JP2021055168A - マグネシウム合金板 - Google Patents

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Abstract

【課題】室温での成形性に優れ、かつ、高い強度を有するマグネシウム合金板を提供すること。【解決手段】AgおよびCaを含有するマグネシウム合金板であって、Agの含有量が、0.3〜6.0質量%であり、Caの含有量が、0.05〜1.0質量%であり、残部が、マグネシウム及び不可避的不純物からなり、稠密六方格子構造における(0001)面の集積度が3.5未満である。【選択図】なし

Description

本発明は、マグネシウム合金板に関する。
マグネシウム合金は、実用金属の中で最も比重が小さいため、航空機、自動車、電子機器の分野において軽量化材料としてその適用が期待されている。
一方で、マグネシウム合金の結晶構造は稠密六方格子構造であり、室温付近でのすべり系の数が少なく、室温(例えば0℃〜40℃)での成形性が低いという問題を有している。これは、一般的なマグネシウム合金板であるAZ31合金(Al:3%、Zn:1%を含む)などでは、結晶集合組織において、稠密六方格子構造の(0001)面が板表面(圧延面)に平行に配列して存在し、その(0001)面の集積度が高いことで、室温では(0001)面でしかすべり変形ができないことに起因している。
この問題を解決するために、ローラレベラにより室温でせん断変形を加え、その後、再結晶熱処理を複数回行うことによって、(0001)面の配向をランダム化する方法が提案されている(特許文献1)。また、固相線近傍で圧延加工を行い、その後、再結晶熱処理を行うことによって(0001)面の配向をランダム化する手法が提案されている(特許文献2)。さらに、Mg−Zn系合金に希土類元素やカルシウム等の特定元素を微量添加することによって、(0001)面の配向をランダム化する手法も提案されている(特許文献3)。
特開2005−298885号公報 特開2010−133005号公報 特開2010−13725号公報
しかしながら、本発明者らの実験によれば、特許文献1〜3の方法で製造されたマグネシウム合金板は、同処理が施されていないマグネシウム合金板に比べて強度が低くなるという欠点を有していることが確認された。近年、自動車、携帯家電等に用いられる軽量化材料には室温での成形性とともに、より高い強度が要求されるようになっており、特許文献1〜3に記載されている方法では、このようなより高い強度への要求を十分に満たすマグネシウム合金が得ることが難しい。
一方、単にマグネシウム合金板の強度を上げる方法としては、従来知られているように、析出強化あるいは固溶強化などの方法を用いることも考えられるが、このような方法の場合、延性(伸び)が劣るようになり、加工性の大幅な劣化を招くことになる。特に、マグネシウム合金では、室温での加工性が劣るため、さらに加工性の劣化を招くことになる。一般に、強度と延性(伸び)の関係は「強度−延性バランス」と言われ、強度−延性バランスが良いと言われる材料は、強度、延性ともに高い材料を指す。軽量化素材として高い強度と高い伸びを有する、すなわち優れた強度−延性バランスを有するマグネシウム合金板を得ることは容易ではなかった。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、室温での成形性に優れ、かつ、高い強度を有するマグネシウム合金板を提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するため、AgおよびCaを含有するマグネシウム合金板であって、
Agの含有量が、0.3〜6.0質量%であり、
Caの含有量が、0.05〜1.0質量%であり、
残部が、マグネシウム及び不可避的不純物からなり、
稠密六方格子構造における(0001)面の集積度が3.5未満であることを特徴としている。
本発明のグネシウム合金部材は、前記マグネシウム合金板が加工されていることを特徴としている。
本発明のマグネシウム合金板の製造方法は、AgおよびCaを含有するマグネシウム合金板の製造方法であって、
以下の工程:
Agの含有量が、0.3〜6.0質量%であり、Caの含有量が、0.05〜1.0質量%であり、残部が、マグネシウム及び不可避的不純物からなるマグネシウム合金ビレットを作製する鋳造工程;
前記マグネシウム合金ビレットまたはその加工物を、200℃〜500℃で圧延する圧延工程;および
前記圧延工程後に、200℃〜500℃で徐冷する焼鈍工程
を含むことを特徴としている。
本発明のマグネシウム合金板は、室温での成形性に優れ、かつ、高い強度を有している。本発明のマグネシウム合金板の製造方法は、室温での成形性に優れ、かつ、高い強度を有するマグネシウム合金板を得ることができる。このため、本発明のマグネシウム合金板、例えば、十分な耐デント性が求められる自動車の外板などに適用することができ、自動車の軽量化等を図ることができる。
