JPH06172909A - 高強度Mg鋳造合金 - Google Patents
高強度Mg鋳造合金Info
- Publication number
- JPH06172909A JPH06172909A JP35040892A JP35040892A JPH06172909A JP H06172909 A JPH06172909 A JP H06172909A JP 35040892 A JP35040892 A JP 35040892A JP 35040892 A JP35040892 A JP 35040892A JP H06172909 A JPH06172909 A JP H06172909A
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- Japan
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- alloy
- strength
- high strength
- creep
- casting
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Abstract
(57)【要約】
【構成】Ce、Ce系ミッシュメタルの1種以上 0.
5〜2wt%を含有し、さらに、 Sn0.5〜15wt%、Bi0.5〜9wt%、Pb
0.5〜40wt% の1種または2種以上を含有し、残部Mgおよび不可避
不純物からなることを特徴とする高強度Mg鋳造合金で
あり、さらに、この合金にZrを0.2〜1.0wt%含
有させることができる。 【効果】ダイカスト、金型、砂型鋳造が可能であり、長
時間のクリープ強度維持効果があり、さらに、耐熱性で
あり、かつ、高強度であるという優れた効果がある。
5〜2wt%を含有し、さらに、 Sn0.5〜15wt%、Bi0.5〜9wt%、Pb
0.5〜40wt% の1種または2種以上を含有し、残部Mgおよび不可避
不純物からなることを特徴とする高強度Mg鋳造合金で
あり、さらに、この合金にZrを0.2〜1.0wt%含
有させることができる。 【効果】ダイカスト、金型、砂型鋳造が可能であり、長
時間のクリープ強度維持効果があり、さらに、耐熱性で
あり、かつ、高強度であるという優れた効果がある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高強度Mg鋳造合金に関
し、さらに詳しくは、ピストン、コンバータハウジン
グ、トランスミッションケース、シリンダーブロック、
シリンダーヘッド等の自動車用のエンジン部品、特に、
耐熱性を要求される部品に好適である高強度Mg鋳造合
金に関するものである。
し、さらに詳しくは、ピストン、コンバータハウジン
グ、トランスミッションケース、シリンダーブロック、
シリンダーヘッド等の自動車用のエンジン部品、特に、
耐熱性を要求される部品に好適である高強度Mg鋳造合
金に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、耐熱性のMg合金は航空機用の
部品材料として使用されてきており、今までにも数多く
の材料の開発が行われており、そして、このような航空
機用部品としての材料は、200〜300℃の温度領域
において使用できるように設計されている。
部品材料として使用されてきており、今までにも数多く
の材料の開発が行われており、そして、このような航空
機用部品としての材料は、200〜300℃の温度領域
において使用できるように設計されている。
【0003】そのため、高くてもせいぜい150℃程度
の温度において使用される自動車のエンジン部品材料と
しては上記航空機用の耐熱性Mg合金の品質は過剰なも
のである。
の温度において使用される自動車のエンジン部品材料と
しては上記航空機用の耐熱性Mg合金の品質は過剰なも
のである。
【0004】従って、自動車用のエンジン部品材料とし
ては、航空機用の耐熱性Mg合金のような高温度におけ
る使用ではないので、比較的簡単に製造することがで
き、かつ、安価であることが重要であるため、最近にな
って、この目的にかなうような耐熱性Mg合金の開発が
数多く行われてきている。
ては、航空機用の耐熱性Mg合金のような高温度におけ
る使用ではないので、比較的簡単に製造することがで
き、かつ、安価であることが重要であるため、最近にな
って、この目的にかなうような耐熱性Mg合金の開発が
数多く行われてきている。
【0005】例えば、ダウケミカル社のAE42(Mg
−4Al−2RE)、メル社のZC63(Mg−6Zn
−3Cu)の各合金が開発されて自動車部品材料として
