることが好ましい。
また、上記タンニン酸として、五倍子を原料として作られたものが用いられることも好ましい。
このように本発明によれば、膜面に非晶質となっている構造欠陥部位を持つ分離膜を構造修復処理することによって、阻止性能を大幅に改善することができる。特に、シリカやホウ素等の非解離成分や、TOCを代表的な指標とする有機成分などの阻止性能の改善効果が大きく、産業上の利用価値は非常に高い。
以下に、本発明の望ましい実施の形態について説明する。但し、以下に説明する実施の形態は、本発明の実施態様の例を示すものであり、本発明の内容を制限するものではない。
本発明の一実施態様に係る分離膜の性能改善方法を図1を参照して説明する。図1は、本実施形態の方法を実施する、分離膜の性能改善装置の概略機器系統を示している(圧力計、流量計、弁などは適宜省略してある)。図1において、1はタンク、2はポンプ、3は分離膜モジュール、4は圧力調節弁、5〜9はボール弁を、それぞれ示している。なお、分離膜モジュール3は、分離膜そのものである膜エレメント31と、膜エレメント31を格納するための耐圧容器であるベッセル32から成る。
ベッセル32内に修復したい膜エレメント31を装填後、弁5を閉の状態でタンク1に水(純水が好ましい)を十分量入れ、弁6、8、9を閉、弁5、7を開、弁4を適宜開として、ポンプ2を起動する。圧力がかからない状態でしばらく通水し、必要であればタンク1へ純水を補給しながら、分離膜モジュール3を水洗する。なお、本発明でいう圧力がかからない状態とは、透過水が得られないほどの低圧の状態をいう。
次にポンプ2停止後、弁5を閉として、タンク1に水(純水が好ましい)を所定量入れ、処理薬品である有機物質を所定量加えて、十分に溶解する。酸を添加する場合は、同時に加え、所定のpHとなるように調整する。弁7、9を閉、弁5、6、8を開、弁4を所定の圧力になるように開として、ポンプ2を起動する。処理中にpHの測定を行ない、変動する場合には、適宜酸を加えて調整する。
所定時間経過後、ポンプ2を停止し、弁9を開けてタンク1内の薬液を排出する。水(純水が好ましい)でタンク1を水洗後、弁9を閉として水(純水が好ましい)を貯留する。弁6、8、9を閉、弁5、7を開、弁4を適宜開として、ポンプ2を起動する。圧力がかからない状態でしばらく通水し、必要であればタンク1へ純水を補給しながら、分離膜モジュール3を水洗する。また弁6も開として、循環ラインの水洗も適宜行なう。
修復処理後の分離膜は、水処理装置全体のシステム中で用いることができる。例えば、原水を凝集沈殿、砂ろ過、膜ろ過等の方法で除濁処理後、修復処理をした分離膜を用いたり、後段にEDIを用いたりすることもできる。
修復処理薬品である有機物質の濃度は、特に限定されないが、5〜500mg/L、好ましくは10〜200mg/Lであることが、効率良い処理をするために好ましい。5mg/L未満では処理の効果が薄く、500mg/Lを超えるとファウリングを起こす場合があり、好ましくない。
処理時間は、特に限定されないが、5分〜24時間、好ましくは30分〜6時間であることが、効率の良い修復処理をするために好ましい。5分未満では処理の効果が薄く、24時間を超えるとファウリングを起こしたり、処理効果のさらなる向上が望めない場合があり、好ましくない。
修復処理前後で、処理の効果を確認する方法としては、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウムなどの電解質水溶液を用いて、塩類の阻止性能を評価する他、シリカ(ケイ酸ナトリウム)やアルコール類等のTOC成分の阻止性能を評価することが好ましい。通常、ROやNF膜の性能評価は電解質水溶液を用いることが多いが、修復処理によって、非電解質成分や有機成分の阻止性能も向上するため、シリカやTOCを指標として用いるのが良い。
前記加圧通水時の透過流束は、0.3〜5.0m/dayの範囲とすることが、好適な修復効果を得るために望ましい。好適な透過流束の範囲は、0.3〜5.0m/day、好ましくは0.5〜3.0m/day、さらに好ましくは0.7〜2.0m/dayである。 0.3m/day未満では、有機物質の吸着効果が低く、阻止性能の改善が見込めない。5.0m/dayを超えると、ファウリングを起こす場合があり、好ましくない。
前記有機物質を含む水に酸を添加し、pHを1〜5としてもよい。pHを上記範囲にコントロールすることにより、有機物質の沈殿を防ぎ、修復処理を適切に実施することができる。酸としては、特に限定されないが、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、クエン酸、シュウ酸、カルボン酸、などを用いることができ、特にクエン酸は入手が容易で、毒性も低いことから用いやすく、操作性が良い。
本発明で言うポリフェノールとは、複数の水酸基が結合した芳香族化合物を総称した、一般的なポリフェノール類のことを指す。ポリフェノールとしては例えば、アントシアニン、カテキン、タンニン、ルチン、ケルセチン、イソフラボン、フラボノイド、フミン類、フルボ酸、などが挙げられるが、特に限定はされない。
タンニンはタンニン酸、タンニン類とも呼ばれ、混同して用いられるが、本願中では全て同義で用いている。また、五倍子タンニンのことをガロタンニンと呼ぶこともある。なお五倍子とは、ヌルデ属植物の虫コブのことである。
