JP2633134B2 - パーティングシールの取付構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両のサイドウィンド
ガラスとドアとの間をシールするパーティングシールの
取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種、従来のパーティングシールの取
付構造としては、種々提供されており、その一つとして
実開昭６３−３２９１７号公報等に記載されているもの
ある。

【０００３】このパーティングシール１は、図３及び図
４に示すように車体２のリア側に有するサイドウィンド
ガラス３の前端部３ａと、ドア４の後端部４ａとの間に
設けられている。即ち、サイドウィンドガラス３の前端
部３ａは、ヒンジ部材５を介して車体パネル６に取り付
けられており、前記ヒンジ部材５にパーティングシール
１が取り付けられている。前記ヒンジ部材５は、サイド
ウィンドガラス３の前端部３ａを挾持する略Ｕ字形の本
体５ａと、該本体５ａの内端縁から折り返し状に折曲さ
れて先端側が車体パネル６にボルト７，ナット８で固定
されたヒンジアーム５ｂとから構成されている。

【０００４】そして、前記パーティングシール１は、本
体５ａの外面から先端面に沿って接着された板状の基部
１ａと、該基部１ａの外面略中央にドア４方向へ突設さ
れた平板状のシール部１ｂとから構成され、ドア４の閉
時にシール部１ｂの外側面が後端部４ａ内面に当接して
両者３，４間をシールするようになっている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、前記従来例
にあっては、パーティングシール１をヒンジ部材５の本
体５ａに取り付ける際には、予め本体５ａの外周面ある
いはパーティングシール１の基部１ａの内面に塗付され
た接着剤９によって接着するようになっている。このた
め、斯かる接着作業が煩雑となる。特に、車外方向に突
出した基部１ａの一端部１ｃを、図中一点鎖線位置から
本体５ａの外側面方向に折り曲げながら接着しなければ
ならないばかりか、該折り曲げ時に基部１ａの一端部１
ｃに波打ち等が発生し易くなり、接着作業性が著しく悪
化し、取付作業能率の低下を招いている。

【０００６】しかも、基部１ａの一端部１ｃとシール部
１ｂの一部が常に外部に露出した形になり、その露出巾
が大きいため見映えが悪く外観品質が低下する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の問
題点に鑑みて案出されたもので、サイドウィンドガラス
の前端部に設けられたヒンジ部材に、ドアの後端部と前
記サイドウィンドガラスの前端部との間をシールするパ
ーティングシールを取り付ける構造において、前記ヒン
ジ部材の略Ｕ字状本体の外端部に略車内方向に折曲した
フランジ部を設ける一方、前記パーティングシールを、
フランジ部に嵌着する略Ｕ字形の基部と、該基部の前記
ドア側一側部に設けられて、前記ヒンジ部材が車体パネ
ルに固着される際に、先端部が前記車体パネルによって
車外方向へ押圧される中空状のシール部とにより構成し
たことを特徴としている。

【０００８】

【作用】パーティングシールをサイドウィンドガラスの
前端部に取り付けるには、予めサイドウィンドガラスの
前端部に本体を介してヒンジ部材を取り付けておき、そ
の後、パーティングシールの略Ｕ字形の基部を、ヒンジ
部材のフランジ部に上下のいずれか一方から挿通嵌着さ
せて、そのままスライドさせれば、ヒンジ部材に対して
簡単に取り付けることができる。その後、ヒンジ部材を
ボルト等を介して車体パネルに取り付けると、該車体パ
ネルの端縁によってシール部の先端部が車外方向に押し
出される。これによって、パーティングシールの基部
は、フランジ部及びヒンジ部材の略Ｕ字形状本体に対し
て圧着しつつヒンジ部材に位置決め固定される。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述
する。

【００１０】図１及び図２は本発明に係るパーティング
シールの取付構造の一実施例を示し、図中１１はパーテ
ィングシール、１２はサイドウィンドガラス、１３はサ
イドウィンドガラス１２の前端部１２ａに取り付けられ
たヒンジ部材、１４は車両のフロントドア、１５はホデ
ィサイドに一体に設けられたセンターピラーである。

【００１１】前記ヒンジ部材１３は、弾性力を有する折
曲平板状の金属で長尺一体に形成され、サイドウィンド
ガラス１２の前端部１２ａを挾持して取り付けられる略
Ｕ字形の本体１６と、該本体１６の内側片１６ａの端縁
から折り返し状に折曲されたヒンジアーム１７と、本体
１６の外側片１６ｂの端縁から折り返し状に折曲された
略Ｕ字形の外端部１８と、該外端部１８の端縁から車内
方向へ直角に折曲形成されたフランジ部１９とから構成
されている。前記本体１６は、内外側片１６ａ，１６ｂ
間の隙間がウィンドガラス１２の厚さ巾よりも若干小さ
く設定されている。また、ヒンジアーム１７の略中央位
置には、車内方向に突出したスタッドボルト２０の頭部
が固着されている。

【００１２】前記パーティングシール１１は、ゴム材で
長尺一体に形成され、前記フランジ部１９に嵌着する略
Ｕ字形の基部２１と、該基部２１のドア１４側一側部２
１ａに一体に設けられた内部中空状のシール部２２とか
ら構成されている。前記基部２１は、略Ｌ字状に折曲さ
れた他側部２１ｂがフランジ部１９と本体１６及び外端
部１８との間に形成された隙間部２３内に保持されてい
る。また、シール部２２は、一側部２１ａの上端縁から
車内方向に延びた板状の延出部２２ａと、該延出部２２
ａの先端縁２２ｃと一側部２１ａの下端縁とを結ぶスポ
ンジゴム製の湾曲部２２ｂとから構成されている。