の適用が検討されている。
−4Al−2RE)、メル社のZC63(Mg−6Zn
−3Cu)の各合金が開発されて自動車部品材料として
の適用が検討されている。
【0006】このAE42合金はダイカスト用に開発さ
れた合金で、ダイカストにおける使用しかできないとい
う問題があり、また、ZC63はCuを含有させること
により、その時効効果を高くして、クリープ抵抗を向上
させる合金であり、そして、製造が比較的簡単で、低コ
ストではあるが、150℃の温度における長時間経過後
のクリープ抵抗の低下が大きいという問題がある。
れた合金で、ダイカストにおける使用しかできないとい
う問題があり、また、ZC63はCuを含有させること
により、その時効効果を高くして、クリープ抵抗を向上
させる合金であり、そして、製造が比較的簡単で、低コ
ストではあるが、150℃の温度における長時間経過後
のクリープ抵抗の低下が大きいという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に説明し
た従来における耐熱性Mg合金の種々の問題点を解決す
るために、本発明者が鋭意研究を行い、検討を重ねた結
果、ダイカスト、金型、砂型の何れの鋳造も可能であ
り、長時間のクリープ特性に優れており、かつ、低コス
トであって、自動車部品材料に適した耐熱性に優れてい
る高強度Mg鋳造合金を開発したのである。
た従来における耐熱性Mg合金の種々の問題点を解決す
るために、本発明者が鋭意研究を行い、検討を重ねた結
果、ダイカスト、金型、砂型の何れの鋳造も可能であ
り、長時間のクリープ特性に優れており、かつ、低コス
トであって、自動車部品材料に適した耐熱性に優れてい
る高強度Mg鋳造合金を開発したのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る高強度Mg
鋳造合金は、Ce、Ce系ミッシュメタルの1種または
2種以上0.5〜2wt%を含有し、かつ、 Sn0.5〜15wt%、Bi0.5〜9wt%、Pb
0.5〜40wt% の1種または2種以上を含有し、残部Mgおよび不可避
不純物からなることを特徴とする高強度Mg鋳造合金を
第1の発明とし、Ce、Ce系ミッシュメタルの1種ま
たは2種以上0.5〜2wt%を含有し、かつ、 Sn0.5〜15wt%、Bi0.5〜9wt%、Pb
0.5〜40wt% の1種または2種以上を含有し、さらに、 Zr0.2〜1.0wt% を含有し、残部Mgおよび不可避不純物からなることを
特徴とする高強度Mg鋳造合金を第2の発明とする2つ
の発明よりなるものである。
鋳造合金は、Ce、Ce系ミッシュメタルの1種または
2種以上0.5〜2wt%を含有し、かつ、 Sn0.5〜15wt%、Bi0.5〜9wt%、Pb
0.5〜40wt% の1種または2種以上を含有し、残部Mgおよび不可避
不純物からなることを特徴とする高強度Mg鋳造合金を
第1の発明とし、Ce、Ce系ミッシュメタルの1種ま
たは2種以上0.5〜2wt%を含有し、かつ、 Sn0.5〜15wt%、Bi0.5〜9wt%、Pb
0.5〜40wt% の1種または2種以上を含有し、さらに、 Zr0.2〜1.0wt% を含有し、残部Mgおよび不可避不純物からなることを
特徴とする高強度Mg鋳造合金を第2の発明とする2つ
の発明よりなるものである。
【0009】本発明に係る高強度Mg鋳造合金につい
て、以下詳細に説明する。
て、以下詳細に説明する。
【0010】本発明に係る高強度Mg鋳造合金におい
て、クリープ抵抗を長時間維持するためには、レアアー
ス(RE)を含有させることが必要であり、本発明者の
詳細な研究によれば、クリープ強度は時効処理中、或い
は、クリープ中に析出したレアアース(RE)の化合物
量に依存しており、このことは結局、レアアース(R
E)の固溶量に依存していることがわかった。
て、クリープ抵抗を長時間維持するためには、レアアー
ス(RE)を含有させることが必要であり、本発明者の
詳細な研究によれば、クリープ強度は時効処理中、或い
は、クリープ中に析出したレアアース(RE)の化合物
量に依存しており、このことは結局、レアアース(R
E)の固溶量に依存していることがわかった。
【0011】この場合、レアアース(RE)の最適な含
有量は、Ceでは1wt%程度であり、それ以上含有さ
せても効果を向上させることはない。このことは、Mg
中におけるCeの固溶量は状態図からみて、最大固溶量
は0.8wt%程度である。これ以上の含有は、凝固過
程において共晶化合物として晶出して、強度には寄与し
ないためである。
有量は、Ceでは1wt%程度であり、それ以上含有さ
