JPH07316712A - 引張り強度及びクリープ特性に優れたマグネシウム合金 - Google Patents

引張り強度及びクリープ特性に優れたマグネシウム合金

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JPH07316712A
JPH07316712A JP11531494A JP11531494A JPH07316712A JP H07316712 A JPH07316712 A JP H07316712A JP 11531494 A JP11531494 A JP 11531494A JP 11531494 A JP11531494 A JP 11531494A JP H07316712 A JPH07316712 A JP H07316712A
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JP
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silver
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calcium
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magnesium
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JP11531494A
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Tsuyoshi Baba
剛志 馬場
Masao Ichikawa
政夫 市川
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レアアースを添加すること無く高温強度の大
きい安価な軽量合金を提供する。 【構成】 マグネシウムをベースに4〜10重量%の銀
と0.1〜1.0重量%のカルシウムを添加したことを
特徴とし、銀で熱伝導率を高め、カルシウムでクリープ
強度を高めたマグネシウム合金。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマグネシウム合金の改良
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】マグネシウム合金は量産されている金属
の中で最も軽量であり、宇宙・航空産業をはじめ近年は
自動車産業への適用拡大が期待されている。しかし、既
存のマグネシウム合金には、高温強度、中でもクリープ
強度が低いという課題が有り、例えば特開昭52−10
1615号等でネオジウム(Nd)やイットリウム
(Y)を添加する技術が提案されている。即ち、ネオジ
ウム(Nd)やイットリウム(Y)等のレアアース族は
高温特性を向上させる元素であり、例えば250℃程度
までの高温特性を有するWE54合金(5.25Y−
3.5Nd−0.5Zr)は約10重量%ものレアアー
ス族を含む。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、レアアース族
は文字どうり極めて貴重な高価な物質であり、他の廉価
な物質と代替することが望ましい。また、マグネシウム
合金はアルミニウム合金の置換物質として期待されてい
るが、熱伝導率が小さいために摩擦熱を発する摺動部材
や燃焼熱を受けるエンジン部材に使用する場合は部材の
温度が上昇するという問題がおこる。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは少
なくとも熱伝導率が純マグネシウムより大きく、レアア
ース族並みに高温特性の優れたマグネシウム合金を製造
するべく鋭意研究を続けた結果、レアアース族を使用し
なくとも優れたマグネシウム合金を製造することに成功
した。この研究の過程を要約すると、Yよりも遥かに
安価で且つ熱伝導率が遥かに大きな銀を代替すること、
少量添加で高温特性を向上させ且つ防燃効果の高いカ
ルシウムを添加することにある。
【0005】具体的には、マグネシウムに下記に示す成
分割合の銀及びカルシウムを含めたことを特徴する。 4.0≦銀≦10重量% 0.1≦カルシウム≦1.0重量% 残部はマグネシウムと不可避不純物
【0006】
【作用】銀はマグネシウムに十分に固溶できる元素であ
り、この元素は他の添加元素に対して熱伝導率、電気伝
導度の低下が少ない。そして、主にマトリックスを強化
する作用をなし、ほぼ添加量に比例して直線的に引張り
強度を向上させる。ただし、4.0重量%以下では強度
向上効果が乏しく、また、7重量%以上で向上効果が弱
まり、12重量%では強度が低下する。
【0007】カルシウムはクリープ強度を飛躍的に向上
させる。銀の量に関わらず、クリープ強度はカルシウム
添加量にともなって増大する。カルシウムのマグネシウ
ムマトリックスへの固溶限が小さいので、カルシウムと
マグネシウム及び銀とカルシウム間の化合物が粒界に晶
出し、粒界を強化するためと考えられる。一方、カルシ
ウムを添加すると、同一銀添加量に対して引張り強度が
低下する。これは、銀とカルシウムとの間で化合物とを
つくり銀のマトリックスへの固溶を妨げるためと考えら
れる。特にカルシウムが1.2重量%になると非常に脆
くなり、強度は低下する。
【0008】つぎに銀とカルシウムの相互作用を考察す
る。銀の添加量が4.0重量%以上では、カルシウムの
添加量が0.5重量%程度でも大きなクリープ強度が得
られたが、これに対して銀の添加量が2重量%程度では
そうではなかった。これは、銀が2重量%では、カルシ
ウムとの化合物生成のために銀が使われてしまし、マト
リックスへの固溶が不十分となるためと考えられる。ク
リープ特性を向上させるためには、粒界強化のみでは限
りがあるので、マトリックス(粒内)強化の相乗効果が
必要と考える。従って、カルシウムと組合わせる場合
に、銀の下限値は4.0重量%となる。また銀は10重
量%を越えると、引張り強度の場合と同様に、マトリッ
クス強化が飽和に近くなるためクリープ強度の向上は臨
めす、銀の上限値を10重量%とする。
【0009】カルシウムは0.1重量%でも効果が認め
られるので下限値を0.1重量%、上限値を1.0重量
%とし、銀は下限値を4.0重量%、上限値を10重量
%とした。
【0010】
