JP2758644B2 - 自動車用マッドガードの取付構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は自動車のホイールアーチ下部に固定されるマ
ッドガードの取付構造に関するものである。

従来の技術 一般に第４図に示す自動車１のホイールアーチ２の下
部で且つ車輪20の後部に位置する部位にマッドガード３
が固定されているが、通常上記マッドガード３のフェン
ダーパネル５への取付構造として、単にボルト締め等の
手段が用いられている外、例えば実公昭57-11816号公報
には第５図に示した構造が開示されている。即ちフェン
ダーガード部3a及びシールド部3bを主体とするマッドガ
ード３が予め樹脂材料を用いて一体成形されており、上
記シールド部3bの車外側一端部が上記ホイールアーチ２
を構成するフェンダーパネル５の周縁部に形成された取
付基部5aに対してボルト等の締付具７を用いて固定され
ている一方、フェンダーガード部3aの他端部が、上記フ
ェエンダーパネル５の外表面に接着剤８を用いて固着さ
れている。従ってマッドガード３がフェンダーパネル５
に対して図面上の２箇所で固定されているため、取付強
度が高められるという特徴を有している。

発明が解決しようとする課題 しかしながらこのような従来のマッドガードの取付構
造の中で、単にボルト締めの手段のみで該マッドガード
３をフェンダーパネル５に固定した場合には、フェンダ
ーガード部3aの端部とフェンダーパネル５表面との間に
外部から砂等の異物が浸入して、自動車の走行時の振動
によりフェンダーパネル５表面の塗装が剥離したり、錆
が発生することがあり、長期の使用時にフェンダーパネ
ル５及びマッドガード３の両者が損壊し易いという課題
があった。

更に実公昭57-11816号公報に記載された構造を用いた
場合、マッドガード３がフェエンダーパネル５に対して
複数箇所で固定されているため、取付工数が増大してコ
ストアップを招来してしまう外、取付時に前記接着剤８
がフェンダーパネル５の塗装面に流出して該塗装面を汚
してしまうことがあり、外観の低下を来してしまうとい
う課題があった。又、どちらの従来例の場合も平面状の
フェンダーパネル５の表面にマッドガード３のフェンダ
ーガード部3aを覆い被せる構造であるため、必然的にフ
ェンダーパネル５とフェンダーガード部3aとの間に段差
が生じてしまい、外観上好ましくないという問題があっ
た。

そこで本発明はこのような従来の自動車用マッドガー
ドの取付構造が有している課題を解消して、フェンダー
パネル表面の損壊やマッドガードの取付工数の増大を招
くことがなく、外観の良好な自動車用マッドガードの取
付構造を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段 本発明は上記の目的を達成するために、自動車のホイ
ールアーチ下部に装備される合成樹脂製のマッドガード
であって、該マッドガードはフェンダーパネルへクリッ
プ連結される取付基部が形成されたマッドガード支持部
と、該マッドガード支持部と一体に構成されて、車輪の
後部に配置されるたシールド部とを備えて成り、前記マ
ッドガード支持部はフェンダーパネルを部分的に置換
し、該フェンダーパネルと面一に取付けられている自動
車用マッドガードの取付構造の構成にしてある。

作用 かかる構成によれば、フェンダーパネルの一部とマッ
ドガードが一体に形成されていることになるため、フェ
ンダーパネル表面の損壊を防止できて、更にマッドガー
ドの車体への組付構造が極めて簡易化される。又、フェ
ンダーパネルとマッドガード支持部が面一に取り付けら
れているので、外観が良好になるという作用が得られ
る。

実施例 以下図面に基づいて本発明にかかる自動車用マッドガ
ードの一実施例を、前記従来の構成と同一の構成部分に
同一の符号を付して詳述する。

第１図に示した自動車１において、２はホイールアー
チであって該ホイールアーチ２を構成するフェンダーパ
ネル５の下側部で且つドア９の近傍部位に、本発明にか
かるマッドガード10が装備されている。このマッドガー
ド10は、第２図，第３図に示したようにマッドガード支
持部10aとシールド部10bを主体として構成されていて、
上記マッドガード支持部10aとシールド部10bとが予め樹
脂材料を用いて一体成形されている。