せても効果を向上させることはない。このことは、Mg
中におけるCeの固溶量は状態図からみて、最大固溶量
は0.8wt%程度である。これ以上の含有は、凝固過
程において共晶化合物として晶出して、強度には寄与し
ないためである。
【0012】そして、Mg−Ce系合金があまり利用さ
れない原因について研究を行ったところ、このMg−C
e系合金においては、ダイカスト鋳造を行い、細粒効果
を利用したとしても、耐力、引張強さを改善するために
は、時効処理に拠らざるを得ない。
れない原因について研究を行ったところ、このMg−C
e系合金においては、ダイカスト鋳造を行い、細粒効果
を利用したとしても、耐力、引張強さを改善するために
は、時効処理に拠らざるを得ない。
【0013】しかし、レアアース(RE)は上記に説明
したように、固溶量が少ないので時効硬化能が小さいこ
と、また、時効処理によりクリープ中に析出する粒子が
大きくなること等から、長時間使用した場合のクリープ
特性の向上に対しては効果がない。このクリープ特性を
改善するためには、T4処理を行って、使用中に長時間
にわたって析出を起こさせる方が有利であることが判明
し、これについて検討を行った。
したように、固溶量が少ないので時効硬化能が小さいこ
と、また、時効処理によりクリープ中に析出する粒子が
大きくなること等から、長時間使用した場合のクリープ
特性の向上に対しては効果がない。このクリープ特性を
改善するためには、T4処理を行って、使用中に長時間
にわたって析出を起こさせる方が有利であることが判明
し、これについて検討を行った。
【0014】即ち、耐力の向上をどのようにして達成す
るかということが課題であり、これに対して、レアアー
ス(RE)の特性を活用するためには、時効硬化につい
ては別の元素により行うこととし、この両者を区別した
のである。
るかということが課題であり、これに対して、レアアー
ス(RE)の特性を活用するためには、時効硬化につい
ては別の元素により行うこととし、この両者を区別した
のである。
【0015】そのために、含有させる選択された合金元
素として、拡散速度が速く、かつ、化合物の析出の発生
し易い元素が有効であり、これは、クリープ強度に対す
る考察(拡散速度の遅い元素、即ち、高融点の元素の選
択)とは著しく異なるものである。従って、拡散速度の
速い元素は低融点の合金元素である。
素として、拡散速度が速く、かつ、化合物の析出の発生
し易い元素が有効であり、これは、クリープ強度に対す
る考察(拡散速度の遅い元素、即ち、高融点の元素の選
択)とは著しく異なるものである。従って、拡散速度の
速い元素は低融点の合金元素である。
【0016】このことから、レアアース(RE)化合物
の析出を抑制することができる温度条件で、かつ、短時
間に時効処理を行うことができ、耐力、引張強さを改善
することが可能となる。
の析出を抑制することができる温度条件で、かつ、短時
間に時効処理を行うことができ、耐力、引張強さを改善
することが可能となる。
【0017】この場合、重要なことは合金元素は固溶量
が殆どないこと(固溶状態にあると拡散速度が増大し、
クリープ抵抗が劣化する。)、かつ、析出した化合物の
融点が高い(析出物の熱安定性の維持)ことが必要であ
る。そして、固溶量が少なく、しかも化合物の融点が高
いことは鋳造ままで使用されるダイカスト合金の耐力改
善にも有効である。
が殆どないこと(固溶状態にあると拡散速度が増大し、
クリープ抵抗が劣化する。)、かつ、析出した化合物の
融点が高い(析出物の熱安定性の維持)ことが必要であ
る。そして、固溶量が少なく、しかも化合物の融点が高
いことは鋳造ままで使用されるダイカスト合金の耐力改
善にも有効である。
【0018】本発明に係る高強度Mg鋳造合金は上記に
詳細に説明したように、耐力を向上させることと、クリ
ープ抵抗を改善するということの2つの改善を区別した
ことにより、長時間にわたって優れたクリープ抵抗を維
持することがてき、かつ、低コストであることが達成で
きるのである。
詳細に説明したように、耐力を向上させることと、クリ
ープ抵抗を改善するということの2つの改善を区別した
ことにより、長時間にわたって優れたクリープ抵抗を維
持することがてき、かつ、低コストであることが達成で
きるのである。
【0019】レアアース(RE)はクリープ強度を改善
する元素であり、レアアース(RE)として、Ce、C
e系ミッシュメタルを使用するのである。従来において
は、耐熱性に優れたMg合金には、Nd、Nd系ミッシ
ュメタルが使用されていた。このNd、Nd系ミッシュ
メタルは時効硬化能が高く、かつ、固溶量が多いことか
