JP2754263B2 - アルミニウム箔とその製造方法 - Google Patents

アルミニウム箔とその製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はアルミニウム箔に係り、特に、強度と成形加
工性に優れ、且つピンホールの少ないアルミニウム箔と
その製造方法に関するものである。
(従来の技術及び解決しようとする課題) 一般にアルミニウム箔は、用途に応じて、5.5〜100μ
m程度の範囲の箔厚で使い分けられている。
従来は、一般に1N30(JIS H 4160)の純アルミニ
ウムが用いられてきたが、近年、包装用アルミニウム箔
において成形加工が必要されるものには、8011,8079の
ようなAl−Fe合金や、FeのほかにMnを添加した8006等の
Al−Fe−Mn合金も使用されつつある。
また、最近コストダウンの要望から薄肉化が指向され
ているが、薄箔になるほど指数関数的にピンホールが増
加し、アルミニウム箔の特性である水分、空気などの遮
断性が劣り、使用上問題となる。
そこで、ピンホールを低減するために、箔地の製造工
程について検討されており(特公昭60−56786号、特開
昭63−18041号等)、また、上記のAl−Fe合金、Al−Fe
−Mn合金を15μm以下の薄箔に適用し、成形性及び強度
と共にピンホールに優れたアルミニウム箔を製造する試
みがなされている(特開昭63−26322号)。
しかし乍ら、これらのAl−Fe合金或いはAl−Fe−Mn合
金を用いて箔製品を製造する場合には次のような問題点
がある。
不純物及び合金元素の含有量の影響から、熱処理後
の再結晶粒が変動し、箔製品の成形性、強度に対して変
動をもたらすほか、機械的性質の変動から箔の圧延性が
劣化し、ピンホールの数の増加をもたらすことがあり、
品質が安定しない。
熱間圧延前の均質化熱処理条件によっても、上記と
同様な現象があり、品質の変動が生じる。
本発明は、上記従来技術の欠点を解消し、薄厚箔にお
いても、強度及び成形性に優れ、ピンホールの少ないア
ルミニウム箔を提供し、またその製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 前記目的を達成するため、本発明者は種々の成分系、
組成のアルミニウム合金について鋭意研究を重ねた結
果、特定組成のAl−Fe合金を適用することにより、薄厚
箔でも優れた特性が得られることを見い出し、また同時
に固有の製造条件を見い出すに至り、ここに本発明をな
したものである。
すなわち、本発明に係るアルミニウム箔は、Fe:0.8〜
2.0%を含有すると共に、Si:0.15%以下に規制し、且つ
Fe/Si比を15以上に調整し、不可避的不純物元素をそれ
ぞれ0.05%以下に規制し、結晶粒径が10μm以下である
ことを特徴とするものである。
また、その製造方法は、上記化学成分を有するアルミ
ニウム合金に均質化熱処理を施すに際し、加熱温度T
(℃)が400℃以上500℃以下の範囲で、保持時間t(h
r)が次式 t≦(55−0.1T)(但し、t≦10) を満足する範囲で実施することを特徴とするものであ
る。
以下に本発明を更に詳述する。
(作用) 本発明は前述のようにAl−Fe合金を用いるが、その化
学成分等の限定理由は以下のとおりである。
Fe:0.8〜2.0% Feの添加は結晶粒の微細化に最も有効であり、強度、
成形性の向上に対して効果がある。しかし、0.8%未満
では結晶粒の微細化が不充分となり、強度、成形性の向
上並びにピンホールの低減に対して効果がない。また2.
0%を超えると効果が飽和すると共に、後工程の冷間圧
延においても巨大なAl−Fe系の金属間化合物が分割され
にくく残存し易くなり、却って成形性、ピンホールに悪
影響をもたらす。
したがって、Fe量は0.8〜2.0%の範囲とする。なお、
このFe量の場合、製造条件により特性が変化し易いの
で、後述するように製造工程管理が必要である。
Si:0.15%以下 Feを合金化する上では、不純物元素の含有量の変動が
生じ易い。特にSiは変動し易く、またSiは造塊時の晶出
物の形態に大きな影響をもたらし、Si量が多いと晶出物
の大きさが大きくなると共に、再結晶粒の発生核となる
べき晶出物の数が少なくなり、結果的に再結晶粒径が大
きくなるため、箔製品の強度、成形性及びピンホールに
対して悪影響を及ぼすので、極力少なく抑制しなければ
ならない。本発明においては、Si量は、以下に説明する
如くFe量との関係から0.15%以下に抑制し、好ましくは
0.10%以下である。
Fe/Si比:15以上 上述の如く、Si量はできるだけ少ない方が好ましい
が、Feの含有量によって作用範囲が異なり、Fe量が多け
れば許容範囲は広くなり、Fe量が少なくなれば規制量を
厳しくする必要がある。この点、本発明では、Fe/Si比
をコントロールし、Fe/Si比を15以上に保つ必要がある
ことが判明した。ここで、絶対量としてSi量が0.15%を
超えると、Fe量が多くなってもSiの影響を無視できず、
強度、成形性、ピンホールなどの特性が劣ってくるの
で、Si量の上限は前述の如く0.15%とするものである。
その他の元素:各々0.05%以下 Mnなどの第3元素を添加すると、製造工程条件の変動
により特性が変化し易いため、できるだけ添加しない方
がよい。不可避的不純物の含有についても同様である。
したがって、他の不純物量はそれぞれ0.05%以下に規制
する。
