JP6792463B2 - 成形用アルミニウム合金軟質箔 - Google Patents
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Description
更には、第2表において、発明例である試料No.5と比較例である試料No.10とは、その特性に差が認め難く、発明の有効性が認め難い。したがって、特許文献2は、特許請求の範囲を担保する実施例がなく、技術として未完成であり、先行技術としては不適切である。
板(0.20mm厚以上)の成形加工において、張出し性を高めるためには、高い引張強さ、高い耐力、及び高い伸びとして成形性を向上させ、絞り加工においては、高い引張強さ、低い耐力、及び高い伸びとして成形性を向上させる。すなわち、絞り加工に対しては、組成及び製造工程を制御して、高引張強さ及び低耐力とすることによりn値(加工硬化指数)を高くする提案がなされている。一方、箔(0.20mm厚以下)においては、薄くなること自体により引張強さ及び伸びが低下すること、また、張出し成形の比率が高いと考えられていることから、板と同様に高い引張強さ及び高い耐力が指向されていた。しかしながら、箔の場合、張出し成形であっても角型形状では絞り成形の比率が高いことを究明し、本発明を完成するに至った。
本発明者は、箔の絞り成形挙動につき鋭意研究したところ、本発明に係るAl−Fe合金箔の組成においては、均質化熱処理、中間焼鈍、及び仕上げ焼鈍の熱処理温度を適宜組み合わせ、固溶度を高める製造工程とすることにより、不連続再結晶機構と連続再結晶機構との比率を変化させ、粗大結晶粒組織または微細結晶粒組織に制御できることを究明した。更に、不連続再結晶粒に制御することにより、低耐力に制御でき、n値を高くすることができ、成形性を高められることを究明した。なお、本手法で結晶粒を大きい側に制御すると、材料集合組織中のCube比率が高まる。
n≧2.0×T(mm)+0.20
であることを特徴とする。
このような構成によれば、軟質箔の成形性が向上する。
このような構成によれば、軟質箔の成形性がより向上する。
本実施形態に係る軟質箔は、所定量のFeを含有し、残部がAl及び不可避的不純物である。また、軟質箔は、厚み、引張強さ、及び耐力を規定し、更に、加工硬化指数であるn値と厚みとの関係を規定したものである。また、本実施形態に係る軟質箔は、表面において、結晶粒の平均粒径及びCube方位の面積率を所定の範囲とすることが好ましい。
Feは、一定の強度を付与するための成分であって、Al−Fe系金属間化合物を形成させると共に、軟質箔の結晶粒径を所定の大きさまで微細にするために添加する。Feの含有量が0.80質量%未満では、結晶粒径が大きくなりすぎてしまい、十分な強度が得られない。一方、Feの含有量が1.40質量%を超えると、粗大なAl−Fe系金属間化合物が多くなり、仕上げ焼鈍温度を高くしても結晶粒が微細なままで、n値が大きくならず、また、成形時の破断の原因となり易い。したがって、Feの含有量は0.80質量%以上1.40質量%以下とする。なお、Feの含有量は、結晶粒の微細化の観点から、好ましくは0.90質量%以上である。また、Feの含有量は、n値を大きくし易くする観点から、また、箔圧延をより行い易くする観点から、好ましくは1.30質量%以下である。
本実施形態に係る軟質箔は、JISH4000:2014の合金番号8079や8021に規定される範囲内で、Fe以外の元素を不可避的不純物として含んでもよい。この不可避的不純物の元素として、具体的には、Si、Cu、Mn、Mg、Cr、Zn、Ti、Zr、V、Ni、Sn、In、Ga等が挙げられる。これらの元素の含有量は個々に、Si:0.2質量%以下、Cu:0.03質量%以下、Mg:0.01質量%以下(好ましくはMg:0.005質量%以下)、前記Si、Cu、Mg以外の元素の含有量は個々に0.05質量%以下、前記Si、Cu、Mg以外の元素の合計で0.15質量%以下に規制されることが好ましく、この範囲内であれば、不可避的不純物として含有される場合だけではなく、積極的に添加された場合であっても、本発明の効果を妨げない。