ら耐熱性からみて有利であるが、自動車用としては温度
が低いことと、高コストということから、Ce、Ce系
ミッシュメタルで充分であること、さらに、耐力の改善
(時効硬化能)は別の合金元素で補うこと等から、C
e、Ce系ミッシュメタルを含有させることにより充分
に効果を達成できるものである。
する元素であり、レアアース(RE)として、Ce、C
e系ミッシュメタルを使用するのである。従来において
は、耐熱性に優れたMg合金には、Nd、Nd系ミッシ
ュメタルが使用されていた。このNd、Nd系ミッシュ
メタルは時効硬化能が高く、かつ、固溶量が多いことか
ら耐熱性からみて有利であるが、自動車用としては温度
が低いことと、高コストということから、Ce、Ce系
ミッシュメタルで充分であること、さらに、耐力の改善
(時効硬化能)は別の合金元素で補うこと等から、C
e、Ce系ミッシュメタルを含有させることにより充分
に効果を達成できるものである。
【0020】Ce、Ce系ミッシュメタルの含有量は
0.2wt%未満では効果が少なく、また、2wt%を
越えて含有させると効果は飽和してしまい、晶出物とな
って存在することにより機械的性質、特に、伸びを劣化
させる。よって、Ce、Ce系ミッシュメタルの含有量
は0.2〜2wt%とする。
0.2wt%未満では効果が少なく、また、2wt%を
越えて含有させると効果は飽和してしまい、晶出物とな
って存在することにより機械的性質、特に、伸びを劣化
させる。よって、Ce、Ce系ミッシュメタルの含有量
は0.2〜2wt%とする。
【0021】Sn、Pb、Biは時効硬化を図ることに
より、耐力を向上させる元素であり、Sn、Pb、Bi
含有量は0.5wt%未満では時効硬化を充分に発揮す
ることができず、また、Sn15wt%、Pb40wt
%、Bi9wt%の最大含有量とするのは、目的とする
強度にするためであり、Mgに固溶する最大限でもあ
る。このような固溶限を越えて含有させると機械的性質
を劣化させるので好もしくない。よって、Sn含有量は
0.5〜15wt%、Pb含有量は0.5〜40wt%、
Bi含有量は0.5〜9wt%とする。
より、耐力を向上させる元素であり、Sn、Pb、Bi
含有量は0.5wt%未満では時効硬化を充分に発揮す
ることができず、また、Sn15wt%、Pb40wt
%、Bi9wt%の最大含有量とするのは、目的とする
強度にするためであり、Mgに固溶する最大限でもあ
る。このような固溶限を越えて含有させると機械的性質
を劣化させるので好もしくない。よって、Sn含有量は
0.5〜15wt%、Pb含有量は0.5〜40wt%、
Bi含有量は0.5〜9wt%とする。
【0022】なお、上記に説明した各合金元素は、1種
づつ含有させてもよいが、2種以上を複合含有させるこ
ともでき、効果を改善することができる。
づつ含有させてもよいが、2種以上を複合含有させるこ
ともでき、効果を改善することができる。
【0023】Zrは結晶粒を微細化する元素であり、含
有量が0.2wt%未満ではこの効果は少なく、また、
1.0wt%を越えて含有させても結晶粒微細化の効果
はあまり改善されない。よって、Zr含有量は0.2〜
1.0wt%とする。
有量が0.2wt%未満ではこの効果は少なく、また、
1.0wt%を越えて含有させても結晶粒微細化の効果
はあまり改善されない。よって、Zr含有量は0.2〜
1.0wt%とする。
【0024】
【実 施 例】本発明に係る高強度Mg鋳造合金の実施
例を説明する。
例を説明する。
【0025】
【実 施 例 1】MgにCe、Ndを含有させた場合
の、高温における耐力とクリープ強度を含有量および試
験温度を変化させて、調査した結果を図1および図2に
示す。この場合、図1、図2において○はCe1wt
%、△Nd1wt%、●はCe2wt%、▲はNd2w
t%であり、T4処理条件で試験を行った。
の、高温における耐力とクリープ強度を含有量および試
験温度を変化させて、調査した結果を図1および図2に
示す。この場合、図1、図2において○はCe1wt
%、△Nd1wt%、●はCe2wt%、▲はNd2w
t%であり、T4処理条件で試験を行った。
【0026】図1および図2より、耐力の改善にはNd
を含有させるのが有利であり、クリープ強度に対しても
同様であるが、自動車用として使用する場合には、15
0℃の温度が一応目安となるが、クリープ抵抗を考慮す
る限りにおいては殆ど差のないことがわかる。
を含有させるのが有利であり、クリープ強度に対しても
同様であるが、自動車用として使用する場合には、15
0℃の温度が一応目安となるが、クリープ抵抗を考慮す
る限りにおいては殆ど差のないことがわかる。
【0027】