結晶粒径:10μm以下 箔製品における結晶粒径が10μmよりも大きいと、強
度及び成形性の低下をもたらし、また薄厚箔の場合には
ピンホールの発生が生じるので好ましくない。
次に本発明の製造条件について説明する。
上記化学成分を有するアルミニウム合金は、常法によ
り造塊し、圧延が行なわれるが、熱間圧延に先立って均
質化熱処理が行なわれる。
通常、この熱処理は500〜560℃の範囲で4〜10時間程
度保持する条件で実施されているが、温度、保持時間に
より強度、成形性に変動が生じ易い。すなわち、均質化
熱処理は、造塊時に生成した晶出物の形態を変化させ、
温度が500℃を超えると大きさが増大すると共に、再結
晶粒の核となるべき晶出物の数が減少し箔製品の結晶粒
が大きくなり、強度、成形性及びピンホールの特性を悪
化させる。また、400℃に満たない場合は、従来の造塊
時の偏析に対する均質化熱処理の効果が不十分となり、
後の熱間圧延時の表面性状の悪化及び箔製品の位置によ
る特性のバラツキが生じ、強度、成形性及びピンホール
の特性の均一性を悪化させるので、好ましくない。した
がって、本発明では、均質化熱処理温度を400〜500度の
温度範囲に制御する。
また、保持時間については、均質化熱処理温度をT
(℃)、保持時間をt(hr)とすると、 t≦(55−0.1T)(但し、t≦10) を満足する範囲で実施する。500℃未満であっても、長
時間保持すれば晶出物が粗大化することになり、最大5
時間以内にする必要がある。また、400℃でも同様に10
時間以内にする必要がある。長時間の熱処理は熱エネル
ギー的にも不利になることから、短時間が好ましい。
なお、熱間圧延、冷間圧延、仕上げ焼鈍等々の工程及
び条件は特に制限されない。
次に本発明の実施例を示す。
(実施例) 第1表に示す化学成分を有するAl−Fe合金について、
通常法の造塊によりスラブを作製し、各種の加熱温度、
保持時間で均質化熱処理を実施した後、通常の熱間圧延
により熱圧板(3.5mm厚さ)を製造し、引き続き冷間圧
延により箔製品厚(40μm又は7μm)まで圧延を実施
した。なお、7μm箔の仕上げ圧延はダブリング圧延に
より行った。
圧延後、仕上げ焼鈍を380℃で実施し、箔製品を得た
後、以下の項目について調査した。それらの結果を第1
表に併記する。
結晶粒径 光学顕微鏡により観察し、平均粒径を測定した。
強度、伸び インストロン式の引張試験機により坑張力及び全伸び
を測定した。引張試験片は幅15mm、有効長さ100mmの短
冊状のものを用いた。
エリクセン値 成形性の評価として、40μm箔についてJIS Z 224
7に準じてエリクセン試験を行い、エリクセン値を測定
した。
ピンホール数 7.0μm箔について暗室にて箔の下方から光を当て、
目視によりピンホール数をカウントした後、1m2当りの
数に換算した。
第1表より明らかなように、本発明例は、いずれも結
晶粒径が小さく、薄厚箔(7μm箔)の場合には強度、
全伸び(成形性)が優れていると共にピンホール数が極
めて少ない。また40μm箔においても優れた強度、全伸
び及びエリクセン値(成形性)が得られている。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明によれば次のような優れ
た効果が得られる。
薄厚箔においても優れた強度、成形性が得られるた
め、従来より使用されているものに対しては薄肉化が可
能になると共に、従来使用できなかった複雑な形状への
成形も可能になり、用途の拡大化を図ることができる。
薄厚箔においてもピンホールの発生が抑えられるの
で、現状よりも薄肉化が可能になり、コスト低減が可能
になる。また、ピンホールが原因による箔切れが抑制さ
れるため、保留の向上が得られる。
均質化熱処理の温度の変動による品質のバラツキが
抑えられると共に、従来のアルミニウム合金のようにFe
以外にMn等の元素を添加しないので、その他の製造条件
の影響を受けにくく、品質の安定化が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 691 C22F 1/00 691B 691C (56)参考文献 特開 平2−50932(JP,A) 特開 昭64−25933(JP,A) 特開 昭60−131957(JP,A) 特開 昭63−26322(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 21/00 C22F 1/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で(以下、同じ)、Fe:0.8〜2.0%
    を含有すると共に、Si:0.15%以下に規制し、且つFe/Si
    比を15以上に調整し、不可避的不純物元素をそれぞれ0.
    05%以下に規制し、結晶粒径が10μm以下であることを
    特徴とするアルミニウム箔。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の化学成分を有するアルミ
    ニウム合金に均質化熱処理を施すに際し、加熱温度T
    (℃)が400℃以上500℃以下の範囲で、保持時間t(h
    r)が次式 t≦(55−0.1T)(但し、t≦10)を満足する範囲で実
    施することを特徴とするアルミニウム箔の製造方法。
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