JP2760287B2 - ディスク記録再生装置 - Google Patents

ディスク記録再生装置

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JP2760287B2
JP2760287B2 JP6173437A JP17343794A JP2760287B2 JP 2760287 B2 JP2760287 B2 JP 2760287B2 JP 6173437 A JP6173437 A JP 6173437A JP 17343794 A JP17343794 A JP 17343794A JP 2760287 B2 JP2760287 B2 JP 2760287B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、いわゆるミニディス
ク(MD)のような小型の光磁気ディスク等を用いた記
録再生が可能なディスク記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のディスク記録再生装置として従
来よりMDを使用した記録再生装置が知られている。M
Dでは、コンパクトディスク(CD)と同様のサンプリ
ング方式を採用しつつ、新たな音声圧縮伸長方式を採用
により、CDの1/5程度の情報量でCDに劣らない高
音質を実現することができる。
【0003】録音/再生が可能なMDは、光磁気ディス
クを使用しているので、MDを使用するMDプレーヤに
は、記録再生用の光学ヘッドと、記録時に併用される磁
気ヘッドとを搭載している。そして、ユーザは、通常の
動作時には、ディスクから再生データを読み出す再生モ
ードと、ディスクに対し記録データを書き込む記録モー
ドとを択一的に選択する。
【0004】再生モード時には、ディスクに圧縮されて
記録されたデータをディスクから間欠的に読み出して、
その読出データを例えば1.4Mb/sの速度でバッフ
ァメモリに間欠的に書き込みながら、このメモリに書き
込まれた読出データを例えば0.3Mb/sの速度で間
断無く読み出してデータ伸長したのち、再生信号として
出力する。一方、記録モード時には、記録すべき信号を
データ圧縮して例えば0.3Mb/sの速度でバッファ
メモリに間断無く書き込みながら、書き込まれた圧縮デ
ータを例えば1.4Mb/sの速度でメモリから間欠的
に読み出してディスクに間欠的に記録する。上述したバ
ッファメモリは、外乱によりディスクのトラッキングサ
ーボが外れても、バッファメモリに格納されたデータが
全て読み出されるまでの間は、再生信号の出力及び記録
信号の入力を連続させる機能(以下、「ショックプルー
フ機能」と呼ぶ)を有する。
【0005】ところで、音楽データを例にとると、一度
録音した録音済みデータを再生しながら加工して編集す
ることがある。このような場合には、記録モードと再生
モードとを併用した編集モードが必要になる。期待され
る編集機能には、録音済みデータを再生しながら、その
一部に新たな音楽データを加えてリアルタイムに録音し
直すオーバーダビング、複数の録音済みデータを再生し
ミキシングしてからリアルタイムに録音し直すピンポン
録音、録音済みデータの一部を新たな音楽データに変更
するパンチイン/パンチアウト録音等が含まれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た編集モードを従来のディスク記録再生装置で実現しよ
うとすると、再生動作と記録動作とを同時に実行するた
めに、再生用及び記録用にそれぞれバッファメモリ及び
これらのメモリをそれぞれコントロールするメモリコン
トローラが必要になり、構成が複雑になるという問題点
がある。
【0007】この発明は、このような点を考慮してなさ
れたもので、ディスクを媒体として記録/再生を行うデ
ィスク記録再生装置において、1つの記憶手段だけで再
生と記録とをリアルタイムで同時に実行することができ
るディスク記録再生装置を提供することを1つの目的と
する。この発明は、また、ディスクを媒体として記録/
再生を行うディスク記録再生装置において、1つの記憶
手段だけで再生と記録とをリアルタイムで同時に実行す
ることができ、しかもショックプルーフ機能を有するデ