【実 施 例 2】MgにSn、Pb、Biを含有させた
場合のT4処理材の時効温度200℃において時効処理
時間を変化させて調査した結果を図3に示す。この条件
は調査した時間内においてレアアース(RE)化合物が
時効中に発生しない最高の温度に相当する。この図3か
ら、何れの合金にも時効硬化が現れており、さらに、低
温、短時間に生じていることが分かる。なお、図3にお
いて、○はSn12wt%、□はPb30wt%、△は
Bi7wt%をそれぞれ含有するMg合金である。
場合のT4処理材の時効温度200℃において時効処理
時間を変化させて調査した結果を図3に示す。この条件
は調査した時間内においてレアアース(RE)化合物が
時効中に発生しない最高の温度に相当する。この図3か
ら、何れの合金にも時効硬化が現れており、さらに、低
温、短時間に生じていることが分かる。なお、図3にお
いて、○はSn12wt%、□はPb30wt%、△は
Bi7wt%をそれぞれ含有するMg合金である。
【0028】
【実 施 例 3】本発明に係る高強度Mg鋳造合金およ
び従来使用されている合金のクリープ強度を比較して図
4に示す。この図4から本発明に高強度Mg鋳造合金
は、航空機用のQE22(Mg−2wt%Ag−2wt
%RE)、WE43(Mg−4wt%Y−3wt%R
E)と比較しても、クリープ強度において遜色がなく、
また、本発明に係る高強度Mg鋳造合金はAZ91、Z
E41、EZ33と比較すると格段に優れたクリープ強
度を有していることが分かる。
び従来使用されている合金のクリープ強度を比較して図
4に示す。この図4から本発明に高強度Mg鋳造合金
は、航空機用のQE22(Mg−2wt%Ag−2wt
%RE)、WE43(Mg−4wt%Y−3wt%R
E)と比較しても、クリープ強度において遜色がなく、
また、本発明に係る高強度Mg鋳造合金はAZ91、Z
E41、EZ33と比較すると格段に優れたクリープ強
度を有していることが分かる。
【0029】
【実 施 例 4】Mg−5wt%Bi−1wt%RE系
合金において、鋳造、熱処理後の結晶粒におよぼすZr
の影響について調査した結果を図5に示す。この図5か
らZr含有量が0.2wt%未満では結晶粒は殆ど微細
とはならず、従って、0.2wt%以上を含有させる必
要があり、また、含有量が1.0wt%を越えると多く
含有させる割りには効果の向上は顕著ではないことがわ
かる。
合金において、鋳造、熱処理後の結晶粒におよぼすZr
の影響について調査した結果を図5に示す。この図5か
らZr含有量が0.2wt%未満では結晶粒は殆ど微細
とはならず、従って、0.2wt%以上を含有させる必
要があり、また、含有量が1.0wt%を越えると多く
含有させる割りには効果の向上は顕著ではないことがわ
かる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る高強
度Mg鋳造合金は上記の構成を有しているから、ダイカ
スト、金型、砂型鋳造が可能であり、長時間のクリープ
強度維持効果を有しており、さらに、耐熱性であり、か
つ、高強度であるという優れた効果がある。
度Mg鋳造合金は上記の構成を有しているから、ダイカ
スト、金型、砂型鋳造が可能であり、長時間のクリープ
強度維持効果を有しており、さらに、耐熱性であり、か
つ、高強度であるという優れた効果がある。
【図1】Mg−Ce系合金、Mg−Nd系合金の温度と
0.2%耐力との関係を示す図である。
0.2%耐力との関係を示す図である。
【図2】Mg−Ce系合金、Mg−Nd系合金の温度と
クリープ強度との関係を示す図である。
クリープ強度との関係を示す図である。
【図3】MgにSn、Pb、Biを含有させた場合の時
効処理時間と硬さとの関係を示す図である。
効処理時間と硬さとの関係を示す図である。
【図4】本発明に係る高強度Mg鋳造合金と比較例との
クリープ強度の比較を示す図である。
クリープ強度の比較を示す図である。
【図5】Mg−5wt%Bi−1wt%RE系合金の結
晶粒微細化におよぼすZrの影響について示した図であ
る。
晶粒微細化におよぼすZrの影響について示した図であ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】Ce、Ce系ミッシュメタルの1種または
2種以上0.5〜2wt%を含有し、かつ、 Sn0.5〜15wt%、Bi0.5〜9wt%、Pb
0.5〜40wt% の1種または2種以上を含有し、残部Mgおよび不可避
不純物からなることを特徴とする高強度Mg鋳造合金。 - 【請求項2】Ce、Ce系ミッシュメタルの1種または