(1)比較例1、(2)実施例1、(3)実施例2、(4)実施例4、(5)実施例5、(6)実施例6の(0001)面集合組織をX線回折により分析した結果を示す図である。 (1)実施例1、(2)実施例2、(3)実施例5、(4)実施例6、(5)比較例2、(6)比較例4の組織をX線回折により定性的に分析した結果を示す図である。
上述したように、従来、Mg−Zn−Ca系合金は、優れた室温成形性を有するものの、その強度は低く、高い強度と延性のバランスを必要とする自動車部材としての利用が困難であった。本発明者らは、優れた時効硬化性を有するMg−Ag−Ca系合金を対象として、その合金添加濃度を調整し、かつ、特定の圧延条件などを検討することにより、再結晶時の集合組織が有する稠密六方格子構造における(0001)面の集積が弱まる方向に作用することを見出した。さらに、その合金の組成を調整することにより、室温での高い成形性を維持することができることを見出した。本発明は、このような新規な知見に基づいてなされたものである。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本発明のマグネシウム合金板は、マグネシウムを主成分とし、AgおよびCaを含有するMg−Ag−Ca系合金である。
Agの含有量は、0.3〜6.0質量%である。Agの含有量が0.3%質量以上であると、マグネシウム(母相)内部に固溶するAgが十分な量となり、粒界にAgが偏析するようになるため、有効に(0001)面の配向をランダム化することができる。一方、Agの含有量が6.0質量%を超えると、AgMgやCaAgなどの晶出物が生成し、室温での高い成形性が得られなくなる。Agの含有量は、1.0〜6.0質量%であることがより好ましい。
Caの含有量は、0.05〜1.0質量%である。Caの含有量が0.05質量%以上であると、Mg(母相)内部に固溶するCaが十分な量となり、粒界にCaが偏析するようになるため、有効に(0001)面の配向をランダム化することができる。一方、Caの含有量が1.0質量%を超えると、MgCaなどの晶出相が生成し、室温での高い成形性が得られなくなる。
AgおよびCa以外の残部は、マグネシウムおよび不可避的不純物からなる。不可避的不純物としては、例えば、Fe、Ni、Cなどを例示することができる。
そして、本発明のマグネシウム合金板は、板表面(圧延面)において、稠密六方格子構造の(0001)面の集積度が3.5未満である。(0001)面の配向が抑制されていることで、マグネシウム合金板は、優れた室温成形性を有している。なお、(0001)面の集積度は、例えば、XRD法(シュルツの反射法)により測定した値である。
現在、Mg−Zn−Ca系合金を中心として、圧延・焼鈍後の(0001)面集合組織の配向ランダム化するメカニズムに関する調査が行われている。例えば、Griffithsは、マグネシウム中に固溶するZnやCaが粒界中に偏析し、その結果ドラッグ効果により動的再結晶を抑制され、その結果、(0001)面の配向が抑制されることを指摘している(D. Griffiths:Mater. Sci. Technol., Vol.31(2015),pp.10-24.)。Mg−Ag−Ca系合金に関しても、同じメカニズムより、マグネシウム中に固溶するAgやCaが粒界中に偏析し、その結果ドラッグ効果により動的再結晶を抑制され、その結果、(0001)面の配向が抑制されたと考えることができる。
本発明のマグネシウム合金板は、室温での優れた成形性を有し、かつ、高い強度と時効硬化性を有している。すなわち、本発明のマグネシウム合金板は、強度−延性バランスに優れ、高い強度と延性を有する。成形性について、マグネシウム合金板は、室温(約30℃)でアルミニウム合金に準ずる成形性(エリクセン値で6.5以上)、もしくはアルミニウム合金に匹敵する成形性(エリクセン値で8.0以上)を有している。
このため、本発明のマグネシウム合金板は、航空機部品、電子機器、自動車部品、外板等などの各種のマグネシウム合金部材に加工することができる。
次に、本発明のマグネシウム合金板の製造方法の一実施形態について説明する。
本発明のマグネシウム合金板の製造方法では、Agの含有量が、0.3〜6.0質量%であり、Caの含有量が、0.05〜1.0質量%であり、残部が、マグネシウム及び不可避的不純物からなるマグネシウム合金ビレットを作製する(鋳造工程)。
次に、マグネシウム合金ビレットまたはその加工物を、200℃〜500℃で圧延する(圧延工程)。具体的には、温間における押出し、及び/又は粗圧延を施し、例えば板厚4mm〜10mm程度の圧延用素材を製造する。その後に、所望の板厚まで温間(約200℃〜350℃)もしくは熱間圧延(350℃〜500℃)を施すことができる。通常は、電子機器、自動車などに適用される板厚である、0.5mmから2.0mm程度にまで圧延することができる。