アルミニウム合金軟質箔の厚さは10μm以上40μm以下とする。厚さが10μm未満では、所定の容器に成形した後に成形体として十分な強度が維持できない。一方、厚さが40μmを超えると、アルミニウム合金の使用量が多くなり経済的ではない。なお、軟質箔の厚さは、強度をより向上させる観点から、好ましくは15μm以上である。また、軟質箔の厚さは、経済性の観点から、好ましくは35μm以下である。
アルミニウム合金軟質箔の引張強さは、n値の制御のため、成形性を維持するため、また、成形後の強度を確保するため、90N/mm2以上とする。引張強さが90N/mm2未満では、成形性が低下し、また、成形後の取扱いで衝突等により凹状の変形が生じ易い。したがって、引張強さは90N/mm2以上とする。アルミニウム合金軟質箔の引張強さは、成形後の強度を確保するため、高いことが好ましいが、120N/mm2を超えて高強度とすると、結晶粒径が微細となりすぎ、却ってn値が低下し成形性が低下し易い。したがって、成形性の観点から、引張強さは120N/mm2以下が好ましい。
アルミニウム合金軟質箔の耐力が高すぎると、かえってn値が低下し成形性が低下する。よって、n値をより制御し易くするために、耐力は低めに制御することが必要であり、軟質箔の耐力は58N/mm2以下とする。下限は特に限定するものではないが、30N/mm2未満となると、成形時の取扱い自体が難しくなるため、耐力は30N/mm2以上が好ましい。
また、耐力の測定は、引張強さに準じ、0.2%変形時の荷重より算出することができる。
加工硬化指数であるn値は、軟質箔の厚みをT(mm)としたときに、下記式(1)とする。
n≧2.0×T(mm)+0.20 ・・・・・・・・・・・・(1)
また、前記の式(1)は、多くの実験結果から導き出したものである。
軟質箔の結晶粒径は、均質化熱処理、中間焼鈍、及び仕上げ焼鈍の温度を、適宜、低温に組み合わせ、Si等の固溶量を減らすことにより、結晶粒を7.0μm未満の微細なものに制御することができる。しかし、この微細な再結晶粒組織は、連続再結晶機構によるもので、Cube方位(再結晶集合組織の代表方位)が低く、強度が高いため、張出し成形には望ましいが、n値が低いため、絞り比率が高い成形には望ましくない。したがって、結晶粒の平均粒径は7.0μm以上が好ましい。
一方、均質化熱処理及び中間焼鈍の温度を、適宜、高温に組み合わせ、固溶量を高めることにより、また、仕上げ焼鈍の温度を高温とすることにより、再結晶粒は粗大になり易い。この粗大な再結晶粒組織は、不連続再結晶機構によるものであり、Cube方位が高く、絞り成形に望ましいものとなる。しかし、結晶粒の平均粒径が12.0μmを超えると、結晶粒が箔厚の1/3〜1/2を占めるようになり成形性が低下し易い。したがって、結晶粒の平均粒径は12.0μm以下が好ましい。
しかしながら、厚さが薄い軟質箔に対しては、前記のような物理的前処理が困難であり、且つ、結晶粒径が小さいため、バーカー法では精度よく測定することはできない。そこで、本発明者は、前処理が容易であると共に、再結晶粒(15°を超える傾角)の結晶粒径を高精度で測定することが可能なEBSD法(Electron Back Scatter Diffraction)を測定法として採用した。
例えば、結晶粒の平均粒径の測定は、軟質箔の表面をイオンエッチングした後、走査型電子顕微鏡を用いて軟質箔の表面を確認し、EBSD法によって算出することができる。
材料の集合組織として、Cu方位(121){1−11}、S方位(231){3−46}等が圧延集合組織であり、Cube方位(100){001}が再結晶集合組織の代表組織である。仕上げ焼鈍後の再結晶粒組織において、Cube方位がほぼ存在せず、主としてCu方位、S方位等の圧延集合組織成分からなる場合が連続再結晶機構による結晶粒組織であり、Cube方位成分が増加した場合が不連続続再結晶機構による結晶粒組織である。連続再結晶機構による結晶粒組織の場合、すなわち不連続再結晶機構の尺度であるCube方位の面積率が12%未満の場合は、高い引張強さと高い耐力が得られるが、適正なn値が得られ難く、絞り成形性の適性が低下し易い。したがって、Cube方位の面積率は12%以上が好ましい。一方、Cube方位の面積率が18%を超える場合には、結晶粒径が粗大となり、強度が低下し易い。したがって、Cube方位の面積率は18%以下が好ましい。
