JPH046376Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車の固定式ウインド装置、詳し
くはウインドガラスが外面に固定されるアウター
パネルとその内側に当てがわれるインナーパネル
とのウインド開口部接合フランジがウインドガラ
スの内側に位置しているウインド装置に関し、例
えば自動車の接着固定式クオータウインド装置に
利用される。

（従来の技術） 従来の固定式クオータウインド装置は、第３図
に見られるように、アウターパネルＡとインナー
パネルＢとのウインド開口部接合フランジＤが固
定ウインドガラスＣの内側に位置するように構成
されている。このフランジＤにはトリム材Ｅが装
着されているので、ルーフパネルＦ内側のルーフ
ライニングレザーシートＧの縁ｇを前記トリム材
Ｅの下で巻付け体裁よく止着するのに一見好都合
である。しかし、新車製造時等ウインドガラスＣ
の接着Ｈや図示しないモール等による固定前の状
態では、フランジＤに対するシート縁ｇの巻付け
止着が容易であつても、これが修理上の作業とな
ると、ウインドガラスＣを固定したままではフラ
ンジＤとガラスＣとの間隔Ｌが８〜10mmと小さい
ため困難であり、固定ウインドガラスを取外して
行うのであれば作業が面倒になる。

そこで、第３図に見られるようにインナーパネ
ルＢの内側にリテーナＩがネジＪにより取付けら
れて、フランジＤの内側に位置するシート止着フ
ランジＫを形成し、それにルーフライニングレザ
ーシートＧの縁を巻付け止着し、その上からトリ
ム材Ｍを装着している。

（考案が解決しようとする問題点） 前記フランジＤより内側に別体形成されたシー
ト止着フランジＫは、ウインドガラスＣから充分
離れたところに位置し、修理等ウインドガラスＣ
が固定されている状態でのシート縁ｇの取外しや
新たな巻付け止着の作業を容易とする。しかし、
シート縁ｇのために、リテーナＩおよびトリム材
Ｍとそれらの取付け作業が余分に必要であつて高
価につくし、ガラスＣの上辺内側に２つのフラン
ジが２重に位置するため外観上シンプル性に欠け
る。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記問題点解決のために、ウインドガ
ラスが外面に固定されるアウターパネルとその内
側に当てがわれるインナーパネルとの接合してな
る窓枠を有する自動車の固定式ウインド装置にお
いて、前記アウターパネルと前記インナーパネル
とのウインド接合フランジを、窓枠両側辺上端部
において上側が車室方向に向くように屈曲した形
状として、前記ウインド開口部接合フランジと固
定ウインドガラスとの間の車幅方向の間隔を、窓
枠上端部において窓枠のそれより下方の部分より
も大きくし、前記フランジ上辺部にルーフライニ
ングシート縁を止着したことを特徴とするもので
ある。

ルーフライニングシート縁は、ウインド開口部
接合フランジの上辺部に対し、接着や両面テープ
を用いて巻付け止着されるが、その止着部をトリ
ム材の装着で覆つて装飾するとよいし、場合によ
つては装着トリム材によつてウインド開口部接合
フランジとの間に挟み付けることで止着すること
も可能である。

（作用） ウインド開口部接合フランジは、固定ウインド
ガラスの内側に位置し、窓枠両側辺上端部におい
て上側が車室方向を向くように屈曲形状となつて
いるので、前記ウインド開口部接合フランジと固
定ウインドガラスとの間の車幅方向の間隔は、前
記屈曲形状をなしている窓枠の上端部の方が屈曲
形状をなさない下方の部分より大きくなり、拡張
した空間が形成される。よつて、この拡張空間を
フランジ上辺部にルーフライニングシート縁を着
脱するための作業スペースとして利用することが
できるので、容易に着脱作業を行うことができ
る。

又この着脱作業を行う上で固定ウインドガラス
が邪魔にならない位置においては、ウインド開口
部接合フランジは固定ウインドガラスに接近して
配置される。

（実施例） 第１図および第２図には自動車の固定式クオー
タウインド装置に本考案を実施した一例が示され
ている。第１図に見られるように、クオータウイ
ンドガラス１が外面に固定されるクオータアウタ
パネル２と、その内側に当てがわれるクオータイ
ンナパネル３とが、ガラス１の内側で互いに接合
されて窓枠を形成し、その接合部にウインド開口
部接合フランジ４を形成している。

