JPS6222464Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、二輪車等の車両におけるフロント
フエンダの取付け構造に関する。

一般に、オートバイ、スクータ等の二輪車の前
輪には、車輪の回転による泥のはね上げを防ぐ目
的で、前輪の上方を覆うようにしてフロントフエ
ンダが設けられている。

一般に、この種のフロントフエンダは、第１図
に示すように車体フレーム１の前部のヘツドパイ
プ１ａに回転自在に支持されたステアリングステ
ム２に固定されたフロントフオーク３に取り付け
られるが、従来その取付けは、フロントフエンダ
４の中央左右に突設されたブラケツト５の左右２
個ずつ合計４個のねじ孔６を用い、フロントフオ
ーク３の取付け片８を介して上記ねじ孔６に締付
けボルト７を螺入することにより行なつている。

ところで、上記従来の取付け構造によれば、フ
ロントフエンダ４が左右それぞれ２個ずつのねじ
孔６によつてフロントフオーク３に取り付けられ
るので、フロントフエンダ４の回転が防がれ、確
実な結合が行なわれるが、上記フロントフエンダ
４の組み付けの際には、上記四個所のねじ孔６に
それぞれ締付けボルト７を用いて仮締めしない
と、上記フロントフエンダ４のねじ孔６と、フロ
ントフオーク３に設けた取付け片８との相互の位
置が決まらないため、仮締めをする手間がかか
り、その結果作業能率が悪くなる等の不都合があ
つた。

この考案は、以上の点を考慮してなされたもの
で、フロントフエンダをフロントフオークに締め
付けるボルトの個数を減らし、フロントフエンダ
の組み付けにおける作業能率を向上するフロント
フエンダの取付け構造を提供することを目的とす
る。

以下、この考案を図面を参照して説明する。

第２図ないし第４図はこの考案の一実施例を示
すもので、この左右一対のフロントフオーク２
０，２０は、車体フレーム２１の前部に設けられ
たヘツドパイプ２１ａに回転自在に支持されたス
テアリングステム２２に、ボトムブリツジ２３と
トツプブリツジ（図示せず）を介して固定される
とともに、上記フロントフオーク２０の下端には
前輪２４が支承される。また前輪２４の上側（第
３図上側）には、断面逆Ｕ字状のフロントフエン
ダ２５が上記前輪２４の上方を覆うように設けら
れる。

上記フロントフエンダ２５の中央裏面には、下
方に延出する取付ブラケツト２６がビス２７によ
り固着する（車体に対してブラケツトの右側は図
示されていない。）また上記取付ブラケツト２６
には、側部と下端の長さ方向に沿つて嵌合段部２
８が、前輪２４側に向けて突設されるとともに、
取付ブラケツト２６の下部には孔２９が穿設され
る。すなわち、上記取付ブラケツト２６には、後
述の支持部材３０との重合部の一側に嵌合段部２
８が設けられている。

一方、上記フロントフオーク２０には、支持部
材３０が後方に向かつて突設される。この支持部
材３０の外周形状は、支持部材３０の外周部３０
ａが上記嵌合段部２８に当接するようになつてい
る。また、支持部材３０のほぼ中央部には、透孔
３１が穿設される。上記取付ブラクツト２６と支
持部材３０は、取付ブラケツト２６を支持部材３
０に外側から覆うようにして嵌合させ、孔２９と
透孔３１とに座金４３を介してボルト４０を挿入
させ、このボルト４０にナツト４１を座金４４を
介して螺合することにより一体に結合する。すな
わち、フロントフエンダ２５の取付ブラケツト２
６とフロントフオーク２０に配設された支持部材
３０との重合部をボルト４０とナツト４１とから
成る締着部材４２にて締着する。

なお、ボルト４０とナツト４１とから成る締着
部材４２は、例えば支持部材３０の透孔３１をね
じ孔に形成し、このねじ孔にボルトを螺入する構
成としても良い。また上記ブラケツト２６はフロ
ントフエンダ２５と一体成形しても良い。

