JPH0321341Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車に装着されるリヤマツドガー
ドに関するものである。

〔従来技術〕

従来の自動車用リヤマツドガードを第１図乃至
第３図に基づいて説明する。

近年、自動車の燃費向上を目的として自動車車
体の軽量化が進められており、それに伴ない自動
車車体も合理的な設計がなされるようになつてい
る。

例えば、自動車後部に取付けられるリヤバンパ
Ｂは、その両端に車体側面に廻り込むバンパサイ
ド部５が形成され、このバンパサイド部５の端縁
をクオータパネル６のリヤホイールアーチ部６ａ
まで延長して、リヤホイールアーチ部６ａの一画
を形成させるとともに、このバンパサイド部５の
前記端縁を、さらに車内側方向に折曲延在してフ
ランジ５ａが形成されている。

そして、このようなバンパサイド部５を有する
前記リヤバンパＢを装備した自動車車体において
は、前記バンパサイド部５の背後に隠れていた車
体外板の部分を廃止することにより、車体の軽量
化を図るようになつている。

また、後車輪から巻き上げられた泥水等が、前
記バンパサイド部５に付着しないように、このバ
ンパサイド部５の端縁にはリヤマツドガード１が
取付けられており、このリヤマツドガード１は以
下のように構成され、かつ取付けられている。

まず、リヤマツドガード１は、車体側への取付
け用ボルト孔２ａを有する取付け基板部２に、ゴ
ムあるいは軟質合成樹脂などの弾性材からなるマ
ツドガード本体３を一体に形成し、このマツドガ
ード本体３の車外側端部には、前記リヤホイール
アーチ部６ａの一画を形成している前記バンパサ
イド部５の端縁の外側面５ｂを包囲する鍔部４
が、車後方向に向けて一体成形されている。

そして、このように構成されたリヤマツドガー
ド１は、その鍔部４をバンパサイド部５の端縁の
外側面５ｂに沿わせて配設するとともに、前記取
付け基板部２に一体形成された前記マツドガード
本体３部位を、前記バンパサイド部５のフランジ
５ａに沿わせて配設し、前記取付け基板部２の取
付け用ボルト孔２ａを介して、車体側の取付け部
８に固着の溶接ナツト８ａに対してボルト９を捩
じ込んで、前記取付け基板部２を前記車体側の取
付け部８に固定することにより、前記リヤマツド
ガード１を車体に取付けるようになつている。

ところで、前記バンパサイド部５の背後に隠れ
ていた車体外板の部分が廃止された関係から、前
記車体側の取付け部８は、リヤマツドガード１の
鍔部４とバンパサイド部５の端縁外側面５ｂとの
合せ部から離れた部位に設けざるを得なくなつて
おり、車体側の取付け部８におけるボルト９，ナ
ツト８ａの捩じ込み固定部位と、前記合せ部との
オフセツト量Ｘが必然的に大きくなることによつ
て生じる前記リヤマツドガード１の取付剛性の低
下は避けられないものである。

また、第３図図示の取付状態において、前記バ
ンパサイド部５の端縁外側面５ｂからフランジ５
ａの先端までの部位は、前記リヤマツドガード１
の鍔部４及びマツドガード本体３が沿わせて配設
されているのみであり、特に前記バンパサイド部
５のフランジ５ａの先端は、所謂自由端状態のま
まとなつているものである。

ここで、このような状態では、前記バンパサイ
ド部５のフランジ部５ａが所謂剛的な結合状態と
なつていないことにもなる。

従つて、前記リヤマツドガード１の取付剛性の
低下と相まつて、リヤマツドガード１の取付けに
際して、このリヤマツドガード１の鍔部４と前記
バンパサイド部５の端縁の外側面５ｂとの合せ部
に隙間が生じるため、外観上の見栄えが悪化する
ことになる。

また、このような合せ部の隙間発生による外観
見栄え悪化という不具合を防止するためには、前
記リヤマツドガード１を取付ける際に、前記合せ
部に隙間を生じないように、作業者が、バンパサ
イド部５の端縁の外側面５ｂにリヤマツドガード
１の鍔部４を押しあてた状態を維持しつつ、ボル
ト９の捩じ込み作業をしなければならないため、
その取付作業が煩雑となり、リヤマツドガード１
の取付作業性が低下することになる。

〔考案の目的〕

そこで本考案の目的は、リヤマツドガードの取
付作業性を損なうことなく、リヤマツドガードの
取付状態でマツドガード本体が密接するバンパサ
イド部部位を剛結合して、リヤマツドガード取付
状態での信頼性及び外観見栄えを向上することに
ある。

〔考案の構成〕

このような目的を達成するため、本考案は、前
述したような自動車用リヤマツドガードにおい
て、 リヤマツドガードにおけるマツドガード本体の
車後方側面に、前記バンパサイド部のフランジ先
端に当接するリブを車後方向に向けて突出形成
し、このリブとマツドガード本体の鍔部とで、前
記バンパサイド部の端縁外側面からフランジ先端
までを密接挟持する挟持部を形成したものであ
る。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

ここで、前記第１図乃至第３図に示される従来
の自動車用リヤマツドガードと同一または相当部
分には第１図乃至第３図と同一の符号を付するこ
とにより説明を省略する。

そして、前記第１図乃至第３図に示される従来
の自動車用リヤマツドガード１及びリヤバンパＢ
と同様の構造において、本考案は、第４図及び第
５図に示すように、リヤマツドガード１を構成す
るマツドガード本体３の車後方側面に、前記バン
パサイド部５のフランジ５ａ先端に当接するリブ
７を車後方向に向けて突出形成し、このリブ７と
マツドガード本体３の鍔部４とで、前記バンパサ
イド部５の端縁外側面５ｂからフランジ５ａの先
端までを密接挟持する挟持部１０を形成したもの
である。

