JPS6245093B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は自動車のウインドガラス取付構造に
関するものである。

従来の自動車のウインドガラス取付構造として
は、例えば第１図〜第２図に示すようなものがあ
る。即ち図示のサイドウインドガラス１の取付構
造に例をとれば、サイドウインドガラス１の周縁
部２にダムラバー３を配し、このダムラバー３の
外周に接着剤４を施こして、窓開口部５の車体フ
ランジ６に対して接着・固定するようにしてい
る。尚７はモール、８はトリム材を示す。ところ
でこのような接着剤４によるサイドウインドガラ
ス１の取付けは、接着剤４が硬化する迄の間、サ
イドウインドガラス１が接着剤４の反力で浮いて
しまうので何らかの手段にてサイドウインドガラ
ス１を車体フランジ６に対し押し付けておく必要
がある。そのために従来採用されて来た方法、手
段はホルダーと称する工場組立ラインの設備を使
用してサイドウインドガラス１を窓開口部５にセ
ツトした後車体フランジ６に対して矢示Ａ方向に
サイドウインドガラス１を押付けるものである。
しかしながらこのようなウインドガラスの取付け
では、工場組立ラインで数多くのホルダーを設定
しておかねばならず、又勿論ホルダー稼動のため
のシステムその他の設備に膨大な費用が掛り、し
かも接着剤４が硬化し完全な固着状態が得られる
までホルダーを外せないので他の組立て作業に支
障を与えるという問題があつた。これを解決する
ものとしてサイドウインドガラス１の周縁部２に
ボルト（図示せず）を取付けておきサイドウイン
ドガラス１を窓開口部５へセツトする際、予め車
体フランジ６に形成したボルト孔（図示せず）に
このボルトを挿通してナツトで締付けるウインド
ガラス取付構造が提案されたが、このためにはボ
ルト孔を形成するため車体フランジ６の幅ｌを長
くせねばならず、そのようにすればウインドガラ
スを通しての視界が狭くなつて見栄えも悪くなり
幅ｌを長くした分車体重量が増加してしまうとい
う種々の不具合が生じてしまうものであつた。

この発明はこのような従来の自動車のウインド
ガラス取付構造に着目してなされたもので、仮止
め用にリテーナを採用し、接着剤が硬化する迄の
間ウインドガラスを車体フランジに対して保持す
ることにより確実なウインドガラスの取付を行な
うことを目的としている。

そして、この発明は、具体的には、ウインドガ
ラスを窓開口部の車体フランジに接着剤を介して
取付ける自動車のウインドガラス取付構造に於い
て、ウインドガラスの周縁部に塗布される上記接
着剤の内側の複数箇所にリテーナを予め接着・貼
付しておきこれらリテーナを窓開口部の車体フラ
ンジに係止し、前記リテーナからリテーナの位置
せぬウインドガラスの周縁部にかけて施されてい
る上記接着剤を介してウインドガラスを直接車体
フランジに接着・固定せしめることにより、接着
剤の反力によるウインドガラスの浮き上がること
を防止する自動車のウインドガラス取付構造に係
るものである。

以下、この発明の詳細を、第３図〜第６図に示
す実施例を参照しつつ説明する。

ウインドガラス〔図示の例でサイドウインドガ
ラス１０は周縁部１１の複数箇所に、リテーナを
予め接着・貼付している。「リテーナ」としては
例えば第５図で示す折曲自在な金属製の全体が略
Ｔ字形状のリテーナ１２ａや第６図で示す樹脂製
のクリツプ状のリテーナ１２ｂを採用することが
でき、接着剤１３にてこれらリテーナ１２ａ，１
２ｂを周縁部１１に塗布される後述の接着剤１７
の内側、具体的には第３図及び第６図で斜め上方
に当たる周縁部の奥まつた位置のガラスプリント
１４を施してある部分にそこより他へ突出せぬよ
うにして、複数箇所に予め接着・貼付する。そし
て接着剤１７をダムラバー１６外周に施してウイ
ンドガラス〔サイドウインドガラス１０〕を窓開
口部１８にセツトし、リテーナ１２ａ，１２ｂを
車体フランジ１９に係止するものである。第３図
〜第５図の実施例で、リテーナ１２ａを予めＬ字
状に曲折して周縁部１１に取付けてあり、その曲
折先端部２０は窓開口部１８へウインドガラスを
セツトした際車体フランジ１９の端部２１の近辺
に位置決めされるので〔第３図〕、そのまま車体
フランジ１９に対し図中矢示方向へまわり込むよ
うにしてリテーナ１２ａの曲折先端部２０を手の
力で折曲げれば、ウインドガラス〔サイドウイン
ドガラス１０〕は接着剤１７の車体フランジ１９
に対する接着に加えて、複数箇所で車体フランジ
１９に対しリテーナ１２ａで係止されることにな
る〔第５図〕。又第６図の実施例で、クリツプ状
のリテーナ１２ｂは、その先端部２２の傾斜面２
３が、ウインドガラス〔サイドウインドガラス１
０〕をセツトした際、車体フランジ１９の端部２
１に衝合しつつ樹脂の特性を利かして撓み次いで
段部状の係止部２４がこの端部２１に係合するこ
とになり先の実施例と同様接着剤１７による接着
に加えてクリツプ状のリテーナ１２ｂによる係止
によりウインドガラス〔サイドウインドガラス１
０〕は窓開口部１８に確実に取付けられることと
なる。そして接着剤１７が硬化しその固着状態が
完全となるまでその取付状態はリテーナ１２ａ，
１２ｂにより保持される。