本発明の軟質箔は、箔厚が10μm以上40μm以下で成形性に優れものである。したがって、本発明の軟質箔は、例えば、電池外装品、食品、化粧品、薬品等の保管用容器等に用いることができる。特に、本発明の軟質箔は、電池ケース用として好適に用いることができる。
次に、本実施形態に係る軟質箔の製造方法の一例を説明する。
本実施形態に係る軟質箔は、鋳造工程と、均質化熱処理工程と、熱間圧延工程と、冷間圧延工程と、中間焼鈍工程と、冷間圧延工程と、箔圧延工程と、仕上げ焼鈍工程と、を含む。
以下、各工程について説明する。
鋳造工程は、前記の成分組成であるアルミニウム合金を定法により溶解、鋳造して、アルミニウム合金鋳塊を作製する工程である。
均質化熱処理工程は、アルミニウム合金鋳塊を均質化熱処理する工程である。具体的には、アルミニウム合金鋳塊中の偏析を無くし、微細な金属間化合物を固溶させ、1μm前後より大きい安定相粒子とする工程である。均質化熱処理の均熱温度は、520℃以上が好ましい。均熱温度が520℃未満では、Al−Fe系の微細な金属間化合物が残存し、仕上げ焼鈍において結晶粒が成長し難い。均熱温度の上限は特に定めるものではないが、620℃超では局部溶融し易いため、620℃以下とすることが好ましい。保持時間は、2時間以上10時間以下が好ましい。保持時間が2時間未満では、均熱の効果が得られない。一方、10時間を超えると、経済性の観点から好ましくない。
熱間圧延工程は、均質化熱処理したアルミニウム鋳塊を熱間圧延して熱間圧延板とする工程であり、熱間粗圧延及び熱間仕上げ圧延を含む。
熱間圧延の条件は特に限定されないが、例えば、開始温度が400℃以上550℃以下であり、終了温度が300℃以下であって、板厚を5mm以下(好ましくは4mm以下)とする熱間圧延を施すという条件とすればよい。なお、終了温度は、例えば、250℃以上、板厚は、例えば、2mm以上とすればよい。
冷間圧延工程及び箔圧延工程は、箔を得る工程である。この冷間圧延においては、中間焼鈍を行うことが好ましい(中間焼鈍工程)。中間焼鈍は、中間焼鈍での固溶度を高めるために高温とすることが好ましく、且つ、仕上げ焼鈍までの加工率を少なくすることが好ましく、中間焼鈍時の板厚は0.5mm以下、焼鈍温度は380℃以上が好ましい。焼鈍温度は、より好ましくは400℃以上である。また、中間焼鈍時の板厚が薄くなりすぎると、仕上げ焼鈍での結晶粒径が大きくなり易いため、中間焼鈍時の板厚は0.2mm以上が好ましく、0.25mm以上がより好ましい。また、焼鈍温度は、480℃以下が好ましい。
中間焼鈍の保持時間は2時間以上が好ましい。保持時間が2時間未満では、中間焼鈍の効果が得られない。一方、10時間を超えると効果が飽和してしまい、経済性の観点から好ましくない。中間焼鈍後、更に冷間圧延、箔圧延を行い、10μm以上40μm以下の厚さに圧延する。中間焼鈍後の加工率は低い方が好ましく、98%以下が好ましい。
仕上げ焼鈍工程は、箔圧延後に、強度調整、脱脂等を目的として焼鈍を施し軟質箔とする工程である。そして、この仕上げ焼鈍の温度を330℃以上とすることにより、不連続再結晶比率を高め、再結晶粒を大きくすることができる。再結晶粒径が所定の寸法で所定のCube比率の場合に、耐力が低く、引張強さも適正な範囲となり、かつ、適正なn値が得られる。したがって、仕上げ焼鈍の温度は、330℃以上が好ましい。仕上げ焼鈍の温度は、再結晶粒径及びCube比率を制御し易くする観点から、350℃以上が好ましい。一方、仕上げ焼鈍の温度が400℃を超えると、結晶粒が粗大化し易く、Cube比率も過大となり易く、また箔粘りが生じ、巻き戻し時に局部貼付が生じ易いため、仕上げ焼鈍の温度は400℃以下が好ましい。