ィスク記録再生装置を提供することを他の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係るディスク
記録再生装置は、記録可能なディスクに圧縮されて記録
されたデータを前記ディスクから読み出して、その読出
データを第1の速度で記憶手段に間欠的に書き込みなが
ら、前記記憶手段に書き込まれた読出データを前記第1
の速度よりも遅い第2の速度で間断無く読み出してデー
タ伸長したのち、再生信号として出力する再生手段と、
記録すべき信号をデータ圧縮して前記第2の速度で前記
記憶手段に間断無く書き込みながら、書き込まれた圧縮
データを前記第1の速度で前記記憶手段から間欠的に読
み出して前記ディスクに記録する記録手段とを備えたデ
ィスク記録再生装置において、前記ディスクからデータ
を読み出しながら前記ディスクにデータを記録する編集
モードを実行する制御手段を備え、前記制御手段が、再
生に供するデータと記録に供するデータとが前記記憶手
段上に同時に併存するように当該記憶手段を共用しつつ
前記ディスクからの読出と前記ディスクへの記録とを交
互に実行すると共に、前記記憶手段から読み出され再生
に供された読出済のデータの格納位置に当該データに対
応して記録すべき圧縮データを順次格納していき、前記
記憶手段に格納された未読出のデータが所定量に達して
いない場合には所定量に達するまで前記ディスクからの
読出しを優先的に実行し、前記所定量に達している場合
には前記記録すべきデータを規定単位量を単位として前
記ディスクに記録する制御を実行するものであることを
特徴とする。
【0009】前記制御手段は、例えば、前記ディスクに
対するアクセスが不能になったとき、前記記憶手段への
読出データの書込動作及び前記記憶手段からの前記圧縮
データの読出動作を中止して、前記記憶手段からの前記
読出データの読出動作及び前記記憶手段への前記圧縮デ
ータの書込動作のみ継続すると共に、前記ディスクに対
するアクセスを可能にするための回復動作を実行し、前
記ディスクに対するアクセスが可能になった後に、前記
記憶手段への前記読出データの書込動作及び前記記憶手
段からの前記圧縮データの読出動作を再開するものであ
る。
【0010】
【作用】この発明によれば、前記ディスクからデータを
読み出しながら、必要に応じて編集処理を施して前記デ
ィスクにデータを記録する編集モードを実行するに際し
て、前記記憶手段から読み出され再生に供された読出デ
ータの格納位置に当該読出データに対応して記録すべき
圧縮データを順次格納していく。記憶手段からの再生系
のデータ読出速度と、記憶手段への記録系のデータ書込
速度とは、共に第2の速度であるため、両データが記憶
装置上で干渉することはない。このため、記憶手段の空
き領域を有効に利用することができ、少ない記憶手段の
容量でも、1つの記憶手段を再生手段と記録手段とで共
有することができる。
【0011】また、編集モードでは、記憶手段に格納さ
れた未読出のデータが所定量に達していない場合には、
所定量に達するまで前記ディスクからの読出しを、書き
込みに優先させて行うようにしている。このため、記憶
手段には、再生すべきデータが記録すべきデータよりも
多く格納される。従って、ショックプルーフ時には、再
生すべきデータを連続的に読み出して記録すべきデータ
に順次置き代える動作の継続時間を長くとることがで
き、回復動作に十分な余裕を作ることができる。
【0012】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例を
説明する。図1は、この発明の一実施例に係るMDプレ
ーヤの構成を示すブロック図である。MDタイプのディ
スク1は、記録再生が可能な光磁気ディスクである。こ
のディスク1は、スピンドルモータ2によって例えば線
速度一定で回転駆動される。ディスク1の上下には、磁
気記録ヘッド3及び光ピックアップ4がディスク1を挟
んで対向配置されている。磁気記録ヘッド3は、ディス
ク1への情報の書き込み時にディスク1に磁界を印加す
る。光ピックアップ4は、ディスク1から光学的に情報
を読み取る機能及び磁気記録ヘッド3と協動してディス
ク1に情報を書き込む機能を有する。光ピックアップ4
は、送りモータ5によってディスク1の半径方向に移動
可能となっている。光ピックアップ4の読出出力は、高