【００１３】前記センターピラー１５は、内外側パネル
１５ａ，１５ｂの内方へ折曲したフランジ状の両側部１
５ｃ，１５ｄを接合して全体が横断面略亀甲状に形成さ
れていると共に、内側パネル１５ａの略中央にナット２
４締め用の工具が挿通される通孔２５が穿設されている
一方、外側パネル１５ｂの略中央にボルト２０が挿通す
るボルト挿通孔２６が穿設されている。また、一側部１
５ｃには、サイドウィンドガラス１２に当接してシール
性を確保するウェザーストリップ２７が取り付けられて
いる一方、他側部１５ｄは、取付時におけるシール部２
２の先端縁２２ｃまで延設されている。

【００１４】以下、本実施例の作用について説明する。

【００１５】即ち、パーティングシール１１をサイドウ
ィンドガラス１２の前端部１２ａに取り付けるには、ま
ず予めヒンジ部材１３を本体１６の両側片１６ａ，１６
ｂの弾性力を介してサイドウィンドガラス１２の前端部
１２ａに挾持状態に取り付けておく。その後、ヒンジ部
材１３のフランジ部１９に、パーティングシール１１の
基部２１一端側を例えば上方から挿通嵌着させ、そのま
ま全体をフランジ部１９に沿って下方へスライドさせれ
ば、該パーティングシール１１をヒンジ部材１３に対し
て簡単に取り付けることができる。この時点では、パー
ティングシール１１は、フランジ部１９に対して比較的
遊嵌状に取り付けられている。

【００１６】その後、サイドウィンドガラス１２を車体
開口部に位置決めしつつヒンジ部材１３に有するボルト
２０をボルト挿通孔２６に挿通しつつ、車内側から所定
の工具でナット２４をボルト２０に締め付ける。する
と、センターピラー１５の他側部１５ｄ端縁でシール部
２２の先端縁２２ｃが車外方向に押圧され、シール部２
２全体が車外方向に倒れ込む。このため、基部２１の他
側部２１ｂが隙間部２３内で変形して本体１６や外端部
１８及びフランジ部１９に圧着すると共に、一側部２１
ａの先端縁もフランジ部１９の基端外面に圧着して、基
部２１全体をヒンジ部材１３に簡単かつ確実に位置決め
固定することができる。

【００１７】このように、パーティングシール１１を、
ヒンジ部材１３に対して従来のように接着剤により接着
するのではなく、単にフランジ部１９に嵌着すると共
に、該ヒンジ部材１３をセンターピラー１５にボルト締
めするだけで、サイドウィンドガラス１２に簡単に取り
付けることができるため、該取付作業能率の向上が図れ
ると共に、組み付け精度の向上が図れる。

【００１８】また、パーティングシール１１の取り付け
完了後は、ヒンジ部材１３の上下端部に該パーティング
シール１１をも被うエンドキャップを被嵌する。これに
よって、パーティングシール１１の上下移動が規制され
て走行中の脱落等が防止される。

【００１９】更に、パーティングシール１１は、ドア１
４の閉塞時には、シール部２２の湾曲部２２ｂの一部の
みが外部に露出するだけで、その露出巾が極めて小さい
ため、見映えの悪化が防止されて外観品質の向上が図れ
る。

【００２０】更にまた、パーティングシール１１の基部
２１は、取付前の両側部２１ａ，２１ｂが比較的大きく
開いているため、押出成形作業が容易になる。

【００２１】

【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
係るパーティングシールの取付構造によれば、パーティ
ングシールの略Ｕ字形の基部を、ヒンジ部材のフランジ
部に嵌着させた後に、シール部の先端部が車体パネルに
よって車外方向に押圧されて、前記基部の両側部をヒン
ジ部材の本体及びフランジ部に圧着して取り付けられ
る。このため、従来のような接着剤を用いて取り付ける
場合に比較して、該取付作業能率と組み付け精度の大巾
な向上が図れる。特に、前述のように、シール部の先端
部が車体パネルによって車外方向に押し出されて、シー
ル部全体が車外方向へ倒れ込むので、その反力により基
部全体をヒンジ部材に簡単かつ確実に位置決め固定する
ことができる。

【００２２】しかも、取付後におけるパーティングシー
ルの外部への露出巾が可及的に小さくなるため、見映え
の悪化が防止されて、外観品質の向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るパーティングシールの取付構造の
一実施例を示す図３のＡ−Ａ線断面図。

【図２】図１の斜視図。

【図３】本実施例が適用される自動車の斜視図。

【図４】従来のパーティングシールの取付構造を示す図
３のＡ−Ａ線断面図。

【符号の説明】

１１…パーティングシール、１２…サイドウィンドガラ
ス、１２ａ…前端部、１３…ヒンジ部材、１５…センタ
ーピラー（車体パネル）、１５ｄ…他側部、１６…本
体、１９…フランジ部、２１…基部、２２…シール部、
２２ｃ…先端縁。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 サイドウィンドガラスの前端部に設けら
   れたヒンジ部材に、ドアの後端部と前記サイドウィンド
   ガラスの前端部との間をシールするパーティングシール
   を取り付ける構造において、 前記ヒンジ部材の略Ｕ字状本体の外端部に略車内方向に
   折曲したフランジ部を設ける一方、前記パーティングシ
   ールを、フランジ部に嵌着する略Ｕ字形の基部と、該基
   部の前記ドア側一側部に設けられて、前記ヒンジ部材が
   車体パネルに固着される際に、先端部が前記車体パネル
   によって車外方向へ押圧される中空状のシール部とによ
   り構成したことを特徴とするパーティングシールの取付
   構造。