そして、圧延工程後に、200℃〜500℃で徐冷する(焼鈍(再結晶熱処理)工程)。焼鈍工程の時間は、適宜設定することができるが、例えば、30分〜6時間程度を例示することができる。
なお、本発明のマグネシウム合金板の製造方法では、上記工程以外に、例えば、押出加工、鍛造加工、引抜加工などの公知の塑性加工などを含んでいてもよい。
本発明のマグネシウム合金板およびその製造方法は、以上の実施形態に限定されるものではない。
以下、本発明のマグネシウム合金板およびその製造方法について、実施例とともに説明するが、本発明のマグネシウム合金板およびその製造方法は、以下の実施例に限定されるものではない。
(1)マグネシウム合金板の作製
溶解鋳造法により、表1に示す化学成分を有するマグネシウム合金ビレットを作製した(鋳造工程)。その後、380℃もしくは400℃で押出し加工を行い(表1に押出温度を示す)、板厚5mmの板とした。ついで試料温度450℃もしくは350℃の圧延を施し(表1に圧延温度を示す)、板厚1.0mmの板を得た(圧延工程)。これらの板を用いて、従来の製造工程に従って圧延後350℃で1.5時間の焼鈍(再結晶熱処理)を施した(焼鈍工程)。
Figure 2021055168
(2)マグネシウム合金板の室温成形性
作製したマグネシウム合金板材の室温成形性を評価するために、エリクセン試験を実施した。エリクセン試験はJIS B7729およびJIS Z2247準拠する。なお、ブランク形状は板材形状の都合上φ60mm(厚み1mm)とした。金型(試料)温度は30℃とし、成形速度は5mm/minとし、しわ押さえ力は10kNとした。潤滑剤にはグラファイトグリスを利用した。
上記マグネシウム合金板材の(0001)面集合組織をXRD法(シュルツの反射法)により測定した。測定に際しては、圧延材より20mm×20mm×1mmの板材を切り出し、RD−TD面を、厚み0.5mmまで面削した上で、#4000のSiC研磨紙で表面研磨を実施した試料を利用した。測定時の管電圧は40kVであり、電流値は40mAとした(利用した管球はCu管球である)。α角の測定範囲は15〜90°とし、測定のステップ角度は2.5°とした。β角の測定範囲は0〜360°とし、測定のステップ角度は2.5°とした。なお、バックグラウンドの測定は実施していない。測定後のデータを、ランダムデータ(内部規格データ)で規格化した後に、上下方向をRD方向、左右方向をTD方向として極点図として描いた(図1)。
X線回折による(0001)面集合組織の測定結果、エリクセン試験の結果を図1、表2に示す。
図1の(1)〜(6)はMg−0.1%Ca合金に0から12%のAgを添加した合金を、試料温度350℃または450℃で、厚み5mmから1mmまで圧延した試料に焼鈍を行うことにより作製した板材の(0001)面集合組織である。集積度は、極点図の最大強度を示す。なお、図1に示す極点図に示される等高線は相対強度であり、集積度を最大値として、等高線を描いている。
図1(1)は比較例1、図1(2)は実施例1、図1(3)は実施例2、図1(4)は実施例4、図1(5)は実施例5、図1(6)は比較例2に対応している。
図1(1)はMg−0.1%Ca合金の(0001)面集合組織であり、汎用マグネシウム合金圧延材特有の(0001)面が板面に対して平行して配列する集合組織が観察される。すなわち、ND方向(垂直方向)に対して平行な位置に(0001)面のピークが現れる。一方、Mg−0.1%Ca合金にAgを添加したMg−Ag−Ca系合金において、図1(2)〜(5)では、ND方向から約30°傾斜した付近に(0001)面の極が現れており、また、(0001)面の集積度は3.5未満となり、配向がランダム化していることが確認できる。(0001)面の配向が抑制されたMg−Ag−Ca系合金は、結果として優れた室温成形性を示すことが確認された。
表2に示したように、Agを0.3%から6%添加し、かつCaを0.1%から1%添加したMg−Ag−Ca系合金は、7.5を超える室温エリクセン値を示した(実施例1〜8)。一方、上記組成の範囲に含まれない合金は6.5を下回る室温エリクセン値を示した(比較例1〜4)。
Figure 2021055168
また、X線回折により晶出物の同定を行った。測定時の管電圧は40kVであり、電流値は40mAとした(利用した管球はCu管球である)。測定は0.01°毎に実施し、スキャンスピードは1°/分とした。
X線回折による晶出物の同定の結果を図2に示す。図2の(1)〜(5)はMg−0.1%Ca合金に0.3%から12%の銀を添加した合金を、試料温度350℃または450℃で、1パスあたりの圧下率を20%/パスとし、厚み5mmから1mmまで圧延した試料の、焼鈍を行うことにより作製した板材のXRDによる組成の定性分析結果である。また、図2の(6)はMg−1.5%Ag−2%Ca合金を上記と同じ条件で圧延して作製した板材のXRDによる組成の定性分析結果である。
図2(1)は実施例1、図2(2)は実施例2、図2(3)は実施例5、図2(4)は実施例6、図2(5)は比較例2、図2(6)は比較例4に対応している。