周波(RF)アンプ6で増幅され、サーボ制御部7に供
給される。サーボ制御部7は、このピックアップ出力に
基づいてスピンドルモータ2の回転制御、送りモータ5
の送り制御及びピックアップ3のフォーカス/トラッキ
ング制御を実行する。
【0013】このMDプレーヤの再生系は、次のように
構成されている。即ち、RFアンプ6の出力は、EFM
(eight to fourteen modulation)エンコーダ/デコー
ダ8にも供給され、ここでACIRC(Advanced cross
interleave Reed-Solomon code)による誤り訂正方式
により復号化され、且つ14ビットのデータから8ビッ
トのデータに復調されて、メモリコントローラ9の制御
のもとでバッファメモリ10に格納される。その際の再
生アドレスは、RFアンプ6の出力をアドレスデコーダ
11がデコードすることによって与えられる。メモリ1
0に蓄積されたデータはメモリコントローラ9によって
適宜読み出され、音声伸長部12によって伸長されたの
ち、D/A変換器13でD/A変換されて再生オーディ
オ出力信号として出力される。
【0014】一方、このMDプレーヤの記録系は、次の
ように構成されている。即ち、記録すべきオーディオ入
力信号は、A/D変換器14でA/D変換され、合成回
路15に供給される。合成回路15には、音声伸長部1
2の出力を遅延補正部16で遅延補正した信号も入力さ
れている。合成回路15は、これらの信号を例えば合成
処理することにより適宜編集し、その出力を音声圧縮部
17に供給する。音声圧縮部17に供給されたデータ
は、ここでデータ圧縮されたのち、メモリコントローラ
9の制御のもとにメモリ10に蓄えられる。メモリ10
に蓄えられた記録すべきデータは、メモリコントローラ
9の制御のもとでEFMエンコーダ/デコーダ8に供給
され、EFM変調及びACIRC符号化されたのち、ヘ
ッドドライブ18に供給される。記録ヘッド3は、この
ヘッドドライブ18により駆動されてディスク1上に必
要なデータを記録していく。
【0015】なお、このMDプレーヤには、この他にシ
ステム全体を制御するシステムコントローラ19と、各
種の情報を表示する表示部20と、再生モード、記録モ
ード、編集モード等のモード指定や各種の指示を与える
複数の操作キー21とが備えられている。
【0016】以上のように構成されたMDプレーヤにお
いて、音声圧縮部17で行われる音声圧縮は、人間の聴
感特性を利用して不要なデータを間引く形で行われる。
例えばATRAC(Adaptive Transform Acoustic Codi
ng)と呼ばれる圧縮技術では、人間の最小可聴限特性と
マスキング効果を利用して、約1/5の情報圧縮を実現
する。このように、ディスク1に記録されるデータは、
圧縮されたデータであるから、連続的に供給される記録
信号又は連続的に出力する再生信号に対してディスク1
に対するアクセスは、間欠動作となる。このため、この
MDプレーヤには両者の整合をとるためのバッファメモ
リ10が備えられる。また、このバッファメモリ10
が、ショックプルーフ機能を有する。
【0017】次に、この装置の動作について説明する。
まず、前提として、互いに独立して行われる通常の再生
動作および記録動作についてそれぞれ説明する。図2
は、再生モード時のバッファメモリ10の状態とディス
ク1のアクセス状態とを説明するための図である。な
お、この図において、上段に示された円は、リングバッ
ファとして機能するバッファメモリ10の状態を示し、
太線部分がデータのバッファリングされている部分、細
線部分が空の部分を示している。また、PW は再生デー
タをメモリ10に書き込む際のポインタ、PR は再生デ
ータをメモリ10から読み出す際のポインタをそれぞれ
示している。
【0018】図2において、再生をスタートすると、ま
ずメモリコントローラ9はEFMエンコーダ/デコーダ
8の出力データを約1.4Mb/sの転送速度で連続的
にメモリ10に蓄える。メモリ蓄積量が所定値Aを超え
ると(a点)、約0.3Mb/sの転送速度で連続的に
メモリからデータが読み出され、音声伸長部12へのデ
ータ転送が開始される。これ以後、メモリ10のバッフ
ァ量は、(1.4−0.3)Mb/sの蓄積速度で増加
