JPH0335126B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、窓開口フランジ下縁に固着されたウ
インドガラスを下縁部と車体パネルとの間に形成
される間隙部を隠蔽すべく装着されたウインドシ
ールドモールの取付構造に関する。

従来この種ウインドシールドモールの取付構造
として、例えば第１図及び第２図に示すように、
カウルトツプ２の上方にフード１の後端部が延長
され、このフード１後端部とカウルトツプ２との
間に形成された開口部３内に不使用時のワイパー
プレード４が収納されるような、いわゆるコンシ
ールドタイプの車両においては、フロントウイン
ドガラス５の下端部は、第２図に示すように、カ
ウルトツプ２の上縁に形成された窓開口フランジ
下縁６に接着剤７を介して固着されているが、こ
のタイプにおいて、フロントウインドガラス５の
下縁とカウルトツプ２との間を隠蔽すするため
に、フロントウインドガラス５の下縁とカウルト
ツプ２の傾斜表面９との間には装飾用のウインド
シールドモール１０が装着されている。なお、第
２図中８はスペーサである。この取付構造として
は、第２図に示すように、ウインドシールドモー
ル１０の上縁が内方に折曲形成されており、該折
曲片１１をフロントウインドガラス５の下縁を被
覆すべく、該部分に当接支持させると共に、ウイ
ンドシールドモール１０の略中央部にエンボス部
１２を形成し、このエンボス部１２とこれに対応
して形成されたカウルトツプ２のエンボス部１３
とを螺子締め固定することによりウインドシール
ドモール１０を装着していた。尚、上記固定部は
ワイパープレード４の最終収納位置より上方に形
成されているが、固定部における螺子１４の頭部
をウインドシールドモール１０の表面に突出しな
いようにしておくことによつて、ワイパープレー
ド４の損傷を防ぐと共に作動時に邪魔にならない
ように配慮していた。

このように、従来ウインドシールドモール１０
をワイパープレード４の上部位置でカウルトツプ
２に固定していたのは、ウインドシールドモール
１０上端部の浮き上がりを完全に防止するため
に、ウインドシールドモール１０の幅寸法を極力
抑える要請があり、そのためウインドシールドモ
ール１０の下端をワイパープレード４の収納位置
近傍で抑え、該ワイパープレード４の上部位置に
エンボス部１２を設けることによつて上記要請に
応えていた。

しかしながら、このような従来のウインドシー
ルドモールの取付構造にあつては、ウインドシー
ルドモール１０にエンボス部１２と、カウルトツ
プ２にエンボス部１３を夫々形成しなければなら
ず、製造工程がその分増えて面倒となる他、形成
精度等も要求されるために、製造コスト上昇の一
因ともなつていた。

また、ウインドシールドモール１０のエンボス
部１２は、モールの幅方向の略中央部に形成され
ていたので、ウインドシールドモール１０の螺子
固定部が開口部３を通して外部から見え易く、見
映を悪くしていた。尚、このような問題はリヤウ
インドガラス下縁に装着されるウインドシールド
モールの取付構造についても同様である。

本発明は以上の観点に立つてなされたものであ
り、ウインドシールドモールにワイパプレードの
損傷を防ぐためのエンボス部を形成することなく
浮き上がりを防止することができ、かつ固定部を
ワイパープレード収納位置の下方側に隠すことに
よつて外観品質を向上させることができるウイン
ドシールドモールの取付構造を提供することを目
的とする。即ち、本発明はウインドシールドモー
ルの下端部をワイパープレードの収納位置より下
方で車体パネルに取り付ける一方、ウインドシー
ルドモールの上縁部を形成した折曲片に、窓開口
フランジに係止する係止手段を設け、該係止手段
によりウインドシールドモール上縁部を車体もし
くはウインドガラスに係止したことを特徴とする
ものである。

以下添付図面に示す実施例に基いて本発明を詳
細に説明する。

第３図に示す実施例において、フロントウイン
ドガラス５は車体パネルの一部であるカウルトツ
プ２の上縁部に形成された窓開口フランジ下縁６
に接着剤７を介して固定されているが、このフロ
ントウインドガラス５の下縁及びカウルトツプ２
の傾斜表面９には両者の間の空隙部を被覆するウ
インドシールドモール１０が装着されている。こ
のウインドシールドモール１０は下端部がワイパ
ープレード４の最終収納位置よりも下方まで延長
されており、該延長部において、ビス１５Ａとグ
ロメツト１５Ｂによりカウルトツプ２に固着され
る一方、上縁部を形成した折曲片に１１に、該折
曲片１１の内側空隙部１９に設けられた係止手段
１６によつて窓開口フランジ下縁６に係止されて
いる。この係止手段１６は窓開口フランジ下縁６
の底部に配置され、上面に複数の係止爪１８が形
成されたフアスナ１７と、ウインドシールドモー
ル１０の上縁内方に折曲形成された折曲片１１の
内側空隙部１９内に嵌合固定される底部２１を有
し、かつ、前記フアスナ１７の係止爪１８のいず
れか一つに係止される係止受部２２が本体上部の
背面側に形成された係止部材２０とで構成されて
おり、ウインドシールドモール１０に嵌合固定し
た係止部材２０をフアスナ１７に係止させること
によつてウインドシールドモール１０をフロント
ウインドガラス５の下縁部に圧接固定している。