図2の(1)〜(5)に注目すると、Ag濃度が3%まではMg単相の組織を示しているが、Ag濃度が6%まで上昇するとAgMgやCaAgの晶出物のピークが現れる。Ag濃度が12%まで上昇すると、そのピークが上昇し、上記の晶出物が相対的に多く晶出していることが分かる。また、図2(6)に注目すると、Ca濃度が2%まで上昇するとMgCaのピークが上昇し、上記の晶出物が相対的に多く晶出していることが分かる。このように、AgおよびCaを過度に添加すると上記の晶出物が相対的に多く晶出し、晶出物が破壊の起点となってしまうため、たとえ、(0001)面の配向がランダム化しても、高い室温成形性が得られなくなる。例えばMg−12%Ag−0.1%Ca合金は、表2、図1の(6)に示す通り、集積度3.6の(0001)面集合組織を有するが、図2の(5)に示す通り、AgMgやCaAg等の晶出物の存在により、高い室温成形性は得られない。
以上の通り、図1及び表2から、Agの含有量が0.3〜6.0質量%であり、Caの含有量が0.05〜1.0質量%であるマグネシウム合金では、(0001)面集合組織の集積度が3.5未満となることが分かる。また、図2より、所定の量よりも過度のAgおよび/またはCaを添加すると、成形中の破壊の起点となる、AgMg、CaAg、MgCaなどの晶出物の生成量が増加することが分かる。
所定量のAgもしくはCaを添加していない比較例1及び比較例2の(0001)面集合組織の集積度は、3.5よりも高い値を示し、結果として、6.5未満の室温エリクセン値を示すことが確認された。また、比較例4では、(0001)面集合組織の集積度が3.5未満であるが、Caによる晶出物の生成量が増加し、6.5未満の室温エリクセン値を示すことが確認された。
一方、Agの含有量が0.3〜6.0質量%であり、Caの含有量が0.05〜1.0質量%である実施例1〜7の(0001)面集合組織の集積度は3.5よりも低い値を示し、結果として、6.5以上の室温エリクセン値を示すことが確認された。また、実施例2〜6に関しては、8以上の室温エリクセン値を示し、アルミニウム合金に匹敵する室温張り出し成形性を示すことが確認された。
(3)マグネシウム合金板の時効硬化性
上記のMg−Ag―Ca系合金板の内、実施例3、6、7、8および比較例2を対象として、その時効硬化性を調査した。その結果を表3に示す。時効硬化性の調査に当たっては、所定温度(170℃)に保持したオイルバス中に、板材を所定時間保持した後に、そのビッカース硬度を評価した。ビッカース硬度試験はJIS Z2244に準拠する。試験時の荷重は0.2kgf、保持時間は10秒とし、得られた10点の試験値から最大値と最小値を取り除き、8点の平均値をビッカース硬度とした。
Figure 2021055168
表3に示す通り、Ca濃度を変化させた場合やAg濃度を変化させた場合において、いずれの合金においても、有意の時効硬化が発現することが確認できる。この様に、Mg−Ag−Ca系合金は、所定のCa濃度およびAg濃度を選択することにより、優れた室温成形性と時効硬化性の両方を獲得することができる。
本発明により得られたマグネシウム合金板は、優れた時効硬化性を有するMg−Ag−Ca系合金を対象として、室温での加工性あるいは成形性を改善するものであり、従来の室温成形が可能なマグネシウム合金が持っていた課題、すなわち強度が低いという課題を解決する。これにより、室温においてより複雑な加工が可能であり、かつ強度が高い部品を得ることができ、電子機器、自動車部品の軽量化に寄与できる素材である。特に、自動車外板では、成形性とともに耐デント性などが要求され、この要求にも応えられる素材である。

Claims (3)

  1. AgおよびCaを含有するマグネシウム合金板であって、
    Agの含有量が、0.3〜6.0質量%であり、
    Caの含有量が、0.05〜1.0質量%であり、
    残部が、マグネシウム及び不可避的不純物からなり、
    稠密六方格子構造における(0001)面の集積度が3.5未満であることを特徴とするマグネシウム合金板。
  2. 請求項1に記載のマグネシウム合金板が加工されていることを特徴とするマグネシウム合金部材。
  3. AgおよびCaを含有するマグネシウム合金板の製造方法であって、
    以下の工程:
    Agの含有量が、0.3〜6.0質量%であり、Caの含有量が、0.05〜1.0質量%であり、残部が、マグネシウム及び不可避的不純物からなるマグネシウム合金ビレットを作製する鋳造工程;
    前記マグネシウム合金ビレットまたはその加工物を、200℃〜500℃で圧延する圧延工程;および
    前記圧延工程後に、200℃〜500℃で徐冷する焼鈍工程
    を含むことを特徴とするマグネシウム合金板の製造方法。
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