していく。メモリ10のバッファ量がメモリ全容量に近
い量Bに達すると(b点)、一旦メモリ10への蓄積が
中止され、ディスク1に対するR/W(リード/ライ
ト)動作から待機状態に移る。この待機の最中もメモリ
10からの再生データの読み出し動作は続けられている
ので、メモリ10の蓄積量は、0.3Mb/sで減少し
ていく。メモリ10のバッファ量が所定値Cを下回ると
(c点)、待機状態のピックアップ4は、R/W動作を
再開する。これにより、EFM復調出力のメモリ10へ
の蓄積が開始される。以後、これら一連の動作を繰り返
すことにより、間欠読出・連続再生を実現する。
【0019】この再生の過程(d点)で、外部からショ
ックが加わり、ピックアップ4のトラッキングサーボ、
フォーカスサーボ等が外れると、アドレスデコーダ11
でアドレスが読み込み不能になる。システムコントロー
ラ19は、これを検知し、サーボ回復動作を実行する。
この間、メモリ10へのデータ蓄積は中断されるので、
メモリ10から音声伸長部12へのデータ転送のみとな
り、0.3Mb/sの速度でメモリ10のデータ蓄積量
が減少していく。サーボ回復動作が終了すると、システ
ムコントローラ19は、ショックで再生できなかったデ
ィスク1上のアドレスの部分をサーチし、その部分から
再生を再開させる(e点)。このように、ディスク1か
らのデータ読出が一時的に不能になっても、メモリ10
からはメモリ10の蓄積データが無くなるまで間断無く
データが音声伸長部12に供給されるので、再生音は正
常に出力される。回復後は、メモリ10のデータ蓄積量
がBに達するまでメモリ10へのデータ蓄積が続けられ
る。
【0020】図3は、記録モード時のバッファメモリ1
0の状態とディスク1のアクセス状態とを説明するため
の図である。なお、この図において、RW は記録データ
をメモリ10に書き込む際のポインタ、RR は記録デー
タをメモリ10から読み出す際のポインタをそれぞれ示
している。
【0021】記録時の制御は、再生時とは逆になる。即
ち、メモリ10への書き込み速度が約0.3Mb/sで
あり、読み出しが1.4Mb/sとなるため、メモリ1
0へのデータ蓄積量は最小になるようにコントロールさ
れる。記録がスタートされると、メモリコントローラ9
は、まず音声圧縮部17からのデータを0.3Mb/s
の転送速度でメモリ10に連続的に蓄積し始める。この
とき、光ピックアップ4は、システムコントローラ19
の制御によって記録エリアの頭をサーチし、待機状態に
移る。メモリ10のデータ蓄積量が規定単位量D(例え
ばディスク1への記録最小単位である1クラスタ分のデ
ータ量)を超えると(a点)、メモリコントローラ9
は、メモリ10から約1.4Mb/sの転送速度でデー
タを読み出し、EFMエンコーダ/デコーダ8にそのデ
ータを供給する。これにより、ディスク1へのデータ記
録が開始される。そして、規定単位量Dの記録が終了す
ると、ピックアップ4は待機状態となる。上記の記録中
においても、音声圧縮部17からのデータ蓄積は行われ
ているので、記録中のメモリ10のデータ蓄積速度は
(0.3−1.4)Mb/sとなる。
【0022】この記録の過程(c点)で、外部からショ
ックが加わり、ピックアップ4のトラッキングサーボ、
フォーカスサーボ等が外れると、アドレスデコーダ11
でアドレスが読み込み不能になる。システムコントロー
ラ19は、これを検知し、サーボ回復動作を実行する。
この間、メモリ10からEFMエンコーダ/デコーダ8
へのデータ転送は中断されるので、音声圧縮部17から
メモリ10へのデータ蓄積により、0.3Mb/sの速
度でメモリ10のデータ蓄積量が増加していく。サーボ
回復動作が終了すると、システムコントローラ19は、
ショックで記録できなかったディスク1上のアドレスの
部分をサーチし、その部分から記録を再開させる(d
点)。このように、ディスク1へのデータ記録が一時的
に不能になっても、メモリ10へのデータ蓄積がメモリ
10の全容量に達するまで音声圧縮部17からメモリ1
0へ間断無くデータを転送することができるので、記録
信号が途切れることはない。回復後は、メモリ10のデ
ータ蓄積量が規定単位量Dを下回るまで規定単位量Dの
整数倍の量のデータの記録が連続して行われる。