なお、図中４５はブレーキワイヤ（特に図示せ
ず）を止めるため、フロントフエンダ２５に設け
た止め部材である。

次に作用について説明する。

まず、フロントフオーク２０にフロントフエン
ダ２５を取り付けるには、本実施例においては、
フロントフエンダ２５をフロントフオーク２０の
間に、その後方側から挿入することにより、フロ
ントフエンダ２５の中央左右に突設した取付ブラ
ケツト２６を、フロントフオーク２０に突設した
支持部材３０にその外面を覆うように嵌合させる
とともに、取付ブラケツト２６に形成された嵌合
段部２８を、前記取付ブラケツト２６の周縁部の
下方と、取付ブラケツト２６の突出側すなわち後
方とも当接させ、次いで、取付ブラケツト２６の
取付け孔２９と支持部材３０の透孔３１に座金４
３を介してボルト４０を挿入し、このボルト４０
にナツト４１を座金４４を介して螺合すれば良
い。

上記において、フロントフエンダ２５をフロン
トフオーク２０の間にその後方から挿入すること
によつて、取付ブラケツト２６と支持部材３０と
を重合させることができるとともに、この操作に
際して、フロントフエンダ２５を変形させる必要
がなく円滑な操作が可能となり、かつ、フロント
フエンダ２５とフロントフオーク２０とのこすれ
が抑制される。また、取付ブラケツト２６と支持
部材３０とを連結する際に、ボルト４０の締め付
け操作が前輪の外部側から行えるので、障害物が
なく作業が迅速に行える。そして、連結後におい
ては、フロントフエンダ２５の前方向（第３図反
時計方向）への回転は、取付ブラケツト２６の一
側側部に突設した側段部２８ａにより、またフロ
ントフエンダ２５の後方向への回転は、ブラケツ
ト２６の下部に突設した下段部２８ｂによりそれ
ぞれ防止される。したがつて、フロントフエンダ
２５のフロントフオーク２０への取付けが左右そ
れぞれ１個のボルト４０によつて確実に行なわれ
る。このため、フロントフエンダ２５の締付け作
業が簡単かつ確実にできるとともに、フロントフ
エンダ２５と前輪２４との隙間を一定に保ち、位
置決めを正確かつ確実に行なうことができる。こ
のように、フロントフエンダ２５をフロントフオ
ーク２０に締付けるボルトの個数を２個と減らす
ことができるので、フロントフエンダ２５を組み
付ける際の作業能率を上げることができるととも
に、コストダウンを計ることができる上、外観上
もボルトが減るため、美観も良好になる。

以上説明したように、この考案はフロントフエ
ンダの両側部に延設された一対の取付ブラケツト
と、フロントフオークに配設され前記各取付ブラ
ケツトが重合させられる支持部材とを締結部材に
て結着してなるフロントフエンダの取付け構造で
あつて、前記支持部材は前記フロントフオークが
取り付けられた車体の前後方向に沿い、かつ、フ
ロントフオークから一方向に向かつて突設されて
いるとともに、前記取付ブラケツトには、前記各
支持部材の周縁部に、車体の下方および支持部材
の突出側から当接させられる嵌合段部が形成され
ていることを特徴とするもので、フロントフエン
ダをフロントフオークに締付けるボルトの個数を
最少限に減らすことができるから、仮締めの手間
がかからず、フロントフエンダを組み付ける際の
作業能率を向上させることができ、また、取付ブ
ラケツトと支持部材とを重合させる際に、フロン
トフエンダをフロントフオークの間に、車体の前
後方向に沿つて挿入することにより容易に行うこ
とができるとともに、フロントフエンダや取付ブ
ラケツトを変形させることなく重合させることが
でき、しかも、この重合部の連結を行うに際し
て、車体の外部側からの操作によつて行うことが
でき、これらの相乗作用により、フロントフエン
ダやフロントフオークの損傷を防止しつつ、前述
した組み付け作業の一層の能率向上を図ることが
できる等の優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す分解斜視図、第２図ない
し第４図はこの考案の一実施例を示すもので、第
２図は分解斜視図、第３図は一部切欠き断面図、
第４図は第３図−線に沿う断面図である。 ２０……フロントフオーク、２４……前輪、２
５……フロントフエンダ、２６……取付ブラケツ
ト、３０……支持部材、４２……締着部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロントフエンダの両側部に延設された一対の
   取付ブラケツトと、フロントフオークに配設され
   前記各取付ブラケツトが重合させられる支持部材
   とを締結部材にて結着してなるフロントフエンダ
   の取付け構造であつて、前記支持部材は前記フロ
   ントフオークが取り付けられた車体の前後方向に
   沿い、かつ、フロントフオークから一方向に向か
   つて突設されているとともに、前記取付ブラケツ
   トには、前記各支持部材の周縁部に、車体の下方
   および支持部材の突出側から当接させられる嵌合
   段部が形成されていることを特徴とするフロント
   フエンダの取付け構造。