ウインドシールドモール１０を実際に装着する
場合には、先ず窓開口フランジ下縁６の底部数箇
所にフアスナ１７を接着する一方、ウインドシー
ルドモール１０の折曲片１１の内側空隙部１９内
には前記フアスナ１７に対応する位置に係止部材
２０を嵌合固定し、ウインドシールドモール１０
を所定位置に配置して上記係止部材２０の係止受
部２２にフアスナ１７の係止爪１８が係止される
まで押し込みウインドシールドモール１０の上縁
をフロントウインドガラス５に圧接固定する。次
に、ウインドシールドモール１０の下端部をビス
１５Ａとグロメツト１５Ｂによりカウルトツプ２
に固着することによつてウインドシールドモール
１０の装着が完了する。尚、フロントウインドガ
ラス５の下端部と窓開口フランジ下縁６との間の
間隙部内において、上記係止手段１６の配設箇所
以外の部分には、従来と同様取付位置調整用のス
ペーサ（第３図では図示せず）が介装されてい
る。第３図中、符号２３は接着剤７の食み出しを
防止するためのダムラバー、符号１は自動車のフ
ードである。

第４図は本発明の他の実施例を示したものであ
り、ウインドシールドモール１０の上縁部に形成
した折曲片１１を前記実施例とは異なる係止手段
により固定したものである。即ち、この係止手段
は、第４図に示すように、ウインドシールドモー
ル１０の上縁部を形成した折曲片１１に沿つてそ
の一部又は全縁がフロントウインドガラス５側に
向かつて断面コ字状に折曲形成され、フロントウ
インドガラス５の下端に嵌め込む受け部２４とし
て構成されたものであり、これによりウインドシ
ールドモール１０装着時にはモールの浮き上がり
が防止される。

従つて、この実施例においてウインドシールド
モール１０を装着する場合には、例えば周縁部に
ダムラバー２３が貼付され、かつ、その外周に接
着剤７が充填されたフロントウインドガラス５の
下縁に、接着剤７を押し分けるようにしてウイン
ドシールドモール１０の受け部２４を嵌め込み、
ウインドシールドモール１０の上縁をフロントウ
インドガラス５下縁に固定する。次にこのように
して準備したフロントウインドガラス５をスペー
サ８が前もつて介装されている窓開口フランジ下
縁６に押し付け、接着剤７を介して取付ける。こ
の時、ウインドシールドモール１０は、カウルト
ツプ２の傾斜表面９を略完全に被つた状態となる
ので、先の実施例と同様、ビス１５Ａとグロメツ
ト１５Ｂで下端取付部をカウルトツプ２に固着す
ることによつて装着が完了する。尚、この実施例
においても、ワイパープレード４の最終収納位置
はクリツプ１５より上部にあるので、ワイパープ
レード４が作動時においてクリツプ１５により傷
付けられるといつた虞れはない。

尚、上記各実施例においては、ウインドシール
ドモール１０の下端部がビス１５Ａとグロメツト
１５Ｂによつてカウルトツプ２に固定されている
が、ビス１５Ａとグロメツト１５Ｂ以外の他の固
定手段によつてもよく、また同様にウインドシー
ルドモール１０上端の係止手段も、各実施例に示
した以外の手段を用いたものでもよい。また、各
実施例は、接着剤によりウインドガラスを固定し
ているが、ウエザストリツプにより固定してもよ
い。更に、上記各実施例にあつては、フロントウ
インドガラス５について説明したが、リヤウイン
ドガラスのウインドシールドモールの取付構造に
ついても本発明を適用できることは勿論である。

以上説明したように、本発明に係るウインドシ
ールドモールの取付構造によれば、ウインドシー
ルドモールの下端部をワイパープレードの収納位
置より下方で車体に固定すると共に、ウインドシ
ールドモールの上縁部に設けた係止手段により該
上縁部を車体もしくはウインドガラスに係止する
ようにしたので、従来のようにウインドシールド
モールの固定部にワイパープレード損傷防止のた
めのエンボス等を形成することなく、モールの浮
き上がりを防止することができ、エンボス等の形
成工程が不要となつた他、モール下端部の固定位
置をワイパープレードで隠すことができるので、
従来のように固定用の螺子が外部から見えるとい
つたことがなく外観品質上の向上を図ることがで
きた。

【図面の簡単な説明】

第１図はコンシールドタイプにおいてフロント
ウインドガラス下縁に装着されたウインドシール
ドモールの取付位置を示す斜視図、第２図は従来
のウインドシールドモール取付構造の一例を示す
第１図中Ａ−Ａ線断面相当図、第３図は本発明に
係るウインドシールドモール取付構造の一実施例
を示す第１図中Ａ−Ａ線断面相当図、第４図は本
発明の他の実施例を示す第１図中Ａ−Ａ線断面相
当図である。 ２……カウルトツプ（車体パネル）、４……ワ
イパープレード、５……ウインドガラス、６……
窓開口フランジ下縁、１０……ウインドシールド
モール、１６……係止手段、１７……フアスナ、
２０……係止部材、２４……受け部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 車体パネルの窓開口フランジ下縁に固着され
   たウインドガラスの下縁を被覆するウインドシー
   ルドモールであつて、その下端部を車体パネルに
   取り付けるようにしたウインドシールドモールの
   取付構造において、上記ウインドシールドモール
   の下端部を、ワイパーブレードの収納位置より下
   方で車体パネルに取り付ける一方、ウインドシー
   ルドモールの上縁部を形成した折曲片に、窓開口
   フランジに係止する係止手段を設け、該係止手段
   によりウインドシールドモールの上縁部を車体も
   しくはウインドガラスに係止したことを特徴とす
   るウインドシールドモールの取付構造。