【0023】次に、この発明に係る再生と記録とを同時
並列的に実行する動作について説明する。具体的には、
編集モードを例として説明する。前述したように、再生
モードでは、ディスク1から読み出すデータのビットレ
ート(1.4Mb/s)と読み出したデータを再生信号
として出力する際のビットレート(0.3Mb/s)と
が約5:1の比である。従って、図2に示した待機時間
は、再生モードの全時間帯の約4/5に達する。同様
に、記録モードにおいも、記録すべき圧縮データのビッ
トレート(0.3Mb/s)とディスク1に記録する際
のビットレート(1.4Mb/s)とは約1:5の比で
あるから、記録モードの全時間帯の約4/5が待機時間
ということになる。よって、それぞれの待機時間を利用
して交互にディスク1へのアクセスを行えば、記録と再
生とを交互に行うことが可能になる。
【0024】編集モードでは、このような再生と記録と
を同時並列的に実行する。このため、編集モードでは、
録音済みデータを再生しながら、その一部に新たな音楽
データを加えてリアルタイムに録音し直すオーバーダビ
ング、複数の録音済みデータを再生しミキシングしてか
らリアルタイムに録音し直すピンポン録音、録音済みデ
ータの一部を新たな音楽データに変更するパンチイン/
パンチアウト録音等が可能になる。合成回路15は、こ
のための信号の合成を行うもので、A/D変換器14の
出力と遅延補正部16の出力とを乗算する乗算器と乗算
器への入力のゲインを調整する係数回路等で構成されて
いる。係数回路で2つの系統の信号の合成比率を変える
ことにより、上述した種々の編集処理を実現することが
できる。
【0025】図4及び図5は再生と記録とでメモリ10
を共有した編集モードを実現するためのメモリコントロ
ーラ9及びシステムコントローラ19の処理手順を示す
フローチャートである。編集モードでは、メモリ10内
にEFMエンコーダ/デコーダ8の出力を蓄積させると
いう再生制御を、編集済みメモリ10データをEFMエ
ンコーダ/デコーダ8に転送してディスク1に記録する
という記録制御に対して優先させるようにしている。記
録動作は、前述したポインタPR ,PW ,RR ,RW の
値を参照して、PW −RR がメモリ10の全容量に近い
所定値Bを満たしているという条件で、RW −RR が規
定単位量Dだけメモリ10に蓄積された段階で行われ
る。
【0026】以下、具体的な動作例を参照しながら、こ
の動作を説明する。図6は、この編集モードの動作を説
明するための図である。なお、編集モードの開始時点で
のメモリ10のポインタPR ,PW ,RR ,RW は、全
て同じアドレスにあるものとする。編集モードスタート
時、メモリコントローラ9は、まず再生動作を開始し
(S1,S2,S3)、EFMエンコーダ8の出力を約
1.4Mb/sの転送速度で連続的にメモリ10に蓄え
ていく(S4)。PW −RR が所定値Aを超えたら(a
点:S5)、約0.3Mb/sの転送速度でメモリ10
から連続的にデータを読み出して音声伸長部12にデー
タを供給する(S6)。
【0027】ここまでは、通常の再生モードと同じであ
るが、編集モードでは、メモリ10から音声伸長部12
への再生データの転送開始後、更に音声伸長部12及び
A/D変換器14又は遅延補正回路16での処理による
遅延を補正するため、時間Tが経過した時点(b点)か
ら(S7)、音声圧縮部17からの記録すべきデータ
を、メモリ10の時間T前に音声伸長部12へ転送した
再生データと同一アドレス位置から転送開始する(S
8)。つまり、メモリ10の既に転送ずみの再生データ
の記憶場所に、その再生データの編集処理が完了して出
力されるまでの時間を考慮してこれに対応する時間差T
をもって対応する記録すべきデータを重ね書きしていく
ことにより、メモリ10を有効に利用するのである。こ
の間、ディスク1へのR/W動作は再生動作であり、メ
モリ10へ再生データが1.4Mb/sで蓄積され、メ
モリ10から再生データが0.3Mb/sで読み出さ
れ、更にメモリ10へ記録すべきデータが0.3Mb/
sで蓄積されるので、PW −RRで示されるメモリ10
のトータルのデータ量は、1.4Mb/sで増加し、R
W−RR で示される記録すべきメモリ10のデータ量
は、0.3Mb/sで増加していく。