タンニン酸には、加水分解型と縮合型がある。前者の原料の例としては、五倍子、没食子、チェストナット(Chestnut)、オーク(Oak Wood)、ユーカリプタス(Eucalyptus)、ディビディビ(Divi-Divi)、タラ(Tara)、スマック(Sumac)、ミラボラム(Myrabolam)、アルガロビア(Algarobilla)、バロニア(Valonea)、胡桃、栗、木苺、グミ、ザクロ、アカメガシワ、ウルシ科、サンシュユ、ゲンノショウコ、などが挙げられる。後者の原料の例としては、ケプラチョ(Quebracho)、ビルマカッチ(Burma Cutch)、ワットル(Wattle)、ミモザ(Mimosa)、スプルース(Spruse)、ヘムロック(Hemlock)、マングローブ(Mangrove)、カシワ樹皮(Oak bark)、アバラム、ガンビア(Gambier)、茶、柿渋、ユキノシタ、ブドウ、リンゴ、蓮根、コーヒー、しそ、ボケ、椿、ローズマリー、パセリ、サルビアの花、ヒマワリ、などが挙げられる。なお、加水分解型はピロガロール型(Hydrolyzable Tannin)、縮合型はカテコール型(Condensel Tannin)とも呼ばれる。
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
<実施例1>
五倍子タンニンを用いて、図1に示した装置にて、前記方法により修復処理を行なった。膜は日東電工(株)製LES90-D8の新品を用いた。薬液濃度は50mg/Lとした。処理時間は30分間、処理時の透過流束は、1.2m/dayとした。
<実施例2>
実施例1において、膜として3年間、純水製造プラントにて使用し、若干の酸化劣化が見られた、日東電工(株)製ES-10-D8を用いた以外は、実施例1と同じ方法にて処理を行なった。
<比較例1>
修復処理を行なわず、水洗のみを実施した。膜は日東電工(株)製LES90-D8の新品を用いた。
<比較例2>
修復処理を行なわず、水洗のみを実施した。膜は3年間、純水製造プラントにて使用し、若干の酸化劣化が見られた、日東電工(株)製ES-10-D8の新品を用いた。
上記処置後、それぞれの膜のNaCl透過率(透塩率)、Ca2+透過率、シリカ透過率、イソプロピルアルコール(IPA)透過率を測定し、性能評価を行なった。なお、透塩率は導電率にて、IPA透過率はTOCにて評価した。性能評価時の透過流束は、1.0m/dayとした。結果を表1に示す。
Figure 2007111608
表1に示すように、水洗のみの比較例1、2では、前後で阻止性能の変化はなかった。一方、タンニン酸を用い修復処理を施した、実施例1、2では、大幅な阻止性能改善が見られ、特に大きなリークが生じやすいシリカやIPAの阻止性能が改善されており、効果は十分なものであった。
本発明に係る分離膜の性能改善方法および装置は、とくに逆浸透膜やナノろ過膜の構造的欠陥部位を修復して性能を向上・回復させるための分離膜の処理に好適なものであり、処理された分離膜により、地下水や井戸水、河川水、湖水、雨水、工業用水、水道水、ゴミ浸出水、下排水処理水、各種工程回収水などの各種原水の処理効果を高めることができる。
本発明の一実施形態に係る分離膜の性能改善方法を実施するための装置の概略機器系統図である。
符号の説明
1 タンク
2 ポンプ
3 分離膜モジュール
4 圧力調節弁
5、6、7、8、9 ボール弁
31 分離膜としての膜エレメント
32 耐圧容器としてのベッセル

Claims (17)

  1. 膜面に非晶質部分を有する分離膜に、ポリフェノールを含む有機物質を含む水を加圧通水し、分離膜の非晶質部分を改質して分離膜の性能を改善することを特徴とする、分離膜の性能改善方法。
  2. 前記分離膜として、逆浸透膜またはナノろ過膜を使用することを特徴とする、請求項1に記載の分離膜の性能改善方法。
  3. 前記分離膜として、スパイラル型膜エレメントを使用することを特徴とする、請求項1または2に記載の分離膜の性能改善方法。
  4. 前記分離膜として、少なくとも芳香族ポリアミド系素材を含む膜を使用することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の分離膜の性能改善方法。
  5. 前記有機物質の平均分子量が、200〜5000であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の分離膜の性能改善方法。
  6. 前記有機物質として、タンニン酸を用いることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の分離膜の性能改善方法。
  7. 前記タンニン酸として、加水分解型タンニンを用いることを特徴とする、請求項6に記載の分離膜の性能改善方法。
  8. 前記タンニン酸として、五倍子を原料として作られたものを用いることを特徴とする、請求項6または7に記載の分離膜の性能改善方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の方法により性能が改善された分離膜。
  10. 膜面に非晶質部分を有する分離膜に、ポリフェノールを含む有機物質を含む水を加圧通水し、分離膜の非晶質部分を改質して分離膜の性能を改善する手段を有することを特徴とする、分離膜の性能改善装置。
  11. 前記分離膜が、逆浸透膜またはナノろ過膜からなることを特徴とする、請求項10に記載の分離膜の性能改善装置。
  12. 前記分離膜が、スパイラル型膜エレメントからなることを特徴とする、請求項10または11に記載の分離膜の性能改善装置。
  13. 前記分離膜が、少なくとも芳香族ポリアミド系素材を含む膜からなることを特徴とする、請求項10〜12のいずれかに記載の分離膜の性能改善装置。
  14. 前記有機物質の平均分子量が、200〜5000であることを特徴とする、請求項10〜13のいずれかに記載の分離膜の性能改善装置。
  15. 前記有機物質として、タンニン酸が用いられることを特徴とする、請求項10〜14のいずれかに記載の分離膜の性能改善装置。
  16. 前記タンニン酸として、加水分解型タンニンが用いられることを特徴とする、請求項15に記載の分離膜の性能改善装置。
  17. 前記タンニン酸として、五倍子を原料として作られたものが用いられることを特徴とする、請求項15または16に記載の分離膜の性能改善装置。
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