2種以上0.5〜2wt%を含有し、かつ、 Sn0.5〜15wt%、Bi0.5〜9wt%、Pb
0.5〜40wt% の1種または2種以上を含有し、さらに、 Zr0.2〜1.0wt% を含有し、残部Mgおよび不可避不純物からなることを
特徴とする高強度Mg鋳造合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35040892A JPH06172909A (ja) | 1992-12-03 | 1992-12-03 | 高強度Mg鋳造合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35040892A JPH06172909A (ja) | 1992-12-03 | 1992-12-03 | 高強度Mg鋳造合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06172909A true JPH06172909A (ja) | 1994-06-21 |
Family
ID=18410297
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35040892A Withdrawn JPH06172909A (ja) | 1992-12-03 | 1992-12-03 | 高強度Mg鋳造合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06172909A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003016581A1 (fr) * | 2001-08-13 | 2003-02-27 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Alliage de magnesium |
JP2003129160A (ja) * | 2001-08-13 | 2003-05-08 | Honda Motor Co Ltd | 耐熱マグネシウム合金 |
GB2410033A (en) * | 2001-08-13 | 2005-07-20 | Honda Motor Co Ltd | Magnesium alloy |
CN111304511A (zh) * | 2020-03-27 | 2020-06-19 | 有研工程技术研究院有限公司 | 一种油气开采用镁合金材料及其制备方法和应用 |
-
1992
- 1992-12-03 JP JP35040892A patent/JPH06172909A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003016581A1 (fr) * | 2001-08-13 | 2003-02-27 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Alliage de magnesium |
JP2003129160A (ja) * | 2001-08-13 | 2003-05-08 | Honda Motor Co Ltd | 耐熱マグネシウム合金 |
GB2410033A (en) * | 2001-08-13 | 2005-07-20 | Honda Motor Co Ltd | Magnesium alloy |
GB2410033B (en) * | 2001-08-13 | 2005-09-07 | Honda Motor Co Ltd | Magnesium alloy |
US7153374B2 (en) | 2001-08-13 | 2006-12-26 | Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha | Magnesium alloy |
CN1317412C (zh) * | 2001-08-13 | 2007-05-23 | 本田技研工业株式会社 | 镁合金 |
CN111304511A (zh) * | 2020-03-27 | 2020-06-19 | 有研工程技术研究院有限公司 | 一种油气开采用镁合金材料及其制备方法和应用 |
CN111304511B (zh) * | 2020-03-27 | 2022-01-04 | 有研工程技术研究院有限公司 | 一种油气开采用镁合金材料及其制备方法和应用 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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