【0028】RW −RR のデータ量が規定単位量Dを超
えたら(c点)、通常の記録モードでは記録を開始した
が、編集モードでは、PW −RR のデータ量が所定値B
を超えるまで再生を続行する(d点)。PW −RR がB
に達したら(S9)、EFMエンコーダ/デコーダ8か
らのデータ蓄積を止めるが(S10)、この時点でRW
−RR のデータ量が既に規定単位量Dを超えているので
(S11)、サーチ動作に移り、ディスク1の記録すべ
き位置に光ピックアップ4を移動させる(S12,S1
3,S14)。サーチの間、PW −RR は一定となる
が、メモリ10からの音声伸長部12への再生データの
転送と、音声圧宿部17からの記録すべきデータのメモ
リ10への蓄積とは続いているので、RW −RR は、
0.3Mb/sの速度で増加する。つまり、メモリ10
の全データ量における記録すべきデータの割合が徐々に
増加することになる。
【0029】サーチ終了後(e点)、記録動作となり、
規定単位量Dのデータがディスク1に記録される(S1
5)。この記録時には、PW −RR は1.4Mb/sで
減少する。従って、記録終了時点(f点)では、PW −
RR は、所定値Cを下回る(S16,S17,S2
4)。このため、記録終了後、再生すべき位置へサーチ
を行い(S18,S19,S20)、再生動作に移る
(S21)。そして、PW −RR が所定値Bに達すると
(S16,S24)、再生動作を止める(S22)。こ
の時点でRW −RR は、まだDに達していないので待機
状態となり(S11,S23)、Dに達すると、記録す
べき位置にサーチし(S11,S12,S13,S1
4)、記録を行う(S15)。以下、同様に再生と記録
とを繰り返す。
【0030】次に編集モードにおけるショックプルーフ
機能について、図7及び図8を参照して説明する。図7
は、再生動作後、待機状態にあるとき、ショックを受け
たときの動作を示している。外乱により、トラッキング
サーボ、フォーカスサーボ等のサーボが外れると、アド
レスデコーダ11でアドレスが読取不能になるので、シ
ステムコントローラ19はこれを検知し(S13)、サ
ーボ回復動作を実行する(S14)。この間、PW −R
R は一定となり、RW −RR は音声圧縮部17からメモ
リ10へのデータ蓄積により、0.3Mb/sで増加し
ていく。サーボ回復が終了すると、PW −RR ≧B、R
W −RR >Dであるため、記録位置へサーチし(S1
2)記録を開始する(S15)。その後、再生と記録と
を待機動作のない状態で繰り返しながらバッファ量を回
復していく。ショックプルーフのカバリング範囲は、通
常の再生と同じく、PW −PR である。従って、ショッ
クプルーフを加味した必要メモリ容量は、ほぼ再生の必
要容量+記録規定単位量Dであればよい。
【0031】図8は、記録動作終了後に外乱があった場
合の図である。サーボ回復後は、RW −RR >Dである
が、PW −RR <Cであるため、まず再生動作を行い
(S18,S19,S21)、次に記録動作を行う(S
12,S13,S15)。以下は上述の場合と同じであ
る。
【0032】なお、以上の実施例では、音声圧縮部17
と音声伸長部12とがそれぞれ独立しているため、同時
に動作可能であるが、音声圧縮と音声伸長とをタイムシ
ェアリング等により同時に処理可能にすれば、これらを
独立させずに1つの処理部としてまとめることができ
る。
【0033】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
ディスクからデータを読み出しながら、必要に応じて編
集処理を施して前記ディスクにデータを記録する編集モ
ードを実行するに際して、前記記憶手段から読み出され
再生に供された読出データの格納位置に当該読出データ
に対応して記録すべき圧縮データを順次格納していくよ
うにしているので、記憶手段の空き領域を有効に利用す
ることができ、少ない記憶手段の容量でも、1つの記憶
手段を再生手段と記録手段とで共有することができる。
【0034】また、この発明によれば、編集モードで
は、記憶手段に格納された未読出のデータが所定量に達
していない場合には、所定量に達するまで前記ディスク
からの読出しを、書き込みに優先させて行うようにして
いるので、記憶手段には、再生すべきデータが記録すべ