仕上げ焼鈍後の箔は、樹脂フィルム等と貼り合わせ、印刷等を施して使用する。
本実施形態に係る軟質箔の製造方法は、以上に説明したとおりであるが、前記各工程に悪影響を与えない範囲において、前記各工程の間あるいは前後に、他の工程を含めてもよい。例えば、鋳塊を面削する表面平滑化工程や、板や箔の表面の異物を除去する異物除去工程や、各工程で発生した不良品を除去する不良品除去工程等を含めてもよい。
表1に示す組成のアルミニウム合金を溶解し、500mm厚に半連続鋳造にて鋳造して表1に示す組成の鋳塊とした。この鋳塊に面削を施した後、No.1、2、3、5、7、10は、540℃×4時間の均質化熱処理を施し、3.5mmの厚さまで、終了温度が270℃の熱間圧延を実施した。そして、冷間圧延し、0.45mmにて420℃×4時間の中間焼鈍を行い、冷間圧延及び箔圧延を施し、表1の厚さ(仕上げ焼鈍前の箔厚)の硬質箔を製造した。その後、No.1、2、3、5は、350℃×15時間の仕上げ焼鈍を施し、No.7は、420℃×10時間の仕上げ焼鈍を施し、No.10は、250℃×20時間の仕上げ焼鈍を施し、供試材(軟質箔)を製造した。
No.8は、520℃×8時間の均質化処理を施し、6mmの厚さまで、終了温度が350℃の熱間圧延を実施した。そして、冷間圧延し、0.48mmにて360℃×6時間の中間焼鈍を行い、冷間圧延及び箔圧延を施し、表1の厚さ(仕上げ焼鈍前の箔厚)の硬質箔を製造した。その後、300℃×20時間の仕上げ焼鈍を施し、供試材(軟質箔)を製造した。
No.13は、490℃×10時間の均質化処理を施し、3mmの厚さまで、終了温度が305℃の熱間圧延を実施した。そして、冷間圧延し、0.6mmにて250℃×8時間の中間焼鈍を行い、冷間圧延及び箔圧延を施し、表1の厚さ(仕上げ焼鈍前の箔厚)の硬質箔を製造した。その後、320℃×8時間の仕上げ焼鈍を施し、供試材(軟質箔)を製造した。
(機械的性質)
引張強さ、耐力、伸びの機械的性質の測定は、軽金属協会規格LIS AT5に準じてB型試験片を用いて実施した。すなわち、軟質箔である供試材から、引張方向が圧延方向と平行になるように15mm幅×約200mm長さの短冊型試験片を切り出し、チャック間距離100mmを標点距離とし、クロスヘッドの移動速度10mm/分にて実施した。試験には、Instron社製 5965 デュアルコラム卓上型試験システム(荷重容量5kN)を用い1kNレンジにて試験を行い、付属ソフトであるBluehillにて測定・解析を行った。
n値は、試験片形状をLIS AT5準拠とし、JIS Z 2253:2011に準拠して算出した。すなわち、公称ひずみ−公称応力から、真ひずみ−真応力曲線を求め、真ひずみ0.03以上0.07以下の間の応力及びひずみの両対数プロットよりn値を算出した。
結晶粒の平均粒径の測定は、以下の手順で行った。
(1)供試材である箔を有機溶剤に浸漬させることにより表面の油分を軽く除去した。
(2)日本電子株式会社製、ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis、型式JPS−9010MC)を用い、加速電圧600V、電流13mAにて500秒間のイオンエッチングを箔の表面に施した。
(3)日本電子株式会社製、FESEM(Field Emission Scanning Electron Microscope、型式JSM−700F)を用い、加速電圧20KVの条件の下、株式会社TSLソリューションズ製の測定ソフトであるTSL−OIM(Orientation Imaging Microscope)−Data Collectionバージョン5にて箔表面を測定した。測定は、200倍(0.5μmステップ、400μm×200μm)で行った。
(4)測定データを、株式会社TSLソリューションズ製の解析ソフトであるTSL−OIM(Orientation Imaging Microscope)−Analysisバージョン7にて解析を行った。