【実施例】以下、本実施例を示すが、本発明はこれに限
定されるものではない。 実施例1〜8及び比較例1〜7,11〜13,21〜2
3;所定の成分に調整した原料を、アルゴン(Ar)ガ
ス若しくはアルゴン(Ar)+六ふっ化硫黄(SF6
混合ガスをパージさせながら大気圧で溶解する。700
〜750℃に融液を一定時間保持した後、内径約80m
mの鉄製鋳型に注入する。得られたインゴットの等軸晶
部分から引張り試験片及びクリープ試験片を採取し、所
定の形状に加工する。
【0011】引張り試験は、温度150℃、引張速度
0.5mm/分一定の条件で実施した。クリープ試験
は、温度150℃にて試験応力を先ず50Mpaとし、
100時間経過までの最小クリープ速度を求め、この結
果を参考にして各試料毎に試験応力を設定し、この各応
力下での最小クリープ速度を求めた。
【0012】
【表1】
【0013】表1はカルシウムを含めないマグネシウム
合金の例を、比較例1〜7で示したものである。先ず、
銀(Ag)の量を0から11.82重量%へ徐々に増や
した場合に、引張り強度も増加するが、銀10.05重
量%の比較例6をピークに銀11.82重量%の比較例
7では引張り強度が減少する。従って、銀の量は10重
量%を越えることは経済的でないことが分かる。なお、
クリープ強度は最小クリープ速度が1.0×10-3%/
Hrとなる応力である。(他の表も同様)
【0014】
【表2】
【0015】表2は銀及びカルシウムを含めたマグネシ
ウム合金の例を、実施例1〜8及び比較例11〜13に
おいて対比させたものである。1グループは、カルシウ
ムを約0.1重量%として銀の量を変化させた場合であ
り、銀の量が4重量%以下の比較例11は、銀の量が
4.01重量%以上の実施例1,2と比較するとクリー
プ強度は1/2以下である。
【0016】2,3グループは、カルシウムを約0.
5,0.99重量%として銀の量を変化させた場合であ
り、銀の量が4.0重量%以下の比較例12,13は、
銀の量が4.01重量%以上の実施例3〜5,6〜8と
比較するとクリープ強度は1/2以下である。従って、
カルシウムが配合されても銀の量が4.0重量%以下で
はクリープ強度が小さくなり好ましくないことが分か
る。
【0017】
【表3】
【0018】表3はカルシウムを過剰に配合した例を示
し、カルシウムを1.21重量%配合した比較例23は
引張り強度が177Mpaであるのに対して、同等の銀
を含む実施例5は225Mpa、実施例8は210Mp
aであるから、カルシウムを過剰に配合すると強度は低
下する。比較例22を実施例1,3,6と比較しても同
様である。従って、銀とともに配合するカルシウムの量
は1.0重量%が限度である。
【0019】図1はマグネシウム及び各種マグネシウム
合金の熱伝導率を比較したグラフであり、横軸はベース
のマグネシウムに添加した元素の量であり、縦軸は熱伝
導率(cal/cm・sec・℃)である。この熱伝導
率は室温にてレーザーフラッシュ法により測定した。熱
伝導率が小さいと摩擦熱を発する摺動部材や燃焼熱を受
けるエンジン部材に使用する場合は部材の温度が上昇す
るという問題がおこる。この点、Mg−Yや熱伝導率の
小さ過ぎ、また、Mg−AlやMg−Ndも熱伝導率は
小さい。これに対して、本発明品の属するMg−Caは
比較的大きな値であって好ましい。
【0020】図2は本発明の実施例と各種マグネシウム
合金の熱伝導率比較グラフであり、横軸を熱伝導率(c
al/cm・sec・℃)とした場合、実施例1は0.
32cal/cm・sec・℃で、比較例21〜23よ
り遥かに大きな熱伝導性を有している。実施例8は実施
例1及び比較例21よりは劣るが、0.26cal/c
m・sec・℃程度の熱伝導率を有している。
【0021】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、マグネシウムをベースに4〜10重
量%の銀と0.1〜1.0重量%のカルシウムを添加し
たことを特徴とし、銀で熱伝導率を高め、カルシウムで
クリープ強度を高めた結果、レアアースを使用すること
無く、引張り強度及びクリープ強度に優れたマグネシウ
ム合金を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】マグネシウム及び各種マグネシウム合金の熱伝
導率を比較したグラフ
【図2】本発明の実施例と各種マグネシウム合金の熱伝
導率比較グラフ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウムに下記に示す成分割合の銀
    及びカルシウムを含めたことを特徴とする引張り強度及
    びクリープ特性に優れたマグネシウム合金。 4.0≦銀≦10重量% 0.1≦カルシウム≦1.0重量% 残部 マグネシウムと不可避不純物
JP11531494A 1994-05-27 1994-05-27 引張り強度及びクリープ特性に優れたマグネシウム合金 Withdrawn JPH07316712A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008266734A (ja) * 2007-04-20 2008-11-06 Toyota Industries Corp 鋳造用マグネシウム合金およびマグネシウム合金鋳物
JP2021055168A (ja) * 2019-10-01 2021-04-08 国立研究開発法人産業技術総合研究所 マグネシウム合金板

Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008266734A (ja) * 2007-04-20 2008-11-06 Toyota Industries Corp 鋳造用マグネシウム合金およびマグネシウム合金鋳物
WO2008133217A1 (ja) * 2007-04-20 2008-11-06 Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki 鋳造用マグネシウム合金およびマグネシウム合金鋳物
JP2021055168A (ja) * 2019-10-01 2021-04-08 国立研究開発法人産業技術総合研究所 マグネシウム合金板

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