きデータよりも多く格納され、ショックプルーフ時に
は、再生すべきデータを連続的に読み出して記録すべき
データに順次置き代える動作の継続時間を長くとること
ができ、回復動作に十分な余裕を作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例に係るMDプレーヤの構
成を示すブロック図である。
【図2】 同装置における再生時の動作を説明するため
の図である。
【図3】 同装置における記録時の動作を説明するため
の図である。
【図4】 同装置における編集モードの動作を説明する
ためのフローチャートである。
【図5】 図4の続きのフローチャートである。
【図6】 同装置における編集モードの動作を説明する
ための図である。
【図7】 同編集モードにおけるショックプルーフ時の
動作を説明するための図である。
【図8】 同編集モードにおけるショックプルーフ時の
動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1…ディスク、2…スピンドルモータ、3…磁気記録ヘ
ッド、4…光ピックアップ、5…送りモータ、6…RF
アンプ、7…サーボ制御、8…EFMエンコーダ/デコ
ーダ、9…メモリコントローラ、10…バッファメモ
リ、11…アドレスレコーダ、12…音声伸長部、13
…D/A変換器、14…A/D変換器、15…合成回
路、16…遅延補正部、17…音声圧縮部は、18…ヘ
ッドドライブ、19…システムコントローラ、20…表
示部、21…操作キー。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録可能なディスクに圧縮されて記録さ
    れたデータを前記ディスクから読み出して、その読出デ
    ータを第1の速度で記憶手段に間欠的に書き込みなが
    ら、前記記憶手段に書き込まれた読出データを前記第1
    の速度よりも遅い第2の速度で間断無く読み出してデー
    タ伸長したのち、再生信号として出力する再生手段と、 記録すべき信号をデータ圧縮して前記第2の速度で前記
    記憶手段に間断無く書き込みながら、書き込まれた圧縮
    データを前記第1の速度で前記記憶手段から間欠的に読
    み出して前記ディスクに記録する記録手段とを備えたデ
    ィスク記録再生装置において、 前記ディスクからデータを読み出しながら前記ディスク
    にデータを記録する編集モードを実行する制御手段を備
    え、 前記制御手段は、再生に供するデータと記録に供するデ
    ータとが前記記憶手段上に同時に併存するように当該記
    憶手段を共用しつつ前記ディスクからの読出と前記ディ
    スクへの記録とを交互に実行すると共に、前記記憶手段
    から読み出され再生に供された読出済のデータの格納位
    置に当該データに対応して記録すべき圧縮データを順次
    格納していき、前記記憶手段に格納された未読出のデー
    タが所定量に達していない場合には所定量に達するまで
    前記ディスクからの読出しを優先的に実行し、前記所定
    量に達している場合には前記記録すべきデータを規定単
    位量を単位として前記ディスクに記録する制御を実行す
    るものであることを特徴とするディスク記録再生装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、 前記ディスクに対するアクセスが不能になったとき、前
    記記憶手段への読出データの書込動作及び前記記憶手段
    からの前記圧縮データの読出動作を中止して、前記記憶
    手段からの前記読出データの読出動作及び前記記憶手段
    への前記圧縮データの書込動作のみ継続すると共に、前
    記ディスクに対するアクセスを可能にするための回復動
    作を実行し、 前記ディスクに対するアクセスが可能になった後に、前
    記記憶手段への前記読出データの書込動作及び前記記憶
    手段からの前記圧縮データの読出動作を再開するもので
    あることを特徴とする請求項1記載のディスク記録再生
    装置。
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