JPH0212088Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ドアパネルの前縁をフロントピラの
前方に回り込ませたフルドア式の自動車に主とし
て適用されるフロントウインドのウインドモール
固定装置に関する。

従来この種自動車においては、例えば第１図に
示す如く、フロントウインドガラスａの側縁を接
着するフロントウインドの側縁ｂに、その外側の
起立部の前縁から折返されて外方に略Ｌ字状に屈
曲される屈曲部ｃを形成し、フロントピラｄの前
方に回り込むドアパネルｅの前縁部と該屈曲部ｃ
との間に雨水を下方に導く通水路即ちフロントド
リツプを形成するを一般とする。

この場合、該ガラスａの組付けに際しては、先
ず該ガラスａの側縁前部を覆うウインドモールｆ
の取付具ｇを両面テープｈを用いて該側枠ｂ内に
取付けた後、該側枠ｂに接着剤ｉを塗布して該ガ
ラスａの側縁を貼合し、次いで該モールｆを前方
から該取付具ｇに取付けるを一般とするが、この
ものでは接着剤ｉが硬化する前の該モールｆの浮
上りや脱落といつた問題を生ずる。これは、該両
面テープｈによる該取付具ｇの接着強度が不足し
ているためであり、特に気温の高いところでの生
産においてはこの問題が多発している。

又、かかる不都合を解決すべく、側枠内に取付
具を係止するＴ形スタツド等の係止部材を溶接等
で固設するようにしたものも知られるが、（実公
昭54−41464号）、このものでは係止部材を固設す
る際の側枠に対する係止部材の位置決めが困難
で、係止部材の固設位置の前後方向の位置ずれに
よりウインドモールがガラス面から浮上ることが
ある。

本考案は、かかる不都合を解消すべく、フロン
トドリツプを用いて取付具を係止し得るようにし
た装置を提供することをその目的とするもので、
第２図以下に例示する如く、フロントピラ７の前
面に重合結着される取付基部２ａと、該取付基部
２ａの外側縁から前方に起立する起立部２ｂとを
備えるフロントウインドの側枠２に、フロントウ
インドガラス１の側縁前部を覆うウインドモール
４を係止する取付具５を取付けるものにおいて、
該側枠２に前記起立部２ｂの前端から外側に屈曲
するフランジ部２ｃを形成し、該フランジ部２ｃ
の前面に重合結着される接合部３ａと、該接合部
３ａの内側縁から前方に立上る立上り部３ｂとを
有するフロントドリツプ用の枠部材３を設けて、
該枠部材３に該立上り部３ｂの前端から内側に折
返されて後方にのびる折返し部３ｃを形成し、該
折返し部３ｃにその後端を内側に略Ｌ字状に折曲
げて前記取付具５を嵌合係止する係止片６を一体
に形成したことを特徴とする。

図面で８は前縁をフロントピラ７の前方に回り
込ませたドアパネルを示し、前記枠部材３の接合
部３ａと立上り部３ｂとドアパネル８の前縁部と
の間に雨水を下方に導くシール材９でシールされ
た通水路即ちフロントドリツプを形成するように
した。

枠部材３の前記折返し部３ｃは側枠２の起立部
２ｂ内側面に接合しており、該折返し部３ｃの後
端に折曲形成した前記係止片６に取付具５を内側
から嵌合させて前後方向に不動に係止し得るよう
にし、更に取付具５の横方向の移動を防止すべ
く、これを両面テープ１０により係止片６に接着
するようにした。

尚、第４図に示す如く係止片６の先端に折曲部
６ａを形成して、該取付具５の横方向への移動を
規制するようにしても良く、この場合は両面テー
プ１０を省略することも可能である。

該ウインドモール４は、これに取付けたモール
クリツプ４ａにおいて該取付具５に係止されるよ
うにしたが、該モール４を直接該取付具５に係止
させるようにすることも勿論可能である。

次いでその組付手順を説明するに、先ず側枠２
のフランジ部２ｃの前面に枠部材３をその接合部
３ａにおいて重合結着するもので、フランジ部２
ｃが枠部材３の位置決め基準となつて側枠２と枠
部材３の相対位置精度が確保され、該枠部材３に
一体の係止片６は該側枠２の所定位置に正確に固
定される。次いで、取付具５を係止片６により側
枠２内に取付けた後、該側枠２に接着剤１１を塗
布して該ガラス１の側縁を貼合し、而る後ウイン
ドモール４を該取付具５に取付けるが、この場合
該取付具５は該係止片６との機械的な係合により
熱や圧着力や塵埃等の諸条件に左右されずに該側
枠２内に確実に固定され、該係止片６が上記の如
く正確に位置決めされることと相俟つて該取付具
５に取付けられる該モール４も所定の取付位置に
確実に保持されて、接着剤１１が硬化する前の該
モール４の浮上りや脱落を生じない。

この様に本考案によるときは、係止片６により
取付具５を熱等の諸条件に左右されることなく側
枠２に確実に固定出来、ウインドモール４の浮上
りや脱落を防止して組付け精度を向上出来、而も
該係止片６は、該側枠２のフランジ部２ｃに重合
結着されて該側枠２に対し該フランジ２ｃを基準
にして位置決めされるフロントドリツプ用の枠部
材３に一体に形成されるため、該係止片６を側枠
２に対し容易に且つ正確に位置決め出来、精度を
高めて且つ生産性を向上出来る効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の截断平面図、第２図は本案装
置を適用するフルドア式自動車の斜視図、第３図
は本案装置の１例を示す第２図の−線截断平
面図、第４図は他の実施例の截断平面図である。 １……フロントウインドガラス、２……側枠、
２ａ……取付基部、２ｂ……起立部、２ｃ……フ
ランジ部、３……枠部材、３ａ……接合部、３ｂ
……立上り部、３ｃ……折返し部、４……ウイン
ドモール、５……取付具、６……係止片、７……
フロントピラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロントピラ７の前面に重合結着される取付基
   部２ａと、該取付基部２ａの外側縁から前方に起
   立する起立部２ｂとを備えるフロントウインドの
   側枠２に、フロントウインドガラス１の側縁前部
   を覆うウインドモール４を係止する取付具５を取
   付けるものにおいて、該側枠２に前記起立部２ｂ
   の前端から外側に屈曲するフランジ部２ｃを形成
   し、該フランジ部２ｃの前面に重合結着される接
   合部３ａと、該接合部３ａの内側縁から前方に立
   上る立上り部３ｂとを有するフロントドリツプ用
   の枠部材３を設けて、該枠部材３に該立上り部３
   ｂの前端から内側に折返されて後方にのびる折返
   し部３ｃを形成し、該折返し部３ｃにその後端を
   内側に略Ｌ字状に折曲げて前記取付具５を嵌合係
   止する係止片６を一体に形成したことを特徴とす
   る自動車のフロントウインドのウインドモール固
   定装置。