(5)まず、結晶粒の定義として、Grain Tolerance Angle:15°、ピクセル(ステップ):2と規定し、2ピクセル間で方位差が15°以下の場合は、それらのピクセルは同一結晶粒であるとした。
(6)Unique Grain Color Quick Map にて結晶粒観察を行うと共に、Grain Size Quick Chart にて得られた結晶粒径−存在分率の値を、絶対値表示のNumber Fractionのモードで再プロットし、結晶粒の平均粒径を求めた。これは、各結晶粒中のピクセル数×ステップ寸法よって、測定視野中の全結晶粒の個々の面積を求め、その後、各結晶粒の円相当径を算出し、その各結晶粒の円相当径に存在分率(=1/測定視野中の全結晶粒の個数)を乗じ、合計して算出したものである。
結晶粒径を測定した上記(6)の画像にて、各方位につき理想方位からのズレが15°までを各方位とし、マッピング解析を実施した。そして、このマッピング解析から、Cube方位の面積率を算出した。
図2は、供試材No.3の結晶粒の組織状態を示す箔表面の結晶方位面積率解析画像であり、図3は、各方位の存在率である。
張出し高さは、JIS Z 2247:2006に準拠したエリクセン試験により算出した。なお、エリクセン試験機による張出し高さは、試験片の厚さ以外は、JIS Z 2247:2006の標準試験片による試験に準拠した。試験に当たってはジョンソンワックスを用い、手動にて張出しを行った。
張出し高さが8.8mm以上のものを成形性が合格とした。
ただし、試験片の厚さが20μm以下では厚さが薄いため、JIS Z 2247:2006に規定されるエリクセン法では、シワ押え力が適正に負荷出来なくなった。そのため、箔厚が20μm以下の供試材は、エリクセン試験は実施しなかった。
なお、No.1は、エリクセン試験は実施しなかったが、引張強さ、耐力、及びn値が本発明の規定を満たすため、成形性に優れるものである。
No.6は、Feの含有量が少ないが、仕上げ焼鈍の温度が低いため、結晶粒の平均粒径が小さくなり、Cube方位の面積率が低くなり、耐力が高く、n値が低く、成形性に劣った。
No.7は、Feの含有量が少なく、また、仕上げ焼鈍の焼鈍温度が高いため、結晶粒の平均粒径が大きくなり、Cube方位の面積率が高くなり、引張強さが低く、成形性に劣った。
No.9は、仕上げ焼鈍の温度が低いため、結晶粒の平均粒径が小さくなり、Cube方位の面積率が低くなり、耐力が高く、n値が低く、成形性に劣った。
No.10は、仕上げ焼鈍の焼鈍温度が低いため、結晶粒の平均粒径が小さくなり、Cube方位の面積率が低くなり、n値が低く、成形性に劣った。
No.12は、仕上げ焼鈍の焼鈍温度が高いため、結晶粒の平均粒径が大きくなり、Cube方位の面積率が高くなり、引張強さが低く、成形性に劣った。また、焼鈍時に貼り付きが生じ易く、取扱いが困難であった。
No.13は、仕上げ焼鈍の焼鈍温度が低いため、結晶粒の平均粒径が小さくなり、Cube方位の面積率が低くなり、耐力が高く、n値低く、成形性に劣った。
No.14は、Feの含有量が多いため、不完全再結晶となり、Cube方位の面積率が低くなり、耐力が高く、n値が低く、成形性に劣った。
Claims (2)
- Fe:0.80質量%以上1.40質量%以下を含有し、残部がAl及び不可避的不純物であり、厚みが10μm以上40μm以下であり、引張強さが90N/mm2以上、耐力が58N/mm2以下であり、加工硬化指数であるn値が、前記厚みをT(mm)としたときに、
n≧2.0×T(mm)+0.20
であることを特徴とする成形用アルミニウム合金軟質箔。 - 表面において、結晶粒の平均粒径が7.0μm以上12.0μm以下であり、Cube方位の面積率が12%以上18%以下であることを特徴とする請求項1に記載の成形用アルミニウム合金軟質箔。
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