即ち上記マッドガード支持部10aは、本来フェンダー
パネル５が占めていた部位に１部分が浸入しており、換
言すれば従来フェンダーパネル５によって構成されてい
た部材をマッドガード支持部10aによって部分的に置換
した構成となっている。

上記のマッドガード支持部10aの上端部には、第２図
に示した如く該マッドガード支持部10aの一端を内側に
折曲した取付基部10cが形成されている。又、上記フェ
ンダーパネル５の下端部には、同様な取付基部5aが形成
されていて、この取付基部5aと前記マッドガード10の取
付基部10cとが樹脂クリップ12を用いて面一に連結され
ている。

更に上記マッドガード支持部10aの下端部10dも、樹脂
クリップ12を用いて車体側の強度部材16のフランジ部16
aに連結されている。

従ってマッドガード10は、図面上フェンダーパネル５
の下端部に形成された前記取付基部5aと、車体側の強度
部材16のフランジ部16aとの２個所で車体側に固定され
ている。

かかる構成によれば、従来のように接着剤等を用いる
ことなくマッドガード10をフェンダーパネル５及び強度
部材16に固定することができるので、該マッドガード10
の車体への組付作業が極めて簡易化されるという特徴が
ある。又、フェンダーパネル５の表面にマッドガード支
持部10aが直接接触していないので、該フェンダーパネ
ル５の塗装面が剥離する惧れがないという作用がある。

更に上記マッドガード10は、マッドガード支持部10a
とシールド部10bとが樹脂材料を用いて一体成形されて
おり、フェンダーパネル５と面一に取り付けられている
ため、外観が良好になるという特徴を有している。

発明の効果 以上詳細に説明した如く、本発明にかかる自動車用マ
ッドガードによれば、自動車のホイールアーチ下部に装
備される合成樹脂製のマッドガードであって、該マッド
ガードはフェンダーパネルへクリップ連結される取付基
部が形成されたマッドガード支持部と、該マッドガード
支持部と一体に構成されて、車輪の後部に配置されるた
シールド部とを備えて成り、前記マッドガード支持部は
フェンダーパネルを部分的に置換し、該フェンダーパネ
ルと面一に取付けられている自動車用マッドガードの取
付構造の構成にしたので、以下に記す作用効果がもたら
される。即ち、フェンダーパネルの一部とマッドガード
が一体に形成されていることになるため、フェンダーパ
ネルの表面にマッドガード支持部が直接接触することが
なくなり、フェンダーパネル表面の損壊を防止すること
ができる。更に接着剤を用いることなくマッドガードを
フェンダーパネルに固定することができるため、マッド
ガードの車体への組付作業を極めて簡易化することがで
きる。

又、フェンダーパネルとマッドガード支持部が面一に
取り付けられているので、フェンダーパネルとの一体感
が得られ、外観を良好にすることが可能となる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明にかかる自動車用マッドガードの取付例
を示す外観図、第２図は第１図のII-II線に沿う断面
図、第３図は第１図のIII-III線に沿う断面図、第４図
は自動車を示す側面図、第５図は従来のマッドガードの
取付例を示すとともに第４図のV-V線に沿う断面図であ
る。 １……自動車、２……ホイールアーチ、５……フェンダ
ーパネル、10……マッドガード、10a……マッドガード
支持部、10b……シールド部、5a,10c……取付基部、12
……樹脂クリップ、

フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭62−156583（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭57−11816（ＪＰ，Ｙ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B62D 25/18

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自動車のホイールアーチ下部に装備される
   合成樹脂製のマッドガードであって、該マッドガードは
   フェンダーパネルへクリップ連結される取付基部が形成
   されたマッドガード支持部と、該マッドガード支持部と
   一体成形されて、車輪の後部に配置されるシールド部と
   を備えて成り、前記マッドガード支持部はフェンダーパ
   ネルを部分的に置換し、該フェンダーパネルと面一に取
   付けられていることを特徴とする自動車用マッドガード
   の取付構造。