具体的には、リヤマツドガード１のマツドガー
ド本体３における、取付け基板部２に一体に形成
された部位において、この部位に形成した鍔部４
とは反対側である車内側自由端近傍の車後方側面
に、前記バンパサイド部５のフランジ５ａ先端に
当接するリブ７を車後方向に向けて突出形成す
る。

そして、このリブ７と前記鍔部４とで前記バン
パサイド部５の端縁外側面５ｂからフランジ５ａ
の先端までの部位を密接させて挟持する挟持部１
０を形成する。

而して、リヤマツドガード１の取付時及び取付
状態では、第５図に示すように、リヤホイールア
ーチ部６ａの一画を形成する前記バンパサイド部
５の端縁外側面５ｂ及びこれから折曲形成された
フランジ５ａに、前記鍔部４及びマツドガード本
体３部位を密接させ、かつ前記フランジ５ａの先
端をリブ７に当接させることにより、前記挟持部
１０によつて、前記バンパサイド部５の端縁の外
側面５ｂからフランジ５ａの先端までの部位を密
接状態で挟持することができるため、前記リヤマ
ツドガード１を取付けるべく、そのマツドガード
本体３及び鍔部４を密接させて支持する前記バン
パサイド部５における端縁外側面５ｂからフラン
ジ５ａの先端までの部位を、前記挟持部１０によ
つて所謂剛的に結合することができ、相対的にこ
の部位の強度をアツプすることができる。

これにより、前記鍔部４とバンパサイド部５の
端縁外側面５ｂとの合せ部から、車体側取付け部
８のボルト９，ナツト８ａによる固定部位までの
オフセツト量が大きくても、前記挟持部１０によ
る前記バンパサイド部５における端縁外側面５ｂ
からフランジ５ａの先端までの部位の剛結合によ
る強度アツプと相まつて、前記リヤマツドガード
１の取付剛性を高めることができるとともに、こ
れにより第５図図示のリヤマツドガード１の取付
状態において、このリヤマツドガード１を確実強
固に取付けることができる。

従つて、第５図図示のリヤマツドガード１の取
付状態では、このリヤマツドガード１を取付ける
べく、鍔部４及びマツドガード本体３（挟持部１
０）が密接する前記バンパサイド部５の端縁外側
面５ｂからフランジ５ａ先端までの部位を含めた
前記バンパサイド部５の端縁周り、及び取付けら
れた前記リヤマツドガード１のいずれの耐久性を
も向上することができ、この取付状態での所謂信
頼性を大幅に向上することができる。

また、このように前記挟持部１０による前記バ
ンパサイド部５の端縁外側面５ｂからフランジ５
ａ先端までの部位の剛結合、及び前記リヤマツド
ガード１の取付剛性向上により、その取付時及び
取付状態において、前記バンパサイド部５の端縁
外側面５ｂとマツドガード本体３の鍔部４との合
せ部を、良好な面合せ状態とすることができ、こ
の合せ部に隙間が生じることはなく、確実に取付
けることができるため、外観見栄えを向上するこ
とができ、このことからもリヤマツドガード１の
取付状態における信頼性を向上することができ
る。

さらに、リヤマツドガード１を取付ける際に
は、前記リブ７とバンパサイド部５のフランジ５
ａ先端との当接により、このバンパサイド部５の
端縁外側面５ｂに対して前記鍔部４の位置決めを
行なうことができるため、前記合わ部における良
好な面合せ状態の確保によつて、作業者による取
付作業も容易にすることができることと相まつ
て、リヤマツドガード１の取付作業性を向上する
ことができる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、リヤマツドガードを取付ける
べく、そのマツドガード本体が密接するリヤバン
パのバンパサイド部部位を、リヤマツドガードに
形成した挟持部で剛結合することができ、かつこ
れによりリヤマツドガードの取付剛性を向上する
ことができるため、リヤマツドガード取付状態に
おける信頼性及び外観見栄えを向上することがで
きるとともに、リヤマツドガードの取付作業性を
向上することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、自動車の車体全体の斜視図、第２図
は、従来の自動車用リヤマツドガードを示す第１
図における部の拡大斜視図、第３図は、第２図
の−線相当部分の断面図、第４図は、本考案
に係る自動車用リヤマツドガードの実施例を示す
第１図における部の拡大斜視図、第５図は、第
４図の−線相当部分の断面図である。 Ｂ……リヤバンパ、５……バンパサイド部、６
……クオータパネル、６ａ……リヤホイールアー
チ部、５ａ……フランジ、５ａ……取付け用ボル
ト孔、２……取付け基板部、３……マツドガード
本体、５ｂ……外側面、４……鍔部、１……リヤ
マツドガード、７………リブ、１０……挟持部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体側面に廻り込むリヤバンパのバンパサイド
   部の端縁を、クオータパネルのリヤホイールアー
   チ部まで延長してリヤホイールアーチ部の一画を
   形成させ、かつ前記端縁を車内側方向に折曲延在
   してフランジを形成するとともに、車体への取付
   け用ボルト孔を有する取付け基板部に、弾性材か
   らなるマツドガード本体を一体に形成し、このマ
   ツドガード本体に、前記リヤホイールアーチ部の
   一画を形成しているバンパサイド部の端縁の外側
   面を包囲する鍔部を一体成形した自動車用リヤマ
   ツドガードにおいて、 前記マツドガード本体の車後方側面に、前記バ
   ンパサイド部のフランジ先端に当接するリブを車
   後方向に向けて突出形成し、このリブと前記鍔部
   とで、前記バンパサイド部の端縁外側面からフラ
   ンジ先端までを密接挟持する挟持部を形成したこ
   とを特徴とする自動車用リヤマツドガード。