ウインドガラス１は、クオータアウタパネル２
の外面に対し接着剤１２により固定されている。
接着剤露出部にはダム１３が施されている。

ウインドガラス１の内側に位置するウインド開
口部接合フランジ４は、その窓枠両側辺４ａの上
端部において適所を屈曲基点４ｂとしてそれより
上側が車室方向に向くように屈曲した屈曲形状と
され、フランジ４の屈曲基点４ｂより下の部分と
ウインドガラス１との間隔S₁が10mm以下に設定さ
れるのに対し、フランジ上辺４ｃの下縁とウイン
ドガラス１との間隔S₂が15mm以上と従来寸法に対
し大きく設定される。このガラス１との間隔を大
きくとつたフランジ上辺４ｃに、ルーフパネル６
下のルーフライニングレザーシート１４の側縁１
４ａが、接着剤や両面テープによつて巻付け試着
され、フランジ４に装着されるトリム材１５は前
記４ｃに対してはシート縁１４ａ止着部の上から
装着されている。

フランジ４とガラス１との間の車幅方向の間隔
は、屈曲形状をなしている側辺４ａの上端部の方
が屈曲形状をなさない下方の部分より大きくなる
ので、上辺４ｃとガラス１の間には拡張した空間
１６が形成され、フランジ上辺４ｃに装着したト
リム材１５とガラス１との間にも充分な間隔S₃が
形成される。

これにより、ルーフライニングレザーシート１
４を張り替え修理するような場合、前記広い空間
１６を作業スペース１６として利用してトリム材
１５の取外しおよびシート縁１４ａの止着取外し
の作業は勿論、シート縁１４ａの新規止着および
トリム材１５の新規装着の作業も容易に行える。

（考案の効果） 本考案によれば、ウインド開口部接合フランジ
の上辺とウインドガラスとの間に拡張された作業
スペースが形成されているので、ルーフライニン
グシート縁の前記フランジ上辺に対する着脱作業
を、固定ウインドガラスを取外すことなく容易に
首尾よく行える。

また、フランジ上辺と固定ウインドガラスとの
間の拡張作業スペースは、窓枠両側辺上端部を上
側が車室方向に向くように屈曲する形状とし、ウ
インド開口部接合フランジの上辺と前記上端部に
おいてのみウインドガラスとの間の間隔を広げる
ことによつて、フランジの大半他部分に影響なく
形成されているから、目立ち易いフランジ側辺や
下辺部とウインドガラスとの間の隙間を必要最小
限に設定しておける。またウインド開口部上辺の
ウインドガラス内側にはルーフライニングシート
に続くフランジ縁が１つしかなく、ウインド内装
部の見栄えが向上する。

さらに、従来のようなルーフライニングシート
縁を止着するためのリテーナやリテーナに装着す
るトリム材、およびそれらの取付作業と云つた余
分な部材や作業が要らないからコストダウンを図
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部縦断面
図、第２図は要部の車室内側正面図、第３図は従
来例の要部縦断面図である。 １……ウインドガラス、２……アウターパネ
ル、３……インナーパネル、４……ウインド開口
部接合フランジ、４ａ……側辺、４ｃ……上辺、
６……ルーフパネル、１４……ルーフライニング
レザーシート、１４ａ……側縁、１５……トリム
材、１６……作業スペース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ウインドガラスが外面に固定されるアウターパ
   ネルとその内側に当てがわれるインナーパネルと
   を接合してなる窓枠を有する自動車の固定式ウイ
   ンド装置において、前記アウターパネルと前記イ
   ンナーパネルとのウインド開口部接合フランジ
   を、窓枠両側辺上端部において上側が車室方向に
   向くように屈曲した形状として、前記ウインド開
   口部接合フランジと固定ウインドガラスとの間の
   車幅方向の間隔を、窓枠上端部において窓枠のそ
   れより下方の部分よりも大きくし、前記フランジ
   上辺部にルーフライニングシート縁を止着したこ
   とを特徴とする自動車の固定式ウインド装置。