以上説明してきたように、この発明によれば車
体フランジに対しいわば引掛けるようにして係止
するリテーナを予めウインドガラスに設けるよう
にしたので、車体フランジの幅を長くすることな
く十分にウインドガラスを窓開口部の車体フラン
ジに係止できて、視界の確保、見栄えの向上が期
待できる上に、車体フランジの幅を長く採らずに
済む分車体の重量が軽減し、コストも低減できる
ものである。更にボルト、ナツトの使用に比べて
リテーナの重量、コストの方がはるかに低く、リ
テーナとして折曲自在なリテーナ又はクリツプ状
のリテーナを採用すれば前者では指の力での折曲
げで又後者ではウインドガラスをセツトする時の
単なる押圧作用により各々極めて簡単に係止で
き、更に組立ライン上のホルダーをウインドガラ
スの単なるセツトにのみ用いセツト後接着剤が硬
化するまで使用しなくて済むので、その分取付作
業性が向上し、作業コストも低減できるものであ
る。又ウインドガラスの周縁部に接着剤が塗布さ
れ、しかもこの接着剤の内側に予め接着・貼付さ
れるリテーナで窓開口部の車体フランジにウイン
ドガラスを係止するものであり、且つリテーナか
らリテーナの位置せぬウインドガラスの周縁部に
かけて施されている上記接着剤を介して行うの
で、車体フランジとウインドガラスの周縁部とが
直接接着されることになり、接着は確実でありシ
ール性を損なうことがない。そして更に車体フラ
ンジの幅を長くしなくて済むのでトリム材による
被覆部分も少なくてよく経済的に有利であるとい
う多くの効果がある。そして勿論この発明は実施
例で示したサイドウインドに限らず接着剤を使用
するタイプのウインドガラスの取付けであれば、
フロントガラス、リヤガラスその他にも十分適応
できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車のサイドウインドガラス部分を
示す斜視図、第２図はウインドガラス取付構造の
従来例を示す第１図中の−線に相当する断面
図、第３図及び第４図はこの発明の一実施例を示
す部分断面図、第５図はリテーナの一実施例を示
す斜視図、そして、第６図はクリツプ状のリテー
ナを用いた他の実施例を示す第４図相当の部分断
面図である。 １，１０……サイドウインドガラス、２，１１
……周縁部、３，１６……ダムラバー、４，１７
……接着剤、５，１８……窓開口部、６，１９…
…車体フランジ、ｌ……車体フランジの幅、１２
ａ，１２ｂ……リテーナ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ウインドガラスの周縁部の車室側面を窓開口
   部の車体フランジに接着剤を介して取付ける自動
   車のウインドガラス取付構造に於いて、 上記ウインドガラスの周縁部の車室側面にリテ
   ーナの基部を予め接着・貼付し、該リテーナの先
   端部を上記窓開口部の車体フランジに係止するこ
   とにより車体フランジとウインドガラスとの間隔
   を一定に保ちつつ、前記リテーナからリテーナの
   位置せぬウインドガラスの周縁部にかけて施され
   ている上記接着剤を介してウインドガラスを直接
   車体フランジに接着・固定せしめることを特徴と
   する自動車のウインドガラス取付構造。